JP6683476B2 - 圧電素子およびその製造方法、異物除去ユニットならびに超音波センサ - Google Patents

圧電素子およびその製造方法、異物除去ユニットならびに超音波センサ Download PDF

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本発明は、矩形に形成され、一方の主面が板部材に接着される単層の圧電素子およびその製造方法、異物除去ユニットならびに超音波センサに関する。
近年、デジタルカメラのカバーガラスやフィルタに付着した異物を除去する機構に圧電素子が利用されている(特許文献1)。特許文献1記載の振動波駆動装置は、振動板の短辺側の下面に接着した圧電素子の接着面に電極を形成し、切り欠き部から露出した電極上から圧電素子の端面及び振動板の端面を経由し、導電ペーストにより引き回し電極を配設している。
また、特許文献1に記載されているように、従来の圧電素子では、圧電体の両面に対向する電極を形成し、一方の電極と他方の電極を一方の面側に配置するために、一方の電極の一部から圧電体の端面を経由して他方の電極の側まで導通を可能とする引き回し電極を設けている。
このような引き回し電極の配設の際には、ダイシングソーを使用し、焼成後の圧電体を必要寸法にカットした後、必要なAg電極を表裏面および素子側面にスクリーン印刷による厚膜印刷法または筆による描画により形成するのが一般的である。
特開2007−264095号公報
圧電体をダイシングソーで加工後にAg電極をスクリーン印刷形成する場合、焼き付け時にAgペーストの表面張力のため圧電体の端面の縁においてAgペーストが薄くなり導通抵抗が上がる、もしくは接続が取れなくなる。このような不具合を回避するために端面の縁の圧電体を削る面取りの工程を入れてもよいが、圧電体が薄い場合は削り量の制御が難しく、製造工数が増加する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、引き回し部について電極ペースト焼き付け時の表面張力を分散させて、十分な厚みにより電極の接続を確保できる圧電素子およびその製造方法、異物除去ユニットならびに超音波センサを提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の圧電素子は、矩形体に形成され、一方の主面が板部材に接着される単層の圧電素子であって、厚み方向に分極された圧電体と、両主面に印刷された一対の電極と、を備え、前記一対の電極の一方は、他方側の主面に接続を取り出すための引き回し部が形成され、前記圧電体の表面のうち、前記一方の電極の引き回し部が形成された領域の平均表面粗さ(Ra)は、1〜7μmであることを特徴としている。これにより、引き回し部について電極ペースト焼き付け時の表面張力を分散させて、十分な厚みにより電極の接続を確保できる。
(2)また、本発明の圧電素子は、前記圧電体が、前記一方の電極の引き回し部が形成された端面の縁が面取りされていないことを特徴としている。これにより、圧電素子の製造工程から面取りの工程を省くことができ、生産性が向上する。
(3)また、本発明の異物除去ユニットは、カメラ内の異物を除去する異物除去ユニットであって、(1)または(2)記載の圧電素子と、前記圧電素子の一方の主面が接着される板状の光学部材と、を備え、前記圧電素子に電圧が印加されることで前記光学部材を振動し、前記光学部材上の異物を除去することを特徴としている。これにより、圧電素子への電気的接続が確保され、信頼性の高い十分な駆動を維持できる異物除去ユニットを構成できる。
(4)また、本発明の超音波センサは、超音波を放出または受波する超音波センサであって、(1)または(2)記載の圧電素子と、前記圧電素子の一方の主面が接着される振動板と、を備え、前記圧電素子に電圧が印加されることで前記振動板を振動し超音波を放出する一方、前記振動板で超音波を受波することで前記圧電素子は電圧を出力することを特徴としている。これにより、圧電素子への電気的接続が確保され、信頼性の高い十分な駆動を維持できる超音波センサを構成できる。
