JP6632251B2 - 表刷り用グラビア印刷インキ組成物及びそれを印刷した表刷りグラビア印刷物 - Google Patents
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Description
このように、表刷りグラビア用印刷インキは、プラスチックフィルムの表側に印刷されるため、インキ皮膜は外部に直接曝されることになり、商品の取り扱い時等における強靭な皮膜物性が要求される。
しかし、バインダー樹脂として、ポリウレタン樹脂とセルロース誘導体を使用したインキでは、プラスチックフィルムの酸化防止剤によりインキ層が黄変する問題を有している。
このプラスチックフィルムの酸化防止剤により黄変する問題を解決するために、バインダー樹脂としてポリウレタン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体とを併用し、さらに、ロジンマレイン酸もしくはロジンエステル及び/又はチタンキレートを含有する表刷り用グラビアインキ組成物が提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
しかし、上記いずれのインキにおいても、場合によっては、耐アルコール性(耐エタノール性)が不十分となる可能性を有している。
すなわち、本発明は、
1.顔料、顔料分散剤、バインダー樹脂として高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂、キレート架橋剤と、有機溶剤とを、含有する表刷り用印刷インキ組成物であって、顔料分散剤がポリエステル系顔料分散剤であり、高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂が、高分子ジオール化合物中、80〜100質量%がポリエステルジオール化合物であるポリウレタン樹脂であり、且つキレート架橋剤の含有量が、表刷り用グラビア印刷インキ組成物中、0.1〜8.0質量%であることを特徴とする表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
2.バインダー樹脂として、さらに、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体及び/又はセルロース誘導体を含有することを特徴とする1に記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
3.表刷り用グラビア印刷インキ組成物が、さらに脂肪酸アミドを0.1〜3.0質量%含有することを特徴とする1又は2に記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
4.有機溶剤が、芳香族炭化水素系有機溶剤を含有せず、且つ酢酸プロピルを含有することを特徴とする1〜3のいずれかに記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
5.1〜4に記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物を用いて印刷してなる表刷りグラビア印刷物。
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用する顔料としては、一般に有機溶剤を含有するグラビア印刷インキ組成物で使用できる無機顔料及び有機顔料を使用できる。例えば、ここで使用可能な無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛など、有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。さらに、炭酸カルシウム、カオリンクレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルクなどの体質顔料も併用して使用することができる。これら顔料の含有量としては、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物中に0.5〜20.0質量%が好ましく、5.0〜15.0質量%とすることがさらに好ましい。
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用する顔料分散剤としては、一般に有機溶剤を含有するグラビア印刷インキ組成物で使用できるポリエステル系顔料分散剤が使用できる。具体的には、アジスパーPB821、PB822、PB824、PB881(味の素ファインテクノ社製)、ソルスパース24000、56000(日本ルーブリゾール社製)等が挙げられ、これらの中でも塩基性基含有ポリエステル系高分子分散剤が好適に使用できる。
顔料分散剤の含有量は、表刷り用グラビア印刷インキ組成物中の全顔料100質量部に対して、通常1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜60質量部である。上記顔料分散剤の含有量が1質量部未満では、インク組成物の保存安定性が低下するおそれがあり、一方200質量部を超えて含有させることもできるが、さらなる顔料分散効果を望めない場合がある。
