JP6737818B2 - フィルムコンデンサ、連結型コンデンサ、インバータ、および電動車輌 - Google Patents

フィルムコンデンサ、連結型コンデンサ、インバータ、および電動車輌 Download PDF

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Description

本開示は、フィルムコンデンサ、連結型コンデンサ、インバータ、および電動車輌に関するものである。
フィルムコンデンサは、例えば、ポリプロピレン樹脂をフィルム化した誘電体フィルムと、当該誘電体フィルムの表面に蒸着によって形成された金属膜を有している。金属膜は電極として用いられる。このような構成により、フィルムコンデンサでは、誘電体フィルムの絶縁欠陥部で短絡が生じた場合にも、短絡のエネルギーで欠陥部周辺の金属膜が蒸発、飛散して、絶縁欠陥部が絶縁化され、フィルムコンデンサの絶縁破壊を防止できる(自己回復性)という利点を有している(例えば、特許文献1を参照)。
このように、フィルムコンデンサは電気回路が短絡した際の発火や感電を防止することができる。この点が注目され、近年、フィルムコンデンサの用途は、LED(Light Emitting Diode)照明等の電源回路への適用を始め、ハイブリッド自動車のモータ駆動や太陽光発電のインバータシステム等に拡大しつつある(例えば、特許文献2を参照)。
上述のようなフィルムコンデンサの自己回復性を機能させる上で、欠陥部周辺の金属膜が蒸発、飛散した際に発生するガスの抜け性が重要である。特に、隣接する誘電体フィルム同士が密着するいわゆる絶縁マージン部近傍ではガスが抜けにくいため、例えばマージン部の誘電体フィルムの表面粗さを粗くしてガスの抜け性を確保する方法が開示されている(特許文献3を参照)。
特開平9−129475号公報 特開2010−178571号公報 特開2015−201527号公報
本開示のフィルムコンデンサは、金属膜付きフィルムが複数回捲回された捲回体である本体部と、該本体部の軸長方向に位置する一対の本体端部にそれぞれ設けられた外部電極と、を具備し、前記金属膜付きフィルムは、矩形状の誘電体フィルムと、該誘電体フィルムの一方の面上に配置された金属膜とを具備している。前記誘電体フィルムは、該誘電体フィルムの第1方向の一方に位置する第1端面と、他方に位置する第2端面と、を有している。前記金属膜は、前記誘電体フィルムの前記第1端面側に配置された第1部位と、前記誘電体フィルムの前記第2端面側に配置された第2部位とを有し、前記第1部位と前記第2部位とは、前記誘電体フィルムの前記第1方向と直交する第2方向に延びる第1の溝により互いに離間している。前記本体部は、前記第1部位いずれか一方の前記本体端部において、前記外部電極に接続されることにより、静電容量を発現する有効領域を有している。前記金属膜は、第3部位を有し、該第3部位は、前記有効領域において、前記軸長方向の一方の端部から他方の端部まで延びる第6の溝により第1部位と離間しているとともに、前記一対の外部電極のいずれとも電気的に接続していない。前記第3部位は、前記第2方向の長さが、捲回の1周分以上であり、前記本体部の捲回の中心からの距離が、前記中心から外周までの距離の1/2よりも小さい位置に、少なくとも1つ配置されている
本開示の連結型コンデンサは、複数のフィルムコンデンサと、該複数のフィルムコンデンサを接続するバスバーと、を備え、前記フィルムコンデンサが、上述のフィルムコンデンサである。
本開示のインバータは、スイッチング素子により構成されるブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備えるインバータであって、前記容量部が上述のフィルムコンデンサまたは連結型コンデンサである。
本開示の電動車輌は、電源と、該電源に接続された上述のインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備える。
積層型のフィルムコンデンサの概略断面図である。 巻回型のフィルムコンデンサの構成を模式的に示した展開斜視図である。 金属膜付きフィルムの一部を示すもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。 積層型のフィルムコンデンサの概略断面図である。 巻回型のフィルムコンデンサの構成を模式的に示した展開斜視図である。 第2実施形態の金属膜付きフィルムの一部を示すもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。 変形例1の金属膜付きフィルムの一部を示すもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。 図7(a)の一点鎖線部を拡大したもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。 (a)および(b)は、別の実施形態における金属膜付きフィルムの第2部位近傍の一部を示す平面図である。 変形例2の金属膜付きフィルムの一部を示すもので、(a)は平面図、(b)および(c)は断面図である。 変形例2における一組の金属膜付きフィルムを重ね合わせた状態を説明するもので、(a)は金属膜付きフィルムの表面の平面図、(b)はxz断面図である。 変形例2における一組の金属膜付きフィルムを重ね合わせた状態を説明するもので、図10(a)のX−X線断面図に相当する断面図である。 変形例2のフィルムコンデンサの軸長方向に垂直な断面を模式的に示すもので、(a)は1つの第3部位を有する場合の断面図、(b)は2つの第3部位を有する場合の断面図である。 (a)は、図10(a)の一点鎖線部を拡大した平面図、(b)は別の例における図10(a)の一点鎖線部に相当する部分を拡大した平面図である。 連結型コンデンサの構成を模式的に示す斜視図である。 インバータの一実施形態の構成を説明するための概略構成図である。 電動車輌の一実施形態を示す概略構成図である。
