まず図1を参照して、本発明の一実施の形態における海苔製造装置の構成を説明する。海苔製造装置1は、簀に抄製された生海苔を乾燥させてシート状の乾海苔を製造するものである。図1において、海苔製造装置1は、アタッチメントチェンをエンドレスに連結した第1の無端チェン2によって簀ホルダ3(図2)が循環搬送される搬送経路に沿って、抄き部4、脱水部5、剥ぎ部6、洗浄部7を配設し、これらと乾燥室(乾燥部)8を組み合わせた構成を含んでいる。海苔製造装置1を構成する各種機構は、制御部60(図9)によって制御される。以後、海苔製造装置1の長手方向(第1の無端チェン2と乾燥室8が並列する水平な方向)をX方向と定義し、X方向と水平面内において直交する方向をY方向と定義する。さらに、XY平面に対して直交する方向をZ方向と定義する。
図2(a)において、生海苔wを抄き上げて乾燥するために用いられる簀ホルダ3は、2本の平行な桿部10a,10bの間に、保持金具11を介して複数の簀12を展張して保持させた構成となっている。図2(b)は、図2(a)で示すA−A断面である。簀12は、例えばプラスチック樹脂から成る複数の棒状体12aを並べて糸で編んだものである。棒状体12aは竹ひごでもよい。桿部10a,10bの間には、棒状に成形された複数の連結部材13が張り渡されており、これにより簀12を保持するための矩形枠が形成されている。連結部材13は金属から成る。便宜上、図4,5,6,7,11,12,13では、簀ホルダ3を簡略して図示している。
図1において、第1の無端チェン2は複数のスプロケット14(14a〜14i)に掛け渡されており、複数のスプロケット14と、これらのスプロケット14に掛け渡された第1の無端チェン2は第1のチェンユニットを構成する。図3及び図14に示すように、本実施の形態における第1のチェンユニットは対を成しており、簀ホルダ3の長手方向における長さに対応した間隔に配置されている。図14において、複数のスプロケット14のうち、後述する第7のスプロケット14g同士は連結シャフト70によって連結されており、連結シャフト70はシャフト駆動モータ15によって回転駆動される。シャフト駆動モータ15が作動して連結シャフト70を駆動すると、一対の第1の無端チェン2が同期して間欠的に走行し(図1及び図14に示す矢印a)、これにより簀ホルダ3が搬送される。なお、連結シャフト70が連結されるスプロケット14は任意である。図3は海苔製造装置1の正面を模式的に示したものであり、便宜上、後述する第2の無端チェン50の図示は省略している。
図1及び図6において、第1の無端チェン2の外周には、簀ホルダ3を引っ掛ける(以下、「係止する」と称する)ための複数の爪部16が設けられている。爪部16は、少なくとも簀ホルダ3の搬送方向側における桿部10aに対応して所定のピッチP1(図1)で配置されている。簀ホルダ3は、搬送方向側における桿部10aが爪部16に係止された状態で、第1の無端チェン2による搬送経路に沿って循環して搬送される。第1の無端チェン2は、簀ホルダ3を搬送経路に沿って搬送する第1の搬送手段となっている。また、図6において、第1の無端チェン2上であって、爪部16と隣接する位置には、爪部16によって係止された簀ホルダ3の飛び出しを防止するための爪部160が設けられている。
図1において、第1の無端チェン2は、上段搬送路2Uと下段搬送路2Lを含んで構成されている。上段搬送路2Uは、乾燥室8に接近する方向に簀ホルダ3が搬送される搬送路であり、上流(紙面左側)から順に抄き部4、脱水部5が配設されている。抄き部4は、簀ホルダ3に保持された簀12上に生海苔wを抄き上げる抄製処理を行う。脱水部5は、抄き部4によって抄き上げられた簀12上の生海苔wを脱水する脱水処理を行う。このように、上段搬送路2Uは、簀ホルダ3を脱水部5に向けて搬送する搬送経路を含んでいる。
次に図4を参照して、脱水部5の構成について説明する。なお、以下に説明する脱水部5の構成は公知である。図4(a)において、脱水部5は図示しない筐体内に第1の昇降体21と、第1の昇降体21の下方に設けられた第2の昇降体22を備えている。第1の昇降体21と第2の昇降体22は第1の無端チェン2を間に挟んで上下に配置されており、搬送される簀ホルダ3の長手方向に延びている(紙面直交方向)。第1の昇降体21と第2の昇降体22は、図示しない昇降機構によって互いに接近若しくは離れる方向へ同期して移動する(矢印b)。
