JP6647768B2 - 薬剤揮散袋及びこれを収納する薬剤揮散容器 - Google Patents

薬剤揮散袋及びこれを収納する薬剤揮散容器 Download PDF

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Description

本発明は、例えば芳香剤や消臭剤などの揮発性薬剤を揮散可能に封入した薬剤揮散袋、およびこれを収納する薬剤揮散容器に関する。
従来、芳香剤や消臭剤を部屋などに拡散させる用途に使用するものとして、例えば特許文献1に開示されたものがある。
この特許文献1で開示された芳香剤包装体は、内面がヒートシール性を有し、ガス遮断性フィルム層を含む多層フィルムからなり、開放端部が内容物入り袋を強く押圧することにより容易に破袋し得る程度に剥離容易な強度でシールされた内包装用袋内に揮発性芳香剤が充填密封され、その芳香剤が充填密封された内包装用袋が、ガス透過性フィルムからなる外包装用袋で密封包装されたものである(特許文献1の図2参照)。
この芳香剤包装体を使用するに際しては、外部から外包装用袋を介して内包装用袋を押圧することにより、その外力による内圧上昇でもって内包装用袋のシール部が破袋して外包装用袋内に芳香剤が流出する。この外包装用袋は、ガス透過性フィルムで構成されていることから、外包装用袋内に流出した芳香剤は、ガス透過性フィルムを通して外部へ揮散するようになっている。
実公昭60−1730号公報
ところで、前述の特許文献1で開示された芳香剤包装体では、外包装用袋の外部へ芳香剤を揮散させるため、その外包装用袋の両面をガス透過性フィルムで構成している。しかしながら、芳香剤の種類によっては、芳香剤を外包装用袋から揮散させることが困難となる場合がある。具体的には、従来のポリエチレン等のガス透過性フィルムは、芳香剤を構成する香料の主成分であるリナロールやジヒドロミルセノール等のアルコールの透過性が悪く、揮散を制限することがあった。
つまり、芳香剤に用いる香料には多種の成分が存在し、化学的性質も多種に亘る。また、外包装用袋を構成するガス透過性フィルムについても、その素材によってガス透過度が異なる。そのため、芳香剤とガス透過性フィルムとの馴染みがよく、芳香剤を外包装用袋から良好に揮散させ得る芳香剤とガス透過性フィルムとの組み合わせを選定しなければならない。その結果、外包装用袋を構成するガス透過性フィルムに対して、使用可能な芳香剤が制約されるという問題があった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、芳香剤や消臭剤などの揮発性薬剤を使用する上でその選択の自由度を向上させ得る薬剤揮散袋及びこれを収納する薬剤揮散容器を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る薬剤揮散袋は、ガス非透過性フィルムで形成され、内部に液体の揮発性薬剤が封入された軟質の内側袋体と、その内側袋体のみを収容する軟質の外側袋体とを備え、内側袋体は、外力による内圧上昇で破袋可能に構成され、外側袋体は、一面とこれに対向する他面とを有し、少なくとも一面は、揮発性薬剤が浸潤可能な多数の微孔を有する微多孔質シートで構成され、内側袋体の破袋により内側袋体に封入されていた揮発性薬剤が内部に流出することを特徴とする。
ここで、外側袋体の少なくとも一面を構成する微多孔質シートとは、分子レベルで揮発性薬剤のガスを透過させるガス透過性フィルムと異なり、揮発性薬剤が浸潤してシート表面に滲み出る程度に多数の微孔が物理的に形成されたものを意味する。また、外側袋体の他面は、前述の微多孔質シートで構成する以外に、例えば、揮発性薬剤が浸潤不能なシートで構成することも可能である。この揮発性薬剤が浸潤しないシートとしては、分子レベルで揮発性薬剤のガスを透過させるガス透過性フィルムや、揮発性薬剤のガスを遮断するガス非透過性フィルムが適用可能である。このように、外側袋体の他面を構成するシートの素材は任意である。
本発明の薬剤揮散袋では、外力による内圧上昇で内側袋体が破袋すると、その内側袋体に封入されていた揮発性薬剤が外側袋体内に流出する。この外側袋体は、その少なくとも一面が揮発性薬剤が浸潤可能な多数の微孔を有する微多孔質シートで構成されていることから、外側袋体内に流出した揮発性薬剤は、微多孔質シートの微孔でもって浸潤してシート表面に滲み出ることにより外部へ揮散する。