フィルムコンデンサは、図1、2に示すように、誘電体フィルム1と金属膜2とが積層または巻回されたフィルムコンデンサ本体部3(以下、単に本体部3という場合もある)と、本体部3の対向する端面にメタリコンにより設けられた一対の外部電極4a、4bとにより構成される。
<積層型フィルムコンデンサ>
図1に示す積層型のフィルムコンデンサAの本体部3では、誘電体フィルム1aの片面に金属膜2aを備えた金属膜付きフィルム5aと、誘電体フィルム1bの片面に金属膜2bを備えた金属膜付きフィルム5bとが交互に積層されている。金属膜2aは本体部3の一方の端部で外部電極4aに電気的に接続されている。金属膜2bは、本体部3の他方の端部で外部電極4bに電気的に接続されている。
図1においては、誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bの第1方向をx方向(幅方向)、第2方向をy方向(長さ方向)、厚さ方向をz方向として示している。
<巻回型フィルムコンデンサ>
図2に示すフィルムコンデンサBの本体部3では、誘電体フィルム1aの片面に金属膜2aを備えた金属膜付きフィルム5aと、誘電体フィルム1bの片面に金属膜2bを備えた金属膜付きフィルム5bとが重ねられ、捲回されている。金属膜2aは本体部3の一方の端部で外部電極4aに電気的に接続されている。金属膜2bは、本体部3の他方の端部で外部電極4bに電気的に接続されている。
本体部3は、誘電体フィルム1a、金属膜2a、誘電体フィルム1bおよび金属膜2bがこの順に重ねられ、捲回されている。外部電極4a、4bは、本体部3の対向する端面に設けられた一対のメタリコン電極である。なお、図2においては、理解を容易にするために、引き出した誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bの厚みを紙面の手前にくる程厚くなるように描いている。
図2においては、誘電体フィルム1a、1bおよび金属膜2a、2bの第1方向をx方向(幅方向)、第2方向をy方向(長さ方向)、厚さ方向をz方向として示している。
金属膜付きフィルム5aは、誘電体フィルム1aの一方の面上に金属膜2aを形成したものである。金属膜付きフィルム5bは、誘電体フィルム1bの一方の面上に金属膜2bを形成したものである。これらの金属膜付きフィルム5a、5bは、図1、図2に示すように、少し幅方向(第1方向、x方向)にずれた状態で積層または捲回されている。
このように、フィルムコンデンサA、Bは、誘電体フィルム1aおよび金属膜2aにより構成される金属膜付きフィルム5aと、誘電体フィルム1bおよび金属膜2bにより構成される金属膜付きフィルム5bとが、図1、2に示すように重ねられ、積層または捲回されている。
金属膜2a、2bは、本体部3の第1方向(x方向)に位置する互いに異なる端部に露出した接続部において、それぞれ外部電極4a、4bに接続している。
金属膜付きフィルム5a、5bに共通する本実施形態の特徴について説明するため、以下では、図3に示すように、a、bの符号を省略する場合がある。また、断面図においては、説明を容易にするためにフィルムの厚さ方向(z方向)を拡大して示している。
誘電体フィルム1は、第1方向(幅方向)の一方に位置する第1端面1cと他方に位置する第2端面1dとを有している。第2端面近傍には、金属膜2が形成されず誘電体フィルム1が露出したいわゆる絶縁マージン部6(6a、6b)が設けられている。絶縁マージン部6の近傍では、実際には、隣接する誘電体フィルム1a、1b同士が密着して接合しており、絶縁破壊時に発生したガスが抜けにくく、十分な自己回復機能が得られない。
<第1実施形態>
第1実施形態では、金属膜2が、図3(a)、(b)に示すように、第1端面1c側に配置された第1部位2cと、第2端面1d側に配置された第2部位2dとを有している。
第2部位2dは、第1部位2cに隣接して第2方向であるy方向(長さ方向、捲回の周方向)に帯状に延びており、第1部位2cとは、離間し電気的に絶縁されている。第1部位2cと第2部位2dとの間には第2方向であるy方向(長さ方向、捲回の周方向)に延びる第1の溝7が存在する。第1の溝7の底部には、誘電体フィルム1が露出しており、第1の溝7により第1部位2cと第2部位2dとは離間している。
このように、本実施形態では、金属膜2が第1部位2cと第2部位2dとを有している。第2端面1dの近傍に位置する第2部位2dは、外部電極4に接続された第1部位2cと、第1の溝7により電気的に絶縁されている。したがって、フィルムコンデンサA、Bに電圧を印加しても、第2部位2dには電界が印加されず、誘電体フィルム1aと1bとが密着・接合した絶縁マージン部6の近傍における絶縁破壊の発生を抑制できる。
また、絶縁マージン部6の近傍に第1の溝7が存在することで、第1部位2cの第2部位2dに隣接する部位で絶縁破壊が発生しても、金属膜2が蒸発、飛散した際に発生するガス(以下、単にガスという場合もある)の抜け性が第1の溝7により向上し、フィルムコンデンサA、Bの自己回復性を高めることができる。
<第2実施形態>
