JP6713523B2 - 不安障害患者の治療のためのナルメフェン - Google Patents

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Description

本発明は、不安障害の治療で使用するためのナルメフェンに関する。本発明はさらに、
併存性の不安障害を有するアルコール依存患者の治療で使用するためのナルメフェンに関
する。本発明はさらに、前記患者において不安障害の治療で使用するためのナルメフェン
に関する。
ナルメフェン[17−(シクロプロピルメチル)−4,5−アルファ−エポキシ−6−
メチレンモルヒナン−3,14−ジオール]は以下の一般式:
Figure 0006713523
を有し、当該技術分野において周知の方法、例えば、国際公開第2012/059103
号パンフレットに記載されるようにノロキシモルホンからナルトレキソンを製造すること
から始まり、続いて、例えば国際公開第2010/136039号パンフレットに記載さ
れるようなウィティッヒ反応によりナルトレキソンからナルメフェンを製造する方法など
用いて調製することができる。
ナルメフェンは、別個のμ、δ、およびκ受容体プロファイルを有するオピオイド系調
節因子である。インビトロ研究により、ナルメフェンは、μおよびδ受容体においてアン
タゴニスト活性を有し、κ受容体において部分アゴニスト活性を有する選択的オピオイド
受容体リガンドであることが実証された。急性アルコール摂取は中脳辺縁系のドーパミン
放出(β−エンドルフィンの放出により促進される)をもたらし、正の強化を提供し得る
ことが示された。ナルメフェンは、おそらくこれらの皮質−中脳辺縁系の機能を調節する
ことによって、強化作用に対抗して、アルコール消費を低減すると考えられる。
アルコール依存の治療におけるナルメフェンの効力および耐容性は、Lundbeck
により実行された3つのIII相研究(2つの確証的な6か月の効力研究および1つの1
年の安全性研究)において(Mann et al.Extending the Tr
eatment Options in Alcohol Dependence:A
Randomized Controlled Study of As−Needed
Nalmefene.Biol.Psychiatry(2013);73:703−
713、Gual et al.A randomised,double−blind
,placebo−controlled,efficacy study of na
lmefene,as−needed use,in patients with a
lcohol dependence.European Neuropsychoph
armacology,(2013);23(11):1432−1442、van d
en Brink et al.,Long−term efficacy,toler
ability and safety of nalmefene as−neede
d in patients with alcohol dependence:A
1−year,randomised controlled study.J.Psy
chopharmacol.,印刷前のオンライン出願 March 26,2014,
doi:10.1177/0269881114527362)、そしてBiotie社
によって実行されたアルコール使用障害における5つの研究(Karhuvaara e
t al.Alcohol.Clin Exp Res.(2007);31:1179
−1187)において評価されている。
近年(2013年2月)、欧州連合(EU)において、成人アルコール依存患者におけ
るアルコール消費の低減のために商品名Selincro(登録商標)で経口ナルメフェ
ンの製造承認が与えられた。
アルコール依存および不安障害の同時発生は一般的であり、主に、一方のアルコール依
存と他方の不安障害との間の併存性の複雑さを説明する疫学的研究からの知見に基づく(
Grant and Hartford,Drug and Alcohol Depe
ndence,(1995),Vol.39:197−206、Swendsen et
al.,Comprehensive Psychiatry,(1998),Vol
.38(4):176−184、Kessler et al.,Arch.Gen.P
sychiatry,(1997),Vol.54:313−321)。
多くの場合非常に多数のサンプルによるこれらの研究は、抑うつ障害とおよび不安障害
との間に、非常に高レベルの生涯併存性があることを示している。不安障害患者は、不安
障害でない患者と比較して、アルコール依存を患うリスクが増大している。同様に、アル
コール依存患者は、アルコール依存でない患者と比較して併存性の不安障害のリスクが増
大している。不安障害患者は、アルコール依存も有する確率がおよそ2倍である(Reg
ier,et al.JAMA(1990),264:2511−2518、Kessl
er,et al.Archives of General Psychiatry(
1994),51:8−19、Merikangas et al.Addictive
Behaviors(1998),23:893−907)。
表1は、全米併存症研究(National Comorbidity Study)
(Kessler et al.,Arch.Gen.Psychiatry,(199
7),Vol.54:313−321)からのデータに基づいて、不安障害におけるアル
コール依存の生涯同時発生率(生涯診断)を表す。アルコール依存患者において、任意の
不安障害の生涯有病率は高く(男性35.8%および女性最大60.7%)、特定の状態
によってばらつきが観察される。さらに、2つ以上の併存状態を患う可能性もある。
Figure 0006713523
またアルコール依存と不安障害の間の併存性は、これらの発症の順序(例えば、一次、
二次または同時発症など)で説明されるこれらの状態の同時発生の種々の時間的パターン
によって明示される。表2(Swendsen et al.,Comprehensi
ve Psychiatry,(1998),Vol.38(4):176−184)は
、アルコール依存に関連する不安障害の発症が異なり得ることを示す。パニック障害の場
合、アルコール依存前の発症は、依存後の発症と同じ頻度である。主要な例外は恐怖であ
り、これはほとんどの場合、小児期、青年期または成人早期に発症し、従って概してアル
コール依存の発症の前である。
Figure 0006713523
不安障害およびアルコール依存は、他方の障害の発生に対する有意なリスクを有する。
そしてまた、一方の障害の重症度は他方の障害の重症度に関連する。不安障害の存在は、
アルコール依存の重症度に影響を及ぼすことが報告されている。他方で、アルコール依存
の存在は、より多数の症状によって示されるうつ病または不安症の重症度のより大幅な上
昇に関連する(Swendsen and Merikangas,Clin.Psyc
hol.Rev.,(2000);Vol.20(2):173−189)。
上記のように、同時発生は極めて一般的であり、それぞれが他方を存続させる可能性が
高いので、これはアルコール使用障害および不安障害の同時治療を提唱する。現在の専門
家の一致した意見では、併存性の不安症および物質使用障害の心理社会的および精神薬理
学的な同時治療が支持される(Watkins et al.Psychiatr Se
rv.(2005),56:913−926)。
しかしながら、アルコール依存患者における抗不安薬の使用にはいくらかの制限がある
。アルコール依存集団におけるベンゾジアゼピンの使用は議論の的となっており(アルコ
ール離脱のための使用を除く)、専門家の助言および監視なしに行われてはならない。ア
ルコール依存患者は、その報酬効果がより大きいためにベンゾジアゼピンの誤用および依
存のリスクがより高い可能性がある(Ciraulo & Nace.American
Journal of Addiction.(2000),9:276−284)。
併存性のアルコールおよび不安症の治療におけるSSRIの影響は不明である。SSR
Iの使用を考慮する場合、併存性抑うつ障害の有無にかかわらずアルコール依存症を治療
すると、SSRIは改善をもたらさないだけでなく、認知行動療法(CBT)などの心理
学的治療の影響を低減し(Kranzler et al,Alcohol.Clin.