このように、外側袋体の少なくとも一面を構成する微多孔質シートは、揮発性薬剤が浸潤してシート表面に滲み出る程度に多数の微孔が物理的に形成されたものであることから、従来のガス透過性フィルムと異なり、化学的性質が多種に亘る揮発性薬剤との組み合わせを選定する必要がなく、使用可能な揮発性薬剤が多種に亘り、揮発性薬剤を外側袋体から容易に揮散させることができる。このように、外側袋体の少なくとも一面を構成する微多孔質シートに対して、使用可能な揮発性薬剤が制約されることがないので、揮発性薬剤を使用する上でその選択の自由度を向上させることができる。
この微多孔質シートは、揮発性薬剤が多数の微孔でもって浸潤してシート表面に滲み出ることから、ガス透過性フィルムと比較しても揮発性薬剤の揮散量も多くなり、揮発性薬剤を外側袋体から良好に揮散させることができる。そのため、必ずしも外側袋体の両面を微多孔質シートで構成する必要はなく、少なくとも外側袋体の一面を微多孔質シートで構成すれば十分である。
また、本発明に係る薬剤揮散容器は、前述の薬剤揮散袋が収納され、内側袋体と対応する部位に、外側袋体を介して内側袋体に外力を付与する押圧部が設けられたケースとで構成されていることを特徴とする。この薬剤揮散容器においては、微多孔質シートで構成された外側袋体の一面を上側に向けて薬剤揮散袋を配置した状態でケースを被取付け部材に装着することが望ましい。
本発明の薬剤揮散容器を使用するに際しては、ケースに収納された薬剤揮散袋に対して、ケースの押圧部を押し込むことにより、薬剤揮散袋の外側袋体を介して内側袋体に外力を付与する。この外力の付与により内側袋体の内圧が上昇し、その内圧上昇でもって内側袋体が破袋する。この内側袋体の破袋により、内側袋体に封入されていた揮発性薬剤が外側袋体内に流出する。この外側袋体内に流出した揮発性薬剤は、微多孔質シートの微孔でもって浸潤してシート表面に滲み出ることにより外部へ揮散する。
この薬剤揮散容器の使用形態としては、薬剤揮散袋を縦置き状態でケース内に配置する場合と、薬剤揮散袋を横置き状態でケース内に配置する場合が可能である。特に、薬剤揮散袋を横置き状態でケース内に配置する薬剤揮散容器の使用形態では、前述したように、微多孔質シートで構成された外側袋体の一面を上側に向けて薬剤揮散袋を配置すれば、微多孔質シートの多数の微孔により浸潤してシート表面に滲み出た揮発性薬剤が液滴となってケース内部あるいはケース外部へ落下することを抑制できる。
本発明によれば、外側袋体は、その少なくとも一面が揮発性薬剤が浸潤可能な多数の微孔を有する微多孔質シートで構成されていることから、この微多孔質シートは、従来のガス透過性フィルムと異なり、化学的性質が多種に亘る揮発性薬剤との組み合わせを選定する必要がなく、使用可能な揮発性薬剤が多種に亘り、揮発性薬剤を外側袋体から容易に揮散させることができる。このように、外側袋体の少なくとも一面を構成する微多孔質シートに対して、使用可能な揮発性薬剤が制約されることがないので、揮発性薬剤を使用する上でその選択の自由度を向上させることができる。その結果、様々な用途に対して容易かつ迅速に対応できる薬剤揮散袋および薬剤揮散容器を実現することができる。
本発明の実施形態で、薬剤揮散袋を示す組立分解斜視図である。 図1の薬剤揮散袋を示す組立完了斜視図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図3の薬剤揮散袋の使用状態を示す断面図である。 薬剤揮散袋を収納するケースを示し、(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は下面図である。 図5(A)のB−B線に沿う断面図である。 一方のケース半体を示す下面図である。 図7のC−C線に沿う断面図である。 他方のケース半体を示す上面図である。 図9のD−D線に沿う断面図である。 ケースおよび薬剤揮散袋からなる薬剤揮散容器を示す組立分解斜視図である。 ケースに薬剤揮散袋を載置した状態を示す組立分解斜視図である。 ケースおよび薬剤揮散袋からなる薬剤揮散容器を示す組立完了斜視図である。 ごみ箱の蓋に薬剤揮散容器を装着した使用状態を示す断面図である。 図14の要部拡大断面図である。 薬剤揮散袋の内側袋体を破袋する要領を説明するための断面図である。 図15に示す薬剤揮散袋の内側袋体を破袋した後の状態を示す要部拡大断面図である。