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用するバインダー樹脂としては、高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂、高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂とセルロース誘導体との併用系(高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂とセルロース誘導体とを、高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂:セルロース誘導体=5:95〜95:5の質量比率となる量で併用するが、より好ましくは高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂:セルロース誘導体=50:50〜70:30の質量比率で併用することが好ましい)、高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体との併用系(高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体とを、高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂:塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体=95:5〜5:95の質量比率となる量で併用するが、より好ましくは高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂:塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体=90:10〜50:50の質量比率、特に好ましくは80:30〜60:40の範囲で併用することが好ましい)等が挙げられる。
高速印刷適性の点からは、バインダー樹脂としては高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂とセルロース誘導体との併用系、高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の併用系が好ましく、樹脂フィルムの酸化防止剤により黄変する点からは、高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂と塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の併用系が好ましい。
本発明における表刷り用グラビア印刷インキ組成物中におけるバインダー樹脂の含有量は、2.0〜20質量%が適量であり、さらに好ましくは2.0〜15質量%である。
バインダー樹脂として使用される高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂としては、従来から印刷インキ組成物、特にグラビア印刷インキ組成物に使用されているもので、具体的には、ジイソシアネート化合物、高分子ジオール化合物、および必要に応じて鎖伸長剤、反応停止剤等を反応させて得られるものである。
高分子ジオール化合物由来の構造の基となる高分子ジオール化合物としては、数平均分子量が500より大きく3000以下、より好ましくは、500〜2000のものであり、1種の高分子ジオール化合物からなるものであってもよく、複数種の高分子ジオール化合物を併用するものであってもよい。高分子ジオール化合物の数平均分子量が500以下の場合は、接着性が低下する傾向があり、一方、数平均分子量が3000を超えると、耐油性が低下する傾向がある。
高分子ポリエステルジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖状グリコール類、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、エチルブチルプロパンジオール等の分岐グリコール類等の低分子ジオール化合物と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸等の飽和および不飽和脂肪族ジカルボン酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカルボン酸化合物を、重縮合させて得られる高分子ポリエステルジオール化合物、ラクトン等の環状エステル化合物を開環反応させて得られる高分子ポリエステルジオール化合物を挙げることができる。
高分子ポリエーテルジオール化合物の具体例としては、分子量が100以上のアルキレングリコール化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブタジエングリコール等のポリアルキレングリコール化合物、および低分子量アルキレングリコールやビスフェノールなどのジオール化合物に、酸化エチレン、酸化プロピレン等のオキシアルキレンやテトラヒドロフラン等を重付加させて得られる高分子ポリエーテルジオール化合物を挙げることができる。
なお、耐アルコール性の点から、鎖伸長剤や反応停止剤は、エーテル結合を有しないものを用いることが好ましい。
ジイソシアネート化合物のNCOのモル当量/高分子ジオール化合物のOHのモル当量が0.5未満であると、耐熱性、耐油性が低下する傾向があり、一方、ジイソシアネート化合物のNCOのモル当量/高分子ジオール化合物のOHのモル当量が3.0を超えると、延伸性が低下する傾向がある。
本発明における表刷り用グラビア印刷インキ組成物の樹脂フィルムに対する接着性、耐ブロッキング性、耐油性、耐熱性、耐塩ビブロッキング性、耐アルコール性等の面から、ポリウレタン樹脂の中でも水酸基を有するポリウレタン樹脂が好ましく、特に、鎖伸長剤として、グリセリン、アミノエチルエタノールアミン等のジアミノアルコール化合物を使用してポリウレタン樹脂の分子内に水酸基を導入したものが好ましい。
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用してもよい塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体としては、従来から表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用されている塩化ビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーの共重合体が使用できる。
この塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の塩化ビニル単位と酢酸ビニル単位のモル比率は、塩化ビニル:酢酸ビニル=80:20〜95:5でるあることが好ましい。
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体のなかでも、環境に配慮したインキの有機溶剤系において、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物により得られる諸性能をバランスよく向上させるためは、水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体がさらに好適である。このような水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、例えば、酢酸ビニルモノマー部分の一部のエステル基をケン化することにより得ることができる。
酢酸エステル部分の一部をケン化することにより得られた水酸基を有する塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を採用する場合には、分子中の塩化ビニルの反応部位に基づく構成単位(下記式1)、酢酸ビニルの反応部位に基づく構成単位(下記式2)、および酢酸ビニルの反応部位のケン化に基づく構成単位(下記式3)の比率により樹脂の皮膜物性や溶解挙動が決定される。
すなわち、塩化ビニルの反応部位に基づく構成単位は樹脂皮膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルの反応部位に基づく構成単位は接着性や柔軟性を付与し、酢酸ビニルの反応部位のケン化に基づく構成単位は環境に配慮したインキの有機溶剤系への良好な溶解性を付与することができる。
式1 ‐CH2-CHCl-
式2 ‐CH2-CH(OCOCH3)-
式3 ‐CH2-CH(OH)-
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用してもよいセルロース誘導体としては、従来から表刷り用印刷インキ組成物に使用されているセルロース誘導体が使用できる。セルロース誘導体としては、ニトロセルロース(ニトロ基置換体)、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどの低級アシル基置換体、メチルセルロース、エチルセルロースなどの低級アルキル基置換体を挙げることができる。これらセルロース誘導体の分子量や水酸基に対する置換度などは、通常のインキ組成物や塗料で使用される範囲のものが、本発明でも支障なく利用でき、水酸基の置換度は、概ね、1.3〜2.7程度のものが好ましい。また、耐熱性の面からはニトロ基置換体の使用が有利であり、接着性の面からは低級アシル基置換体および低級アルキル基置換体が有利であるため、目的に応じて適宜選択して使用することが好ましい。
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用するキレート架橋剤としては、金属キレート架橋剤として、チタンキレート、ジルコニウムキレート等が使用できる。
チタンキレートの代表例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、テトラステアリルチタネートなどのチタンアルコキシド、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセテート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、オクチレングリコールチタネート、チタンテトラアセチルアセトナート、n−ブチルリン酸エステルチタン、プロパンジオキスチタンビス(エチルアセチルアセテート)などのチタンキレートを挙げることができる
ジルコニウムキレートとしては、ジルコニウムプロピオネート、ジルコニウムアセチルアセテート等が例示できる。
キレート剤の含有量は、表刷り用グラビア印刷インキ組成物中0.1〜8.0質量%、好ましくは1.0〜5.0質量%、特に好ましくは1.0〜4.0質量%である。含有量が0.1質量%未満であると耐熱性、耐油性、耐塩ビブロッキング性が低下する傾向となり、8.0質量%を超える場合は、インキの経時保存安定性が低下する傾向がある。
本発明はこのようなキレート架橋剤を使用することによって、プラスチックフィルムに対する接着性が高くなるとともに、形成されたインキ皮膜は耐熱性、耐油性、耐アルコール性に優れる上に、耐ブロッキング性、耐塩ビブロッキング性を向上させるという効果を奏する。
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物の耐熱性、耐油性、耐塩ビブロッキング性を向上させるために、脂肪酸アミド、ポリアミド樹脂及びハードレジンを併用して使用することが好ましい。
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用する脂肪酸アミドとしては、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、変性脂肪酸アミド等が挙げられ、テーブルクロスに用いられる軟質塩化ビニルシートへの耐塩ビブロッキング性を向上させるためには、変性脂肪酸アミドを使用することが特に好ましい。
脂肪酸アミドを含有させる際の含有量は、表刷り用グラビア印刷インキ組成物中、好ましくは0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.5〜2.0質量%である。
含有量が0.1質量%未満であると耐塩ビブロッキング性が低下する可能性があり、3.0質量%を超える場合は、耐油性が低下する可能性がある。
本発明はこれらの脂肪酸アミドを使用することによって、耐塩ビブロッキング性に優れるという効果を奏する。