Exp.Res.(1996),20(9):1534−1541、Lingford−
Hughes et al.,J.Psychopharmacol.(2012),V
ol.26(7):899−952)、同様にさらに、このような集団において報告され
ることが多い睡眠障害に対する影響も低減し得ることを認識することが重要である。従っ
て、併存性のアルコール使用障害および不安障害の患者において、SSRIは必ずしも最
適な薬物ではないことを念頭に置くべきである。
従って、併存性の不安障害を有するアルコール依存患者で使用するための新規の治療が
必要とされている。特に、例えば、現存の治療と比較して改善された効力および/または
異なる副作用プロファイルなどの利点を生じさせ得る新規の治療が必要とされている。
本発明は、不安障害の治療で使用するためのナルメフェンに関する。
一実施形態では、本発明は、併存性の不安障害を有するアルコール依存患者の治療で使
用するためのナルメフェンに関する。
一実施形態では、本発明は、ナルメフェンと、抗不安薬である第2の化合物と、任意選
択で、許容可能なキャリアまたは希釈剤とを含む医薬組成物に関する。
一実施形態では、本発明は、抗不安薬である第2の化合物と一緒に、ナルメフェンを含
むキットに関する。
一実施形態では、本発明は不安障害の治療のための方法に関し、本方法は、薬学的に許
容可能な量のナルメフェンを、それを必要としている患者に投与することを含む。
一実施形態では、本発明は、アルコール消費の低減のためおよび不安障害の治療のため
の方法に関し、本方法は、薬学的に許容可能な量のナルメフェンを、それを必要としてい
る患者に投与することを含む。
全ての図面について、−□−=プラセボ(PBO)、−■−=ナルメフェン(NMF)
であり、「B」はベースラインを示す。プラセボ(PBO)およびナルメフェン(NMF
)の患者数「N」はそれぞれ研究全体を通してX軸に示される。ベースラインにおいて不
安障害のある患者および不安障害のない患者を、医薬規制用語集(Medical Di
ctionary for Regulatory Activities)(MedD
RA)によってコードされるその進行中の病歴に従って分類した。
1−2は、ベースラインで不安障害のある患者対ベースラインで不安障害のない患者において、1か月の大量飲酒日(HDD)および総アルコール消費(TAC)(g/日)のベースラインからの変化を示す。
1a−1bは、1か月のHDDのベースラインからの変化を示す。X軸:時間(月)、Y軸:平均HDDのベースラインからの変化。
ベースラインで不安障害のない患者の1か月のHDDの変化を示す。 ベースラインで不安障害のある患者の1か月のHDDの変化を示す。2a−2bは、1か月のTAC(g/日)のベースラインからの変化を示す。X軸:時間(月)、Y軸:平均TACのベースラインからの変化。 ベースラインで不安障害のない患者の1か月のTACの変化を示す。 ベースラインで不安障害のある患者の1か月のTACの変化を示す。3−9は、ベースラインで不安障害のある患者対ベースラインで不安障害のない患者において、POMSスコアのベースラインからの変化を示す。X軸:時間(週)、Y軸:平均POMSのベースラインからの変化。 ベースラインで不安障害のない患者のPOMS総合的な気分の乱れ(total mood disturbance:TMD)の変化を示す。 ベースラインで不安障害のある患者のPOMS総合的な気分の乱れ(TMD)の変化を示す。 ベースラインで不安障害のない患者のPOMS緊張−不安の変化を示す。 ベースラインで不安障害のある患者のPOMS緊張−不安の変化を示す。 ベースラインで不安障害のない患者のPOMS抑うつ−拒絶の変化を示す。 ベースラインで不安障害のある患者のPOMS抑うつ−拒絶の変化を示す。 ベースラインで不安障害のない患者のPOMS怒り−敵意の変化を示す。 ベースラインで不安障害のある患者のPOMS怒り−敵意の変化を示す。 ベースラインで不安障害のない患者のPOMS活気の変化を示す。 ベースラインで不安障害のある患者のPOMS活気の変化を示す。 ベースラインで不安障害のない患者のPOMS疲労の変化を示す。 ベースラインで不安障害のある患者のPOMS疲労の変化を示す。 ベースラインで不安障害のない患者のPOMS混乱の変化を示す。 ベースラインで不安障害のある患者のPOMS混乱の変化を示す。
定義
本記載全体を通して、「ナルメフェン」という用語は、遊離塩基および薬学的に許容可
能な塩などのあらゆる形態の化合物を含むことが意図される。遊離塩基および薬学的に許
容可能な塩には、無水形態、および水和物などの溶媒和形態が含まれる。無水形態および
溶媒和物には、非晶質および結晶形態が含まれる。特定の実施形態では、ナルメフェンは
塩酸塩の形態である。さらに特定の実施形態では、ナルメフェンは塩酸塩二水和物の形態
である。本出願全体を通して、ナルメフェン用量が規定される場合、前記用量は、遊離塩
基として算出される。すなわち、ナルメフェン用量が18mgである場合、これは18m
gのナルメフェン遊離塩基に相当する。
本発明の文脈では、TACと略される「総アルコール消費」という用語は、g/日で測
定される平均総アルコール消費を示す。
本発明の文脈では、HDDと略される「大量飲酒日」という用語は、総アルコール消費
が男性では60g以上および女性では40g以上である日を示す。
本発明の文脈では、「必要に応じて投与」は、患者がアルコール飲酒リスクを認識する
各日に、好ましくは飲酒が予想される時間よりも1〜2時間前に、1回の用量のナルメフ
ェンを摂取すべきであることを示す。患者がナルメフェンを摂取せずにアルコールを飲み
始めた場合、患者はその後できるだけ早く1つの錠剤を服用すべきである。
本明細書で使用される場合、DRLと略される「飲酒リスクレベル」という用語は、以
下の表3に概説されるように、世界保健機関(World Health Organi
zation)により「International Guide for Monit
oring Alcohol Consumption and Related Ha
rm」(2000),WHOで定義される基準に従って定義される。
Figure 0006713523
表3に従う飲酒リスクレベルは、例を挙げると、例えば1週間以上、例えば2週間以上
、例えば3週間以上、例えば4週間以上、例えば1か月以上、例えば2か月以上、例えば
3か月以上、例えば4か月以上、例えば5か月以上、例えば6か月以上、例えば約1年の
期間にわたって、1日の平均アルコール消費(単位g/日)を計算することによって評価
することができる。DRLの評価は、患者の自身のアルコール消費についての推定値に基
づいて、専門家および/または医師(例えば、総合診療医など)および/または他の医療
提供者により実施することができる。
本出願全体を通して、「高リスク」または「少なくとも高リスク」という用語は、表3
に記載されるWHO飲酒リスクレベルに従って「高リスク」および「非常に高リスク」で
あると定義される2つの群、すなわち、男性では>60g/日および女性では>40g/
日の純粋なアルコールの総アルコール消費に相当する飲酒リスクレベルを有する患者を含
むことが意図される。本発明は、高い飲酒リスクレベルの患者と非常に高い飲酒リスクレ
ベルの患者を区別せず、特許請求の範囲または本発明の実施形態において「高い飲酒リス
クレベル」または「高DRL」という用語が使用される場合、表3に記載されるWHO飲
酒リスクレベルに従って「高リスク」と定義される群および「非常に高リスク」と定義さ
