(液体検知ユニットの実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態に係る液体検知ユニットについて、図1〜図5を参照して説明する。この液体検知ユニットは、例えば、後述する圧縮機の筐体の側壁に取り付けられて、当該筐体に収容された潤滑油の液面高さや、潤滑油への不純物の混入程度などの検知に用いられる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体検知ユニットの正面図である。図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。図3は、図1の液体検知ユニットが有する検知素子部の背面図である。図4は、図1の液体検知ユニットが有する検知制御部の正面図である。図5は、図1の液体検知ユニットの電気回路の概略を示す図である。
この液体検知ユニット(図中、符号1で示す)は、図1〜図4に示すように、検知素子部10と、検知制御部50(図2)とを有している。検知素子部10と検知制御部50とは、後述のベース20とハウジング60とにより一対のコネクタとして互いに嵌合可能に構成されている。この実施形態ではベース20とハウジング60が「ユニットケース」を構成している。
検知素子部10は、ベース20と、複数の導電端子30と、3枚の電極板40と、を有している。
ベース20は、例えば、ステンレス鋼などの金属を材料として構成されており、ベース本体部21と、円筒部22と、フランジ部23と、を一体に有しており、さらに、後述する複数の導電端子30を固定するハーメチックガラス24を有している。
ベース本体部21は、円板状に形成されている。円筒部22は、ベース本体部21と同軸となるようにベース本体部21の一方の面21aに突出して設けられている。ベース本体部21における円筒部22の内側の箇所には、一方の面21aと他方の面21bとを貫通する複数の貫通穴21c(図3)が形成されている。フランジ部23は、ベース本体部21の半径方向に突出するように、当該ベース本体部21の周面21dの全体にわたって設けられている。フランジ部23におけるベース本体部21の他方の面21bと同一方向を向く取付面23aは、環状の平面であって、後述する圧縮機101の筐体102に取り付ける際に、当該筐体102の「壁部」としての側壁部103に設けられた貫通穴103aを囲み当該側壁部103の外面に全体が密に接するように配置される。ハーメチックガラス24は、複数の貫通穴21c内に固着されている。
複数の導電端子30は、例えば、ニッケル合金などの導電性の金属を材料とし構成されており、それぞれが真っ直ぐに伸びる棒状に形成されている。複数の導電端子30のそれぞれは、対応する上記貫通穴21cに挿通されており、ハーメチックガラス24によりベース本体部21と電気的に絶縁された状態で当該ベース本体部21に固定して取り付けられている。なお、導電端子30をベース本体部21に固定するために、ハーメチックガラス24に代えて別の絶縁材を用いてもよい。複数の導電端子30は、それぞれの一部31がベース本体部21の他方の面21bから垂直に突出して配置され、他の一部32が円筒部22内の底面から垂直に突出して配置されている。各導電端子30の他の一部32は、後述する検知制御部50との嵌合時にオス端子として検知制御部50のメス端子と接触される。
本実施形態において、導電端子30を9本有し、3種類の長さのものを含んでいる。具体的には、複数の導電端子のうち3本が長く形成され(図中、符号30Lで示す)、これら3本より他の3本が短く形成され(図中、符号30Mで示す)、残りの3本がさらに短く形成されている(図中、符号30Sで示す)。各導電端子30L,30M,30Sは、正面方向から見て、正九角形の各頂点となるように周方向に順に配置されている。そして、複数の導電端子30(30L,30M,30S)は、それぞれの他の一部32の長さが同一となるように、ベース本体部21に固定されており、これにより、各導電端子30L,30M,30Sの一部31は、互いの長さが異なるようにされている。