本発明に係る薬剤揮散袋およびこれを収納する薬剤揮散容器の実施形態を以下に詳述する。以下の実施形態では、ごみ箱の芳香剤として、ごみ箱の蓋の内側に装着する場合を例示するが、ごみ箱の芳香剤以外に、部屋や車内などの芳香剤あるいは消臭剤としても適用可能である。
図1〜図4は薬剤揮散袋11を例示し、図1は組立分解斜視図、図2は組立完了斜視図、図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は使用状態の断面図である。この薬剤揮散袋11は、図1〜図3に示すように、軟質の内側袋体12と、その内側袋体12を収容する軟質の外側袋体13とを備えた二重構造となっている。なお、図3および図4では、内側袋体12および外側袋体13の厚みや内部空間を誇張して示している。
平面視矩形状の内側袋体12は、透明なガス非透過性フィルム14で袋状に形成され、内部に揮発性薬剤15が封入されている。この内側袋体12の素材であるガス非透過性フィルム14としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エチレン‐酢酸ビニル共重合体ケン化物、変性ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の熱可塑性合成樹脂又はアルミニウム等の金属箔の1つ以上を含む多層積層材料がある。また、揮発性薬剤15としては、揮発性香料を含む薬剤として、例えば、パラフィン系炭化水素、グリコールエーテル類、グリコール類、アルコール類、エステル類、ケトン類、ラクトン類、アルデヒド類等が使用可能である。また、揮発性薬剤は液体に限らず、固体状、ゲル状、ゾル状、またはこれらの混合物であってもよい。この揮発性薬剤15を着色しておけば、内側袋体12が透明フィルム14で形成されていることから、外部から揮発性薬剤15を目視確認することが容易となる。また、揮発性薬剤15には増粘剤によって粘性を持たせても良い。増粘剤としては、グリセリン、糖脂肪酸エステル、蝋、増粘多糖類、カラギーナン、鉱物、金属石鹸、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の多価金属塩、アミノ酸誘導体、糖の誘導体等が例示される。
内側袋体12は、一枚のガス非透過性フィルム14を二つ折りし、その開口する三つの辺部16をヒートシールで熱融着することにより袋状としている。この三つの辺部16は、外力による内圧上昇で破袋可能な強度でシールされている。その場合、破袋可能にシールする辺部16の数および箇所は任意である。また、この内側袋体12では、一枚のガス非透過性フィルム14を二つ折りにして三つの辺部16を破袋可能にシールしているが、二枚のガス非透過性フィルム14を重ね合わせることにより袋状とすることも可能であり、その場合、破袋可能にシールする辺部16の数および箇所も任意である。
また、平面視矩形状の外側袋体13は、一面を構成する一枚の微多孔質シート17と、これに対向する他面を構成する一枚の透明シート18とを重ね合わせ、その開口する四つの辺部19をヒートシールで熱融着することにより袋状としている。なお、微多孔質シート17は、外側袋体13の一面の全体を構成する以外に、一面の一部分を構成するようにしてもよい。外側袋体13の四つの辺部19は、内側袋体12の場合と異なり、外力による内圧上昇で破袋しないようにシールされている。この外側袋体13の他面側を透明シート18で構成することにより、この他面側から内側袋体12および揮発性薬剤15を目視確認することが容易となる。なお、この実施形態では、外側袋体13の他面を透明シート18で構成した場合について説明するが、この外側袋体13の他面を構成するシートは必ずしも透明である必要はなく、非透明や半透明であってもよいし、微多孔質シートであっても構わない。