れる群の両方を含むことが意図される。
本明細書で使用される場合、「動機づけ支援」および「治療の順守の向上およびアルコ
ール消費の低減に焦点を置いたカウンセリング」という用語は、意欲増進の心理学的介入
を示し、「心理社会的支援」または「治療の順守およびアルコール消費の低減に焦点を置
いた心理社会的介入」という用語と互換的に使用することができる。前記動機づけ支援は
、専門家および/または医師(例えば、総合診療医など)および/または他の医療提供者
によって行うことができる。このような介入の一例はBRENDAモデルであり、これは
、行動の変化および薬物療法順守の増大に焦点を置いた薬物療法の使用を補足する期限付
きの患者中心の臨床的動機づけ介入である。BRENDAモデルは、Starosta
et al.,J.Psychiatr.Pract.(2006),Vol.12(2
):80−89により記載されており、その内容全体は参照によって本明細書中に援用さ
れる。「初期の動機づけ支援」は、ナルメフェンによる治療の前に患者に提供される、こ
のような意欲増進介入を示す。「進行中の動機づけ支援」という用語は、ナルメフェンに
よる治療と同時に、例えば反復して患者に提供される、このような意欲増進介入を示す。
本発明の文脈では、「医薬組成物」は、経口剤形、例えば固体経口剤形、通常は錠剤ま
たはカプセルなどの剤形を指す。「本発明の医薬組成物」は、特許請求の範囲および本記
載によって包含される全ての医薬組成物を指す。
本発明の文脈では、「単位剤形」は、医薬組成物の製剤単位、例えば1つの錠剤または
カプセルを指す。
本発明の文脈では、化合物の「治療的に有効な量」は、患者に投与したときに有効な応
答(すなわち、研究者、獣医、医師または他の臨床医が求める組織、系、動物またはヒト
の生物学的または医学的応答)を生じさせるために十分である化合物または医薬組成物の
量/用量を意味する。「治療的に有効な量」は、特に、疾患およびその重症度、ならびに
治療される患者の年齢、体重、身体状態および応答性に応じて異なり得る。さらに、ナル
メフェンが1つまたは複数の他の化合物と併用される場合には、「治療的に有効な量」は
異なり得る。このような場合、所与の化合物の量は少なくなる可能性があり、例えば有効
量より少なくなり得る。
本発明の文脈では、「治療(treatment)」および「治療すること(trea
ting)」は、疾患または障害などの状態と闘うための患者の管理およびケアを指す。
この用語は、患者が患っている所与の状態のためのあらゆる処置、例えば、症状または合
併症を軽減するため、疾患、障害または状態の進行を遅延するため、症状および合併症を
軽減または緩和する、および/または疾患、障害または状態を治癒または除去するため、
ならびに状態を予防するための活性化合物の投与などを含むことが意図され、ここで予防
は、疾患、状態、または障害と闘うための患者の管理およびケアであると理解されるべき
であり、症状または合併症の発症を予防するための活性化合物の投与を含む。本発明の1
つの態様では、「治療」および「治療すること」は、予防(防止)的な処置を指す。別の
態様では、「治療」および「治療すること」は、治癒的な処置を指す。治療される患者は
、好ましくは哺乳類、特にヒトである。
「アルコール依存」という用語は当業者に周知の用語であり、例えば、精神障害の診断
と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manu
al of Mental Disorders)改訂第4版(DSM−IV−TR)に
記載されている(Diagnostic and Statistical Manua
l of Mental Disorders,4th edition text r
evision,American Psychiatric Publishing,
2000)。本明細書で使用される場合、「アルコール依存」という用語は、同じ12か
月間にアルコールに関連する生活の障害の7つの領域のうち3つ以上の存在として定義さ
れる。これらの障害には、1)耐性、2)離脱症状、3)意図したよりも大量にまたは長
期間にわたってアルコールを摂取することが多いこと、4)持続的欲求、またはアルコー
ル摂取を低減または制御する努力の失敗、5)アルコールの入手、アルコールの摂取、ま
たはその効果からの回復に必要な活動にかなりの時間が費やされること、6)重要な社会
的、職業的、または娯楽的活動がアルコール消費のために断念または低減されること、7
)アルコール消費によって発生または悪化された可能性がある持続性または反復性の身体
的または心理学的な問題を有することを認識しているにもかかわらずアルコール使用が継
続されることが含まれる。
「不安障害」という用語はDSM−IV−TRに記載されており、主要な特色として気
分の乱れを特徴とする様々な状態を指す。本発明の文脈では、不安障害は、急性ストレス
障害、広場恐怖症、不安症、不安障害、精神的苦痛、全般性不安障害、神経質、疾病恐怖
症、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、外傷後ス
トレス障害、社会恐怖症、ストレスおよび緊張を含む。
本発明の文脈では、「併存性の不安障害を有する患者」は、アルコール依存であり、そ
して同時に不安障害を有する患者を指す。一実施形態では、前記不安障害は、前記アルコ
ール依存によって引き起こされる。例えば、前記不安障害は、アルコール誘発性の不安障
害である。一実施形態では、前記アルコール依存は、前記不安障害によって引き起こされ
る。一実施形態では、前記アルコール依存および前記不安障害は、因果的に互いに関連し
ていない。
「アルコール誘発性の不安障害」という用語はDSM−IV−TRに記載されており、
アルコール乱用の直接の生理学的結果であると判断される顕著な不安症状を特徴とする障
害を指す。
「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」(SSRI)という用語は、ドーパミンおよび
ノルアドレナリントランスポーターよりもセロトニントランスポーターにおいて強力な親
和性効果を有するモノアミントランスポーターの阻害薬を意味する。
「セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害薬」(SNRI)という用語は、
セロトニントランスポーターおよびノルアドレナリントランスポーターの両方において効
果を有するモノアミントランスポーターの阻害薬を意味する。
「POMS」という用語は、「気分状態のプロファイル(profile of mo
od states)」の略語であり、例えば、気分状態および気分変化に対する新規の
薬物療法の効果を評価するために開発された自己報告尺度の一覧を指す。尺度は、6つの
ドメイン:緊張−不安、抑うつ−拒絶、怒り−敵意、活気−活動、疲労−無気力、および
混乱−当惑を測る。総合的な気分の乱れ(TMD)スコアは計算することができる。一般
に、活気−活動を除いて(より高いPOMSスコアはより優れた気分状態を示す)、より
低いPOMSスコアは、より高いスコアよりも優れた気分状態を示す。尺度は、例えば、
McNair et al.,Profile of mood states.San
Diego,CA:Educational and Industrial Tes
ting Service、およびNyenhios and Yamamoto,J.
