JP6663982B2 - リソグラフィ装置及びデバイス製造の方法 - Google Patents

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Description

[0001] 本発明は、リソグラフィ装置、リソグラフィ装置を使用してデバイスを製造する方法、及びリソグラフィ装置のための制御プログラムに関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] より小さなフィーチャの解像度の改善を可能にするための液浸技術が、リソグラフィシステムに導入されている。液浸リソグラフィ装置において、相対的に高い屈折率を有する液体の液体層が、装置の投影システム(パターン付ビームが基板に向けて投影される際に介する)と基板との間の空間に挿入される。液体は、投影システムの最終レンズ素子の下のウェーハの少なくとも一部をカバーする。したがって、露光されている基板の少なくとも一部が液体に浸漬される。露光放射が液体内では気体よりも短い波長を有することになるため、液浸液の効果は、より小さいフィーチャのイメージングを可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を増加させること、及び焦点深度も増加させること、とも見なされ得る。)
[0004] 商用液浸リソグラフィにおいて、液体は水である。典型的には、水は、通常、半導体製造工場で使用される超純水(UPW)などの、高純度の蒸留水である。液浸システムにおいて、UPWはしばしば精製され、液浸液として液浸空間に供給される前に付加的な処理ステップを施すことができる。液浸液として水が使用可能であるが、その上、例えばフッ化炭化水素などの炭化水素及び/又は水溶液など、高屈折率を伴う他の液体が使用可能である。さらに、液体以外の他の流体を液浸リソグラフィで使用することが想定されてきた。
[0005] 本明細書において、説明では、使用中、最終レンズ素子と最終素子に対向表面との間の空間に液浸液が閉じ込められる、局所液浸に言及することになる。対向表面とは、基板表面との共面である、基板の表面又は支持ステージ(又は基板テーブル)の表面である。(以下の本文における、基板Wの表面への言及は、別段に明記されていない限り、追加又は代替として基板テーブルの表面を指すこと、及びその逆も同様であることに留意されたい。)液浸空間に液浸を閉じ込めるために、投影システムとステージとの間に存在する流体ハンドリング構造が使用される。液体によって満たされる空間はプランでは基板の頂部表面よりも小さく、基板及び基板ステージが下方に移動する間、空間は、投影システムに対して実質的に静止したままである。
[0006] 基板に付与されるパターンにおける欠陥は、歩留まり、すなわち一基板当たりの使用可能デバイス数を減少させるため、望ましくない。デバイスを作成するためには多くのパターニングステップが必要であるため、たとえ一露光当たりの欠陥率が非常に低くても、歩留まりを大幅に減少させる可能性がある。液浸リソグラフィ装置に特有の欠陥には2つのタイプがある。液浸空間に対する基板の移動速さが増加すると、欠陥率は増加する。
[0007] 液浸空間からの液滴又は液膜(以下、液滴への言及は膜も包含し、膜はより大きな表面積を覆う液滴である)は、ターゲット部分の露光後、基板上に残る可能性がある。液滴はかなりの期間レジストと接触していると、レジストを劣化させる可能性がある。液滴は蒸発すると、デブリを残す可能性がある。基板上に液滴が残される結果として生じる欠陥は、レジストの劣化又は蒸発のいずれによる場合であっても、本明細書ではトレール欠陥と呼ばれる。
[0008] 液浸リソグラフィ装置に特有の第2の形の欠陥は、液浸液中に泡が形成される場合に発生する。パターニングデバイスのイメージを基板上に投影するために使用される投影ビームの経路内に泡が移動した場合、投影されるイメージは歪曲することになる。泡に起因する欠陥は、本明細書では露光欠陥と呼ばれる。
[0009] 例えば、液浸リソグラフィ装置に特有の欠陥の影響を低減させるため、及び/又は、液浸液装置のスループットを向上させるための、システムを提供することが望ましい。
[0010] 本発明の態様に従い、基板のターゲット部分上にパターン付ビームを露光するためのリソグラフィ装置が提供され、装置は、
パターン付ビームを投影するように構成され、最終光学素子を有する、投影システム、
基板をパターン付ビーム内で支持するように構成された、基板支持体、
最終光学素子と基板との間の液浸空間に液体を閉じ込めるように構成された、液体閉じ込め構造、
基板支持体及びそれによって基板を位置決めするように構成された、位置決めデバイス、及び、
基板支持体がルートを辿るように位置決めデバイスを制御するように構成された、コントローラ
を備え、ルートは、
その間、基板は第1の方向に一定の速さで移動する、第1の露光運動、
その間、基板は第1の方向に垂直な第2の方向に加速し、第1の方向に減速する、第1の遷移運動、
その間、第1及び第2の方向を含む平行平面内の基板の運動は第2の方向のみである、第2の遷移運動、
その間、基板は第1の方向に加速し、第2の方向に減速する、第3の遷移運動、
その間、第1及び第2の方向を含む平面内の基板の動きは第1の方向に対して平行のみである、第4の遷移運動、及び、
その間、基板は第1の方向に対して平行な方向に一定の速さで移動する、第2の露光運動、
を含む。
[0011] 本発明の態様に従い、基板のターゲット部分上にパターン付ビームを露光するためのリソグラフィ装置を使用してデバイスを製造する方法が提供され、装置は、
パターン付ビームを投影するように構成され、最終光学素子を有する、投影システム、
基板をパターン付ビーム内で支持するように構成された、基板支持体、
最終光学素子と基板との間の液浸空間に液体を閉じ込めるように構成された、液体閉じ込め構造、及び、
基板支持体及びそれによって基板を位置決めするように構成された、位置決めデバイス、
を備え、方法は、
その間、基板は第1の方向に一定の速さで移動する、第1の露光運動、
その間、基板は第1の方向に垂直な第2の方向に加速し、第1の方向に減速する、第1の遷移運動、
その間、第1及び第2の方向を含む平面内の基板の動きは第2の方向のみである、第2の遷移運動、
その間、基板は第1の方向に加速し、第2の方向に減速する、第3の遷移運動、
その間、第1及び第2の方向を含む平面内の基板の動きは第1の方向に対して平行のみである、第4の遷移運動、及び、
その間、基板は第1の方向に対して平行な方向に一定の速さで移動する、第2の露光運動、
を含む。
[0012] 本発明の態様に従い、リソグラフィ装置内で基板を支持する基板支持体のためのルートを計算するためのコンピュータプログラムが提供され、リソグラフィ装置は、基板に隣接する液浸空間に液体を閉じ込めるように構成された液体閉じ込め構造、及び、第1から第4の方向に基板を位置決めするためのドライブシステムを有し、第1の方向は第2の方向に対して垂直であり、第3の方向は第1の方向と反対であり、第4の方向は第2の方向と反対であって、ルートは、基板上での複数のターゲット部分の露光を可能にし、コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行された時に、
基板のエッジが液浸空間に最初に接触した後、基板はすべてのターゲット部分が露光されるまで液浸空間と接触したままであること、
ターゲット部分の露光は、基板が第1の方向又は第3の方向に移動する間に実行されること、及び、
露光間の基板のすべての動きは、第1及び第2の方向を含む平面内で、湾曲するか、又は第1から第4の方向のうちの1つのみであること、
という制約を満たすルートを計算する、コードを含む。
[0013] 本発明の態様に従い、リソグラフィ装置内で基板を支持する基板支持体のためのルートを計算するためのコンピュータプログラムが提供され、リソグラフィ装置は、基板に隣接する液浸空間に液体を閉じ込めるように構成された液体閉じ込め構造、及び、第1から第4の方向に基板を位置決めするための位置決めシステムを有し、第1の方向は第2の方向に対して垂直であり、第3の方向は第1の方向と反対であり、第4の方向は第2の方向と反対であって、ルートは、基板上での複数のターゲット部分の露光を可能にし、コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行された時に、
