JP6662014B2 - インク、収容容器及びインクの製造方法 - Google Patents

インク、収容容器及びインクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インク、収容容器及びインクの製造方法に関する。
インクジェット記録方式は、他の記録方式に比べてプロセスが簡単で、かつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られるという利点があることから普及し、パーソナルからオフィス用途、商業印刷や工業印刷の分野へと広がりつつある。このようなインクジェット記録方式では、色材として水溶性染料を用いた水系インク組成物が主に使用されているが、耐水性及び耐光性に劣るという欠点があるため、水溶性染料に代わる水不溶性の顔料を用いた顔料インクの開発が進められている。
オフィス用途のインクジェット印刷では、記録媒体として主に普通紙が使用され、高い画像濃度が要求されている。一般に、顔料インクを普通紙に印字した場合、顔料は紙表面に留まることなく紙中へ浸透するため、紙表面の顔料密度が低くなり、画像濃度が低下する。インク中の顔料濃度を高くすれば画像濃度は高くなるが、インクの粘度が増大し、吐出安定性が低下する。
また、顔料インク滴が普通紙に着弾した直後、インク中の水により紙表面が膨潤し、表裏の伸び率差が大きくなり、カールが発生するという問題がある。このような現象は乾燥が進むにつれて解消するため、低速印字では問題とならかった。しかし、印字速度の高速化に伴って、印字後のカールが解消されないまま記録媒体を搬送する必要があるため、紙詰まりの問題が発生するおそれがある。これを防止するために、水が速く紙へ浸透するように浸透剤を加える方法は有効であるが、インクが疎水性になるため、インクの保存安定性を確保することが困難になると同時に、顔料の記録媒体への浸透性も高くなってしまい、更に画像濃度が低下する。
前記課題を解決するため、顔料が紙表面に留まるように様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1では、液体ビヒクル、着色剤、及び特定のカルシウム指数値を有する少なくとも1つの官能基を有するポリマーを含有するインクジェットインクが提案されている。この提案では、前記ポリマーを構成するモノマーとして4−メタクリルアミド−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸が示されており、着色剤が紙と接触した際に、ポリマーのジホスホン酸基と紙中のCa塩とで着色剤を不安定にさせ、画像が向上すると記載されている。しかし、インクの保存安定性が低いという課題がある。
また、特許文献2には、紙にCa塩を含む受理液を付着させ、リン含有基が結合した顔料、樹脂エマルジョン、及び界面活性剤を含むインクを印字するインクジェット記録方法が提案されている。この提案では、前記受理液のCa塩とリン含有基とが反応し、フェザリング及び定着性が向上すると記載されている。しかし、普通紙に記録した場合、画像濃度の向上効果は十分なものではない。
また、上記のインクジェット記録方式や筆記具に使用する水性顔料インクは、染料を水に溶解して調製する水性染料インクと異なり、水に溶解しない顔料を水中に長期間安定的に分散させる必要があるため、種々の顔料分散材が開発されている。例えば、特許文献3では、側鎖に芳香環を含むグラフトポリマーが提案されている。このグラフトポリマーを顔料分散材として用いることにより、70℃で3日間のインク保存安定性が確保されているが、長期間の保存安定性の点では不十分である。また、インクジェット記録方式において、普通紙へ印刷する場合に発生する紙カールを防止するために水性インク中に親水性の有機溶媒を加える方法がある。
特許文献3に記載のグラフトポリマーをこの方法に適用すると、顔料分散性は低下し、長期間の保存安定性は確保できない。また、特許文献3では本発明の共重合体に関し、具体的な例示や実施例での記載を一切行っていない。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、普通紙に記録した場合でも高い画像濃度が得られ、保存安定性の高いインクを提供することを目的とする。
上記課題は、次の発明によって解決される。
水、色材、及び共重合体を含有するインクにおいて、前記共重合体が下記一般式(1)で表される構造単位、及びアニオン性基を有する構造単位を有することを特徴とするインク。
Figure 0006662014
(一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、Yは芳香族を含む炭素数6〜15の炭化水素基、Zは炭素数2〜12のアルキレン基を表す。)
本発明によれば、普通紙に記録した場合でも高い画像濃度が得られ、保存安定性の高いインクを提供することができる。
本発明の収容容器の一例を示す図である。 図1のインクカートリッジ例のケース(外装)も含めた概略図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に記載されるような態様のインクを包含する。
[共重合体]
本発明における共重合体は、下記一般式(1)で表される構造単位、及び、アニオン性基を有する構造単位を有する。
Figure 0006662014
<一般式(1)で表される構造単位>
前記一般式(1)において、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、Yは芳香族を含む炭素数6〜15の炭化水素基、Zは炭素数2〜12のアルキレン基を表す。
前記芳香族を含む炭素数6〜15の炭化水素基は、可能であれば、それぞれ独立にメチル基、メトキシカルボニル基、ハロゲンおよびハロゲンを含有する官能基によって置換されていてもよい。
以下に前記一般式(1)で表される構造単位の具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。
Figure 0006662014
Figure 0006662014
前記一般式(1)において、末端に存在するナフチル基は、インク中の色材である顔料とのπ−πスタッキングにより、優れた顔料吸着力を有する。顔料を水に分散した顔料分散体を調製する際に、本発明における共重合体を用いると、顔料との吸着力が高いため、分散安定性が高くなり、保存安定性の高い分散体が得られる。さらに、インク中に親水性の有機溶媒を加えた場合においても分散性が保持され、保存安定性の高いインクが得られる。
また、インクに本発明における共重合体を用いると、普通紙に記録した場合でも高い画像濃度が得られる。メカニズムは定かではないが、以下のように推定される。
即ち、本発明における共重合体を用いたインクは、顔料の分散安定性が高いことから、普通紙表面に付着した際にも、粗大粒子を形成しにくいと考えられる。粗大粒子が形成された場合、普通紙表面に顔料が付着しない露出部分ができやすく、画像濃度が低下する。本発明における共重合体を用いたインクは、普通紙表面を均一に顔料で被覆することができ、高い画像濃度が得られる。
<アニオン性基を有する構造単位>
前記アニオン性基を有する構造単位は、アニオン性基を有するモノマーを共重合することにより形成される。アニオン性基を有するモノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマーが挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェートなどが挙げられる。
これらの中でも保存安定性の点で、カルボキシル基を有するモノマーであることが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸であることが更に好ましい。
以下にアニオン性基を有する構造単位の具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例に制限されものではない。
Figure 0006662014
前記アニオン性基を有するモノマーは、単独で、又は二種類以上を混合して用いてもよい。
前記アニオン性基を有する構造単位は、塩基により中和されていてもよい。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリオクチルメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムヒドロキシド、プロピルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ノニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア水、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドンなどが挙げられる。