Clin.Psychology,(1999),Vol.55(1):79−86によ
って記載されている。
「MedDRA」は、医薬規制用語集(Medical Dictionary fo
r Regulatory Activities)の略語であり、市場流通前から市場
流通後までの活動の規制プロセスの間、製薬産業で規制当局によって、そしてデータエン
トリー、検索、評価、および提示のために使用される臨床的に確証された国際的な医学用
語辞典(およびシソーラス)である。さらに、日米EU医薬品規制調和国際会議(Int
ernational Conference on Harmonisation o
f Technical Requirements for Registratio
n of Pharmaceuticals for Human Use)(ICH)
によって推奨される有害事象分類辞典である。
本発明の詳細な説明
アルコール依存(DSM−IV)患者のアルコール消費の低減におけるナルメフェンの
効力は、研究12014A、12023Aおよび12013Aで評価されている。ナルメ
フェンの効力は、2つのコプライマリーエンドポイント:1か月の大量飲酒日(HDD)
数のベースラインからの変化および1日の平均総アルコール消費(TAC)のベースライ
ンからの変化を用いて測定した。全患者群で、HDD数の低減およびTACの低減におい
てナルメフェンはプラセボよりも優れていた。
本発明者らは、ナルメフェンが、ベースラインで不安障害のある患者のアルコール消費
を有意に低減することを見出した。HDDおよびTACの両方に対するナルメフェンの効
果およびプラセボの効果は、ベースラインで不安障害のない患者の場合と多かれ少なかれ
同じレベルであった(図1〜2)。
研究12014A、12023Aおよび12013AにおけるPOMsスコアの評価を
用いて、研究全体を通して、気分状態および気分変化に対するナルメフェンの効果を評価
した。本発明の発明者らは、驚くことに、ナルメフェンが不安障害のある患者のPOMS
スコアに対する効果を有することを見出した。表5および7は、ベースラインで不安障害
のある患者が、不安障害のない患者と比較して、ベースラインでより高いPOMSスコア
を有したことを示す。POMSスコアのベースラインからの変化は、図3〜9で説明され
る。図3a〜9aは、ベースラインで不安障害のない患者において、POMSスコアのパ
ターンが研究全体を通して安定しており、ナルメフェンとプラセボとの間に顕著な差異が
なかったことを示す。図3b〜9bは、ナルメフェンを受けたベースラインで不安障害の
ある患者が、プラセボを受けたベースラインで不安障害のある患者よりも、研究の最後に
優れたPOMSスコアを有したことを示す。特に、総合的な気分の乱れ、緊張−不安、抑
うつ−拒絶、怒り−敵意および混乱をそれぞれ表す図3b、4b、5b、6bおよび9b
は、4〜24週目に、プラセボを受けた患者と比較して、ナルメフェンを受けた患者にお
いてより優れたPOMSスコアを示す。8〜20週にわたって顕著な改善が見られた。全
体として、POMSデータは、ナルメフェンで治療されたときに不安障害のある患者の全
体的な気分状態が改善することを示す。
従って、一実施形態では、本発明はそのために不安障害の治療のためのナルメフェンに
関する。一実施形態では、本発明は、併存性の不安障害を有するアルコール依存患者の治
療で使用するためのナルメフェンに関する。一実施形態では、本発明は、併存性の不安障
害を有するアルコール依存患者のアルコール消費の低減のためのナルメフェンに関する。
一実施形態では、本発明は、併存性の不安障害を有するアルコール依存患者における不安
障害の治療のためのナルメフェンに関する。さらなる実施形態では、本発明は、併存性の
不安障害を有するアルコール依存患者において、アルコール消費の低減で使用するため、
および不安障害の治療のためのナルメフェンに関する。
一実施形態では、ナルメフェンは、不安障害の治療のための唯一の活性成分として使用
される。一実施形態では、ナルメフェンは、併存性の不安障害を有するアルコール依存患
者の治療における唯一の活性成分として使用される。
一実施形態では、ナルメフェンは、不安障害の治療のために、セロトニン再取り込み阻
害薬、または細胞外セロトニンのレベルの上昇を引き起こす任意の他の化合物などの抗不
安薬である第2の化合物と組み合わせて使用される。別の実施形態では、ナルメフェンは
、併存性の不安障害を有するアルコール依存患者の治療において、セロトニン再取り込み
阻害薬、または細胞外セロトニンのレベルの上昇を引き起こす任意の他の化合物などの抗
不安薬である第2の化合物と組み合わせて使用される。
また本発明は、ナルメフェンと、セロトニン再取り込み阻害薬、または細胞外セロトニ
ンのレベルの上昇を引き起こす任意の他の化合物などの抗不安薬である第2の化合物と、
任意選択で、許容可能なキャリアまたは希釈剤とを含む医薬組成物にも関する。
不安障害の治療におけるナルメフェンの効果のさらなる評価は、非臨床モデル、例えば
、実施例4に概説されるビー玉隠し試験などにおいてナルメフェンを試験することによっ
て実施することができる。このようなモデルでは、ナルメフェンは唯一の活性物質として
、そして他の化合物と組み合わせて試験され得る。
本発明によると、ナルメフェンまたはその薬学的に許容可能な塩は、任意の適切な方法
、例えば、経口的、経粘膜的または非経口的に投与することができ、このような投与に適
した任意の形態、例えば、錠剤、カプセル、粉末、シロップまたは注射用の溶液もしくは
分散系の形態で提供することができる。別の実施形態では、本発明の目的に従って、ナル
メフェンは、適切には錠剤またはカプセルとして固体の医薬品実体の形態で、あるいは注
射用の懸濁液、溶液または分散系の形態で投与される。さらに、ナルメフェンは、補助剤
および/または希釈剤などの薬学的に許容可能なキャリアと共に投与され得る。
固体または液体の医薬品の調製方法は当該技術分野で周知である。例えば、Remin
gton:The Science and Practice of Pharmac
y,21st ed.,Lippincott Williams & Wilkins
(2005)を参照されたい。従って、錠剤は、活性成分を補助剤および/または希釈剤
などの通常のキャリアと混合し、続いて混合物を打錠機で圧縮することによって調製する
ことができる。補助剤および/または希釈剤の非限定的な例としては、コーンスターチ、
ラクトース、タルカム、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラクトース、ガムなどが
挙げられる。活性成分と適合性であることを条件として、着色剤、芳香剤、および防腐剤
などの任意の他の補助剤または添加剤も使用され得る。従って、本発明の医薬組成物は通
常、有効量のナルメフェンおよび1つまたは複数の薬学的に許容可能なキャリアを含む。
ナルメフェンの適切な経口製剤は、国際公開第2012/059103号パンフレットに
記載されている。
本発明を全く限定することなく、本特許出願の態様または実施形態のいずれか1つは、
本明細書に記載される薬剤または医薬組成物に適していることが意図される。
ナルメフェンは、固体経口剤形(通常、錠剤またはカプセル)または液体経口剤形など
の経口剤形として投与され得る。ナルメフェンは、即時放出剤形または制御もしくは持続
放出剤形で投与され得る。ナルメフェンは、約1〜約100mg、例えば5〜50mgの
量の活性成分を含有する単位剤形(例えば、錠剤またはカプセルなど)で経口的に便利に
投与され得る。通常、医薬組成物は、10mg〜20mg、例えば、約10mg、約11
mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約
18mg、約19mgまたは約20mgのナルメフェンを含む。好ましい実施形態では、
医薬組成物は、約18mgのナルメフェンを含む。一実施形態では、単位剤形は、治療的
に有効な量のナルメフェンを含む。
一実施形態では、ナルメフェンは必要に応じて摂取される。すなわち、患者がアルコー
ル飲酒リスクを認識する各日に、好ましくは飲酒が予想される時間よりも1〜2時間前に
、1回の用量のナルメフェンを摂取すべきである。一実施形態では、患者がナルメフェン
を摂取せずにアルコールを飲み始めた場合、患者はその後できるだけ早く1回の用量のナ
ルメフェンを摂取すべきである。
本発明に従うナルメフェンは、成人または青年期であるヒトにおいて投与するための使
用が意図される。
一実施形態では、ナルメフェンは、塩酸塩二水和物の形態である。
本発明によると、ナルメフェンは、セロトニン再取り込み阻害薬、または細胞外セロト
ニンのレベルの上昇を引き起こす任意の他の化合物などの抗不安薬である第2の化合物と
組み合わせて使用することができる。前記抗不安薬は、例えば、以下の化合物:シタロプ