3枚の電極板40は、例えば、ステンレス鋼などの導電性の金属を材料として構成されており、それぞれが同一の円板状に形成されている。3枚の電極板40のうちの外側の電極板40Lは、上述した3本の導電端子30Lのそれぞれの一部31の先端に固定して取り付けられている。中央の電極板40Mは、上述した3本の導電端子30Mのそれぞれの一部31の先端に固定して取り付けられている。また、内側の電極板40Sは、他の3本の導電端子30Sのそれぞれの一部31の先端に固定して取り付けられている。これにより、電極板40Lと電極板40Mとの間、及び、電極板40Sと電極板40Mとの間に間隔が設けられるとともに、互いに平行に配置される。
電極板40Mにおける3本の導電端子30Lに対応する箇所には、これら3本の導電端子30Lを挿通する貫通穴40aが設けられている。各貫通穴40aは、導電端子30Lと電極板40Mとが接触しないように形成されている。また、電極板40Sにおける6本の導電端子30L,30Mに対応する箇所には、これら6本の導電端子30L,30Mを挿通する貫通穴40aが設けられている。各貫通穴40aは、導電端子30L,30Mと電極板40Sとが接触しないように形成されている。各貫通穴40aは、導電端子30L,30Mを挿通した状態で絶縁材で塞がれていてもよい。
各電極板40は、例えば、溶接やろう付けなどによって各導電端子30に取り付けられている。このように、長さの異なる導電端子30Lの一部31及び導電端子30Mの一部31のそれぞれの先端に、一方の電極板40L及び他方の電極板40Mが取り付けられることにより、これら電極板40L、40Mは、互いに間隔をあけて平行に配置される。また、長さの異なる導電端子30Mの一部31及び導電端子30Sの一部31のそれぞれの先端に、一方の電極板40M及び他方の電極板40Sが取り付けられることにより、これら電極板40M、40Sは、互いに間隔をあけて平行に配置される。また、電極板40L,40M,40Sは、フランジ部23の取付面23aとも平行に配置される。このように、各電極板40は、対応する各導電端子30に対して直角に配置されるとともに、ベース本体部21の他方の面21bに沿って、この他方の面21bと平行に配置されている。
検知制御部50は、ハウジング60と、ケース70と、「検知回路」としての制御基板80と、を有している。
ハウジング60は、例えば、合成樹脂を材料として構成されており、ハウジング本体部61と、円柱部62と、基板収容部63と、を一体に有しており、さらに、シール部材64を有している。
ハウジング本体部61は、円板状に形成されている。円柱部62は、ハウジング本体部61と同軸となるようにハウジング本体部61の一方の面61aに突出して設けられている。円柱部62は、嵌合時に検知素子部10の円筒部22内に収容されるように、その外径が円筒部22の内径と略同一にされ、その高さが円筒部22の深さと略同一にされている。円柱部62には、その端面62aにおける複数の導電端子30に対応する箇所に開口し、メス端子(図示なし)を収容する端子孔62bが形成されている。基板収容部63は、ハウジング本体部61の他方の面61bに四角筒状に突出して設けられている。基板収容部63は、例えば、円筒形状など、その内側に後述する制御基板80を収容できるものであれば、その形状は任意である。
シール部材64は、例えばシリコーンゴムなどを材料として環状に形成され、ハウジング本体部61の一方の面61aに円筒部22を囲むように一部を露出して埋め込まれている。このシール部材64は、嵌合時に検知素子部10の円筒部22の端面22aによって押しつぶされて、検知素子部10と検知制御部50との間をシール(封止)する。
ケース70は、例えば、合成樹脂を材料として構成されており、円筒状の周壁部71と、周壁部71の一端を塞ぐ底壁部72と、を一体に有している。
周壁部71は、嵌合時に検知素子部10の円筒部22を収容するように、その内径が円筒部22の外径と略同一にされている。また、周壁部71の内周面には、嵌合時に円筒部22の外周面に形成された係止受孔(図示なし)に係止する係止爪(図示なし)が突出して形成されている。底壁部72には、基板収容部63を嵌め込み可能なように当該基板収容部63の平面視形状と略同一形状(本実施形態においては、四角形状)に形成された嵌込孔72aが形成されている。