第1の昇降体21と第2の昇降体22のそれぞれが対向する面には、装着ベース23が取り付けられており、各装着ベース23にはそれぞれスポンジ部材24が対をなして着脱自在に装着されている。各スポンジ部材24はブロック状であり、簀ホルダ3が保持する個々の簀12と対応する位置に配置されている。
図4(b)に示すように、生海苔wが抄き上げられた簀ホルダ3を第1の昇降体21と第2の昇降体22の間に運び込んだ状態で、第1の昇降体21と第2の昇降体22が互いに接近する方向に移動すると、生海苔wが簀12ごと上下一対のスポンジ部材24によって挟み込まれる。これにより、生海苔wに含まれている水分はスポンジ部材24に吸収され、生海苔wから水分が除去される(脱水処理)。図4(c)に示すように、脱水処理を終えた生海苔wを保持する簀ホルダ3(3a)は、第1の昇降体21と第2の昇降体22が離れる方向に移動している間に第1の無端チェン2によって下流に運び出され(矢印c)、併せて次の簀ホルダ3(3b)が一対のスポンジ部材24の間に運び込まれる。このように、一対のスポンジ部材24は、個別に昇降自在に設けられ搬送経路を搬送される簀12上の生海苔wを上下方向から挟み込んで生海苔wから水分を吸収する。
脱水処理の際には、上側のスポンジ部材24と簀ホルダ3との間に網目状のシート部材25が水平姿勢でセットされる。シート部材25は、一対のスポンジ部材24によって簀12を挟み込む際に、上側のスポンジ部材24と簀12との間に介在することで、上側のスポンジ部材24に生海苔wが貼り付く事態を防止する。シート部材25は、後述するスポンジ部材24の清掃作業時には、水平面内方向へ移動されることによって、一対のスポンジ部材24の間から退避する。
脱水処理が繰り返し行われる過程で、スポンジ部材24には生海苔wの滓等の異物が徐々に堆積する。異物はスポンジ部材24を汚す要因となり、脱水処理に悪影響及ぼすおそれがあるので、定期的にスポンジ部材24を清掃する必要がある。そのため図5(a)に示すように、脱水部5には、一対のスポンジ部材24の間に挿入されてその上下に対向する両面を清掃する清掃ユニット26が設けられている。清掃ユニット26は、移動ベース27と、移動ベース27の先端に設けられた筒状の回転体28を備えている。回転体28は、移動ベース27に設けられた軸部材27aに回転自在に保持されている。
スポンジ部材24の清掃時においては、回転体28をスポンジ部材24に接触させるために、第1の無端チェン2から複数(例えば4個)の簀ホルダ3を予め取り外しておく。次いで図5(b)に示すように、第1の昇降体21と第2の昇降体22が位置合わせされた状態で、移動ベース27は図示しないユニット移動機構の駆動によって水平方向に往復移動する(矢印d)。このとき、回転体28は一対のスポンジ部材24の互いに対向する両面に接触しながら回転する(矢印e)。これにより、一対のスポンジ部材24は、回転体28の外周面に対して相対的に摺動し、スポンジ部材24に付着する異物がそぎ落とされる。図5(c)に示すように、清掃作業を終えた清掃ユニット26は第1の無端チェン2による簀ホルダ3の搬送を妨げない高さ位置まで退避する。このように、清掃ユニット26は、一対のスポンジ部材24の間を水平方向に移動自在な回転体28を有し、一対のスポンジ部材24の互いに対向する両面に接触した状態で回転体28を移動させることでスポンジ部材24を清掃するスポンジ部材清掃手段となっている。
脱水部5の手前で簀ホルダ3を第1の無端チェン2から取り外し、さらに脱水部5を越えた下流で外した簀ホルダを第1の無端チェン2に戻す作業は、従来、作業員による手作業でなされていたため、作業員は多大な負担を強いられていた。本実施の形態における海苔製造装置1は、脱水部5の手前である上流で簀ホルダ3を搬送経路から外し、さらに脱水部5を越えた側である下流で簀ホルダ3を搬送経路に戻すための構成を備えている。
