JP6724352B2 - 液晶素子、液晶組成物、液晶素子を用いたスクリーン及びディスプレイ - Google Patents
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Description
透過−散乱型液晶素子としては、高分子安定化液晶(PSLC:Polymer-Stabilized Liquid Crystals)及び高分子分散液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystals
)が広く知られている。前者は連続的に広がった液晶相中に、5重量%程度の微量のポリマーが網目状のネットワークとして連なっている。後者は高分子膜中に液晶相の液滴が分散した構造をしている(非特許文献1)。
このような装置においては、一般に透明状態での使用時間が圧倒的に長いため、省電力の観点から、電圧無印加時に透明で、電圧印加時に散乱状態となるよう動作するリバースモードの電気光学効果を有することが望まれる。
した液晶組成物を、液晶素子中で光硬化させて高分子膜を配向膜面に生成し、液晶配向を安定化する。この技術を用いることで、液晶素子の高速応答及び高い電気信頼性が得られることが知られている。特許文献4には、特定の重合性モノマーを適用することで、高速応答を示す液晶素子が開示されている。また、特許文献5には、特定の重合性モノマーを適用することで、重合性モノマーの高いホスト液晶溶解性、高速応答及び高い電気信頼性を示す液晶素子が開示されている。
特許文献1〜3で用いられている透過−散乱型液晶素子は長時間に渡って通電を行うと、通電を停止した後も液晶配向が元に戻らず、液晶素子の透明性が損なわれるという電気信頼性の問題があった。
[1] 少なくとも一方が透明な基板であり、対向して配置される一対の電極付き基板を有
し、前記基板間に、カイラルネマチック液晶相と高分子樹脂相を含む複合体を含む液晶調光層を有する液晶素子であって、前記高分子樹脂相が、下記一般式(1)で表される構造を含有し、前記カイラルネマチック液晶相の誘電率異方性が正である、液晶素子。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上、6以下のアルキル基を表し、
X1及びX3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の基を表し、
X2は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の基を表し、
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基又は置換基を有していても良い環状の脂肪族炭化水素基を表し、A1及びA2の少なくとも1方は、環状の脂肪族炭化水素基を含む基であり、
m1及びm3は、それぞれ独立に、0以上、6以下の整数を表し、
m2は、0以上、4以下の整数を表す。]
[2]前記対向して配置される一対の電極付き基板の基板間の距離dが、2μm以上、1
00μm以下であり、前記カイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pとdの関係が、
d/p≧1である、[1]に記載の液晶素子。
[3]前記液晶調光層が高分子安定化液晶である、[1]又は[2]に記載の液晶素子。
[4]透過−散乱型素子である、[1]乃至[3]のいずれか1に記載の液晶素子。
[5]液晶素子が、偏光板を用いないものである、[1]乃至[4]のいずれか1に記載の液晶素子。
[6]前記液晶素子において、直流電圧及び/又は交流電圧印加時の可視光透過率が、電圧無印加時の可視光透過率よりも低下する領域が存在する、[1]乃至[5]のいずれか1に記載の液晶素子。
[7]直流電圧及び/又は交流電圧印加時のヘイズが70%以上であり、電圧無印加時のヘイズが15%以下である、[1]乃至[6]のいずれか1に記載の液晶素子。
[8]−10℃以上の温度範囲で、液晶素子の直流電圧及び/又は交流電圧の無印加時の可視光透過率を100%、直流電圧及び/又は交流電圧の印加時の可視光透過率を0%と規格化したとき、直流電圧及び/又は交流電圧を印加した時から可視光透過率が10%となるまでの時間及び、直流電圧及び/又は交流電圧を無印加とした時から可視光透過率が90%となるまでの時間が、それぞれ8ms以下である、[1]乃至[7]のいずれか1に記載の液晶素子。
[9][1]乃至[8]のいずれか1に記載の液晶素子を用いたスクリーン。
[10][1]乃至[8]のいずれか1に記載の液晶素子を用いたディスプレイ。
[11] 誘電率異方性が正であるカイラルネマチック液晶及び下記一般式(3)で表される重合性モノマーを、0.5質量%以上、10質量%以下含有することを特徴とする液晶組成物。
R3及びR4は、それぞれ独立に、不飽和アシル基を表し、
X4及びX6は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の基を表し、
X5は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の基を表し、
A3及びA4は、それぞれ独立に、2価の、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基又は置換基を有していても良い環状の脂肪族炭化水素基を表し、A3及びA4の少なくとも1方は、環状の脂肪族炭化水素基を含む基であり、
n1及びn3は、それぞれ独立に、0以上、6以下の整数を表し、
n2は、0以上、4以下の整数を表す。]
[12]前記カイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pが、0.3μm以上、3μm以下である、[11]に記載の液晶組成物。
[13]液晶組成物の液晶-等方相転移温度が40℃以上である、[11]又は[12]
に記載の液晶組成物。