ラム、エシタロプラム、フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、フルボキサミン
、ベンラファキシン、デュロキセチン、ダポキセチン、ネファゾドン、イミプラミン、フ
ェモキセチン、クロミプラミン、アゴメラチンおよびブスピロンから選択され得る。上記
の化合物は、その塩基または薬学的に許容可能な塩(例えば、酸付加塩など)の形態で使
用され得る。抗不安薬の上記リストは、限定的であると解釈されてはならない。
SSRI、SNRIおよび上記で特に言及される他の薬剤を含む抗不安薬は、分子量お
よび活性の両方の点で異なる。結果として、併用療法で使用される前記第2の化合物の量
は、前記第2の化合物の性質に依存する。本発明の一実施形態では、前記第2の化合物は
、化合物が単独で使用される場合に必要であるよりも少ない用量で投与される。別の実施
形態では、前記第2の化合物は、標準の治療用量で投与される。
本発明の医薬組成物を調製するために、塩形態または塩基形態の適切な量の活性成分は
、薬学的に許容可能なキャリアとの緊密な混合物中に混ぜ合わせられ、投与のために所望
される調製物の形態に応じて様々な種類の形態をとることができる。これらの医薬組成物
は、望ましくは、経口的、経直腸的、経皮的または非経口注射による投与に適した単位剤
形である。例えば、経口剤形における組成物の調製において、懸濁液、シロップ、エリキ
シル剤および溶液などの経口液体調製物の場合には、例えば、水、グリコール、油、アル
コールなどの通常の医薬品媒体のいずれかが使用され得る。あるいは粉末、丸剤、カプセ
ルおよび錠剤の場合には、でんぷん、糖、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの固体
キャリアが使用され得る。その投与の容易さのために、錠剤およびカプセルは最も有利な
経口単位剤形を表し、この場合、明らかに固体医薬品キャリアが使用される。
投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、上述の医薬組成物を単位剤形で処方する
ことは特に有利である。本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、単位剤
形は単位投薬量として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる医薬品
キャリアと関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性成分を含有す
る。このような単位剤形の例としては、錠剤(分割錠剤または被覆錠剤を含む)、カプセ
ル、丸薬、粉末パケット、ウェハ、注射可能な溶液または懸濁液、小さじ1杯分(tea
spoonful)、大さじ1杯分(tablespoonful)など、およびこれら
を複数に分離したものが挙げられる。
ナルメフェンは、前記第2の化合物の投与前、投与中、または投与後に投与され得るが
、ただし、ナルメフェンの投与と前記第2の化合物の投与との間の時間は、成分がCNS
に相乗的に作用できるようなものであることを条件とする。ナルメフェンおよび前記第2
の化合物の同時投与が想定される場合、前記第2の化合物およびナルメフェンの両方を含
有する組成物は特に便利であり得る。あるいは、ナルメフェンおよび前記第2の化合物は
、適切な組成物の形態で別々に投与されてもよい。組成物は、上記のように調製され得る
また本発明は、精神医学的な薬物療法における同時使用、別々の使用、または連続的な
使用のための配合調製物として、ナルメフェンと、抗不安薬である第2の化合物とを含有
する製品も含む。このような製品には、例えば、ナルメフェンを含有する個別の単位剤形
と、抗不安薬を含有する個別の単位剤形とを含み、全てが同じ容器またはパック、例えば
ブリスターパック内に含有されたキットが含まれ得る。
同時または連続投与のための上記調製物に含有される第2の化合物は、例えば、SSR
Iなどのセロトニン再取り込み阻害薬または細胞外セロトニンのレベルの上昇を引き起こ
す別の化合物から選択され得る抗不安薬である。
本明細書中に引用される刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献は、本明
細書中の他の場所で行われる任意の別個に提供される特定の文書の援用に関係なく、各参
考文献が参照によって援用されると個々にかつ具体的に示され、そしてその全体が本明細
書で説明された場合と同じ程度まで(法律で許容される最大範囲まで)、参照によってそ
の全体が本明細書に援用される。
「a」および「an」および「the」という用語ならびに同様の指示対象の使用は、
本発明の説明の文脈では、本明細書において他に記載されない限り、または文脈により明
らかに否定されない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。例
えば、「化合物」という語句は、他に記載されない限り、本発明または特定の記載された
態様の種々の「化合物」を示すと理解されるべきである。
要素に関して「含む(comprising)」、「有する(having)」、「包
含する(including)」または「含有する(containing)」などの用
語を用いて任意の態様または本発明の態様を本明細書中で記載することは、他に規定され
ない限り、または文脈により明らかに否定されない限り、その特定の要素「からなる(c
onsists of)」、「から本質的になる(consists essentia
lly of)」、または「を実質的に含む(substantially compr
ises)」同様の態様または本発明の態様に対する支持を提供することが意図される(
例えば、特定の要素を含むと本明細書に記載される組成物は、他に規定されない限り、ま
たは文脈により明らかに否定されない限り、その要素からなる組成物も記載すると理解さ
れるべきである)。
本明細書で言及される本発明の種々の態様、実施形態、実装および特徴が、別個にある
いは任意の組み合わせで特許請求され得ることは理解されるべきである。
本発明に従う実施形態
以下において、本発明の実施形態が開示される。第1の実施形態はE1で示され、第2
の実施形態はE2で示され、以下同様である。
E1.不安障害の治療で使用するためのナルメフェン。
E2.併存性の不安障害を有するアルコール依存患者の治療で使用するためのナルメフ
ェン。
E3.併存性の不安障害を有するアルコール依存患者において不安障害の治療で使用す
るための実施形態1または2に従うナルメフェン。
E4.併存性の不安障害を有するアルコール依存患者において、アルコール消費の低減
で使用するため、および実施形態3に従う不安障害の治療で使用するためのナルメフェン
E5.前記不安障害または併存性の不安障害がアルコール誘発性の不安障害である、実
施形態1〜4のいずれかに従うナルメフェン。
E6.前記アルコール依存が前記不安障害によって引き起こされる、実施形態2〜4の
いずれかに従うナルメフェン。
E7.前記アルコール依存および前記不安障害が因果的に互いに関連していない、実施
形態2〜4のいずれかに従うナルメフェン。
E8.前記不安障害または併存性の不安障害が、急性ストレス障害、広場恐怖症、不安
症、不安障害、精神的苦痛、全般性不安障害、神経質、疾病恐怖症、強迫性障害、パニッ
ク発作、パニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、外傷後ストレス障害、社会恐怖症
、ストレス、および緊張から選択される、実施形態1〜7のいずれかに従うナルメフェン
E9.前記ナルメフェンが、前記不安障害の治療および/または前記アルコール消費の
低減で使用される唯一の活性成分である、実施形態1〜8のいずれかに従うナルメフェン
E10.前記患者がさらに、抗不安薬である第2の化合物によって治療される、実施形
態1〜9のいずれかに従うナルメフェン。
E11.前記第2の化合物が、セロトニン再取り込み阻害薬、または細胞外セロトニン
のレベルの上昇を引き起こす任意の他の化合物から選択される、実施形態10に従うナル
メフェン。
E12.前記セロトニン再取り込み阻害薬が選択的セロトニン再取り込み阻害薬である
、実施形態11に従うナルメフェン。
E13.前記第2の化合物が、シタロプラム、エシタロプラム、フルオキセチン、セル
トラリン、パロキセチン、フルボキサミン、ベンラファキシン、デュロキセチン、ダポキ
セチン、ネファゾドン、イミプラミン、フェモキセチン、クロミプラミン、アゴメラチン
、およびブスピロンまたはこれらの化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択さ
れる、実施形態11に従うナルメフェン。
E14.前記ナルメフェンおよび前記第2の化合物が同一の単位剤形内に含有される、
実施形態10〜13のいずれかに従うナルメフェン。
E15.前記ナルメフェンおよび前記第2の化合物が別々の単位剤形内に含有される、
