以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るインクタンク(液体収納容器)4における内部の密閉性についての検査を行う検査システムについて説明する。まず、検査の行われる対象のインクタンク4の構成について説明する。
図1(a)に、第1実施形態に係るインクタンク4における、インク保持部材1と蓋部材5とが分離した状態についての分解斜視図について示す。図1(b)に、容器と蓋とが接合された状態のインクタンク4の外観斜視図について示す。インクタンク4は、主にインク保持部材1、蓋部材5から構成されている。
インクタンク4の内部には、インク吸収体23が配置される。インク吸収体23は、インクを吸収して保持することが可能に構成されている。
インク保持部材1は、インク(液体)を保持するためのインク貯留部3を有しており、内部にインクを収納可能である。インク貯留部3における記録媒体に対向する底面には、インク貯留部3と外部とを連通させるインク供給口2が形成されている。インク保持部材1におけるインク供給口2と連通する流路には、フィルタ30が配置されている。インク保持部材1に貯留されたインクが使用される際には、インクはフィルタ30を通って、インク供給口2から排出され不図示の記録素子基板へ供給される。インク貯留部3にインクが供給される際にインクと共に異物がインク保持部材1の内部に侵入することを防ぐために、インク供給口2にフィルタ30が設けられている。
フィルタ30を構成する材料としては、SUS等の金属フィルタ、樹脂フィルタ、多孔質フィルタ等を用いることができる。本実施形態では、SUSフィルタが用いられている。また、インク貯留部3には、インク保持部材1によるインクの保持力を高めるため、インク吸収体23が挿入されている。
蓋部材5には、厚みが薄く形成されると共に、中心に蓋部材5の壁面を貫通する大気連通口16の形成された、大気連通部15が形成されている。
図2(a)に、蓋部材5における大気連通部15の周辺部分についての断面図を示す。また、図2(b)に、蓋部材5における大気連通部15の周辺部分についての平面図を示す。大気連通部15は、蓋部材5を厚み方向に部分的に除去され、且つ、薄くなった壁面を貫通するように大気連通口16が形成されて構成されている。
本実施形態では、インクタンク4を構成する部材のうち、蓋部材5の外壁において、インクタンク4の内側に近い位置で、外壁の厚さ方向に延びた円柱状に蓋部材5の一部が除去されて蓋部材5に凹部8が形成されている。また、蓋部材5の外壁における、凹部8よりもインクタンク4の外側に近い位置で、インクタンク4の厚さ方向の外側に向かうにつれて開口部の直径が大きくなるように円錐状に外壁の一部が除去された円錐面9が形成されている。つまり、大気連通部15には、円柱状に除去された凹部8の厚さ方向外側の縁部において、壁面の厚さ方向に沿って延びた側面7に対して交差する円錐面9が形成されている。円錐面9は、凹部8を形成する壁面の厚さ方向に延びた側面7に対して傾斜して形成されている。つまり、大気連通部15には、インクタンク4における大気連通部15の形成された面(受入部の形成された面)に対し傾斜した傾斜面(傾斜部)17が形成されている。ここで、大気連通部15の形成された面とは、インクタンク4を構成する部材のうちの大気連通部15が形成された部材における、外側の表面の面のことをいうものとする。
また、大気連通部15の底面における半径方向の中心の位置には、厚さ方向に一部が除去された蓋部材5を厚さ方向に貫通し、インク及び空気が流通することを許容する流路として、大気連通口16が形成されている。蓋部材5に大気連通口16が形成されているので、大気連通口16を介してインクタンク4の内部と外部とが連通するように形成されている。
傾斜面17は、大気連通口16に近い位置である程、インクタンク4を形成する部材が薄くなる方向に傾斜している。
また、蓋部材5における大気連通部15の半径方向の外側には、大気連通部15に連通するように、大気連通溝(溝)10が形成されている。蓋部材5の表面から大気連通溝10の底面までの距離は、蓋部材5の表面から大気連通部15の底面までの距離よりも短くなるように、大気連通溝10が形成されている。つまり、大気連通溝10は、大気連通部15よりも浅い溝となるように形成されている。大気連通溝10は、蓋部材5における大気連通部15の半径方向外側から、大気連通部15の中心に形成された大気連通口16に向かう方向に延びて形成されている。