[14][11]乃至[13]のいずれか1に記載の液晶組成物を用いて形成された、液晶素子。
本発明の液晶素子は、少なくとも一方が透明な基板であり、対向して配置される一対の電極付き基板と、該基板間に液晶相と高分子樹脂相の複合体からなる液晶調光層を挟持する。前記高分子樹脂相が特定の構造を有することで、液晶素子は、電気信頼性に優れ、同時に電源OFF時の高透明性、電源ON時の高散乱性及び高速応答に優れるものである。本発明の液晶素子は、上記の特性から、スクリーン、ディスプレイ等に用いることが有用である。例えば、建物の窓、パーテーション等に視野遮断素子として用いることができる。また、公告板、ショーウインドウ、コンピューター端末、プロジェクション等のディスプレイとして利用することができる。
[液晶素子]
本発明の液晶素子は、光透過状態と光散乱状態とで切り替えが可能(透過―散乱型)である。光透過状態と光散乱状態の切り替えは、液晶素子に含まれる少なくとも一方が透明な基板であり、対向して配置される一対の電極付き基板を有し、前記基板間に、液晶相と高分子樹脂相を含む複合体を含む液晶調光層を電気駆動することで実現できる。液晶調光層としては、光透過状態と光散乱状態を電気駆動により切り替えることのできる透過−散乱型の液晶相と高分子樹脂相の複合体を使用することができる。
り、紫外光の露光工程により液晶相に発生するイオン性不純物を低減することができ、液晶素子の電気信頼性を向上できることを見出したものである。
本発明の液晶素子が、液晶相に発生するイオン性不純物を低減でき、液晶素子の電気信頼性に優れる理由は、液晶の混合物や重合性化合物が紫外光を吸収して発生させる活性ラジカルを、特定の構造を持つ重合性化合物が、効率よくトラップし、且つ、効率よく重合反応へと転化させているためであると推測される。また、重合性化合物の分子構造において、π電子共役を縮小または分断する位置に脂肪族炭化水素基の環状構造を組みこむことで、重合性化合物の紫外光吸収を抑制し、イオン性不純物等の分解物の発生が低減されたためと推測される。
また、本発明の液晶素子は、光学変調を光散乱のスイッチングで行うため、偏光板を用いずに表示を行うことができる。従って、本発明の液晶素子は透過率が50%を上回ることができ、光の利用効率が高いものである。
基板の材質としては、例えば、ガラスや石英等の無機透明物質、金属、金属酸化物、半導体、セラミック、プラスチック板、プラスチックフィルム等の無色透明或いは着色透明、又は不透明のものが挙げられ、電極は、その基板の上に、例えば、金属酸化物、金属、半導体、有機導電物質等の薄膜を基板全面或いは部分的に既知の塗布法や印刷法やスパッタ等の蒸着法等により形成されたものである。又、導電性の薄膜形成後に部分的にエッチングしたものでもよい。特に大面積の液晶素子を得るためには、生産性及び加工性の面からPET等の透明高分子フィルム上にITO(酸化インジウムと酸化スズの混合物)電極をスパッタ等の蒸着法や印刷法等を用いて形成した電極基板を用いることが望ましい。尚、基板上に電極間或いは電極と外部を結ぶための配線が設けられていてもよい。例えば、セグメント駆動用電極基板やマトリックス駆動用電極基板、アクティブマトリックス駆動用電極基板等であってもよい。
用いられるポリイミド等の通常の配向膜を使用してもよい。
本発明の液晶素子に含まれる液晶調光層は、カイラルネマチック液晶相及び高分子樹脂相を含む複合体を含む。本発明に用いる液晶調光層は、閾値以上の実効値を持つ、直流電圧、交流電圧、パルス電圧またはそれらの組み合わせによって光透過状態と光散乱状態の切り替えができる。液晶調光層としては、電圧無印加時に光透過状態で電圧印加状態に光散乱状態になるリバースモードの駆動をするものでも良いし、電圧無印加時に光散乱状態で電圧印加状態に光透過状態になるノーマルモードの駆動をするものでも良い。また、光透過状態と光散乱状態の切り替え時のみ電圧印加を行うメモリモードの駆動をするものでも良い。
。液晶素子への電圧が無印加の場合、高分子樹脂相に分散された液晶相の液晶らせん軸は、高分子樹脂相による強い束縛によりランダムな方向を向くフォーカルコニック相となり、光散乱状態となる。一方で、液晶調光層の電極基板間に電圧を印加することで、誘電異方性が負である液晶分子長軸が、基板と垂直な方向を向くホメオトロピック相となり、光透過状態となる。
本発明の液晶調光層は、PSLCであることがより好ましい。PSLCの特徴としては、高分子樹脂相が網目状のポリマーネットワーク構造をしており、また、液晶相に対する高分子樹脂相の割合が10質量%以下であり、液晶調光層中で液晶相が連続的に繋がった構造であることが挙げられる。PSLCは液晶相と高分子樹脂相との界面での弾性相互作用が大きく、液晶素子の立ち下がりの応答速度が他方式に比べて速い利点がある。また液晶素子への電圧無印加時の透明性と電圧印加時の散乱強度を十分に高めることができる。
液晶に色素を添加した場合、色素の分子配向に基づく固有の吸収波長、すなわち、2色比に応じた特定波長の光の吸収、透過及び散乱の各特性を液晶分子の動きに応じて電気的に制御できる調光・光学素子部材として用いることが可能となる。具体的には、色素を有することで、特定波長の成分だけを強く吸収したり、散乱を強めたりすることが可能となることで、波長異方性を補完することができる。これにより、素子の応用先に応じて目的の演色効果を設計することが可能となる。
本発明の高分子樹脂相は、下記一般式(1)で表される構造を含有する。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上、
6以下のアルキル基を表し、
X1及びX3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の基を表し、X2は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の基を表し、