中和剤としての塩基は単独で、又は二種類以上を混合して用いてもよい。
中和処理は、前記アニオン性基を有するモノマーを共重合する際に行ってもよいし、共重合体を溶解させる際に行ってもよい。
<組成比>
前記一般式(1)で表される構造単位の含有率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記共重合体全量に対して、60質量%〜90質量%が好ましい。さらに好ましくは75〜90質量%である。前記含有率が、好ましい範囲内であると、インクに用いた場合、画像濃度と保存安定性が良好となる点で有利である。
また、前記アニオン性基を有する構造単位の含有率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記共重合体全量に対して、5〜60質量%が好ましい。さらに好ましくは10〜40質量%である。前記含有率が、好ましい範囲内であると、インクに用いた場合、画像濃度と保存安定性が良好となる点で有利である。
<分子量>
本発明における共重合体の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で、5000〜50000が好ましい。さらに好ましくは15000〜40000である。前記重量平均分子量が、好ましい範囲内であると、インクに用いた場合、画像濃度と保存安定性が良好となる点で有利である。
<その他のモノマー>
本発明における共重合体は、前記一般式(1)で表される構造単位、及び、アニオン性基を有する構造単位以外に、その他の重合性モノマーからなる構造単位を有することができる。
前記その他の重合性モノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性の親水性モノマー、重合性界面活性剤などが挙げられる。
前記重合性の疎水性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン等の芳香族環を有する不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸ラウリル(C12)、(メタ)アクリル酸トリデシル(C13)、(メタ)アクリル酸テトラデシル(C14)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル(C15)、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(C16)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル(C17)、(メタ)アクリル酸ノナデシル(C19)、(メタ)アクリル酸エイコシル(C20)、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル(C21)、(メタ)アクリル酸ドコシル(C22)等の(メタ)アクリル酸アルキル;1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン等のアルキル基を持つ不飽和エチレンモノマー、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性の親水性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等の非イオン性不飽和エチレンモノマーなどが挙げられる。
前記重合性の疎水性モノマーと重合性の親水性モノマーは、1種又は2種以上を混合し、前記一般式(1)で表される構造単位、及び、アニオン性基を有する構造単位を形成するモノマーの合計量に対して、5〜100質量%使用すればよい。
<共重合体の合成>
本発明における共重合体は、下記一般式(2)で表されるモノマーを、ラジカル重合開始剤の存在下でアニオン性基を有するモノマーと共重合させることで得られる。
Figure 0006662014
前記一般式(2)において、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、Yは芳香族を含む炭素数6〜15の炭化水素基、Zは炭素数2〜12のアルキレン基を表す。
前記炭素数6〜15の芳香環を含む炭化水素基は、可能であれば、それぞれ独立にメチル基、メトキシカルボニル基、ハロゲンおよびハロゲンを含有する官能基によって置換されていてもよい。
以下に前記一般式(2)で表されるモノマーの具体例を挙げるが、本発明は以下の具体例に制限されるものではない。
Figure 0006662014
Figure 0006662014
前記一般式(2)で表されるモノマーは、以下のようにして合成し、使用することができる。即ち、下記反応式(1)〜(3)に示すように、まず、ジオール化合物(A−1)とナフタレン酸化合物(A−2)を縮合し反応中間体(A−3)を得る。次いで、ジイソシアネート化合物(A−4)と前記(A−3)とを、アミン又はピリジン等の酸受容体の存在下またはスズやチタンなどの金属触媒の存在下で反応させて、反応中間体(A−5)を得る。次いで、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(A−6)と前記(A−5)とを反応させて、前記一般式(2)で表されるモノマーを得ることができる。
前記(A−2)で示される化合物としては、ヒドロキシ基と縮合できるナフタレン酸化合物であれば特に制限はなく、Lに示される基は、例えばヒドロキシ基、アルコキシド基のようなカルボン酸やカルボン酸エステルとなる基、または、塩素、臭素、フッ素のようなハロゲン系の脱離基、または、トシル基、メシル基、アンモニウムイオンのような脱離基などが挙げられるがそれらに限定するものではない。
Figure 0006662014
また別の方法としては、先に(A−4)と(A−6)を反応させた後、(A−1)、(A−2)と次いで反応させる方法、先に(A−1)と(A−2)を反応させて得られた中間体と、別途、(A−4)と(A−6)を反応させて得られた中間体とを反応させる方法などで前記一般式(2)で表されるモノマーを得ることができるが、(A−1)、(A−2)、(A−4)、(A−6)を反応させる順番に特に制限はない。
さらに別の方法としては、下記反応式(4)に示すように、ジオール化合物(A−1)、ナフタレン酸化合物(A−2)、ジイソシアネート化合物(A−4)、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(A−6)を反応させることで前記一般式(2)で表されるモノマーを得ることもできる。
Figure 0006662014
前記(A−4)で表される化合物としては芳香環を含む炭素数6〜15の炭化水素基からなるジイソシアネートであれば特に制限はない。その例としては、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、
m−フェニレンビス(1−メチルエタン−1,1−ジイル)ジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
m−キシリレンジイルジイソシアネート、
ナフタレン−1,5−ジイルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルビフェニルー4,4’―ジイソシアネート、
1,4−フェニレンジイソシアネート、
2−メチル−1,4−フェニレンジイソシアネート、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ナフタレン−2,6−ジイルジイソシアネート、
ナフタレン−2,7−ジイルジイソシアネート、
2,2’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイルジイソシアネート、
5−メチルー1,3−フェニレンジイソシアネート、
メチレンビス(2,1−フェニレン)ジイソシアネート、
4−[(2−イソシアナトフェニル)メチル]フェニルイソシアネート、
2,4,6−トリイソプロピルベンゼン−1,3−ジイルジイソシアネート、
メチレンビス(2−メチル−4,1−フェニレン)ジイソシアネート、
4,4’−エチレンビス(1−イソシアナトベンゼン)、
1−(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチリデンビス(4,1−フェニレン)ジイソシアネート、
ビフェニル−4,4’−ジイルジイソシアネート、
1,4−フェニレンビス(エチレン)ジイソシアネート
ナフタレン−1,4−ジイルビス(メチレン)ジイソシアネート、
ナフタレン−1,5−ジイルビス(メチレン)ジイソシアネート、
4−エチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、
4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、