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物に必要に応じて使用するハードレジンとしては、ダイマー酸系樹脂、ロジン系樹脂、マレイン酸系樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、ダンマー樹脂、コーパル樹脂、塩素化ポリプロピレン、酸化ポリプロピレン等が挙げられる。これらハードレジンを利用すると、特に表面処理の行なわれていないプラスチックフィルムに対して、接着性の向上を期待できる。そして、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物中におけるハードレジンの含有量は、5.0質量%未満が好ましい。
本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物に使用する有機溶剤としては、環境に配慮して芳香族炭化水素系有機溶剤を含有しない有機溶剤とすることが好ましい。芳香族炭化水素系有機溶剤を含有しない有機溶剤としては、主に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系有機溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素系有機溶剤、および、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環族炭化水素系有機溶剤を挙げることができ、バインダー樹脂の溶解性や乾燥性などを考慮して、混合して利用することもできる。但し、環境上の面を考慮して、上記の有機溶媒の中でも可能な限りケトン系有機溶剤を抑制することが好ましい。
これら有機溶剤の使用量としては、印刷性を考慮して本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物においては15.0質量%以上含有される。また、印刷適性の点から、酢酸プロピルを表刷り用グラビア印刷インキ組成物中に5.0質量%以上、より好ましくは10.0質量%以上含有させることが好ましい。
さらに、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物には、耐摩擦性の向上を目的として、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物の性能が低下しない範囲で、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックスなどの既知の各種ワックスを添加することができる。また、耐塩ビブロッキング性の向上を目的として、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物の性能が低下しない範囲で、質量平均分子量500〜15,000のポリアミド樹脂を添加することもできる。さらに、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物には、レベリング剤、界面活性剤、可塑剤等の各種インキ用添加剤を任意に添加できる。
これらの材料を利用して本発明の表刷りグラビア用印刷インキ組成物を製造する方法としては、まず、顔料、顔料分散剤、バインダー樹脂、有機溶剤、および必要に応じて界面活性剤などを撹拌混合した後、各種練肉機、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、パールミル等を利用して練肉し、さらに、キレート架橋剤、必要に応じて、脂肪酸アミド、ハードレジン及び残りの材料を添加混合する方法が利用される。
次に、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物を用いたグラビア印刷方法について説明する。
本発明のグラビア印刷方法としては、例えば、樹脂フィルムに、まず、表刷り用グラビア印刷インキ組成物の白色インキ組成物をグラビア印刷方式で乾燥皮膜0〜2.0g/m2の塗布量で印刷を行いドライヤーにより乾燥させる。次いで、先に印刷した白色インキ皮膜層の上に重ねて、表刷り用グラビア印刷インキ組成物の色インキ組成物を、グラビア印刷方式で、乾燥皮膜0〜2.0g/m2の塗布量で印刷を行いドライヤーにより乾燥させることにより得ることができる。
上記のグラビア印刷方法により得られた表刷り印刷物は、製袋されて、食品などの包装容器に利用される。
次に、本発明の表刷り用グラビア印刷インキ組成物による表刷りグラビア印刷物について具体的に説明する。
印刷される基材としては、金属、木材、紙及びプラスチックのいずれでも良いが、中でもプラスチックフィルムが好ましい。このようなプラスチックフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの延伸および無延伸ポリオレフィンフィルム、ポリエステル、ナイロン、セロファン、ビニロン等のフィルムを挙げることができる。さらにこれらプラスチックフィルムについては、予め防曇剤の塗工、練り込み、マット剤の表面塗工、練り込みなどプラスチックフィルムを加工して得られるフィルムも使用することが可能である。
本発明の表刷りグラビア印刷物は、例えば、上記プラスチックフィルムに、上記表刷り用グラビア印刷インキ組成物の単色印刷あるいは各色重ね刷り印刷をグラビア印刷方式で行い、ドライヤーで乾燥させることにより得られるものである。そして、印刷により形成されるインキ皮膜は、乾燥皮膜として0.1〜2.0g/m2の塗布量であることが適当である。
そして、必要に応じてポリアミド樹脂や脂肪酸アミドを含有しながら、高速印刷が可能という特長から、短時間のうちに多量の印刷物を得ることができ、日配食品を個包装するための印刷物の製造に好適に利用されるものである。
<ポリウレタン樹脂ワニス1> (ポリエステルジオール100%)