外側袋体13の一面を構成する微多孔質シート17は、揮発性薬剤15が浸潤可能な多数の微孔を有する。つまり、揮発性薬剤15のガスを透過させるガス透過性フィルムと異なり、揮発性薬剤15が浸潤してシート表面に滲み出る程度に多数の微孔が物理的に形成されている。この微多孔質シート17としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等の各種ポリエチレンや、エチレン‐酢酸ビニル共重合体およびそのケン化物、エチレン‐アクリル系共重合体、エチレン‐プロピレン共重合体、種々のオレフィン系樹脂およびその共重合体、ジエン系樹脂およびその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリウレタン、各種アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、フッ素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、セロハン等の半合成樹脂などがある。この微多孔質シート17に用いられる樹脂は、単体で用いてもよく、共重合体、ブレンド物などとして用いてもよい。さらには前述の樹脂を複数用いて多層にした多層シートとしてもよい。多層シートとするためには、ドライラミネーションや共押出し、押出ラミネーションなどの公知の手段によって行われる。シートに成型するにあたり種々の添加物を混練したり、成型後に延伸や熱処理などを行ってもまったく差し支えない。成型後にコーティング、蒸着などを行ってもよい。シートが2層以上になっている場合に、そのうち1層が金属箔もしくは金属蒸着膜、もしくは無機蒸着膜層であってもよい。
外側袋体13の他面を構成する透明シート18は、揮発性薬剤15が浸潤不能なシートである。つまり、前述の微多孔質シート17とは異なり、揮発性薬剤15が浸潤しない。この揮発性薬剤15が浸潤しない透明シート18は、分子レベルで揮発性薬剤15のガスを透過させるガス透過性フィルムと、揮発性薬剤15のガスを遮断するガス非透過性フィルムのいずれであってもよい。このガス非透過性フィルムとしては、前述の内側袋体12で使用した素材から選択され得るものを使用すればよい。また、ガス透過性フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン‐酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン‐アクリル酸共重合樹脂、エチレン‐αオレフィン共重合樹脂等の熱可塑性樹脂の1つ以上を含む多層積層材料がある。
以上で説明した構成からなる薬剤揮散袋11では、図4に示すように、外力(図中白抜き矢印参照)の作用により内側袋体12の内圧が上昇し、シールされた三つの辺部16が開封して内側袋体12が破袋すると、その内側袋体12に封入されていた揮発性薬剤15が外側袋体13内に流出する。この外側袋体13は、その一面(図中上面)が揮発性薬剤15が浸潤可能な多数の微孔を有する微多孔質シート17で構成されていることから、外側袋体13内に流出した揮発性薬剤15は、微多孔質シート17の微孔でもって浸潤してシート表面に滲み出ることにより外部へ揮散する(図中破線矢印参照)。
このように、外側袋体13の一面を構成する微多孔質シート17は、揮発性薬剤15が浸潤してシート表面に滲み出る程度に多数の微孔が物理的に形成されたものであることから、従来のガス透過性フィルムと異なり、化学的性質が多種に亘る揮発性薬剤15との組み合わせを選定する必要がなく、使用可能な揮発性薬剤15が多種に亘り、揮発性薬剤15を外側袋体13から容易に揮散させることができる。このように、外側袋体13の一面を構成する微多孔質シート17に対して、使用可能な揮発性薬剤15が制約されることがないので、揮発性薬剤15を使用する上でその選択の自由度を向上させることができる。
この微多孔質シート17は、揮発性薬剤15が多数の微孔でもって浸潤してシート表面に滲み出ることから、ガス透過性フィルムと比較しても揮発性薬剤15の揮散量も多くなり、揮発性薬剤15を外側袋体13から良好に揮散させることができる。そのため、外側袋体13の両面を微多孔質シート15で構成する必要はなく、外側袋体13の一面のみを微多孔質シート15で構成すればよい。その結果、外側袋体13の他面は、ガス透過性フィルムあるいはガス非透過性フィルム等のように、揮発性薬剤15が浸潤不能なシートで構成すればよい。
