JP6614558B2 - 金属化フィルム及び金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

金属化フィルム及び金属化フィルムコンデンサ Download PDF

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この発明は、誘電体フィルム上に蒸着電極を形成してなる金属化フィルム及びそれを用いた金属化フィルムコンデンサに関する。
金属化フィルムにおいて、誘電体フィルムの表面に蒸着された蒸着電極を絶縁スリットによって分割し、この分割された小電極(分割電極)同士を、ヒューズ部を介して互いに接続することは、例えば特許文献1に示すように従来から行われている。上記構成の金属化フィルムを用いたコンデンサでは、過電流等によってある分割電極に絶縁破壊が生じたとしても、ヒューズ部が溶断し、当該分割電極と他の分割電極とが切り離されることによって絶縁が回復する、いわゆる自己保安機能を発揮する。
特開2004−134561号公報
しかし、自己保安機能が発揮されると、電流は切り離された分割電極を迂回するようにして流れざるを得ない。そのため、ヒューズ動作前に比べて電流経路が長くなり、等価直列抵抗(ESR)の増加を招いていた。ESRが増加すると、リップル電流負荷時の発熱が大きくなり、コンデンサ寿命が短くなってしまう。また、発熱量の増加による熱暴走で 絶縁破壊を誘発する可能性もある。
そこでこの発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ヒューズ動作後のESRの増加を抑制することができる金属化フィルム及びこれを用いた金属化フィルムコンデンサの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の金属化フィルムは、誘電体フィルム3に蒸着電極4を形成してなる金属化フィルムであって、蒸着電極4が、絶縁スリットによって分割された複数の分割電極10と、分割電極10のコーナー部10aに設けられるコーナーヒューズ部11とを備えており、コーナーヒューズ部11が、各分割電極10のコーナー部10aに設けられた小ヒューズ部11aの集合体であり、各小ヒューズ部11aがそれぞれ独立して動作することを特徴としている。
また、本発明の金属化フィルムコンデンサは、上記金属化フィルムを重ね合わせてなることを特徴としている。
この発明の金属化フィルムは、分割電極のコーナー部に設けられるコーナーヒューズ部を有しており、1つの分割電極が、コーナーヒューズ部を介して複数の分割電極と接続された状態である。また、コーナーヒューズ部が、各分割電極のコーナー部に設けられた小ヒューズ部の集合体であり、各小ヒューズ部がそれぞれ独立して動作するため、一部の小ヒューズ部が動作しても、他の分割電極との接続を維持し続けることができ、電流経路を確保し続けることができる。そしてこの電流経路は、ヒューズ動作前後で同じコーナーヒューズ部を通り続けることとなるため、電流経路の長さの変化を軽微なものに留めることができ、ヒューズ動作によるESRの増加を抑制することができる。
本願発明の実施形態に係る金属化フィルムコンデンサの一部を示す断面図である。 本願発明の実施形態に係る金属化フィルムの平面図である。 コーナーヒューズ部の動作状況を示す、(a)が要部拡大図、(b)がヒューズ動作前後の電流経路を示した平面図である。 静電容量変化率とESR増加率の関係を示すグラフである。 本発明の異なる実施形態に係る金属化フィルムの平面図である。 従来の金属化フィルムの平面図である。
次に、この発明の金属化フィルムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。金属化フィルム2は、図1に示すように、誘電体フィルム3の表面にアルミや亜鉛等を蒸着させ、蒸着電極4を形成することで構成されている。
蒸着電極4は、図2に示すように、誘電体フィルム3の幅方向(以下、フィルム幅方向)の一方端部まで設けられている。一方で、他方端部には誘電体フィルム3の長さ方向(以下、フィルム長さ方向)の全長に亘って設けられていない。これは、この金属化フィルム2を重ね合わせてコンデンサ素子を製造するにあたって、フィルム幅方向の両端部にそれぞれ設けられるメタリコン電極5、5の双方と蒸着電極4とが接続しないようにするためのものである。なお、以下、説明のために、フィルム幅方向の一方端部側であってメタリコン電極5と接続される部位を接続部6と称し、フィルム幅方向の他方端部側の非蒸着部を絶縁マージン7と称す。