図1において、脱水部5によって脱水された生海苔wを保持した簀ホルダ3は乾燥室8(乾燥部)に搬入される。乾燥室8は上段コンベア30Uと下段コンベア30Lを備えている。脱水後の生海苔wを保持した簀ホルダ3は、まず上段コンベア30Uに所定間隔で設けられた複数の保持部材31の間に挿入された状態で、乾燥室8内を搬送される。次いで、乾燥途中の簀ホルダ3は下段コンベア30Lに受け渡されて、さらに乾燥室8内を搬送される。このように簀ホルダ3が搬送される間、乾燥室8には図示しない温風供給機構により温風が供給される。これにより、簀12上の生海苔wは乾燥して乾海苔となり、簀ホルダ3は下段コンベア30Lから第1の無端チェン2に受け渡される。下段コンベア30Lから第1の無端チェン2に受け渡された簀ホルダ3は、下段搬送路2Lを搬送される。なお、生海苔wから水分を奪った高温多湿の空気は、乾燥室8の上方に設置された排気用ファンによって乾燥室8の外へ排出される。
下段搬送路2Lは、上段搬送路2Uの下方において乾燥室8から離れる方向に簀ホルダ3が搬送される搬送路であり、上流側(図1における紙面右側)から順に剥ぎ部6、洗浄部7が配設されている。剥ぎ部6は簀12から乾海苔を剥ぎ取る処理を行う。剥ぎ取られた乾海苔は、搬出コンベア(図示省略)によって海苔製造装置1から搬出される。これにより、乾海苔の製造の1サイクルが完了する。洗浄部7は、乾海苔が剥がされた簀ホルダ3の簀12を洗浄する。洗浄後の簀ホルダ3は、再び抄き部4、脱水部5へ循環搬送される。このように下段搬送路2Lは、脱水部5が配設された上段搬送路2Uに向けて簀ホルダ3を搬送する。
このように、本実施の形態における海苔製造装置1は、簀12を保持した簀ホルダ3を第1の搬送手段(第1の無端チェン2)によって搬送経路に沿って搬送させる過程で、簀12に抄製された生海苔wから脱水部5によって水分を除去し、さらに水分を除去した後の生海苔wを脱水部5の下流に設けられた乾燥部(乾燥室8)によって乾燥させることで乾海苔を製造する。
本明細書では、上段搬送路2U、下段搬送路2Lごとに上流と下流を定義している。すなわち、上段搬送路2Uと下段搬送路2Lでは簀ホルダ3の搬送方向が逆になるため、上段搬送路2Uでは図1に示す紙面左側(脱水部5を基準にして前方側)を上流と定義し、紙面右側(脱水部5を基準にして後方側)を下流と定義している。その一方、下段搬送路2Lでは、図1に示す紙面右側を上流と定義し、紙面左側を下流と定義している。
次に図1を参照して、第1の無端チェン2が巻回される複数のスプロケット14の配置について説明する。上段搬送路2Uにおいて、抄き部4及び脱水部5よりも上流には第1のスプロケット14aが設けられ、脱水部5よりも下流には第2のスプロケット14bが設けられている。第1のスプロケット14aから第2のスプロケット14bにかけては、第1の無端チェン2は水平方向に走行する。第2のスプロケット14bよりも下流の上方には、第3のスプロケット14cが設けられており、第2のスプロケット14bから第3のスプロケット14cにかけては、第1の無端チェン2は上り勾配で走行する。第3のスプロケット14cよりもさらに下流であって、上段コンベア30Uと対向する位置には第4のスプロケット14dが設けられている。
第4のスプロケット14dよりも下方であって、乾燥室8から離れる側の位置には第5のスプロケット14eが設けられ、第5のスプロケット14eよりも下方であって、乾燥室8からさらに離れる側の位置には第6のスプロケット14fが設けられている。第6のスプロケット14fよりも下方であって、乾燥室8に接近する側の位置には第7のスプロケット14gが設けられ、第7のスプロケット14gよりも下方であって乾燥室8から離れる側の位置には第8のスプロケット14hが設けられている。第8のスプロケット14hよりも乾燥室8から離れる側であって、第1のスプロケット14aの下方には第9のスプロケット14iが設けられている。第8のスプロケット14hから第9のスプロケット14iにかけては、第1の無端チェン2は水平方向に走行する。
下段搬送路2Lの下方(第8のスプロケット14hから第9のスプロケット14iに亘って走行する第1の無端チェン2の下方)には、簀ホルダ3の搬送方向と並行に延びる第1のガイドレール32が設けられている。第1のガイドレール32は、下段搬送路2Lを搬送される簀ホルダ3を下方から支持することで、簀ホルダ3を搬送経路に沿ってガイドするとともに簀ホルダ3の落下を防止する。
