以下、図面を参照して本実施形態の一例を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る車両用ワイパ装置の全体を示す払拭面の外側から見た平面図である。
図1に示すように、車両用ワイパ装置10は、略長尺状のワイパアーム12と、該ワイパアーム12の先端に連結され車両の払拭面としてのウインドシールドガラスWGを払拭するワイパブレード14と、を含んで構成されている。また、車両用ワイパ装置10は、ワイパアーム12の先端部付近に設けられた第1メインノズル18及び第2メインノズル20と、ワイパアーム12の中間付近に設けられた第1サブノズル21及び第2サブノズル22と、を噴射部として備えている。
ワイパアーム12は、アームヘッド12A、リテーナ12B、アームピース12C、及びアーム側連結部材12Dを含んで構成されている。アームヘッド12Aは、ワイパアーム12の基端部分を構成し、リテーナ12Bは、ワイパアーム12の長手方向中間部を構成し、アームピース12C及びアーム側連結部材12Dは、ワイパアーム12の先端部分を構成する。
アームヘッド12Aは、略矩形柱状に形成されており、例えばアルミダイキャスト製とされている。このアームヘッド12Aの基端部には、固定部15が形成されており、固定部15には、略円柱形状のピボット軸17の先端部が締結固定されている。このピボット軸17は、車両のフレーム等に固定されたピボットホルダ(図示省略)に回動自在に支持されると共に、リンク機構を介してワイパモータ(図示省略)に連結されている。そして、ワイパモータの駆動力によってピボット軸17が往復回動することで、ワイパアーム12が往復回動し、ワイパアーム12の先端に連結されたワイパブレード14が、下反転位置と上反転位置との間を往復回動するようになっている。また、本実施形態では、下反転位置よりも図1矢印B方向側(車両下側)の車両のエンジンフードとの間にワイパブレード14が隠れる位置が格納位置とされ、払拭動作の停止時には格納位置にワイパブレード14が格納されるようになっている。そのため、ワイパモータは、一方向に連続回転させるものではなく、上反転位置と下反転位置とで回転を逆転させることにより、ワイパブレード14を往復回動する構成とされている。また、ワイパモータは、PWM(パルス幅変調)制御などによって回転数を制御する制御回路を備えた電気モータを使用している。なお、ワイパブレード14が、下反転位置から上反転位置へ向かう図1の矢印A方向が往路回動方向とされており、上反転位置から下反転位置へ向かう図1の矢印B方向が復路回動方向とされている。すなわち、ワイパブレード14の往路から復路への反転位置が上反転位置とされ、復路から往路への反転位置が下反転位置とされている。また、本実施形態では、上述のように格納位置にワイパブレード14を格納するため、ワイパモータを正転及び逆転に駆動する構成例を説明するが、格納位置(停止位置)を下反転位置としてワイパモータを一方向に回転する構成を適用してもよい。
一方、ワイパブレード14は、略長尺状に形成されると共に、ワイパアーム12と長手方向に並んで配置されており、ワイパブレード14の長手方向中央部が、連結レバー19を介してワイパアーム12のアーム側連結部材12Dの先端部に連結されている。これにより、払拭面Sに対して直交する方向から見て、ワイパブレード14が、ワイパアーム12(のアーム側連結部材12Dを除く部分)に対して、往路回動方向側に配置されている。そして、ワイパアーム12の往復回動によってワイパブレード14による往復の払拭動作が行われる。
また、ワイパアーム12に設けられた、第1メインノズル18、第2メインノズル20、第1サブノズル21、及び第2サブノズル22のそれぞれからは、ウォッシャ液が噴射される。
第1メインノズル18及び第1サブノズル21は、ワイパアーム12の往路回動方向側にウォッシャ液を噴射し、第2メインノズル20及び第2サブノズル22は、ワイパアーム12の復路回動方向側にウォッシャ液を噴射する。