制御基板80は、静電容量を検知する「検知回路」を構成する各種電子部品がプリント基板に実装されてなる電子基板である。制御基板80は、基板収容部63内に収容固定されており、リード線85を通じて上位の制御装置(図示なし)と接続されている。制御基板80は、端子孔62bに収容されたメス端子(図示なし)と接続されており、このメス端子が導電端子30の他の一部32(即ち、オス端子)と接触した状態において、一対の電極板40L,40M間の静電容量と、他の一対の電極板40S,40M間の静電容量を検知して、それぞれ当該静電容量に応じた検知信号をリード線85を通じて出力するように構成されている。制御基板80では、例えば、時定数や共振回路における共振周波数などに基づいて静電容量を検知し、静電容量の大きさに応じて変化する電圧信号(検知信号)を出力する。
検知素子部10と検知制御部50とは、図2に示す状態からさらに互いを近づけて嵌合させることにより、検知素子部10の導電端子30(オス端子)と検知制御部50のハウジング60内のメス端子とが接触して電気的に接続され、一対の電極板40間の液体状態に応じて変化する静電容量に応じた検知信号を出力する液体検知ユニット1を構成する。即ち、液体検知ユニット1は制御基板80により「検知回路」をハウジング60と一体としている。ここで、「液体状態」とは、液体の有無の他、例えば、液体に混入している不純物の割合なども含む。
図5に示すように、検知素子部10は、一対の電極板40L,40M間と、一対の電極板40M,40S間とに、それぞれ電荷を蓄える2つのキャパシタとみなすことができる。そして、液体検知ユニット1は、一対の電極板40L,40M間の静電容量と、一対の電極板40S,40M間の静電容量とをそれぞれ検知して、検知した静電容量に応じた二種の検知信号を出力する。この検知信号に基づいて、検知素子部10が取り付けられた高さにおける液体の有無、即ち、液面高さを検出することができる。また、検知信号が示す静電容量の値によって液体に混入している不純物の割合を検出することもできる。なお、この第1実施形態では、電極板40Mは、「GND」で示すグランド端子(フレームグランド)に接続され、電極板40L,40Sは、「+」で示す信号端子に接続されている。
この例では、図2に示すように、一対の電極板40S,40Mの対向間隔は広く、一対の電極板40L,40Mの対向間隔は狭くなっている。即ち、複数の電極板40において電極板40Mは共通電極であり、対向間隔を広くした一対の電極板40S,40Mは「第1の電極対」を構成し、対向間隔を狭くした一対の電極板40L,40Mは「第2の電極対」を構成している。なお、一番内側の電極板40Sとベース本体部21の他方の面21bとの対向間隔は、一対の電極板40S,40Mの対向間隔よりも広くなっている。
そして、対向間隔の広い一対の電極板40S,4M(第1の電極対)に対応する検知信号により、液体の有無、即ち、液面高さを検出する。これにより、この実施形態では、圧縮機の油の切れを検出することができる。なお、油の切れが検出されたら、圧縮機は停止させる。また、対向間隔の狭い一対の電極板40L,40M(第2の電極対)に対応する検知信号により、液体に混入している不純物の割合を検出する。この不純物の割合は、この実施形態では圧縮機の内部の油の比誘電率として検出する。これにより、圧縮機において、冷媒と油がどの程度混合されているかを判定する。
