JP6679672B2 - 指標算出システム - Google Patents

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Description

本発明は、健康リスクに係る評価指標を算出するための指標算出システムに関する。
従来、建物の省エネ性能を明確にすることが可能な暖冷房負荷削減の指標値の算出システムについて知られている。
例えば特許文献1に記載の技術においては、太陽の光や風を時期に応じて屋内空間に取り入れることができるように建物を設計し、設計段階の建物における暖冷房負荷とQ値(熱損失係数)から当該建物の熱負荷を算出し、省エネ効果を数値化することができる。
また、例えば室温が上昇すると血圧が低下する傾向が見られる、といったように、建物の性能や室内環境は、健康に大きな影響を与える場合がある(非特許文献1参照。)。
特開2014−191582号公報 報道発表資料「住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査の中間報告(第2回)」[online]、平成30年1月25日、国土交通省ホームページ、[平成30年6月27日検索]、インターネット〈URL:http://www.mlit.go.jp/report/press/house07_hh_000185.html〉
ところで、近年では、ZEH(Net Zero Energy House)における一次エネルギー消費計算の基準など、建物・設備のエネルギー性能の評価手法は整備されてきている。一方で、建物に居住する居住者の健康リスクについては数値化されておらず、健康リスクに対する効果が見えにくいため、建物の設計者や購入予定者を始めとするユーザにとっては評価しにくいものとなっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、設計された建物における健康リスクを指標化し、ユーザによる評価を容易にする指標算出システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、設計された建物に、どの程度の健康リスクがあるかを評価する場合の指標を算出するための指標算出システムであって、
前記建物の温熱に係る二次データを算出するための一次データを入力する一次データ入力手段(例えば、第一各種情報入力欄20、第二各種情報入力欄21、気象データ取得プログラム6d)と、
前記一次データ入力手段によって入力された前記一次データから前記二次データを算出する二次データ算出手段(例えば、二次データ算出プログラム6a)と、
前記一次データから算出された前記二次データのうち、前記建物内の特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データを、所定の期間分、健康リスクの目安となる比較対象温度と比較し、その温度差を三次データとして算出する三次データ算出手段(例えば、三次データ算出プログラム6b)と、
前記三次データに基づいて評価値を算出する評価値算出手段(例えば、評価値算出プログラム6c)と、
前記評価値を、前記建物における健康リスクを評価する場合の第一指標(例えば、レーダーチャート表示欄32、指標レベル表示欄33)として表示する表示手段(例えば、表示部4)と、を備えており、
前記一次データには、
各種指示を入力するための入力部3を通して入力された前記建物のスペックに関する情報や周囲の環境に関する情報と、
記憶部6に予め記憶された、又は外部から取得した気象データと、
記憶部6に予め記憶された内部発熱スケジュールデータ及び設備機器稼動スケジュールデータと、が含まれており、
前記表示手段は、前記第一指標と、前記建物が比較仕様で設計された場合における三次データの評価値と、を比較表示することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、建物内の特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データを、所定の期間分、健康リスクの目安となる比較対象温度と比較し、その温度差を三次データとして算出し、三次データに基づいて算出された評価値を、表示手段によって、建物における健康リスクを評価する場合の第一指標として表示するので、建物内の特定の場面における特定の部屋において、健康リスクの目安となる比較対象温度との温度差がどれだけあるかを確認できることとなる。これによって、設計された建物における健康リスクを指標化することができ、ユーザは、当該建物における健康リスクを容易に評価することができる。
また、表示手段は、第一指標と、建物が比較仕様で設計された場合における三次データの評価値と、を比較表示するので、ユーザは、比較仕様で設計された場合の建物との性能の差を容易に評価することができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の指標算出システムにおいて、
前記評価値算出手段は、所定の期間分の前記三次データを積算して積算値を算出し、当該積算値を前記評価値としていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、評価値算出手段は、所定の期間分の三次データを積算して積算値を算出し、当該積算値を評価値としているので、健康リスクの目安となる比較対象温度との温度差が所定の期間においてどれだけあるかを総量的な観点で確認できることとなる。そのため、ユーザは、当該建物における健康リスクを容易に評価することができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の指標算出システムにおいて、
前記評価値算出手段は、所定の期間分の前記三次データを平均化して平均値を算出し、当該平均値を前記評価値としていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、評価値算出手段は、所定の期間分の三次データを平均化して平均値を算出し、当該平均値を評価値としているので、健康リスクの目安となる比較対象温度との温度差が所定の期間においてどれだけあるか平均的な観点で確認できることとなる。そのため、ユーザは、当該建物における健康リスクを容易に評価することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の指標算出システムにおいて、
前記評価値算出手段は、所定の期間分の前記三次データのうち、前記比較対象温度との温度差が最も大きい三次データを抽出し、抽出された当該三次データを前記評価値としていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、評価値算出手段は、所定の期間分の三次データのうち、比較対象温度との温度差が最も大きい三次データを抽出し、抽出された当該三次データを評価値としているので、所定の期間において、健康リスクの目安となる比較対象温度との温度差における最大値を確認できることとなる。そのため、ユーザは、当該建物における健康リスクを容易に評価することができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
