JP6706830B2 - エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む樹脂組成物、成形体及び多層構造体 - Google Patents
エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む樹脂組成物、成形体及び多層構造体 Download PDFInfo
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Description
[1]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、ポリオレフィン(B)及び変性ポリオレフィン(C)を含み、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、前記ポリオレフィン(B)及び前記変性ポリオレフィン(C)が三次元網目構造を形成する、樹脂組成物;
[2]前記樹脂組成物において任意の断面を三次元X線顕微鏡で観察した場合、かかる断面の任意に選択した200μm×200μmの正方形中に、樹脂組成物中のEVOH(A)及びPO(B)のうち含有量が少ない方の樹脂で構成される相が、長手方向の長さが20μm以上であり長手方向長さと短手方向長さの比率(短手長さ/長手長さ)が0.5以下である相として5つ以上観察され、かつ、かかる断面の垂直方向の任意の断面を三次元X線顕微鏡で観察した場合、かかる垂直方向の断面の任意に選択した200μm×200μmの正方形中に、樹脂組成物中のEVOH(A)及びPO(B)のうち含有量が少ない方の樹脂相で構成される相が、長手方向の長さが20μm以上であり長手方向長さと短手方向長さの比率(短手長さ/長手長さ)が0.5以下である相として5つ以上観察される相分離構造を有する、[1]の樹脂組成物;
[3]前記樹脂組成物において、単層フィルムを作製した場合における該単層フィルムの酸素透過度(OTR)が、(−20Et+870)×e(0.1531[Et])/1554.33 < OTR < (−20Et+1900)×e(0.1531×[Et])/1554.33を満たす、[1]または[2]の樹脂組成物;
[4]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とポリオレフィン(B)の質量比(A)/(B)が13/87〜47/53である、[1]〜[3]のいずれかの樹脂組成物;
[5]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と変性ポリオレフィン(C)の質量比(A)/(C)が1.7〜100である、[4]の樹脂組成物;
[6]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRが、ポリオレフィン(B)のMFRより大きい、[4]又は[5]の樹脂組成物;
[7]ポリオレフィン(B)のMFRが3.0g/10分以下である、[4]〜[6]のいずれかの樹脂組成物;
[8]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRとポリオレフィン(B)のMFRの比MFR(EVOH)/MFR(PO)が6.0〜100である、[6]又は[7]の樹脂組成物;
[9]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とポリオレフィン(B)の質量比(A)/(B)が53/47〜87/13である、[1]〜[3]のいずれかの樹脂組成物;
[10]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と変性ポリオレフィン(C)の質量比(A)/(C)が2.6〜150である、[9]の樹脂組成物;
[11]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRが、ポリオレフィン(B)のMFRより小さい、[9]又は[10]の樹脂組成物;
[12]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRが3.0g/10分以下である、[9]〜[11]のいずれかの樹脂組成物;
[13]エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRとポリオレフィン(B)のMFRの比MFR(EVOH)/MFR(PO)が0.010〜0.17である、[11]又は[12]の樹脂組成物;
[14][1]〜[13]のいずれかの樹脂組成物を含む、成形体;
[15][1]〜[13]のいずれかの樹脂組成物を含む層を有する、多層構造体;を提供する。なお、本発明におけるMFR(メルトフローレート)とは、メルトインデクサーを用い、ASTM D1238に準拠して、温度190℃、荷重2,160gの条件下で試料の流出速度(g/10分)を測定して求めた値を示す。