ターゲット部分の露光は、基板が第1の方向又は第3の方向に移動する間に実行されること、
露光間の基板のすべての動きは、第1及び第2の方向を含む平面内で、湾曲するか、又は第1から第4の方向のうちの1つのみであること、及び、
基板のすべての動きは、基板の上部表面に平行な面内で、その方向に関係なく、所定の最大速さより遅いか又は等しい速さに限定されること、
という制約を満たすルートを計算する、コードを含む。
[0014] 本発明の態様に従い、基板のターゲット部分上にパターン付ビームを露光するためのリソグラフィ装置が提供され、装置は、
パターン付ビームを投影するように構成され、最終光学素子を有する、投影システム、
基板をパターン付ビーム内で支持するように構成された、基板支持体、
最終光学素子と基板との間の液浸空間に液体を閉じ込めるように構成された、液体閉じ込め構造、
基板支持体及びそれによって基板を第1から第4の方向に位置決めするように構成された、位置決めデバイスであって、第1の方向は第2の方向に対して垂直であり、第3の方向は第1の方向と反対であり、第4の方向は第2の方向と反対である、位置決めデバイス、及び、
基板支持体がルートを辿るように位置決めデバイスを制御するように構成された、コントローラ
を備え、ルートは、
その間、基板は第1から第4のうちの1つの方向に一定の速さで移動する、第1の拡張直線運動、
その間、基板は湾曲経路に沿って移動する、第1の湾曲運動、
その間、基板は第1から第4のうちの1つの方向に一定の速さで移動する、第1の短直線運動であって、第2の短直線運動は第1の拡張直線運動よりも短い、第1の短直線運動、
その間、基板は湾曲経路に沿って移動する、第2の湾曲運動、
その間、基板は第1から第4のうちの1つの方向に一定の速さで移動する、第2の短直線運動であって、第2の短直線運動は第1の拡張直線運動よりも短い、第2の短直線運動、
その間、基板は湾曲経路に沿って移動する、第3の湾曲運動、及び、
その間、基板は第1から第4のうちの1つの方向に一定の速さで移動する、第2の拡張直線運動であって、第2の拡張直線運動は第1及び第2の短直線運動の各々よりも長い、第2の拡張直線運動、
を含み、
第1及び第2の各々の湾曲運動の少なくとも一部の間の基板の速さは、第1及び第2の拡張直線運動の間の基板の速さよりも大きい。
[0015] 基板のターゲット部分上にパターン付ビームを露光するためのリソグラフィ装置であって、装置は、
パターン付ビームを投影するように構成され、最終光学素子を有する、投影システム、
基板をパターン付ビーム内で支持するように構成された、基板支持体、
最終光学素子と基板との間の液浸空間に液体を閉じ込めるように構成された、液体閉じ込め構造、
基板支持体及びそれによって基板を第1から第4の方向に位置決めするように構成された、位置決めデバイスであって、第1の方向は第2の方向に対して垂直であり、第3の方向は第1の方向と反対であり、第4の方向は第2の方向と反対である、位置決めデバイス、及び、
基板支持体がルートを辿るように位置決めデバイスを制御するように構成された、コントローラ
を備え、ルートは、
その間、基板は第1から第4のうちの1つの方向に一定の速さで移動する、第1の拡張直線運動、
その間、基板は第1から第4のうちの1つの方向に一定の速さで移動する、第2の拡張直線運動、
第1の拡張直線運動と第2の拡張直線運動との間の一連の湾曲運動であって、その間、基板はそれぞれの湾曲経路に沿って移動し、各湾曲運動の少なくとも一部の間の基板の速さは、第1及び第2の拡張直線運動の間の基板の速さよりも大きい、一連の湾曲運動、
を含む。
[0016] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0017]実施形態に従ったリソグラフィ装置を概略的に示す図である。 [0018]実施形態に従った、リソグラフィ投影装置において使用するための2つの液浸液閉じ込め構造配置を概略的に示す図である。 [0019]実施形態に従った、リソグラフィ投影装置において使用するための2つのさらなる液浸液閉じ込め構造配置を概略的に示す、側断面図である。 [0020]基板上の異なるスキャン速さが適用されたターゲット部分の配置を示す図である。 [0021]エッジターゲット部分の露光間に基板が回転する露光ルートの一部を示す図である。 [0022]液浸液の一部が連続して基板と重なるように基板テーブルの動きが制約される、露光ルートの一部を示す図である。 [0023]基板のエッジに隣接する露光ルートの一部の様々なオプションを示す図である。 [0024]トレール欠陥のリスクが発生する基板全体についての露光ルートを示す図である。 [0025]本発明の実施形態に従った、基板全体についての露光ルートを示す図である。 [0026]本発明の実施形態に従った、基板全体についての別の露光ルートを示す図である。 [0027]センサ間の基板についてのルートを示す図である。
[0028] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。装置は、放射ビームB(例えば、UV放射又はその他の任意の好適な放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1の位置決めデバイスPMに接続されたマスク支持構造(例えば、マスクテーブル)MTとを含む。装置は、また、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、一定のパラメータに従って基板を正確に配置するように構成された第2の位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT又は「基板支持体」を含む。さらに、装置は、基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上にパターニングデバイスMAによって放射ビームBへ付与されたパターンを投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSを含む。
[0029] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0030] マスク支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわち、その重量を支えている。マスク支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。マスク支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械式、真空式、静電式等のクランプ技術を使用することができる。マスク支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。マスク支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置に来るようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0031] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0032] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
[0033] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0034] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0035] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル又は「基板支持体」(及び/又は2つ以上のマスクテーブル又は「マスク支持体」)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブル又は支持体を並行して使用するか、又は1つ以上の他のテーブル又は支持体を露光に使用している間に1つ以上のテーブル又は支持体で予備工程を実行することができる。