また、第1メインノズル18及び第2メインノズル20は、それぞれ複数の噴射孔を備えており、複数の噴射孔からウォッシャ液を噴射するようになっている。本実施形態では、第1メインノズル18及び第2メインノズル20はそれぞれ3つの噴射孔を備えており、図2に示すように、ワイパアーム12の回動方向と交わる方向にそれぞれの噴射孔からウォッシャ液を噴射する。
一方、第1サブノズル21及び第2サブノズル22は、第1メインノズル18及び第2メインノズル20よりもピボット軸17側に設けられ、該第1サブノズル21及び第2サブノズル22に設けられる噴射孔からワイパアーム12の回動方向と交わる方向にウォッシャ液を噴射する。
なお、本実施形態では、後述するウォッシャスイッチ36(図3参照)が操作されてウォッシャ液を噴射する場合には、ワイパアーム12の往路回動時には、第1メインノズル18及び第1サブノズル21からワイパブレード14の往路回動側へウォッシャ液を噴射する。一方、ワイパアーム12の復路回動時には、第2メインノズル20及び第2サブノズル22からワイパブレード14の復路回動側へウォッシャ液を噴射するようになっている。この時、往路回動方向へ回動して上反転位置に到達する直前、及び復路回動方向へ回動して下反転位置に到達する直前の各々の予め定めた位置でウォッシャ液の噴射を停止する。そして、各反転位置で噴射するノズル(第1メインノズル18と第2メインノズル20及び第1サブノズル21と第2サブノズル22)を切り替えて噴射を再開することにより、無駄なウォッシャ液の噴射を防止するようになっている。
図3は、本実施形態に係る車両用ワイパ装置10を制御する制御装置50の構成を示すブロック図である。
制御装置50は、ワイパモータ32、第1ウォッシャポンプ34、第2ウォッシャポンプ35、及び制御部としてのコントローラ30を備えている。
ワイパモータ32は、駆動されることによりワイパアーム12を往復回動させる。また、第1ウォッシャポンプ34は、第1メインノズル18及び第1サブノズル21へウォッシャ液を圧送することにより、第1メインノズル18に設けられた各々の噴射孔及び第1サブノズル21の各々からウォッシャ液を噴射させる。また、第2ウォッシャポンプ35は、第2メインノズル20及び第2サブノズル22へウォッシャ液を圧送することにより、第2メインノズル20に設けられた各々の噴射孔及び第2サブノズル22の各々からウォッシャ液を噴射させる。ワイパモータ32、第1ウォッシャポンプ34、及び第2ウォッシャポンプ35は、それぞれコントローラ30に接続されており、コントローラ30によって各々の駆動が制御される。
また、コントローラ30には、車両側に設けられたウォッシャスイッチ36、ワイパスイッチ38、視界阻害物解除モードスイッチ40、及び車両用ECU(Electronic Control Unit)42が更に接続されている。
ウォッシャスイッチ36は、ウォッシャ液を噴射させるための指示を行うスイッチであり、乗員によってウォッシャスイッチ36が操作された場合に操作結果がコントローラ30に入力される。
本実施形態では、ウォッシャスイッチ36が乗員によって操作されてウォッシャ液の噴射が指示された場合、ウォッシャスイッチ36の操作結果がコントローラ30に入力される。ウォッシャスイッチ36の操作結果がコントローラ30に入力されると、コントローラ30では、ウォッシャスイッチ36の操作結果に基づいて、ウォッシャポンプ34を直ちに駆動してウォッシャ液を所定量噴射させてから、ワイパモータ32の駆動を開始する。すなわち、ウォッシャスイッチ36が操作された場合には、ウォッシャ液の噴射とワイパブレード14による払拭動作とを連動して行うようにコントローラ30がワイパモータ32及びウォッシャポンプ34を制御する。