実施形態10〜13のいずれかに従うナルメフェン。
E16.前記患者が少なくとも中程度の飲酒リスクレベルを有する、実施形態2〜15
のいずれかに従うナルメフェン。
E17.前記患者が高い飲酒リスクレベルを有する、実施形態16に従うナルメフェン
E18.前記患者が、男性については>60g/日の純粋なアルコールの消費、および
女性については>40g/日の純粋なアルコールの消費に相当する飲酒リスクレベルを有
する、実施形態17に従うナルメフェン。
E19.前記ナルメフェンが必要に応じて使用されるべきである、実施形態1〜18の
いずれかに従うナルメフェン。
E20.前記ナルメフェンが、10〜20mg、例えば、10mg、11mg、12m
g、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mgまたは2
0mgなどの用量で使用される、実施形態1〜19のいずれかに従うナルメフェン。
E21.前記ナルメフェンが18mgの用量で使用される、実施形態20に従うナルメ
フェン。
E22.前記ナルメフェンが薬学的に許容可能な酸付加塩の形態で使用される、実施形
態1〜21のいずれかに従うナルメフェン。
E23.前記ナルメフェンが塩酸塩の形態で使用される、実施形態22に従うナルメフ
ェン。
E24.前記ナルメフェンが塩酸塩二水和物の形態で使用される、実施形態23に従う
ナルメフェン。
E25.前記ナルメフェンが結晶形態で使用される、実施形態24に従うナルメフェン
E26.前記ナルメフェンが、錠剤またはカプセルなどの経口剤形に含有される、実施
形態1〜25のいずれかに従うナルメフェン。
E27.ナルメフェンと、抗不安薬である第2の化合物と、任意選択で、許容可能なキ
ャリアまたは希釈剤とを含む、医薬組成物。
E28.前記第2の化合物が、セロトニン再取り込み阻害薬、または細胞外セロトニン
のレベルの上昇を引き起こす任意の他の化合物である、実施形態27に従う医薬組成物。
E29.抗不安薬である第2の化合物と一緒に、ナルメフェンを含むキット。
E30.前記第2の化合物が、セロトニン再取り込み阻害薬、または細胞外セロトニン
のレベルの上昇を引き起こす任意の他の化合物である、実施形態29に従うキット。
E31.前記セロトニン再取り込み阻害薬が選択的セロトニン再取り込み阻害薬である
、実施形態28に従う医薬組成物または実施形態30に従うキット。
E32.前記第2の化合物が、シタロプラム、エシタロプラム、フルオキセチン、セル
トラリン、パロキセチン、フルボキサミン、ベンラファキシン、デュロキセチン、ダポキ
セチン、ネファゾドン、イミプラミン、フェモキセチン、クロミプラミン、アゴメラチン
、ブスピロンまたはこれらの化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される、
実施形態27に従う医薬組成物または実施形態29に従うキット。
E33.前記ナルメフェンおよび前記第2の化合物の連続投与に適している、実施形態
29〜32のいずれかに従うキット。
E34.前記ナルメフェンおよび前記第2の化合物の同時投与に適している、実施形態
27〜32のいずれかに従う医薬組成物またはキット。
E35.前記ナルメフェンおよび前記第2の化合物が同一の単位剤形内に含有される、
実施形態34に従う医薬組成物またはキット。
E36.前記ナルメフェンが、10〜20mg、例えば、10mg、11mg、12m
g、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mgまたは2
0mgなどの用量で存在する、実施形態27〜35のいずれかに従う医薬組成物またはキ
ット。
E37.前記ナルメフェンが18mgの用量で存在する、実施形態36に従う医薬組成
物またはキット。
E38.前記ナルメフェンが薬学的に許容可能な酸付加塩の形態で存在する、実施形態
27〜37のいずれかに従う医薬組成物またはキット。
E39.前記ナルメフェンが塩酸塩の形態で存在する、実施形態38に従う医薬組成物
またはキット。
E40.前記ナルメフェンが塩酸塩二水和物の形態で存在する、実施形態39に従う医
薬組成物またはキット。
E41.前記ナルメフェンが結晶形態で存在する、実施形態40に従う医薬組成物また
はキット。
E42.不安障害の治療のための方法であって、本方法は、薬学的に許容可能な量のナ
ルメフェンを、それを必要としている患者に投与することを含む。
E43.アルコール消費の低減のためおよび不安障害の治療のための方法であって、本
方法は、薬学的に許容可能な量のナルメフェンを、それを必要としている患者に投与する
ことを含む。
E44.前記患者がアルコール依存であり、併存性の不安障害を有する、実施形態42
〜43のいずれかに従う方法。
E45.前記不安障害または併存性の不安障害がアルコール誘発性の不安障害である、
実施形態44に従う方法。
E46.前記アルコール依存が前記不安障害によって引き起こされる、実施形態44に
従う方法。
E47.前記アルコール依存および前記不安障害が因果的に互いに関連していない、実
施形態44に従う方法。
E48.前記不安障害または併存性の不安障害が、急性ストレス障害、広場恐怖症、不
安症、不安障害、精神的苦痛、全般性不安障害、神経質、疾病恐怖症、強迫性障害、パニ
ック発作、パニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、外傷後ストレス障害、社会恐怖
症、ストレス、および緊張から選択される、実施形態42〜47のいずれかに従う方法。
E49.前記ナルメフェンが、前記不安障害の治療および/または前記アルコール消費
の低減において使用される唯一の活性成分である、実施形態42〜48のいずれかに従う
方法。
E50.薬学的に許容可能な量の抗不安薬である第2の化合物を投与することをさらに
含む、実施形態42〜49のいずれかに従う方法。
E51.前記第2の化合物が、セロトニン再取り込み阻害薬、または細胞外セロトニン
のレベルの上昇を引き起こす任意の他の化合物である、実施形態50に従う方法。
E52.前記セロトニン再取り込み阻害薬が選択的セロトニン再取り込み阻害薬である
、実施形態51に従う方法。
E53.前記第2の化合物が、シタロプラム、エシタロプラム、フルオキセチン、セル
トラリン、パロキセチン、フルボキサミン、ベンラファキシン、デュロキセチン、ダポキ
セチン、ネファゾドン、イミプラミン、フェモキセチン、クロミプラミン、アゴメラチン
、ブスピロンまたはこれらの化合物のいずれかの薬学的に許容可能な塩から選択される、
実施形態50に従う方法。
E54.前記ナルメフェンおよび前記第2の化合物が同一の単位剤形内に含有される、
実施形態50〜53のいずれかに従う方法。
E55.前記ナルメフェンおよび前記第2の化合物が別々の単位剤形内に含有される、
実施形態50〜53のいずれかに従う方法。
E56.前記患者が少なくとも中程度の飲酒リスクレベルを有する、実施形態42〜5
5のいずれかに従う方法。
E57.前記患者が高い飲酒リスクレベルを有する、実施形態56に従う方法。
E58.前記患者が、男性については>60g/日の純粋なアルコールの消費、および
女性については>40g/日の純粋なアルコールの消費に相当する飲酒リスクレベルを有
する、実施形態57に従う方法。
E59.前記ナルメフェンが必要に応じて投与される、実施形態42〜58のいずれか
に従う方法。
E60.前記ナルメフェンが、10〜20mg、例えば、10mg、11mg、12m
g、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mgまたは2
0mgなどの用量で投与される、実施形態42〜59のいずれかに従う方法。
E61.前記ナルメフェンが18mgの用量で投与される、実施形態60に従う方法。
E62.前記ナルメフェンが薬学的に許容可能な酸付加塩の形態で投与される、実施形
態42〜61のいずれかに従う方法。
E63.前記ナルメフェンが塩酸塩の形態で投与される、実施形態62に従う方法。
E64.前記ナルメフェンが塩酸塩二水和物の形態で投与される、実施形態63に従う
方法。
E65.前記ナルメフェンが結晶形態で投与される、実施形態64に従う方法。
E66.前記ナルメフェンが、錠剤またはカプセルなどの経口剤形に含有される、実施
形態42〜65のいずれかに従う方法。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって説明されるであろう。
臨床的評価
アルコール依存の診断は、DSM−IV−TR基準に基づいて行った。このために、調
査員は、精神疾患簡易構造化面接(Mini International Neuro
psychiatric Interview)(MINI)の標準化面接を用いること
により構造化された方法で患者に問診した(Lecrubier Y.et al.Th
e Mini International Neuropsychiatric In