[0036] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
[0037] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0038] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように設定されたアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0039] 放射ビームBは、マスク支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2の位置決めデバイスPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1の位置決めデバイスPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めできる。
[0040] 一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1の位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWT又は「基板支持体」の移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0041] コントローラ500は、リソグラフィ装置の全体動作を制御し、特に、以下でさらに説明する動作プロセスを実行する。コントローラ500は、中央処理ユニット、揮発性及び不揮発性のストレージ手段、キーボード及びスクリーンなどの1つ以上の入力及び出力デバイス、1つ以上のネットワーク接続、並びに、リソグラフィ装置の様々な部分に対する1つ以上のインターフェースを備える、好適にプログラミングされた汎用コンピュータとして具体化可能である。制御コンピュータとリソグラフィ装置との間に1対1の関係が不要であることが理解されよう。1つのコンピュータが複数のリソグラフィ装置を制御可能である。複数のネットワーク化されたコンピュータを使用して1つのリソグラフィ装置を制御可能である。コントローラ500は、リソグラフィ装置がその一部を形成するリソセル又はクラスタにおいて、1つ以上の関連付けられたプロセスデバイス及び基板ハンドリングデバイスを制御するようにも構成可能である。コントローラ500は、リソセル又はクラスタの監視制御システム及び/又は製造工場の全体制御システムの下位であるようにも構成可能である。
[0042] 投影システムPSの最終レンズ素子と基板との間に液体を提供するための配置は、3つの一般カテゴリに分類可能である。これらは浴式配置、いわゆる局所液浸システム、及びオールウェット(all−wet)液浸システムである。本発明は、特に局所液浸システムに関する。
[0043] 局所液浸システムに対して提案された配置において、液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終レンズ素子と、投影システムに対向するステージ又はテーブルの対向表面との間の、液浸空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。テーブルは使用中に移動し、静止しているのは稀であるため、テーブルの対向表面はそのように呼ばれる。一般に、テーブルの対向表面は、基板W、基板を取り囲む基板テーブルWT、又はその両方の表面である。
[0044] 実施形態において、図1に示されるような液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終レンズ素子100と基板テーブルWT又は基板Wとの間の、液浸空間の境界の少なくとも一部に沿って延在し得る。実施形態において、液体閉じ込め構造12と基板W/基板テーブルWTの表面との間に、シールが形成される。シールは、ガスシール16又は液浸液シールなどの非接触シールであり得る。(ガスシールを伴うシステムは、欧州特許出願公開第EP−A−1,420,298号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。)
[0045] 液体閉じ込め構造12は、液浸空間に液浸液を供給して閉じ込めるように構成される。液体は液体インレットによって液浸空間内に運ばれ得、液体は液体アウトレットによって除去され得る。
[0046] 液体はガスシールによって液浸空間内に閉じ込められ得る。使用中、ガスシールは、液体閉じ込め構造12の底部とテーブルの対向表面(すなわち、基板Wの表面及び/又は基板テーブルWTの表面)との間に形成される。ガスシール内のガスは、圧力下でインレットを介して、液体閉じ込め構造12と基板W及び/又は基板テーブルWTとの間のギャップに提供される。ガスは、アウトレットに関連付けられたチャネルを介して抽出される。ガスインレット上の過圧、アウトレット上の真空レベル、及びギャップのジオメトリは、液体を閉じ込める内部への高速ガスフローが存在するように配置される。液体閉じ込め構造12と基板W及び/又は基板テーブルWTとの間の液体にかかるガスの力が、液体を液浸空間10内に閉じ込める。こうしたシステムは、米国特許出願公開第US2004−0207824号に開示され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0047] 他の液浸液閉じ込め構造12は、図3に示された配置のように、本発明の実施形態と共に使用可能である。
[0048] 図2及び図3は、液体閉じ込め構造12のバリエーションに存在し得る異なる特徴部を示す。図2に示され以下に記載される配置は、上記に記載され図1に示されるリソグラフィ装置に適用され得る。各図は、それぞれ、図の左下側及び右下側に液体閉じ込め構造の特徴部の2つの異なる配置を示す。別段に記述されていない限り、2つの設計は共通の特徴部を共有する。設計は、異なる記載がない限り上記に記載された特徴部と同じ特徴部のいくつかを共有し得る。本明細書に記載される特徴部は、図に示されるように、又は必要に応じて、個別又は組み合わせて選択可能である。
[0049] 図2は、最終レンズ素子の底部表面周辺に閉じ込め構造12を示す。最終レンズ素子100は、逆円錐台形状を有する。円錐台形状は、平坦な底部表面及び円錐表面を有する。円錐台形状は、平坦な表面から突出し、底部平面を有する。底部平面は、投影ビームが通過し得る最終レンズ素子の底部表面の光学的にアクティブな部分である。閉じ込め構造は、円錐台形状の少なくとも一部を取り囲む。閉じ込め構造は、円錐台形状の円錐表面に対向する内部表面を有する。内部表面及び円錐表面は相補形状を有する。閉じ込め構造の頂部表面は実質的に平坦である。閉じ込め構造は最終レンズ素子の円錐台形状周囲にフィットし得る。液体閉じ込め構造の底部表面は実質的に平坦であり、使用中、底部表面はテーブル及び/又はウェーハの対向表面と平行であり得る。底部表面と対向表面との間の距離は、30から500マイクロメートルの範囲内、望ましくは80から200マイクロメートルの範囲内であり得る。
[0050] 液体閉じ込め構造12は、最終レンズ素子100よりもウェーハW及びウェーハテーブルWTの対向表面の近くに延在する。したがって、液浸空間10は、液体閉じ込め構造12の内部表面、円錐台部分の平坦表面、及び対向表面の間に画定される。使用の間、液浸空間10は液体で満たされる。液体は、レンズと液体閉じ込め構造12との間の相補表面の間のバッファ空間の少なくとも一部、実施形態においては、相補内部表面と円錐表面との間の液浸空間10の少なくとも一部を満たす。
[0051] 液体は、液体閉じ込め構造12の表面内に形成される開口を介して液浸空間10に供給される。液体は、液体閉じ込め構造の内部表面内の供給開口20を介して供給され得る。代替又は追加として、液体は、液体閉じ込め構造12の下面に形成された下方供給開口23から供給される。下方供給開口は、投影ビームの経路を取り囲むことが可能であり、アレイ形式の一連の開口から形成され得る。液体は、液浸空間10を満たすように供給されるため、投影システムの下の空間を介するフローは層流となる。加えて、液体閉じ込め構造12の下の下方供給開口23からの液体の供給は、液浸空間10内への泡の進入を防ぐ。この液体供給は、液体シールとして機能する。