以上で説明した薬剤揮散袋11をごみ箱の芳香剤として使用する場合、その薬剤揮散袋11をプラスチック等の樹脂製ケース21に収納した薬剤揮散容器として使用する。図5〜図10はケース21を例示し、図5は二つのケース半体23,24を衝合させた二分割構造のケース21を例示し、(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は下面図、図6は図5(A)のB−B線に沿う断面図、図7は一方のケース半体23(以下、上ケースと称す)の下面図、図8は図7のC−C線に沿う断面図、図9は他方のケース半体24(以下、下ケースと称す)の上面図、図10は図9のD−D線に沿う断面図である。
このケース21は、図5(A)〜(C)および図6に示すように、二つの円形皿状の上下ケース23,24を衝合させた二分割構造をなしている。このケース21は、使用済みの薬剤揮散袋11が交換可能なように、図7および図8に示す上ケース23と、図9および図10に示す下ケース24のそれぞれの外周部位に以下のような構造を設けている。上ケース23のピン25を下ケース24の凹孔26に挿入する構造でもって上下ケース23,24が位置合わせ可能となっており、また、上ケース23の爪27と下ケース24の爪28を引っ掛け係止する構造により上下ケース23,24がワンタッチ式で分離可能な嵌合構造となっている。このケース21では、爪27,28同士の引っ掛け係止構造により分離可能な嵌合構造としているが、ヒンジ構造により開閉可能とすることにより、使用済みの薬剤揮散袋11を交換可能とするようにしてもよい。
上ケース23には、その中央部位に、薬剤揮散袋11の内側袋体12に外側袋体13を介して外力を付与する円形の押圧部29が設けられている。この押圧部29は、可撓性を有する連結部30を介して上ケース23に片持ち支持された状態で一体的に形成され、上ケース23の開口部31に配置されて押し込み可能となっている。この押圧部29の円周方向周囲には、揮発性薬剤15の薬剤ガスを放出させるための複数の揮散孔32が開口している。また、この上ケース23には、上下ケース23,24の衝合時に、下ケース24に位置決め載置された薬剤揮散袋11の外側袋体13の四隅部33(図9参照)を下ケース24の内側へ押し込む四つの押し込みリブ34が、外側袋体13の四隅部33と対応する部位に一体的に形成されている。
下ケース24には、薬剤揮散袋11の外側袋体13が載置される四つの支持リブ35が一体的に立設されている。また、外側袋体13の各辺部19に当接することにより外側袋体13を位置規制する四つの位置規制リブ36が一体的に立設されている。この位置規制リブ36の先端部は鉤状をなし、その鉤状先端部で外側袋体13を押さえ込むことで外側袋体13の浮きを防止して位置規制の安定化を図っている。この下ケース24の中央部位には、押圧部29により外力が付与された薬剤揮散袋11の内側袋体12を外側袋体13を介して支持する受け部37が一体的に設けられている。この受け部37は、押し込み動作させた押圧部29と薬剤揮散袋11を介して正対するように傾斜した支持面38を有する。受け部37は、内側円形リブ39と外側円形リブ40の二重構造をなし、その支持面38は、内側円形リブ39およびその内側に位置する十字形リブ41と外側円形リブ40の上端部で構成されている。
なお、下ケース24の外側中央部位には、薬剤揮散容器22をごみ箱の蓋の内側に取り付けるための粘着テープ42が設けられている。この下ケース24には、揮散孔32が設けられていない。この下ケース24には、薬剤揮散容器22をごみ箱の蓋の内側に取り付けるための粘着テープ42が取り付けられているため、下ケース24に揮散孔32がないことにより、使用時に薬剤揮散袋11から揮散する揮発性薬剤15でもって、下ケース24に近接配置された粘着テープ42の粘着力を低下させたり、ごみ箱の蓋の素材を傷めることを防止できるようにしている。
以上で説明したケース21に前述の薬剤揮散袋11を装填する要領を、図11〜図13を参照しながら以下に詳述する。図11〜図13は前述のケース21に薬剤揮散袋11を組み付けた薬剤揮散容器22を例示し、図11および図12は組立分解斜視図、図13は組立完了斜視図である。