(5)また、本発明の圧電素子の製造方法は、矩形体に形成され、一方の主面が板部材に接着される単層の圧電素子の製造方法であって、所定の寸法で圧電材料のグリーンシートを金型で打ち抜く工程と、前記打ち抜かれたグリーンシートを焼成し、焼成体を生成する工程と、前記金型で打ち抜かれた面を一つの端面として残しつつ前記焼成体を加工し、圧電体を生成する工程と、前記生成された圧電体の両主面に一対の電極を印刷する工程と、前記圧電体を分極する工程と、を含み、前記一対の電極の一方が他方側の主面に回り込むように、前記一つの端面に引き回し部が形成されていることを特徴としている。これにより、十分な厚みの電極の引き回し部が形成された圧電素子を製造できる。また、金型打ち抜きでできた一つの端面を利用するため、効率的に圧電素子を製造できる。
本発明によれば、引き回し部について電極ペースト焼き付け時の表面張力を分散させて、十分な厚みにより電極の接続を確保できる。
(a)、(b)それぞれ本発明の圧電素子を示す平面図および側断面図である。 (a)〜(c)それぞれ素子端部を示す断面図である。 (a)〜(d)それぞれ本発明の圧電素子の製造工程を示す図である。 異物除去ユニットの構成を示す正面図である。 (a)、(b)それぞれ各表面の測定データおよび測定データのまとめを示す図である。
次に、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
(圧電素子の構成)
図1(a)、(b)は、それぞれ圧電素子を示す平面図および側断面図である。圧電素子100は、例えば4×30×0.3mmの矩形体に形成され、一方の主面が板部材に接着される単層の圧電素子であり、圧電体110および一対の電極121、122を備えている。圧電体110は、例えばPZT、チタン酸バリウムのような圧電材料で形成され、厚み方向に分極されている。圧電体110は、単層の圧電層であり、積層型ではないため、圧電体110の形成後に外形上に電極を印刷して焼き付けることができる。したがって、電極は圧電材料とともに焼成する必要がなく、Agのように低温での焼き付けに限られる低コストな材料を用いれば十分であるが、Ag/Pd(銀パラジウム)の材料を用いてもよい。なお、主面とは最も大きい表面を指す。
一対の電極121、122は、例えばAgからなり、両主面に印刷されている。矩形体の圧電体110の一方の主面には、電極121がほぼ全体にわたって設けられており、電極121以外の領域には電極122の取り出し部分が設けられている。これは、圧電素子100が板部材を振動させるものであり、その一方の主面が板部材に密着すると、その面からは電極が取り出せないからである。
また、圧電体110の他方の主面には、電極122が全体に設けられており、電極122は、端面を電極121側の主面まで回り込んで接続を取り出す引き回し部122aを有している。このような電極構造により、圧電素子100の一方の主面のみから電気的接続をとることができる。
圧電体110の表面は、基本的に焼成後に加工がなされており、平滑であり平均表面粗さ(Ra)が1μm未満である。ただし、このような圧電体110の表面のうち、電極122の取り出し部122aが形成された一方の端面(電極122に接する端面)の平均表面粗さ(Ra)は、電極122の厚みと同等の1〜7μmである。これにより、電極122の引き回し部122aが圧電体110に十分に固着し、電極の接続の切断を防止できる。なお、圧電体110の端面の平均表面粗さ(Ra)は、2μm以上であることが好ましい。
圧電体110は、電極122の引き回し部122aが形成された端面の縁が面取りされていないことが好ましい。これにより、圧電素子100の製造工程から面取りの工程を省くことができ、生産性が向上する。
(引き回し部)
次に、圧電素子100の引き回し部122aを説明する。図2(a)は、従来の圧電素子800の素子端部を示す断面図である。図2(a)に示すように、圧電素子800では、いずれの圧電体810の表面についても平均表面粗さ(Ra)は1μm未満であり、平滑である。そのため、電極形成時にAgペーストの表面張力により端面の縁の印刷膜厚が低下し、その部分で焼成後の引き回し部822aの電極822も薄くなり、接続が途切れている。