図1及び図6に示すように、第9のスプロケット14iから第1のスプロケット14aにかけては、第1の無端チェン2は上方に向かって走行する。この区間においては、簀ホルダ3は桿部10a,10bが上下方向に並列した「立ち姿勢」で搬送される(図6で示す矢印f)。この区間を通過することで、簀ホルダ3は下段搬送路2Lから上段搬送路2Uへ搬送される。すなわち、第9のスプロケット14iと第1のスプロケット14aの間の第1の無端チェン2における簀ホルダ3の搬送経路は、簀ホルダ3を下段搬送路2Lから上段搬送路へ搬送するための中継搬送路2Mとなっている。そしてこの中継搬送路2Mは、簀ホルダ3を上方に搬送させる。
図6において、第9のスプロケット14iを周回する第1の無端チェン2を下方と側方から覆う位置には、第9のスプロケット14iの外周面に倣って湾曲したコーナ部33aを有する第2のガイドレール33が設けられている。第1のガイドレール32と第2のガイドレール33は、夫々の一端部が連結した状態で配置されている。第1のガイドレール32上を通過した簀ホルダ3は、第2のガイドレール33によってガイドされながら上方に搬送される。すなわち、第2のガイドレール33は、簀ホルダ3を下段搬送路2Lから中継搬送路2Mへガイドするとともに、簀ホルダ3の落下を防止する。
第2のガイドレール33の上方であって、第1のスプロケット14aを周回する第1の無端チェン2を側方から覆う位置には、第3のガイドレール34が上下方向に延びて設けられている。第3のガイドレール34は、中継搬送路2Mを搬送される簀ホルダ3を上方へガイドするとともに、簀ホルダ3の落下を防止する。第2のガイドレール33と第3のガイドレール34の間には、桿部10bの横断面の直径よりも大きい長さ寸法t1のクリアランス35が設けられている。これにより、桿部10bはクリアランス35を介して第1の無端チェン2における搬送経路(中継搬送路2M)から外れることができるようになっている。
第1のスプロケット14aを周回する第1の無端チェン2を上方から覆う位置には、第4のガイドレール36が略水平方向に延びて設けられている。第4のガイドレール36は、第1のスプロケット14aを周回する第1の無端チェン2上の簀ホルダ3を水平方向にガイドする。第3のガイドレール34と第4のガイドレール36の間には、桿部10aの横断面の直径よりも大きい長さ寸法t2のクリアランス37が設けられている。これにより、桿部10aはクリアランス37を介して第1の無端チェン2における搬送経路から外れることができるようになっている。なお、簀ホルダ3の2つの桿部10a,10bの間の距離s1(図2)は、第3のガイドレール34の長手方向の長さ寸法s2(図7)よりも小さいので、簀ホルダ3は第3のガイドレール34を越えて第1の無端チェン2よりも離れた外方へ移動することができる。
図6において、第2のガイドレール33と第3のガイドレール34の間に設けられたクリアランス35と対応する位置には、「く」字状のストッパ部材38が設けられている。ストッパ部材38は軸部材39によって軸支されており、軸部材39を中心に回動する(矢印g)。ストッパ部材38の一端部は付勢手段であるバネ部材40によって矢印h方向に付勢されており、外部からの力が作用していないとき、ストッパ部材38の他端部はクリアランス35を塞いだ状態となっている。これにより、例えば搬送時の振動で簀ホルダ3の桿部10a,10bがクリアランス35に入りこむ事態をより確実に防止できる。その一方で、ストッパ部材38の他端部を内方(第1の無端チェン2における搬送経路側)から押すと、ストッパ部材38はバネ部材40の付勢力に抗じて回動し、クリアランス35を「開」状態にする(図11(a),(b))。
クリアランス35に対応する位置には、ガイド部材41がさらに設けられている。ガイド部材41は、クリアランス35を介してガイド対象(ここでは桿部10b)を上り勾配で第1の無端チェン2から離れた外方へガイドする第1のガイド部41aと、第1のガイド部41aを通過したガイド対象を下り勾配でさらに外方へガイドする第2のガイド部41bと、第2のガイド部41bの端部から上方へ延びた立ち上がり部41cを含んで構成される。ガイド部材41は、クリアランス35を通過する桿部10bを第1の無端チェン2から離れた外方へガイドする機能を有する。