図4、図5に示すように、金属膜2の第1部位2cは、誘電体フィルム1の第1端面1cに位置する端面を有し、第2部位2dは、誘電体フィルム1の第2端面1dに位置する端面を有していてもよい。すなわち、第1部位2cの第1方向(幅方向、x方向)の端面のうち、誘電体フィルム1の第1端面1c側の端面(第1の溝7側とは反対側の端面)は、誘電体フィルム1の第1端面1cに位置し、第2部位2dの第1方向(幅方向、x方向)の端面のうち、誘電体フィルム1の第2端面1d側の端面(第1の溝7側とは反対側の端面)は、誘電体フィルム1の第2端面1dに位置していてもよい。
換言すれば、金属膜付きフィルム5を平面視したとき、図6に示すように、第1部位2cの第1端面1c側の端面は、第1端面1cと重なり、第2部位2dの第2端面1d側の端面は、第2端面1dと重なる。このように、本実施形態の金属膜付きフィルム5では、通常は金属膜2が設けられず誘電体フィルム1が露出している部分に、金属膜2の第2部位2dが設けられていてもよい。すなわち、本実施形態の金属膜付きフィルム5は、いわゆる絶縁マージン部6を有していなくてもよい。
第2実施形態では、金属膜2の第1部位2cの第1端面1c側の端面(以下、単に第1部位2cの端面という場合もある)と、誘電体フィルム1の第1端面1cとが重なるものとしたが、第1部位2cの端面と誘電体フィルム1の第1端面1cとが若干ずれていてもよい。また、金属膜2の第2部位2dの第2端面1d側の端面(以下、単に第2部位2dの端面という場合もある)と、誘電体フィルム1の第2端面1dとが重なるものとしたが、第2部位2dの端面と誘電体フィルム1の第2端面1dとが若干ずれていてもよい。金属膜付きフィルム5またはフィルムコンデンサA、Bを作製する工程上、第1部位2cの端面と第1端面1cとの間、または第2部位2dの端面と第2端面1dとの間に、誘電体フィルム1の露出部が形成される場合がある。
なお、第1部位2cの端面は、第1端面1c側で外部電極4と接続されている必要があるため、第1端面1cとの間に誘電体フィルム1の露出部を有するよりも、第1端面1cと重なるか、第1端面1cよりも突出している、または第1端面1cを被覆しているのがよい。一方、第2部位2dの端面は、第2端面1d側で外部電極4と接続される必要はなく、第2端面1dとの間にわずかに誘電体フィルム1の露出部を有していてもよい。第2端面1d側で誘電体フィルム1の露出部が多いと、異なる層の誘電体フィルム1同士が広範囲で接着し、ガスの抜け性が低下する懸念があるため、第2端面1d側における誘電体フィルム1の露出部はわずかであるか、第2部位2dの端面と第2端面1dとが重なっているのがよい。
なお、金属膜2全体に、たとえばメッシュ状のパターンのような規則性のあるパターンを持つ金属膜付きフィルム5を用いた場合、金属膜付きフィルム5a、5bを捲回して捲回型のフィルムコンデンサBとするときに、金属膜2のパターンに沿ったシワが発生しやすく、そのシワの部分で絶縁破壊する恐れがあった。一方、本実施形態の金属膜付きフィルム5は、第2端面1dの近傍に、第1の溝7を有している。第1の溝7は、第1部位2cに設けられたパターン(たとえばメッシュ状のパターン)とは形状が異なる。そのため、本実施形態の金属膜付きフィルム5(5a、5b)を捲回して捲回型のフィルムコンデンサBとするときに、金属膜2aと2bの第1部位2c(2ac、2bc)同士が重なる領域、すなわち電界が印加される有効領域(以下、単に有効領域という場合がある)においてシワが発生しにくくなり、フィルムコンデンサBの耐電圧が向上するという効果も得られる。
特に第2実施形態では、絶縁マージン部6を有さず、第2部位2dの端面と、誘電体フィルム1の第2端面1dとが重なっているため、誘電体フィルム1aと1bとが密着しにくい。したがって、絶縁破壊時に発生したガスがより抜けやすくなる。また、金属膜付きフィルム5aと5bとの滑り性が向上し、捲回時にシワの発生がさらに抑制されるという効果も得られる。
図3(a)、図6に示すように、誘電体フィルム1の第1方向(幅方向、x方向)における長さをW1とし、第2端面1dと第1部位2cとの第1方向(幅方向、x方向)の距離をW2とする。このとき、W1に対するW2の比(W2/W1)は、0.23以下であるのがよい。W2としては、第2端面1dと第1部位2cの第2端面1d側の端面との第1方向(幅方向、x方向)の距離とする。したがって、第2部位2dは、第2端面1dからの距離がW2以下の領域に存在している。
W2/W1が0.23よりも大きい場合、金属膜2aと3bの第1部位2c同士が重なり静電容量を発現する有効領域小さくなり、所望の静電容量を確保するため、製品(フィルムコンデンサA)の大型化が必要となる懸念がある。特に、W2は0.5〜2.0mmの範囲であるのがよい。W2を0.5mm以上とすることで、フィルムコンデンサAの自己回復性を高めることができる。
また、W2を、後述するヘビーエッジ部と同じ幅とすることにより、ヘビーエッジ部における絶縁破壊を抑制することができる。
<変形例1>
第2部位2dは、図7、8に示すように、第2の溝8により分割された複数の分割部位2diにより構成されていてもよい。図8は、図7の一点鎖線部を拡大した平面図である。第2の溝8は、第2方向(長さ方向、y方向)に延びたものである。また、第2部位2dは、第1方向(幅方向、x方向)に延びた第3の溝9により分割された複数の分割部位2diにより構成されていてもよい。このように、第1の溝7に加え第2の溝8、第3の溝9が存在することにより、ガスの抜け性がさらに向上する。