ワイパスイッチ38は、ワイパブレード14による払拭動作を開始させるための指示を行うスイッチであり、乗員によってワイパスイッチ38が操作された場合に操作結果がコントローラ30に入力される。ワイパスイッチ38は、ワイパブレード14による払拭動作の速度を複数の速度で動作させる指示が可能とされている。ワイパスイッチ38の操作結果がコントローラ30に入力されると、コントローラ30では、ワイパスイッチ38の操作結果に基づいて、指示された速度でワイパモータ32を駆動してワイパブレード14による払拭動作を開始する。なお、本実施形態では、ワイパスイッチ38を操作した場合のワイパブレード14による払拭動作の速度は、間欠動作、低速、中速、及び高速の4種類の速度を有するものを一例として説明する。
視界阻害物解除モードスイッチ40は、視界阻害物としてウインドシールドガラスWGの表面に付着した汚れ等の視界阻害物を取り除くために行う予め定めた視界阻害物解除動作の指示を行うためのスイッチである。視界阻害物解除動作は、ウォッシャ液の噴射とワイパブレード14による払拭動作とを予め定めた組み合わせで行う。本実施形態では、ワイパブレード14の払拭動作及びウォッシャ液の噴射の各々指示とは区別して視界阻害物解除指示を行うために、ウォッシャスイッチ36やワイパスイッチ38とは別個に、専用のスイッチとして設けている。乗員によって視界阻害物解除モードスイッチ40が操作された場合に操作結果がコントローラ30に入力される。コントローラ30では、視界阻害物解除モードスイッチ40の操作結果に基づいて、予め定めた視界阻害物解除動作を行うよう、第1ウォッシャポンプ34、第2ウォッシャポンプ35、及びワイパモータ32の駆動を制御する。
車両用ECU42は、車両の各種情報を取得するためにコントローラ30に接続され、本実施形態では、車両用ECU42から車両が停止していることを検出するための情報をコントローラ30が取得可能とされている。例えば、コントローラ30が、車両のトランスミッションのシフトポジションの検出結果、車速の検出結果、加速度の検出結果等を車両が停止していることを検出するための表す情報として車両用ECU42から取得する。そして、本実施形態では、コントローラ30が、停車状態であることを検出した場合に、上述の視界阻害解除動作を行うように制御するようになっている。
ここで、視界阻害物解除モードスイッチ40を操作することによって行われる上述の視界阻害物解除動作について詳細に説明する。
本実施形態では、停車状態で視界阻害物解除モードスイッチ40が操作された場合に、上述したように、ウォッシャ液の噴射とワイパブレード14による払拭動作とを組み合わせた視界阻害物解除動作を行う。
具体的には、視界阻害物解除モードスイッチ40が操作された場合に、コントローラ30が、車両用ECU42から各種情報(トランスミッションのシフトポジション、車速及び加速度を含む)を取得することにより、停車状態であるか否かを検出する。そして、停車状態を検出した場合に、ワイパブレード14による往復の払拭動作とウォッシャ液の噴射とを組み合わせた予め定めた動作を行うようにコントローラ30が、ワイパモータ32、第1ウォッシャポンプ34、及び第2ウォッシャポンプ35を制御する。
詳細には、初期動作として、ワイパブレード14の一往復の払拭動作を行いながら、図2に示すように、ワイパアーム12の往路回動方向側及び復路回動方向側の双方へウォッシャ液を噴射する。すなわち、ワイパブレードの進行方向及び進行方向と反対方向の双方向にウォッシャ液を噴射しながらワイパブレード14による一往復の払拭動作を行う。なお、初期動作開始時のウォッシャ液の噴射開始タイミングは、往路方向側(第1メインノズル18及び第1サブノズル21)については、払拭動作開始と同時でもよいが、払拭動作を開始する前にウォッシャ液を噴射開始することで、払拭動作をスムーズに行うことができる。一方、復路方向側(第2メインノズル20及び第2サブノズル22)については、払拭動作の開始後または開始してから所定時間経過後にウォッシャ液を噴射開始することで、払拭範囲外(カウル等)に無駄にウォッシャ液を噴射することを防止することができる。なお、初期動作を実行せずに後述する第1動作を行ってもよい。