図6において、第1のスプロケット14aの中心には円状の開口部42が形成されており、この開口部42には水平方向(図6における紙面直交方向)に延びた軸部材43が貫通している。図3において、軸部材43は、両端が海苔製造装置1の筐体44の外方まで突出して延びており、筐体44に回転自在に保持されている。軸部材43は第1のスプロケット14aと接続されておらず、第1のスプロケット14aと軸部材43は個別に回転する。筐体44の一側には、駆動軸45aを有するアーム駆動モータ45が固定されており、駆動軸45aの先端には駆動スプロケット46が取り付けられている。軸部材43の一端部には従動スプロケット47が固定されている。駆動スプロケット46と従動スプロケット47は、駆動チェン48によって連結されている。アーム駆動モータ45が作動して駆動スプロケット46を駆動すると、駆動チェン48を介して従動スプロケット47が回転する。これにより、軸部材43も回転する。
図3及び図6において、軸部材43の両側部近傍にはアーム部材49が取り付けられている。アーム部材49は、軸部材43に固定された環状の結合部材49aと、結合部材49aから突出した棒状体49bを含んで構成される。アーム部材49は、アーム駆動モータ45の駆動によって軸部材43とともに回転する(矢印i)。図3に示すように、アーム部材49は、第3のガイドレール34よりも内方であって、且つ回転時に棒状体49bが簀ホルダ3の連結部材13(ここでは端部にある連結部材13)と干渉する位置に配置されている。
図6に示すように、アーム部材49は、アーム駆動モータ45の駆動によって軸部材43を軸心として孤を描きながら回転することで、少なくとも棒状体49bが鉛直方向に延びた「第1の姿勢(実線の棒状体49b)」と、棒状体49bの先端が第1の無端チェン2(中継搬送路2M)及び第3のガイドレール34よりも外方に突出した「第2の姿勢(破線の棒状体49b)」を含む各姿勢に変化する。簀ホルダ3の搬送時において、簀ホルダ3の連結部材13は棒状体49bが回転する軌道上を通過する。したがって、アーム部材49を「第1の姿勢」から「第2の姿勢」になるよう回転させると、連結部材13はアーム部材49によって第1の無端チェン2における搬送経路の外方へ押し出される(図11(a),(b)を参照)。このように、軸部材43、アーム駆動モータ45、駆動スプロケット46、従動スプロケット47、駆動チェン48は、アーム部材49を回転駆動させる回転駆動機構を構成する。また、回転駆動機構、アーム部材49は、搬送経路を搬送される簀ホルダ3を、脱水部5に搬送される前に(脱水部5よりも上流で)搬送経路から外す簀ホルダ外し手段となっている。
図1、図6及び図7において、第1の無端チェン2による簀ホルダ3の搬送経路(中継搬送路2Mの一部と上段搬送路2U)、抄き部4、脱水部5を外方から覆う位置には、アタッチメントチェンをエンドレスに連結した第2の無端チェン50が設けられている。第2の無端チェン50は複数のスプロケット51に掛け渡されており、複数のスプロケット51と、これらのスプロケット51に掛け渡された第2の無端チェン50は第2のチェンユニットを構成する。図14に示すように、本実施の形態における第2のチェンユニットは対を成しており、それぞれ略L字状となっている。各チェンユニットを構成する複数のスプロケット51のうち、最も乾燥室8側(上段搬送路2Uにおける下流)のスプロケット51a同士は連結シャフト71によって連結されており、連結シャフト71はシャフト駆動モータ72によって回転駆動される。シャフト駆動モータ72が作動して連結シャフト71を駆動すると、一対の第2の無端チェン50が同期して走行し(図7及び図14に示す矢印j)、これにより簀ホルダ3が搬送される。
図7において、第2の無端チェン50は、中継搬送路2Mよりも側方の位置で上下方向に延びる第1の搬送路50Aと、抄き部4及び脱水部5の上方で水平方向に延びた第2の搬送路50Bを含んで構成されている。図8において、第2の搬送路50Bの一端部50Baは、脱水部5よりも下流(上段搬送路2Uを基準とする)であって第3のスプロケット14cの上方に位置している。すなわち、第2の無端チェン50における第2の搬送路50Bと、第1の無端チェン2における上段搬送路2Uは、上下に並走している。
