JP6708580B2 - 位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、位相差フィルムの製造方法に関するものである。
液晶ディスプレイ等に用いられる位相差フィルムや視野角補償フィルムとして、支持体上に配向層および液晶層が設けられたものが知られている。配向層は、液晶層の液晶化合物を一定方向に並べるための膜であり、配向用素材を含む塗膜に配向処理を行って配向規制力が与えられる。そして、配向層上に形成された液晶層中の液晶化合物は、配向層の配向に従って規則正しく配列した状態になる。液晶化合物を効率良く配向させることは、液晶ディスプレイの視野角向上、生産性向上のために重要である。
例えば、特許文献1には、二軸性位相差板における液晶化合物の配向を効率良く行うために、連続搬送される紫外線硬化層への紫外線照射装置であって、光源と光源前方に配置された光学フィルタとを備え、光学フィルタの境界が支持体の搬送方向と交差させて配置されている装置が開示されている。
特開2006−313239号公報
一方、配向層の配向規制力を付与するための偏光を照射する前工程において、外的要因、例えば配向膜形成時に塗布液にかかるせん断力、乾燥時の風等によって意図せず部分的な配向が発生する場合がある。この配向膜の部分的な配向が、偏光照射の工程後も残存し、結果として上層の液晶化合物の配向の面内均一性を悪化させることがある。このような外的要因による配向を打ち消すためには、偏光の照射量を増やす必要がある。しかしながら、照射量を増やすと生産効率が低減するという問題がある。特許文献1に記載の技術は液晶層の硬化時に行う処置であり、配向層に意図せず生じた部分的な配向には対応することができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光配向層によって液晶層の液晶化合物の配向が制御される位相差フィルムを製造する方法であって、液晶層の液晶化合物の配向乱れを抑制することが可能な位相差フィルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の位相差フィルムの製造方法は、
搬送される連続フィルム支持体上に、液晶材料に対する配向規制力を備える配向層を形成するための配向層形成用材料を塗布および乾燥して第1の塗膜を形成する工程、
第1の塗膜に配向層形成用材料の吸収波長領域に合致する偏光を照射することにより配向規制力を付与して配向層を形成する工程、および
配向層上に液晶化合物を含む液晶層形成用材料を塗布および乾燥して第2の塗膜を形成する工程と、
第2の塗膜中の液晶化合物を配向させ、配向を固定して液晶層を形成する工程と、
を備える位相差フィルムの製造方法であって、
偏光を照射する前に、連続フィルム支持体の搬送面に対して垂直な方向±10度の方向から、偏光のピーク波長±30nmにピーク波長を有する非偏光を照射する工程を有するものである。
ここで「ピーク波長」とは、照射される光のスペクトルにおいて第3位までの極大値をとる波長と定義する。
また、「配向層形成用材料の吸収波長領域に合致する偏光」とは、配向層形成用材料の吸収スペクトルの半値幅範囲にピーク波長が含まれた偏光を指す。
偏光のピーク波長は、200nm以上400nm以下であることが好ましい。
連続フィルム支持体の搬送面に対して垂直な方向±5度の方向から、非偏光を照射することが好ましい。
第1の塗膜は、熱硬化されてなることが好ましい。
偏光は、搬送方向と直交する方向に延びる棒状光源から発せられた光がワイヤーグリッド偏光子によって偏光されたものであることが好ましい。
棒状光源とワイヤーグリッド偏光子との間に、棒状光源の長手方向に配列された複数の平行板からなるルーバーを備えることが好ましい。
本発明の位相差フィルムの製造方法において、偏光をバックアップロール上で照射してもよい。
非偏光の照射量は、2mJ/cm以上であることが好ましい。
本発明の位相差フィルムの製造方法によれば、液晶化合物の配向乱れを抑制することができる。
図1は、本発明の位相差フィルムの製造方法の処理フローである。 図2は、非偏光を照射する工程を示す概略図である。 図3は、非偏光の照射角度を示す断面図である。 図4は、偏光を照射する工程を示す概略図である。 図5は、偏光をバックアップロール上で照射する場合を示す概略図である。 図6は、配向軸の面内均一性の評価のための、消光度と配向軸の測定位置を示す図である。
以下、本発明の位相差フィルムの製造方法について図を参照しながら説明する。
[位相差フィルムの製造方法]
本発明の位相差フィルムの製造方法は、図1に示すように、