第2部位2dは、特に、図8に示すように第2方向(長さ方向、y方向)に延びた第2の溝8を有するのがよい。第2方向に延びた第2の溝8を有することにより、ガスの抜け性をより向上させることができる。さらには、図9(a)に示すように、第2方向に延びた第2の溝8と、第1方向(幅方向、x方向)に延びた第3の溝9との両方を有するのがよい。
なお、第1方向(幅方向、x方向)に延びた第3の溝9は、金属膜付きフィルム5の第1方向(幅方向、x方向)に対して角度を有していてもよい。この場合、第3の溝9の第1方向(幅方向、x方向)に対する角度を周期的に変化させることにより、金属膜付きフィルム5を積層または捲回したときに第3の溝9同士が重ならず、ガスの抜け性がより向上する。
第2部位2dの分割部位2diの第1方向(幅方向、x方向)の長さをW3としたとき、W3は、0.01〜0.20mmの範囲であるのがよい。分割部位2diの幅W3を0.01〜0.20mmとすることで、ガスの抜け性を確保できる。また、W3がこのような範囲であれば、分割部位2diを形成する際、レーザーまたはオイルマージンによる作製が可能である。
第1の溝7の第1方向(幅方向、x方向)の幅W4は、0.01〜0.20mmの範囲であるのがよい。第1の溝7の幅W4を0.01〜0.20mmとすることで、金属膜2の第1部位2cと第2部位2dとの間における放電を抑制できるとともに、ガスの抜け性を確保できる。
なお、第2の溝8、第3の溝9の幅は、特に限定しないが、第1方向(幅方向、x方向)、第2方向(長さ方向、y方向)のいずれであっても、例えば第1の溝7と同様な0.01〜0.20mmの範囲とすればよい。第2の溝8、第3の溝9の底部は、誘電体フィルム1が露出していてもよいが、第1部位2c、第2部位2dよりも厚さが薄い金属膜2により構成されていてもよい。すなわち、第2の溝8、第3の溝9のz方向の深さは、金属膜2のz方向の厚さより小さくてもよい。
第2部位2dは、上述のように第1の溝7、第2の溝8および/または第3の溝9により分割された分割部位2diにより構成されていてもよいが、図9(b)に示すように、飛び石状に配置された分割部位2diにより構成されていてもよい。分割部位2diを飛び石状に配置する場合、分割部位2diが占有する面積の比率は、たとえば25〜50%とするのがよい。
また、図7〜9では分割部位2diを帯状または矩形状としたが、これに限らず、三角形状、多角形状、円形状、楕円形状、さらに不定形状の分割部位2diであってもよい。
<変形例2>
捲回された本体部3を有するフィルムコンデンサBでは、図10、11に示すように、金属膜2が、第2部位2d以外にも外部電極4に接続しない第3部位2eを有するのがよい。外部電極4に接続しない第3部位2eとは、図11(c)に示すように、誘電体フィルム1(1a、1b)を挟んで金属膜2aと2bとが重なり合う領域(有効領域)13において、外部電極4に接続しない部位である。なお、通常は金属膜2aと2bとが重なり合い、静電容量を発現する領域を有効領域というが、ここでは便宜上、外部電極4と接続せず静電容量を発現しない第3部位2eにおいても、金属膜2aと2bとが重なり合う領域を有効領域13と称する。なお、第3部位2eの第1方向(幅方向、x方向)の両端、すなわち金属膜2の第2部位2dおよび2dと重なる領域は、外部電極4と電気的に接続していてもよい。
第3部位2eは、図10(a)に示すように軸長方向(第1方向、x方向)に延びる第4の溝10、捲回の周方向(第2方向、y方向)に沿う第5の溝11、および軸長方向(幅方向、x方向)の一方の端部から他方の端部まで延びる第6の溝12を有している。なお、第6の溝12は、第4の溝10のうち、軸長方向(幅方向、x方向)の一方の端部から他方の端部まで延びるものであるといえる。
第3部位2eは、第5の溝11により外部電極4と電気的に絶縁され、第6の溝12により第1部位2cと電気的に絶縁されている。第5の溝11、および第6の溝12の底部には、誘電体フィルム1が露出しており、これにより、第3部位2eと外部電極4とが電気的に絶縁され、第3部位2eと第1部位2cとが電気的に絶縁されている。
第3部位2eは、金属膜2a、2bいずれか一方だけに設けられていてもよい。また、金属膜2a、2bの両方に設けられていてもよい。図10(b)、(c)は、図10(a)のX−X線断面図であり、金属膜付きフィルム5aと5bとの重なり状態を示したものである。金属膜2a、2bの両方に第3部位2eを設ける場合は、図12に示すように、金属膜2aの第3部位2eと、金属膜2bの第3部位2eとが、誘電体フィルム1(1a、1b)を挟んで対向するように配置してもよい。このように配置することで、フィルムコンデンサBの静電容量に対する影響を最小限に抑えることができる。
第3部位2eは、第2方向(捲回の周方向、y方向)、すなわち本体部3の径方向の少なくとも一部に配置され、そのy方向の長さLが、第3部位2eが配置された部位における捲回の1周分以上であるのがよい。つまり、第3部位2eは、図13に示すように、捲回の中心Oからの距離がrの位置に配置されており、その長さLは半径rの位置における1周分以上、すなわち2πr以上である。なお、図13において、金属膜付きフィルム5a、5bは円柱状の芯体14に捲回されており、巻回の中心Oとは芯体14の中心である。
なお、本体部3の断面は円でなくてもよく、例えば偏平な楕円状であってもよい。また、芯体14を有していなくてもよい。本体部3の断面が円ではなく、芯体14を有していない場合でも、第2部位2dの長さLは、それが配置された部位における捲回の1周分以上であればよい。
