JP6630253B2 - パーキングブレーキレバー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、歯部が設けられたラチェットとセクタとが別体で構成されたパーキングブレーキレバー装置に関するものである。
従来より、歯部が設けられたラチェットとセクタとが別体で構成されたパーキングブレーキレバー装置に関する技術が種々提案されている。例えば、下記特許文献1に記載されたパーキングレバー装置においては、車体への固定部を有し所定厚さに形成されたセクタ本体と、複数の係止歯が連続形成されセクタ本体の外縁部に固定された係止歯部と、からなるセクタを有している。
セクタに回動自在に取り付けられたレバー本体を回動動作することによりブレーキの作動が行われ、回動状態がレバー本体に取り付けられた爪部のセクタの係止歯への係止により保持される。
セクタ本体は、塑性変形可能な部材にて形成され、係止歯部のセクタ本体への固定は、セクタ本体の縁部から所定の形状で形成された切込み部に係止歯部をセクタ本体の厚さ方向から装填し、セクタ本体の切込み部の所定箇所を装填された係止歯部側へ塑性変形させて行う。
このようなパーキングレバー装置によれば、別体に構成したセクタ本体と係止歯部とをセクタ本体の塑性変形により結合固定するようにしたので、加工の迅速化ならびに容易化が図られる。また、塑性変形により係止歯部はセクタ本体に確実に固定されるので、係止歯部のがたつきなども有効に解消される。
実開平6−25067号公報
しかしながら、セクタ本体及び係止歯部の厚さは、レバー本体の爪部とセクタの係止歯とで構成されるロック部の強度を確保する観点から、パーキングレバー装置の構成部品の中で最も厚くされているので、パーキングレバー装置の軽量化及びコストダウンを妨げる要因となっていた。
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、セクタとは別体のラチェットに設けられた歯部の強度を確保しつつ軽量化及びコストダウンを図ったパーキングブレーキレバー装置を提供することを課題とする。
この課題を解決するためになされた請求項1に記載のパーキングブレーキレバー装置は、歯部が設けられたラチェットと、ラチェットが嵌合で固設されたセクタと、セクタに軸通された回動ピンを介してセクタを挟んだ状態でセクタに対して回動可能に設けられたレバー本体と、を備え、回動ピンの軸線方向において、セクタの厚さがラチェットの厚さより薄いことを特徴とする。
請求項2に記載のパーキングブレーキレバー装置は、請求項1に記載のパーキングブレーキレバー装置であって、セクタから回動ピンの軸線方向に突設されることにより、先端部がレバー本体の内壁面に当接する突起部を備えることを特徴とする。
請求項3に記載のパーキングブレーキレバー装置は、請求項2に記載のパーキングブレーキレバー装置であって、突起部は、レバー本体がセクタに対して回動する範囲内で、常にレバー本体の内壁面に接触することを特徴とする。
請求項4に記載のパーキングブレーキレバー装置は、請求項3に記載のパーキングブレーキレバー装置であって、突起部は、セクタの一面に少なくとも3つ設けられると共にセクタの他面に少なくとも1つ設けられ、セクタの他面に設けられた突起部は、セクタの一面に設けられた3つの突起部を頂点とする三角形が回動ピンの軸線方向に投影されることによってセクタの他面上に設定される投影部内に位置することを特徴とする。
請求項5に記載のパーキングブレーキレバー装置は、請求項4に記載のパーキングブレーキレバー装置であって、セクタの一面に設けられた突起部は、回動ピンの周縁に沿って1つ設けられると共にラチェットの歯部寄りに少なくとも2つ設けられることを特徴とする。
請求項1に記載のパーキングブレーキレバー装置においては、ラチェットがセクタに嵌合で固設されることから、ラチェットとセクタとが別体で構成されている。セクタの厚さがラチェットの厚さより薄いので、セクタの質量及びコストが低減される。さらに、ラチェットの厚さを従来通りの厚さにすることで、ラチェットに設けられた歯部の強度が維持される。従って、セクタとは別体のラチェットに設けられた歯部の強度を確保しつつ、軽量化及びコストダウンを図ることが可能である。
ここで、セクタの厚さ及びラチェットの厚さは、セクタに軸通された回動ピンの軸線方向における長さで定められる。尚、回動ピンは、レバー本体がセクタを挟んだ状態でセクタに対して回動可能となるためのものである。
