JP6663236B2 - 電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ、ならびに、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジ、ならびに、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法 Download PDF

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Description

本発明は電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジに関する。さらに、本発明は変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶およびその製造方法に関する。
電子写真装置のさらなる高画質化に対応するために、細線再現性のさらなる改善が求められている。細線再現性は、感光体表面が露光量に比例した明部電位になることで改善できる。そのために、明部電位付近の弱い電界(弱電界領域)でもキャリア発生を維持できる電荷発生材料が求められている。特許文献1には、トナーの粒径制御とフタロシアニンを組み合わせて細線再現性を改善させる先行技術が公開されている。
また、変性ガリウムフタロシアニン結晶としては、クロロガリウムフタロシアニン結晶の分散性を改良することを目的として、クロロガリウムフタロシアニン結晶の表面をヒドロキシガリウムフタロシアニンに変性させる先行技術が公開されている。特許文献2には、クロロガリウムフタロシアニン結晶の結晶表面に、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの被膜を形成させた変性クロロガリウムフタロシアニン結晶に関する技術が記載されている。また、特許文献3には、クロロガリウムフタロシアニン結晶を、水中で湿式粉砕処理することにより結晶変換するとともに、結晶の表面をヒドロキシガリウムフタロシアニンに変性することを特徴とする変性クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法に関する技術が記載されている。
特開2014−63180号公報 特開平8−245900号公報 特開平10−130521号公報
しかしながら、近年のさらなる高画質化に伴い、電荷発生材料としてガリウムフタロシアニン結晶を使用した場合でも十分ではなかった細線再現性のさらなる改善が望まれている。
本発明の目的は、弱電界領域でもキャリア発生が維持できる、細線再現性に優れる電子写真感光体、電子写真装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。さらに、本発明の別の目的は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の表面にクロロガリウムフタロシアニンを有する変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、支持体と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体であって、該感光層が、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有し、該変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の表面にクロロガリウムフタロシアニンを有する結晶であり、該変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率が、18%以上、76%以下であることを特徴とする電子写真感光体である。

また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
さらに、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置である。
また、本発明は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の表面にクロロガリウムフタロシアニンを有する変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である。
さらに、本発明は、前記変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法であって、該製造方法が、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと塩酸水溶液を混合し、前記変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る工程を有することを特徴とする変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法である。
本発明によれば、細線再現性に優れた電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
また、本発明によれば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の表面にクロロガリウムフタロシアニンを有する変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、およびその製造方法を提供することができる。
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。
本発明は、電子写真感光体の感光層が、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有し、該変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の表面にクロロガリウムフタロシアニンを有する結晶であることを特徴とする。
本発明者らは、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の表面を極性の大きいクロロガリウムフタロシアニンに変性させることで、弱電界領域でも再結合を抑制してキャリア発生を維持できることを見出した。そのメカニズムは、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶近傍で発生したキャリアを、極性の大きいクロロガリウムフタロシアニンが引抜くためと推測している。その結果、残留電位も低減されている。
前記変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に対するクロロガリウムフタロシアニンの含有量は、10質量%以上95質量%以下であることが好ましく、15質量%以上30質量%以下もしくは60質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。この範囲内においてはキャリア発生とキャリアの引抜きのバランスがよい。
前記変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は有機化合物を結晶内に含有することが好ましい。結晶内の有機化合物は、キャリアの引抜きを促進する作用を示す。有機化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−プロピルホルムアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤、クロロホルムなどのハロゲン系溶剤、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、アセトンなどのケトン系溶剤が好ましい。その中でも、アミド基を有する化合物であることが好ましく、さらにはホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミドのいずれかであることがより好ましい。これらは単独でもよいし、2種類以上が混合されていてもよい。
また、前記有機化合物は、該変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に対して0.1質量%以上1.5質量%以下含有することが好ましい。有機化合物の含有量が0.1質量%未満であると、キャリアの引抜きが起こりにくくなる場合がある。また、1.5質量%より多いと、キャリアが有機化合物にトラップされる場合がある。
本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に対するクロロガリウムフタロシアニンの含有量は、塩素原子量を燃焼イオンクロマトグラフィーで分析して決定した。すなわち、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとクロロガリウムフタロシアニンから検量線を作成し、本発明の変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に対するクロロガリウムフタロシアニンの含有量(塩素化率)を求めた。
分析条件は以下の通りである。
<燃焼イオンクロマトグラフィー>
燃焼及び吸収条件
システム:AQF−100、GA−100(三菱化学アナリテック株式会社製)
電気炉温度:Inlet 900℃、Outlet 1000℃
ガス:Ar/O 200mL/分、O 400mL/分
吸収液:H 30ppm、内標P 1ppm
吸収液量:10mL
イオンクロマトグラフィー及びアニオン分析条件
システム:ICS2000(DIONEX株式会社製)
溶離液:KOH水溶液(濃度22.4質量%)