なお、本実施形態では、蓋部材5に大気連通部15が形成される構成としたが、本発明はこれに限定されず、大気連通部15が蓋部材5以外のインク保持部材1等の他の部品に形成されることとしてもよい。
上述のように、大気連通部15に円錐面9が形成されているので、大気連通部15内の側面7と蓋部材5の上面6とが交差する位置に、傾斜面17が形成されている。大気連通部15の半径方向外側に、蓋部材5の上面6の面方向に対して交差する方向に延びて傾斜した傾斜面17が形成されている。傾斜面17は、大気連通部15の外縁を取り囲むように形成されている。
インクタンク4へのインクの供給の際には、蓋部材5とインク吸収体23を内部に配置されたインク保持部材1を接合する前に、不図示の供給針がインク吸収体23に挿入される。或いは、大気連通口16を通してインクタンク4の内部に不図示の供給針が挿入される。供給針の先端部には、インクタンク4の内部にインクを供給することが可能な不図示の供給口が形成されている。供給針を介して供給口からインクタンク4の内部にインクを供給することで、インクタンク4内部にインクを充填することができる。
次に、インクタンク4の製造方法を説明する。
先ず、インク保持部材1のインク供給口2にフィルタ30を接合する。続いて、インク保持部材1の凹部であるインク貯留部3にインク吸収体23を挿入することにより、容器の内部にインク吸収体23を配置する。インク保持部材1の内部にインク吸収体23が配置されると、蓋部材5とインク保持部材1との接合を行う。通常、インク保持部材1と蓋部材5とは、いずれも熱可塑性樹脂によって形成されている。そのため、インク保持部材1と蓋部材5との間の接合では、超音波溶着方式、横振動溶着方式、熱板溶着方式等の溶着方式が採用される。本実施形態では、横振動溶着方式によって、蓋部材と容器とが接合されている。
インクタンク4の密閉性の検査は、インクがインクタンクの内部に充填される前に行ってもよいし、インクがインクタンクの内部に充填された後で行ってもよい。
インク保持部材1と蓋部材5との間の密閉性の判定について、図3を参照して説明する。
インクタンクの密閉性についての検査を行う検査システム31の構成について説明する。図3(b)、(c)に示されるように、検査システム31は、ポンプ32及びエアー加圧部(空気供給手段)24を備えている。また、検査システム31は、インクタンク4を取り付けて設置することが可能なインクタンク設置部(設置部)を備えている。インクタンク設置部にインクタンク4が設置された状態で、インクタンク4の密閉性についての検査が行われる。
エアー加圧部24とポンプ32との間には流路33が接続されている。エアー加圧部24におけるインクタンク4の大気連通部15と当接する先端部は、インクタンク4の方向に向かうにつれて径が小さくなる先細の形状に形成されている。また、エアー加圧部24の先端部は、インクタンク4に向かう方向に突出した形状の突出部27を備えており、突出部27の先端には、インクタンク4の内部に空気を供給可能な供給口28を備えている。また、エアー加圧部24におけるインクタンク4の大気連通部15に当接する先端付近の突出部27は、弾性を有しており、本実施形態ではゴム材によって形成されている。エアー加圧部24は、インクタンク4がインクタンク設置部に設置された際に、インクタンク4の大気連通部15に当接することが可能な位置に配置されている。また、エアー加圧部24は、大気連通部15に対向した位置で、大気連通部15に対し、近接・離間する方向に移動可能に構成されている。
エアー加圧部24がインクタンク4の大気連通部15に当接すると、エアー加圧部24の先端部が大気連通部15の円錐面9及び凹部8の内部に嵌め込まれる。エアー加圧部24が大気連通部15の円錐面9及び凹部8に嵌め込まれた状態で、ポンプ32を駆動させることにより、大気連通部15を介して空気をインクタンク4の内部に供給することができる。ポンプ32の駆動によってインクタンク4内部に空気を供給するときには、測定器34とエアー加圧部24とを結ぶ流路は閉じられる。このとき、測定器34とエアー加圧部24との間の流路は、バルブ等によって閉じられればよい。