[0052] 液体は、内部表面に形成される回収開口21から回収され得る。回収開口21を介した液体の回収は圧力下での印加によるものであり得る、回収開口21を介した回収は空間を介する液体フローの速度の結果であり得る、あるいは、回収は両方の結果であり得る。回収開口21は、プランで見た場合、供給開口20の反対側に位置し得る。追加又は代替として、液体は、右側の配置に示されるように、液体閉じ込め構造12の頂部表面上に位置するオーバーフロー開口24を介して回収され得る。このオーバーフローは、液体閉じ込め構造の頂部周辺、投影ビームの経路周辺に延在し得ることに留意されたい。
[0053] 追加又は代替として、液体は、底部回収開口25、32を介して液体閉じ込め構造12の下から回収され得る。液体閉じ込め構造12と対向表面との間にメニスカス33が形成され、液体空間とガス状の外部環境との間の境界としての働きをする。底部回収開口は、単一位相フローにおいて液体を回収し得る、多孔質プレート25とすることができる。メニスカスは、液体閉じ込め構造に対する対向表面の相対的な動きの間に、多孔質プレートの表面にわたって自由に移動させることができる。代替として、底部回収開口25は、液体メニスカス33を液体閉じ込め構造12に対して保持する(又は「釘付け」)する働きをすることができる。底部回収開口は、液体が回収される際に介する一連の釘付け開口32とすることができる。釘付け開口32は、2相フローで液体を回収することができる。
[0054] 任意選択として、液体閉じ込め構造12の内部表面に関して半径方向外側にガスナイフ開口26が存在する。ガスは、液浸空間12内の液浸液の閉じ込めを支援するために、上昇速さでガスナイフ開口26を介して供給され得る。供給されるガスは加湿され、二酸化炭素を含むことができる。供給されるガスは、本質的に、二酸化炭素及び水蒸気からなるものとすることができる。ガスナイフ開口26の半径方向外側に、ガスナイフ開口26を介して供給されるガスを回収するためのガス回収開口18が存在する。
[0055] 図3は、液体閉じ込め構造12の2つのさらなる配置を示す。それぞれ、図の左下側及び右下側に特徴部についての2つの異なる配置が示されている。別段に記述されていない限り、2つの設計は共通の特徴部を共有する。図2と共通の図3に示される2つの配置の特徴部は、同じ参照番号を共有する。液体閉じ込め構造12は、円錐台形状の円錐表面を相補する内部表面を有する。液体閉じ込め構造12の下面は、円錐台形状の底部平面よりも対向表面に近い。
[0056] 液体は、液体閉じ込め構造12の内部表面に形成される供給開口を介して液浸空間10に供給される。供給開口34は、恐らく円錐台形状の底部表面の下で、内部表面の底部に向かって配置される。供給開口34は、投影ビームの経路の周囲に間隔を置いて、内部表面上に配置される。
[0057] 液体は、液体閉じ込め構造12の下面内の回収開口25を介して液浸空間10から回収される。対抗表面が液体閉じ込め構造12の下を移動するにつれて、メニスカス33は、対抗表面の動きと同じ方向に回収開口25の表面にわたって移行することができる。回収開口25は、多孔質部材から形成され得る。液体は単相で回収され得る。実施形態において、液体は二相フローで回収される。二相フローは、液体閉じ込め構造12内のチャンバ35内に受け取られ、ここで液体とガスに分離される。液体及びガスは、チャンバ35から別々のチャネル36、38を介して回収される。
[0058] 液体閉じ込め構造12の下面の内周39は、プレート40を形成するために内部表面から離れて空間内へと延在する。内周は、投影ビームの形状及びサイズに合致するようにサイズ変更可能な、小さいアパーチャを形成する。プレートは、その両側に液体を分離する働きをすることができる。供給される液体は、内部アパーチャを介してアパーチャに向かって内側に、その後、プレートの下を半径方向に周囲の回収開口25に向かって外側に、流れる。
[0059] 実施形態において、液体閉じ込め構造12は、2つの部分、内側部分12a及び外側部分12bとすることができる。便宜上、この配置は図3の右側部分に示されている。2つの部分は、対向表面に平行な平面内で相対的に互いに対して移動可能である。内側部分は供給開口34を有し得、オーバーフロー回収24を有し得る。外側部分12bは、プレート40及び回収開口25を有し得る。内側部分は、2つの部分の間を流れる液体を回収するための中間回収42を有し得る。
[0060] リソグラフィ装置の所有コストを削減又は最小限にするために、基板が露光される率であるスループット、及び、正しく機能する露光されたデバイスの比率である歩留まりを、最大にすることが望ましい。デバイスを作成するために、多くの露光ステップが必要であり得るため、たとえ露光当たりの欠陥の率が低い場合であっても、結果として歩留まりの大幅な減少が生じ得る。
[0061] トレール欠陥及び露光欠陥の両方の発生頻度は、基板テーブルWTと液体閉じ込め構造12との間の相対的な運動の速さが増加するにつれて増加する傾向がある。スキャン露光の間の相対的な運動の速さは、スキャン速さと呼ばれる。スキャン速さの増加はスループットを増加させるので望ましい。スキャン速さの増加は、液浸液を液浸空間10に効果的に閉じ込めるのがより困難であるため、欠陥の増加につながる可能性がある。トレール欠陥及び露光欠陥は、露光される基板のエリアにわたって、ランダム又は均一に分散されないが、より高い確率であるロケーションに発生する可能性がある。トレール欠陥及び露光欠陥の分散は、露光レシピに従って、特にターゲット部分の露光順序に従って、変動する可能性がある。欠陥の発生を減少させるために、基板のあるターゲット部分の露光の際に、スキャン速さを減少させることができる。しかしながら、スキャン速さの減少はスループットを減少させるので望ましくない。
[0062] リソグラフィ装置において、通常、投影システムPS及び液体閉じ込め構造12が静止している間、基板テーブルWTが移動することに留意されたい。しかしながら、基板テーブルWTの運動は、あたかも基板テーブルWTが静止しており、投影システムPS及び液体閉じ込め構造12が移動しているかのように記述することがしばしば好都合である。本発明の実施形態は、基板テーブルWT及び/又は投影システムPS/液体閉じ込め構造12が移動しているかどうかにかかわらず適用される。
[0063] リソグラフィ装置には、泡の形成を防止するため、泡が投影ビームの経路内に入り込むのを防止するため、又は、泡を液浸空間10から除去するための手段が提供され得る。こうした手段は全面的に効果的であるとは限らない。泡は経時的に液浸空間10から除去されることになるか、又はその内部のガスが液浸液中に溶け込む可能性があるが、泡は、露光の間に依然として投影ビーム内に入り込み、欠陥を生じさせる可能性がある。欠陥は、泡の形成後に露光される最初のわずかなターゲット部分のうちのいずれかの予測不能なロケーションで発生し得る。したがって、露光欠陥の原因を特定することは困難であり、特に、特定の露光欠陥を発生させた泡がいつ作成されたかを特定することは困難な可能性がある。
[0064] 一連のターゲット部分を露光するために、典型的には露光ルートが予め計算される。露光ルートは、露光されるべき各ターゲット部分についての基板テーブルWTのスキャン運動、及び次のスキャン運動のために基板テーブルWTを整列させるためのスキャン運動間の移送運動を含む。従来、非スキャン方向、例えばX方向に延在するターゲット部分の列内の各ターゲット部分が、順番に露光される。露光の間、基板テーブルは、スキャン方向、例えば、非スキャン方向に対して実質的に垂直な+Y方向、又は、逆スキャン方向、例えば−Y方向に移動する。連続した露光は、スキャン方向と逆スキャン方向との間で交互に行われる。したがって、露光運動及び移送運動が合わさって蛇行ルートを形成する。露光ルートは一連の露光の前、露光の間、又は露光の後に、測定を実行するための運動も含むことができる。露光ルートの間、基板Wは液体閉じ込め構造12の下から完全に外へ移動する可能性があるため、液浸液は基板Wと重ならないことになる。これは特に、エッジターゲット部分を露光する時に発生する。基板Wを液浸空間10の下に運ぶための基板テーブルWTの動き、すなわち、基板エッジがメニスカス17を横切る間の動きが、進入運動と呼ばれる。