このように、変形例2のフィルムコンデンサBでは、金属膜2が第3部位2eを有している。そして、有効領域13が外部電極4に接続されていない第3部位2eが、本体部3の径方向に配置され、その周方向の長さLが捲回の1周分以上である。第3部位2eの有効領域13は外部電極4に接続されていないため、フィルムコンデンサBに電圧を印加しても、第3部位2eには電界が印加されない。したがって、第3部位2eの周囲の捲回層で絶縁破壊が起きても、第3部位2eが位置する捲回層では絶縁破壊は起きない。そのため、周囲の捲回層で生じた絶縁破壊が、第3部位2eを超えてさらに異なる捲回層に広がることを抑制でき、絶縁破壊の影響を最小限に抑えることができる。第3部位2eの周方向の長さLは、例えば捲回の1周分〜2周分とすればよく、捲回の1周分〜1.5周分、さらには捲回の1周分〜1.2周分であってもよい。
Lを捲回の1周分以上とすることで、捲回の中心Oからの距離(半径)がrの位置に第3部位2eを配置した場合、Lが2πrよりも大きくなり、半径rの周上には、第3部位2eを介さず第1部位2c同士が隣接する部分が存在しない。したがって、絶縁破壊が生じた際に、絶縁破壊の周囲の層への広がりを抑制できる。また、第3部位2eは、外部電極4に電気的に接続しておらず、フィルムコンデンサBの静電容量に寄与しない。したがって、第3部位2eの周方向の長さLは、その効果を発現可能な範囲でできるだけ小さい方がよい。
そして、第3部位2eは、図10(a)に示すように第1方向(軸長方向、x方向)にのびる第4の溝10を有している。第4の溝10は、第3部位2eの第1方向(x方向)における一方の端部(第1端面1c)から他方の端部(第2端面1d)までつながっていてもよい。第4の溝10を有することにより、第1部位2cの第3部位2eに隣接する部位で絶縁破壊が発生しても、金属膜2が蒸発、飛散した際に発生するガス(以下、単にガスという場合もある)の抜け性が第4の溝10により向上し、フィルムコンデンサBの自己回復性を高めることができる。すなわち、例えば軸長方向(第1方向、x方向)の中央部や、絶縁マージン部6の近傍で絶縁破壊が発生し、ガスが発生しても、軸長方向(x方向)に延びる第4の溝10を通じてガスが外部電極4側に抜けやすくなり、フィルムコンデンサBの自己回復性が向上する。
なお、第4の溝10の底部には、図10(b)に示すように誘電体フィルム1が露出していてもよい。また、図10(c)に示すように、第4の溝10の底部に金属膜2が存在し、誘電体フィルム1が露出していなくてもよい。すなわち、第4の溝10の底部が、第1部位2cよりも厚さが薄い金属膜2により構成されていてもよい。すなわち、第4の溝10のz方向の深さが、金属膜2のz方向の厚さより小さくてもよい。
第3部位2eは、第4の溝10をひとつだけ有していてもよいし、複数有していてもよい。図10〜12では、3つの第4の溝10を有する場合について記載したが、第4の溝10の数は1〜2であってもよいし、4以上であってもよい。
図14は、図10(a)の一点鎖線部を拡大した平面図である。第3部位2eは、例えば、図14(a)に示すように、第5の溝11により、外部電極4と電気的に絶縁されている。第5の溝11は、第2方向(捲回の周方向、y方向)に沿うものである。図14(a)には、第5の溝11を2つ有する場合について記載したが、第5の溝11の数は、1であってもよいし、3以上であってもよい。なお、第3部位2eを外部電極4と確実に絶縁するという観点から、第5の溝11の数は2〜3とするのがよい。
また、金属膜付きフィルム5は、図14(b)に示すように、第3部位2eが存在する領域において、第1方向(軸長方向、x方向)における絶縁マージン部6と反対側の端部(第1端面1c側)に誘電体フィルム1が露出した部分を有していてもよい。すなわち、金属膜付きフィルム5は、第3部位2eが存在する領域において、第1方向(軸長方向、x方向)の両端に絶縁マージン部6を有していてもよい。
第4の溝10、および第6の溝12は、幅方向(x方向)に延びるものであるが、幅方向(x方向)と所定の角度をなしていてもよい。例えば、x方向と±45°以内の角度をなしていてもよい。
第3部位2eは、中心Oからの距離rが、中心Oから本体部3の外周までの距離Rの1/2よりも小さい位置に、少なくともひとつ配置されているのがよい。捲回の内周側では、外周側と比べて金属膜付きフィルム5にかかる圧力が高く、自己回復性が外周側よりも低い。そのため、内周側、すなわち距離Rの1/2よりも小さい距離rの位置に第3部位2eを配置することで、より自己回復性を向上する効果が得られる。なお、本体部3の断面は円でなくてもよく、例えば楕円状などの場合でも、断面の中心Oから外周までの距離Rと、O−Rと同一直線上における中心Oからの距離rとの関係が、上述の関係であればよい。
また、図13(b)に示すように、複数の第3部位2e、2e’が、本体部3の径方向の異なる位置r、r’にそれぞれ配置されていてもよい。そして、これら複数の第3部位2eは、本体部3の径方向にそれぞれ等間隔で配置されていてもよい。第3部位2eを径方向の異なる位置に複数有することにより、絶縁破壊により発生したガスがより抜けやすくなる。
第4の溝10、第5の溝11、および第6の溝12の幅は、0.01〜0.20mmの範囲であるのがよい。第4の溝10の幅を0.01〜0.20mmとすることで、ガスの抜け性を確保できる。第5の溝11の幅を0.01〜0.20mmとすることで、第3部位2eの有効領域13と、外部電極4につながる領域との間における放電を抑制できる。第6の溝12の幅を0.01〜0.20mmとすることで、第1部位2cと第3部位2eとの間における放電を抑制できる。