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基又は置換基を有していても良い環状の脂肪族炭化水素基を表し、A1及びA2の少なくとも1方は、環状の脂肪族炭化水素基を含む基であり、
m1及びm3は、それぞれ独立に、0以上、6以下の整数を表し、
m2は、0以上、4以下の整数を表す。]
X1及びX3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の基を表し、X2は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の基を表す。
X2の2価の基としては、特に限定はないが、例えば、エーテル結合、エステル結合、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。これらの中でも、液晶への高溶解性の観点から、脂肪族炭化水素基又はエーテル結合が好ましい。
また、X1及びX3の2価の基としては、特に限定はないが、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。これらの中でも、液晶への高溶解性の観点から、脂肪族炭化水素基が好ましい。
有していてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボキシル基等が挙げられる。これらの中でもアルキル基及びアルコキシ基が、液晶への溶解性の観点から好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖、分岐及び環状である2価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1,2−シクロブタンジイル
基、1,3−シクロブタンジイル基、1,2−シクロペンタンジイル基、1,3−シクロペ
ンタンジイル基、1,4−シクロペンタンジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基、
1,2−シクロヘキサンジイル基、1,3−シクロヘキサンジイル基、1,4−シクロヘキ
サンジイル基、1,1−シクロヘプタンジイル基、1,2−シクロヘプタンジイル基、1,3−シクロヘプタンジイル基、1,4−シクロヘプタンジイル基等が挙げられ、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、1,3−シクロブタンジイル基、1,3−シクロペンタンジイル基、1,4−シクロペンタンジイル基、1,4−シクロヘキサンジイ
ル基、1,3−シクロヘキサンジイル基、1,3−シクロヘプタンジイル基、1,4−シクロヘプタンジイル基である。
また、炭素数は、4以上が好ましく、5以上が更に好ましい、また、8以下が好ましく、7以下が更に好ましい。これらの範囲であることで、液晶との配向を阻害しない傾向にある。
芳香族炭化水素基としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されない。単環、あるいはこれが2〜4個縮合してなる縮合環から、水素原子を2個除いて得られる2価の基である。
芳香族炭化水素基の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環等の基が挙げられる。これらの中でも、液晶への溶解性向上の点から、ベンゼン環又はナフタレン環であることが好ましい。
芳香族複素環基としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定はされない。単環、あるいはこれが2〜4個縮合してなる縮合環から、水素原子を2個除いて得られる2価の基である。
芳香族複素環基の炭素数は、6以上であることが好ましい。一方、炭素数は30以下であることが好ましく、26以下が更に好ましく、18以下であることが特に好ましい。これらの範囲であることで、重合時の反応性が向上する傾向にある。
A1及びA2はそれぞれ独立に、2価の、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基又は置換基を有していても良い環状の脂肪族炭化水素基を表す。
また、A1及びA2の少なくとも1方は、環状の脂肪族炭化水素基を含む。A1及びA2の少なくとも1方は、環状の脂肪族炭化水素基を含むことで、重合性化合物の紫外光吸収を抑制し、分解物の発生が低減され、液晶素子の電気信頼性が向上する。なお、環状の脂肪族炭化水素基を含むとは、それ自身が脂肪族炭化水素基であっても良いし、脂肪族炭化水素基と他の基が単結合により連結されていても良く、脂肪族炭化水素基と他の環構造が縮環した構造であっても良い。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、X1、X2及びX3で示したものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されない。例えば、1,2−シクロブタンジイル基、1,3−シクロブタンジイル基、1,2
−シクロペンタンジイル基、1,3−シクロペンタンジイル基、1,4−シクロペンタン
ジイル基、1,1−シクロヘキサンジイル基、1,2−シクロヘキサンジイル基、1,3−
シクロヘキサンジイル基、1,4−シクロヘキサンジイル基、1,1−シクロヘプタンジ
イル基、1,2−シクロヘプタンジイル基、1,3−シクロヘプタンジイル基、1,4−シクロヘプタンジイル基等が挙げられ、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン
基、1,3−シクロブタンジイル基、1,3−シクロペンタンジイル基、1,4−シクロペンタンジイル基、1,4−シクロヘキサンジイル基、1,3−シクロヘキサンジイル基、
1,3−シクロヘプタンジイル基、1,4−シクロヘプタンジイル基である。