[0065] エッジターゲット部分は基板エッジを横切るターゲット部分であるため、ターゲット部分は完了しない。矩形のターゲット部分が円形基板上に重ねられる場合、基板エッジを横切り、完了しない、いくつかのターゲット部分が存在することになることは不可避である。エッジターゲット部分は、従来、2つの理由で露光された。第1に、露光されるべきパターンが複数のデバイスを含む場合、すなわち、デバイスがターゲット部分よりも小さい場合、エッジターゲット部分はデバイス全体を含むことになる可能性がある。第2に、エッジターゲット部分が露光されない場合、エッチング又は堆積などのプロセスステップを介して、露光されないエッジターゲット部分と露光される非エッジターゲット部分との間に、レベル差が生じる可能性がある。こうしたレベル差は、露光されないエッジターゲット部分の隣のターゲット部分が、プロセスステップの間に、露光されないエッジ部分の隣でないターゲット部分とは異なる環境を経験するため、デバイスが正しく形成されない可能性があることを意味する。また、基板内に応力が生じる可能性がある。
[0066] リソグラフィ装置において、速さ制限を定義することが可能であり、これは本明細書では最大液浸速さvmaxと呼ばれる。最大液浸速さは、基板の露光のためのルートの生成の間、適用可能である。最大液浸速さは、ルートが生成された後に適用可能である。最大液浸速さは、欠陥、特にトレール欠陥のリスクが容認できなくなる、基板と液浸空間との間の相対的な動きの速さとして定義される。最大液浸速さは、理論的又は経験的に決定可能である。最大液浸速さは、所与のリソグラフィ装置について事前設定値とすることが可能である。最大液浸速さは、液体閉じ込めシステムの一部の動作のレート又は使用中の放射感応性層(例えば、レジスト)のタイプなどの、リソグラフィ装置の1つ以上のパラメータ又は露光レシピに依存する変数とすることができる。最大液浸速さは、ユーザ決定値とすることができる。最大液浸速さは、露光の間に使用されるスキャン速さよりも大きい可能性があるため、速さ制限は露光間の移送運動の間にのみ適用されることになる。
[0067] リソグラフィ装置は、基板支持体を2つの直交方向に、例えば、X軸に対して平行且つY軸に対して平行に位置決めするための、2つの独立したドライブを有し得る。Y軸は露光スキャンが実行される方向であり得、スキャン方向と呼ぶことができる。必要な計算の量を削減するために、ルートを定義するセットポイントを、X及びY方向に独立に生成することができる。速さ制限は、米国特許第7,679,719B2号に記載されているような座標変換のプロセスを使用して適用可能であり、本ドキュメントはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0068] 図4は、基板W上に重ねられた110のターゲット部分の配置を示す。ターゲット部分の他の配置も可能である。42のターゲット部分Ceが基板エッジWEを横切り、これらはエッジターゲット部分であることがわかるであろう。いくつかのエッジターゲット部分を含む約30のターゲット部分は、欠陥を最小限にするためにより遅いスキャン速さで露光される。これらはCsと表示され、より密度の低い網掛けによって示されている。より遅いスキャン速さは、他のターゲット部分Cfが露光されるスキャン速さの約50%とすることができる。したがって、欠陥の形成を減少させるためにより遅いスキャン速さで露光を実行することで、スループットを著しく減少させる可能性があることがわかる。
[0069] より高い率の露光欠陥は、液浸空間10を基板から完全に離れさせる基板の運動に関連付けられる。液浸空間が基板を離れる時に、液浸空間のトレーリング境界、例えば液浸液のメニスカスが、基板エッジWEにほぼ平行な場合、欠陥の率が特に高い可能性がある。これは、次のターゲット部分の露光のために整列させるように基板をその方向にさらに移動させなければならない時に、基板が液浸空間の下から外へ移動するような方向に基板が移動している状態で、エッジターゲット部分の露光後の、従来の反転運動中に発生する可能性がある。従来の反転運動において、基板は、次の露光のために整列するのに必要な距離だけ遠くにほぼ移動するまで、露光方向、例えば+Y方向への移動を続行し、その後、次の露光のために横断するように、垂直方向、例えば−X方向に加速しながら、Y方向に減速する。基板は、Y方向に0速さに達すると、次の露光のラインに近付くまで、−X方向に直線移動する。その後、基板は、次の露光の方向に加速しながら、X方向に減速する。この動きは、加速及び減速の大きさを最大限にすることによって、速さを最適化することができる。結果として生じるルートはグリッドプランに類似しており、基板は、動きの方向間の緊密な湾曲遷移(本明細書では湾曲運動と呼ばれる)を伴い、大部分はX及びY軸に平行な方向に移動する。
[0070] 液浸空間10が基板を離れるのを避けるために、修正された反転運動が提案されている。図5で一点鎖線によって示される反転運動R21は、基板Wが液浸空間10の下から完全に外へと移動するのを回避させる。反転運動R21は、反転運動の間、基板Wの一部が常に部分的に液浸空間10と重なっていることを保証する。好適な修正された反転R21は、基板テーブルの許可された動きの範囲に制約を課すことによって、ルーティングプログラムにおいて計算することができる。制約は、基板位置を取り囲む多角形51とすることができる。
[0071] 図6は、別の修正された反転運動R21’を示し、基板テーブルは反転した後、図5に示されるような湾曲運動ではなく、直進対角運動を行う。図6は、複数のターゲット部分を露光するための露光ルートR30も示す。
[0072] しかしながら、本発明者等は、いくつかの環境では従来の反転運動に改善が見られるが、修正された反転運動R21及びR21’はすべての環境において最適ではないことを発見した。特に、基板が拡張曲線に沿って、又はX及びY方向に対して角度のある直線内を移動する、修正された反転運動の一部は、より高いレベルの欠陥に関連付けられている。これは、基板が液浸空間10のトレーリングエッジに対しておよそ垂直な方向に移動している時に、基板上への液体損失のより高いリスクが存在するためであるものと考えられる。この液体損失のリスクは、基板が液体損失のより高いリスクに関連付けられた方向に移動している時に、基板を減速させることによって緩和することができる。もちろん、基板を減速させることでスループットも減少する。
[0073] 図7は、基板のエッジに近い2つのターゲット部分の露光間での移送運動についてのいくつかのオプションを示す。図7では、ラインスタイルIからIVによって示される線は、基板に対する液浸空間の重心の動きを示すが、前述のように、ほとんどの場合液浸空間は動かず、基板が移動する。一点鎖線は、液浸空間の重心が横切った場合、基板エッジが液浸空間と接触しなくなる、すなわち、液浸空間が基板から離れて移動することを意味する境界を表す。
[0074] 図7において、IIと標記された点線は、従来の「グリッドプラン」ルートの一部を表し、このルートでは、露光移動E1が完了した後、基板は、次の露光移動E2のために整列するように、その方向にほぼ十分遠くへ移動するまで、同じ方向(例えば、+Y)に移動し続ける。その後、基板支持体はスキャン方向での減速、及び横方向(例えば、+X)での加速を開始するため、湾曲運動又は回転を行う。基板支持体はスキャン方向で0速さに達すると、露光されるべき次のターゲット部分の中心線とほぼ位置合わせされるまで、横方向に直線移動を続行する。この地点で基板支持体は、次のターゲット部分のスキャンされた露光のために、適切な方向に、この例では露光移動E1のスキャン方向とは反対の方向に加速し、横方向に減速する。したがって、基板支持体は、露光されるべき次のターゲット部分の中心線上への別の湾曲運動又は回転を行う。基板支持体は、露光運動E2を開始する前に、短い「準備」運動を行うことができる。準備運動によって、基板支持体をスキャン速さまで加速させること、及び、露光運動が開始される前にその速さを完全に安定させることを可能にする。
[0075] 従来の「グリッドプラン」ルートは、加速及び減速を可能な限り高速にすることによって、スループットに対して最適化されるため、湾曲運動は可能な限り緊密となり、移送運動は可能な限り迅速となる。「グリッドプラン」ルートは速さ制限が可能である。「グリッドプラン」ルートは最高のスループットを提供することができるが、液浸空間の重心が境界を横切り、基板エッジは液浸空間と接触しなくなること、すなわち、液浸空間が基板から離れて移動することがわかる。したがって、「グリッドプラン」ルートは欠陥のリスクが増加したことを表す。