請求項2に記載のパーキングブレーキレバー装置では、セクタから回動ピンの軸線方向に突起部が突設され、突設された突起部の先端部がレバー本体の内壁面に当接する。従って、回動ピンの軸線方向におけるレバー本体のガタ付き(以下、「レバー本体のガタ付き」と言う)を防ぐことが可能である。
請求項2に記載のパーキングブレーキレバー装置では、従来品と比べて薄いセクタにおいて、レバー本体の内壁面に対して先端部が当接する突起部を設けている。そのため、セクタ以外の構成部品を従来品で対応することが可能である。よって、従来技術との関係において、部品共通化が実現されている。
請求項3に記載のパーキングブレーキレバー装置では、レバー本体がセクタに対して回動する範囲内において、セクタに突設された突起部の先端部が常にレバー本体の内壁面に接触するので、レバー本体のガタ付きを無くすことが可能である。
請求項4に記載のパーキングブレーキレバー装置では、セクタの一面に設けられた各突起部がレバー本体の内壁面に均等に接触すると共に、セクタの一面に設けられた各突起部及びセクタの他面に設けられた突起部の相対的な位置関係により、各突起部の先端部がレバー本体の内壁面にバランス良く接触する。そのため、各突起部の先端部による接触が要因となってレバー本体がセクタに対して傾くことを防止することが可能である。
請求項5に記載のパーキングブレーキレバー装置では、セクタの一面に設けられた各突起部の先端部は、レバー本体の回動中心に対して近い位置と遠い位置とでレバー本体の内壁面に接触するので、レバー本体のガタ付きを効率的に無くすことができる。
本実施形態のパーキングブレーキレバー装置を表した側面図である。 同パーキングブレーキレバー装置を表した分解斜視図である。 同パーキングブレーキレバー装置の構成要素の一部を抜粋して表した分解斜視図である。 同パーキングブレーキレバー装置が備えるセクタ及びラチェットを表した斜視図である。 同パーキングブレーキレバー装置が備えるセクタ及びラチェットを表した斜視図である。 同パーキングブレーキレバー装置におけるレバー本体とセクタの各凸部との位置関係を表した図である。 セクタの変更例を表した斜視図である。 セクタの変更例を表した斜視図である。
以下、本発明に係るパーキングブレーキレバー装置について、具体化した本実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。尚、当該パーキングブレーキ装置の前後方向、上下方向、及び左右方向は、図面に表した前後方向、上下方向、及び左右方向で定義して説明する。また、当該パーキングブレーキ装置に関し、本発明を特定する事項を除く公知技術については、詳細な説明を省略することがある。
[1.パーキングブレーキレバー装置の概要]
図1に表すように、本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11は、セクタ13、レバー本体15、グリップ部材17、レリーズノブ19、ブレーキケーブル21、イコライザ装置23、及びパーキングブレーキスイッチBS等を備えている。
セクタ13は、略平板形状の部材であり、車両のフロア(図示せず)に略垂直に固定されるものである。セクタ13には、レバー本体15が支持ピンP1,P2を介して回動可能に支持されている。レバー本体15の前方端部は、略円筒形状に形成されており、グリップ部材17が嵌着されている。レバー本体15の前方端部及びグリップ部材17は、操作部Sを構成し、レバー本体15が回動操作される際に運転者によって把持される。操作部Sの前方端部SAには、レリーズノブ19が突出して配設されている。
ブレーキケーブル21の前方端部は、後述する図2に表されたケーブルガイド29を介して、レバー本体15に連結されている。ブレーキケーブル21の後方端部は、イコライザ装置23に連結されている。これにより、ブレーキケーブル21は、レバー本体15の回動操作力をイコライザ装置23に伝達することができる。イコライザ装置23は、レバー本体15の回動操作力を均等化して車両の左右のパーキングブレーキ(図示せず)に伝達するものである。つまり、運転者は、レバー本体15を図1の時計回り又は反時計回りに回動操作することにより、車両の左右のパーキングブレーキ(図示せず)を作動又は解除させることができる。
パーキングブレーキスイッチBSは、接点のオン・オフが切り換わることにより、車両の左右のパーキングブレーキ(図示せず)が作動状態か否かを検出するものである。尚、符号P3,P4は、支持ピンである。