このように、液体の有無の検出には、対向間隔の広い一対の電極板40S,40Mを用いているので、液体が無くなった場合には、一対の電極板40S,40Mの間から液体が確実に無くなり、さらに、電極板40Sと他方の面21bとの間からも液体が確実に無くなり、液体の無し状態を確実に検出することができる。また、不純物の割合(油の比誘電率)を検出するためには、対向間隔の狭い一対の電極板40L,40Mを用いているので、静電容量を精度良く検出することができる。このため、不純物の割合(油の比誘電率)を精度良く検出することができる。なお、この静電容量から不純物の割合(油の比誘電率)を求めるときは、一対の電極板40S,40Mで検出される液面の高さ、即ち、電極板40L,40M間の液面の高さに応じて、静電容量を不純物の割合に換算する。なお、この実施形態では、信号端子(+)に接続された電極板40Sがベース本体部21側に配置されているので、ベース本体部21等における浮遊電荷の影響を受ける可能性もあるが、仮に浮遊電荷の影響を受けても、この電極板40Sは液体の有無の検出に用いるものであり、静電容量を精度良く検出する必要がなく、問題はない。
ここで、制御基板80は、検知素子部10の導電端子30に直接接続されている。そして、制御基板80は、導電端子30のみを介して複数の電極板40における静電容量を感知し、検知回路内部でその静電容量に応じた電圧信号に変換する。そして、この電圧信号に対して各種の処理を施して、液面高さに対応する電圧信号(検知信号)を測定結果として、上位の制御装置に出力する。また、静電容量に応じた不純物の割合に対応する電圧信号(検知信号)を測定結果として上位の制御装置に出力する。
以上のように、制御基板80は、検知素子部10の導電端子30に直接接続されており、この制御基板80は、導電端子30のみを介して複数の電極板40における静電容量を感知し、検知回路内部でその静電容量に応じた電圧信号に変換する。このように、検知回路(制御基板80)が液体検知ユニット1のユニットケースと一体としたことにより、この検知回路が感知する静電容量の殆どは一対の電極板40によるものである。導電端子30は棒状で、長さも検知素子部10の長さ程度であるため、この導電端子30による静電容量は極めて小さい。即ち、電極板40における静電容量に対する他の要因によるバイアスが小さいため、制御基板80で検知される静電容量のS/N比が良くなる。
また、液体検知ユニット1の検知素子部10は、例えば、図10に示すように、後述する圧縮機101の筐体102における鉛直方向に沿う側壁部103に取り付けられる。具体的には、筐体102の側壁部103には、検知素子部10のベース本体部21の外径より大きく、フランジ部23の外径より小さい円形状の貫通穴103aが形成されており、この貫通穴103aから複数の導電端子30の一部31及び4枚の電極板40を筐体102内に挿入して、フランジ部23の取付面23a全体を側壁部103の外面に当接させる。そして、フランジ部23を側壁部103に溶接して貫通穴103aを塞ぐ。次に、検知素子部10を圧縮機101に溶接した後、この検知素子部10に検知制御部50を嵌合させる。
このように、検知素子部10と検知制御部50とを、一対のコネクタとしてコネクタ接続するよう構成されているので、検知素子部10の溶接時には、「検知回路」(制御基板80)を有する検知制御部50に溶接時の熱等が影響することない。したがって、制御基板80即ち検知回路も破損することがない。
次に、本発明の第2実施形態に係る液体検知ユニットについて、図6〜図9を参照して説明する。この第2実施形態の液体検知ユニットも第1実施形態と同様に、後述する圧縮機の筐体の側壁に取り付けられて、当該筐体に収容された潤滑油の液面高さや、潤滑油への不純物の混入程度などの検知に用いられる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る液体検知ユニットの正面図である。図7は、図6のX−X線に沿う断面図である。図8は、図6の液体検知ユニットが有する検知素子部の背面図である。図9は、図6の液体検知ユニットを圧縮機に取り付けるフレアナット及び液体検知ユニットを示す断面図である。
この液体検知ユニット(図中、符号1Aで示す)は、図6〜図8に示すように、検知素子部10Aと、検知制御部50A(図7)とを有している。
検知素子部10Aは、「第1ケース」としての継手ユニット20Aと、複数の導電端子30と、3枚の電極板40と、を有している。なお、導電端子30、電極板40及び制御基板80の概略構成は第1実施形態と同様であるので、これらの要素は第1実施形態と同符号を付記する。