本発明の樹脂組成物は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、ポリオレフィン(B)及び変性ポリオレフィン(C)を含み、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、前記ポリオレフィン(B)及び前記変性ポリオレフィン(C)が三次元網目構造を形成する。本発明の樹脂組成物は、三次元網目構造を形成することによって、当該樹脂組成物を含む成形体及び多層構造体が、ガスバリア性及び機械物性が優れたものになる。なお、本明細書において、数値範囲(各成分の含有量、各成分から算出される値及び各物性等)の上限値及び下限値は適宜組み合わせ可能であり、「上限」「下限」を指定した場合はその境界値を含むものとする。
EVOH(A)は、エチレン単位とビニルアルコール単位とを有する共重合体である。EVOH(A)は、例えば、エチレンと酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル及びバーサティック酸ビニル等のビニルエステルとの共重合体を、アルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。また、EVOH(A)は、本発明の目的が阻害されない範囲で、エチレンとビニルエステル以外の他の単量体由来の構造単位を有していてもよい。前記他の単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和酸又はその無水物、塩、又はモノ若しくはジアルキルエステル等;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等ビニルシラン化合物;アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
PO(B)は、EVOH(A)と反応可能な部位を有していないポリオレフィンを意味し、未変性のポリオレフィンであることが好ましい。PO(B)としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。中でも、エチレンを主体とする共重合体又はエチレンの単独重合体が好ましく、エチレンの単独重合体、即ちポリエチレンがより好ましい。ポリエチレンとしては、超低密度ポリエチレン、(直鎖状)低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等挙げられる。
本発明の樹脂組成物に含まれる変性ポリオレフィン(C)は、EVOH(A)と反応可能な変性基を有するポリオレフィンであり、変性基としては極性基が好ましい。極性基としては、スルホン酸基、スルフェン酸基、スルフィン酸基等の硫黄含有基;水酸基;エポキシ基、グリシジル基、ケトン基、エステル基、アルデヒド基、カルボキシ基、酸無水物基等のカルボニル基含有基;ニトロ基、アミド基、ウレア基、イソシアナート基等の窒素含有基;ホスホン酸基、ホスホン酸エステル基、ホスフィン酸基、ホスフィン酸エステル基等のリン含有基;ボロン酸基、ボロン酸エステル基、ボロン酸無水物基等のホウ素含有基が挙げられる。また、例えば、カルボキシ基含有ポリオレフィンとしては、カルボン酸変性ポリオレフィン等が挙げられる。変性ポリオレフィン(C)を構成する単量体単位としては、前記PO(B)で例示されたものが使用できる。カルボン酸変性ポリオレフィン(C)に用いられるカルボン酸としては、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。中でも無水マレイン酸が好適に用いられる。
本発明の樹脂組成物は、上記化合物(EVOH(A)、PO(B)、変性ポリオレフィン(C))の他に熱安定性又は粘度調整の観点で、種々の酸又は金属塩等の化合物を含有していてもよい。この化合物としては、カルボン酸、リン酸化合物、ホウ素化合物等が挙げられ、具体例は後述する。なお、これらの化合物は、あらかじめEVOH(A)と混合して用いてもよい。
カルボン酸及び/又はカルボン酸イオンは、本発明の樹脂組成物に含有されることで、当該樹脂組成物の溶融成形時の耐着色性を向上させる。カルボン酸は、分子内に1つ以上のカルボキシ基を有する化合物である。また、カルボン酸イオンは、カルボン酸のカルボキシ基の水素イオンが脱離したものである。本発明の樹脂組成物に含有されるカルボン酸は、モノカルボン酸でもよく、分子内に2つ以上のカルボキシ基を有する多価カルボン酸化合物でもよく、これらの組み合わせであってもよい。なお、この多価カルボン酸には、重合体は含まれない。また、多価カルボン酸イオンは、多価カルボン酸のカルボキシ基の水素イオンの少なくとも1つが脱離したものである。カルボン酸のカルボキシ基はエステル構造であってもよく、カルボン酸イオンは金属と塩を形成していてもよい。
本発明の樹脂組成物はさらにリン酸化合物を含有していてもよい。リン酸化合物が本発明の樹脂組成物に含有されると、当該樹脂組成物の溶融成形時のロングラン性を向上できる。リン酸化合物としては特に限定されず、例えば、リン酸、亜リン酸等の各種のリンの酸素酸若しくはその塩等が挙げられる。リン酸塩としては、例えば第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のいずれの形で含まれていてもよく、その対カチオン種としては、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好ましく、アルカリ金属塩がさらに好ましい。具体的には、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸水素二カリウムが、溶融成形時のロングラン性改善の点で好ましい。