流速:1.0mL/min
検出器:電気伝導検出器
注入量:20μL
カラム温度:35℃
また、本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に含有される有機化合物の含有量は、得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶をH−NMR測定してデータを解析することにより決定した。測定は以下の条件で行ったものである。
H−NMR測定>
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(DSO
積算回数:2000
また、本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと塩酸水溶液を混合する塩酸処理工程を経て得られる変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることが好ましい。本発明者らは、この製造方法で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は弱電界領域でのキャリアの引抜きに優れることを見出した。
塩酸処理工程において、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと混合する塩酸水溶液の濃度は、反応性の観点から10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。塩酸水溶液を混合する方法は、ミリング処理あるいは撹拌処理を用いることができる。塩酸水溶液を混合する量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン1molに対して、塩酸水溶液中の塩酸(HCl)が10mol以上であることが好ましく、より好ましくは、50mol以上である。この塩酸処理工程により、ヒドロキシガリウムフタロシアニンと塩酸水溶液が反応して、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が得られる。
さらには、以下の合成工程、以下のアシッドペースティング工程、上記塩酸処理工程、以下の結晶変換工程をこの順に有することで得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることがより好ましい。合成工程とは、ガリウム化合物とフタロシアニン環を形成する化合物とをクロロ化芳香族化合物中で反応させてクロロガリウムフタロシアニンを合成する工程である。アシッドペースティング工程とは、上記合成工程で得られたクロロガリウムフタロシアニンを硫酸と混合してヒドロキシガリウムフタロシアニンを得る工程である。結晶変換工程とは、塩酸処理工程で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶と有機化合物を混合し、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の結晶形を変換する工程である。
また、上記合成工程において、ガリウム化合物が三塩化ガリウムであることが好ましい。また、フタロシアニン環を形成する化合物がオルトフタロニトリルであり、クロロ化芳香族化合物がα−クロロナフタレンであることが好ましい。
また、上記結晶変換工程に用いる有機化合物としては、前記変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が含有する有機化合物と同様である。結晶変換工程において、有機化合物が変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に取り込まれる。結晶変換工程で用いる有機化合物の量は、質量基準で変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に対して5〜30倍が好ましい。さらに、ガラスビーズなどのメディアを混合して結晶変換工程を行ってもよい。その場合のメディアの量は、質量基準で変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の10〜50倍が好ましい。結晶変換工程に用いる装置として、例えば、サンドミル、ボールミル、ペイントシェーカー、などのミリング装置、ホモジナイザー、マグネチックスターラー、撹拌翼を使った撹拌装置、または超音波分散機が挙げられる。結晶変換工程の処理時間は、0.1〜100時間程度が好ましい。
本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の表面にクロロガリウムフタロシアニンを有する結晶である。
本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、光導電体としての機能に優れ、電子写真感光体以外にも、太陽電池、センサー、スイッチング素子などに適用することができる。
次に、本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を電子写真感光体における電荷発生物質として適用する場合を説明する。
本発明の電子写真感光体は、支持体と、感光層とをこの順に有する。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層が挙げられる。電子写真特性の観点から、電荷発生層および電荷発生層上に形成された電荷輸送層を有する積層型感光層が好ましい。
図2の(a)および(b)は、電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図2の(a)は単層型感光層を示し、支持体101上に、下引き層102が形成され、下引き層102上に感光層103が形成されている。図2の(b)は積層型感光層を示し、支持体101上に下引き層102が形成され、下引き層102上に電荷発生層104が形成され、電荷発生層104上に電荷輸送層105が形成される。
〔支持体〕
支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましい。例えば、アルミニウムやステンレス鋼といった金属または合金製の支持体が挙げられる。また、表面に導電性皮膜を設けてなる金属、プラスチック、または紙製の支持体が挙げられる。
また、支持体の形状としては、例えば、円筒状、フィルム状が挙げられる。
支持体と後述の下引き層との間には、支持体の表面のムラの隠蔽、干渉縞の抑制を目的として、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子、結着樹脂、および溶剤を分散させて得られる導電層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥/硬化させることによって形成することができる。
導電性粒子としては、例えば、アルミニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化スズ粒子、酸化亜鉛粒子、カーボンブラック、銀粒子が挙げられる。結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂が挙げられる。導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
導電層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
支持体と感光層との間には、バリア機能や接着機能を持つ下引き層(中間層とも呼ばれる。)を設けることもできる。下引き層は、結着樹脂、および溶剤を混合させることによって調製された下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させて下引き層を形成することができる。
下引き層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわ、ゼラチンが挙げられる。下引き層の膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5.0μmであることがより好ましい。
〔感光層、電荷発生層〕
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質として本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有する。電荷発生層は、まず、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶および結着樹脂を溶剤に混合し、電荷発生層用塗布液を調製する。そして、この塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を分散させる場合では、結着樹脂を加えていれば変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の結晶形は変化しない。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.3μmであることがより好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して30〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。