図1において、第2の無端チェン50の外周上には、複数の爪部52が所定のピッチP2で設けられており、第2の無端チェン50は爪部52に桿部10aを係止させた状態で簀ホルダ3を搬送する。図6及び図7に示すように、爪部52が突出する方向は、簀ホルダ3の搬送方向側に傾いており、これにより簀ホルダ3が上方に向かって搬送される過程で誤って落下しないようになっている。なお、ピッチP1とP2は同じである。本実施の形態における第2の無端チェン50では、脱水部5におけるスポンジ部材24の清掃のために外される簀ホルダ3に対応した数(ここでは4個)の爪部52が設けられている。図7に示すように、第2の無端チェン50における簀ホルダ3の搬送経路上において、クリアランス37に対応する高さ位置は簀ホルダ受け取り位置[S]となっている。爪部52を簀ホルダ受け取り位置[S]に位置合わせした状態で、中継搬送路2M上を走行する簀ホルダ3がアーム部材49により外方へ押し出されると、桿部10aがクリアランス37を通過して爪部52に係止される。これにより、簀ホルダ3は第2の無端チェン50に保持された状態となる。
第2の無端チェン50によって搬送される簀ホルダ3の搬送経路(第1の搬送路50Aと第2の搬送路50B)よりも所定間隔だけ離れた外方の位置には、第5のガイドレール53が搬送経路を沿うようにして設けられている。第5のガイドレール53の一端部53aはクリアランス37に対応する高さ位置にある。また図8に示すように、他端部53bは第2の無端チェン50における第2の搬送路50Bの一端部50Baよりも内方(手前側)に位置している。第5のガイドレール53は、第2の無端チェン50により搬送される簀ホルダ3を当該第2の無端チェン50における搬送経路に沿ってガイドするとともに、簀ホルダ3の落下を防止する。図7において、第5のガイドレール53のコーナ部53cと対応する位置に配置されたスプロケット51bには、簀ホルダ3(桿部10a、100b)の逃し用の凹部51baが設けられている。簀ホルダ3は、桿部10a,10bが凹部51baに収納されることで、第5のガイドレール53のコーナ部53c近傍を円滑に搬送される。
第2の搬送路50Bは抄き部4と脱水部5の上方に架設されているので、第2の無端チェン50によって搬送される簀ホルダ3は、抄き部4と脱水部5を経由せずに(すなわち迂回して)、脱水部5を越えた下流の位置まで移動することができる。すなわち、第2の無端チェン50によって搬送される簀ホルダ3の搬送経路は、少なくとも脱水部5を経由せずに脱水部5を越えた位置まで簀ホルダ3を搬送するためのバイパス経路となっている。
簀ホルダ3は、第5のガイドレール53の他端部53bを越えると、搬送方向側の桿部10aから落下する。ここで、第2の搬送路50Bの下方には第1の無端チェン2(上段搬送路2U)が走行しているので、第2の無端チェン50から落下した簀ホルダ3は、第1の無端チェン2の上段搬送路2Uに保持される。すなわち、簀ホルダ3が第5のガイドレール53を越えて第2の無端チェン50から落下する位置は、脱水部5を越えた位置(下流)に設定された簀ホルダ戻し位置[T]となっており(図13)、第2の無端チェン50は簀ホルダ戻し位置[T]に向けて簀ホルダ3を搬送する。
以上説明したように、第2の無端チェン50は、搬送経路から外れた簀ホルダ3を受け取って脱水部5を経由せずに脱水部5を越えた位置(簀ホルダ3が外された第1の無端チェン2上の位置が脱水部5を通過した側)まで搬送する第2の搬送手段となっている。さらに、第2の無端チェン50と第5のガイドレール53は、脱水部5を越えた位置まで搬送された簀ホルダ3を第1の搬送手段(第1の無端チェン2)における搬送経路上に戻す簀ホルダ戻し手段となっている。
次に図9を参照して、海苔製造装置1が備える制御部60について説明する。制御部60は、記憶部61、機構駆動部62を備えており、抄き部4、脱水部5、剥ぎ部6、洗浄部7、シャフト駆動モータ15,72、上段コンベア30U、下段コンベア30L、アーム駆動モータ45、入力部63等と接続されている。記憶部61は、シート状の乾海苔を製造するための生産データや、スポンジ部材24の清掃を行うための清掃データ等を記憶する。例えば機構駆動部62は、清掃データに基づいて、シャフト駆動モータ15,72,アーム駆動モータ45、脱水部5を構成する各種機構の駆動を制御する。これにより、スポンジ部材24を清掃するための動作が実行される。入力部63は、ボタンやキーボード等の入力手段であり、制御部60に対して所定の入力を行う。