ホウ素化合物が本発明の樹脂組成物に含有されると、当該樹脂組成物の溶融成形時のロングラン性を改善でき、その結果、ゲル又はブツ等の発生を抑制し外観特性を向上できる。詳細には、当該樹脂組成物にホウ素化合物が配合された場合、EVOH(A)とホウ素化合物との間にホウ酸エステルを生成すると考えられ、かかる樹脂組成物によってロングラン性を改善できる。
(数1)
(−20Et+870)×e(0.1531[Et])/1554.33 < OTR < (−20Et+1900)×e(0.1531×[Et])/1554.33
酸素透過度が上記式を満たす場合、本発明の樹脂組成物を用いたフィルムの酸素透過度は(−20Et+870)×e(0.1531[Et])/1554.33より大きいことが好ましく、(−20Et+880)×e(0.1531[Et])/1554.33より大きいことがより好ましい。また、本発明の樹脂組成物を用いたフィルムの酸素透過度は(−20Et+1900)×e(0.1531×[Et])/1554.33未満が好ましく、(−20Et+1700)×e(0.1531×[Et])/1554.33未満がより好ましく、(−20Et+1500)×e(0.1531×[Et])/1554.33未満がさらに好ましく、(−20Et+1300)×e(0.1531×[Et])/1554.33未満が特に好ましい。酸素透過度が(−20Et+870)×e(0.1531[Et])/1554.33より大きいと、より機械物性に優れたフィルムが得られる。また、酸素透過度が(−20Et+1900)×e(0.1531×[Et])/1554.33未満であると、より良好なガスバリア性を有するフィルムが得られる。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、例えば、EVOH(A)とPO(B)と変性ポリオレフィン(C)と必要に応じてその他添加剤とを溶融条件下で十分に混合又は混練することによって製造される。溶融条件下における混合又は混練は、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等の既知の混合装置又は混練装置を使用して行うことができる。混合又は混練の温度は、使用するEVOH(A)の融点等に応じて適宜調節すればよいが、通常160℃以上300℃以下の温度範囲内の温度を採用すればよく、180℃以上290℃以下であってもよく、200℃以上280℃以下であってもよい。
本発明の成形体は、前記樹脂組成物を含む。本発明の樹脂組成物は、熱可塑性を有するため、一般の熱可塑性重合体に対して用いられている通常の成形加工方法や成形加工装置を用いて成形加工できる。成形加工法としては、例えば、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形、コンプレッションモールディング成形等の任意の方法を採用できる。このような方法で製造される樹脂組成物を含む成形体の形状としては、型物、パイプ、シート、フィルム、円板、リング、袋状物、びん状物、紐状物、繊維状物等の多種多様の形状のものが包含され、フィルム状が好ましい。前記成形体は、前記樹脂組成物のみを実質的に含有していてもよい。
本発明の多層構造体は、前記樹脂組成物を含む層を有する。前記樹脂組成物を含む層は前記樹脂組成物のみを実質的に含有する層であってもよい。本発明の多層構造体は、前記樹脂組成物を含む層を有することによって、耐湿性、機械的特性等を向上させることが可能である。前記多層構造体を構成する層の層数としては、2層以上であれば特に限定されないが、例えば、2層以上10層以下が好ましく、3層以上5層以下がより好ましい。
乾燥EVOHペレットを凍結粉砕により粉砕した。得られた粉砕EVOHを、公称目開き1.00mmのふるい(標準ふるい規格JIS−Z8801−1−2006準拠)でふるい分けした。前記のふるいを通過したEVOH粉末5gを、100gのイオン交換水中に浸漬し、85℃で4時間撹拌した後、脱液して乾燥する操作を二回行った。得られた洗浄後の粉末EVOHを用いて、下記の測定条件で1H−NMRの測定を行い、下記の解析方法でエチレン含量及びけん化度を求めた。
装置名 :日本電子社製 超伝導核磁気共鳴装置「Lambda500」
観測周波数 :500MHz
溶媒 :DMSO−d6
ポリマー濃度 :4質量%
測定温度 :40℃及び95℃
積算回数 :600回
パルス遅延時間:3.836秒
サンプル回転速度:10〜12Hz
パルス幅(90°パルス):6.75μsec