図2及び図3に表すように、本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11は、上述したセクタ13、グリップ部材17、ブレーキケーブル21、及びパーキングブレーキスイッチBSに加えて、合成樹脂部材23A、イコライザ本体23B、第1半割体25、第2半割体27、及びケーブルガイド29を備えている。
合成樹脂部材23A及びイコライザ本体23Bは、上述したイコライザ装置23を構成するものである。合成樹脂部材23Aは、イコライザ本体23B内に組み付けられる。イコライザ本体23Bには、ブレーキケーブル21の後方端部が合成樹脂部材23Aを介して挿入される。ブレーキケーブル21の後方端部には、係止部材21Aが設けられている。ブレーキケーブル21の係止部材21Aがイコライザ本体23Bに係り合って止まることにより、ブレーキケーブル21の後方端部がイコライザ装置23に連結される。
第1半割体25及び第2半割体27は、上述したレバー本体15を構成するものである。第1半割体25には、ピン穴25A,25B,25C,25D及びフランジ部25Eが設けられている。第2半割体27には、ピン穴27A,27B,27C,27D及びフランジ部27Eが設けられている。
ケーブルガイド29は、その左側面(内面)にケーブル溝29Aが設けられている。ケーブルガイド29の左側面(内面)は、第1半割体25の右側面(外面)に重ね合わされた状態で、第1半割体25の右側面(外面)に溶接される。この溶接により、ケーブルガイド29の前方下端部にはケーブル溝29Aと連通する第1開口部が形成されると共に、ケーブルガイド29の前方上端部にはケーブル溝29Aと連通する第2開口部が形成される。ケーブルガイド29の前方下端部に形成された第1開口部には、ブレーキケーブル21の前方端部に対してかしめ部材21Bを介して継ぎ合わされたボルト軸21Cが差し入れられる。ボルト軸21Cは、ケーブル溝29A内を通り、ケーブルガイド29の前方上端部に形成された第2開口部から突き出される。ボルト軸21Cの突出部分には、ナット部材21Dが螺嵌される。これにより、ブレーキケーブル21の前方端部がレバー本体15に連結される。
さらに、本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11は、圧縮コイルバネ31、第1ノブ部材32、第2ノブ部材33、レリーズロッド35、ポール37、及びラチェット39を備えている。
圧縮コイルバネ31は、上述したレリーズノブ19を前方に付勢させるものである。かかるレリーズノブ19は、第1ノブ部材32及び第2ノブ部材33で構成される。尚、圧縮コイルバネ31、第1ノブ部材32、第2ノブ部材33、レリーズロッド35、及びポール37の組付等については、後述する。ラチェット39は、略平板形状の部材であり、突起部39A及び歯部39Bが設けられている。
セクタ13には、固定用ピン穴13A,13B、切込部13C、回動用ピン穴13D、及び案内用ピン穴13Eが設けられている。固定用ピン穴13A,13Bを介してネジ部材N1,N2がパーキングブレーキスイッチBSにねじ込まれることにより、パーキングブレーキスイッチBSがセクタ13に固定される。切込部13Cには、ラチェット39の突起部39Aがかしめ加工される。これにより、ラチェット39がセクタ13に固定される。
回動用ピン穴13Dには、支持ピンP1が嵌通される。支持ピンP1の右方端部は、第1半割体25のピン穴25Aに通された状態で、第1半割体25の右側面(外面)からかしめ加工される。支持ピンP1の左方端部は、第2半割体27のピン穴27Aに通された状態で、第2半割体27の左側面(外面)からかしめ加工される。
案内用ピン穴13Eは、回動用ピン穴13Dを中心とした円弧の形状に形成されている。案内用ピン穴13Eには、支持ピンP2が嵌通される。支持ピンP2の右方端部は、第1半割体25のピン穴25Bに通された状態で、第1半割体25の右側面(外面)からかしめ加工される。支持ピンP2の左方端部は、第2半割体27のピン穴27Bに通された状態で、第2半割体27の左側面(外面)からかしめ加工される。
このようにして、セクタ13では、第1半割体25及び第2半割体27で構成されるレバー本体15が、支持ピンP1,P2を介して回動可能に支持されている。尚、支持ピンP1は、レバー本体15の回動軸として機能する。