2,4−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、
4,6−ジメチル−1,3−フェニレンジイソシアネート、
2,5−ジメチル−1,4−フェニレンジイソシアネート、
4−メチル−2,6−ジエチルベンゼン−1,3−ジイルジイソシアネート、
2−メチル−4,6−ジエチルベンゼン−1,3−ジイルジイソシアネート、
2,4,6−トリエチルベンゼン−1,3−ジイルジイソシアネート、
4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1,2−ジイルジイソシアネート、
4−クロルベンゼン−1,3−ジイルジイソシアネート、
2,4−ジクロロベンゼン−1,3−ジイソシアネート、
4,6−ジクロロベンゼン−1,3−ジイルジイソシアネート、
6−メチル−4−ブロモベンゼン−1,3−ジイソシアネート、
4−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1,3−ジイルジイソシアネート、
2,5−ジクロロベンゼンー1,4−ジイルジイソシアネート、
2−(トロフルオロメチル)ベンゼン−1,4−ジイルジイソシアネート、
2−メチル−6−ブロモベンゼン−1,4−ジイルジイソシアネート、
2−ニトロベンゼン−1,4−ジイソシアネート、
2,6−ジメチルベンゼン−1,4−ジイルジイソシアネート、
2,6−ジエチルベンゼン−1,4−ジイルジイソシアネート、
4−メトキシベンゼン−1,3−ジイルジイソシアネート、
4−エトキシベンゼン−1,3−ジイソシアネート、
2−メトキシベンゼン−1,4−ジイルジイソシアネート、
2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイルジイソシアネート、
2,5−ジエトキシベンゼン−1,4−ジイルジイソシアネート、
ビフェニル−2,4’−ジイルジイソシアネート、
2−ニトロビフェニル−4,4’−ジイルジイソシアネート、
メチレンビス(2−クロロ−4,1−フェニレン)ジイソシアネート、
メチレンビス(3−メチル−4,1−フェニレン)ジイソシアネート、
4−[(4−イソシアナトフェニル)メチル]−2−メトキシフェニルイソシアネート、
3−[(4−イソシアナトフェニル)メチル]−2,4,6ートリメチルフェニルイソシアネート、
イソプロピリデンビス(4,1−フェニレン)ジイソシアネート、
[(テトラリン)−1,5−ジイル]ジイソシアネート、
9H−フルオレン−2,7−ジイルジイソシアネート、
9H−カルバゾール−3,6−ジイルジイソシアネート、
などが挙げられる。これらの中でもインクを作成した際の画像濃度および保存性の点から4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイルジイソシアネート、m−フェニレンビス(1−メチルエタン1,1−ジイル)ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートが好ましい。
本発明における共重合体の合成方法としては、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましく、溶液中で重合反応を行う溶液重合法がさらに好ましい。
溶液重合法でラジカル重合を行う際に好ましい溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、イソプロパノール、エタノール、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびヘキサメチルホスホアミド等が挙げられ、より好ましくは、ケトン系溶剤、酢酸エステル系溶剤およびアルコール系溶剤である。
前記ラジカル重合開始剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、などが挙げられる。これらの中でも、分子量の制御がしやすく分解温度が低い点から、有機過酸化物、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が特に好ましい。
前記ラジカル重合開始剤の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、重合性モノマーの総量に対して、1〜10質量%が好ましい。
前記ポリマーの分子量を調整するために、連鎖移動剤を適量添加してもよい。
前記連鎖移動剤の例としては、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1−ドデカンチオール、チオグリセロール、などが挙げられる。
重合温度は特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜150℃が好ましく、60℃〜100℃がより好ましい。重合時間も特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜48時間が好ましい。
<共重合体の添加量>
本発明の共重合体の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分で、0.05質量%〜10質量%が好ましく、0.3質量%〜5質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.05質量%以上から分散性および保存性の向上効果が認められ、10質量%以下であると、インクをヘッドから吐出する際に適した粘度範囲とすることが可能となる。
本発明の共重合体は、特に制限はなく、顔料の分散剤としても、顔料分散体への添加剤としても使用できる。顔料の分散剤として使用すれば、水溶性有機溶剤の含有量が多いインクでの保存安定性の一層の向上が認められる。
本発明の共重合体の含有量は、顔料分散剤として使用する場合には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。そして、前記顔料100質量部に対して、1質量部〜100質量部が好ましく、5質量部〜80質量部がより好ましい。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、画像濃度と保存安定性が良好となる点で有利である。
<水>
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記水の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<色材>
本発明のインクの色材としては、顔料や染料を用いることができる。前記共重合体の色材への吸着能は染料よりも顔料の方が優れている点や、耐水性と耐光性の点から顔料が好ましい。
前記顔料には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用或いはカラー用の無機顔料や有機顔料などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<無機顔料>
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを用いることができる。
黒色用の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)等の金属類、酸化チタン等の金属酸化物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が15〜40nm、BET法による比表面積が50〜300m/g、DBP吸油量が40〜150mL/100g、揮発分が0.5〜10%、pHが2〜9を有するものが好ましい。
<有機顔料>
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
これらの顔料のうち、特に、水と親和性のよいものが好ましく用いられる。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。
前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
イエロー用の顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、などが挙げられる。
マゼンタ用の顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19、などが挙げられる。
シアン用の顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その例としては、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60、などが挙げられる。