搬送される連続フィルム支持体上に、液晶材料に対する配向規制力を備える配向層を形成するための配向層形成用材料を塗布および乾燥して第1の塗膜を形成する工程(ST1)、
第1の塗膜に偏光を照射することにより配向規制力を付与して配向層を形成する工程(ST3)、および
配向層上に液晶化合物を含む液晶層形成用材料を塗布および乾燥して第2の塗膜を形成する工程(ST4)と、
第2の塗膜中の液晶化合物を配向させ、配向を固定して液晶層を形成する工程(ST5)と、
を備える位相差フィルムの製造方法であって、
配向層を形成する工程(ST3)の偏光を照射する前に、連続フィルム支持体の搬送面に対して垂直な方向±10度の方向から、偏光のピーク波長±30nmにピーク波長を有する非偏光を照射する工程(ST2)を有するものである。
(ST2:非偏光を照射する工程)
まず、本発明の位相差フィルムの特徴的な工程である非偏光を照射する工程(ST2)について図2を参照しながら説明する。
本発明における非偏光を照射する工程(ST2)は、配向層を形成する工程(ST3)の偏光照射の前に、その偏光のピーク波長±30nmにピーク波長を有する非偏光を照射するものである。
非偏光を照射する工程(ST2)としては、例えば、図2に示すように、連続フィルム支持体51上に第1の塗膜52が形成されたフィルム50に、棒状光源10と、棒状光源からの光をフィルム50方向へ反射する凹面反射鏡11と、棒状光源の長手方向(図中X方向)に配列された複数の平行板21からなるルーバー20とから構成される照射装置から発せられた非偏光を照射する態様が挙げられる。
なお、ルーバー20を有しない照射装置を用いてもよい。
非偏光の照射は、図3に示すように、フィルム50の搬送面50aに対して垂直な方向(図中S)±10度(図中θ)の方向から行うものである。より好ましい照射角度は、垂直な方向±5度であり、最も好ましい照射角度は垂直方向Sである。
このように第1の塗膜に非偏光を照射する工程(ST2)を有することにより、第1の塗膜を一旦、無配向状態にすることができる。
ここで、「無配向状態」とは、液晶が無秩序に並んだ状態を指し、光学顕微鏡などで観察するができる。本発明においては、下記実施例で行う定性的な評価によって判断する。
このように、一旦無配向状態を形成することで、その後の偏光照射において、少ない照射量で、均一に配向した配向層を形成することができる。すなわち、照射効率を上げることができる。
非偏光の照射量は、2mJ/cm以上であることが好ましく、5J/cm以上であることがより好ましい。また、20J/cm以下であることが好ましい。2mJ/cm以上であることにより、充分に無配向状態を形成することができ、20J/cm以下であることにより、生産性を犠牲にせずに無配向状態を形成することができる。
棒状光源は、通常使われる光源、例えばタングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザー)、発光ダイオード、陰極線管などを挙げることができる。
(ST3:配向層を形成する工程)
非偏光を照射する工程(ST2)に続いて行われる、偏光を照射して配向層を形成する工程(ST3)について説明する。
配向層を形成する工程(ST3)は、第1の塗膜に偏光を照射することにより配向規制力を付与して配向層を形成する工程である。配向規制力を付与する工程とは、配向層形成用材料に光反応を生じせしめるための操作である。
偏光を照射して配向層を形成する工程として、例えば、図4に示すように、連続フィルム支持体51上に第1の塗膜52が形成されたフィルム50に、棒状光源10と棒状光源からの光をフィルム50方向へ反射する凹面反射鏡11と、棒状光源の長手方向(図中X方向)に配列された複数の平行板21からなるルーバー20と、ルーバー20によって平行光化された光を直線偏光するワイヤーグリッド偏光子30とから構成される光配向装置によって行う。ワイヤーグリッド偏光子30から発せられる偏光は、第1の塗膜52に照射される。偏光紫外光のピーク波長は、200nm〜400nmが好ましい。
光配向では、上記のような非接触の光照射によって光配向材料を配向させるため、ラビングのような不均一な物理的凹凸形状が発生しにくい。そのため、光配向によって配向規制力を付与された配向層を利用して作製した光学フィルムを用いた液晶表示装置では光漏れが低減され、高コントラストが実現できる。
偏光照射は、図5に示すように、フィルム50をバックアップロール40に巻き掛けて行ってもよい。特に、温度調節可能なバックアップロール上に行うことにより、より配向を均一に、効率良く行うことができる。