さらに、第1半割体25及び第2半割体27で構成されるレバー本体15では、ポール37が支持ピンP3を介して回動可能に支持されている。そのために、ポール37の略中央に設けられた回動用ピン穴37Aには、支持ピンP3が嵌通される。支持ピンP3の右方端部は、第1半割体25のピン穴25Cに通された状態で、第1半割体25の右側面(外面)からかしめ加工される。支持ピンP3の左方端部は、第2半割体27のピン穴27Cに通された状態で、第2半割体27の左側面(外面)からかしめ加工される。尚、支持ピンP3は、ポール37の回動軸として機能する。
また、支持ピンP4によって、第1半割体25及び第2半割体27が一体化される。そのために、支持ピンP4の右方端部は、第1半割体25のピン穴25Dに通された状態で、第1半割体25の右側面(外面)からかしめ加工される。支持ピンP4の左方端部は、第2半割体27のピン穴27Dに通された状態で、第2半割体27の左側面(外面)からかしめ加工される。
尚、支持ピンP1,P2,P3によっても、レバー本体15を構成する第1半割体25及び第2半割体27が一体化される。
このようにして、第1半割体25及び第2半割体27が一体化されることによって、第1半割体25のフランジ部25E及び第2半割体27のフランジ部27Eを一体化させると共に、セクタ13、圧縮コイルバネ31、第1ノブ部材32、第2ノブ部材33、レリーズロッド35、ポール37、及びラチェット39をレバー本体15に内在させている。
一体化されたフランジ部25E,27Eは、レバー本体15の回動に応じて、パーキングブレーキスイッチBSの接点に対して圧接又は離間することにより、その接点のオン・オフを切り換える。
図3に表すように、第1ノブ部材32には、収容部32Aが設けられている。収容部32Aには、第2ノブ部材33が係着される。第2ノブ部材33の後方側面には、バネ受部33Aが設けられている。レリーズロッド35の前方端部には、取付突部35Aが設けられている。
レリーズロッド35の後方端部には、連結突部35Bが設けられている。ポール37の上方端部には、連結用穴37Bが設けられている。連結用穴37Bには、レリーズロッド35の連結突部35Bが係入される。これにより、レリーズロッド35の後方端部とポール37の上方端部とが連結される。ポール37の下方端部には、爪部37Cが設けられている。爪部37Cは、ラチェット39の歯部39Bと噛み合うものである。第1半割体25の前方端部25Fには、その平面部分が切り起こされることにより、略L字状の係止爪41が設けられている。
圧縮コイルバネ31は、レリーズロッド35の前方端部からレリーズロッド35に挿通される。レリーズロッド35の前方端部は、その前方端部に設けられた取付突部35Aと共に、第1ノブ部材32の収容部32Aに収容される。第1ノブ部材32の収容部32A内では、レリーズロッド35の取付突部35Aが係止される。さらに、第1ノブ部材32の収容部32Aには、第2ノブ部材33が係着される。これにより、レリーズロッド35の前方端部は、第1ノブ部材32及び第2ノブ部材33で構成するレリーズノブ19に連結される。
圧縮コイルバネ31の第1端部は、第2ノブ部材33のバネ受部33Aに装着される。圧縮コイルバネ31の第2端部は、第1半割体25の係止爪41に係止される。これにより、圧縮コイルバネ31は、僅かに圧縮状態となり、復元力を発生させる。第1ノブ部材32及び第2ノブ部材33で構成するレリーズノブ19は、圧縮コイルバネ31の復元力で前方に付勢される。さらに、圧縮コイルバネ31の復元力は、レリーズロッド35を介して、ポール37を図3の反時計回りの方向に付勢させるので、ポール37の爪部37Cをラチェット39の歯部39Bに噛み合わさせる。
このような状態で第1半割体25及び第2半割体27が一体化されると、第1半割体25の前方端部25Fと第2半割体27の前方端部27Fとが重ね合わされることにより、レバー本体15の前方端部が略円筒形状に形成される。さらに、レバー本体15の前方端部にグリップ部材17が嵌着されると、操作部Sの前方端部SAからレリーズノブ19が突出する。運転者がレリーズノブ19の押込み操作を行うと、レリーズロッド35がポール37側に移動すると共に、ポール37が図2及び図3の時計回りの方向に移動して、ポール37の爪部37Cがラチェット39の歯部39Bから離間するので、レバー本体15の回動操作を運転者が行うことができる。これに対して、運転者がレリーズノブ19の押込み操作を解除すると、操作部Sの前方端部SAからレリーズノブ19が突出するに伴い、レリーズロッド35がレリーズノブ19側に移動すると共に、ポール37が図2及び図3の反時計回りの方向に移動して、ポール37の爪部37Cがラチェット39の歯部39Bと噛み合うので、レバー本体15の位置を保持させることができる。