脂肪族炭化水素基と他の基が単結合により連結されている基としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されないが、以下の基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基と他の環構造が縮環した基としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されないが、以下の基が挙げられる。
A1及びA2は置換基を有していても良い。例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも、アルキル基又はアルコキシ基が、液晶への溶解性の観点から好ましい。
R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上
、6以下のアルキル基を表す。炭素数1以上、6以下のアルキル基は、直鎖又は分岐して
いてもよい。これらの中でも、重合時の反応性向上の点から、水素原子又は炭素数1以上、4以下のアルキル基が好ましく、水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基が更に好ましい。
、エーテル結合、エステル結合、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。これらの中でも、液晶への溶解性の観点から、エーテル結合、ハロゲン原子又はシアノ基が好ましい。
m1及びm3は、それぞれ独立に、0以上、6以下の整数を表す。これらの中でも、液晶への溶解性向上の点から、0、1又は2が好ましい。
m2は、0以上、4以下の整数を表す。これらの中でも、液晶への溶解性向上の点から、0、1又は2が好ましい。
一般式(1)の中でも、下記一般式(2)で表される構造であることが、重合時の反応性が向上する傾向となるため、特に好ましい。
一般式(1)で表される構造の具体例を以下に挙げるが、本発明はその要旨を超えない限りこれらに限定されるものではない。
本発明の高分子樹脂相は、後述する重合性モノマーを重合させた高分子樹脂を含むものである。一般式(1)で表される構造以外にも本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の成分及び構造を含んでもよい。
本発明の液晶素子が有する一般式(1)で表される構造と他の構造の比率は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、一般式(1)で表される構造が30質量%以上であるのが好ましく、更に好ましくは50質量%以上、最も好ましくは80質量%以上である。
造、高いコントラスト、短い応答時間等が十分に得られる傾向にある。また、上記式(1)で表される構造の上限は、100質量%である。
他の構造の具体例としては、例えば、以下が挙げられる。
本発明のカイラルネマチック液晶相に用いる液晶はカイラルネマチック液晶相の誘電率異方性が正であれば特に限定されず、求める液晶素子の特性に応じて選択することができる。
本発明の液晶相及び下記に説明する液晶組成物に用いるカイラルネマチック液晶は特に限定されないが、誘電率異方性が正である。また、本発明のカイラルネマチック液晶の該誘電率異方性が正であることで、リバースモード、ノーマルモード及びメモリモードの透過−散乱型素子として使用することができる。
5以上であることが好ましく、8以上であることが、液晶素子の駆動電圧低減のために好ましい。また、重合開始剤を使用する場合、カイラルネマチック液晶を構成する個々の分子が開始剤の吸収波長に重なる波長の吸収を持たないことが、重合性モノマーの重合時間を短くする点で好ましい。
立ち上がりの応答時間τ1を短くするためには、液晶調光層の電極基板間へなるべく高い電圧を印加した方が有利である。ところが印加電圧が高すぎると、ホメオトロピック相へと相転移してしまい、十分な光散乱が得られなくなるというジレンマがある。この課題を解決するためには、カイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pと、対向して配置される一対の電極付き基板の基板間の距離dの関係d/pが1以上であることが好ましい。更に好ましくは、2以上、特に好ましくは4以上である。また、20以下であることが好ましく、12以下であることが特に好ましい。
pが小さ過ぎないことで、液晶素子の駆動電圧が低く抑えられる傾向があり、大き過ぎないことで、コントラスが高くなる傾向となる。
一般にpはカイラル剤の濃度に反比例するので、必要なpの値から逆算してカイラル剤の濃度を決定すれば良い。なお、p×n(nはカイラルネマチック液晶の屈折率)が可視光波長(380nm〜800nm)の範囲内にある場合、最終的に得られる液晶素子は電圧無印加時に有色となり、可視光範囲外にある場合は電圧無印加時に無色透明になるので、目的に応じてpを選択すれば良い。
本発明の液晶素子の対向して配置される一対の電極付き基板の基板間の距離dは、使用するカイラルネマチック液晶のp以上である必要があり、2μm以上が好ましく、3μm以上が更に好ましく、5μm以上が特に好ましい。また、100μm以下が好ましく、20μm以下が更に好ましい。
カイラルネマチック液晶のTniは、液晶素子の動作可能な温度上限がカイラルネマチック液晶のTniにより決定されることから50℃以上が好ましく、70℃以上が更に好ましい。一方、Tniが高くなると粘度が高くなる傾向があるので、200℃以下が好ましく、150℃以下が更に好ましい。
カイラル剤としては、ホスト液晶へ相溶するカイラル化合物であればいずれでもよく、合成品でも市販品でよく、自身が液晶性を示すものでもよいし、重合性の官能基を有していても良い。また、右旋性でも左旋性でもよく、右旋性のカイラル剤と左旋性のカイラル剤を併用してもよい。また、カイラル剤としては、それ自身の誘電異方性が正に大きく、
粘度の低いものが液晶素子の駆動電圧低減及び応答速度の観点から好ましく、カイラル剤が液晶をねじる力の指標とされるHelical Twisting Powerが大きいほうが好ましい。重合開始剤を用いる場合には、開始剤の吸収波長に重なる波長の吸収を持たないことが好ましい。