変形例2においては、第2部位2dを有さない金属膜付きフィルム5を用いた場合でも効果を得られる。すなわち、第1の溝7を有さず、第1部位2cと第3部位2eとを有する金属膜付きフィルム5を用いたフィルムコンデンサBでは、金属膜2が第1部位2cだけからなる金属膜付きフィルム5を用いたフィルムコンデンサBに対しても、自己回復性が向上する。
また、金属膜2(2a、2b)は、外部電極4(4a、4b)との接続部の近傍にヘビーエッジ構造を有していてもよい(図3を参照。以下、金属膜2の外部電極4との接続部の近傍を、ヘビーエッジ部(HE)という場合もある)。ヘビーエッジ構造とは、外部電極4との接続部の近傍における金属膜2の抵抗が、金属膜2a、2bの第1部位2c同士が重なり合う有効領域の抵抗よりも低い構造である。換言すれば、ヘビーエッジ構造とは、ヘビーエッジ部(HE)の金属膜2の厚さが、有効領域の金属膜2の厚さよりも厚い構造を指す。
金属膜2の厚さは、有効領域において、例えば20nm以下、特には5〜15nmの範囲とするのがよい。金属膜2をこのような厚さとすることで、面積抵抗(シート抵抗)が18〜50Ω/□となり、自己回復性を発揮できる。また、外部電極4との接続部近傍(ヘビーエッジ部)における金属膜2の厚さは、有効領域の2〜4倍、すなわち10〜80nmの範囲とするのがよい。
なお、図1、2、4、5等に示すように、金属膜2a、2bの両方が、図3、6〜10、または14に示す構造を有しているのがよい。
誘電体フィルム1に用いる絶縁性の樹脂の材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PEI)、およびシクロオレフィンポリマー(COP)などが挙げられる。特にポリアリレート(PAR)は、絶縁破壊電圧が高いことから好ましい。
このようなフィルムコンデンサA、Bは、例えば以下のようにして作製すればよい。まず、誘電体フィルム1を準備する。誘電体フィルム1は、例えば絶縁性の樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材の表面にシート状に成形し、乾燥して溶剤を揮発させることにより得られる。成形方法としては、ドクターブレード法、ダイコータ法およびナイフコータ法等、周知の成膜方法から適宜選択すればよい。成形に使用する溶剤としては、例えば、メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサン、又は、これらから選択された2種以上の混合物を含んだ有機溶剤を用いるのがよい。また、溶融押し出し法で作製した樹脂のフィルムを延伸加工してもよい。
誘電体フィルム1の厚さは、例えば5μm以下とすればよいが、特に0.5〜4μmの厚さの誘電体フィルム1を用いるのがよい。
誘電体フィルム1は、上述の絶縁性の樹脂のみにより構成されていてもよいが、他の材料を含んでいてもよい。誘電体フィルム1に含まれる樹脂以外の構成要素としては、例えば上述の有機溶剤、無機フィラーが挙げられる。無機フィラーには、例えば、アルミナ、酸化チタン、二酸化珪素などの無機酸化物、窒化珪素など無機窒化物、ガラスなどを用いることができる。特に、ペロブスカイト型構造を有する複合酸化物など比誘電率の高い材料を無機フィラーとして用いた場合には、誘電体フィルム1全体の比誘電率が向上し、フィルムコンデンサを小型化することができる。また、無機フィラーと樹脂との相溶性を高める上で、無機フィラーにシランカップリング処理、チタネートカップリング処理等の表面処理を行っても良い。
誘電体フィルム1にこのような無機フィラーを用いる場合、無機フィラーを50質量%未満、樹脂を50質量%以上含有する複合フィルムとすることで、樹脂の可撓性を維持したまま、無機フィラーによる比誘電率向上などの効果を得ることができる。また、無機フィラーのサイズ(平均粒径)は、4〜1000nmとするのがよい。
作製した誘電体フィルム1の一方の面に、アルミニウム(Al)などの金属成分を蒸着して金属膜2を形成し、金属膜付きフィルム5とする。
ヘビーエッジ構造を形成する場合は、上述の金属膜付きフィルム5のヘビーエッジを形成する部分以外をマスクし、上述の蒸着した金属成分のマスクの無い部分の上にさらに、たとえば亜鉛(Zn)を蒸着して形成する。このとき、ヘビーエッジとして蒸着する膜の厚さは、上述の蒸着した金属成分の1〜3倍の厚さとする。
金属膜2に第1の溝7、および必要に応じて第2の溝8〜第6の溝12を形成する。各溝の形成には、金属蒸着膜を飛ばすことが可能な、レーザーマーカー機またはレーザートリマー機を用いる。レーザーとしては、グリーンレーザー、YAGレーザーおよびCOレーザーのうちいずれかを用いればよい。
一方の面に金属膜2(2a、2b)を有する金属膜付きフィルム5(5a、5b)は、2枚を一組として、図1、2に示すように、少し幅方向(x方向)にずれた状態で重ねて積層または捲回し、本体部3を得る。
得られた本体部3の両端面に外部電極4としてメタリコン電極を形成することで、フィルムコンデンサA、Bが得られる。外部電極4の形成には、例えば、金属の溶射、スパッタ法、メッキ法などが好適である。
次いで、必要に応じ、外部電極4を形成した本体部3の表面を外装部材(図示せず)で覆うこともできる。
金属膜2の材料としては、例えばアルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)などの金属、合金などが挙げられる。
また、メタリコン電極の材料としては、亜鉛、アルミニウム、銅およびハンダから選ばれる少なくとも1種の金属材料が好適である。