前記特定の場面は、起床時、入浴時、就寝時であり、
前記特定の部屋には、起床時、入浴時、就寝時の各場面に対応した複数の部屋がそれぞれ含まれており、
前記各場面における前記三次データは、前記複数の部屋の温度に係る前記二次データに基づいて、前記三次データ算出手段によって算出されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、特定の場面は、起床時、入浴時、就寝時であり、特定の部屋には、起床時、入浴時、就寝時の各場面に対応した複数の部屋がそれぞれ含まれており、各場面における三次データは、複数の部屋の温度に係る二次データに基づいて、三次データ算出手段によって算出されるので、起床時における健康リスク、入浴時における健康リスク、就寝時における健康リスクを指標化することができ、ユーザは、各場面における健康リスクを容易に評価することができる。
請求項6に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
冬季における前記比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる冬季の基準温度が含まれており、
前記三次データは、前記冬季の基準温度から前記特定の場面における前記特定の部屋の温度に係る二次データを差し引いた1℃単位の数値であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、冬季における比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる冬季の基準温度が含まれており、三次データは、冬季の基準温度から特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データを差し引いた1℃単位の数値であることから、冬季における健康リスクを指標化することができ、ユーザは、冬季における健康リスクを容易に評価することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
夏季における前記比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる夏季の基準温度が含まれており、
前記三次データは、前記特定の場面における前記特定の部屋の温度に係る二次データから前記夏季の基準温度を差し引いた1℃単位の数値であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、夏季における比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる夏季の基準温度が含まれており、三次データは、特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データから夏季の基準温度を差し引いた1℃単位の数値であることから、夏季における健康リスクを指標化することができ、ユーザは、夏季における健康リスクを容易に評価することができる。
請求項に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項1〜のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
前記表示手段は、前記第一指標を、前記特定の場面ごとの評価と、前記特定の部屋ごとの評価に分けて表示することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、表示手段は、第一指標を、特定の場面ごとの評価と、特定の部屋ごとの評価に分けて表示するので、ユーザは、各場面、各部屋の健康リスクを容易に評価することができる。
請求項に記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、請求項1〜のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
前記一次データにはポイントが振り分けられており、
前記一次データに振り分けられた前記ポイントを加算するポイント加算手段を更に備え、
前記表示手段は、前記ポイント加算手段によってポイントを加算した結果を、前記建物における健康リスクを評価する場合の第二指標として表示することを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、表示手段は、ポイント加算手段によってポイントを加算した結果を、建物における健康リスクを評価する場合の第二指標として表示するので、ユーザは、第一指標とは異なる指標に基づいて建物の性能を評価することができる。すなわち、建物の設計プランにおける性能を評価するに当たって二つの指標を用いることができるので、ユーザにとって建物の設計プランにおける評価を行いやすくなる。
請求項10に記載の発明は、例えば図1に示すように、請求項に記載の指標算出システムにおいて、
前記表示手段は、前記第二指標と、前記建物が比較仕様で設計された場合における前記一次データのポイントを加算した結果と、を比較表示することを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、表示手段は、第二指標と、建物が比較仕様で設計された場合における一次データのポイントを加算した結果と、を比較表示するので、ユーザは、比較仕様で設計された場合の建物との性能の差を容易に評価することができる。
本発明によれば、設計された建物における健康リスクを指標化し、ユーザによる評価を容易にすることができる。
建物の設計による健康リスクを評価するための評価表を示す図である。 指標算出システムの構成を示すブロック図である。 建物情報が入力される各種情報入力欄を示す図である。 建物情報が入力される各種情報入力欄を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
本実施形態の指標算出システムは、建物の設計によって、どの程度の健康リスクがあるかを評価する場合の指標(第一指標、第二指標)を算出するためのものであり、図1に示すように、建物の設計プランによる健康リスクに関する情報が表示された複数の欄31〜35を有する評価表30を、建物の設計者や建物の購入予定者等のユーザに提示することができる。すなわち、図1には、健康リスクに係る第一指標(レーダーチャート表示欄32、指標レベル表示欄33)及び第二指標(総合評価表示欄31)について示されている。