[液晶素子の製造方法]
本発明の液晶素子の液晶調光層は、例えば、スペーサーを介して対向配置される一対の電極付き基板周辺部を光硬化性接着剤等で接着層を形成して封止セルとし、あらかじめ1つ以上設けた接着層の切り欠きに常圧または真空中で本発明の液晶組成物に浸して注入するか、或いは、一方の基板上にコーターを使用して液晶組成物を塗布し、その上に他方の基板を重ねる等の公知の方法で挟持させた後、紫外光、可視光、電子線等の放射線によって重合・硬化することで形成される。プラスチックフィルム基板の場合、連続で供給される電極付き基板を2本のゴムロール等で挟み、その間に、スペーサーを含有分散させた液晶と未硬化の硬化性化合物との混合物を供給し、挟み込み、その後連続で光硬化させることができるので生産性が高い。いずれの方法においても、基板に配向処理が施されていない場合は、未硬化の液晶組成物を光硬化させる前に液晶組成物を流動させたり、せん断応力をかけたりする等の方法により、液晶組成物が配向してプレナー構造をとらせる必要がある。具体的には、配向処理されていない封止セル中に本発明の液晶組成物を注入することで、液晶組成物にプレナー構造をとらせることができる。
上、好ましくは1mW/cm2以上、さらに好ましくは10mW/cm2以上、特に好ましくは30mW/cm2以上である。放射照度が小さすぎると重合が十分進行しない傾向と
なる。又、液晶組成物の光重合には、通常、2J/cm2以上、好ましくは3J/cm2以上の積算照射量を与えれば良い。
本発明において液晶組成物を重合する際の温度は、通常0℃以上、40℃以下であることが好ましい。温度が適当な範囲にあることで、重合反応が進みやすくなる傾向にある。また、重合反応に伴い蓄積した熱が素子の温度上昇を抑制することができ、液晶の相転移温度以下で重合することができる。従って、液晶配向に局所的に乱れを生じさせず、液晶素子の光学特性や駆動耐久性等に影響を与えにくくなる。
本発明の液晶素子は、電圧を印加するか、又は、電圧印加状態から電圧無印加状態に戻すことで、透明状態から散乱状態(不透明状態)へスイッチングすることができる。本発明の液晶素子は、リバースモードで使用可能な液晶素子であるため、電圧印加時の可視光透過率が電圧無印加時の可視光透過率よりも低下する領域が存在する。なお、ここでの電圧は、交流及び/又は直流の電圧を指す。
本発明のリバースモードの液晶素子を透明状態から散乱状態へスイッチングするには、カイラルネマチック液晶相がプレナー状態からフォーカルコニック状態へ相転移するだけの電圧を電極間に印加すればよい。印加波形は直流、交流、パルス、あるいはそれらの合成波等、特に制限はない。直流電圧の場合、好ましくは0.5msec以上、交流電圧の場合、正弦波、矩形波、三角波、またはそれらの合成波のいずれでも良く、好ましくは100kHz以下の周波数で0.5msec以上、パルス波の場合、好ましくはパルス幅0.5msec以上を印加することでスイッチングできる。
又、本発明の液晶素子のヘイズは、直流電圧及び/又は交流電圧無印加時(電源OFF
時)に15%以下であるのが好ましく、直流電圧及び/又は交流電圧印加時(電源ON時
)に70%以上であることが好ましい。特に電源OFF時10%以下で電源ON時90%以上であるのが特に好ましい。室内、蛍光灯のもとでは、ヘイズが15%を超えると曇り
が目立ち、70%未満だと液晶素子向こうのシルエットが見えてくる傾向がある。
尚、本発明において、液晶素子のヘイズの測定及び平行光線透過率の測定は、JIS K7136(2000年)に従って測定される。
本明細書中に記載の応答時間とは、液晶素子が電圧無印加時の可視光(380〜800nm)透過率を100%、電圧印加により減少し飽和した時の可視光透過率を0%と規格化したとき、試験波形(本実施例中では100Hzの矩形波)を印加したときに可視光透過率が10%となるまでの時間(立ち上がり応答時間)、試験波形を無印加としたときに可視光透過率が90%となるまでの時間(立ち下がりの応答時間)と定義する。応答時間の測定方法は、実施例に記載の方法により測定される。
本発明の液晶組成物及び液晶素子は、液晶素子及びディスプレイ等に用いることができる。例えば、建物の窓、パーテーション及びショーウインドウ等の視野遮断のための液晶素子や、高速応答性を以って電気的に表示を切り替えることによって、公告板等のディスプレイやプロジェクションのパネルとして利用することができる。
本発明の液晶組成物は、誘電率異方性が正であるカイラルネマチック液晶及び下記一般式(3)で表される重合性モノマーを、0.5質量%以上、10質量%以下含有するものである。
R3及びR4は、それぞれ独立に、不飽和アシル基を表し、
X4及びX6は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の基を表し、
X5は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の基を表し、
A3及びA4は、それぞれ独立に、2価の、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基又は置換基を有していても良い環状の脂肪族炭化水素基を表し、A3及びA4の少なくとも1方は、環状の脂肪族炭化水素基を含む基であり、
n1及びn3は、それぞれ独立に、0以上、6以下の整数を表し、
n2は、0以上、4以下の整数を表す。]
R3及びR4は、それぞれ独立に、不飽和アシル基を表す。不飽和アシル基が有する不飽和結合の種類数は特に限定されない。また、炭素数も特に限定されないが、3以上が好ましく、また、10以下が好ましく、5以下が更に好ましい。これらの範囲であることで、重合時の反応性が向上する傾向にある。
これらの中でも、重合時の反応性が向上する点から、アクリロイル基又はメタクリロイル基であることが好ましい。