40℃での測定では、3.3ppm付近に水分子中の水素のピークが観測され、EVOHのビニルアルコール単位のメチン水素のピークのうちの、3.1〜3.7ppmの部分と重なった。一方、95℃での測定では、前記40℃で生じた重なりは解消するものの、4〜4.5ppm付近に存在するEVOHのビニルアルコール単位の水酸基の水素のピークが、EVOHのビニルアルコール単位のメチン水素のピークのうちの、3.7〜4.0ppmの部分と重なった。すなわち、EVOHのビニルアルコール単位のメチン水素(3.1〜4.0ppm)の定量については、水又は水酸基の水素のピークとの重複を避けるために、3.1〜3.7ppmの部分については、95℃の測定データを採用し、3.7〜4.0ppmの部分については40℃の測定データを採用し、これらの合計値として当該メチン水素の全量を定量した。なお、水又は水酸基の水素のピークは測定温度を上昇させることで高磁場側にシフトすることが知られている。従って、以下のように40℃と95℃の両方の測定結果を用いて解析した。前記の40℃で測定したスペクトルより、3.7〜4.0ppmのケミカルシフトのピークの積分値(I1)及び0.6〜1.8ppmのケミカルシフトのピークの積分値(I2)を求める。一方、95℃で測定したスペクトルより、3.1〜3.7ppmのケミカルシフトのピークの積分値(I3)、0.6〜1.8ppmのケミカルシフトのピークの積分値(I4)及び1.9〜2.1ppmのケミカルシフトのピークの積分値(I5)を求める。ここで、0.6〜1.8ppmのケミカルシフトのピークは、主にメチレン水素に由来するものであり、1.9〜2.1ppmのケミカルシフトのピークは、未けん化の酢酸ビニル単位中のメチル水素に由来するものである。これらの積分値から下記式によりエチレン含有量及びけん化度を計算した。
メルトインデクサー(商品名:「TECHNO SEVEN」、L244−2531、株式会社テクノ・セブン製)を用い、ASTM D1238に準拠して、温度190℃、荷重2,160gの条件下で試料の流出速度(g/10分)を測定して求めた。
エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)として株式会社クラレ製EVOH『エバール(登録商標)E105B(製品名)』を40部、ポリオレフィン(B)として株式会社プライムポリマー製の高密度ポリエチレン(HDPE)『HY430(製品名)』を60部、及び変性ポリオレフィン(C)としてアルケマ株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン『LOTADER(登録商標)3210(製品名)』5部をドライブレンドし、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製『50M』二軸異方向)を用いて240℃で20rpmにて3分混練後、50rpmにて7分混練し、ハサミでカットすることにより5mm角の溶融ブレンド品を得た。
前記で得られた溶融ブレンド品3gを10cm×10cmのアルミ枠内に入れ、熱プレス(株式会社井本製作所製)『MH−10』を用いて200℃で10MPaの圧力で加圧することにより、厚さ300μmフィルム(以下、試料フィルムという。)を得た。
上記試料フィルムを用いて、酸素透過度(OTR)の評価を行った。試料フィルムの一部を切り取り、MOCON INC.製酸素透過率測定装置OX−TRAN 2/20型(検出限界値0.01ml・20μm/m2・day・atm)を用いて65%RH、温度20℃、酸素圧が1気圧、キャリアガス圧力が1気圧の条件下で、JIS K 7126−2:2006(等圧法)に記載の方法に準じて測定した。ここで、「0.01ml・20μm/m2・day・atm」とは、フィルム厚さ20μmに換算したときに、フィルム1m2、酸素ガス1気圧の圧力差のもとで、1日当たり0.01mlの酸素が透過することを表す。
A:300ml・20μm/m2・day・atm以下
B:300ml・20μm/m2・day・atmより大きく、
550ml・20μm/m2・day・atm以下
C:550ml・20μm/m2・day・atmより大きく、
800ml・20μm/m2・day・atm以下
D:800ml・20μm/m2・day・atmより大きい
試料フィルムをダンベル型に切り取り、試験片とした。試料片のサイズは全長60mm、中央部長さ10mm、中央部幅4mm、厚み300μmであった。精密万能試験機(商品名:オートグラフEZ−Test、JIS B 7721:2009の0.5級及びISO 7500−1(2004)のクラス0.5に対応、株式会社島津製作所製)により、チャック間距離10mm、引張速度20mm/分の条件で、試験片について定速引張試験を行い、引張破断伸度を測定した。
A:400%以上
B:250%以上400%未満
C:100%以上250%未満
D:100%未満
走査型電子顕微鏡S−3000N(株式会社日立製作所製)を用いて断面の観察を行なった。試料を液体窒素中に3分浸して極低温下で破断させ、試料破断面を60℃のDMSOに1時間浸漬し、EVOHのみを溶解させた。測定する樹脂組成物及びフィルムにPtを蒸着させ、加速電圧15.0kVとした。測定は高真空雰囲気下で行なった。また、三次元X線顕微鏡nano3DX(株式会社リガク製)を用いて、試料を任意の断面及びかかる断面の垂直方向から観察を行った。三次元X線顕微鏡による観察は、撮影枚数500枚、解像度0.54μm/pixel、X線源はCrという条件にて行った。三次元X線顕微鏡の観察結果から「三次元網目状構造」であるものを選定し、「三次元網目状構造」に該当しないものはSEM画像から「海島構造」「微分散」に分類した。
実施例1で用いたEVOH(A)を、表1に記載の特性を有する株式会社クラレ製EVOH『エバール(登録商標)G110B(製品名)』に変更した以外は、実施例1と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。