なお、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレッド19、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
<自己分散顔料>
また、本発明で使用する顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。また、得られる画像の発色性の点から、自己分散顔料を用いてもよく、アニオン性自己分散顔料が好ましい。アニオン性自己分散顔料とは、顔料表面に直接又は他の原子団を介してアニオン性官能基を導入することにより分散安定化させた顔料をいう。
分散安定化させる前の顔料としては、例えば国際公開第2009/014242号公報に列挙されているような、従来公知の様々な顔料を用いることができる。
なお、アニオン性官能基とは、pH7.0において半数以上の水素イオンが解離する官能基をいう。アニオン性官能基の具体例としては、カルボキシル基、スルホ基、及びホスホン酸基等を挙げることができる。中でも、得られる画像の光学濃度を高める点から、カルボキシル基又はホスホン酸基が好ましい。
顔料の表面にアニオン性官能基を導入する方法としては、例えば、カーボンブラックを酸化処理する方法が挙げられる。
酸化処理方法の具体例としては、次亜塩素酸塩、オゾン水、過酸化水素、亜塩素酸塩、又は硝酸等により処理する方法や、特許第3808504号公報、特表2009−515007号公報、及び特表2009−506196号公報に記載されているようなジアゾニウム塩を用いる表面処理方法が挙げられる。
また、表面に親水性の官能基が導入された市販の顔料としては、例えば、CW−1、CW−2、CW−3(以上、オリヱント化学工業社製);CAB−O−JET200、CAB−O−JET300、CAB−O−JET400(キャボット社製)等が挙げられる。
顔料のインク中の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
本発明のインクは、以下に記載する方法に限らず製造することができるが、例えば、水、顔料、水溶性有機溶剤、色材、前記共重合体、及び必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、攪拌混合して製造することができる。また、前記共重合体は顔料分散体作製の際の顔料分散樹脂として用いてもよい。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
製造に際しては、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<染料>
前記染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料を使用することができる。
具体的には、酸性染料及び食用染料として、C.I.アシッドブラック1、2、7、24、26、94、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142、C.I.アシッドブルー9、29、45、92、249、C.I.アシッドレッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289、C.I.フードブラック1、2、C.I.フードイエロー3、4、C.I.フードレッド7、9、14、直接性染料として、C.I.ダイレクトブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、(168)、171、C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144、C.I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202、C.I.ダイレクトレッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227、C.I.ダイレクトオレンジ26、29、62、102、塩基性染料として、C.I.ベーシックブラック2、8、C.I.ベーシックイエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、64、65、67、70、73、77、87、91、C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155、C.I.ベーシックレッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112、反応性染料として、C.I.リアクティブブラック3、4、7、11、12、17、C.I.リアクティブイエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67、C.I.リアクティブブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95、C.I.リアクティブレッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97等が挙げられる。
前記顔料分散体における顔料分散剤としては、前記一般式(1)で表される構造単位、及び、アニオン性基を有する構造単位を含む共重合体が好ましい。その他の使用可能な分散剤としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物、高分子型の分散剤、などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩、などが挙げられる。
前記カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体、などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体、などが挙げられる。
前記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤、などが挙げられる。
<水溶性有機溶剤>
前記水溶性有機溶剤は、インクの乾燥を防止する湿潤剤としての効果、及び浸透剤としての効果の少なくともいずれかの効果を有する。
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプロピリデングリセロール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、普通紙におけるカールを防止する点から、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、イソプロピリデングリセロール、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミドが特に好ましい。
また、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコール、グリセリンが水分蒸発による吐出不良を防止する上で優れた効果が得られる。
また、湿潤性が比較的少なく、浸透性を有する水溶性有機溶剤としては、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]、などが挙げられる。
その他のポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、などが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、前記インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
なお、水溶性有機溶剤ではない湿潤剤として、糖類を含有することができる。前記糖類としては、例えば、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[例えば、糖アルコール〔一般式:HOCH(CHOH)CHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表される。〕]、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、前記糖アルコールとしては、例えば、マルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
前記顔料と前記水溶性有機溶剤の比率は、インクジェット記録用インクとして用いた場合、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が高いのに水溶性有機溶剤の含有量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。