このように、エアー加圧部24は、設置部に設置されたインクタンク4の内部に空気を供給することが可能に構成されている。エアー加圧部24の先端の突出部27が弾性を有して形成され、突出部27が円錐面9及び凹部8の内部に嵌め込まれてインクタンク4に当接している。従って、エアー加圧部24とインクタンク4との間に隙間無く、突出部27と、円錐面9あるいは凹部8とが当接している。従って、エアー加圧部24が精度良く配置されたときには、空気の漏れが少なく抑えられ、空気を効率的にインクタンク4の内部に供給することができる。
また、検査システム31は、測定器34を備えている。測定器34とエアー加圧部24との間は、流路33によって接続されている。従って、インクタンク4内部の圧力を測定器34によって測定することが可能である。このように、検査システム31は、インクタンク4の内部の圧力を検出することが可能な測定器(圧力検出手段)34を備えている。測定器34によってインクタンク4内部の圧力を検出するときには、測定器34とエアー加圧部24とを結ぶ流路は閉じられる。このとき、測定器34とエアー加圧部24との間の流路は、バルブ等によって閉じられればよい。
インクタンク4内部に空気が供給されてインクタンク4内部の圧力が測定される際には、まず、図3(a)に示されるように、最初にインク保持部材1のインク供給口2が、閉塞部材29によって閉じられる。次に、図3(b)に示されるように、エアー加圧部24を大気連通部15に当接させた後、ポンプ32を駆動させてエアー加圧部24からインクタンク4内部に空気を供給する。これにより、インクタンク4内部を加圧する。次に、図3(c)に示されるように、インクタンク4内部の圧力が測定される。インクタンク4内部の圧力の測定は、インクタンク4内部に空気が供給されることによって加圧された直後のタイミングと、インクタンク4内部に空気が供給されてから所定の時間が経過した後のタイミングとで行われる。
インクタンク4内部への空気の供給による加圧では、インクタンク4内部の圧力が所定の値に到達したかどうかの判断が行われながら、加圧が行われていく。インクタンク4内部の圧力の値が所定の値に到達すると、そこで加圧が停止する。加圧が停止すると、そこで一定時間が経過するまで、そのままの状態が保たれる。このときの状態では、インク供給口2が閉塞部材29によって密閉されている。また、大気連通部15では、エアー加圧部24が隙間無く当接した状態でインクタンク4内部への空気の供給が行われている。従って、インクタンク4が密閉された状態にある。このとき、インクタンク4自体の密閉性が良好であれば、インクタンク4内部に供給された空気は逃げ場が無く、インクタンク4内部の圧力は低下しない。仮にインクタンク4の密閉性が良好でない状態にある場合には、インクタンク4内部に供給された空気が外部に漏れ出してしまう。これによってインクタンク4内部の圧力が低下し、インクタンク4内部に空気の供給が行われた直後に比べて圧力値が小さくなる。
そのため、インクタンク4の内部に空気の供給の行われた直後のタイミングにおけるインクタンク4内部の圧力と、インクタンク4の内部に空気の供給が行われてから一定時間経過した後のタイミングにおけるそこでの圧力とが比較される。こうすることにより、インクタンク4の内部から空気の漏れが発生しているかどうかを検査することができ、結果的に、インクタンク4内部の密閉性について検査することができる。
このように、検査システム31は、異なるタイミングでインクタンク4内部の圧力を検出し、それぞれで検出された圧力を比較してインクタンク4から空気の漏れが生じているか否かを判定する判定手段を備えている。本実施形態では、検査システム31に備えられたCPUが判定手段として機能する。なお、本実施形態では判定手段としてCPUが用いられているが、本発明はこれに限定されず、検査システム31にパソコン等の外部装置が接続され、外部装置が判定手段として機能してもよい。
また、インクタンク4から空気の漏れが生じているか否かが判定されることによって、インクタンク4の密閉状態についての検査が行われている。検査では、インクタンク4に空気を供給してからの時間差を設けて、インクタンク4の内部の圧力が複数回検出される。複数回行われた圧力の検出において、それぞれの検出におけるインクタンク4の内部の圧力を比較することにより、インクタンク4から空気の漏れが生じているか否かが判定される。