下ケース24の支持リブ35上に矩形状の薬剤揮散袋11をその外側袋体13の微多孔質シート17が下ケース24側に向くように載置すると共に、その薬剤揮散袋11の各辺部19を位置規制リブ36に側方から当接させることにより、薬剤揮散袋11を位置決めする。この薬剤揮散袋11が位置決め載置された下ケース24に、上ケース23を上ケース23のピン25および下ケース24の凹孔26からなる構造でもって位置合わせすると共に上ケース23の爪27と下ケース24の爪28との引っ掛け係止構造でもって嵌合させる。このようにして、薬剤揮散袋11のケース21への組み付けを完了する。
この上下ケース23,24の衝合時、下ケース24に位置決め載置された薬剤揮散袋11の外側袋体13の四隅部33は、上下ケース23,24の外周部上あるいはその近傍に位置するため(図9参照)、上下ケース23,24の外周部間で噛み込んだり、その外周部から食み出したりする可能性がある。そこで、上ケース23に設けられた押し込みリブ34により、上下ケース23,24の衝合時に薬剤揮散袋11の外側袋体13の四隅部33を下ケース24の内側へ押し込むようにしている。これにより、薬剤揮散袋11の外側袋体13の四隅部33が上下ケース23,24の外周部間に噛み込んだり、その外周部から食み出したりすることを未然に防止し、この噛み込みや食み出しにより外側袋体13が破れて揮発性薬剤15が外部へ漏洩することを回避している。
以上で説明した薬剤揮散容器22をごみ箱の芳香剤として使用する場合、図14および図15に示すように、下ケース24に設けられた粘着テープ42を利用し、薬剤揮散容器22を被取付け部材であるごみ箱43の蓋44の内側に貼着する。つまり、薬剤揮散容器22は、上ケース23が下向きで下ケース24が上向きとなる上下逆さ状態で取り付けられる。この取り付け状態では、薬剤揮散容器22が略水平状態に保持され、薬剤揮散容器22内に収納された薬剤揮散袋11は、微多孔質シート17を上側に向けた状態で保持される。一方、この薬剤揮散容器22をごみ箱43の蓋44に取り付ける前あるいは取り付けた後に、次の操作により薬剤揮散袋11の内側袋体12を破袋する。
まず、薬剤揮散容器22の上ケース23に設けられた押圧部29を容器内部へ押し込むことにより、薬剤揮散袋11の外側袋体13を介して内側袋体12に外力を付与する。この外力の付与により内側袋体12の内圧が上昇し、その内圧上昇でもって内側袋体12が破袋する。この内側袋体12の破袋は、三つの辺部16が外力による内圧上昇で破袋可能な強度でシールされていることから、この三つの辺部16の一部または全部が開口することにより行われる。
この押圧部29による外力の付与時、図16に示すように、上ケース23に連結部30を介して設けられた押圧部29は、その連結部30が可撓性を有することから、連結部30の撓みにより容器内部へ押し込まれる。この押圧部29の押し込み動作により、薬剤揮散袋11が下ケース24の受け部37と押圧部29との間に挟み込まれる。この押し込み動作により傾斜する押圧部29に対して、内側円形リブ39および十字形リブ41と外側円形リブ40からなる受け部37の支持面38が薬剤揮散袋11を介して正対するように傾斜していることから、押圧部29の押圧面45と受け部37の支持面38が平行となるので、押圧部29の全面で薬剤揮散袋11に接触する。
このように、押圧部29と薬剤揮散袋11との接触面積を最大限に確保することができるので、押圧部29により十分な外力を付与することができ、薬剤揮散袋11の内側袋体12を確実に破袋させることができる。また、上ケース23の押圧部29と下ケース24の受け部37とからなり、薬剤揮散袋11の外部に位置するケース21に設けられた簡単な構造でもって、内側袋体12を破袋させることができる。
この内側袋体12の破袋により、図17に示すように、内側袋体12に封入されていた揮発性薬剤15が外側袋体13内に流出する。この外側袋体13は、上側に向く一面を揮発性薬剤15が浸潤可能な多数の微孔を有する微多孔質シート17で構成していることから、外側袋体13内に流出した揮発性薬剤15は、微多孔質シート17の微孔でもって浸潤してシート表面に滲み出ることにより外部へ揮散する。外側袋体13の外部へ揮散した揮発性薬剤15は、薬剤揮散容器22の上ケース23に設けられた揮散孔32および開口部31を介して容器外部へ放出させる。このようにして、容器外部へ揮散した揮発性薬剤15をごみ箱43の内部に充満させることにより、薬剤揮散容器22がごみ箱43の芳香剤として機能する。