そして、このように第一指標及び第二指標を算出できると、建物の設計段階において、ユーザが、当該建物の設計プランにおける健康リスクを評価することができるので、建物の販売者が使用する営業ツールとして使用したり、必要に応じて適宜設計変更を行ったりすることができる。つまり、本実施形態における指標算出システムは、設計段階(提案仕様)の建物の性能をシミュレートし、その結果(評価表30)をユーザに提示しようとするものである。
指標算出システムによって評価される建物は、新築やリフォーム(本実施形態においてはリフォーム)を行う際の設計段階で各種断熱仕様などの提案がなされ、その提案が採用された状態を想定した建物となっている。
設計される建物に、どの程度の健康リスクがあるかを評価する場合の指標(第一指標、第二指標)を算出する指標算出システムは、一次データ入力手段と、二次データ算出手段と、三次データ算出手段と、評価値算出手段と、表示手段と、ポイント加算手段と、気象データ取得手段と、補正手段と、を備える。
このような指標算出システムは、汎用のコンピューターを利用した指標算出装置1によって構成されている。そして、指標算出システムにおける各種手段は、図2に示すように、指標算出装置1が備える制御部2と、入力部3と、表示部4と、通信部5と、記憶部6と、当該記憶部6に記憶される各種データ、各種プログラムと、を適宜協働させることによって実行可能となっている。
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、指標算出システム用の各種処理プログラムに従って各種動作を行う。すなわち、当該制御部2による制御に基づいて、指標算出システムを構成する各種手段を実行することができる。
入力部3は、指標算出装置1に対して各種指示を入力するためのものである。具体的には、文字、数値等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成される操作部を備えている。制御部2は、入力部3から出力され入力された操作信号に従って所定の動作を各部に実行させる。
表示部4は、例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネル等によって構成されており、指標算出システムによって作成される評価表30を表示する。
また、入力部3によって各種指示を入力する場合には、この表示部4に、入力部3の入力に必要な情報などが表示される。
通信部5は、モデムやルーター等によって構成され、インターネットを始めとする各種のネットワークNを通じて外部と信号の送受信を行うようになっている。本実施形態では、外部の気象情報データベース7にアクセスすることができる。
記憶部6は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記録媒体によって構成されており、評価表30の作成に必要な各種データや各種プログラムを記憶する。
評価表30の作成に必要な各種データは、記憶部6に予め記憶されているものと、システム内に入力されるものと、があり、例えば、建物の熱負荷データを算出するための建物情報(図3,図4参照)などが挙げられる。
評価表30の作成に必要な各種プログラムとは、上述の指標算出システムを構成する各種手段を実行するために必要なプログラムである。このような各種プログラムとしては、図2に示すように、二次データ算出プログラム6a、三次データ算出プログラム6b、評価値算出プログラム6c、気象データ取得プログラム6d、ポイント加算プログラム6eが挙げられる。
一次データ入力手段は、建物の温熱に係る二次データを算出するための一次データを入力する手段である。当該一次データ入力手段における“入力”は、システム内に一次データを取り込む行為の全般を指しており、特に限定されるものではない。すなわち、一次データの入力には、一次データを記憶部6に予め記憶させておくこと、外部から一次データを取得すること、入力部3を通して一次データを入力すること等が含まれているものとする。そして、記憶部6に予め記憶された一次データ、外部から取得した一次データ、入力部3を通して入力された一次データによって、建物の二次データ(後述する)を算出することができる。
図3,図4に示すように、一次データは、建物の設計時に提示される各種情報入力欄20,21に必要事項を入力することによって、建物に係る情報が記憶部6に蓄積されることとなる。このように蓄積された一次データは、二次データ算出手段によって用いられ、二次データが算出される。
また、この一次データ入力手段には、特定期間の単位時間ごとの気象データを取得する気象データ取得手段が含まれている。気象データは、一次データに含まれるものであり、予め記憶部6に記憶されていてもよいし、気象データ取得手段によって外部から取得してもよい。
図3に示す第一各種情報入力欄20に入力された各種の情報や数値は、建物のスペック(大きさなど)や周囲の環境との関係を表すものであり、一次データに含まれる。
「建物方位」の項目は、開口面積が最も広い開口が形成された建物の壁面がどちらの方角を向いているかを指しており、本実施形態においては、南向きが選択されている。
「LDK床面積」の項目は、1階床面積のうち、リビングとダイニングとキッチンの機能を一室に併存させたLDK室が占める床面積を示している。すなわち、図示例においては、1階床面積が60平方メートルとされ、LDK室が30平方メートルとされているので、1階床面積のうち半分がLDK室とされている。なお、LDK室は、居住者が普段いる場所であり、所謂「居室」である。
また、1階床面積の中には、指標算出システムによって評価される1階寝室と浴室とが含まれている。その他、玄関や廊下、トイレ等は、非居室とされている。
「寝室床面積」の項目は、2階床面積のうち、指標算出システムによって評価される寝室が占める面積を示している。すなわち、図示例においては、2階床面積が48平方メートルとされ、評価対象の寝室が30平方メートルとされている。なお、評価対象の寝室は、一部屋だけとは限らず、複数である場合も含まれており、複数の寝室であっても、まとめて表示される。また、寝室も、LDK室と同様に居室に含まれるものであり、例えば、廊下やトイレ等は、非居室とされている。
その他の項目に関しても、適宜、選択又は情報入力が可能となっている。
なお、本実施形態においては、リフォーム時に指標算出システムによって評価される建物であるため、第一各種情報入力欄20に入力された情報や数値は、リフォーム前とリフォーム後で変化がないため、1回の入力で済む。一方、建物の新築時においては、現在居住している建物の分と、新築建物の分の2回の入力が必要となる。
第一各種情報入力欄20には、「計算」ボタン20aが表示されており、入力部3を通じて押下できるようになっている。そして、「計算」ボタン20aを押下することにより、第一各種情報入力欄20の各項目に入力した情報や数値を、一次データとしてシステムに反映させることができるようになっている。