バックアップロールは、特に制限無く、公知のものを用いることができる。例えば、表面がハードクロムメッキされたものを好ましく用いることができる。メッキの厚さは、導電性と強度を確保する観点から40μm〜60μmが好ましい。
また、バックアップロールの表面粗さは、皺の発生を防止して配向を均一に行う観点から、0.7s以下が好ましい。
また、バックアップロールの温度調節は、温度制御手段によって行われるものであってもよい。例えば、バックアップロールの表面温度を検知し、その温度に基づいて温度制御手段によってバックアップロールの表面温度が維持されるようにしてもよい。加熱方法は、誘導加熱、水加熱、および油加熱等が挙げられる。
以下、非偏光を照射する工程(ST2)および配向層を形成する工程(ST3)以外の工程について工程順に説明する。
(ST1:第1の塗膜を形成する工程)
搬送方向Yに搬送される連続フィルム支持体上に、液晶化合物に対する配向規制力を備える配向層を形成するための配向層形成用材料を塗布および乾燥する。
以下、各構成要素の詳細を説明する。
−連続フィルム支持体−
連続フィルム支持体としては、バックアップロールに巻きかけることが可能なポリマーフィルムを用いることが好ましい。支持体として用いられるポリマーフィルムの材料の例には、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、ポリオレフィン、脂環式構造を有するポリマー(ノルボルネン系樹脂(商品名「アートン(登録商標)」、JSR社製、非晶質ポリオレフィン(商品名「ゼオネックス(登録商標)」、日本ゼオン社製))、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、脂環式構造を有するポリマーが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
支持体の膜厚としては、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜90μmである。
−配向層形成用材料−
光配向に用いられる配向層形成用材料としては、例えば、特開2006−285197号公報、特開2007−76839号公報、特開2007−138138号公報、特開2007−94071号公報、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−133184号公報、特開2009−109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002−229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002−265541号公報、特開2002−317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミドおよび/またはアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003−520878号公報、特表2004−529220号公報、特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、またはエステル、特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報、WO2010/150748号、特開2013−177561号公報、特開2014−12823号公報に記載の光二量化可能な化合物、特にシンナメート化合物、カルコン化合物、クマリン化合物が挙げられる。特に好ましい例としては、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、エステル、シンナメート化合物、カルコン化合物が挙げられる。
−塗布方法−
配向層形成用材料を塗布する際の方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の方法が挙げられる。
−乾燥工程−
乾燥は、オーブン、温風、赤外線等によって、100℃〜130℃で、2分〜5分間程度行うことが好ましい。
第1の塗膜は、熱硬化されてなるものであることが好ましい。熱硬化は、非偏光を照射する工程(ST2)の前後のいずれで行ってもよい。
(ST4:第2の塗膜を形成する工程)
配向層上に液晶化合物を含む液晶層形成用材料を塗布および乾燥して第2の塗膜を形成する。液晶層形成用材料の塗布および乾燥は、上記配向層形成用材料の塗布および乾燥と同様の方法を用いることができ、その詳細な説明は省略する。