[0076] 基板が液浸空間と接触しなくなることを避けるために、破線ルートIII及び長破線ルートIを使用することができる。破線ルートIIIは、本明細書では「対角」ルートと呼ばれ、基板テーブルが露光運動E2の準備を開始するための位置に到達するまで対角線を辿るように、露光運動E1の終了直後に横方向に即時加速を行うことを含む。長破線ルートIは、本明細書では「長湾曲」ルートと呼ばれ、第1の露光運動の終了後、及び準備運動の前に、より緩やかな湾曲運動が実行されるように、より低速の加速及び減速を含む。対角ルートは基板の中心のより近くを進行するため、液浸空間が基板を離れて移動する機会を低減させるが、対角移動での速さ増加に起因して欠陥のリスクはより高くなる可能性がある。
[0077] 本発明の実施形態において、本明細書では「内側湾曲」ルートと呼ばれる新しいルートが提案される。一例が、図7の実線IVによって示されている。本発明の実施形態において、第1の湾曲運動は、第1の露光運動E1の終了直後に実行される。その後、基板支持体が横方向に、すなわちスキャン方向に対して垂直に移動する、横運動が実行される。第1の横運動は、第2の湾曲運動が、基板を第2の露光運動E2のための正しい線上に運び、移送方向に静止することで終了する。基板テーブルが適切な位置までスキャン方向に移動し、準備運動を伴うか又は伴わずに、第2の露光運動を開始する、第2の横運動が実行される。第1の湾曲運動、第2の湾曲運動、第1の横運動、及び第2の横運動が共に、移送運動を形成する。内側湾曲ルートは、エッジターゲット部分を基板エッジに向かってスキャン方向で露光した後、そのエッジターゲット部分の露光後、可能な限り迅速に基板の内部に向かう湾曲運動又は回転が発生するという制約を適用することにより、ルートジェネレータによって生成可能である。これとは逆に、エッジターゲット部分を基板エッジから遠くへのスキャン方向で露光した後、可能な限り遅く湾曲運動が発生するはずである。
[0078] 第1の湾曲運動は、露光運動の終了直後に、すなわち終了後できる限り迅速に、実行される。露光運動の終了は、デバイス層及び任意の隣接するスクライブラインマークの露光の終了として定義可能である。露光運動の終了は、基板レベルでの投影ビームのターンオフによってマーク付けされる場合がある。投影ビームは、ビーム源を停止することによってすることができる。代替又は追加として、ビームは、パターニングデバイスの照明を制御するマスキングブレイド、例えばREMAブレイドを閉じることによって、基板レベルでターンオフすることができる。基板テーブルがスキャン速さでスキャン方向への移動を続行する、短フォロースルー運動を、露光運動の終了時に提供することができる。フォロースルー運動は、後続の運動の開始が露光運動の終了を妨げないことを保証する。
[0079] 実施形態において、第1の湾曲運動は、露光運動の終了後、露光運動間の移送運動全体を通じて基板が液浸空間と接触したままであることを保証するのに必要な限り迅速に実行される。図7から、それぞれのターゲット部分の位置によって決定される、基板のエッジに対する第1の露光運動の終了位置が、基板が液浸空間との接触を失うことなく、第1の湾曲運動が開始する前にスキャン方向に進行可能な距離を決定することを理解されよう。それにもかかわらず、基板から離れる液浸空間のエリアを最小限にするように、露光運動の終了後、湾曲運動が可能な限り迅速に開始することが望ましい。
[0080] 実施形態において、第1の湾曲運動は、ターゲット部分全体に対して露光運動が行われる時間の1%以内、5%以内、又は10%以内、例えば10ms以内に開始される。実施形態において、第1の湾曲運動は、ターゲット部分全体の長さの1%より長く、5%より長く、又は10%より長く、例えば最高3mmまで、基板が進行する前に開始される。
[0081] 他の環境において、第1の湾曲運動は、次の露光運動E2前の可能な限り遅くに実行される。一般に、第1の湾曲運動のタイミングは、基板が液浸空間との接触を失わないことを保証するように選択される。言い換えれば、基板のエッジは液浸液の下から外へ移動することはない。第1の湾曲運動を可能な限り遅く実行することによって、次のスキャンがサーボ制御システムの確定を可能にする前に、依然としてスキャン方向の一定の速さの運動を可能にする。
[0082] 実施形態において、スキャン方向及び横方向の加速及び減速の期間の開始及び終了は同期される。例えば、横方向の加速はスキャン方向の原則と同時に開始及び終了する。
[0083] 本発明の実施形態において、基板支持体は、第2のポジショナPWによって6自由度、例えば、X、Y、Z、Rx、Ry、Rzで位置決め可能である。自由度Rnは、方向Nに対して平行な軸の周りの回転を示す。本発明のルートは、X−Y平面、すなわち、X及びY方向を含む平面における基板の位置決めのみに関する。他の自由度での動きは、例えば、投影システムの最良フォーカスの基板及び/又は平面の歪みを補償するために、本発明のルートに重ね合わせることができる。
[0084] 第2のポジショナPWは、相対的に長いレンジであるが相対的に低い精度のX及びY方向での動きを実施するロングストロークモジュール、並びに、相対的に短いレンジであるが相対的に高い精度の6自由度すべてでの動きを実施するショートストロークモジュールに、分割することができる。本発明のルートは、ショートストロークモジュールによる補正の動きが重ね合された、ロングストロークモジュールによって実施可能である。
[0085] ロングストロークモジュールは、スキャン方向ドライブ(Yドライブとも呼ばれる)及び横方向ドライブ(Xドライブとも呼ばれる)に分割可能である。実施形態において、Hドライブとして知られる配置においてリニアモータが使用される。実施形態のルートにおいて、「スキャン方向の」と記述される運動は、スキャン方向ドライブのみを活動化することによって実行可能である。同様に、「横方向の」と記述される運動は、横方向ドライブのみを活動化することによって実行可能である。
[0086] 実施形態において、ロングストロークモジュールは、磁石の2次元アレイに対して作用するX及びY方向に対して角度を付けて設定された複数のコイルを有する平面モータを備える。コイルは移動部分(フォーサ)内に提供され得、磁石は固定部分(ステータ)内に提供され得、その逆も可能である。異なる方向の動きは、異なるコイル内の電流の位相を制御することによって制御されるため、異なる方向の動きを実施する責務を負う部分に平面モータを分離することは不可能である。したがって、たとえ1方向のみの運動が実行されている場合であっても、平面モータ全体が活動状態となる。
[0087] 本発明の実施形態において、指定された方向の動きは、指定された方向の5度以内、望ましくは2度の方向の動きを包含するものと見なされるべきである。
[0088] 図8は、基板上のターゲット部分C001からC107までの露光のためのルートR40を示す。ターゲット部分は番号順に露光される。密度の高い網掛けで示されるターゲット部分、例えばC104は、低速で露光されるエッジターゲット部分である。密度の低い網掛けで示されるターゲット部分、例えばC085は、低速であるが、密度の高い網掛けのターゲット部分よりは高速で露光されるエッジターゲット部分である。エッジターゲット部分は露光されるが、露光運動は、エッジターゲット部分の全長ではなく、ターゲット部分の基板と重なる部分のみをカバーする。ルートR40は、スループットを最適化することによって計算されており、長対角運動R41、R42を含む。対角運動R41、R42は、1行の終わりでのターゲット部分の露光と次の始まりでのターゲット部分の露光との間での、移送運動である。対角運動R41は、エッジターゲット部分C104の露光後に発生し、エッジターゲット部分C105の露光のために基板を再位置決めする。対角運動R42は、エッジターゲット部分C003の露光後に発生し、エッジターゲット部分C004の露光のために基板を再位置決めする。