図4に示す第二各種情報入力欄21に入力された情報は、各種断熱仕様を表すものであり、一次データに含まれる。
各種断熱仕様としては、建物の1階と2階の、壁や床、天井に設けられる断熱材の種類や、各部屋における断熱サッシの種類、建物内における換気システムの種類等がある。
この第二各種情報入力欄21は、比較対象となるリフォーム前の建物の各種断熱仕様と、ユーザに提案される提案仕様の建物の各種断熱仕様とが併記される。比較対象となる建物における各種断熱仕様は建築当時(図示例では1980年)のものとなっている。
第二各種情報入力欄21には、「提案仕様クリア」ボタン21aと、「LDKの仕様を他室に反映」ボタン21bと、「計算」ボタン21cと、が表示されており、入力部3を通じて押下できるようになっている。
そして、「提案仕様クリア」ボタン21aを押下することにより、第二各種情報入力欄21の各項目に入力した情報のうち、ユーザに提案される提案仕様の各種断熱仕様に係る情報をクリアすることができる。なお、このボタン21aを押下しても、現在仕様の各種断熱仕様に係る情報はクリアされずに残る。
「LDKの仕様を他室に反映」ボタン21bを押下することにより、「LDK」の項目に入力された情報を、他の部屋の各項目に反映させることができる。すなわち、「LDK」の項目における「外壁」の各種断熱仕様が、「寝室」や「非居室」の項目における「外壁」の各種断熱仕様としても入力されることとなる。
「計算」ボタン21aを押下することにより、第二各種情報入力欄21の各項目に入力した情報を、一次データとしてシステムに反映させることができるようになっている。
また、第二各種情報入力欄21における、比較対象となるリフォーム前の建物の各種断熱仕様が表示された「現在仕様」の欄は、建築年(図示例では1980年)を切り替えることで、その年における代表的な各種断熱仕様が自動的に表示されるように設定されている。すなわち、図4に示す例においては、1980年における代表的な各種断熱仕様が表示されている。
さらに、その年における代表的な各種断熱仕様を自動的に表示した後で、項目ごとに、各種断熱仕様の種類を切り替えられるようになっている。なお、各種断熱仕様の各項目は、プルダウンリストが表示可能に構成されており、ユーザは、そのプルダウンリストの中から適宜選択できるようになっている。なお、プルダウンリストに表示される各種断熱仕様の種類も、建築年ごとに切り替わるようにしてもよい。
一次データには、上述のように、建物のスペックに関する情報や周囲の環境に関する情報と、気象データと、内部発熱スケジュールデータと、設備機器稼動スケジュールデータと、が含まれており、更に、当該一次データにはポイントが振り分けられている。
一次データにおける設備機器稼動スケジュールデータは、後述する三次データに含まれる単位時間ごとの温度データを、空調機を始めとする冷暖房の稼動状況に応じて補正する補正手段に利用される。温度データを算出するに当たって空調機等の稼動が想定されている時間が予め設定されており、そのような時間における温度データは、設備機器稼動スケジュールデータに基づいて補正手段によって、所定の基準温度に該当するように補正される。
補正手段は、制御部2と、設備機器稼動スケジュールデータと、図示しない補正プログラムとの協働により、温度データの補正を行うことができる。
ポイント加算手段は、一次データに振り分けられたポイントを加算するものであり、表示部4は、ポイント加算手段によってポイントを加算した結果を、建物における健康リスクを評価する場合の第二指標として表示することができる。
ポイント加算手段は、上述のように建物情報に振り分けられたポイントを加算するための手段であり、制御部2とポイント加算プログラム6eとの協働により、建物情報に振り分けられたポイントを加算することができる。
ポイント加算手段によって建物情報に係るポイントを加算した結果は、記憶部6に蓄積されることとなる。このように蓄積されたポイント加算結果は、表示手段によって用いられ、第二指標を表示するために用いられる。
なお、上述の気象データを取得する気象データ取得手段は、特定期間の単位時間ごとの気象データを取得するための手段であり、制御部2と通信部5と気象データ取得プログラム6dとの協働により、ネットワークNを通じて、外部の気象情報データベース7から気象データを取得することができる。
気象データには、建物が建築される地域における特定期間の単位時間ごとのデータ(気温、日射量等)と、地域特有のデータ(主風向等)と、が含まれている。
主風向等の地域特有のデータが含まれていると、当該データを使用することで、建物の設計に活かすことができる。すなわち、地域特有の風向き等を考慮して建物の設計を行うことができるので、換気効率の向上を図ることができる。
なお、この気象データ取得手段における特定期間とは、過去における一定範囲の期間であり、例えば一年間である。一年間である場合、少なくとも季節ごとの気象データを取得できるので好ましい。さらに、単位時間とは、特定期間の気象データを取得する場合の基準となる時間の単位であり、例えば一時間である。
以上のような一次データから、建物の温熱に係る二次データを算出することができる。換言すれば、本実施形態における指標算出システムは、二次データ算出手段を備えているものとする。すなわち、記憶部6には、二次データ算出プログラム6aが記憶されており、制御部2の協働により、二次データを算出することができるようになっている。
このような二次データには、冷暖房負荷データと、温熱環境物理要素データと、が含まれている。温熱環境物理要素データは、空気温度、放射温度、気流、湿度に関するデータ及びこれらのデータを算出するために用いられる面積や気積に関するデータである
なお、一次データを入力した時点で、寝室、居室(LDK室)、浴室、非居室の特定はできているため、二次データを算出する際には、特定の部屋ごとに二次データを算出することができる。
三次データ算出手段は、建物の温熱に係る二次データのうち、建物内の特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データを、所定の期間分、健康リスクの目安となる比較対象温度と比較し、その温度差を三次データとして算出するための手段であり、制御部2と三次データ算出プログラム6bとの協働により、三次データを導き出すことができる。すなわち、三次データは、二次データと比較対象温度との減算により導き出されるものである。また、三次データ算出手段により、特定の場面を特定することができるようになっている。なお、三次データを算出する場合、本実施形態においては、1℃単位で算出するものとして説明するが、これに限られるものではなく、小数(1より小さい数)単位で算出してもよいものとする。