本実施の形態における海苔製造装置1は以上のように構成される。次に図10のフローチャートと図11〜13の動作説明図を参照して、海苔製造装置1を構成する脱水部5が備えるスポンジ部材24の清掃方法について説明する。まず、制御部60は入力部63を介してスポンジ部材24の清掃指令がなされたか否かを判断する(ST(ステップ)1:判断工程)。この工程では、例えば、制御部60は作業員が入力部63としてのボタンを操作することで、清掃指令がなされたと判断する。制御部60は清掃指令がなされるまで待機する(図10で示す「No」)。操作指令がなされたと判断した場合(図10で示す「Yes」)、第1の無端チェン2は簀ホルダ3を間欠的に搬送する(ST2:搬送工程)。
次いで図11(a)に示すように、外し対象となる簀ホルダ3が中継搬送路2Mにおいて上方へ間欠的に搬送される過程、より具体的には当該簀ホルダ3が「立ち姿勢」となって搬送方向とは反対側の桿部10bがクリアランス35に対応する高さ位置に到達して一時的に停止したタイミングで、アーム部材49は「第1の姿勢」から「第2の姿勢」となる方向に回転する(矢印k)。これにより、アーム部材49は連結部材13に接触して簀ホルダ3を第1の無端チェン2による搬送経路から離れた外方へ押し出す。すなわち、搬送経路を搬送される簀ホルダ3を、脱水部5に搬送される前に搬送経路から外す(ST3:簀ホルダ外し工程)。このとき、桿部10bはストッパ部材38をバネ部材40による付勢力に抗じて回動させて(矢印l)、クリアランス35を強制的に「開」状態にする。そして、連結部材13を介して簀ホルダ3がアーム部材49によりさらに押し出されることで、桿部10bはガイド部材41によってガイドされながらクリアランス35を通過する(図11(a)→図11(b))。このとき、搬送方向側の桿部10aも、アーム部材49による作用を受けてクリアランス37を通じて第1の無端チェン2から離れた外方へ押し出される。これにより、簀ホルダ3は第1の無端チェン2による搬送経路から外される。なお、簀ホルダ3は「立ち姿勢」でアーム部材49により押し出されるので、簀ホルダ3を容易に搬送経路から外すことができる。
そして、アーム部材49がさらに回転して「第2の姿勢」に近づくことで、桿部10bがガイド部材41の立ち上がり部41cに接触してその移動が規制される(図11(c))。これとともに、予め受け取り位置[S]に位置合わせされた爪部52に桿部10aが係止される。これにより、第2の無端チェン50は第1の無端チェン2による搬送経路から離れた外方の位置で簀ホルダ3を受け取る(ST4:簀ホルダ受け取り工程)。なお、制御部60は、アーム駆動モータ45を制御して、棒状体49bの先端が第1の無端チェン2から最も離れた「第2の姿勢」となった状態でアーム部材49の回転を一時的に停止させてもよい。また、ストッパ部材38はバネ部材40の付勢力によって回動し(図11(c)に示す矢印m)、クリアランス35を塞ぐ姿勢に戻る。そして、アーム部材49は1回転して「第1の姿勢」に戻る(図12)。
次いで、制御部60は搬送経路から外された簀ホルダ3の数が予め定めた数(例えば4個)に達したか否かを判断する(ST5:判断工程)。(ST5)で予め定めた数に達していないと判断した場合(図10に示す「No」)、図12に示すように、第2の無端チェン50は所定量だけ走行し(矢印n)、受け取り位置[S]に簀ホルダ3が係止されていない爪部52を位置合わせする(ST6:位置合わせ工程)。その後、(ST3)に戻る。
(ST5)で予め定めた数に達したと判断した場合(図10に示す「Yes」)、図13(a)に示すように、第2の無端チェン50は先頭の簀ホルダ3を搬送し(矢印o)、簀ホルダ戻し位置[T]の手前に設定された待機位置[U]に位置決めする(より厳密には、簀ホルダ3の桿部10aが待機位置[U]に位置決めされる)。すなわち、搬送経路から外れた簀ホルダ3を第2の無端チェン50によって脱水部5を経由せずに脱水部5を越えた位置(下流)に搬送する(ST7:搬送工程)。脱水部5を越えた待機位置[U]に簀ホルダ3を搬送して位置決めしたならば、第2の無端チェン50はスポンジ部材24の清掃が終了するまで走行を一時的に停止し、先頭の簀ホルダ3を待機位置[U]にて待機させる。