X4及びX6は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の基を表し、X5は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の基を表す。2価の基としては、特に限定はないが、上記の一般式(1)のX1、X2及びX3で挙げた2価の基と同じものが挙げ
られる。
しい。
X4、X5及びX6が有していてもよい置換基は、上記の一般式(1)のX1、X2及びX3の2価の基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられ、好ましい置換基も同
義である。
X4、X5及びX6の組合せは特に限定されず、同一でも、一部又は全て異なっていてもよいが、製造方法の容易さから、同一であることが好ましい。
A3及びA4は、一般式(1)のA1及びA2とそれぞれ同義であり、有していてもよい置換基、好ましい範囲等も同義である。
n1、n2及びn3は、一般式(1)のm1、m2及びm3とそれぞれ同義であり、有していてもよい置換基、好ましい範囲等も同義である。
一般式(3)で表される重合性モノマーのなかでも、さらに一般式(4)で表される重合性モノマーであることが、液晶との配向規則性が優れる傾向となり、好ましい。
R3及びR4はそれぞれ独立に、不飽和アシル基を表し、
X5は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の基を表し、
A3及びA4はそれぞれ独立に、2価の、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基又は置換基を有していても良い環状の脂肪族炭化水素基を表し、A1及びA2の少なくとも1方は、環状の脂肪族炭化水素基―を含む基であり、
n2は、0以上、2以下の整数を表す。]
一般式(3)で表される重合性モノマーの具体例を以下に例示する。本発明はその要旨を超えない限りこれらに限定されるものではない。
。
ビニルモノマーとしては、スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
また本発明の高分子樹脂相が有する高分子樹脂が共重合体である場合、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでも良い。
本発明の液晶組成物に含まれるカイラルネマチック液晶は、液晶素子のカイラルネマチック液晶相で記載したカイラルネマチック液晶と同義であり、具体例、好ましい範囲等も同義である。
本発明の液晶組成物は室温(25℃)でコレステリック相を示すように設計され、その液晶-等方相転移温度(Tni)は40℃以上が好ましく、更に60℃以上が好ましい。
本発明の液晶組成物のTniが上記の範囲外では、重合時の光源や反応熱に由来する温度上昇で、液晶構造が破壊される場合があることが懸念される。
好ましくは7質量%以下であり、特に好ましくは6.5質量%以下である。また、好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは1質量%以上である。
また、複数の重合性モノマー及び/又は非重合性モノマーを併用する場合、液晶組成物に対する重合性モノマー及び非重合性モノマーの合計の割合は、通常、0.2質量%以上、好ましくは1.2質量%以上であり、一方、通常、10質量%以下、好ましくは7質量%以下である。この割合が適当な範囲であることで、液晶素子の繰り返し耐久性が低下しない傾向にあり、また、透明時のヘイズが大きくなりすぎず、不透明時のヘイズが低下しない場合がある。
本発明の重合性モノマーを重合させる際には、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤は特に限定されないが、重合性モノマーとの重合反応性、化学構造、分子量、開始剤効率等を選択、調整することで、前記高分子樹脂相のピーク面積比を特定の範囲とし、本発明の効果を得ることができる。
重合開始剤には光や熱等の種々の物理的な要因で分子内開裂したり、他分子から水素を引き抜いてラジカルを発生したりするラジカル重合開始剤があるが、中でも熱をかけることなく液晶の相転移温度以下で重合させることができるラジカル系光重合開始剤が、液晶
に対する熱影響が小さい点で好ましい。
ラジカル系光重合開始剤としては、分子構造には特に制限はないが、ホスト液晶であるカイラルネマチック液晶への溶解可能な化合物を選択するのが好ましい。また、本発明の液晶組成物を構成する分子は典型的に波長350nm以下の紫外光吸収を持つため、ラジカル重合開始剤自身は波長350nm以上の光でラジカル化するものを選択するのが好ましい。
液晶組成物中の液晶の含有割合は、液晶組成物中、通常、90質量%以上、好ましくは91質量%以上であり、一方、通常、99質量%以下、好ましくは、98質量%以下である。この範囲であることで、液晶素子の透明性や光学応答特性のバランスが得られる傾向にある。
本発明の液晶組成物は、光安定剤、抗酸化剤、増粘剤、重合禁止剤、光増感剤、接着剤、消泡剤、界面活性剤等を含有していても良い。又、スペーサーを含むことで、後述の方法で光硬化して形成される液晶相の基板間ギャップを形成することもできる。
本発明の液晶組成物の製造方法は特に限定はないが、公知の攪拌機や振盪機等で成分化合物を混合させることで製造することができる。混合の際に、加熱しても良い。加熱する場合は、成分化合物が熱反応を起こさない温度であれば、特に制限はない。
本発明の液晶組成物は、その硬化物を含む層を、後述の液晶材料の対向配置された一対の基板間に存在されることで、液晶材料として使用される。
法>
カイラルネマチック液晶(液晶単独、又はこれとカイラル剤の混合物)または液晶組成物を一旦相溶させ、温度上昇による相転移または相分離を、偏光顕微鏡によって観察することにより得た。
カイラルネマチック液晶へ重合性モノマーを添加、撹拌し、4℃で12時間静置して析出するかを確認した。析出しない最大濃度をその重合性モノマーの溶解度とした。