前記水溶性有機溶剤の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%〜60質量%が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。前記含有量が、10質量%以上であると、インクの吐出安定性が向上することがあり、60質量%以下であると、乾燥性が良好となることがある。前記含有量が、前記より好ましい数値範囲内であるインクは、乾燥性及び吐出信頼性が非常に良好になるという利点がある。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、などが挙げられる。これらの中でも、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が特に好ましい。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアリル、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテルエステル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、エーテルカルボキシレート、スルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、脂肪酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ナフテン酸塩、などが挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン誘導体、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、下記一般式(I)〜(III)で表される材料、などが挙げられる。
Figure 0006662014
ただし、前記一般式(I)中、mは、0〜10の整数を表す。nは、1〜40の整数を表す。
Figure 0006662014
前記一般式(II)において、Rfはフッ素含有基を表し、パーフルオロアルキル基が好ましい。
前記パーフルオロアルキル基としては、炭素数が1〜10のものが好ましく、1〜3のものがより好ましく、例えば、−C2n−1(ただし、nは1〜10の整数を表す)などが挙げられる。前記パーフルオロアルキル基としては、例えば、−CF、−CFCF、−C、−C、などが挙げられる。これらの中でも、−CF、−CFCFが特に好ましい。
m、n、及びpは、それぞれ整数を表し、nは1〜4、mは6〜25、pは1〜4が好ましい。
Figure 0006662014
前記一般式(III)において、Rfは、フッ素含有基を表し、上記一般式(II)と同様のパーフルオロアルキル基が好ましく、例えば、CF、CFCF、C、Cなどが好適に挙げられる。
はカチオン基を表し、例えば、第4級アンモニウム基;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;トリエチルアミン、トリエタノールアミン、などが挙げられる。これらの中でも、第4級アンモニウム基が特に好ましい。R はアニオン基を表し、例えば、COO、SO 、SO 、PO 、などが挙げられる。qは、1〜6が好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニールTBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、デュポン社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製);PF−151N(ソリューションズインコーポレーテッド社製);ユニダインDSN−403N(ダイキン工業製)などが挙げられる。これらの中でも、信頼性と発色性の向上の点から、ゾニールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(いずれも、デュポン社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業製)が特に好ましい。
前記界面活性剤の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜5.0質量%が好ましく、0.5質量%〜3質量%がより好ましい。前記含有量が、5.0質量%以下であると、記録媒体への浸透性が良好となり、画像濃度の低下や裏抜けの発生を防止できることがある。
−pH調整剤−
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば該pH調整剤として、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、などが挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、などが挙げられる。
−水分散性樹脂−
前記水分散性樹脂は、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物、などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、などが挙げられる。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂、などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴム、などが挙げられる。
これらの中でも、ポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
前記水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。
インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm以上が好ましい。
また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。そこで、インク吐出安定性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましい。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。
そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30℃以下が好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂の前記インクジェット記録用インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、固形分で、1質量%〜15質量%が好ましく、2質量%〜7質量%がより好ましい。
−防腐防黴剤−
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、などが挙げられる。
−防錆剤−
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、などが挙げられる。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
−紫外線吸収剤−
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
<インクの用途>
本発明のインクは、インクジェット記録用途、スプレー塗工用途、凸版式印刷用途、凹版式印刷用途、孔版式印刷用途、筆記具用途、スタンプ用途などで使用でき、特にインクジェット記録用途で使用することが好ましい。
<収容容器>
本発明の収容容器は、本発明のインクが収容された状態の容器を意味し、当該インクが収容された容器は、インクカートリッジやインクボトルとして使用することができ、これにより、インク搬送やインク交換等の作業において、インクに直接触れる必要がなくなり、手指や着衣の汚れを防ぐことができる。また、インクへのごみ等の異物の混入を防止することができる。
容器としては特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものなどが好適である。
インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、インクカートリッジの一例を示す図であり、図2は、図1のインクカートリッジのケース(外装)も含めた図である。インクカートリッジ200は、インクをインク注入口242からインク袋241内に充填し、排気した後、該インク注入口242を融着により閉じる。
使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給する。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り、「質量部」及び「質量%」である。