次に、ワイパブレード14による初期動作の一往復の払拭動作が終了すると、図4(A)に示すように、第1動作として、往路回動方向側へのウォッシャ液の噴射を停止して復路回動方向側へウォッシャ液の噴射を行いながら、ワイパブレード14の往路回動方向への払拭動作を行う。換言すると、第1メインノズル18及び第1サブノズル21からのウォッシャ液の噴射を停止して第2メインノズル20及び第2サブノズル22からのウォッシャ液の噴射を行いながら、ワイパブレード14の往路回動方向への払拭動作を行う。また、ワイパブレード14が上反転位置まで移動すると反転して復路回動方向への払拭動作に切り替わる。復路回動方向への払拭動作は、図4(B)に示すように、復路回動方向側へのウォッシャ液の噴射を停止して往路回動方向側へウォッシャ液の噴射を行いながら、ワイパブレード14の復路回動方向への払拭動作を行う。換言すると、第2メインノズル20及び第2サブノズル22からのウォッシャ液の噴射を停止して第1メインノズル18及び第1サブノズル21からのウォッシャ液の噴射を行いながら、ワイパブレード14の復路回動方向への払拭動作を行う。すなわち、第1動作として、ワイパブレード14の進行方向と反対側へウォッシャ液を噴射しながらワイパブレード14による一往復の払拭動作を行う。なお、第1動作において各反転位置から払拭動作を行う際には、払拭動作を開始後または払拭動作を開始して所定時間経過後にウォッシャ液を噴射開始することで、払拭範囲外に無駄にウォッシャ液を噴射することを防止することができる。
続いて、第1動作が終了すると、第2の動作として、ウォッシャ液の噴射を停止し、ワイパブレード14による一往復の払拭動作を行うことで、ウインドシールドガラスWGを拭上げて一連の動作を終了する。
なお、視界阻害物解除動作を行う際のワイパブレード14の払拭速度は、雨天時にワイパスイッチ38が操作された時の払拭速度よりも遅い速度で払拭動作を行うようにコントローラ30がワイパモータ32を制御してもよい。払拭速度を雨天時より遅い速度にすることで視界阻害物の除去性能を向上できる。
また、本実施形態では、ウォッシャ液の噴射方向がワイパアーム12の回動方向(ワイパブレード14の進行方向)と交わる方向に噴射するので、噴射圧を変化させることで、ウインドシールドガラスWGに均一にウォッシャ液を行き渡らせることができる。例えば、図5(A)に示すように、ワイパアーム12の払拭動作を行いながら、ワイパアーム12の回動方向(図5(A)における往路回動方向)と反対側へウォッシャ液を噴射する際に噴射圧を変化させることで、ウォッシャ液の噴射軌跡(ウォッシャ液の着水点を繋いだ跡)が蛇行する。これにより、ウォッシャ液をウインドシールドガラスWG全面に均一に噴射することができる。この時の噴射圧は、例えば、駆動電圧を制御することで、図5(B)に示すように周期的に変化する。具体的には、図6(A)に示すように、初期動作のワイパアーム12の一往復の払拭動作の際に、図5(B)、(C)に示すように、第1ウォッシャポンプ34及び第2ウォッシャポンプ35の各々の駆動デューティを周期的に変化させることで、ウォッシャ液の圧力を変化させてウォッシャ液を噴射する。これにより、ワイパアーム12の回動に応じてウォッシャ液の噴射軌跡が蛇行して、ウインドシールドガラスWGに均一に噴射できる。続いて、第1動作のワイパアーム12の往復の払拭動作では、ワイパアーム12の回動方向のウォッシャ液の噴射は停止して、回動方向と反対側のウォッシャポンプの駆動デューティを周期的に変化させる。これにより、図5(A)に示すように、ワイパアーム12の回動方向と反対側にウォッシャ液を蛇行させて噴射できる。そして、第2動作のワイパアーム12の最後の一往復は、ウォッシャポンプへの電圧の印加は停止してワイパブレード14による払拭動作を行う。