次いで、脱水部5においてスポンジ部材24の清掃が実行される(ST8:清掃工程)。すなわち、簀ホルダ3が外された第1の無端チェン2の箇所が脱水部5の筐体内に到達したならば、第1の無端チェン2は走行を一時停止する。そして、清掃ユニット26によってスポンジ部材24を清掃する。スポンジ部材24の具体的な清掃方法は既に説明したとおりである。このように、この工程(ST8)では、第1の搬送手段(第1の無端チェン2)から簀ホルダ3が外された箇所が脱水部5に到達した状態でスポンジ部材24を清掃する。この清掃工程(ST8)では、任意の方法でスポンジ部材24の清掃を行ってもよい。例えば、作業員がスポンジ部材24を装着ベース23(図4)から取り外し、手作業で清掃するようにしてもよい。
スポンジ部材24の清掃が完了したならば、第1の無端チェン2は走行を再開する。なお、スポンジ部材24の清掃が作業員による手作業でなされている場合、作業員が入力部63を介して所定の入力を行うことで、制御部60は清掃が完了したと判断する。
図13(a)において、第1の無端チェン2が間欠的に走行する過程で、搬送経路から外された先頭の簀ホルダ3を係止していた爪部16は簀ホルダ戻し位置[T]の手前で一時的に停止される。このタイミングで、図13(b)に示すように、第2の無端チェン50は所定量だけ走行し(矢印p)、先頭の簀ホルダ3を簀ホルダ戻し位置[T]に向けて搬送する。なお、対象となる爪部16が簀ホルダ戻し位置[T]の手前で停止されたか否かは、例えば、投光器と受光器を備えた光学式センサによって簀ホルダ3を係止していない爪部16を検知することによってなされる。簀ホルダ戻し位置[T]に向けて搬送された簀ホルダ3は、第5のガイドレール53による支持を失って搬送方向側の桿部10aが落下する。これにより、簀ホルダ3の桿部10aは爪部16に係止されていた元の位置に戻る。さらにこの状態で、第1の無端チェン2が間欠的に走行することで(図13(c)に示す矢印q)、第2の無端チェン50から簀ホルダ3が強制的に引きずり落とされる。すなわちこの工程では、脱水部5を越えた位置まで搬送された簀ホルダ3を第1の搬送手段(第1の無端チェン2)における搬送経路上に戻す(ST9:簀ホルダ戻し工程)。このように、第2の無端チェン50によって脱水部5を越えた位置まで搬送された簀ホルダ3は、第1の無端チェン2における搬送経路上に戻される。また、図13(c)に示すように、第2の無端チェン50が所定量だけ走行することで、次に戻し対象となる簀ホルダ3は待機位置[U]まで搬送される。さらに、第1の無端チェン2が1ピッチだけ間欠的に走行することで、次に戻し対象となる簀ホルダ3を係止するための爪部16が簀ホルダ戻し位置[T]の手前で一時的に停止される。
次いで、制御部60は全ての簀ホルダ3を戻したか否か判断する(ST10:判断工程)。全ての簀ホルダ3を戻していないと判断した場合は(図10に示す「No」)、(ST9)に戻る。全ての簀ホルダ3を戻したと判断した場合(図10に示す「Yes」)、第2の無端チェン50は走行し、爪部52を簀ホルダ受け取り位置[S]に位置合わせする(ST10:位置合わせ工程)。以上の工程を経て、スポンジ部材24の清掃方法は終了する。
以上説明したように、本実施の形態における海苔製造装置1によれば、脱水部5におけるスポンジ部材24の清掃に先立って、搬送経路を搬送される簀ホルダ3を、脱水部5に搬送される前に搬送経路から外し、外した簀ホルダ3を2の無端チェンにより保持し、第2の無端チェン50によって搬送経路から外れた簀ホルダ3を脱水部5を経由せずに脱水部5を越えた位置まで搬送し、脱水部5を越えた位置まで搬送された簀ホルダ3を第1の無端チェン2における搬送経路上に戻すので、作業員は手作業で簀ホルダを搬送経路から外し、また、簀ホルダ3を搬送経路に戻す手間を省略することができる。
本発明の海苔製造装置1は、これまで説明した実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更することができる。また、アーム部材49は連結部材13以外の簀ホルダ3を構成する箇所を押し出すようにしてもよい。さらに、本実施の形態では、簀ホルダ3の自重により第2の無端チェン50から第1の無端チェン2に簀ホルダ3を落下させて戻すようにしているが、簀ホルダ3を把持可能な把持機構を組み込み、当該時把持機構によって簀ホルダを把持して第2の無端チェン50から第1の無端チェン2に戻すようにしてもよい。