また、実施例及び比較例で得られた共重合体の分子量は次のようにして求めた。
<共重合体の分子量測定>
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
濃度0.5質量%の共重合体を1mL注入し、上記の条件で測定した共重合体の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して共重合体の重量平均分子量Mwを算出した。
−共重合体の合成例−
[モノマー合成例1:モノマーM−1の合成]
62.0部の1,6−ヘキサンジオール(東京化成工業社製)を900部の塩化メチレンに溶解し、20.7部のピリジンを加えた。この溶液に50.0部の2−ナフタレンカルボニルクロリド(東京化成工業社製)を130部の塩化メチレンに溶解した溶液を、2時間かけて攪拌しながら滴下した後、室温で6時間攪拌した。得られた反応溶液を水洗した後、有機層を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物を、溶離液として塩化メチレン/メタノール(体積比92/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、52.5部の2−ナフトエ酸−6−ヒドロキシヘキシルエステルを得た。
次に、38.3部の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(東京化成工業社製)、19.9部の2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業社製)、41.7部の2−ナフトエ酸−6−ヒドロキシヘキシルエステルを50部のトルエンと10部のメチルエチルケトンに溶解した。ここに、0.04部のジブチル錫ラウレート(東京化成工業社製)を滴下し、60℃で8時間攪拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてトルエン/酢酸エチル(体積比85/15)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物となる43.5部のモノマーM−1を得た。
[モノマー合成例2:モノマーM−2の合成]
モノマー合成例1において、2−ナフタレンカルボニルクロリドを1−ナフタレンカルボニルクロリド(東京化成工業社製)に置き換えて使用し、それ以外は同様にして目的物となる43.0部のモノマーM−2を得た。
[モノマー合成例3:モノマーM−3の合成]
30.2部の2,4−トルエンジイソシアネート(東京化成工業社製)を30部のトルエンに溶解した。この溶液に22.5部の2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業社製)を10部のトルエンに溶解した溶液を、2時間かけて攪拌しながら40℃で滴下した。得られた溶液に、47.1部のモノマー合成例1と同様にして得た2−ナフトエ酸−6−ヒドロキシヘキシルエステルを80部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を、加えた。ここに、0.04部のジブチル錫ラウレート(東京化成工業社製)を滴下し、45℃で3時間攪拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてトルエン/酢酸エチル(体積比85/15)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物となる43.1部のモノマーM−3を得た。
[モノマー合成例4:モノマーM−5の合成]
32.6部のメタ−キシレンジイソシアネート(東京化成工業社製)を30部のトルエンに溶解した。この溶液に24.9部の4−ヒドロキシブチルアクリレート(東京化成工業社製)を10部のトルエンに溶解した溶液を、2時間かけて攪拌しながら40℃で滴下した。得られた溶液に、47.1部のモノマー合成例1と同様にして得た2−ナフトエ酸−6−ヒドロキシヘキシルエステルを80部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を、加えた。ここに、0.04部のジブチル錫ラウレート(東京化成工業社製)を滴下し、45℃で3時間攪拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてトルエン/酢酸エチル(体積比85/15)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物となる40.0部のモノマーM−5を得た。
[モノマー合成例5:モノマーM−7の合成]
106.12部の1,12−ドデカンジオール(東京化成工業社製)を900部の塩化メチレンに溶解し、20.7部のピリジンを加えた。この溶液に50.0部の2−ナフタレンカルボニルクロリド(東京化成工業社製)を130部の塩化メチレンに溶解した溶液を、2時間かけて攪拌しながら滴下した後、室温で6時間攪拌した。得られた反応溶液を水洗した後、有機層を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物を、溶離液として塩化メチレン/メタノール(体積比92/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、68.3部の2−ナフトエ酸−12−ヒドロキシドデシルエステルを得た。
次に、36.4部の1,5−ジイソシアネートナフタレン(東京化成工業社製)を30部のトルエンに溶解した。この溶液に22.5部の2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業社製)を10部のトルエンに溶解した溶液を、2時間かけて攪拌しながら40℃で滴下した。得られた溶液に、61.7部の2−ナフトエ酸−12−ヒドロキシドデシルエステルを80部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を、加えた。ここに、0.04部のジブチル錫ラウレート(東京化成工業社製)を滴下し、45℃で3時間攪拌した。溶媒を留去し、残留物を溶離液としてトルエン/酢酸エチル(体積比85/15)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的物となる50.2部のモノマーM−7を得た。
[合成例1;共重合体CP−1の合成]
15.0部のアクリル酸(東京化成工業社製)、85.0部のモノマーM−1を、600部のメチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10質量%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に4.0部の2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN、東京化成工業社製)、0.5部のα−チオグリセロール(東京化成工業社製)を溶解した溶液を2.5時間かけて滴下し、75℃で6時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、96.0部の[共重合体CP−1](重量平均分子量(Mw):23000)を得た。
[合成例2〜17;共重合体CP−2〜17の合成]
合成例1の共重合体CP−1の合成において、表1に示す部数で前記一般式(2)で表されるモノマー、アニオン性モノマーおよびそれ以外のモノマーを使用し、表1に示す部数のAIBN、チオグリセロールを使用し、表1に示す重合温度としたこと以外は同様にして[共重合体CP−2〜17]を得た。
得られた共重合体CP−2〜17それぞれの重量平均分子量Mwは、表1に示すとおりである。
Figure 0006662014
表1中、ドデシルメタクリレート、スチレンは東京化成工業社製のものを用いた。また、AAはアクリル酸を、MAAはメタクリル酸を示す。
−顔料分散体の調製例−
[顔料分散体の調製1;顔料分散体PD−1の調製]
4.0部の共重合体CP−1を、pHが8.0となるように、80.0部のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に溶解した。得られた共重合体水溶液84.0部に対し、16.0部のカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)を加えて12時間攪拌した。
得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、97.0部の[顔料分散体PD−1](顔料固形分濃度:16%)を得た。
[顔料分散体の調製2;顔料分散体PD−2〜24の調製]