[2.セクタとラチェットの構成]
次に、セクタ13とラチェット39の構成について図4乃至図6の図面を参照しつつ詳しく説明する。図4及び図5に表すように、ラチェット39の前方上端部には、その外縁に沿って歯部39Bが形成されている。ラチェット39は、歯部39Bの強度を確保するため、焼入れされた金属を材料とし、セクタ13よりも小さく作られている。ラチェット39の後方下端部には、その外縁が外方へ突き出した突起部39Aが形成されている。
セクタ13の前方上端部には、その外縁が内方へ入り込んだ切込部13Cが形成されている。セクタ13の切込部13Cには、ラチェット39の突起部39Aが嵌合される。セクタ13の切込部13Cは、その周縁がかしめ加工されることにより、ラチェット39の突起部39Aを固定している。そのため、セクタ13には、焼入れされていない鋼材が使用される。以上より、セクタ13の前方上端部には、その外縁に沿ってラチェット39が固定された状態で設けられる。
セクタ13の後方端部には、回動用ピン穴13Dが設けられている。回動用ピン穴13Dには、第1半割体25及び第2半割体27で構成されるレバー本体15をセクタ13に対して回動可能にするための支持ピンP1が嵌通される。よって、レバー本体15は、それを構成する第1半割体25及び第2半割体27がセクタ13を挟んだ状態で、支持ピンP1によりセクタ13に対して回動することが可能である。
セクタ13及びラチェット39の各厚さ13t,39tは、支持ピンP1の軸線Qの方向、つまり、左右方向における長さと同じである。セクタ13の厚さ13tは、ラチェット39の厚さ39tよりも薄くされている。そのため、セクタ13の左側面及び右側面には、セクタ13とラチェット39とにより形成される段差が存在している。
セクタ13の左側面には、第1凸部101X、第2凸部102X、第3凸部103X、及び凹部104Xが設けられている。一方、セクタ13の右側面には、第1凹部101Y、第2凹部102Y、第3凹部103Y、及び凸部104Yが設けられている。
第1凹部101Yがセクタ13の右側面にプレス加工で成形されることに伴って、第1凸部101Xがセクタ13の左側面に成形される。従って、セクタ13の左側面の第1凸部101Xと右側面の第1凹部101Yとは、表裏の関係にある。この点は、セクタ13の左側面の第2凸部102Xと右側面の第2凹部102Yとの関係、セクタ13の左側面の第3凸部103Xと右側面の第3凹部103Yとの関係、及びセクタ13の左側面の凹部104Xと右側面の凸部104Yとの関係においても、同様である。
セクタ13の左側面においては、第1凸部101Xが、回動用ピン穴13Dの周縁、つまり、その回動用ピン穴13Dに嵌通された支持ピンP1の周縁に設けられている。従って、第1凸部101Xは、ドーナツ状である。さらに、第2凸部102X及び第3凸部103Xが、切込部13Cの近傍で円筒状に設けられている。これにより、第2凸部102X及び第3凸部103Xは、ラチェット39の歯部39B寄りに位置する。
セクタ13の左側面上では、第1凸部101Xの中心点X1、第2凸部102Xの中心点X2、及び第3凸部103Xの中心点X3を頂点とする三角形Xを設定することができる。同様にして、セクタ13の右側面上では、第1凹部101Yの中心点Y1、第2凹部102Yの中心点Y2、及び第3凹部103Yの中心点Y3を頂点とする三角形Yを設定することができる。
セクタ13の左側面上の三角形Xと右側面上の三角形Yとは、表裏の関係にある。言い換えると、セクタ13の左側面上の三角形Xが支持ピンP1の軸線Qの右方向に投影されることにより、その投影部である三角形Yをセクタ13の右側面上に設定することができる。
セクタ13の左側面上の三角形X内には、円筒状の凹部104Xが設けられている。このため、セクタ13の右側面上の三角形Y内には、円筒状の凸部104Yが設けられている。
このようにして、セクタ13の左側面に設けられた各凸部101X,102X,103Xと、セクタ13の右側面に設けられた凸部104Yとは、各三角形X,Yで特定される相対的な位置関係にある。
尚、第1凸部101Xの中心点X1及び第1凹部101Yの中心点Y1は、支持ピンP1の回動中心、つまり、レバー本体15の回動中心である。そこで、以下では、中心点X1について、レバー本体15の回動中心X1と言うことがある。