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る車両用ワイパ装置10のコントローラ30で行われる具体的な処理について説明する。図7は、本実施形態に係る車両用ワイパ装置10のコントローラ30で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図7の処理は、視界阻害物解除モードスイッチ40が操作された場合に開始するが、これに限るものではない。例えば、カメラ等の撮影装置によって撮影された撮影画像からウインドシールドガラスWGの視界阻害物を検出した場合に開始してもよい。すなわち、視界阻害物解除モードスイッチ40の操作信号及び視界阻害物の検出信号の少なくとも一方の信号を含む予め定めた信号を検出した場合に開始する。
ステップ100では、コントローラ30が、車両が停車状態であるか否かを判定する。該判定は、コントローラ30が、車両用ECU42からシフトポジションの検出結果や、車速の検出結果、加速度の検出結果等などの車両情報を取得し、取得した車両情報から車両が停車状態であるか否かを判定する。該判定が否定された場合には視界阻害物解除動作を行うことなく処理を終了し、肯定された場合にはステップ102へ移行する。すなわち、本実施形態では、車両が停車状態である場合に以降の処理を行うことで視界阻害物解除動作が行われる。
ステップ102では、コントローラ30が、ワイパブレード14による払拭動作を開始して、往路方向側及び復路方向側の双方へウォッシャ液を噴射するように制御してステップ104へ移行する。すなわち、コントローラ30が、ワイパモータ32、第1ウォッシャポンプ34、及び第2ウォッシャポンプ35を駆動するように制御する。これにより払拭動作を行いながら第1ウォッシャポンプ34により第1メインノズル18及び第1サブノズル21からウォッシャ液が噴射され、第2ウォッシャポンプ35により第2メインノズル20及び第2サブノズル22からウォッシャ液が噴射される。この時、第1ウォッシャポンプ34及び第2ウォッシャポンプ35を制御する際には、印加電圧のデューティ比を周期的に変更する等により、噴射圧力を変化させてウォッシャ液を噴射する。具体的には、コントローラ30が、ワイパモータ32を駆動しながら、第1ウォッシャポンプ34に図6(C)に示す電圧を印加し、第2ウォッシャポンプ35に図6(B)に示す電圧を印加するように制御する。これにより、ウォッシャ液の噴射軌跡が蛇行してウインドシールドガラスWG前面に均一に噴射でき、汚れ等の視界阻害物を効率的に除去できる。
ステップ104では、コントローラ30が、ワイパアーム12の回動が一往復終了したか否か判定する。該判定は、ワイパモータ32に設けられた回転軸の位置を検出するセンサ等の検出結果に基づいて初期動作が終了したか否かを判定する。そして、該判定が肯定されるまで、払拭動作及びウォッシャ液の噴射を継続した後にステップ106へ移行する。
ステップ106では、コントローラ30が、往路方向側のウォッシャ液の噴射を停止し、復路方向側へウォッシャ液を噴射しながら往路方向の払拭動作を行うように制御してステップ108へ移行する。すなわち、コントローラ30が、ワイパモータ32を駆動しながら、図6(C)に示すように第1ウォッシャポンプ34への電圧印加を停止し、第2ウォッシャポンプ35に図6(B)に示す電圧を印加するように制御する。これにより、往路の払拭動作時にワイパブレード14の進行方向と反対側にウォッシャ液を噴射し、噴射軌跡を蛇行させることができる。
ステップ108では、コントローラ30が、ワイパアーム12の先端に連結されたワイパブレード14が上反転位置まで回動したか否かを判定する。該判定は、ワイパモータ32に設けられた回転軸の位置を検出するセンサ等の検出結果に基づいて判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ110へ移行する。