顔料分散体PD−1の調製において、表2に示す部数で共重合体CP−2〜17を使用し、表2に示す中和剤水溶液を使用し、表2に示す顔料を使用した他は同様にして、顔料分散体PD−2〜24を得た。
Figure 0006662014
なお、表2中、中和剤は以下の略称を用い、下記の製品を使用した。
・TEAOH テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、東京化成工業社製、35%水溶液
・NaOH 水酸化ナトリウム、キシダ化学社製
・DEA ジエタノールアミン、関東化学社製
また、表2中、カーボンブラック以外の顔料は下記の製品を使用した。
・ピグメントブルー15:3 クロモファインブルーA−220JC、大日精化社製
・ピグメントレッド122 トナーマゼンタEO02、クラリアント社製
・ピグメントイエロー74 ファーストイエロー531、大日精化社製
−インクの調製例−
[実施例1;インクGJ−1の調製]
40.0部の顔料分散体PD−1、10.0部のグリセリン、20.0部の1,3−ブタンジオール、1.0部の2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1.0部の2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1.0部のユニダインDSN−403N(ダイキン工業製)、及び27.0部のイオン交換水を混合し、1時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明のインクGJ−1を得た。
[実施例2〜24;インクGJ−2〜24の調製]
実施例1と同様の調製方法を用いて、表3に示す処方により実施例2〜23のインクGJ−2〜24を調製した。
Figure 0006662014
[比較例1;インクRGJ−1の調製]
1.20gのアクリル酸、及び7.12gの下記構造式(14)で表される構造を有するモノマーを、40mlの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10質量%を、アルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.273gの2,2−アゾビス(イソブチロニトリル)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で6時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投入した。析出した共重合体をろ別し、減圧乾燥して4.82gの共重合体(重量平均分子量(Mw):7500)を得た。
Figure 0006662014
次にこれを用い、実施例1と同様にして比較共重合体RCP−1の水溶液を調製した。
即ち、実施例1の顔料分散体の調製における共重合体CP−1の代わりに、比較共重合体RCP−1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体RPD−1を得た。
次に、実施例1のインクの作製における顔料分散体1の代わりに、比較顔料分散体RPD−1を用いた点以外は同様にして、比較インクRGJ−1を得た。
[比較例2;インクRGJ−2の調製]
実施例21の顔料分散体の調製における共重合体CP−1の代わりに、比較共重合体RCP−1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体RPD−2を得た。
次に、実施例21のインクの作製における顔料分散体PD−21の代わりに、比較顔料分散体RPD−2を用いた点以外は同様にして、比較インクRGJ−2を得た。
[比較例3;インクRGJ−3の調製]
実施例22の顔料分散体の調製における共重合体CP−1の代わりに、比較共重合体RCP−1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体RPD−3を得た。
次に、実施例22のインクの作製における顔料分散体PD−22の代わりに、比較顔料分散体RPD−3を用いた点以外は同様にして、比較インクRGJ−3を得た。
[比較例4;インクRGJ−4の調製]
実施例23の顔料分散体の調製における共重合体CP−1の代わりに、比較共重合体RCP−1を用いた以外は同様にして、比較顔料分散体RPD−4を得た。
次に、実施例23のインク作製における顔料分散体PD−23の代わりに、比較顔料分散体RPD−4を用いた以外は同様にして、比較インクRGJ−4を得た。
[比較例5;インクRGJ−5の調製]
モノマーとして80gの2−フェノキシエチルメタクリレート、連鎖移動剤として3.7gの3−メルカプト−1−プロパノール、開始剤として0.3gの2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)をTHF160mLに溶解し、窒素雰囲気下、65℃に加熱して7時間反応させた。得られた溶液を放冷し、80mgのジラウリン酸ジブチルすず(IV)と触媒量のヒドロキノンを加え、10.0gの2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを滴下した。50℃に昇温し、2.5時間反応させた後、メタノールと水の混合溶媒で再沈殿を行って精製し、71gのマクロモノマーMM−1(重量平均分子量(Mw):4000、数平均分子量(Mn):1900)を得た。
次に、20gのメチルエチルケトンを窒素雰囲気下で75℃に加熱した後、1.16gのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、上記で得られた9gマクロモノマーMM−1、1.8gのp-スチレンスルホン酸、49.2gのメタクリル酸メチルを40gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、0.6gのメチルエチルケトンに0.2gのジメチル2,2’ −アゾビスイソブチレートを溶解した溶液を加え、80℃に昇温し、4時間加熱攪拌した。さらに0.6gのメチルエチルケトンに0.2gのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートを溶解した溶液を加え、6時間加熱攪拌した。冷却した後、得られた反応溶液をヘキサンに投下し、析出したグラフトポリマーをろ別し、乾燥して、比較共重合体RCP−2を得た。
次いで、実施例1の顔料分散体の調製における共重合体CP−1の代わりに、比較共重合体RCP−2を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体RPD−5を得た。
次に、実施例1のインクの作製における顔料分散体PD−1の代わりに、比較顔料分散体RPD−5を用いた点以外は同様にして、比較水性インクRGJ−5を得た。
[比較例6;インクRGJ−6の調製]
(共重合体RCP−3の合成)
72.0g(500mmol)の2−ナフトール(東京化成工業社製)、125.0g(1000mmol)のエチレングリコールモノ−2−クロロエチルエーテル(東京化成工業社製)を、500mlのN−メチル−2−ピロリジノン(関東化学社製)に溶解し、室温で1時間撹拌した。更に、110℃で10時間撹拌した。室温まで冷却した後、得られた反応溶液に純水2500mlを加え、室温で1時間撹拌した。析出した固体をろ別し、減圧乾燥した。
上記反応で得られた固体70.0g、45.0g(450mmol)のトリエチルアミン(東京化成工業社製)を250mlのテトラヒドロフランに溶解させ、氷浴下で30分撹拌した。ここに36.6g(350mmol)の塩化メタクリロイル(和光純薬工業社製)をゆっくり滴下し、さらに氷浴下で3時間撹拌した。得られた溶液に、酢酸エチル250ml、純水100mlを加えて、水洗した。次に、酢酸エチル層を単離し、飽和食塩水溶液で洗浄した。酢酸エチル層を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、以下の構造式(15)のモノマー80.5gを得た。
Figure 0006662014
次に、撹拌機、冷却管を備えた100mlの三口フラスコにメチルエチルケトン12.0gを加え、アルゴン気流下、72℃に加熱した。ここに、構造式(15)のモノマー2.4g(8.00mmol)、1.2g(13.9mol)のメタクリル酸(東京化成工業社製)、8.4g(47.6mmol)のメタクリル酸ベンジル(東京化成工業社製)、0.128g(0.56mmol)の2,2‘−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業社製)をメチルエチルケトン6.0gに溶解させた溶液を、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応させ、メチルエチルケトン2.0gに0.06g(0.26mmol)の2,2‘−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを溶解させた溶液を加え、78℃に加熱し、4時間撹拌した。その後、ヘキサンを用いて再沈殿を2回繰り返し、共重合体の精製を行った。精製処理後は共重合体をろ別し、減圧乾燥することで11.6gの共重合体RCP−3を得た(重量平均分子量(Mw):34000)