このように、インクタンク4内部への空気の供給直後と、それから一定時間経過した後とで、インクタンク4内部の圧力が測定される。インクタンク内部の圧力値が初期値と再測定後で同一の場合には、インクタンク4内部の密閉性が高く保たれていると判断される。
なお、本実施形態では、一定時間を経過した後のインクタンク内部の圧力が空気の供給直後のインクタンク内部の圧力と同一のときに、インクタンクを密閉性が高く保たれた良品として判定するとしたが、本発明はこれに限定されない。圧力が一定時間を経過する前と一定時間を経過した後との間で必ずしも同一である場合だけでなく、圧力が一定時間を経過する前と一定時間を経過した後との間で、所定の範囲内に収まっているときに検査対象のインクタンクが良品であると判定することにしてもよい。つまり、一定時間を経過する前と一定時間を経過した後との間における圧力の差が所定の範囲に収まっていない場合に、検査対象のインクタンクが良品ではないとの判断が行われることとしてもよい。例えば、複数回の検出において、それぞれの検出におけるインクタンク4の内部の圧力同士の差が、所定の閾値を超えたときに、インクタンク4からの空気の漏れが生じていると判定することとしてもよい。
図4(a)、(b)に、エアー加圧部24によってインクタンク4の内部に空気が供給される際の大気連通部15の周辺についての断面図を示す。図4(a)には、大気連通部15の所定の位置に対してエアー加圧部24の位置が正確に配置されたときの大気連通部15の周辺及びエアー加圧部24についての断面図が示されている。図4(b)には大気連通部15の所定の位置に対してエアー加圧部24の位置がずれているときの大気連通部15の周辺及びエアー加圧部24についての断面図が示されている。
図4(a)に示されるように、インクタンク4には、エアー加圧部24の先端の突出部27を受け入れることが可能な大気連通部(受入部)15が形成されている。また、大気連通部15には、インクタンク4の外部と内部とを連通させる大気連通口16が形成されている。検査システム31は、エアー加圧部24の突出部27が大気連通部15に受け入れられた状態で、大気連通口16を介して、供給口28からの空気をインクタンク4の内部に供給することが可能に構成されている。また、エアー加圧部24の中心がインクタンク4の大気連通部15の中心に一致するようにエアー加圧部24が正確に配置されたときには、エアー加圧部24の先端部が大気連通部15に隙間無く当接する。従って、空気の漏れが少なく抑えられた状態で、インクタンク4の内部に効率的に空気の供給を行うことができる。
また、図4(b)に示されるように、エアー加圧部24の位置が大気連通部15に対してずれて配置されたとしても、エアー加圧部24と大気連通部15との間で密閉された状態が保たれている。本実施形態においては、大気連通部15に傾斜面17が形成されている。従って、エアー加圧部24における先端部が大気連通部15に当接したときに、傾斜面17の面の比較的広い範囲に亘ってエアー加圧部24と大気連通部15とが当接する。また、加えて、エアー加圧部24の先端部は、ゴム材によって形成されている。従って、エアー加圧部24が大気連通部15に当接したときに、当接した部分の大気連通部15の形状に合わせて、エアー加圧部24の先端部が変形することができる。
これにより、エアー加圧部24の位置が大気連通部15に対してずれて配置されたとしても、エアー加圧部24の先端部が大気連通部15の形状に追従して変形する。従って、エアー加圧部24と大気連通部15とが、比較的広い範囲に亘って隙間無く当接する。そのため、エアー加圧部24の位置が大気連通部15の位置に対してずれたとしても、エアー加圧部24と大気連通部15との間に隙間が形成されずにエアー加圧部24と大気連通部15とが当接する。これにより、エアー加圧部24と大気連通部15との間で空気の漏れが発生することが抑えられ、インクタンク4の内部に効率的に空気の供給を行うことができる。
次に、大気連通部15の傾斜面17における傾斜した円錐面9の傾斜の程度によるインクタンク4内部への空気の供給への影響について説明する。