−液晶層形成用材料−
液晶層形成用材料は、棒状液晶化合物もしくは円盤状液晶化合物および少なくともキラル剤を含有し、さらに、配向制御剤、重合開始剤および配向助剤などのその他の成分を含有していてもよい。
−−棒状液晶化合物−−
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号公報、同5622648号公報、同5770107号公報、WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特願2001−64627号公報などに記載の化合物を用いることができる。さらに棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報や特開2007−279688号公報に記載のものも好ましく用いることができる。
−−円盤状液晶化合物−−
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報や特開2010−244038号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
(ST5:液晶層を形成する工程)
第2の塗膜中の液晶化合物を配向させ、配向を固定して液晶層を形成する。
−液晶化合物の配向−
液晶層形成用材料の配向固定(硬化)の前には、第2の塗膜の液晶化合物の配向処理を行う。配向処理は、室温等により乾燥させる、または加熱することにより行うことができる。配向処理で形成される液晶層は、サーモトロピック性液晶化合物の場合、一般に温度または圧力の変化により転移させることができる。リオトロピック性をもつ液晶化合物の場合には、溶媒量等の組成比によっても転移させることができる。
棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する場合、ネマチック相を発現する温度領域の方が、棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域よりも高いことが普通である。従って、棒状液晶化合物がネマチック相を発現する温度領域まで棒状液晶化合物を加熱し、次に、加熱温度を棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域まで低下させることにより、棒状液晶化合物をネマチック相からスメクチック相に転移させることができる。このような方法をスメクチック相とすることで、液晶化合物が高秩序度で配向した液晶層を提供することができる。
棒状液晶化合物がネマチック相を発現する温度領域では、棒状液晶化合物がモノドメインを形成するまで一定時間加熱する必要がある。加熱時間は、10秒間〜5分間が好ましく、10秒間〜3分間がさらに好ましく、10秒間〜2分間が最も好ましい。
棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域では、棒状液晶化合物がスメクチック相を発現するまで一定時間加熱する必要がある。加熱時間は、10秒間〜5分間が好ましく、10秒間〜3分間がさらに好ましく、10秒間〜2分間が最も好ましい。
−配向の固定−
第2の塗膜中の液晶化合物の配向を固定して液晶層を形成する。
配向の固定は、熱重合や活性エネルギー線による重合で行うことができ、その重合に適した重合性基や重合開始剤を適宜選択することで行うことができる。製造適性等を考慮すると紫外線照射による重合反応を好ましく用いることができる。紫外線の照射量が少ないと、未重合の重合性棒状液晶が残存し、光学特性の温度変化や、経時劣化の起きる原因となる。
そのため、残存する重合性棒状液晶の割合が5%以下になる様に照射条件を決めることが好ましく、その照射条件は重合性組成物の処方や第2の塗膜の厚さにもよるが目安として紫外線照射量は、50〜1000mJ/cmが好ましく、100〜500mJ/cmがより好ましい。
その他、液晶層の詳細は、特開2008−225281号公報や特開2008−026730号公報の記載を参酌できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下に、実施例1の位相差フィルムの各製造工程について説明する。
(ST1:第1の塗膜の形成)
セルローストリアセテートフィルムTD80UL(富士フイルム製)の支持体表面をアルカリ鹸化処理した。具体的には、55℃の1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に支持体を2分間浸漬した後、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃の0.1規定の硫酸を用いて中和した。中和した後、室温の水洗浴槽中で洗浄し、更に100℃の温風で乾燥した。