撹拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量1,000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール400gおよびイソホロンジイソシアネート106.6g、テトラブチルチタネート0.1gを仕込み、窒素ガスを導入しながら100℃で4時間反応させた。酢酸エチル364g、酢酸プロピル485g、イソプロピルアルコール364gを加えた後、イソホロンジアミン11.92gを加えて20分間反応させ、さらにブチルアミン1.4gを加えて反応を停止し、ポリウレタン樹脂ワニス1(固形分30%)を得た。
撹拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量1,000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール360g、数平均分子量1,000のポリエチレングリコール40gおよびイソホロンジイソシアネート106.6g、テトラブチルチタネート0.1gを仕込み、窒素ガスを導入しながら100℃で4時間反応させた。酢酸エチル364g、酢酸プロピル485g、イソプロピルアルコール364gを加えた後、イソホロンジアミン11.92gを加えて20分間反応させ、さらにブチルアミン1.4gを加えて反応を停止し、ポリウレタン樹脂ワニス2(固形分30%)を得た。
撹拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量1,000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール320g、数平均分子量1,000のポリエチレングリコール80gおよびイソホロンジイソシアネート106.6g、テトラブチルチタネート0.1gを仕込み、窒素ガスを導入しながら100℃で4時間反応させた。酢酸エチル364g、酢酸プロピル485g、イソプロピルアルコール364gを加えた後、イソホロンジアミン11.92gを加えて20分間反応させ、さらにブチルアミン1.4gを加えて反応を停止し、ポリウレタン樹脂ワニス3(固形分30%)を得た。
撹拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量1,000の3−メチル−1,5−ペンチレンアジペートジオール200g、数平均分子量1,000のポリエチレングリコール200gおよびイソホロンジイソシアネート106.6g、テトラブチルチタネート0.1gを仕込み、窒素ガスを導入しながら100℃で4時間反応させた。酢酸エチル364g、酢酸プロピル485g、イソプロピルアルコール364gを加えた後、イソホロンジアミン11.92gを加えて20分間反応させ、さらにブチルアミン1.4gを加えて反応を停止し、ポリウレタン樹脂ワニス4(固形分30%)を得た。
撹拌機、冷却管および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量1,000のポリエチレングリコール400gおよびイソホロンジイソシアネート106.6g、テトラブチルチタネート0.1gを仕込み、窒素ガスを導入しながら100℃で4時間反応させた。酢酸エチル364g、酢酸プロピル485g、イソプロピルアルコール364gを加えた後、イソホロンジアミン11.92gを加えて20分間反応させ、さらにブチルアミン1.4gを加えて反応を停止し、ポリウレタン樹脂ワニス5(固形分30%)を得た。
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(商品名:ソルバインTA5R、日信化学工業社製)20部を、メチルエチルケトン40部、酢酸エチル20部、酢酸プロピル20部からなる混合有機溶剤中に溶解させて固形分20%の塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体溶液を得た。
ニトロセルロース(NC RS−2、KOREA CNC社製)20部を、酢酸プロピル35部及びイソプロピルアルコール45部からなる混合溶媒に溶解させて固形分20%のニトロセルロース溶液を得た。
ポリエステル系高分子分散剤1(商品名:アジスパーPB821、味の素ファインテクノ社製)
ポリエステル系高分子分散剤2(商品名:ソルスパース24000、日本ルーブリゾール社製)
ポリエーテル系高分子分散剤1(商品名:ソルスパース20000、日本ルーブリゾール社製)
ポリエーテル系高分子分散剤2(商品名:ソルスパース54000、日本ルーブリゾール社製)
ラウリン酸アミド
<金属キレート架橋剤>
ジイソプロポキシチタンビスアセチルアセテート
表1に示す材料をペイントコンディショナーで混練し、実施例1〜15、比較例1〜8の表刷り用グラビア印刷インキ組成物を調製した。なお、表1に記載の数値は質量%である。
実施例1〜15、比較例1〜8の表刷り用グラビア印刷インキ組成物のインキ経時安定性を評価した。
さらに実施例1〜15、比較例1〜8の表刷り用グラビア印刷インキ組成物を、コロナ放電処理した延伸ポリプロピレンフィルム(商品名OPP P−2161、25μm、東洋紡株社製)に、下記条件で印刷、乾燥させ、1日経過させた後、下記の方法で、耐熱性、耐油性、耐塩ビブロッキング性、耐アルコール性、接着性、耐ブロッキング性、印刷適性、延伸性に関する印刷評価を行った。
顔料として、実施例ではピグメントブルー15:4を、比較例ではピグメントレッド57を使用した。
塗工機 :グラビア校正機
塗工速度:100m/min
印刷版 :ダイレクト175線ベタ版
乾燥温度:100℃(風量80%)
その具体的な評価方法を以下に示す。
実施例1〜15、比較例1〜8の表刷り用グラビア印刷インキ組成物を、その調製直後の粘度に対する、40℃で7日間経時後の粘度の変化(B型粘度計の30rpmでのインキ粘度測定データ)から経時粘度安定性の評価を行った。