電荷発生層に用いられる電荷発生物質として、本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶以外のものを併用してもよい。その場合、本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、電荷発生物質の全質量に対して50質量%以上であることが好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体、ポリビニルベンザールが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザールが好ましい。
〔感光層、電荷輸送層〕
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させて調製された電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物が挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物が好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリサルホン、ポリアリレート(polyarylate)、塩化ビニリデン、アクリロニトリル共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート、ポリアリレートが好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。
感光層が単層型感光層である場合、単層型感光層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。単層型感光層用塗布液は、電荷発生物質として本発明に係る変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、電荷輸送物質、および結着樹脂を溶剤に混合して調製することができる。
感光層上には、感光層を保護することを目的として、保護層を設けてもよい。
保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解させて調製された保護層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。保護層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーが挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能(正孔輸送能)を有するモノマーを種々の重合反応、架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。具体的には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物(正孔輸送性化合物)を重合または架橋させ、硬化させることによって保護層を形成することが好ましい。
保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法が挙げられる。
電子写真感光体の表面層には、導電性粒子、紫外線吸収剤、フッ素原子含有樹脂粒子などの潤滑性粒子を含有させてもよい。導電性粒子としては、例えば、酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が挙げられる。
図1は、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
円筒状(ドラム状)の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
電子写真感光体1の表面(周面)は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、電子写真感光体1の表面には、露光手段(像露光手段)(不図示)から露光光(像露光光)4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が電子写真感光体1の表面に形成される。露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光といった露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容された現像剤(トナー)で現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材Pに転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性の電圧(転写バイアス)が印加される。また、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受け、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
トナー像が転写材Pに転写された後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7により、転写残りの現像剤(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。また、クリーニング手段を使用せずに転写残トナーを現像手段などで回収することもできる(クリーナーレスシステム)。
さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)が照射され、除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成してもよい。このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7から選択される少なくとも1つの手段を電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化する。そして、電子写真装置本体のレールといった案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9とすることができる。
露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。以下に示す「部」は、「質量部」を意味する。なお、実施例および比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(FISCHERSCOPE、フィッシャーインスツルメント社製)、または単位面積当たりの質量から比重換算で求めた。
<製造例1>
オルトフタロニトリル36.7部、三塩化ガリウム25部、α−クロロナフタレン300部を混合した。これを窒素雰囲気下200℃で5.5時間反応させた後、130℃で生成物を濾過した。得られた生成物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて140℃で2時間分散洗浄した後、濾過し、濾取物をメタノールで洗浄乾燥し、クロロガリウムフタロシアニンを46部得た。このクロロガリウムフタロシアニンは、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°、16.6°、25.5°及び28.3°にピークを有する結晶形の結晶であった。
<製造例2>
製造例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン24部を温度5℃の濃硫酸750部に溶解させ、氷水2500部中に攪拌下に滴下して再析出させた。これを減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。その後、2%アンモニア水で30分分散洗浄し、次いでイオン交換水で分散洗浄を4回行った。最後にフリーズドライ(凍結乾燥)を行い、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを97%の収率で得た。
<比較製造例1>
製造例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.5部、および直径0.9mmのガラスビーズ15部を室温(23℃)下、ペイントシェーカーでミリング処理を24時間行い微細化されたクロロガリウムフタロシアニンを得た。
<比較製造例2>
1,3−ジイミノイソインドリン30部、三塩化ガリウム9.1部、ジメチルスルホキシド230部を混合した。これを窒素雰囲気下150℃で4時間反応させた後、130℃で生成物を濾過した。得られた生成物をイオン交換水で洗浄、濾過し、クロロガリウムフタロシアニンを28部得た。このクロロガリウムフタロシアニンは、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの27.1°にピークを有する結晶形の結晶であった。
〔実施例1−1〕
製造例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン10部と、濃度35質量%で温度23℃の塩酸水溶液100部を混合して、マグネチックスターラーで90分撹拌した。塩酸水溶液を混合した量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン1molに対して、塩酸は59molであった。撹拌後、氷水で冷却された1000部のイオン交換水に滴下して、30分撹拌した。これを減圧濾過した。このときにフィルターとして、No.5C(アドバンテック社製)を用いた。その後、温度23℃のイオン交換水で分散洗浄を4回行った。このようにして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶9部を得た。
〔実施例1−2〕
実施例1−1において、マグネチックスターラーの撹拌時間を90分から60分に変更した以外は、実施例1−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