(顔料分散体RPD−6の調製)
4.0部の共重合体RCP−3を、1.9部のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド35%水溶液(東京化成工業社製)、50.0部の3−メトキシ−N,N‘−ジメチルプロピオンアミド、28.1部のイオン交換水に溶解させた。
84.0部の共重合体RCP−3の水溶液に、16.0部のカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)を加えて12時間撹拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、95.0部の顔料分散体RPD−6(顔料固形分濃度:16%)を得た。
(インクRGJ−6の調製)
40.0部の顔料分散体RPD−6、10.0部の1,3−ブタンジオール、10.0部のグリセリン、1.0部の2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1.0部の2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1.0部のユニダインDSN−403N(ダイキン工業社製、固形分100%)、及び37.0部のイオン交換水を混合し、1時間撹拌した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、比較インクRGJ−6を得た。
[評価結果]
次に、以下に示す評価方法にて、実施例1〜24、比較例1〜6の各インクを評価した。結果を下記表4に示す。
<顔料分散体の保存安定性>
各顔料分散体をガラス容器に充填して70℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。
粘度の変化率(%)=(保存後の顔料分散体の粘度/保存前の顔料分散体の粘度)×100
粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業社製)を使用し、25℃における粘度を、50回転で測定した。
〔評価基準〕
A:粘度の変化率が±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え、±8%以内
C:粘度の変化率が±8%を超え、±10%以内
D:粘度の変化率が±10%を超え、±30%以内
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
C以上が、実用可能である。
<インクの保存安定性>
各インクをインクカートリッジに充填して70℃で1週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。
粘度の変化率(%)=(保存後のインクの粘度/保存前のインクの粘度)×100
粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業社製)を使用し、25℃における粘度を、50回転で測定した。
〔評価基準〕
A:粘度の変化率が±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え、±8%以内
C:粘度の変化率が±8%を超え、±10%以内
D:粘度の変化率が±10%を超え、±30%以内
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
C以上が、実用可能である。
<画像濃度>
23℃、50%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー社製、IPSiO GX5000)に各インクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)で作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを、普通紙1(XEROX4200、XEROX社製)、及び普通紙2(MyPaper、リコー社製)に打ち出し、印字面の前記記号部を、X−Rite938(エックスライト社製)により測色し、下記の基準で評価した。
なお、印字モードは、プリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」に改変したモードを使用した。
なお、上記JIS X 0208(1997),2223は、外形が正四方形であって、記号全面がインクにより塗りつぶされている記号である。
〔評価基準〕
A:1.25以上
B:1.20以上、1.25未満
C:1.10以上、1.20未満
D:1.10未満
E:顔料がゲル化してインク中に分散できず、印字できない。
C以上が、実用可能である。
Figure 0006662014
実施例1〜24の、本発明の側鎖の末端にナフチル基を有する共重合体を用いて作成した顔料分散体は、比較例1〜5の、側鎖の末端にナフチル基のない共重合体を用いて作成した顔料分散体に比べ、優れた保存安定性を有していた。その発現機構の詳細は不明であるが、以下のように推測される。
良好な顔料分散及び分散安定性を達成するためには、共重合体樹脂が顔料にしっかりと吸着しつつ、顔料粒子間において樹脂の立体障害により粒子の再凝集を防止する必要がある。本発明の共重合体は、これらの特性に優れていると推察される。水系インクにおいて、共重合体と顔料の吸着は、疎水性相互作用及び芳香族スタッキング相互作用(π−π相互作用)により引き合う。本発明の共重合体は、疎水性部である前記一般式(1)の構造部位と親水性部であるアニオン性基の構造部位からなり、アニオン性部の強い親水性により、疎水性部である前記一般式(1)の構造部を水溶性を確保しながら高濃度で含有させることができ、大きな疎水性相互作用を得ることができる。また、その疎水性部にはナフチル基を有しており、大きなπ−π相互作用も得ることができる。これらが相まって顔料に強く吸着できていると推察される。その上で、本発明の共重合体は、その構造的特長により、立体障害による顔料粒子間の反発や静電反発力を維持し続けることができていると推察される。
また、ナフチル基を有していても共重合体の合成に使用するその他のモノマーの選択によってはインクの保存性を充分な性能とする事ができず、長期にわたる安定品質を担保する事は難しい(比較例6)。本発明におけるモノマーは、ナフチル基とアクリル部位をつなぐリンカー中にも芳香族部位を持っているため芳香族スタッキング相互作用による顔料吸着の効果がより強く出たことと推察される。
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
特許第5001291号公報 特許第4956666号公報 特開2011−105866号公報

Claims (5)

  1. 水、色材、及び共重合体を含有するインクにおいて、前記共重合体が下記一般式(1)で表される構造単位、及び、アニオン性基を有する構造単位を有し、前記アニオン性基を有する構造単位が、アクリル酸由来又はメタクリル酸由来の構造単位であることを特徴とするインク。
    Figure 0006662014

    (一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、Yは芳香族を含む炭素数6〜15の炭化水素基、Zは炭素数2〜12のアルキレン基を表す。)
  2. 前記共重合体における前記一般式(1)で表される構造単位の含有率が75〜90質量%であることを特徴とする請求項に記載のインク。
  3. 前記共重合体の重量平均分子量が15000〜40000であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクを容器に収容してなることを特徴とする収容容器。
  5. 水、色材、及び共重合体を含有するインクの製造方法において、前記共重合体が下記一般式(2)で表されるモノマー、及び、アニオン性基を有するモノマーを少なくとも含む重合性材料のラジカル重合により合成される工程を有し、前記アニオン性基を有するモノマーが、アクリル酸又はメタクリル酸であることを特徴とするインクの製造方法。
    Figure 0006662014
    (一般式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは炭素数2〜4のアルキレン基、Yは芳香族を含む炭素数6〜15の炭化水素基、Zは炭素数2〜12のアルキレン基を表す。)
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