図5(a)、(b)に、傾斜面17の角度18が小さい場合と大きい場合についての、エアー加圧部24の先端部と傾斜面17における傾斜面17との間の当接の状態について説明するための説明図を示す。図5(a)に、角度18が小さい場合について示し、図5(b)に角度18が大きい場合について示している。
図5(a)に示されるように、傾斜面17の角度が小さい場合には、エアー加圧部24による荷重のうち鉛直方向下方に向かって作用する力が大きい。従って、エアー加圧部24は、自身の荷重によって、エアー加圧部24の先端部と大気連通部15との間の密閉性を高めることができる。エアー加圧部24の先端部と大気連通部15との間がより確実に密閉されて、これらの間が隙間無く当接した状態で空気の供給が行われるので、より効率的に空気の供給を行うことができる。
一方、図5(b)に示されるように、傾斜面17の角度が大きい場合には、エアー加圧部24による荷重が、大気連通部15における大気連通口16側へ逃げやすい。従って、その分、エアー加圧部24による荷重のうち、鉛直方向下方に向かって作用する力が比較的小さい。従って、エアー加圧部24の先端部と大気連通部15との間に隙間が生じる可能性があり、インクタンク4の内部に空気を供給する際に、隙間から空気が漏れ出す可能性がある。よって、傾斜面17の角度18は、小さく形成されることが好ましい。本実施形態では、傾斜面17の傾斜角度が42度に設定されている。
なお、エアー加圧部24自体の荷重によってエアー加圧部24が大気連通口側に移動してしまうことを防止する方法としては、例えば、図6に示されるものがある。図6には、傾斜面17を2段階に傾斜させ、そのうち内側の傾斜面の角度20が外側の傾斜面の角度19よりも小さく形成されている。図6(a)に、まだエアー加圧部24とインクタンク4とが接触していない状態におけるエアー加圧部24及び大気連通部15周辺の断面図を示す。図6(b)に、エアー加圧部24とインクタンク4とが接触した状態におけるエアー加圧部24及び大気連通部15周辺の断面図を示す。図6(c)に、図6(a)における傾斜面について拡大した断面図を示す。大気連通部15がこのように2段階に傾斜し、内側の傾斜面の角度が小さく構成されていることにより、エアー加圧部24と当接する部分の傾斜角度を小さくすることができる。従って、エアー加圧部24に作用する大気連通部15の内側の方向への力を小さく抑えることができる。そのため、傾斜面17において、エアー加圧部24による大気連通口16側への荷重によってエアー加圧部24が移動してしまい、エアー加圧部24の位置精度が低下することを抑えることができる。このように、傾斜面17は、大気連通口16に近い位置に形成された面(第1の面)21と、大気連通口16から遠い位置に形成されて傾斜角度が比較的大きい面(第2の面)22とを備えている。本実施形態では、大気連通部15の半径方向の外側に位置する面22の傾斜角度が、大気連通部15の半径方向の内側に位置する面21の傾斜角度よりも大きくなるように、それぞれの面が形成されている。
図7に、エアー加圧部24の当接部の角度を変えた場合に、それぞれの場合における、傾斜面17とエアー加圧部24のゴム材25が接合する際の、傾斜面17とエアー加圧部24との間の当接部についての断面図を示す。
図7(a)〜(c)に、傾斜面17の角度18とエアー加圧部24の先端部の角度26とが同じである場合について示している。図7(a)は、エアー加圧部24が大気連通部15にまだ当接していない状態を示している。図7(b)は、エアー加圧部24による大気連通部15への当接が始まった状態を示している。図7(c)は、エアー加圧部24が大気連通部15にまだ当接した状態を示している。図7(d)〜(f)に、傾斜面17の角度18よりもエアー加圧部24の先端部の角度26が大きい場合について示している。図7(d)は、エアー加圧部24が大気連通部15にまだ当接していない状態を示している。図7(e)は、エアー加圧部24による大気連通部15への当接が始まった状態を示している。図7(f)は、エアー加圧部24が大気連通部15にまだ当接した状態を示している。図7(g)〜(i)に、傾斜面17の角度18よりもエアー加圧部24の先端部の角度26が小さい場合について示している。図7(g)は、エアー加圧部24が大気連通部15にまだ当接していない状態を示している。図7(h)は、エアー加圧部24による大気連通部15への当接が始まった状態を示している。図7(i)は、エアー加圧部24が大気連通部15にまだ当接した状態を示している。