液晶の誘電率異方性(Δε)は、Δε=ε1−ε2で求めた。ε1は、液晶分子の長軸方向の誘電率であり、ε2は、液晶分子の単軸方向の誘電率である。
<カイラルネマチック液晶及び液晶組成物のピッチ長(p)の測定方法>
カイラルネマチック液晶または液晶組成物をホモジニアス配向処理された電極層付き透明ガラス基板から成るギャップ10μmの空セルに注入し、分光光度計で測定される選択反射波長λから p=λ/n( ただし、nはカイラルネマチック液晶または液晶組成物
の屈折率)により求めた。
VHR測定は液晶物性評価装置6254型(東陽テクニカ社製)で行った。VHR評価素子に、電圧を5Vで、60Hz、フレーム時間1667msの条件で印加し、測定を行った。
本発明の液晶素子のヘイズ、平行光線透過率及び応答速度は、室温25℃において、測定を行った。また、液晶の駆動は100Hzの矩形波を印加し、測定電圧は100Vp−pを用いて測定を行った。
ヘイズは、ヘイズメータ NDH5000SP (日本電色社製)により測定した。
発明の液晶素子の応答速度は、室温25℃において測定を行った。また、液晶の駆動は100Hzの矩形波を印加し、測定電圧は100Vp−pを用いて測定を行った。
光源にハロゲンランプを用い、検出器にフォトダイオードを用いた。液晶素子に光を垂直に入射しながら試験波形を印加したときの立ち上がり応答時間と、立ち下がり応答時間を測定した。
<VHR評価>
Tni=98℃、Δε=11.8であるシアノ系ネマチック液晶(PDLC−005、Hebei Luquan New Type Electronic Materials Co. Ltd社製)95.0wt%に、下記構造式で表される重合性モノマー(I)を5.0wt%添加し、撹拌、ろ過を行ってVHR評価液を調整した。
参照用として、重合性モノマーを添加していない上記シアノ系ネマチック液晶でも、同
様の方法で素子を作製し、VHR評価素子(A)とした。
[実施例2]
重合性モノマーを下記構造式(II)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でVHR評価素子(A―II)を作製した。
[実施例3]
重合性モノマーを下記構造式(III)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でVHR評価素子(A―III)を作製した。
[実施例4]
Tni=70℃、Δε=15.6であるシアノ系ネマチック液晶(E−8、メルク社製)95.0wt%に、下記構造式で表される重合性モノマー(IV)を5.0wt%添加し、撹拌、ろ過を行ってVHR評価液を調整した。
このVHR評価液を用い、実施例1と同様の方法でVHR評価素子(B−IV)を作成した。
参照用として、重合性モノマーを添加していない上記シアノ系ネマチック液晶でも、同様の方法で素子を作製し、VHR評価素子(B)とした。
[実施例5]
重合性モノマーを下記構造式(V)に変更した以外は、実施例4と同様の方法でVHR評価素子(B―V)を作製した。
[比較例1]
重合性モノマーを下記構造式(VI)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でVHR評価素子(A―VI)を作製した。
[比較例2]
重合性モノマーを下記構造式(VII)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でVHR評価素子(A―VII)を作製した。
[比較例3]
重合性モノマーを下記構造式(VIII)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で
VHR評価素子(A―VIII)を作製した。
[比較例4]
重合性モノマーを前記構造式(VII)に変更した以外は、実施例4と同様の方法でVHR評価素子(B―VII)を作製した。
VHR評価素子(B―VII)のVHRは26%であった。
Tni=98℃、Δε=11.8であるシアノ系ネマチック液晶(PDLC−005、Hebei Luquan New Type Electronic Materials Co. Ltd社製)88.0wt%に、下記構造式(IX)で表されるカイラル剤(CB−15、メルクジャパン製)を12.0wt%混合し、Tni=93.7℃のカイラルネマチック液晶(CN1)を調製した。このカイラルネマチック液晶(CN1)は、ピッチ長p=1.2±0.1μmであった。
上記カイラルネマチック液晶(CN1)に対し、上記重合性モノマー(VI)〜(VIII)の溶解度はそれぞれ表1のようになった。
[実施例6〜8]
上記カイラルネマチック液晶(CN1)に対し、上記重合性モノマー(I)〜(III)の溶解度はそれぞれ表1のようになった。上記重合性モノマー(I)〜(III)いずれも、上記重合性モノマー(VI)〜(VIII)より高溶解性を示した。
上記カイラルネマチック液晶(CN2)に対し、上記重合性モノマー(VII)〜(VIII)の溶解度はそれぞれ表2のようになった。
[実施例9〜10]
上記カイラルネマチック液晶(CN2)に対し、上記重合性モノマー(IV)〜(V)の溶解度はそれぞれ表2のようになった。上記重合性モノマー(IV)〜(V)いずれも、上記重合性モノマー(VII)〜(VIII)より高溶解性を示した。
上記カイラルネマチック液晶(CN1)95.0重量部に、前記構造式(I)で表される重合性モノマーを5.0重量部、下記構造式(X)で表される重合開始剤(Irgacure 819,BASF JAPAN 製)0.03重量部を添加し、撹拌、ろ過を行ってTni=92.4℃の液晶組成物(LC−I)を調整した。
た。
液晶素子(C−I)は電源OFF時のヘイズが3.3%、電源ON時のヘイズが96.1%、立ち上がりの応答時間が1.8ms、立ち下がりの応答時間が2.1msであった
。