セクタ13の左側面に設けられた第1凸部101X、第2凸部102X、及び第3凸部103Xの各高さは、セクタ13の左側面からレバー本体15を構成する第2半割体27の右側面(内面)までの間隔に相当する長さを少なくとも有している。従って、セクタ13の左側面に設けられた第1凸部101X、第2凸部102X、及び第3凸部103Xの各先端部は、レバー本体15を構成する第2半割体27の右側面(内面)に接触している。
セクタ13の右側面に設けられた凸部104Yの高さは、セクタ13の左側面からレバー本体15を構成する第1半割体25の左側面(内面)までの間隔に相当する長さを少なくとも有している。従って、セクタ13の右側面に設けられた凸部104Yの先端部は、レバー本体15を構成する第1半割体25の左側面(内面)に接触している。
図6に表すように、セクタ13の左側面上の三角形X及び右側面上の三角形Yは、運転者が操作部Sを把持してレバー本体15を図6の時計回り又は反時計回りに回動操作しても、常に、支持ピンP1の軸線Qの方向、つまり、図6の紙面の垂直方向で、レバー本体15と重なっている。従って、セクタ13に設けられた各凸部101X,102X,103X,104Yは、レバー本体15がセクタ13に対して回動する範囲内で、レバー本体15を構成する第1半割体25又は第2半割体27の内面に常に接触している。
尚、回動操作が行われずに操作部Sが前後方向で水平にある状態、及び最大の回動操作が行われて操作部Sが前後方向で最大に傾斜した状態の双方において、支持ピンP1の軸線Qの方向、つまり、図6の紙面の垂直方向にて、レバー本体15とセクタ13とが重なる範囲が、「レバー本体がセクタに対して回動する範囲」に相当する。
[3.その他]
ちなみに、本実施形態において、支持ピンP1は、「回動ピン」の一例である。支持ピンP1の軸線Qは、「回動ピンの軸線」の一例である。左右方向は、「回動ピンの軸線方向」の一例である。第1半割体25の左側面(内面)及び第2半割体27の右側面(内面)は、「レバー本体の内壁面」の一例である。セクタ13の左側面は、「セクタの一面」の一例である。セクタ13の右側面は、「セクタの他面」の一例である。セクタ13の左側面の第1凸部101X、第2凸部102X、第3凸部103X、及びセクタ13の右側面の凸部104Yは、「突起部」の一例である。セクタ13の左側面の第1凸部101X、第2凸部102X、第3凸部103X、及びセクタ13の右側面の凸部104Yの各先端部は、「突起部の先端部」の一例である。三角形Yは、「投影部」の一例である。
[4.まとめ]
本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11においては、ラチェット39がセクタ13に固設されることから、ラチェット39とセクタ13とが別体で構成されている。セクタ13の厚さ13tがラチェット39の厚さ39tより薄いので、セクタ13の質量及びコストが低減される。さらに、ラチェット39の厚さ39tを従来通りの厚さにすることで、ラチェット39に設けられた歯部39Bの強度が維持される。従って、セクタ13とは別体のラチェット39に設けられた歯部39Bの強度を確保しつつ、軽量化及びコストダウンを図ることが可能である。
本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11の構成部品の中で、セクタ13及びラチェット39は、極めて厚みのある部品である。特に、セクタ13は、ラチェット39よりも大きい。そのため、セクタ13の厚さ13tをラチェット39の厚さ39tよりも薄くすることにより、軽量化及びコストダウンを最も大きく発揮することが可能である。
本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11では、第1凸部101X、第2凸部102X、第3凸部103X、及び凸部104Yが、セクタ13から支持ピンP1の軸線Qの方向に突設されている。各凸部101X,102X,103X,104Yの先端部は、レバー本体15を構成する第1半割体25又は第2半割体27の内面に接触している。従って、レバー本体15のガタ付きを防ぐことが可能である。
本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11では、従来品と比べて薄いセクタ13に対し、レバー本体15を構成する第1半割体25又は第2半割体27の内面に接触する、第1凸部101X、第2凸部102X、第3凸部103X、及び凸部104Yが設けられている。そのため、本実施形態では、パーキングブレーキレバー装置11の構成部品については、セクタ13を除けば、従来品で対応することが可能である。よって、従来技術との関係において、部品共通化が実現されている。