terview(M.I.N.I.).A short diagnostic str
uc−tured interview:Reliability and valid
ity according to the CIDI.European Psych
iat.(1997),12:224−31)。M.I.N.I.は、DSM−IVにお
ける主要な第I軸精神障害のための簡易構造化面接として設計される。その使用は診断基
準の標準化された評価を可能にする。M.I.N.I.面接は、スクリーニング訪問(s
creening visit)として使用した。臨床医は、講習会後にそれを使用した
。ベースラインで不安障害のある患者を選択するためにM.I.N.I.アプローチを使
用することもできる。
不安障害のある患者を確認するための別のアプローチは、ベースラインにおける不安障
害を、「急性ストレス障害」、「広場恐怖症」、「不安症」、「不安障害」、「精神的苦
痛」、「全般性不安障害」、「神経質」、「疾病恐怖症」、「強迫性障害」、「パニック
発作」、「パニック障害」、「広場恐怖を伴うパニック障害」、「外傷後ストレス障害」
、「社会恐怖症」および/または「ストレスおよび緊張」のような医薬規制用語集(Me
dDRA)優先用語でコードされる任意の進行中の病歴として定義することによる。以下
の実施例1および2において、ベースラインで不安障害があると分類される患者を前記M
edDRA用語に基づいて選択した。
実施例1:アルコール消費の低減に対する臨床効果
アルコール依存(DSM−IV)患者のアルコール消費の低減に対するナルメフェンの
効力は、2つの効力研究(研究12014Aおよび研究12023A)および安全性研究
(研究12013A)において評価した。全ての研究は、多国籍、多施設(multi−
site)、無作為化、二重盲検、並行2群間、プラセボ対照研究であった。効力は、2
4週間の治療を通して評価した。研究には、アルコール依存の一次診断を有する年齢18
才以上の外来患者が含まれた。患者は、スクリーニング訪問前の4週間に、6以上のHD
D、14以下の連続禁酒日を有し、基準範囲の上限の3倍を超える血清アスパラギン酸ア
ミノトランスフェラーゼ(ASAT)および/または血清アラニンアミノトランスフェラ
ーゼ(ALAT)値を有さない(調査員の意見では臨床的に重要である)場合に、研究に
参加する資格があった。精神医学的な併存疾患を伴う患者(すなわち、安定した用量の抗
精神病薬および/または特定の抗うつ薬を使用する患者)も、精神医学的併存症の治療が
飲酒問題の治療より優先される必要がない限り、あるいは研究治療を妨害する可能性また
は治療のコンプライアンスを損なう可能性がない限りは含まれた。
研究には全部で1997人の患者が含まれ、そのうち1173人は、必要に応じた投薬
計画においてナルメフェン18mgで治療した。患者がその行動を変える支援をするため
、そして治療の順守を高めるために、動機づけおよび順守向上の介入を全ての患者に行っ
た。
アルコール消費の低減に対するナルメフェンの効力は、2つのコプライマリーエンドポ
イント:1か月の大量飲酒日(HDD)数の変化、および1日の平均総アルコール消費(
TAC)の変化を用いて測定した。HDDは、男性については60g以上のアルコール、
女性については40g以上のアルコールを消費した日であると定義した。ナルメフェンま
たはプラセボで治療した患者におけるHDDおよびTACの経時的な変化は図1〜2に表
示されており、24週目にHDDおよびTACで測定されたナルメフェンとプラセボとの
間の差異は、ベースラインで不安障害のある患者群において、ベースラインで不安障害の
ない患者の場合と同レベルに過ぎなかったことが示される。
実施例2:POMSスコアによって測定される臨床効果
研究12014A、12023Aおよび12013AにおけるPOMsスコアの評価を
用いて、研究全体を通して、気分状態および気分変化に対するナルメフェンの効果を評価
した。表5および7は、ベースラインで不安障害のある患者が、不安障害のない患者と比
較して、ベースラインでより高いPOMSスコアを有したことを示す。POMSスコアの
ベースラインからの変化は、図3〜9で説明される。図3a〜9aは、ベースラインで不
安障害のない患者において、POMSスコアのパターンが研究全体を通して安定しており
、ナルメフェンとプラセボとの間に顕著な差異がなかったことを示す。図3b〜9bは、
ナルメフェンを受けたベースラインで不安障害のある患者が、プラセボを受けたベースラ
インで不安障害のある患者よりも、研究の最後に優れたPOMSスコアを有したことを示
す。
特に、総合的な気分の乱れ、緊張−不安、抑うつ−拒絶、怒り−敵意および混乱をそれ
ぞれ表す図3b、4b、5b、6bおよび9bは、4〜24週目に、プラセボを受けた患
者と比較して、ナルメフェンを受けた患者においてより優れたPOMSスコアを示す。
一般に、図7aおよび7bに示される活気を除いて(より高いPOMSスコアはより優
れた気分状態を示す)、より低いPOMSスコアは、より高いスコアよりも優れた気分状
態を示す。
研究12014A、12023Aおよび12013Aの人口統計データおよびベースラ
イン特性は以下の表4〜7に示されており、患者の選択のためにMedDRAに従う病歴
を使用した。
Figure 0006713523
Figure 0006713523
Figure 0006713523
Figure 0006713523
Figure 0006713523
Figure 0006713523
Figure 0006713523
Figure 0006713523
実施例3:SF−36精神的健康度サマリー(Mental Component Su
mmary)(FAS、OC)によって測定される臨床効果
患者の健康状態を測定するための別の方法はSF−36によるものであり、これは、認
知される健康状態の一般的な尺度として開発された患者報告結果である。精神的健康度サ
マリースコアは、生活の質に関連する健康の精神的側面に焦点を合わせる。より高いスコ
アはより良い健康状態または幸福に相当する。
精神的健康度サマリースコアにおけるデータは、以下の表8に示される。12週目およ
び24週目までのベースラインからの変化におけるナルメフェンとプラセボとの間の差異
は、ベースラインで不安障害のない患者よりもベースラインで不安障害のある患者におい
てより顕著であった。
Figure 0006713523
非臨床的評価
不安障害の治療のためのナルメフェンのさらなる特性は、非臨床モデル、例えば、実施
例4〜6に概説される急性効果の評価のためのモデルにおいて評価される。ナルメフェン
は、各モデルにおいて、唯一の活性物質として、そして第2の化合物と組み合わせて評価
することができる。
ナルメフェンは、例えばナルメフェン塩酸塩の形態で投与することができ、これは適切
な量の生理食塩水に溶解されて、例えば皮下投与により動物に投薬される。ナルメフェン
と組み合わせられる第2の化合物は、適切な量の適切な媒体に溶解されて、例えば皮下投
与により動物に投薬され得る。
実施例4:ラットのVogel試験
水飲みとフードショック処罰の組み合わせは、水の欠乏したラットの衝突を誘発し、水
を求める行動の頻度が低下する。抗不安薬によるラットの前処置は衝突に対抗し、水を求
める頻度を増大させる。試験は、Vogel et al.,Psychopharma
cology,(1971),21:pp.1−7によって詳細に記載されるように行う
ことができる。簡単に言うと、ラットは、ステンレス鋼棒で構成された格子状の床および
水道水を含む水飲みボトルを備えた試験チャンバ(Plexiglasボックス)に適応
させられる。適応期間の後、動物は水が欠乏され、次に短時間、水飲みボトルに自由に近
づけるように試験チャンバに入れられる。その後、そのホームケージにおいて短時間の水
飲みセッションが許される。別の水欠乏期間の後、ラットは再度試験チャンバに入れられ
、短時間(30秒間)水飲みが許され、その後直ちに、その水飲みの試みが電気ショック
により処罰される。衝撃は、格子状の床と水飲みボトルの口との間に2秒(前のショック
が与えられた瞬間から測定)ごとに与えられる。各ショックは1秒間継続し、衝撃が解放
されたときにラットが水を飲んだら、ショックを与えた。5分間の実験セッションを通し
て受けたショックの数を記録した。
ラットのVogelモデルにおいてナルメフェンを唯一の活性化合物として試験した。
ラットに約48時間水を欠乏させ、次に、1cm隔てられたステンレス鋼棒(0.4cm
)からなる床を有する透明なPlexiglasエンクロージャ(15×32×34cm
)に個々に入れた。吐水口を見つけるまでラットを探索させた。次に、ラットが飲水する
度に、飲み始めた2秒後にわずかな電気ショック(1.7mA、1秒間)を与えた。3分
間の試験中に罰を受けた飲水の数を数えた。ナルメフェンを3つの用量(0.01、0.