図15は、連結型コンデンサの一実施形態の構成を模式的に示した斜視図である。図15においては構成を分かりやすくするために、ケースならびにモールド用の樹脂を省略して記載している。本実施形態の連結型コンデンサCは、複数個のフィルムコンデンサBが一対のバスバー21、23により並列接続された構成となっている。バスバー21、23は、外部接続用の端子部21a、23aとフィルムコンデンサBの外部電極4a、4bにそれぞれ接続される引出端子部21b、23bにより構成されている。
連結型コンデンサCに上記したフィルムコンデンサBを適用すると、自己回復性に優れた連結型コンデンサCを得ることができる。
連結型コンデンサCは、フィルムコンデンサBを複数個(本実施形態においては4個)並べた状態で、本体部3の両端にそれぞれ形成された外部電極4a、4bに、接合材を介してバスバー21、23を取り付けることによって得ることができる。
なお、フィルムコンデンサA、B、および連結型コンデンサCは、ケースに収納したのちケース内の空隙に樹脂を充填し、樹脂モールド型(ケースモールド型)のコンデンサとすることもできる。
なお、図15に示した連結型コンデンサCは、断面が楕円状のフィルムコンデンサBを断面の長径の方向に配置したものであるが、この他に、フィルムコンデンサBを断面の短径の方向に積み上げた構造であっても同様の効果を得ることができる。また、図15に示した連結型コンデンサCは、軸長方向(x方向)を水平に配置したものであるが、軸長方向(x方向)を鉛直に配置してもよい。さらに、図15ではフィルムコンデンサBを用いた連結型コンデンサCを示したが、フィルムコンデンサBに替えて積層型のフィルムコンデンサAを用いてもよいことは言うまでもない。
図16は、インバータの一実施形態の構成を説明するための概略構成図である。図16には、直流から交流を作り出すインバータDの例を示している。本実施形態のインバータDは、図16に示すように、スイッチング素子(例えば、IGBT(Insulated gate Bipolar Transistor))とダイオードにより構成されるブリッジ回路31と、電圧安定化のためにブリッジ回路31の入力端子間に配置された容量部33とを備えている。ここで、容量部33として上記のフィルムコンデンサA、フィルムコンデンサBまたは連結型コンデンサCが適用される。
なお、このインバータDは、直流電源の電圧を昇圧する昇圧回路35に接続される。一方、ブリッジ回路31は駆動源となるモータジェネレータ(モータM)に接続される。
図17は、電動車輌の一実施形態を示す概略構成図である。図17には、電動車輌Eとしてハイブリッド自動車(HEV)の例を示している。
図17における符号41は駆動用のモータ、43はエンジン、45はトランスミッション、47はインバータ、49は電源(電池)、51a、51bは前輪および後輪である。
この電動車輌Eは、駆動源としてモータ41またはエンジン43、もしくは両方の出力がトランスミッション45を介して左右一対の前輪51aに伝達される機能を主として備えており、電源49はインバータ47を介してモータ41に接続されている。
また、図17に示した電動車輌Eには、電動車輌E全体の統括的な制御を行う車輌ECU53が設けられている。車輌ECU53には、イグニッションキー55や図示しないアクセルペダル、ブレーキ等の電動車輌Eからの運転者等の操作に応じた駆動信号が入力される。この車輌ECU53は、その駆動信号に基づいて指示信号を、エンジンECU57、電源49、および負荷としてのインバータ47に出力する。エンジンECU57は、指示信号に応答してエンジン43の回転数を制御し、電動車輌Eを駆動する。
本実施形態のフィルムコンデンサA、フィルムコンデンサBまたは連結型コンデンサCを容量部33として適用したインバータDを、例えば、図17に示すような電動車輌Eに搭載すると、フィルムコンデンサA、フィルムコンデンサBまたは連結型コンデンサCが、自己回復性に優れたものであるため静電容量が長期間に渡り維持でき、インバータ47等で発生するスイッチング・ノイズを長期間低減することができる。
なお、本実施形態のインバータDは、上記のハイブリッド自動車(HEV)のみならず、電気自動車(EV)、燃料電池車、あるいは電動自転車、発電機、太陽電池など種々の電力変換応用製品に適用できる。
ポリアリレート(U−100、ユニチカ製)を用いて平均厚さ3μmの誘電体フィルムを作製した。誘電体フィルムは、ポリアリレートをトルエンに溶解し、コータを用いてポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材上に塗布し、シート状に成形した。成形後、130℃で熱処理してトルエンを除去し、誘電体フィルムを得た。
得られた誘電体フィルムを基材から剥離し、130mm幅にスリット加工した後、誘電体フィルムの一方の面に金属膜として、Al金属膜を真空蒸着法により形成した。このとき、試料No.1〜5はメタルマスクを用いて97mm幅のAl金属膜を形成し、試料No.6〜9は、一方の面全面にAl金属膜を形成した。
試料No.2〜5は、グリーン・レーザーマーカーを用いて金属膜の幅方向の端部近傍に第1の溝および第2の溝を形成した。試料No.6〜9は、グリーン・レーザーマーカーを用いて金属膜の幅方向の中央近傍に第1の溝、第2の溝、第3の溝を形成した。レーザー照射条件は、出力4W、周波数140kHz、スキャン速度4m/秒とした。
作製した130mm幅の金属膜付きフィルムをさらにスリット加工し、第1の溝、第2の溝、第3の溝を有する50mm幅の金属膜付きフィルム(試料No.2〜9)とした。第1の溝、第2の溝、第3の溝の配置(W1、W3、第2、第3の溝の数、ピッチp)を表1に示す。試料No.1については、第1の溝、第2の溝、第3の溝のいずれも形成せずに、第2部位2dを有さず、1.5mmの絶縁マージン部(誘電体フィルムが露出した金属膜非形成部)を有するものとした。