継手ユニット20Aは、例えば、ステンレス鋼などの金属を材料として構成されている。この継手ユニット20Aは、軸線Pを中心軸とする円柱形状のフレア継手部25と、六角柱として形成した六角頭部26とを一体に有している。さらに、複数の導電端子30を固定するハーメチックガラス27を有している。この実施形態では継手ユニット20Aと後述の「第2ケース」としてのフレアナット200が「ユニットケース」を構成している。
フレア継手部25には、その外周に雄ねじ25aが形成されるとともに、先端の外周に円錐台の側面の形状をしたシール面25bが形成されている。また、フレア継手部25は、シール面25bの内側に先端凹部251を有するとともに、六角頭部26側にコネクタ凹部252を有している。さらに、フレア継手部25には、先端凹部251の底面とコネクタ凹部252の底面とを貫通する複数の貫通穴25c(図8)が形成されている。
複数の導電端子30は第1実施形態と同様にニッケル合金などの導電性の金属材料にて、それぞれが真っ直ぐに伸びる棒状に形成されている。複数の導電端子30のそれぞれは、対応する上記貫通穴25cに挿通されており、ハーメチックガラス27によりフレア継手部25と電気的に絶縁された状態で当該フレア継手部25に固定して取り付けられている。なお、導電端子30をフレア継手部25に固定するために、ハーメチックガラス27に代えて別の絶縁材を用いてもよい。複数の導電端子30は、それぞれの一部31が先端凹部251の底面から垂直に突出して配置され、他の一部32がコネクタ凹部252の底面から垂直に突出して配置されている。各導電端子30の他の一部32は、後述する検知制御部50Aとの嵌合時にオス端子として検知制御部50Aのメス端子と接触される。
第1実施形態と同様に、導電端子30は9本有し、長く形成された3本の導電端子30Lと、これらより短く形成された他の3本の導電端子30Mと、さらに短く形成された残りの3本の導電端子30Sとで構成されている。各導電端子30L,30M,30Sは、正面方向から見て、正九角形の各頂点となるように周方向に順に配置され、各導電端子30L,30M,30Sは、コネクタ凹部252側の長さが同一となるようにフレア継手部25に軸線Pと平行に固定されている。これにより、各導電端子30L,30M,30Sの先端凹部251側の端部は、互いの長さが異なるようにされている。
また、3枚の電極板40も第1実施形態と同様であり、ステンレス鋼などの導電性の金属材料にて構成され、それぞれが同一の円板状に形成されている。そして、外側の電極板40Lは3本の導電端子30Lのそれぞれの一部31の先端に固定して取り付けられ、中央の電極板40Mは、3本の導電端子30Mのそれぞれの一部31の先端に固定して取り付けられ、内側の電極板40Sは3本の導電端子30Sのそれぞれの一部31の先端に固定して取り付けられている。なお、各電極板40は、例えば、溶接やろう付けなどによって各導電端子30に取り付けられている。
これにより、電極板40L、電極板40M及び電極板40Sは、それらの間に間隔が設け、互いに平行に配置されるとともに、軸線Pと直角に配置されている。なお、図には現れていないが、電極板40Mには導電端子30Lと接触しないように貫通穴が形成され、電極板40Sには導電端子30L,30Mと接触しないように貫通穴が形成されている。
検知制御部50Aは、「検知回路」としての制御基板80と、円柱状のコネクタ90と、を有している。
コネクタ90は、フレア継手部25と同軸となるようにコネクタ凹部252内に設けられている。コネクタ90には、その端面90aにおける複数の導電端子30に対応する箇所に開口し、メス端子(図示なし)を収容する端子孔90bが形成されている。