ここで、本実施形態における特定の場面は、起床時、入浴時、就寝時とされている。起床時の時間帯は、平日が6時とされ、休日が7時とされている。入浴時の時間帯は、平日が21時とされ、休日が17時とされている。就寝時の時間帯は、平日と休日、共に23時とされている。
なお、各場面の時間帯は、ユーザの任意で選択・決定されるものでもよく、その場合は、入力部3からシステムに登録する形で予め設定しておくことができる。
なお、比較対象温度には、冬季における比較対象温度、夏季における比較対象温度、特定の場面又は特定の部屋における比較対象温度、が含まれており、いずれかの比較対象温度を適宜選択して三次データを導き出すものとする。
冬季における比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる冬季の基準温度が含まれている。冬季の基準温度は、18℃とされており、特定の場面における特定の部屋の温度が18℃未満である場合に、例えば血圧が上昇するなどの健康リスクがあると判断される。冬季においては、基準温度よりも低いほど健康リスクは高まるとされている。したがって、冬季における三次データは、冬季の基準温度から特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データを差し引いた1℃単位の数値であり、1℃単位の数値が高いほど、健康リスクは高まる。
図1の例においては、後述する指標レベル表示欄33(図1の「場面ごとの評価一覧」の欄)に示すNo.1,2,3,5,6の項目が、冬季における基準温度18℃を比較対象温度としている。
夏季における比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる夏季の基準温度が含まれている。夏季の基準温度は、31℃とされており、特定の場面における特定の部屋の温度が31℃を超える場合に、例えば熱中症などの健康リスクがあると判断される。夏季においては、基準温度よりも高いほど健康リスクは高まるとされている。したがって、夏季における三次データは、特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データから夏季の基準温度を差し引いた1℃単位の数値であり、1℃単位の数値が高いほど、健康リスクは高まる。
なお、夏場の基準温度は、本実施形態においては31℃とされているが、これに限られるものではなく、熱中症などの健康リスクの発生が想定される温度(例えば、熱中症のリスクが高まる24℃以上の温度で任意の温度)であればよいものとする。
特定の場面又は特定の部屋における比較対象温度は、例えば所謂ヒートショックを考慮したものが挙げられる。すなわち、特定の場面は入浴時であり、特定の部屋は浴室であり、その場合の比較対象温度は、同時間帯の居室(LDK室又は寝室)の温度とされている。入浴時においては、浴室と居室との温度差が大きいほどヒートショックのリスクは高まるとされている。したがって、入浴時における三次データは、入浴時における居室の温度から、入浴時における浴室の温度を差し引いた1℃単位の数値であり、1℃単位の数値が高いほど、健康リスクは高まる。
図1の例においては、後述する指標レベル表示欄33(図1の「場面ごとの評価一覧」の欄)に示すNo.4の項目が、居室(LDK室)の温度を比較対象温度としている。
評価値算出手段は、三次データに基づいて評価値を算出するための手段であり、制御部2と評価値算出プログラム6cとの協働により、評価値を導き出すことができる。
評価値算出プログラム6cには、評価値を算出するための複数のパターンが含まれており、それぞれ異なる手法で評価値を算出できるようになっている。
評価値算出プログラム6cにおける第一パターンは、所定の期間分の三次データを積算して積算値を算出する手法であり、当該積算値を評価値とすることができる。
例えば、冬季(本実施形態においては12月1日〜3月31日:所定の期間)において、特定の場面(起床時、入浴時、就寝時)で、特定の部屋(居室、寝室、浴室、非居室)の温度(二次データ)が18℃未満となる場合に、その温度と冬季の基準温度との温度差(三次データ)を1℃単位で算出する。そして、第一パターンにおいては、算出された三次データを積算して積算値を算出し、その積算値を、第一指標となる評価値としている。
本実施形態では、後述する指標レベル表示欄33(図1の「場面ごとの評価一覧」の欄)において、この第一パターンによって評価値を導き出している。
なお、冬季の基準温度18℃未満とならない場合は、温度差(三次データ)を算出しないものとする。また、夏季の場合は30℃以下の場合は、温度差(三次データ)を算出しないものとする。
評価値算出プログラム6cにおける第二パターンは、所定の期間分の三次データを平均化して平均値を算出する手法であり、当該平均値を評価値とすることができる。
例えば、冬季(本実施形態においては12月1日〜3月31日:所定の期間)において、特定の場面(起床時、入浴時、就寝時)で、特定の部屋(居室、寝室、浴室、非居室)の温度(二次データ)が18℃未満となる場合に、その温度と冬季の基準温度との温度差(三次データ)を1℃単位で算出する。そして、第二パターンにおいては、算出された三次データを平均化して平均値を算出し、その平均値を、第一指標となる評価値としている。
なお、冬季の基準温度18℃未満とならない場合は、温度差(三次データ)を算出しないものとする。また、夏季の場合は30℃以下の場合は、温度差(三次データ)を算出しないものとする。
評価値算出プログラム6cにおける第三パターンは、所定の期間分の三次データのうち、比較対象温度との温度差が最も大きい三次データを抽出する手法であり、抽出された当該三次データを評価値とすることができる。
例えば、冬季(本実施形態においては12月1日〜3月31日:所定の期間)において、特定の場面(起床時、入浴時、就寝時)で、特定の部屋(居室、寝室、浴室、非居室)の温度(二次データ)が18℃未満となる場合に、その温度と冬季の基準温度との温度差(三次データ)を1℃単位で算出する。そして、第三パターンにおいては、算出された三次データのうち、18℃との温度差が最も大きい三次データを抽出し、抽出された当該三次データを、第一指標となる評価値としている。
なお、冬季の基準温度18℃未満とならない場合は、温度差(三次データ)を算出しないものとする。また、夏季の場合は30℃以下の場合は、温度差(三次データ)を算出しないものとする。
各パターンの選択は、入力部3からシステムに登録する形で予め設定しておくことができる。なお、本実施形態においては、特定の場面における特定の部屋の、6つの第一指標を表示部4に表示することができるが、6つの第一指標の全てについて、第一パターン、第二パターン、第三パターンのうちいずれか一つのパターンで評価値が導き出されるものとしてもよいし、6つの第一指標それぞれが異なるパターンで評価値が導き出されるものとしてもよい。