上記構成の蒸着電極4は、接続部6を除いて、細長の非蒸着部からなる絶縁スリットによって分割されている。具体的には、フィルム幅方向に平行な複数の第1絶縁スリット8と、フィルム幅方向に直交する複数の第2絶縁スリット9によって分割されている。各第1絶縁スリット8は、フィルム長さ方向に略等間隔に設けられている。また、各第2絶縁スリット9は、フィルム幅方向に略等間隔に設けられている。そのため、絶縁スリットは格子状であって、蒸着電極4は、フィルム幅方向及びフィルム長さ方向に複数並んだ略矩形状の小電極(分割電極)10に分割されている。なお、図2では、フィルム幅方向に5個の分割電極10が並んでいる。
全ての分割電極10は、隣接する分割電極10または接続部6と、第1絶縁スリット8や第2絶縁スリット9を分断するようにして設けられたヒューズ部によって互いに接続されている。なお、以下、第1絶縁スリット8をヒューズ部によって分断したものを第1分断スリット8aと称し、第2絶縁スリット9をヒューズ部によって分断したものを第2分断スリット9aと称す。ヒューズ部は、定常時は電流経路になる一方で、分割電極10に絶縁破壊が生じた際に溶断し、当該分割電極10を他の分割電極10や接続部6から切り離して、コンデンサ全体としての絶縁を回復するためのものである。なお、ヒューズ部は、コーナーヒューズ部11と、第1ヒューズ部12と、第2ヒューズ部13の3種類のヒューズとを有している。
コーナーヒューズ部11は、複数の分割電極10のコーナー部10a同士を接続するためのヒューズであって、略矩形状とされた分割電極10のコーナー部10aに設けられている。具体的には、互いに隣接する4個の分割電極10のコーナー部10aが1ヶ所に集まる部分に設けられている。そして、これら4個の分割電極10を互いに接続している。なお、この状態は、第1絶縁スリット8と第2絶縁スリット9の仮想の交点にコーナーヒューズ部11が設けられており、この仮想の交点を囲む4個の分割電極10がコーナーヒューズ部11によって互いに接続されているとも言える。また、コーナーヒューズ部11は、図3aに示すように、第1分断スリット8aの先端部と、第2分断スリット9aの先端部との間(すなわち、各分割電極10のコーナー部10a)にそれぞれ形成された複数(4個)の小ヒューズ部11aの集合体であるとも言える。各小ヒューズ部11aの幅(第1分断スリット8aの先端部と第2分断スリット9aの先端部間の距離)L1は、例えば0.25〜0.40mmである。上記構成のコーナーヒューズ部11は、少なくとも絶縁マージン7に最も近い分割電極10を除く分割電極10に設けられている。具体的には、フィルム幅方向に5個並んだ分割電極10の、接続部6から見て1個目の分割電極10と2個目の分割電極10との間、3個目の分割電極10と4個目の分割電極10との間に設けられている。なお、この状態は、誘電体フィルム3の幅方向に複数並ぶ第2絶縁スリット9に対してひとつ置きに設けられていると言える。ただ、全ての分割電極10のコーナー部10aにコーナーヒューズ部11を設けても良い。
第1ヒューズ部12は、フィルム幅方向に隣接する分割電極10と接続部6とを接続したり、フィルム幅方向に隣接する分割電極10、10同士を接続するためのヒューズであって、第2絶縁スリット9を分断するようにして設けられている。具体的には、フィルム幅方向に5個並んだ分割電極10の、接続部6から見て1個目の分割電極10と接続部6との間(接続部6に最も近い分割電極10と接続部6との間)、2個目の分割電極10と3個目との分割電極10の間、4個目の分割電極10と5個目の分割電極10との間(絶縁マージン7に最も近い分割電極10と、この分割電極10とフィルム幅方向で隣接する分割電極10との間)に設けられている。従って、第1ヒューズ部12とコーナーヒューズ部11とは、フィルム幅方向において交互に設けられていると言える。また、第1ヒューズ部12は、フィルム長さ方向において分割電極10の中央に位置するようにして設けられている。
第2ヒューズ部13は、フィルム長さ方向に隣接する分割電極10、10同士を接続するためのヒューズであって、第1絶縁スリット8を分断するようにして設けられている。具体的には、絶縁マージン7に最も近い分割電極10、10間に設けられている。この第2ヒューズ部13は、フィルム幅方向において分割電極10の中央よりもやや絶縁マージン7側に片寄った位置に設けられている。ただし、これに限らず中央や接続部6側に片寄って設けられても良い。