A:経時後/調製直後の粘度比率が1.5未満である
B:経時後/調製直後の粘度比率が1.5以上、2.0未満である
C:経時後/調製直後の粘度比率が2.0以上、3.0未満である
D:経時後/調製直後の粘度比率が3.0以上である
各印刷面にセロハンテープを貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜がフィルムから剥離する度合いから、接着性を評価した。
A:印刷皮膜の面積比率として、フィルムからの剥離が5%未満である
B:印刷皮膜の面積比率として、5%以上30未満がフィルムから剥離する
C:印刷皮膜の面積比率として、30%以上がフィルムから剥離する
各印刷面をエタノールで浸した綿棒でこすり、印刷面の取れ具合から耐アルコール性を評価した。
A:50回以上こすっても印刷面が取れないもの
B:10回〜49回こすって印刷面が取れるもの
C:1回〜9回こすって印刷面が取れるもの
各印刷面と非印刷面を合わせて、バイスでしめこみ、40℃で1日後に手で剥がし、インキの剥離の程度と剥離抵抗の強度から耐ブロッキング性を評価した。
A:印刷皮膜の剥離が全くない
B:印刷皮膜が少し剥離し、剥離抵抗が強く感じられる
C:印刷皮膜がほとんど剥離し、剥離抵抗が強く感じられる
各印刷物と同じ大きさに切った(A)市販品の軟質透明塩化ビニルシート(ニトリ社製)、(B)軟質透明抗菌テーブルマット(明和グラビア社製)と印刷面とを重ね合わせて、0.5kg/cm2の荷重をかけ、50℃湿度80%の雰囲気下で24時間放置後、印刷面と塩化ビニルシートを引き剥がし、インキの剥離の程度から耐塩ビブロッキング性を評価した。これらの2種の軟質塩化ビニルシートを対象とすることで、より広範囲の種類の軟質塩化ビニルシートに対する耐塩ビブロッキング性を確認した。
A:印刷皮膜がフィルムから剥離した面積が0〜20%のもの
B:印刷皮膜がフィルムから剥離した面積が20〜50%のもの
C:印刷皮膜がフィルムから剥離した面積が50%を超えるのもの
80〜200℃の熱傾斜を有する熱板を備えたヒートシール試験機を用いて、印刷面とアルミ箔を、及び印刷面と印刷面を2.0kg/cm2の圧力で、1秒間押圧した。
<印刷面のインキがアルミ箔に転移する最低温度から耐熱性を評価>
A:160℃以上のもの
B:140℃以上、160℃未満のもの
C:140℃未満のもの
<印刷面のインキが印刷面に転移する最低温度から、耐熱性を評価>
A:100℃以上のもの
B:80℃以上、100℃未満のもの
C:80℃未満のもの
学振型耐摩擦試験機を用いて、各印刷物の印刷面をサラダ油をしみ込ませたあて布で200gの荷重下100回摩擦し、印刷面の変化から耐油性を評価した。
A:印刷面に変化がないもの
B:印刷面に筋状の傷が認められる
C:印刷面に面状の傷が認められる
印刷適性については、印刷終了時の印刷部分における、版にインキが詰まったことに起因するカスレの面積の割合から印刷適性を評価した。
A:カスレが全くみられない
B:カスレが少しみられる
C:カスレが多くみられる
各印刷物のインキ皮膜の基材への追随性は、表刷り用グラビア印刷インキ組成物を印刷した基材を400%まで引き延ばし、インキ受理層の剥離・破壊を2段階で評価した。
A:インキ皮膜の剥離・破壊が全くない
B:インキ皮膜に剥離や破壊がある
これに対して、顔料分散剤がポリエーテル系顔料分散剤であり、ポリウレタン樹脂の高分子ジオール化合物由来の構造が、すべてポリエーテル構造か、あいはポリウレタン樹脂の高分子ジオール化合物由来の構造の50%が、ポリエーテル構造を有する比較例1〜3及び8によれば、耐塩ビブロッキング性(B)及び耐アルコール性が極めて悪く、顔料分散剤がポリエーテル系顔料分散剤である比較例4によれば、耐アルコール性が極めて悪く、ポリウレタン樹脂の高分子ジオール化合物由来の構造がすべてポリエーテル構造である比較例5によれば、耐塩ビブロッキング性(B)が極めて悪かった。
また、金属キレート架橋剤を含有しない比較例6によれば耐熱性、耐油性、耐塩ビブロッキング性、耐アルコール性が極めて悪く、金属キレート架橋剤を過剰に含有する比較例7によればインキの経時安定性、耐アルコール性が極めて悪かった。
Claims (5)
- 顔料、顔料分散剤、バインダー樹脂として高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂、キレート架橋剤と、有機溶剤とを、含有する表刷り用印刷インキ組成物であって、顔料分散剤がポリエステル系顔料分散剤であり、高分子ジオール化合物由来の構造を有するポリウレタン樹脂が、高分子ジオール化合物の80〜100質量%がポリエステルジオール化合物であるポリウレタン樹脂であり、且つキレート架橋剤の含有量が、表刷り用グラビア印刷インキ組成物中、0.1〜8.0質量%であることを特徴とする表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
- バインダー樹脂として、さらに、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体及び/又はセルロース誘導体を含有することを特徴とする請求項1に記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
- 表刷り用グラビア印刷インキ組成物が、さらに脂肪酸アミドを0.1〜3.0質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
- 有機溶剤が、芳香族炭化水素系有機溶剤を含有せず、且つ酢酸プロピルを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の表刷り用グラビア印刷インキ組成物を用いて印刷してなる表刷りグラビア印刷物。
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