[0089] スループットのために最適化される時、対角運動R41、R42は、基板上への液浸液の損失に起因する欠陥のリスク増加につながる、最大液浸速さよりも高速での動きを含む。基板の動きの速さは、スループット損失につながるこれらの運動の間、制限される必要がある。
[0090] 図9は、図8におけるものと同じターゲット部分の配置を露光するための、本発明の実施形態に従ったルートR50を示す。ルートR50は、以下の制約を適用することによって生成される。
・直線運動は、スキャン(+/−Y)方向又は横(+/−X)方向でなければならない
・直線運動は、湾曲運動によって接合される
・方向に依存する速度制約は適用されない
[0091] したがって、ルートR50は、行の終わりと次の行の始まりとの間の長対角運動を、本質的に、湾曲運動によって接合されたスキャン方向及び横方向での運動からなる、L字型運動R51、R52に置き換えている。ルートR50は、液浸空間からの液体の損失に起因する欠陥のリスクが最小である、最大スループットを提供する。ルートR50において、エッジターゲット部分の露光後の反転運動は一般的な「グリッドプラン」に適合しており、したがって、基板Wが液浸空間との接触を失うことを含み得ることに留意されよう。適合している場合、図7を参照しながら上記で考察したように、基板の内部に向かう湾曲運動又は回転が、エッジターゲット部分の露光後、可能な限り迅速に発生するという、付加的な制約が適用可能である。
[0092] 図10は、本発明に従って制約を適用することによって生成された基板全体を露光するためのルートR60を示す。図9で使用されたものと同じ網掛け規約が適用され、すなわち、密度の高い網掛けはそのターゲット部分についてのより低速な露光速さを示す。
[0093] ルートR60が、1行の終わりでのエッジターゲット部分の露光と次の始まりでのエッジターゲット部分の露光との間の、長い横運動を含むことがわかるであろう。例えば、ターゲット部分C104とターゲット部分C105との間の動きR66を参照されたい。
[0094] ルートR60は、「可能な限り迅速な」横運動のいくつかの例であり、R61はターゲット部分C004とC005との間、R62はターゲット部分C010とC011との間、R63はターゲット部分C012とC013との間、及びR65はターゲット部分C085とC086との間の例である。
[0095] 同じ列内にあるターゲット部分C023とC024との間では、横運動は必要でない。代わりに、ターゲット部分C023の露光後、基板は、ターゲット部分C024の幅全体及びその先にわたって、スキャン方向(+Y)に移動し続ける。その後、基板は、ターゲット部分C024を露光するためにR64で方向を逆転する。
[0096] 上記の制約は、基板と液浸空間との間の接触を含まない、基板支持体の動きにも適用可能である。一例を、図11を参照しながら以下で説明する。
[0097] 基板の露光の前及び/又は後に、投影ビームの測定を行うことがしばしば望ましい。例えば、2つのイメージセンサ、例えば伝送イメージセンサを使用して、基板と投影されたイメージとを位置合わせするために、投影システムの最良フォーカスの平面と基板支持体との間の関係を測定することが可能である。こうした測定を行うために、投影システムの最良フォーカスの平面において第1のイメージセンサ61を位置決めするために基板支持体が移動され、測定が行われる。その後、最良フォーカスの平面において第2のイメージセンサ62を位置決めするために基板支持体が移動され、第2の測定が行われる。第1のイメージセンサ61及び第2のイメージセンサ62は、基板Wの反対側にあるものとし得る。第1のイメージセンサ61と第2のイメージセンサ62との間での移動において、液浸液が基板上に残される可能性を回避するために、液浸空間は基板Wと接触しないことが望ましい。したがって基板支持体WTは、液浸空間が基板Wを周回するように移動されなければならない。
[0098] 図11に示されるように、基板支持体WTは一般に、1つのコーナーがカットされた矩形である。したがって、単純なL字型の動きを使用して第1のイメージセンサ61から第2のイメージセンサ62まで進むことはできない。R70は、液浸空間が基板支持体のエッジを離れるのを回避する第1のルートを示すが、これは結果として液浸空間が基板Wと接触することになる。したがって実施形態では、代替移動R71が使用される。この代替移動は、スキャン方向及び横方向の一連の湾曲運動及び直線運動を有し、したがって高いスループットを維持しながら、上記の制約を満たす。
[0099] 実施形態において、コンピュータプログラムは、歩留まりを最大にするために液体損失の可能性を考慮しながら、スキャンの減速、反転運動の修正、クリーニング運動、及びスキャン方向の変更のうちのいずれか又はすべてを含む、ルーティング命令の最適なセットを計算する。
[0100] 液浸液の損失の予測、付加的なクリーニング運動の生成、及び修正されたルーティング命令の生成は、リソグラフィ装置内に組み込まれた制御システム又はコンピュータによって、あるいは1つ以上の別々のコンピュータによって、実行可能である。これらの方法のステップは、プロダクション露光に先行して、又は露光の間にジャストインタイムで、実行可能である。修正されたルーティング命令は、生成された後、同じレシピで露光されるはずの複数の基板に適用可能である。
[0101] 実施形態において、露光ルートを計算又は実行するための命令は、上記で開示されたような方法を記述する1つ以上の機械可読命令のシーケンスを含む、コンピュータプログラム、又は、こうしたコンピュータプログラムが内部に記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形を取ることができる。コンピュータプログラムは、既存のリソグラフィ装置に対するアップグレードとして適用可能である。
[0102] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0103] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、436nm、405nm、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指す。
[0104] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。
[0105] 1つ以上のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ以上のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するあらゆるコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ以上のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ以上のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作することができる。
[0106] 本明細書において企図されるような液体供給システムは、広義に解釈されるべきである。ある実施形態において、これは、投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間の空間に液浸液を提供する、メカニズム又は構造の組み合わせとすることができる。1つ以上の構造、1つ以上の液体開口を含む1つ以上の流体開口、1つ以上のガス開口、又は2相フローのための1つ以上の開口の、組み合わせを含むことができる。開口は、各々、液浸空間内へのインレット(又は流体ハンドリング構造からのアウトレット)又は液浸空間から外へのアウトレット(又は流体ハンドリング構造内へのインレット)とすることができる。実施形態において、空間の表面は基板及び/又は基板テーブルの一部であり得るか、あるいは、空間の表面は基板及び/又は基板テーブルの表面を完全にカバーし得るか、あるいは、スペースは基板及び/又は基板テーブルをエンベロープし得る。液体供給システムは、任意選択で、位置、量、質、形状、流量、又は液浸液の任意の他の特徴を制御するための、1つ以上の要素をさらに含むことができる。
[0107] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (10)