ステップ110では、コントローラ30が、ウォッシャ液の噴射方向を往路方向側に切り替えて復路方向側の払拭動作を行うように制御してステップ112へ移行する。すなわち、コントローラ30が、ワイパモータ32を駆動しながら、図6(B)に示すように第2ウォッシャポンプ35への電圧印加を停止し、第1ウォッシャポンプ34に図6(C)に示す電圧を印加するように制御する。これにより、復路の払拭動作についてもワイパブレード14の進行方向と反対側にウォッシャ液を噴射し、噴射軌跡を蛇行させることができる。
ステップ112では、コントローラ30が、ワイパアーム12の先端に連結されたワイパブレード14が下反転位置まで回動したか否かを判定する。該判定は、ワイパモータ32に設けられた回転軸の位置を検出するセンサ等の検出結果に基づいて第1動作が終了したか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ114へ移行する。このように、ワイパブレード14による払拭動作を行いながら、ワイパアーム12の進行方向と反対側にウォッシャ液を噴射することで、汚れ等の視界阻害物の除去にウォッシャ液を有効に寄与させることができる。
ステップ114では、コントローラ30が、ウォッシャ液の噴射を停止して払拭動作を行うように制御してステップ116へ移行する。すなわち、コントローラ30が、第1ウォッシャポンプ34及び第2ウォッシャポンプ35への電圧印加を停止し、ワイパモータ32の駆動は継続するように制御する。
ステップ116では、コントローラ30が、ワイパアーム12の回動が一往復終了したか否か判定する。該判定は、ワイパモータ32に設けられた回転軸の位置を検出するセンサ等の検出結果に基づいて第2動作が終了したか否かを判定し、該判定が肯定されるまで、ウォッシャ液の噴射を行うことなく払拭動作を継続した後にステップ118へ移行する。すなわち、ウォッシャ液の噴射を行うことなく一往復の払拭動作を行うことで、ウインドシールドガラスWGに噴射したウォッシャ液を拭上げることができる。なお、本実施形態では、第2動作としてウォッシャ液を噴射することなくウォッシャ液の拭上げ動作を行うようにしたが、ワイパブレード14の進行方向側へウォッシャ液を噴射しながら払拭動作を行うことで拭上げ動作を行うようにしてもよい。
ステップ118では、コントローラ30が、払拭動作を停止するように、ワイパモータ32を制御して一連の視界阻害物解除動作を終了する。
このように、本実施形態では、払拭動作を行いながら、少なくともワイパブレード14の進行方向と逆方向にウォッシャ液を噴射するので、噴射されたウォッシャ液が直ぐに除去されることなくウォッシャ液を視界阻害物に有効に寄与させることができる。これによって、汚れ等の視界阻害物の除去性能を向上させることができる。
なお、上記の実施形態では、視界阻害物解除動作として、図6(A)〜(C)に示すように、ワイパアーム12の回動に応じてウォッシャ液の噴射を制御するようにしたが、視界阻害物解除動作はこれに限るものではない。例えば、上記の実施形態の第1動作を省略して初期動作及び第2動作を行う形態としてもよい。或いは、上記の実施形態の第1動作を初期動作と同様の動作とした形態としてもよい。或いは、ワイパブレード14の往路回動方向の払拭動作は復路回動側へウォッシャ液を噴射し、ワイパブレード14の復路回動方向の払拭動作は復路回動側へウォッシャ液を噴射またはウォッシャ液を噴射しないようにした一往復の払拭動作を適用してもよい。或いは、図8(A)〜(C)に示すように制御してもよい。すなわち、図8(A)〜(C)では、初期動作の往路回動方向の払拭動作は第1ウォッシャポンプ34及び第2ウォッシャポンプ35を駆動してワイパアーム12の往路回動方向側及び復路回動方向側の双方へウォッシャ液を噴射する。そして、初期動作の復路回動方向への払拭動作は、第1ウォッシャポンプ34のみを駆動してワイパブレード14の進行方向と反対側へウォッシャ液を噴射しながら払拭動作を行う。以降は上記の実施形態と同様に制御する。