表示手段は、上述の評価値算出手段によって算出された評価値を、建物の健康リスクを評価する場合の第一指標として表示するための手段であり、制御部2と表示部4との協働により、第一指標を表示部4に表示することができる。また、表示手段は、ポイント加算手段によってポイントが振り分けられた一次データに基づいて導き出される第二指標も表示することができる。
なお、表示部4に表示される第一指標は、図1に示すように、所定の期間分である。所定の期間とは夏季又は冬季であり、夏季と冬季の表示の切り替えは入力部3の入力によって行うことができる。
以上のような指標算出システムによれば、第一指標として、設計中(提案仕様)の建物プランが、どの程度の健康リスクがあるかを評価する場合の具体的な数値を算出することができることとなる。同様の手法によって、設計中の建物プランだけでなく、比較仕様(現在仕様)で設計された建物の健康リスクについても算出することができる。したがって、設計中の建物プランにおける健康リスクに係る数値と、比較仕様で設計された建物における健康リスクに係る数値とを、夏季と冬季の分、表示手段によって比較表示することが可能となっている。また、第二指標として、設計中(提案仕様)の建物プランの総合評価と、比較仕様で設計された建物(現在仕様)における総合評価とを、表示手段によって比較表示することが可能となっている。
つまり、以上のような指標算出システムによれば、建物をリフォームした場合(新築した場合)の各種断熱仕様を始めとする性能をシミュレートすることができ、さらに、比較仕様の建物と比較して確認することができる。
[評価表の説明]
次に、表示手段によって表示部4に表示される評価表30について説明する。
評価表30は、図1に示すように、総合評価表示欄31、レーダーチャート表示欄32と、指標レベル表示欄33と、室温推移予想表示欄34と、年間冷暖房コスト予想表示欄35と、を備える。
総合評価表示欄31は、図3,図4に示す各種情報入力欄20,21において選択又は情報入力された事項に基づいて作成される第二指標を表示する欄であり、設計中の建物における総合評価と、比較対象の建物における総合評価と、が表示される。
本実施形態においては、「★(塗りつぶし有)」と「☆(塗りつぶし無)」によって総合評価を表しており、「★」の数によって5段階評価している。したがって、ユーザは、「★」の数が多ければ断熱性能が高いと一目で確認することができるようになっている。図1の例においては、現在仕様は「★」が3つなのに対し、提案仕様は「★」が5つになっているため、提案仕様の建物(リフォームが完了した後の建物)の方が断熱性能が高いことが一目で確認することができる。
なお、「★」の数は、図3,図4に示す各種情報入力欄20,21において選択又は情報入力された事項に基づいて増減する。要するに、断熱性能の高い断熱仕様を選択すれば「★」の数は増え、断熱性能の低い断熱仕様を選択すれば「★」の数は減る。
レーダーチャート表示欄32は、図3,図4に示す各種情報入力欄20,21に入力された各種の情報や数値に基づいて算出された特定の場面における特定の部屋の第一指標を表示する欄である。
このレーダーチャート表示欄32では、第一指標が、レーダーチャートによって表示されており、しかも、特定の場面と、特定の部屋とに分けられて表示されている。すなわち、レーダーチャート表示欄32において、第一指標は、特定の場面ごとの評価と、特定の部屋ごとの評価に分けられて表示されている。
さらに、このレーダーチャート表示欄32では、現在仕様の建物における評価値も併せて表示されている(図示例では破線のレーダーチャート)。そのため、提案仕様の建物と、比較対象となる現在仕様の建物とを比較表示できるようになっている。
図1に示す例では、提案仕様の建物における評価値(第一指標)が、特定の場面においても、特定の部屋においても高く、かつバランスが良いことが一目で確認することができる。つまり、健康リスクが低いことを一目で確認することができる。
指標レベル表示欄33は、特定の場面における特定の部屋の第一指標が並べて表示され、各第一指標が、健康リスクとして、どの程度のレベルにあるかを表示する欄である。レベルは5段階(レベル0を除く)に設定されており、レベル0は、無断熱であることを意味し、レベル5は、新築ZEHの住宅に適用される程度のハイスペックな断熱であることを意味している。つまり、レベル5に近づくほど、建物の断熱性能が高く、健康リスクが低いことを意味している。
本実施形態においては、全ての場面における全ての部屋でレベル5に近い状態となっており、健康リスクが低いことを一目で確認できるようになっている。すなわち、図1においては実線で描かれた「△」が提案仕様の建物における評価値を表しており、実線で描かれた全ての「△」が、レベル5付近にある状態となっている。
さらに、この指標レベル表示欄33では、現在仕様の建物における評価値も併せて表示されている(図示例では破線で描かれた「△」)。そのため、提案仕様の建物と、比較対象となる現在仕様の建物とを比較表示できるようになっている。なお、現在仕様の建物における評価値を表す「△(破線)」は、レベル3付近にある状態となっている。
図1に示す例では、提案仕様の建物における評価値(第一指標)が、特定の場面においても、特定の部屋においても高く、しかも、それを数値で確認できるようになっている。つまり、健康リスクが低いことを一目で確認することができる。
室温推移予想表示欄34は、入力された一次データから算出される居室(LDK室)の代表的な寒い日(本実施形態においては、2月10日)の室温推移予想を折れ線グラフで表示する欄である。この室温推移予想表示欄34における折れ線グラフでは、0時に20℃でエアコンを切った場合の、朝6時までの室温変化を表している。
室温推移予想表示欄34中の最も下に位置する実線の折れ線は外気温を示しており、最も上に位置する実線の折れ線は提案仕様の建物の場合を示し、その下側に位置する破線の折れ線は現在仕様の建物の場合を示している。すなわち、提案仕様の建物は断熱性能が高いため、現在仕様の建物に比して、室内の温度が下がりにくいことを一目で確認できるようになっている。
なお、代表的な寒い日は、指標算出システムによるシミュレーションによって導き出されるものであり、年間を通じて最も寒い日が、当該代表的な寒い日として表示されるものとする。
年間冷暖房コスト予想表示欄35は、入力された一次データから算出される年間冷暖房コスト予想を横棒グラフで表示する欄である。この年間冷暖房コスト予想表示欄35における横棒グラフでは、冷房COP(Coefficient Of Performance):5.0、暖房COP:2.5、顕熱比:0.7、電力単価27円/kWhとして計算した場合の冷暖房コストを表している。
年間冷暖房コスト予想表示欄35中における上側の横棒グラフは、現在仕様の建物の場合を示し、下側の横棒グラフは、提案仕様の建物の場合を示している。すなわち、提案仕様の建物は断熱性能が高いため、現在仕様の建物に比して、年間の冷暖房コストが低く済むことを一目で確認できるようになっている。