重合性モノマーを(II)に変更した以外は、実施例11と同様の方法で、Tni=83.0℃の液晶組成物(LC−II)を調整した。この液晶組成物(LC−II)を用いた以外は、実施例11と同様な方法で液晶素子(C−II)を作製した。
液晶素子(C−II)は電源OFF時のヘイズが3.9%、電源ON時のヘイズが89.9%、立ち上がりの応答時間が1.6ms、立ち下がりの応答時間が1.7msであった。
上記カイラルネマチック液晶(CN2)95.0重量部に、前記構造式(V)で表される重合性モノマーを5.0重量部、下記構造式(XI)で表される重合開始剤(Irgacure 184,BASF JAPAN 製)0.45重量部を添加し、撹拌、ろ過を行ってTni=64.8℃の液晶組成物(LC−III)を調整した。
液晶素子(C−III)は電源OFF時のヘイズが5.3%、電源ON時のヘイズが79.4%、立ち上がりの応答時間が1.8ms、立ち下がりの応答時間が2.3msであった。
Claims (14)
- 少なくとも一方が透明な基板であり、対向して配置される一対の電極付き基板を有し、前記基板間に、カイラルネマチック液晶相と高分子樹脂相を含む複合体を含む液晶調光層を有する液晶素子であって、前記高分子樹脂相が、下記一般式(1)で表される構造を含有し、前記カイラルネマチック液晶相の誘電率異方性が正である、液晶素子。
[一般式(1)において、
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上、
6以下のアルキル基を表し、
X1及びX3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の基を表し、
X2は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の基を表し、
A1及びA2は、それぞれ独立に、2価の、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基又は置換基を有していても良い環状の脂肪族炭化水素基を表し、A1及びA2の少なくとも1方は、以下に示す基であり、
m1及びm3は、それぞれ独立に、0以上、6以下の整数を表し、
m2は、0以上、4以下の整数を表す。ただし、A 1 が以下に示す基でない場合は、m 2 は、1以上、4以下の整数を表す。]
- 前記対向して配置される一対の電極付き基板の基板間の距離dが、2μm以上、100μm以下であり、前記カイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pとdの関係が、d/p≧1である、請求項1に記載の液晶素子。
- 前記液晶調光層が高分子安定化液晶である、請求項1又は2に記載の液晶素子。
- 透過−散乱型素子である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶素子。
- 液晶素子が、偏光板を用いないものである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶素子。
- 前記液晶素子において、直流電圧及び/又は交流電圧印加時の可視光透過率が、電圧無印加時の可視光透過率よりも低下する領域が存在する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液晶素子。
- 直流電圧及び/又は交流電圧印加時のヘイズが70%以上であり、電圧無印加時のヘイズが15%以下である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液晶素子。
- −10℃以上の温度範囲で、液晶素子の直流電圧及び/又は交流電圧の無印加時の可視光透過率を100%、直流電圧及び/又は交流電圧の印加時の可視光透過率を0%と規格化したとき、直流電圧及び/又は交流電圧を印加した時から可視光透過率が10%となるまでの時間及び、直流電圧及び/又は交流電圧を無印加とした時から可視光透過率が90%となるまでの時間が、それぞれ8ms以下である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液晶素子。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の液晶素子を用いたスクリーン。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の液晶素子を用いたディスプレイ。
- 誘電率異方性が正であるカイラルネマチック液晶及び下記一般式(3)で表される重合性モノマーを、5質量%以上、10質量%以下含有することを特徴とする透過−散乱型素子用液晶組成物。
[一般式(3)において、
R3及びR4は、それぞれ独立に、不飽和アシル基を表し、
X4及びX6は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の基を表し、
X5は、直接結合又は置換基を有していてもよい2価の基を表し、
A3及びA4は、それぞれ独立に、2価の、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族複素環基又は置換基を有していても良い環状の脂肪族炭化水素基を表し、
A3及びA4の少なくとも1方は、以下に示す基であり、
n1及びn3は、それぞれ独立に、0以上、6以下の整数を表し、
n2は、0以上、4以下の整数を表す。ただし、A 3 が以下に示す基でない場合は、n 2 は、1以上、4以下の整数を表す。]
- 前記カイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pが、0.3μm以上、3μm以下である、請求項11に記載の液晶組成物。
- 液晶組成物の液晶-等方相転移温度が40℃以上である、請求項11又は12に記載の
液晶組成物。 - 請求項11乃至13のいずれか1項に記載の液晶組成物を用いて形成された、液晶素子。
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