また、上記の実施形態では、初期動作、第1動作、及び第2動作をそれぞれ一往復の払拭動作としたが、それぞれ一往復の払拭動作に限るものではなく、例えば、複数回往復の払拭動作としてもよい。
また、上記の実施形態では、ワイパアーム12の回動方向と交わる方向にウォッシャ液を噴射する構成とし、ウォッシャポンプの噴射圧を変化させることで、ウォッシャ液の噴射軌跡を蛇行させるようにしたが、これに限るものではない。例えば、ウォッシャ液を噴射するノズルの噴射角度を種々のアクチュエータ等を駆動することで変更可能とし、ワイパアーム12の回動に応じてウォッシャノズルの噴射角度を変更するようにアクチュエータを駆動することで噴射軌跡を蛇行させてもよい。
また、上記の実施形態では、視界阻害物解除動作時のウォッシャ液の噴射軌跡を蛇行させる例を説明したが、噴射軌跡の蛇行させる動作は、視界阻害物解除動作時に限るものではない。例えば、ウォッシャスイッチ36が操作されて、ワイパブレード14による払拭動作と、ワイパブレード14の進行方向へのウォッシャ液の噴射とを行う際に、ウォッシャ液の噴射圧力を変更して、図9(A)に示すように、噴射軌跡を蛇行させてもよい。具体的には、図10(A)〜(C)に示すように、ワイパブレード14の往路の払拭動作の際に、図10(C)に示す電圧を第1ウォッシャポンプ34に印加して、復路の払拭動作の際に、図10(B)に示す電圧を第2ウォッシャポンプ35に印加する。これにより、ウォッシャ液の噴射軌跡を蛇行させない場合には、図9(B)に示すように、すじ状のトラック軌跡となるが、噴射圧力を変更して蛇行させることで、ウォッシャ液を払拭面に均一に行き渡らせることができる。
また、上記の実施形態は、ワイパブレード14による払拭範囲を変更可能な構成を更に備えるようにしてもよい。例えば、図11に示す車両用ワイパ装置11の構成を適用してもよい。図11は、ワイパブレード14による払拭範囲を変更可能な車両用ワイパ装置11の構成を示す図である。なお、上記の実施形態と同一構成については同一符号を付して説明する。また、図11では、第1メインノズル18、第2メインノズル20、第1サブノズル21、及び第2サブノズル22は省略して示す。また、図11は、右ハンドル車の場合を示しているので、車両の右側(図11の左側)が運転席側、車両の左側(図11の右側)が助手席側である。車両が左ハンドル車の場合には、車両の左側(図11の右側)が運転席側、車両の右側(図11の左側)が助手席側になる。また、車両が左ハンドル車の場合には、車両用ワイパ装置11の構成が左右反対になる。以下、払拭範囲の変更が可能な車両用ワイパ装置11の構成について簡単に説明する。
図11の例の車両用ワイパ装置11では、一対のワイパアーム12と、該ワイパアーム12の先端に連結されるワイパブレード14と、第1ワイパモータ32Aと、変更部としての第2ワイパモータ32Bと、コントローラ30と、を含んで構成されている。
第1ワイパモータ32Aは、出力軸が所定の回転角度の範囲で正回転及び逆回転することにより、一対のワイパアーム12の各々をウインドシールドガラスWG上で往復動作させる。例えば、第1ワイパモータ32Aが正回転した場合に、ワイパアーム12の先端に連結されたワイパブレード14が下反転位置から上反転位置を払拭するように動作する。また、第1ワイパモータ32Aが逆回転した場合には、ワイパアーム12の先端に連結されたワイパブレード14が上反転位置から下反転位置を払拭するように動作する。
第2ワイパモータ32Bは、助手席側のワイパアーム12を見かけ上伸縮させる駆動源であり、第2ワイパモータ32Bを駆動することにより、払拭範囲を払拭範囲Z1、Z2に変更可能とされている。
払拭範囲を変更するための具体的な機構としては、例えば、助手席側のワイパアーム12に略平行四辺形状のリンク機構52を設ける。リンク機構52は、第1駆動レバー54、第2駆動レバー56、従動レバー58及びアームヘッド12Aにより略平行四辺形状のリンク機構52を構成する。