制御基板80は、静電容量を検知する検知回路を構成する各種電子部品がプリント基板に実装されてなる電子基板である。制御基板80は、六角頭部26の基板収容部261内に収容されて図示しない部材により固定されている。そして、制御基板80は、リード線85を通じて上位の制御装置(図示なし)と接続されている。制御基板80は、コネクタ90の端子孔90bに収容されたメス端子(図示なし)と接続されており、このメス端子が導電端子30の他の一部32(即ち、オス端子)と接触した状態において、一対の電極板40L,40M間の静電容量と、他の一対の電極板40S,40M間の静電容量を検知して、それぞれ当該静電容量に応じた検知信号をリード線85を通じて出力するように構成されている。制御基板80では、例えば、時定数や共振回路における共振周波数などに基づいて静電容量を検知し、静電容量の大きさに応じて変化する電圧信号(検知信号)を出力する。
このように、この第2実施形態においても、検知素子部10Aと検知制御部50Aとは、第1実施形態と同様に、一対の電極板40間の液体状態に応じて変化する静電容量に応じた検知信号を出力する液体検知ユニット1を構成する。また、液体検知ユニット1Aは制御基板80により「検知回路」をユニットケースと一体としている。なお、この第2実施形態における液体検知ユニット1の電気回路は図5と同様である。
この第2実施形態でも、対向間隔の広い一対の電極板40S,40Mに対応する検知信号により、液体の有無、即ち、液面高さを検出する。これにより、圧縮機の油の切れを検出することができる。また、対向間隔の狭い一対の電極板40L,40Mに対応する検知信号により、液体に混入している不純物の割合(圧縮機の内部の油の比誘電率)を検出することができる。
以上のように、制御基板80は、検知素子部10の導電端子30に直接接続されており、この制御基板80は、導電端子30のみを介して複数の電極板40における静電容量を感知し、検知回路内部でその静電容量に応じた電圧信号に変換する。このように、第1実施形態と同様に、制御基板80が液体検知ユニット1(ユニットケース)と一体としていることにより、この制御基板80が感知する静電容量の殆どは一対の電極板40によるものであり、導電端子30による静電容量は極めて小さい。したがって、検知回路(制御基板80)で検知される静電容量のS/N比が良くなる。
図9は第2実施形態に係る液体検知ユニットを圧縮機に取り付けるフレアナット及び液体検知ユニットを示す断面図である。なお、図9において液体検知ユニット1Aの符号の表記を一部省略してある。このフレアナット200はステンレス鋼などの金属を材料として構成されており、薄型円柱部210と、六角柱として形成した六角頭部220とを一体に形成したものである。薄型円柱部210には軸線Pを中心とする円形の開口部211が形成され、六角頭部220には軸線Pを中心として、上記開口部211に連通するねじ穴221が形成されている。ねじ穴221の内周には、フレア継手部25の雄ねじ25aに螺合する雌ねじ222が形成されている。また、ねじ穴221の開口部211の外周となる底部はすり鉢状のシール面221aとなっている。
六角頭部220における薄型円柱部210側の面は軸線Pに直交する取付面223は環状の平面である。このフレアナット200を後述する圧縮機101の筐体102に取り付ける際に、当該筐体102の側壁部103に設けられた貫通穴103a内に、薄型円柱部210を嵌合させ、取付面223によって該貫通穴103aの外周を囲み当該側壁部103の外面に取付面223の全体が密に接するように配置される。そして、取付面223の外周全周に亘って、六角頭部220と側壁部103との間を溶接することで、当該フレアナット200が圧縮機101の筐体102に固定される。
このフレアナット200を筐体102に溶接して固定した後、液体検知ユニット1Aのフレア継手部25を六角頭部220のねじ穴221に嵌合して、雄ねじ25aを雌ねじ222にねじ込み、フレア継手部25のシール面25bをシール面221aに圧接させて、シール面25bとシール面221aとによって金属シールする。シール面25bとシール面221aとの間に別途のシール部材を介在させてもよい。なお、液体検知ユニット1Aを溶接後のフレアナット200にねじ込む際には、フレアナット200の六角頭部220をスパナ等で保持し、液体検知ユニット1Aの六角頭部26をスパナ等で保持してねじ込む。