1および1mg/kg)で評価し、試験の30分前に皮下投与し、媒体対照群と比較した
。所与の試験条件下で有意な効果は示されなかった。
実施例5:ラットの高架式十字迷路試験
ラットは、オープンスペースに嫌悪を有し、包囲された空間または境界のある空間の縁
部に動きを制限することによってそれを回避する。抗不安活性は、Pellow et
al.,J.Neurosci.Methods.(1985)Aug;14(3):1
49−67に従って、床から40〜70cmの高さの2つの開放アームと2つの閉鎖アー
ム(それぞれオープンルーフがある)を有する十字形状の装置からなる試験装置において
試験することができる。抗不安活性化合物によるラットの前処置は開放アームにおいて費
やされる時間の割合(開放アーム内の時間/開放アームまたは閉鎖アーム内の合計時間)
を増大させ、開放アームへの侵入の割合(開放アームへの侵入/開放アームまたは閉鎖ア
ームへの侵入の合計)を増大させる。アーム侵入の総数および閉鎖アーム侵入の数は、一
般活動性の尺度として使用することができる。
ラットの高架式十字迷路試験において、ナルメフェンを唯一の活性化合物として試験し
た。ラットを十字迷路の中央に置き、5分間探索させた。開放アームおよび閉鎖アームへ
の侵入の数、ならびに開放アームで費やされた時間を記録した。開放アーム侵入%(開放
アーム侵入/総アーム侵入×100)を計算した。ナルメフェンを3つの用量(0.01
、0.1および1mg/kg)で評価し、試験の30分前に皮下投与し、媒体対照群と比
較した。所与の試験条件下で有意な効果は示されなかった。
実施例6:ビー玉隠し試験
抗不安/鎮静活性を検出する方法は、Broekkampら(Eur.J.Pharm
acol.,126,223−229,1986)によって記載される方法に従う。新規
の対象(ビー玉)にさらされたマウスは、ビー玉をおがくずの敷物の中に隠す。抗不安薬
は、鎮静薬の投与がなくても隠されたビー玉の数を減少させる。
ナルメフェンを唯一の活性化合物としてビー玉隠しモデルで試験した。マウス(NMR
I)を、床上に5cmのおがくずを敷いた透明なプラスチックケージ(33×21×18
cm)に個々に入れ、25個のビー玉をケージの中央に集めた。逆向きにしたプラスチッ
クケージでケージを覆った。10匹のマウスをケージに15分間入れておくことにより、
各試験ケージに(ビー玉と一緒に)事前にマウス臭を浸み込ませた。これらのマウスはそ
の後、実験においてさらなる役割を果たさなかった。
30分間の試験の最後に、おがくずで覆われた(2/3以上)ビー玉の数を数えた。1
群につき12匹のマウスを研究した。試験を盲検法で実施した。ナルメフェンを3つの用
量(0.01、0.1および1mg/kg)で評価し、試験の30分前に皮下投与し、媒
体対照群と比較した。同じ実験条件下で投与されるクロバザム(8mg/kg s.c.
)を基準物質として使用した。従って、実験には8つの群が含まれた。
Kruskall−Wallis検定を用いた後、Mann−WhitneyのU検定
を用いて、治療群と媒体対照とを比較することにより試験物質のデータを分析した。基準
物質のデータは、Mann−WhitneyのU検定を用いて分析した。群の数のために
、2つの別々の副実験(各副実験は1群につき6匹のマウスを含む)にわたって研究を行
った。
データは、試験の30分前に皮下投与されたナルメフェン(0.1mg/kg)が、媒
体対照と比較して、おがくずで覆われたビー玉の数を有意に減少させる(−13%、p<
0.01)ことを示した。0.01または1mg/kgでは有意な効果はなかった。デー
タはさらに、以下の表9に示される。
Figure 0006713523

Claims (11)

  1. アルコール依存患者におけるアルコール依存を治療するためのナルメフェンを含む医薬組成物であって、
    前記組成物が、前記患者におけるアルコール消費を低減し、
    前記アルコール依存患者が、併存性の不安障害を有する患者であり、
    前記組成物が、前記併存性の不安障害をも治療するためのものであり、
    前記ナルメフェンが10〜20mgの用量で使用される医薬組成物。
  2. 前記併存性の不安障害がアルコール誘発性の不安障害である、請求項1に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
  3. 前記アルコール依存が前記併存性の不安障害によって引き起こされる、請求項1に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
  4. 前記併存性の不安障害を有する前記アルコール依存患者を治療するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
  5. 前記アルコール依存および前記併存性の不安障害が因果的に互いに関連していない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
  6. 前記併存性の不安障害が、急性ストレス障害、広場恐怖症、不安症、不安障害、精神的苦痛、全般性不安障害、神経質、疾病恐怖症、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、外傷後ストレス障害、社会恐怖症、ストレス、および緊張から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
  7. 前記ナルメフェンが、前記併存性の不安障害の治療および/または前記アルコール消費の低減で使用される唯一の活性成分である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
  8. 前記患者がさらに、抗不安薬である第2の化合物によって治療される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
  9. 前記患者が、高い飲酒リスクレベルを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
  10. 前記ナルメフェンが、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mgまたは20mgの用量で使用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
  11. 前記ナルメフェンが塩酸塩の形態で使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のナルメフェンを含む医薬組成物。
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