第1駆動レバー54は、第1ワイパモータ32Aの回動に連動して一端側に設けられた回転軸54Aの軸線を中心に図12(A)、(B)の矢印A方向に回動する。第1駆動レバー54の他端側は従動レバー58の一端側に回動可能に接続されている。従動レバー58の他端側はアームヘッド12Aの車両下端側に回動可能に接続されている。
また、第2駆動レバー56は、第2ワイパモータ32Bの回動に連動して回転軸54Aの軸線を中心に図12(A)、(B)の矢印B方向に回動する。第2駆動レバー56の一端側はアームヘッド12Aに回動可能に接続されている。
すなわち、第1ワイパモータ32Aの回動によって、第2駆動レバー56とアームヘッド12Aの接続部分を回動中心としてリンク機構52によりワイパアーム12が往復回動する。そして、第2ワイパモータ32Bを駆動することにより、第2駆動レバー56が回動してワイパアーム12の往復回動の回転中心(第2駆動レバー56とアームヘッド12Aの接続部分)が移動してワイパアーム12が見かけ上伸縮する。例えば、図12(A)では、第1駆動レバー54の回転角度が角度αで第2駆動レバー56の回転角度が角度βの時の状態を示し、図12(B)は、第1駆動レバー54の回転角度が角度αで第2駆動レバー56の回転角度が角度γの時の状態を示す。図12(A)、(B)の点線で示すように、第2駆動レバー56を回動させることでワイパアーム12を見かけ上伸縮できる。そこで、図13(A)、(B)に示すように、第1ワイパモータ32Aの回転角度(第1駆動レバー54の位置)に応じて第2ワイパモータ32Bの回転角度(第2駆動レバー56の位置)を変更することで、払拭範囲Z1、Z2に変更することが可能となる。なお、第1ワイパモータ32A(第1駆動レバー54)の回動と第2ワイパモータ32B(第2駆動レバー56)の回動とは切り離されており、第1駆動レバー54の回動と第2駆動レバー56の回動とがお互いに影響をあたえることがない構成となっている。詳説すると、第1駆動レバー54の一端は、第1ワイパモータ32Aの回動によって回動する回転軸(図示せず)に固定されており、第2駆動レバー56の他端は、第2ワイパモータ32Bの回動によって回動する回転軸(図示せず)に固定されている。なお、回転軸同士は同軸上にあり、一方の回転軸の回動が他方の回転軸の回動に影響しないように構成されている。
なお、上記の実施形態では、2つのウォッシャポンプ(第1ウォッシャポンプ34及び第2ウォッシャポンプ35)によって、ワイパアーム12の往路回動方向側及び復路回動方向側にウォッシャ液を噴射する形態を説明したが、これに限るものではない。例えば、単一のウォッシャポンプを用いてウォッシャ液の経路を切り替える等の機構により、ワイパアーム12の往路回動方向側及び復路回動方向側の各々にウォッシャ液を噴射可能な形態としてもよい。
また、上記の実施形態では、第1メインノズル18、第2メインノズル20、第1サブノズル21、及び第2サブノズル22をワイパアーム12に設ける構成としたが、これに限るものではない。例えば、何れかのノズル(第1メインノズル18、第2メインノズル20、第1サブノズル21及び第2サブノズル22)または全てのノズルをワイパブレード14に設けてもよいし、ワイパアーム12とワイパブレード14の双方に設けてもよい。
また、上記の実施形態では、下反転位置よりも車両下側の格納位置にワイパブレード14を移動する構成のワイパ装置を一例として説明したが、格納位置と下反転位置が同じ位置の構成のワイパ装置を適用してもよい。
また、上記の実施形態では、第1メインノズル18及び第2メインノズル20は、それぞれ3つの噴射孔を備えているとしたが、これに限定されることはない。例えば、それぞれ2つ備えてもよいし、4つ以上備えてもよい。
また、上記の実施形態では、第1サブノズル21及び第2サブノズル22を有するとしたが、これに限定されることはなく、第1サブノズル21及び第2サブノズル22がない構成でもよい。
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。