以上のように、液体検知ユニット1Aをフレアナット200を介して圧縮機101に取り付けると、電極板40の部分が薄型円柱部210の開口部211から筐体102内に内に挿入された状態となる。このように、検知回路(制御基板80)を一体とした液体検知ユニット1Aは、フレアナット200に対して、金属シール構造(フレアシール構造)で取付けるよう構成されているので、フレアナット200の溶接時には、「検知回路」(制御基板80)を一体とした液体検知ユニット1Aに溶接時の熱等の影響を防止できる。したがって、制御基板80即ち検知回路も破損することがない。
この第2実施形態では、ユニットケースが、複数の導電端子30を取り付けた金属製で円柱形状のフレア継手部25を有するとともに検知回路を収容固定した継手ユニット20A(第1ケース)と、検知対象の液体を収容する筺体及び継手ユニット20A間に介在される金属製のフレアナット200(第2ケース)と、で構成され、フレア継手部25には、外周に雄ねじ25aが形成されるとともに、電極板40が配置される側の先端の外周に円錐台の側面の形状をしたシール面25bが形成され、フレアナット200には、端部の開口部211に連通するねじ穴221の内周に雄ねじ25aに螺合する雌ねじ222が形成されるとともに、ねじ穴221の開口部211の外周となる底部にすり鉢状のシール面221aが形成され、フレア継手部25のシール面25bと、フレアナット200のシール面221aとにより金属シール構造をとるようにしている。
しかし、変形例として、圧縮機の筐体に溶接されるフレアナット側に、円柱形状の継手でその外周に雄ねじが形成され中心に開口部を有する継手を設け、さらのこの継手の端部に円錐台の側面の形状をしたシール面を形成し、導電端子が取り付けられるとともに検知回路を収容固定した継手ユニット側に上記雄ねじに螺合する雌ねじを設けるとともに、この雌ねじの端部にすり鉢状のシール面を形成するようにしてもよい。そして、継手ユニット側の導電端子及び電極板をフレアナット側の開口部に挿通するようにしてもよい。
上述した実施形態では、3枚の電極板40を有する構成であったが、これに限定するものではない。例えば、4枚の電極板を有する構成、5枚以上の電極板を有する構成でもよい。
上述した実施形態では、各電極板40が円板状に形成された構成であったが、これに限定されるものではなく、電極板40は、それら形状や大きさなどについて任意である。但し、液体が複数の電極板40に接する高さのばらつきを抑制する、即ち、検出精度のばらつきを抑制する観点から、電極板40は、円板状又は正三角形板状、正方形板状、正六角形板状若しくは正八角形板状などの正多角形板状に形成されていることが好ましい。
また、上述した第1実施形態では、検知素子部10と検知制御部50とが別体であり、これらが一対のコネクタとして嵌合可能に構成されていたが、これに限定されるものではなく、検知素子部10と検知制御部50とを一体として構成して液体検知ユニットであってもよい。
(圧縮機の実施形態)
以下に、本発明の一実施形態に係る圧縮機について、図10を参照して説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る圧縮機の断面図である。この圧縮機は、例えば、空気調和機の冷媒回路に設けられて、冷媒回路内の冷媒の循環等のために用いられる。
圧縮機101は、ロータリー方式を採用しており、筐体102内に、モータ固定子111及びモータ回転子112を有するモータ部110と、シリンダ121及びシリンダ121に形成された作動室122に収容された環状ピストン125を有する圧縮部120と、が配設されている。モータ回転子112と環状ピストン125とは、クランク軸130によって連結されている。また、筐体102内に、圧縮部120等の潤滑等のための潤滑油Kが収容されている。
圧縮機101は、モータ部110によってクランク軸130が回転されると、環状ピストン125が、その外周面の一部を作動室122の周壁面に接しながら回転される。環状ピストン125の回転に応じて、吸入管141から吸入マフラ142、導入管143を通じて、作動室122内に冷媒が導入される。そして、この冷媒が作動室122内において環状ピストン125によって圧縮されて、吐出マフラ144、筐体102、吐出管145を通じて圧縮機101外部に導出される。