実施例1で用いたEVOH(A)を、表1に記載の特性を有する株式会社クラレ製EVOH『エバール(登録商標)F101B(製品名)』に変更し、PO(B)を株式会社プライムポリマー製の高密度ポリエチレン(HDPE)『2110JH(製品名)』に変更し組成比を表1に示した通りに変更した以外は、実施例1と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。
実施例3で用いたPO(B)を、表1に記載の特性を有する三菱ケミカル株式会社製低密度ポリエチレン(LLDPE)『ノバテック(登録商標)UJ790(製品名)』に変更した以外は、実施例3と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。
実施例1で用いたEVOH(A)を、表1に記載の特性を有する株式会社クラレ製EVOH『エバール(登録商標)G130B(製品名)』に変更し、実施例1と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。また、走査型電子顕微鏡の観察結果を図1に示す。
表1に示すようにEVOH(A)、PO(B)及び変性ポリオレフィン(C)のブレンド比率を変更した以外は、実施例5と同様の操作及び評価を行った。結果を表2に示す。
実施例5で用いた変性ポリオレフィン(C)を、アルケマ株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン『LOTADER(登録商標)3410(商品名)』に変更した以外は、実施例5と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。
実施例5で用いた変性ポリオレフィン(C)を、アルケマ株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン『BONDINE(登録商標)LX4110(商品名)』に変更した以外は、実施例5と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。
実施例1で用いたEVOH(A)を、表1に記載の特性を有する株式会社クラレ製EVOH『エバール(登録商標)E171B(商品名)』に変更した以外は、実施例1と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。
実施例1で用いたEVOH(A)を、表1に記載の特性を有する株式会社クラレ製『エバール(登録商標)E173B(商品名)』に変更した以外は、実施例1と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。
実施例5で用いたPO(B)を、表1に記載の特性を有する株式会社プライムポリマー製の高密度ポリエチレン(HDPE)『HI−ZEX 2200J(商品名)』に変更し、変性ポリオレフィン(C)を用いなかった以外は、実施例5と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。また、走査型電子顕微鏡の観察結果を図2に示す。
変性ポリオレフィン(C)としてアルケマ株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン『LOTADER(登録商標)3210(商品名)』を使用した以外は比較例3と同様の操作及び評価を行なった。結果を表2に示す。
実施例5で用いたアルケマ株式会社製無水マレイン酸変性ポリエチレン『LOTADER(登録商標)3210(商品名)』を使用しなかったこと以外は、実施例5と同様の操作及び評価を行った。結果を表2に示す。
実施例5で、EVOH(A)『エバール(登録商標)G130B(製品名)』40部とポリオレフィン(B)『HY430(製品名)』を60部、及び変性ポリオレフィン(C)『LOTADER(登録商標)3210(製品名)』5部をドライブレンドし、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製『50M』二軸異方向)を用いて240℃で20rpmにて3分混練後、150rpmにて10分混練し、ハサミでカットすることにより5mm角の溶融ブレンド品を得た以外は実施例5と同様の評価を行なった。結果を表2に示す。
表1に示すようにEVOH(A)、PO(B)及び変性ポリオレフィン(C)のブレンド比率変更した以外は、実施例5と同様の操作及び評価を行った。結果を表2に示す。
実施例5で用いた変性ポリオレフィン(C)を東ソー株式会社製エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物『メルセン(登録商標)H−6051(商品名)』に変更した以外は、実施例5と同様の操作及び評価を行った。結果を表2に示す。
実施例5で用いた変性ポリオレフィン(C)を東ソー株式会社製エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物『メルセン(登録商標)H−6410M(商品名)』に変更した以外は、実施例5と同様の操作及び評価を行った。結果を表2に示す。