図2(b)は、端面の縁にC面を形成した圧電素子900の素子端部を示す断面図である。圧電素子900でも、いずれの圧電体910の表面についても平均表面粗さ(Ra)は1μm未満であり、平滑である。ただし、図2(b)に示すように、圧電素子900では、圧電体910の端面の縁の角が面取りされ、C面が形成されている。その結果、圧電体910の端面の縁の角が鈍くなり、電極922の引き回し部922aの接続が確保されている。ただし、この場合には、C0.1mm程度の精密な面取り加工の工程を追加する必要が生じる。
図2(c)は、圧電素子100の素子端部を示す断面図である。上記の圧電素子800、900に対し、圧電素子100では、圧電体110の端面の平均表面粗さ(Ra)が1〜7μmであり、端面の表面が粗くなっている。そのため、電極形成時にAgペーストの表面張力が分散され、特に圧電体110の端部の縁が面取りされていなくても、電極122の引き回し部122aの厚みを維持でき、電気的接続を確保できる。
(圧電素子の製造方法)
図3(a)〜(d)は、それぞれ圧電素子100の製造工程を示す図である。まず、所定の配合で圧電材料、溶媒、バインダー等を混合し、押し出し成形でグリーンシートを形成し、金型でグリーンシートを打ち抜く。図3(a)、(b)に示すように、打ち抜かれたグリーンシートを焼成し、焼成体50を生成できる。
次に、焼成体50を切り出して加工する。このとき、焼成体50の一方の端面は金型打ち抜き面のまま残し、破線60に沿って圧電体110の他方の端面、両側面を切り出す。金型打ち抜き面の平均表面粗さ(Ra)は、1〜7μmであるのに対し、切り出した加工面の平均表面粗さは、1μm未満である。圧電素子100は寸法精度が素子の特性を左右することとなるため、完成品の必要寸法精度を得るために金型打ち抜き面を基準にし、ダイシング切断で他の面を加工する。電極122の引き回し部122aを形成した後にその端面を基準にし、ダイシング切断加工を行なってもよい。
そして、加工で得られた圧電体110の両主面に、印刷、焼き付けにより一対の電極を形成する。電極材料としては、例えばAgペーストを用いる。Agペーストの膜厚は通常印刷では5μm程度である。圧電体の平均表面粗さ(Ra)がAgペーストの厚みと同程度あるとコーナー部でAgペーストの焼き付け時の表面張力によるAgペーストの引けが少なくなることが考えられる。
このように形成される電極の一方には、他方側の主面に回り込むように一端に引き回し部を形成する。これにより、回り込むように形成された電極の引き回し部が圧電体に十分に固着した圧電素子を製造できる。その結果、金型打ち抜きでできた面を利用して、十分な厚みの電極の引き回し部が形成された圧電素子を効率的に製造できる。
(応用例1)
上記の圧電素子100の応用したカメラ内の防塵フィルタ上の異物を除去する異物除去ユニットについて説明する。図4は、異物除去ユニット200の構成を示す正面図である。異物除去ユニット200は、圧電素子100および光学部材210で構成され、例えば撮像素子の前面に近接して配置される。
光学部材の表面に付着した異物は、影となって撮像素子上の被写体像に写り込むため、異物を除去する必要が生じる。異物除去ユニット200は、圧電素子100に交流の電圧が印加されると光学部材210が振動し、光学部材210に付着した異物を除去できる。
圧電素子100では、圧電体110の端面表面が粗いため電極122の引き回し部122aが強固に圧電体110の端面に接着し、導通が維持され、異物除去ユニット200の十分な駆動を維持できる。板状の光学部材210には、圧電素子100の一方の主面が接着されている。光学部材210は、ローパスフィルタやカバーフィルタであり、撮像素子に異物付着を阻止する防塵フィルタとしても機能する。
(応用例2)
上記の圧電素子100は、超音波センサにも応用できる。超音波センサは、超音波を放出または受波し、圧電素子および振動板で構成される。振動板は、圧電素子の一方の主面が接着されている。