また、圧縮機101は、上述した液体検知ユニット1を有している。液体検知ユニット1の検知素子部10は、筐体102における鉛直方向に沿う側壁部103に取り付けられている。具体的には、検知素子部10は、側壁部103に設けられた貫通穴103aに複数の導電端子30の一部31及び二対の電極板40が挿入されるとともに、ベース20のフランジ部23の取付面23a全体が貫通穴103aの周囲において側壁部103の外面に接した状態で、当該フランジ部23が溶接により固定されている。
検知素子部10の3枚の電極板40は、筐体102内において鉛直方向に沿って互いに平行に配置されている。検知素子部10は、潤滑油Kが適量となる正常状態において3枚の電極板40の全体が液面下に沈み、潤滑油Kが不足している異常状態において3枚の電極板40の一部又は全体が液面上に露出するように配置されている。
以上より本実施形態によれば、上述した液体検知ユニット1を有しているので、検知素子部10の取付スペースを小さくできるとともに、破損による故障を抑制でき、そのため、小型で故障の少ないものとすることができる。なお、図10は第1実施形態の液体検知ユニット1を有している例を示しているが、第2実施形態の液体検知ユニット1Aも、上記圧図10の縮機101に対して、前記図9について説明したとおりに取り付けられるものである。
上述した実施形態では、ロータリー方式を採用した構成であったが、これに限定されるものではなく、例えば、スクロール方式など他の方式を採用した構成のものであってもよい。
(空気調和機の実施形態)
以下に、本発明の一実施形態に係る空気調和機について、図11を参照して説明する。図11は、本発明の一実施形態に係る空気調和機の概略構成を示す図である。この空気調和機は、例えば、家屋や商業施設などに設けられるエアコン等として用いられる。
空気調和機201は、室内熱交換器211と、室外熱交換器212と、膨張弁213と、上述した圧縮機101と、流路切換弁215とを含む冷媒回路210を備えている。
空気調和機201の冷凍サイクルの流路は流路切換弁215により「冷房モード」および「暖房モード」の2通りの流路に切換えられる。冷房モードでは、図11に実線の矢印で示すように、圧縮機101で圧縮された冷媒は流路切換弁215から室外熱交換器212に流入され、膨張弁213に流入される。そして、この膨張弁213で冷媒が膨張され、室内熱交換器211に流入される。この室内熱交換器211に流入された冷媒は、流路切換弁215を介して圧縮機101に流入される。一方、暖房モードでは、図11に破線の矢印で示すように、圧縮機101で圧縮された冷媒は流路切換弁215から室内熱交換器211に流入され、膨張弁213に流入される。そして、この膨張弁213で冷媒が膨張され、室外熱交換器212、流路切換弁215、圧縮機101の順に循環される。
冷房モードでは、室外熱交換器212が凝縮器として機能し、室内熱交換器211が蒸発器として機能し、室内の冷房がなされる。また、暖房モードでは、室外熱交換器212が蒸発器として機能し、室内熱交換器211が凝縮器として機能し、室内の暖房がなされる。
以上より、本実施形態によれば、上述した液体検知ユニット1を有する圧縮機101を備えているので、小型で故障の少ない空気調和機201とすることができる。
以上の実施形態では、導電端子30は棒状のものであるが、これに限らず、導電端子は、電極板40と一体に形成した、あるいは別体に形成した、帯状のものでもよい。
以上の実施形態では、液体検知ユニットを圧縮機の側壁部に取り付ける例について説明したが筐体の底部やその他の箇所に取り付けるようにしてもよい。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の液体検知ユニット、圧縮機及び空気調和機の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。