  1. 基板のターゲット部分上にパターン付ビームを露光するためのリソグラフィ装置であって、
    パターン付ビームを投影するように構成され、最終光学素子を有する、投影システム、
    基板を前記パターン付ビーム内で支持するように構成された、基板支持体、
    前記最終光学素子と前記基板との間の液浸空間に液体を閉じ込めるように構成された、液体閉じ込め構造、
    前記基板支持体及びそれによって前記基板を位置決めするように構成された、位置決めデバイス、及び、
    前記基板支持体がルートを辿るように前記位置決めデバイスを制御するように構成された、コントローラ、
    を備え、前記ルートは、
    その間、前記基板は第1の方向に一定の速さで移動する、第1の露光運動、
    前記第1の露光運動の終了後に実行される移送運動であって、前記基板は移送運動の間前記パターン付ビームにさらされない、移送運動、及び
    その間、前記基板は前記第1の方向に対して平行な方向に一定の速さで移動する、次の第2の露光運動、
    を含み、
    前記移送運動は、
    その間、前記基板は前記第1の方向に垂直な第2の方向に加速し、前記第1の方向に減速する、第1の遷移運動、及びその後、
    その間、前記第1及び第2の方向を含む平面内の前記基板の運動は前記第2の方向のみである、第2の遷移運動、及びその後、
    その間、前記基板は前記第1の方向に加速し、前記第2の方向に減速する、第3の遷移運動、及びその後、
    前記第1及び第2の方向を含む前記平面内の前記基板の動きは前記第1の方向に対して平行のみである、第4の遷移運動、
    を含む、リソグラフィ装置。
  2. 基板のターゲット部分上にパターン付ビームを露光するためのリソグラフィ装置であって、
    パターン付ビームを投影するように構成され、最終光学素子を有する、投影システム、
    基板を前記パターン付ビーム内で支持するように構成された、基板支持体、
    前記最終光学素子と前記基板との間の液浸空間に液体を閉じ込めるように構成された、液体閉じ込め構造、
    前記基板支持体及びそれによって前記基板を位置決めするように構成された、位置決めデバイス、及び、
    前記基板支持体がルートを辿るように前記位置決めデバイスを制御するように構成された、コントローラ、
    を備え、前記ルートは、
    その間、前記基板は第1の方向に一定の速さで移動する、第1の露光運動、
    前記第1の露光運動の終了後に実行される移送運動であって、前記基板は移送運動の間前記パターン付ビームにさらされない、移送運動、及び
    その間、前記基板は前記第1の方向と反対の方向に一定の速さで移動する、次の第2の露光運動、
    を含み、
    前記移送運動は、
    その間、前記基板は前記第1の方向に垂直な第2の方向に加速し、前記第1の方向に減速する、第1の遷移運動、及びその後、
    その間、前記第1及び第2の方向を含む平面内の前記基板の運動は前記第2の方向のみである、第2の遷移運動、及びその後、
    その間、前記基板は前記第1の方向に加速し、前記第2の方向に減速する、第3の遷移運動、及びその後、
    前記第1及び第2の方向を含む前記平面内の前記基板の動きは前記第1の方向に対して平行のみである、第4の遷移運動、
    を含む、リソグラフィ装置。
  3. 前記コントローラは、前記第1の露光運動の終了直後、前記第1の遷移運動を開始するように構成された、請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記コントローラは、前記第1の露光運動の終了後、所定の持続期間内に前記第1の遷移運動を開始するように構成され、前記所定の持続期間は、露光運動がターゲット部分全体を露光するための所要時間の10%未満である、請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記コントローラは、前記基板が前記第1の露光運動の終わりから所定の距離より長く移動する前に、前記第1の遷移運動を開始するように構成され、前記所定の距離は、ターゲット部分全体の長さの10%未満である、請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
  6. 前記コントローラは、前記第1の遷移運動全体を通じて前記基板を湾曲経路内で移動させるように構成され、及び/又は、前記コントローラは、前記第3の遷移運動全体を通じて前記基板を湾曲経路内で移動させるように構成される、請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
  7. 前記湾曲経路に沿って移動する時の前記基板の前記速さは、前記第1又は第2の方向に移動する時の前記基板の前記速さよりも大きい、請求項6に記載のリソグラフィ装置。
  8. 基板のターゲット部分上にパターン付ビームを露光するためのリソグラフィ装置を使用してデバイスを製造する方法であって、前記装置は、
    パターン付ビームを投影するために、最終光学素子を有する投影システムを使用すること、
    基板を前記パターン付ビーム内で支持するために、基板支持体を使用すること、
    前記最終光学素子と前記基板との間の液浸空間に液体を閉じ込めるために、液体閉じ込め構造を使用すること、及び、
    前記基板支持体及びそれによって前記基板を位置決めするために、位置決めデバイスを使用すること、
    を含み、前記方法は、
    その間、前記基板は第1の方向に一定の速さで移動する、第1の露光運動を実行するステップ、
    移送運動を実行する次のステップ、及び
    その間、前記基板は前記第1の方向に対して平行な方向に一定の速さで移動する、第2の露光運動を実行する次のステップ、
    を含み、
    前記移送運動を実行するステップは、
    その間、前記基板は前記第1の方向に垂直な第2の方向に加速し、前記第1の方向に減速する、第1の遷移運動のステップ、
    その間、前記第1及び第2の方向を含む平面内の前記基板の動きは前記第2の方向のみである、第2の遷移運動のステップ、
    その間、前記基板は前記第1の方向に加速し、前記第2の方向に減速する、第3の遷移運動のステップ、及び、
    前記第1及び第2の方向を含む前記平面内の前記基板の動きは前記第1の方向に対して平行のみである、第4の遷移運動のステップ、
    を含む、方法。
  9. 基板のターゲット部分上にパターン付ビームを露光するためのリソグラフィ装置を使用してデバイスを製造する方法であって、前記装置は、
    パターン付ビームを投影するために、最終光学素子を有する投影システムを使用すること、
    基板を前記パターン付ビーム内で支持するために、基板支持体を使用すること、
    前記最終光学素子と前記基板との間の液浸空間に液体を閉じ込めるために、液体閉じ込め構造を使用すること、及び、
    前記基板支持体及びそれによって前記基板を位置決めするために、位置決めデバイスを使用すること、
    を含み、前記方法は、
    その間、前記基板は第1の方向に一定の速さで移動する、第1の露光運動を実行するステップ、
    移送運動を実行する次のステップ、及び
    その間、前記基板は前記第1の方向と反対の方向に一定の速さで移動する、第2の露光運動を実行する次のステップ、
    を含み、
    前記移送運動を実行するステップは、
    その間、前記基板は前記第1の方向に垂直な第2の方向に加速し、前記第1の方向に減速する、第1の遷移運動のステップ、
    その間、前記第1及び第2の方向を含む平面内の前記基板の動きは前記第2の方向のみである、第2の遷移運動のステップ、
    その間、前記基板は前記第1の方向に加速し、前記第2の方向に減速する、第3の遷移運動のステップ、及び、
    前記第1及び第2の方向を含む前記平面内の前記基板の動きは前記第1の方向に対して平行のみである、第4の遷移運動のステップ、
    を含む、方法。
  10. 前記第1の遷移運動全体を通じて、前記基板は湾曲経路内で移動され、及び/又は、前記第3の遷移運動全体を通じて、前記基板は湾曲経路内で移動される、請求項8又は9に記載の方法。
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