なお、薬剤揮散袋11の内側袋体12に封入された揮発性薬剤15を着色しておけば、外側袋体13の上ケース23側に向く面が透明シート18で構成されていることから、外側袋体13に流出した揮発性薬剤15を上ケース23の揮散孔32および開口部31から目視することができるので、揮発性薬剤15の残量を確認することが容易となる。その結果、薬剤揮散容器22が使い捨ての場合、その薬剤揮散容器22の廃棄時期を迅速かつ容易に認知することができる。また、薬剤揮散容器22が詰め替え可能な場合、薬剤揮散袋11の交換時期を迅速かつ容易に認知することができる。
また、薬剤揮散袋11は軟質の内側袋体12および外側袋体13で構成されていることから、揮発性薬剤15の揮散によりその揮発性薬剤15が減少しても、揮発性薬剤15の減少に伴う内部減圧でもって外側袋体13の微多孔質シート17が揮発性薬剤15に密着している。このように、微多孔質シート17と揮発性薬剤15との間に空気層ができずに微多孔質シート17と揮発性薬剤15とが常に接触していることから、揮発性薬剤15がなくなるまで、その揮発性薬剤15が微多孔質シート17に浸潤してシート表面に滲み出るので、揮発性薬剤15が減少せずに薬剤揮散袋11に残存することを回避できる。
以上で説明した薬剤揮散容器22の使用形態では、ごみ箱43の芳香剤としてごみ箱43の蓋44の内側に薬剤揮散袋11を水平状態で保持した状態、いわゆる横置き状態にしている。このように、薬剤揮散袋11を横置き状態でケース21内に配置する薬剤揮散容器22の使用形態では、前述したように、微多孔質シート17で構成された外側袋体13の一面を上側に向けて薬剤揮散袋11を配置することにより、微多孔質シート17の多数の微孔により浸潤してシート表面に滲み出た揮発性薬剤15が液滴となってケース内部あるいはケース外部へ落下することを抑制できる。
なお、以上の実施形態では、薬剤揮散袋11を横置き状態でケース21内に配置する薬剤揮散容器22の使用形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、薬剤揮散袋11を縦置き状態でケース内に配置する薬剤揮散容器の使用形態であってもよい。この場合、微多孔質シート17の多数の微孔により浸潤してシート表面に滲み出た揮発性薬剤15が液滴となっても、その液滴をケースで受けることにより、ケース外部へ落下することを抑制できる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
11 薬剤揮散袋
12 内側袋体
13 外側袋体
14 ガス非透過性フィルム
15 揮発性薬剤
17 微多孔質シート
18 浸潤不能なシート
21 ケース
29 押圧部
44 被取付け部材(ごみ箱の蓋)

Claims (4)

  1. ガス非透過性フィルムで形成され、内部に液体の揮発性薬剤が封入された軟質の内側袋体と、前記内側袋体のみを収容する軟質の外側袋体とを備え、
    前記内側袋体は、外力による内圧上昇で破袋可能に構成され、
    前記外側袋体は、一面とこれに対向する他面とを有し、少なくとも前記一面は、前記揮発性薬剤が浸潤可能な多数の微孔を有する微多孔質シートで構成され、前記内側袋体の破袋により内側袋体に封入されていた前記揮発性薬剤が内部に流出することを特徴とする薬剤揮散袋。
  2. 前記他面は、前記揮発性薬剤が浸潤不能なシートで構成されている請求項1に記載の薬剤揮散袋。
  3. 請求項1又は2に記載の薬剤揮散袋と、前記薬剤揮散袋が収納され、前記内側袋体と対応する部位に、前記外側袋体を介して内側袋体に外力を付与する押圧部が設けられたケースとで構成されていることを特徴とする薬剤揮散容器。
  4. 前記外側袋体の一面を上側に向けて前記薬剤揮散袋を配置した状態で前記ケースを被取付け部材に装着するようにした請求項3に記載の薬剤揮散容器。
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