図7(a)〜(c)に示されるように、傾斜面17の傾斜角度とエアー加圧部24のゴム材25の傾斜角度とが同じである場合には、エアー加圧部24のゴム材25と大気連通部15の傾斜面17とが全域に亘ってほぼ同時に当接する。図7(d)〜(f)に示されるように、傾斜面17の角度18よりもエアー加圧部24の先端部の角度26が大きい場合には、エアー加圧部24の先端部は、傾斜面17に対し、内側から外側へ徐々に当接していく。図7(g)〜(i)に示されるように、傾斜面17の角度18よりもエアー加圧部24の先端部の角度26が小さい場合には、エアー加圧部24の先端部は、傾斜面17に対し、外側から内側に向かってが徐々に当接する。
通常、ゴム材の表面や傾斜面は、多少のうねりを有し、その形状は予測できない。そのため、現実にはエアー加圧部24のゴム材25がある程度のひずみを抱えながら傾斜面17と当接する。よって、インクタンク4の大気連通部15とエアー加圧部24のゴム材25とを隙間無く確実に当接させるためには、当接の初期の段階で当接面ができる限り連続するように、傾斜面17とゴム材25とを当接させることが好ましい。本実施形態では、ゴム材の角度26が45度に形成されている。このように、大気連通部15の側面と蓋部材上面が交わる位置に傾斜面17が形成される。
また、本実施形態のインクタンク4では、大気連通溝10が、大気連通部15よりも浅く形成されている。大気連通溝10が浅く形成されることにより、大気連通溝10よりも深い部分で、大気連通部15の全周に亘ってエアー加圧部24の先端部と当接させることができる。従って、大気連通部15に連通して大気連通溝10が形成されても、エアー加圧部24の先端部が大気連通部15の傾斜面17に全周に亘って当接することで、インクタンク4内部に空気を漏れなく効率的に供給することができる。
また、エアー加圧部24が離間した後には、大気連通溝10が大気連通口16に確実に連通する。従って、大気連通口16を介してインクタンク内部に空気を供給することができ、大気連通口16を確実に機能させることができる。
このように、本実施形態の検査システム31によれば、インクタンク4の大気連通部15の半径方向の外側の縁部に、内側に向かうにつれて深くなるように、壁面の延びる方向に対して傾斜した傾斜面17が形成されている。また、エアー加圧部24の先端部が、インクタンク4に向かうにつれて先細になるように突出して形成されている。従って、エアー加圧部24とインクタンク4における大気連通部15との間に隙間が発生せずに、インクタンク4に効率的に空気を供給することができる。また、エアー加圧部24の位置がインクタンク4における大気連通部15に対してずれたとしても、エアー加圧部24の先端部が、インクタンク4の大気連通口16を介してより確実に空気を供給することができる。
また、インクタンク4は、サイズが小型化されていく傾向にある。それに伴い、大気連通部15や、エアー加圧部24のサイズも小型化する傾向にある。そのような場合、小型化された大気連通部15の大気連通口16に小型化されたエアー加圧部24を当接させて空気を供給することになるので、インクタンク4やエアー加圧部24の高い寸法精度が要求される。また、インクタンク4やエアー加圧部24の配置の際の高い位置精度が要求される。しかしながら、本実施形態では、大気連通部15の半径方向の外側の縁部に、壁面の延びる方向に対して傾斜した傾斜面17が形成されている。従って、エアー加圧部24の位置が大気連通部15に対してずれたとしても、大気連通部15がエアー加圧部24によって密閉された状態で大気連通口16に空気を確実に供給することができる。これにより、インクタンク4が小型化されることにより、大気連通部15が小さくなった場合であっても、配置に高い精度が要求されず、インクタンク4に空気を確実に供給することができる。また、インクタンク4の大気連通部15付近の位置に別機能を有する構成が追加され、その結果、大気連通部15がさらに小型化された場合であっても、大気連通部15に確実に当接するようにエアー加圧部24を配置することができる。従って、インクタンク4及びエアー加圧部24の製造上の精度が要求されず、容易に製造を行うことのできるインクタンクの検査システム31を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を実施するための第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態と同様の構成の部分については説明を省略し、異なる部分のみ説明することとする。