本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11において、セクタ13に設けられた第1凸部101X、第2凸部102X、第3凸部103X、及び凸部104Yの先端部は、レバー本体15がセクタ13に対して回動する範囲内で、常に、レバー本体15を構成する第1半割体25又は第2半割体27の内面に接触している。よって、レバー本体15のガタ付きを無くすことが可能である。
本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11において、レバー本体15を構成する第2半割体27の右側面(内面)には、セクタ13の左側面に設けられた各凸部101X,102X,103Xの先端部による接触点が3箇所あるので、各凸部101X,102X,103Xの先端部が均等に接触している。
さらに、セクタ13の左側面に設けられた各凸部101X,102X,103Xと、セクタ13の右側面に設けられた凸部104Yとが、各三角形X,Yで特定される相対的な位置関係にある。
そのような相対的な位置関係によれば、セクタ13の左側面とは反対の右側面には、上述したように均等接触する各凸部101X,102X,103Xの中心点X1,X2,X3で設定される三角形Xに対し表裏の関係にある三角形Y内において、凸部104Yが設けられている。その凸部104Yの先端部が、レバー本体15を構成する第1半割体25の左側面(内面)に接触している。
これにより、各凸部101X,102X,103X,104Yの先端部がレバー本体15に対してバランス良く接触している。そのため、各凸部101X,102X,103X,104Yの先端部による接触が要因となってレバー本体15がセクタ13に対して傾くことを防止することが可能である。
本実施形態のパーキングブレーキレバー装置11において、セクタ13の左側面に設けられた第1凸部101Xの先端部は、レバー本体15の回動中心X1に隣接する位置で、レバー本体15を構成する第2半割体27の右側面(内面)に接触している。それに加えて、セクタ13の左側面に設けられた第2凸部102X及び第3凸部103Xの各先端部は、第1凸部101Xの先端部と比べ、レバー本体15の回動中心X1に対して遠い位置で、レバー本体15を構成する第2半割体27の右側面(内面)に接触するので、レバー本体15のガタ付きを効率的に無くすことができる。
[5.凸部の突出方向]
ところで、セクタ13の一面に設けられる3個の各凸部101X,102X,103Xの突出方向、及び、セクタ13の一面とは表裏関係の他面に設けられる1個の凸部104Yの突出方向については、ブレーキケーブル21の張力に着目すると、望ましい方向が存在する。
なぜなら、ブレーキケーブル21は、レバー本体15が回動操作される際に発生する張力をケーブルガイド29を介してレバー本体15に作用させることにより、レバー本体15をケーブルガイド29側に傾けようとするが、そのような傾きを防止又は低減する効果は、セクタ13の一面に設けられる3個の各凸部101X,102X,103Xの方が、セクタ13の一面とは表裏関係の他面に設けられる1個の凸部104Yよりも大きいからである。
すなわち、3個の各凸部101X,102X,103Xをケーブルガイド29側とは反対側の方向に突出するようにしてセクタ13の一面に設ければ、3個の各凸部101X,102X,103Xが、ケーブルガイド29側とは反対側にあるセクタ13の一面において、レバー本体15の内面を広範囲(つまり、各中心点X1,X2,X3を頂点とする三角形X)で接触して支持するので、レバー本体15がケーブルガイド29側に傾くことを効果的に防止又は軽減することが可能である。
本実施形態では、ケーブルガイド29がセクタ13の右方向にあることから、3個の凸部101X,102X,103Xを、ケーブルガイド29側とは反対側の方向、つまりセクタ13の左方向に突出させるため、セクタ13の左側面に設けている。それに伴い、1個の凸部104Yは、セクタ13の左側面とは表裏関係にある右側面に設けられることにより、セクタ13の右方向に突出させている。
[6.変更例]