図1に示すように、上記構成の2枚の金属化フィルム2、2を、絶縁マージン7の位置が上下で互い違いとなるように、且つ蒸着電極4、4間に誘電体フィルム3が介在するようにして複数重ね合わせるとともに、フィルム幅方向の両端部にそれぞれメタリコン電極5、5を形成することで本発明の金属化フィルムコンデンサ1が製造される。
金属化フィルム2を用いたコンデンサでは、過電流等によって絶縁破壊が生じることがある。絶縁破壊が生じると、通常、絶縁が破壊した部分Bの周囲の蒸着電極4が蒸発して絶縁が回復する。しかし、それでも絶縁が回復しない場合は、ヒューズ部が溶断し、絶縁破壊が生じた分割電極10と周囲の分割電極10とが切り離される。コーナーヒューズ部11が溶断する場合、図3aに示すように、第1分断スリット8aの先端部と、第2分断スリット9aの先端部とが連結するように、すなわち、最短距離を通るようにして両者間の蒸着金属が溶断(蒸発)する(図3aの溶断部F参照)。この際、他の第1分断スリット8aの先端部と、第2分断スリット9aの先端部の間の蒸着金属は蒸発しない。また、L1よりも距離が長い第1分断スリット8a、8aの先端部間や、第2分断スリット9a、9aの先端部間の蒸着金属も蒸発しない。すなわち、コーナーヒューズ部11を構成する4個の小ヒューズ部11aが一度に全て動作するのではなく、それぞれが独立して(個別に)動作する。そのため、コーナーヒューズ部11によって互いに接続されている4個の分割電極10のうち、絶縁破壊が生じた分割電極10だけが切り離され、他の分割電極10、10同士は接続を維持する。なお、コンデンサに対して過大な電圧が負荷された場合、複数の小ヒューズ部11aが同時に動作することも考えられるが、電位傾度(電圧[VDC]/誘電体フィルム厚[μ m])が340VDC/μ m以下であれば、各小ヒューズ部11aがそれぞれ個別に動作することを確認している。
分割電極10が切り離されると、そこを経由していた電流(図3bの実線矢印)は、その分割電極10を迂回して流れる(点線矢印参照)。しかし、電流は、ヒューズ動作後も変わらず同じコーナーヒューズ部11を通ることができるため、電流経路の長さに変化は無い。そのため、ヒューズ動作前後でのESRの変化が無い、もしくはESRの増加率を低く抑えることができる。
図4は、静電容量の変化(減少)率に対するESRの増加率を表したグラフである。実線は、本発明の金属化フィルム2の結果を示し、点線は、図6に示す従来の金属化フィルムの結果を示している。グラフの通り、本発明の金属化フィルム2は、従来の金属化フィルムに比べて、静電容量の減少率(ΔC)に対するESRの増加率(ΔESR)が緩やかである。このことから、本発明の金属化フィルム2では、各ヒューズ部が動作してもESRが増加し難いことが分かる。
続いて、他の実施形態の金属化フィルムについて説明する。この金属化フィルム2Aは、図5に示すように、フィルム幅方向において接続部6と隣接する分割電極10と、接続部6との間、絶縁マージン7に最も近い分割電極10と、この分割電極10とフィルム幅方向で隣接する分割電極10との間を除いて、各分割電極10、10同士がコーナーヒューズ部11によって互いに接続されている。
このような構成の金属化フィルム2Aであっても、図5の実線矢印と点線矢印で示すように、ヒューズ動作前後での電流経路の長さに大きな変化が無く、ヒューズ動作前後でのESRの増加を抑えることができる。
以上に、この発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、分割電極10の形状は略矩形状に限らず、三角形や五角形以上の多角形であってもよい。この場合、当然、コーナーヒューズ部11を構成する小ヒューズ部11aの数は変化することになる。また、絶縁スリットは直線のものに限らず、湾曲したものを採用しても良い。フィルム幅方向の分割電極10の数は5個に限らず、適宜変更可能である。但し、フィルム幅方向に第1ヒューズ部12とコーナーヒューズ部11とを交互に設ける場合には奇数とする。また接続部6としては、分割電極10よりも肉厚の蒸着電極を用いる、いわゆるヘビーエッジを採用しても良い。金属化フィルム2、2Aを複数重ね合わせる方法としては単に積層する他、巻回によって重ね合わせても良い。また、1枚の誘電体フィルムの両面に蒸着電極を形成した両面金属化フィルムと誘電体フィルムとを重ね合わせてコンデンサを形成しても良い。さらに、必ずしも同じ蒸着パターンの金属化フィルムを用いる必要は無く、異なる蒸着パターンの金属化フィルムを組み合わせるようにしても良い。