以上のような評価表30によれば、ユーザは、第一指標及び第二指標とその詳細に係る情報について一目で確認することができる。また、比較対象となる現在仕様の建物と比較して確認することができる。
評価表30は、表示手段によって表示部4に表示されるだけでなく、図示しないプリンター等によって出力して確認できるようにしてもよい。
[三次データ算出手段の説明]
年間の毎時の室温と冷暖房負荷は以下のように計算する。なお、以下の説明は、建物に配設された部屋のうち、1つの部屋(例えば居室:LDK室)を対象としたものである。
室温は、その室における熱収支式を解くことで算出する。時別の熱収支式は下式である。
室が保持する熱量差=熱貫流量+換気による熱の移動量+窓からの日射取得熱量+内部発熱量+空調機による熱量(冷暖房負荷)・・・(式1)
室外界との熱のやり取りは、建物構成要素である壁、床、天井、窓等における熱の対流や伝導により行われる「熱貫流」、換気装置や窓を介して流入する外部風による圧力差や室内外温度差の圧力差による空気の移流により行われる「換気」、窓などの透明部位からの「日射取得」がある。また、室内で発生する内部発熱には、在室者、家電、照明等による発熱がある。
<熱貫流量>
熱貫流量は、一次データに基づいて設定された各部位の熱貫流率(二次データ)と、熱貫流部位の面積(二次データ)、室内外温度差(二次データ)を掛け合わせることで計算する。
なお、室内外温度差は、一次データに含まれる気象データに基づく外気温と、仮定した室内温度との差である。
<換気による熱の移動量>
換気による熱の移動量については、一次データに基づいて設定された換気用窓(換気システム)の組み合わせや主風向のデータから計算対象室における換気回数(一次データから求められる二次データ)を求め、その換気回数と一次データに基づいて設定された室の気積(二次データ)、空気容積比熱(二次データ)、内外温度差(二次データ)を掛け合わせることで計算する。
<窓からの日射取得熱量>
窓からの日射取得熱量については、一次データに基づいて設定された窓の日射熱取得率(二次データ)、窓面積(二次データ)、気象データから得られる壁面日射量(二次データ)を掛け合わせることで計算する。
<内部発熱量>
内部発熱量については、内部発熱スケジュールデータ(一次データ)から、在室者、家電、照明等からの発熱量を抽出し、積算して算出した内部発熱量(内部発熱データ)は、二次データである。
<空調機による熱量>
空調機による熱量(冷暖房負荷)は、二次データであり、上述の冷暖房負荷データに該当する。設備機器稼動スケジュールデータにおいて空調機器がオフの場合は0(ゼロ)である。空調がオンの場合については後述する。
室が保持する熱量差は、下式で表される。
室が保持する熱量差=現時刻室温と前時刻室温の差×室の熱容量・・・(式2)
<室の熱容量>
室の熱容量は、室を構成する部材の容積比熱と、建物の面積等の情報から計算される二次データである。
建物の面積等の情報は、建物における各部位(外壁、床、天井)の仕様ごとに異なる予め記憶部6に記憶された係数(一次データ)から一次データに基づいて設定された係数と各部位の面積(二次データ)とを掛け算して計算する。
上記の式1と式2を各室ごとに立てると、複数の室による連立方程式が得られる。この連立方程式をガウス・ザイデル法などの連立一次方程式の解法(陰解法)により、毎時の各室の室温を得ることができる。
設備機器稼動スケジュールデータにおいて空調機器がオンの場合は、いったん室温を未知数、空調機器による熱量を0(ゼロ)として計算を行って室温を算出する。
その結果、設定温度に達しなかった場合は、空調機器による熱量を未知数、室温を設定温度として再計算する。その結果、毎時の空調機器による熱量(冷暖房負荷)を得る。
空調機による熱量(冷暖房負荷)は、暖房の場合はプラス値になり、冷房の場合はマイナス値になる。
以上のような本実施の形態によれば、建物内の特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データを、所定の期間分、健康リスクの目安となる比較対象温度と比較し、その温度差を三次データとして1℃単位で算出し、三次データに基づいて算出された評価値を、表示手段によって、建物における健康リスクを評価する場合の第一指標として表示するので、建物内の特定の場面における特定の部屋において、健康リスクの目安となる比較対象温度との温度差がどれだけあるかを確認できることとなる。これによって、建物の仕様及び設計プランにおける健康リスクを指標化することができ、ユーザは、当該建物における健康リスクを容易に評価することができる。
また、評価値算出手段は、所定の期間分の三次データを積算して積算値を算出し、当該積算値を評価値としているので、健康リスクの目安となる比較対象温度との温度差が所定の期間においてどれだけあるかを総量的な観点で確認できることとなる。そのため、ユーザは、当該建物における健康リスクを容易に評価することができる。
また、評価値算出手段は、所定の期間分の三次データを平均化して平均値を算出し、当該平均値を評価値としているので、健康リスクの目安となる比較対象温度との温度差が所定の期間においてどれだけあるか平均的な観点で確認できることとなる。そのため、ユーザは、当該建物における健康リスクを容易に評価することができる。
また、評価値算出手段は、所定の期間分の三次データのうち、比較対象温度との温度差が最も大きい三次データを抽出し、抽出された当該三次データを評価値としているので、所定の期間において、健康リスクの目安となる比較対象温度との温度差における最大値を確認できることとなる。そのため、ユーザは、当該建物における健康リスクを容易に評価することができる。
また、特定の場面は、起床時、入浴時、就寝時であり、特定の部屋には、起床時、入浴時、就寝時の各場面に対応した複数の部屋がそれぞれ含まれており、各場面における三次データは、複数の部屋の温度に係る二次データに基づいて、三次データ算出手段によって算出されるので、起床時における健康リスク、入浴時における健康リスク、就寝時における健康リスクを指標化することができ、ユーザは、各場面における健康リスクを容易に評価することができる。
また、冬季における比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる冬季の基準温度が含まれており、三次データは、冬季の基準温度から特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データを差し引いた1℃単位の数値であることから、冬季における健康リスクを指標化することができ、ユーザは、冬季における健康リスクを容易に評価することができる。