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態において、セクタ13の右側面に設けられる凸部104Yは、2つ以上であっても良く、上述したレバー本体15に対する接触のバランス性に着目しなければ、セクタ13の右側面上に設定される三角形Y外にあっても良い。
また、セクタ13の左側面においては、各凸部101X,102X,103Xに加えて、1つ又は2つ以上の新たな凸部を設けても良い。或いは、上述したレバー本体15に対する接触のバランス性に着目しなければ、各凸部101X,102X,103Xのうち、1つ又は2つの凸部のみを設けても良い。
また、セクタ13に設けられた各凸部101X,102X,103X,104Yの先端部については、種々の形状にすることが可能である。例えば、平面状であっても良いし、曲面状であっても良い。
また、本実施形態とは異なり、ケーブルガイド29がセクタ13の左方向にある場合には、上述したブレーキケーブル21の張力に着目する観点からすれば、セクタ13に設けられる各凸部101X,102X,103Xは、ケーブルガイド29側とは反対側の方向、つまりセクタ13の右方向に突出させることが望ましく、これに伴い、セクタ13に設けられる凸部104Yは、ケーブルガイド29側の方向、つまりセクタ13の左方向に突出させる。
このような場合には、上述した図4及び図5は、図7及び図8に変更される。図7及び図8においては、上記実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。図7及び図8では、各符号101X,102X,103X,104Yは凹部を示すように変更され、各符号101Y,102Y,103Y,104Xは凸部を示すように変更される。
さらに、図7及び図8では、セクタ13の下端部に設けられた一対の取付脚部の各曲折方向により、右ハンドル車両向けのセクタ13が示されている。これに対して、上記実施形態を表した図2、図4、及び図5では、上記各曲折方向が図7及び図8とは反対であることから、左ハンドル車両向けのセクタ13が示されている。
また、上述したブレーキケーブル21の張力に着目する観点、及びレバー本体15に対する接触のバランス性に着目する観点によらなければ、セクタ13に設けられる各凸部101X,102X,103X,104Yの突出方向は、左右のいずれの方向であっても良い。
11 パーキングブレーキレバー装置
13 セクタ
13t セクタの厚さ
39 ラチェット
39B ラチェットの歯部
39t ラチェットの厚さ
15 レバー本体
101X セクタの左側面の第1凸部
102X セクタの左側面の第2凸部
103X セクタの左側面の第3凸部
104Y セクタの右側面の凸部
P1 支持ピン
Q 支持ピンの軸線
X セクタの左側面に設けられた各凸部を頂点とする三角形
Y セクタの右側面に設けられた各凹部を頂点とする三角形

Claims (5)

  1. 歯部が設けられたラチェットと、
    前記ラチェットが嵌合で固設されたセクタと、
    前記セクタに軸通された回動ピンを介して該セクタを挟んだ状態で該セクタに対して回動可能に設けられたレバー本体と、を備え、
    前記回動ピンの軸線方向において、前記セクタの厚さが前記ラチェットの厚さより薄いことを特徴とするパーキングブレーキレバー装置。
  2. 前記セクタから前記回動ピンの軸線方向に突設されることにより、先端部が前記レバー本体の内壁面に当接する突起部を備えることを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキレバー装置。
  3. 前記突起部は、前記レバー本体が前記セクタに対して回動する範囲内で、常に該レバー本体の内壁面に接触することを特徴とする請求項2に記載のパーキングブレーキレバー装置。
  4. 前記突起部は、前記セクタの一面に少なくとも3つ設けられると共に前記セクタの他面に少なくとも1つ設けられ、
    前記セクタの他面に設けられた突起部は、前記セクタの一面に設けられた3つの突起部を頂点とする三角形が前記回動ピンの軸線方向に投影されることによって前記セクタの他面上に設定される投影部内に位置することを特徴とする請求項3に記載のパーキングブレーキレバー装置。
  5. 前記セクタの一面に設けられた突起部は、前記回動ピンの周縁に沿って1つ設けられると共に前記ラチェットの歯部寄りに少なくとも2つ設けられることを特徴とする請求項4に記載のパーキングブレーキレバー装置。
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