〔実施例1−3〕
実施例1−1において、マグネチックスターラーの撹拌時間を90分から30分に変更した以外は、実施例1−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
〔実施例1−4〕
実施例1−1において、マグネチックスターラーの撹拌時間を90分から6分に変更した以外は、実施例1−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
〔実施例1−5〕
実施例1−1において、マグネチックスターラーの撹拌時間を90分から24時間に変更した以外は、実施例1−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
〔実施例1−6〕
実施例1−1において、濃度35質量%の塩酸水溶液を、濃度10質量%の塩酸水溶液に変更した以外は、実施例1−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
〔実施例2−1〕
実施例1−1で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部、およびN,N−ジメチルホルムアミド10部を室温(23℃)下、撹拌羽根(750rpm)で結晶変換処理を16時間行った。この分散液を濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.47部得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は76%であった。H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、この変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが0.7質量%含有されていることが確認された。
〔実施例2−2〕
実施例2−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は76%であった。H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、この変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、N−メチルホルムアミドが0.4質量%含有されていることが確認された。
〔実施例2−3〕
実施例2−1において、実施例1−1で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部を実施例1−2で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は73%であった。H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、この変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。
〔実施例2−4〕
実施例2−1において、実施例1−1で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部を実施例1−3で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は61%であった。H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、この変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。
〔実施例2−5〕
実施例2−1において、実施例1−1で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部を実施例1−4で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は51%であった。H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、この変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。
〔実施例2−6〕
実施例2−1において、実施例1−1で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部を実施例1−5で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は89%であった。H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、この変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。
〔実施例2−7〕
実施例2−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に変更した以外は、実施例1−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は76%であった。H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、この変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、ジメチルスルホキシドが0.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例2−8〕
実施例2−1において、実施例1−1で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部を実施例1−6で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶0.5部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は18%であった。H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、この変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが1.6質量%含有されていることが確認された。
〔比較例2−1〕
比較製造例1で得られたクロロガリウムフタロシアニンと水酸化ナトリウム水溶液(濃度0.5質量%)を混合して、ボールミルで室温において24時間湿式粉砕した。その後、これを水洗、濾過し、結晶表面がヒドロキシガリウムフタロシアニンに変化した変性クロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性クロロガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は84%であった。
〔比較例2−2〕
比較製造例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.5部、イオン交換水1部および直径0.9mmのガラスビーズ25部を室温(23℃)下、ペイントシェーカーでミリング処理を96時間行い、変性クロロガリウムフタロシアニン結晶0.4部を得た。燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、変性クロロガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率は93%であった。
〔比較例2−3〕
実施例2−1において、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部、およびN,N−ジメチルホルムアミド10部を、製造例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部、およびジメチルスルホキシド10部に変更した以外は、実施例2−1と同様にしてヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、ジメチルスルホキシドが2.5質量%含有されていることが確認された。
〔比較例2−4〕
比較例2−3において、製造例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部を、比較製造例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.5部に変更した以外は、比較例2−3と同様にしてクロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。
燃焼イオンクロマトグラフィーの測定の結果、表面の塩素化率は100%であった。H−NMR測定により、プロトン比率から換算して、このクロロガリウムフタロシアニン結晶中のフタロシアニンに対して、ジメチルスルホキシドが1.2質量%含有されていることが確認された。
〔実施例3−1〕
直径24mm、長さ257.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
まず、酸化スズで被覆された硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIXJR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール50部、および、メタノール50部をボールミルに入れ、20時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を1時間140℃で加熱して硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部、および、メトキシメチル化6ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/N−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を6分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.42μmの下引き層を形成した。