超音波センサは、圧電素子に電圧が印加されることで振動板を振動し超音波を放出する一方、振動板で超音波を受波することで圧電素子は電圧を出力する。超音波センサの圧電素子として上記の圧電素子100が用いられることで、電気的接続が確保され、信頼性の高い十分な駆動を維持できる超音波センサを構成できる。
(実施例)
図5(a)、(b)は、それぞれ各表面の測定データおよび測定データのまとめを示す図である。上記の圧電素子100の製造工程に従い、圧電体の焼成までを行なった。そして、圧電体の表面のうち、グリーンシートの金型抜き面、焼き放し面を残しつつ、切断面とラップ面を設けた。そして、それぞれの面について平均表面粗さ(Ra)を測定した。
図5(a)は、各表面の測定データの結果を示している。図5(a)に示すように、焼き放し面、ラップ面、および切断面では、Raが0.444μm、0.380μm、0.052μmであったのに対して、型抜き面ではRaが4.6μmであった。
上記と同様に、複数の試料の表面を測定した。図5(b)は、測定データのまとめを示している。図5(b)に示すように、焼き放し面、ラップ面、切断面は、いずれも平均表面粗さが0.5μm未満であった。これに対し、金型抜き面の表面粗さはいずれも1〜7μmの範囲にあることが分かった。
50 焼成体
60 破線
100 圧電素子
110 圧電体
121、122 電極
122a 引き回し部
200 異物除去ユニット
210 光学部材

Claims (5)

  1. 矩形体に形成され、一方の主面が板部材に接着される単層の圧電素子であって、
    焼成体で形成され、厚み方向に分極された圧電体と、
    両主面に印刷された一対の電極と、を備え、
    前記一対の電極の一方は、他方側の主面に接続を取り出すための引き回し部が形成され、
    前記一方の電極の引き回し部が形成された前記圧電体の端面は焼き肌面で形成され、
    前記圧電体の表面のうち、前記一方の電極の引き回し部が形成された領域の平均表面粗さ(Ra)は、1〜7μmであることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記圧電体は、前記一方の電極の引き回し部が形成された端面の縁が面取りされていないことを特徴とする請求項1記載の圧電素子。
  3. カメラ内の異物を除去する異物除去ユニットであって、
    請求項1または請求項2記載の圧電素子と、
    前記圧電素子の一方の主面が接着される板状の光学部材と、を備え、
    前記圧電素子に電圧が印加されることで前記光学部材を振動し、前記光学部材上の異物を除去することを特徴とする異物除去ユニット。
  4. 超音波を放出または受波する超音波センサであって、
    請求項1または請求項2記載の圧電素子と、
    前記圧電素子の一方の主面が接着される振動板と、を備え、
    前記圧電素子に電圧が印加されることで前記振動板を振動し超音波を放出する一方、前記振動板で超音波を受波することで前記圧電素子は電圧を出力することを特徴とする超音波センサ。
  5. 矩形体に形成され、一方の主面が板部材に接着される単層の圧電素子の製造方法であって、
    所定の寸法で圧電材料のグリーンシートを金型で打ち抜く工程と、
    前記打ち抜かれたグリーンシートを焼成し、焼成体を生成する工程と、
    前記金型で打ち抜かれた面を一つの端面として残しつつ前記焼成体を加工し、圧電体を生成する工程と、
    前記生成された圧電体の両主面に一対の電極を印刷する工程と、
    前記圧電体を分極する工程と、を含み、
    前記グリーンシートを金型で打ち抜く工程は、打ち抜かれた後の前記一つの端面が、焼成後に所定の表面粗さになるように打ち抜き、
    前記一対の電極の一方が他方側の主面に回り込むように、前記一つの端面に引き回し部が形成されていることを特徴とする圧電素子の製造方法。
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