Bohlin Instruments Ltd.製『CVO−100』を用いて、溶融状態におけるレオロジー特性の評価を行なった。実施例5および比較例5で得られた樹脂組成物、並びにそれぞれの原料として用いた株式会社クラレ製EVOH『エバール(登録商標)G130B(製品名)』および株式会社プライムポリマー製の高密度ポリエチレン(HDPE)『HY430(製品名)』を用いて、200℃、周波数範囲0.1〜20Hz(18point)、ギャップ0.1mm、窒素雰囲気の条件で測定を行なった。評価結果を図5に示す。また、比較例3および比較例4で得られた樹脂組成物、並びにそれぞれの原料として用いた株式会社クラレ製EVOH『エバール(登録商標)G130B(製品名)』および株式会社プライムポリマー製の高密度ポリエチレン(HDPE)『HI−ZEX 2200J(商品名)』を用いて上記と同様の測定を実施した。評価結果を図6に示す。なお、図中のG’は貯蔵弾性率、G’’は損失弾性率、η’は動的粘度、ωは角速度を表す。実施例5で得られた樹脂組成物のほうが比較例5により得られた樹脂組成物よりも低周波数側で弾性率G’’が上昇した。比較例3及び比較例4で得られた樹脂組成物ではほとんど差が見られなかった。実施例5で得られた樹脂組成物では三次元網目構造による補強効果であると推定される。
Claims (15)
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、ポリオレフィン(B)及び変性ポリオレフィン(C)を含み、
前記エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、前記ポリオレフィン(B)及び前記変性ポリオレフィン(C)が三次元網目構造を形成し、
前記変性ポリオレフィン(C)がカルボン酸変性ポリオレフィンである、樹脂組成物。 - 前記樹脂組成物において任意の断面を三次元X線顕微鏡で観察した場合、かかる断面の任意に選択した200μm×200μmの正方形中に、樹脂組成物中のEVOH(A)及びPO(B)のうち含有量が少ない方の樹脂で構成される相が、長手方向の長さが20μm以上であり長手方向長さと短手方向長さの比率(短手長さ/長手長さ)が0.5以下である相として5つ以上観察され、かつ、かかる断面の垂直方向の任意の断面を三次元X線顕微鏡で観察した場合、かかる垂直方向の断面の任意に選択した200μm×200μmの正方形中に、樹脂組成物中のEVOH(A)及びPO(B)のうち含有量が少ない方の樹脂相で構成される相が、長手方向の長さが20μm以上であり長手方向長さと短手方向長さの比率(短手長さ/長手長さ)が0.5以下である相として5つ以上観察される相分離構造を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物において、単層フィルムを作製した場合における該単層フィルムの酸素透過度(OTR)が、(−20Et+870)×e(0.1531[Et])/1554.33 < OTR < (−20Et+1900)×e(0.1531×[Et])/1554.33を満たす、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とポリオレフィン(B)の質量比(A)/(B)が13/87〜47/53である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と変性ポリオレフィン(C)の質量比(A)/(C)が1.7〜100である、請求項4に記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRが、ポリオレフィン(B)のMFRより大きい、請求項4又は5に記載の樹脂組成物。
- ポリオレフィン(B)のMFRが3.0g/10分以下である、請求項4〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRとポリオレフィン(B)のMFRの比MFR(EVOH)/MFR(PO)が6.0〜100である、請求項6又は7に記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)とポリオレフィン(B)の質量比(A)/(B)が53/47〜87/13である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)と変性ポリオレフィン(C)の質量比(A)/(C)が2.6〜150である、請求項9に記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRが、ポリオレフィン(B)のMFRより小さい、請求項9又は10に記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRが3.0g/10分以下である、請求項9〜11のいずれかに記載の樹脂組成物。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)のMFRとポリオレフィン(B)のMFRの比MFR(EVOH)/MFR(PO)が0.010〜0.17である、請求項11又は12に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の樹脂組成物を含む、成形体。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の樹脂組成物を含む層を有する、多層構造体。
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