また、夏季における比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる夏季の基準温度が含まれており、三次データは、特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データから夏季の基準温度を差し引いた1℃単位の数値であることから、夏季における健康リスクを指標化することができ、ユーザは、夏季における健康リスクを容易に評価することができる。
また、表示手段は、第一指標と、建物が比較仕様で設計された場合における三次データの評価値と、を比較表示するので、ユーザは、比較仕様で設計された場合の建物との性能の差を容易に評価することができる。
また、表示手段は、第一指標を、特定の場面ごとの評価と、特定の部屋ごとの評価に分けて表示するので、ユーザは、各場面、各部屋の健康リスクを容易に評価することができる。
また、表示手段は、ポイント加算手段によってポイントを加算した結果を、建物における健康リスクを評価する場合の第二指標として表示するので、ユーザは、第一指標とは異なる指標に基づいて建物の性能を評価することができる。すなわち、建物の設計プランにおける性能を評価するに当たって二つの指標を用いることができるので、ユーザにとって建物の設計プランにおける評価を行いやすくなる。
また、表示手段は、第二指標と、建物が比較仕様で設計された場合における一次データのポイントを加算した結果と、を比較表示するので、ユーザは、比較仕様で設計された場合の建物との性能の差を容易に評価することができる。
1 指標算出装置
2 制御部
3 入力部
4 表示部
5 通信部
6 記憶部
6a 二次データ算出プログラム
6b 三次データ算出プログラム
6c 評価値算出プログラム
6d 気象データ取得プログラム
6e ポイント加算プログラム
7 気象情報データベース
20 第一各種情報入力欄
21 第二各種情報入力欄
30 評価表
31 総合評価表示欄
32 レーダーチャート表示欄
33 指標レベル表示欄
34 室温推移予想表示欄
35 年間冷暖房コスト予想表示欄

Claims (10)

  1. 設計された建物に、どの程度の健康リスクがあるかを評価する場合の指標を算出するための指標算出システムであって、
    前記建物の温熱に係る二次データを算出するための一次データを入力する一次データ入力手段と、
    前記一次データ入力手段によって入力された前記一次データから前記二次データを算出する二次データ算出手段と、
    前記一次データから算出された前記二次データのうち、前記建物内の特定の場面における特定の部屋の温度に係る二次データを、所定の期間分、健康リスクの目安となる比較対象温度と比較し、その温度差を三次データとして算出する三次データ算出手段と、
    前記三次データに基づいて評価値を算出する評価値算出手段と、
    前記評価値を、前記建物における健康リスクを評価する場合の第一指標として表示する表示手段と、を備えており、
    前記一次データには、
    各種指示を入力するための入力部を通して入力された前記建物のスペックに関する情報や周囲の環境に関する情報と、
    記憶部に予め記憶された、又は外部から取得した気象データと、
    記憶部に予め記憶された内部発熱スケジュールデータ及び設備機器稼動スケジュールデータと、が含まれており、
    前記表示手段は、前記第一指標と、前記建物が比較仕様で設計された場合における三次データの評価値と、を比較表示することを特徴とする指標算出システム。
  2. 請求項1に記載の指標算出システムにおいて、
    前記評価値算出手段は、所定の期間分の前記三次データを積算して積算値を算出し、当該積算値を前記評価値としていることを特徴とする指標算出システム。
  3. 請求項1に記載の指標算出システムにおいて、
    前記評価値算出手段は、所定の期間分の前記三次データを平均化して平均値を算出し、当該平均値を前記評価値としていることを特徴とする指標算出システム。
  4. 請求項1に記載の指標算出システムにおいて、
    前記評価値算出手段は、所定の期間分の前記三次データのうち、前記比較対象温度との温度差が最も大きい三次データを抽出し、抽出された当該三次データを前記評価値としていることを特徴とする指標算出システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
    前記特定の場面は、起床時、入浴時、就寝時であり、
    前記特定の部屋には、起床時、入浴時、就寝時の各場面に対応した複数の部屋がそれぞれ含まれており、
    前記各場面における前記三次データは、前記複数の部屋の温度に係る前記二次データに基づいて、前記三次データ算出手段によって算出されることを特徴とする指標算出システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
    冬季における前記比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる冬季の基準温度が含まれており、
    前記三次データは、前記冬季の基準温度から前記特定の場面における前記特定の部屋の温度に係る二次データを差し引いた1℃単位の数値であることを特徴とする指標算出システム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
    夏季における前記比較対象温度には、健康リスクの評価基準となる夏季の基準温度が含まれており、
    前記三次データは、前記特定の場面における前記特定の部屋の温度に係る二次データから前記夏季の基準温度を差し引いた1℃単位の数値であることを特徴とする指標算出システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
    前記表示手段は、前記第一指標を、前記特定の場面ごとの評価と、前記特定の部屋ごとの評価に分けて表示することを特徴とする指標算出システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の指標算出システムにおいて、
    前記一次データにはポイントが振り分けられており、
    前記一次データに振り分けられた前記ポイントを加算するポイント加算手段を更に備え、
    前記表示手段は、前記ポイント加算手段によってポイントを加算した結果を、前記建物における健康リスクを評価する場合の第二指標として表示することを特徴とする指標算出システム。
  10. 請求項に記載の指標算出システムにおいて、
    記表示手段は、前記第二指標と、前記建物が比較仕様で設計された場合における前記一次データのポイントを加算した結果と、を比較表示することを特徴とする指標算出システム。
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