次に、支持体表面に、下記の組成の配向層形成材料をワイヤーバーで塗布した。60℃の温風で60秒、さらに100℃の温風で120秒乾燥し、第1の塗膜を形成した。
−光配向膜形成用材料の調製−
光配向用素材P−1 1.0質量部
ブトキシエタノール 33質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 33質量部
水 33質量部
(ST2:非偏光を照射する工程)
図2に示す照射装置を用いて、第1の塗膜上に配向層形成用材料の吸収波長領域に合致する非偏光を、照射角度を垂直方向Sとして照射して、無配向状態を形成した。
配向層形成材料の吸収波長は、0.1質量分率のクロロホルム溶液を調製し、日本分光社製分光光度計V-750を用いて測定した。
配向層形成用材料の吸収波長は、UV−Bに範囲を持つ。
ピーク波長313nmの光源(商品名「H096-L41X」,アイグラフィックス社製、UV−Bを選択的に透過する光学フィルタを使用)を用い、照射角度は垂直方向Sとし、照射量をUV(ultra-violet)−B領域において10mJ/cmとした。
(ST3:偏光を照射する工程)
次に、図4に示す光配向装置を用いて、第1の塗膜上に配向層形成用材料の吸収波長領域に合致する直線偏光を、照射角度を垂直方向Sとして照射して、光配向処理を行った。
このとき、ワイヤーグリッド偏光子(Moxtek社製, ProFlux UVT-300A)を第1の塗膜の面と平行にして露光し、光配向処理を行った。この際用いる光源は、ピーク波長313nmの光源(商品名「H096-L41X」,アイグラフィックス社製、UV−Bを選択的に透過する光学フィルタを使用)を用い、紫外線の照射量はUV−B領域において10mJ/cmとした。
(ST4,ST5:第2の塗膜の形成,液晶層の形成)
続いて、下記の液晶層形成用材料を調製した。
−液晶層形成用材料の調製−
逆波長分散液晶性化合物 R−3 100質量部
光重合開始剤 3.0質量部
(イルガキュア819、BASF(株)製)
含フッ素化合物A 0.8質量部
架橋性ポリマー O−2 0.3質量部
クロロホルム 588質量部
配向層上に液晶層形成用材料を、バーコーターを用いて塗布した。膜面温度100℃で60秒間加熱熟成し、70℃まで冷却した後に、空気下にて空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて1000mJ/cmの紫外線を照射して、その配向状態を固定化することにより液晶層を形成した。形成された液晶層は、偏光照射方向に対し遅相軸方向が直交(すなわち、偏光板の吸収軸とも直交)であった(逆波長分散液晶性化合物が偏光照射方向に対して直交に配向していた)。自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、リタデーションReの光入射角度依存性および光軸のチルト角を測定したところ、波長550nmにおいてReが130nm、リタデーションRthが65nm、Re(450)/Re(550)が0.83、Re(650)/Re(550)が1.05、光軸のチルト角は0°で、逆波長分散液晶性化合物はホモジニアス配向であった。
[実施例2]
非偏光の照射量を5mJ/cmにした以外は、実施例1と同様に位相差フィルムを作製した。
[実施例3]
非偏光の照射角度を10度にした以外は、実施例1と同様に位相差フィルムを作製した。
[比較例1]
非偏光を照射する工程において、ピーク波長が365nmの光源(商品名「H096-L41X」,アイグラフィックス社製、UV−Aを選択的に透過する光学フィルタを使用)を用いた以外は、実施例1と同様に位相差フィルムを作製した。
[比較例2]
非偏光の照射角度を20度とした以外は、実施例1と同様に位相差フィルムを作製した。
[比較例3]
非偏光の照射角度を45度とした以外は、実施例1と同様に位相差フィルムを作製した。
[比較例4]
非偏光を照射しなかった以外は実施例1と同様に位相差フィルムを作製した。
[配向軸の面内均一性の評価]
上記実施例および比較例で作製した位相差フィルムについて、下記方法および評価基準に基づいて配向軸の面内均一性を評価した。液晶層形成後の位相差フィルムを150mm角に切り出し、図6に示す5点について消光度および配向軸を測定した。
(消光度の測定)