図8に、本発明の第2実施形態に係るインクタンクについて説明する。図8(a)に、第2実施形態におけるインクタンクの大気連通部15付近についての平面図を示し、図8(b)に、図8(a)におけるVIIIB−VIIIB線に沿う断面図を示す。第2実施形態では、図8(b)に示されるように、大気連通部15に接続されるように形成された大気連通溝10において、底面13と側面12とが交差する部分が丸く形成されている。また、図8(a)に示されるように、大気連通溝10と大気連通部15とが接続する部分において、大気連通溝10の側面12と大気連通部15の傾斜面17とが交差する部分が丸く形成されている。なお、本実施形態では、大気連通溝10の底面13と大気連通部15の傾斜面17とが交差する部分については丸く形成されずに、段状に形成されている。つまり、大気連通部15と大気連通溝10の接続部11のうち、大気連通溝10の側面12と大気連通部15の傾斜面17とが交差する2辺14でのみ面取りが行われて曲面が形成されている。大気連通溝10の底面13と大気連通部15との接続部35では面取りは行われず、曲面となるようには形成されていない。
このように、第2実施形態では、大気連通溝10を形成する際に、流路を形成する面同士が交差する部分について、面取りが行われている。その際、本実施形態に示されるように、大気連通溝10の底面13と大気連通部15の傾斜面17とが交差する面については面取りが行われていない。本実施形態では、大気連通溝10を形成する面のうち、最もインクタンク4の内部の空間に近い位置に形成された底面と大気連通部15との接続部では、面取りが行われていない。一方、大気連通溝10を形成する面のうち、その底面以外の面と大気連通部15との接続部では、面取りが行われている。このように、大気連通溝10の底面13と大気連通部15の傾斜面17とが交差する部分で面取りが行われないので、大気連通溝10における大気連通部15への接続部が底面に近い部分に位置することが抑えられる。従って、エアー加圧部24が大気連通部15と当接したときに、大気連通溝10が、エアー加圧部24よりも底面に近い位置に接続されることが抑えられる。従って、密閉性についての検査を行うためにインクタンク4内部に空気を供給する際に、大気連通溝10を通って外部に空気が漏れ出すことを抑えることができる。エアー加圧部24が大気連通溝10よりも大気連通部15の底面に近い位置で全周に亘って大気連通部15に当接するので、大気連通部15から外部への空気の漏れをより確実に抑えることができる。これにより、より効率的に空気の供給を行うことができる。
なお、大気連通部15とエアー加圧部24とが当接する当接部の面積が十分に確保されている場合には、大気連通溝10の底面13と大気連通部15の傾斜面17とが交差する部分においても面取りが行われてもよい。
また、図9に示されるように、大気連通溝10が、大気連通部15への接続部で、より浅くなるように形成されてもよい。つまり、大気連通溝10が、大気連通部15に接続される位置での深さが、大気連通部15から離れた位置での深さよりも浅くなるように形成されている。大気連通溝10における大気連通部15への接続部が浅くなるように大気連通溝10が形成されることにより、大気連通部15の傾斜面17におけるエアー加圧部24と当接する部分の面積が大きく確保される。傾斜面17とエアー加圧部24との間で当接する部分の面積が大きいので、傾斜面17とエアー加圧部24との間からの空気の漏れを少なく抑えることができる。空気の漏れが少なく抑えられるので、エアー加圧部24からインクタンク4に空気を供給する際に、より効率的に空気を供給することができる。