次に、実施例2−1で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)2部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)1部、およびシクロヘキサノン52部を、直径0.9mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、4時間分散処理した。その後、酢酸エチル75部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液における変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の個数平均粒径は189nmであった(シスメックス(株)製粒子径測定装置ゼータサイザーナノを用い、シクロヘキサノンを分散媒とし測定)。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(C−1)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送性化合物))28部、
Figure 0006663236
下記式(C−2)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送性化合物))4部、
Figure 0006663236
および、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ200、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)40部を、モノクロロベンゼン200部/ジメトキシメタン50部の混合溶剤に溶解させることによって電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が30μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、円筒状(ドラム状)の実施例3−1の電子写真感光体を製造した。
〔実施例3−2〜3−8、および比較例3−1〜3−4〕
実施例3−1において、実施例2−1で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶2部を実施例2−2〜2−8、および比較例2−1〜2−4で得られたガリウムフタロシアニン結晶2部に変更した以外は、実施例3−1と同様に電子写真感光体を製造した。
比較例2−3の塗布液中におけるヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の個数平均粒径は192nmであった(シスメックス(株)製粒子径測定装置ゼータサイザーナノを用い、シクロヘキサノンを分散媒とし測定)。
〔比較例3−5〕
実施例3−1において、実施例2−1で得られた変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶2部を、比較例2−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶1.4部と比較例2−4で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶0.6部の混合物に変更した以外は、実施例3−1と同様にして比較例3−5の電子写真感光体を製造した。
〔実施例3−1〜3−8および比較例3−1〜3−5の評価〕
・画像評価方法(細線再現性の評価方法)
ヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名:LaserJet Pro400Color M451dn)の改造機を用いて画像を出力した。改造として、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにした。画像出力はブラック色用プロセスカートリッジに製造した電子写真感光体を装着し、装置から現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を挿入した。これを、プリンターのブラック色用プロセスカートリッジのステーションに装着し、明部電位(Vl)が−120Vになるように露光光の光量の設定を行った。電位測定装置は、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブ(商品名:model6000B−8、トレック・ジャパン(株)製)を配置することで構成されており、電子写真感光体に対する電位測定プローブの位置は、ドラム軸方向の中央とした。そして、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(商品名:model344、トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定している。
その後、電位測定装置をはずし、現像用カートリッジを元の状態にもどし、テストチャートを出力した。テストチャートは、出力解像度1200dpiの線幅2ポイントの黒ラインとした。次にその出力画像をスキャナー(キヤノン製CanoScan9900F)を使って1200dpiの解像度で読み取って白と黒で二値化し、テストチャートの元データと比較した。テストチャートの黒ライン内で出力画が白となっている画素数をA、テストチャートの黒ライン外で出力画が黒となっている画素数をBとして、細線再現性を次の式で数値化して評価した。結果を表1に示す。使用するには、この数値が0.75以上であることが好ましい。
評価式:1−(A+B)/N・・・(Nはテストチャート内の全画素数)
・残留電位の測定方法
像露光光源の光量を最大になるように調整して像露光を照射し、現像位置で電子写真感光体の表面電位を測定し残留電位とした。
Figure 0006663236
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(像露光光)
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (8)

  1. 支持体と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体において、
    該感光層が、変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
    該変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の表面にクロロガリウムフタロシアニンを有する結晶であり、
    該変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率が、18%以上、76%以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が有機化合物を結晶内に含有し、該有機化合物がアミド基を有する化合物である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記アミド基を有する化合物が、少なくともホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミドのいずれかである請求項に記載の電子写真感光体。
  4. 前記有機化合物、該変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶のガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.5質量%以下含有する請求項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、
    像手段および転写手段を有する電子写真装置。
  7. ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の表面にクロロガリウムフタロシアニンを有する変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であって、
    該変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の塩素化率が、18%以上、76%以下であることを特徴とする変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶
  8. 請求項7に記載の変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法であって
    ドロキシガリウムフタロシアニンと塩酸水溶液とを混合し、撹拌して前記変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得る工程
    を有し、
    該工程において、該塩酸水溶液を、該ヒドロキシガリウムフタロシアニン1モルに対して、該塩酸水溶液中の塩酸が10モル以上、59モル以下となるように混合する変性ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
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