消光度とは、光学補償フィルムによる光漏れを意味し、一般的には、クロスニコルに配置した2枚の偏光板間に、透過率が最小になるように光学補償フィルムを配置したときに測定される透過率である。具体的には、一方の偏光板は固定し、もう一方の偏光板と位相差膜をそれぞれ回転させて、最小透過率を測定することによって得られる。
例えば、光学補償フィルムを設置せずに偏光板をパラニコルに配置し、その明るさを計測しておいてこれを分母とする。その後その間に光学補償フィルムを設置し、一方の偏光板は固定、光学補償フィルムともう一方の偏光板をそれぞれ回転させながら一番暗い光を測定、分子としてその割合を計算することによって得られる。このとき、2枚それぞれが独立して回転するので、1回転毎に光学補償フィルムと一方の偏光板を0.25°ずつ、ずらしながら測定する。
このように消光度はその角度と配向状態に大きく依存するから、光学補償フィルムの配向状態に部分的な乱れが生じると消光度は低下する。この現象を利用して、配向乱れの状態を消光度によって評価した。
実施例において、消光度の計測には、Win6OD(大塚電子(株)製)を用いた。また、透過率の測定波長には550nmを用い、パラニコル配置の偏光板の透過率を100%とした。
(配向軸の測定)
液晶化合物層の遅相軸角度の測定は、KOBRA−21DH(王子計測機器(株)製)により行った。
(評価基準)
消光度の測定値については、5点の値を{(最大値)−(最小値)}÷(平均値)にあてはめてバラつきを算出し、配向軸については最大値と最小値との差分を算出した。これを表1にあてはめ、配向軸の面内均一性を評価した。
表2に、実施例および比較例の非偏光の照射条件、偏光の照射条件および評価を示す。
表2に示すように、実施例1の位相差フィルムは、非偏光を照射しない比較例4に比べ、配向軸の面内均一性に優れ、配向乱れが良好に抑制されていることがわかる。また、実施例の位相差フィルムは、非偏光と偏光のピーク波長差が50nmである比較例2に比べて、配向軸の面内均一性に優れる。またさらに、照射角度が連続フィルム支持体の搬送面に対して垂直な方向から20度または45度の方向から照射した比較例2および3に比べて、配向軸の面内均一性に優れる。
10 棒状光源
11 凹面反射鏡
20 ルーバー
21 平行板
30 ワイヤーグリッド偏光子
40 バックアップロール
50 第1の塗膜が形成された支持体
51 支持体
52 第1の塗膜
50a 搬送面
S 搬送面に垂直な方向
Y 搬送方向
X 棒状光源の長手方向

Claims (8)

  1. 搬送される連続フィルム支持体上に、液晶材料に対する配向規制力を備える配向層を形成するための配向層形成用材料を塗布および乾燥して第1の塗膜を形成する工程、
    前記第1の塗膜に配向層形成用材料の吸収波長領域に合致する偏光を照射することにより前記配向規制力を付与して前記配向層を形成する工程、および
    前記配向層上に液晶化合物を含む液晶層形成用材料を塗布および乾燥して第2の塗膜を形成する工程と、
    前記第2の塗膜中の前記液晶化合物を配向させ、該配向を固定して液晶層を形成する工程と、
    を備える位相差フィルムの製造方法であって、
    前記第1の塗膜を形成する工程の後であって前記偏光を照射する前に、前記連続フィルム支持体の搬送面に対して垂直な方向±10度の方向から、前記偏光のピーク波長±30nmにピーク波長を有する非偏光を照射する工程を有する位相差フィルムの製造方法。
  2. 前記偏光のピーク波長が、200nm以上400nm以下である請求項1記載の位相差フィルムの製造方法。
  3. 前記連続フィルム支持体の搬送面に対して垂直な方向±5度の方向から、前記非偏光を照射する請求項1または2記載の位相差フィルムの製造方法。
  4. 前記第1の塗膜が、熱硬化されてなる請求項1から3いずれか1項記載の位相差フィルムの製造方法。
  5. 前記偏光が、前記搬送方向と直交する方向に延びる棒状光源から発せられた光がワイヤーグリッド偏光子によって偏光されてなる請求項1から4いずれか1項記載の位相差フィルムの製造方法。
  6. 前記棒状光源と前記ワイヤーグリッド偏光子との間に、前記棒状光源の長手方向に配列された複数の平行板からなるルーバーを備える請求項5記載の位相差フィルムの製造方法。
  7. 前記偏光をバックアップロール上で照射する請求項1から6いずれか1項記載の位相差フィルムの製造方法。
  8. 前記非偏光の照射量が、2mJ/cm以上である請求項1から7いずれか1項記載の位相差フィルムの製造方法。
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