なお、本発明の金属化フィルムには、以下の構成のものも含まれている。
(1)誘電体フィルム3の幅方向の一方端部に接続部6が設けられ、他方端部に絶縁マージン7が形成されており、蒸着電極4が、絶縁スリットによって分割された分割電極10と、互いに隣接する分割電極10、10同士を接続するヒューズ部とを備えており、ヒューズ部が、少なくとも絶縁マージン7に最も近い分割電極10を除く分割電極10のコーナー部10aに設けられるコーナーヒューズ11部を備えている、金属化フィルム。
(2)絶縁マージン7に最も近い分割電極10と、その分割電極10と誘電体フィルム3の幅方向で隣接する分割電極10とを接続するヒューズ部が、誘電体フィルム3の幅方向に直交する方向において分割電極10の中央に位置している、金属化フィルム。
(3)接続部6に最も近い分割電極10と接続部6とを接続するヒューズ部が、誘電体フィルム3の幅方向に直交する方向において分割電極10の中央に位置している、金属化フィルム。
(4)絶縁マージン7に最も近い分割電極10、10同士がヒューズ部によって接続されている、金属化フィルム。
(5)分割電極10のコーナー部10a同士を接続するヒューズ部が、誘電体フィルム3の幅方向に複数並ぶ第2絶縁スリット9に対してひとつ置きに設けられている、金属化フィルム。
1 金属化フィルムコンデンサ
2、2A 金属化フィルム
3 誘電体フィルム
4 蒸着電極
5 メタリコン電極
6 接続部
7 絶縁マージン
8 第1絶縁スリット
8a 第1分断スリット
9 第2絶縁スリット
9a 第2分断スリット
10 分割電極
10a コーナー部
11 コーナーヒューズ部
11a 小ヒューズ部
12 第1ヒューズ部
13 第2ヒューズ部
L1 第1分断スリットの先端部と第2分断スリットの先端部との間の距離
B 絶縁が破壊した部分
F 溶断部

Claims (3)

  1. 誘電体フィルム(3)に蒸着電極(4)を形成してなる金属化フィルムであって、
    誘電体フィルム(3)の幅方向の一方端部に接続部(6)が設けられ、他方端部に絶縁マージン(7)が形成されており、
    蒸着電極(4)が、
    誘電体フィルム(3)の幅方向に平行な複数の第1絶縁スリット(8)と、誘電体フィルム(3)の幅方向に直交する複数の第2絶縁スリット(9)によって分割された複数の分割電極(10)と、
    互いに隣接する分割電極(10、10)同士を接続するヒューズ部とを備えており、
    ヒューズ部が、
    少なくとも絶縁マージン(7)に最も近い分割電極(10)を除く分割電極(10)のコーナー部(10a)に設けられるコーナーヒューズ部(11)と、
    第2絶縁スリット(9)を分断するように、且つ誘電体フィルム(3)の長さ方向において分割電極(10)の中央に位置するようにして設けられた第1ヒューズ部(12)と、
    絶縁マージン(7)に最も近い分割電極(10、10)同士を接続する第2ヒューズ部(13)とを備え、
    絶縁マージン(7)に最も近い分割電極(10)と、その分割電極(10)と誘電体フィルム(3)の幅方向で隣接する分割電極(10)とが第1ヒューズ部(12)で接続され、
    コーナーヒューズ部(11)と第1ヒューズ部(12)とが、誘電体フィルム(3)の幅方向において交互に設けられ、
    誘電体フィルム(3)の幅方向に並ぶ複数の分割電極(10)のいずれも、分割電極(10)1つ当たり3つのヒューズ部が接続されており、
    コーナーヒューズ部(11)が、各分割電極(10)のコーナー部(10a)に設けられた小ヒューズ部(11a)の集合体であり、各小ヒューズ部(11a)がそれぞれ独立して動作することを特徴とする、金属化フィルム。
  2. 接続部(6)に最も近い分割電極(10)と接続部(6)とが第1ヒューズ部(12)で接続されている、請求項1記載の金属化フィルム。
  3. 請求項1又は2記載の金属化フィルムを重ね合わせてなる、金属化フィルムコンデンサ。
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