試料No.10、11は、試料No.1と同様な金属膜を形成した誘電体フィルムに、グリーン・レーザーマーカーを用いて、長さ方向の所定の位置に、第4の溝、第5の溝、および第6の溝を形成して、第3部位を設けた。レーザー照射条件は、出力4W、周波数140kHz、スキャン速度4m/秒とした。第3部位において、第6の溝の長さ方向の間隔(L)は36mmとし、その間に5つの第4の溝を等間隔(6mm間隔)に配置した。また、第5の溝は、97mm幅のAl金属膜の中央を挟んで両側にそれぞれ0.5mm間隔で2つ配置し、図10(a)に示す金属膜付きフィルムが2枚、図10(a)の左端を対称軸として鏡面対象の状態でつながった状態のものを作製した。
作製した130mm幅の金属膜付きフィルムをさらにスリット加工し、1.5mmの絶縁マージン部(誘電体フィルムが露出した金属膜非形成部)を有し、幅方向に延びる第4の溝および第6の溝、および外部電極と接続する近傍に第5の溝を有する、幅50mm、長さ20mの金属膜付きフィルム、すなわち長さ方向に第3部位を有する金属膜付きフィルムとした。なお、試料No.12は比較例であり、第3部位を設けなかった。
金属膜付きフィルムの滑り性は、試料No.1、6〜9の金属膜付きフィルムの静摩擦係数を測定することにより確認した。金属膜付きフィルムの静摩擦係数が0.6未満の場合を滑り性良好とし、0.6以上の場合を滑り性不良と判断した。結果を表1に示す。
巻芯として、外径5mm、長さ50mmのポリフェニレンサルファイド(PPS)製の円柱を用いた。50mm幅の一対の金属膜付きフィルムを、金属膜が誘電体フィルムを介して対向するように重ね合わせて巻芯に捲回し、捲回体を作製した。なお、一対の金属膜付きフィルムは、幅方向(x方向)に互いに0.5mmずれた状態とし、第2部位2dまたは絶縁マージン部を幅方向(x方向)の異なる側にそれぞれ配した状態で捲回し、捲回体(本体部)を得た。試料No.1〜9の捲回数は50回とした。試料No.10、11は、第3部位が表2に示す位置(r)になるように調整した。
捲回体(本体部)の金属膜が露出した対向する端面に亜鉛と錫との合金を溶射し、外部電極であるメタリコン電極を形成してフィルムコンデンサとした。
作製したフィルムコンデンサの静電容量、耐電圧、耐電圧試験前後の絶縁抵抗を測定した。静電容量は、LCRメータを用いてAC1V、1kHzの条件で測定した。絶縁抵抗および耐電圧は、絶縁抵抗計を用いて測定した。耐電圧は、絶縁抵抗計を用いて、フィルムコンデンサに0Vから毎秒10Vの昇圧速度で直流電圧を印加する昇圧試験を行い、リーク電流が0.01Aに達したときの電圧とした。
Figure 0006737818
Figure 0006737818
試料No.2〜11は、耐電圧試験前後の絶縁抵抗の低下が小さく、自己回復性に優れたものであった。また、試料No.6〜9は、滑り性が良好であった。一方、試料No.1は、滑り性が低く、耐電圧試験後に絶縁抵抗が大きく低下し、自己回復性が充分に機能しなかった。試料No.12は、耐電圧試験後に絶縁抵抗が大きく低下し、自己回復性が充分に機能しなかった。
A:積層型フィルムコンデンサ
B:捲回型フィルムコンデンサ
C:連結型コンデンサ
D:インバータ
E:電動車輌
1、1a、1b:誘電体フィルム
2、2a、2b:金属膜
2c:金属膜の第1部位
2d:金属膜の第2部位
3:本体部
4、4a、4b:外部電極
5、5a、5b:金属膜付きフィルム
6:絶縁マージン部
7:第1の溝
8:第2の溝
9:第3の溝
10:第4の溝
11:第5の溝
12:第6の溝
13:有効領域
14:芯体
21、23:バスバー
31:ブリッジ回路
33:容量部
35:昇圧回路
41:モータ
43:エンジン
45:トランスミッション
47:インバータ
49:電源
51a:前輪
51b:後輪
53:車輌ECU
55:イグニッションキー
57:エンジンECU

Claims (14)

  1. 金属膜付きフィルムが複数回捲回された捲回体である本体部と、該本体部の軸長方向に位置する一対の本体端部にそれぞれ設けられた外部電極と、を具備し、
    前記金属膜付きフィルムは、矩形状の誘電体フィルムと、該誘電体フィルムの一方の面上に配置された金属膜とを具備し、
    前記誘電体フィルムは、該誘電体フィルムの第1方向の一方に位置する第1端面と、他方に位置する第2端面と、を有し、
    前記金属膜は、前記誘電体フィルムの前記第1端面側に配置された第1部位と、前記誘電体フィルムの前記第2端面側に配置された第2部位とを有し、
    前記第1部位と前記第2部位とは、前記誘電体フィルムの前記第1方向と直交する第2方向に延びるガス抜き用の第1の溝により互いに離間しており、
    前記本体部は、前記第1部位がいずれか一方の前記本体端部において、前記外部電極に接続されることにより、静電容量を発現する有効領域を有し、
    前記金属膜が、第3部位を有し、該第3部位は、前記有効領域において、前記軸長方向の一方の端部から他方の端部まで延びるガス抜き用の第6の溝により第1部位と離間しているとともに、前記一対の外部電極のいずれとも電気的に接続せず、前記第3部位の前記第2方向の長さが、捲回の1周分以上であり、
    前記本体部の捲回の中心からの距離が、前記中心から外周までの距離の1/2よりも小さい位置に、少なくとも1つの前記第3部位を有する、フィルムコンデンサ。
  2. 前記誘電体フィルムの前記第1方向の長さをW1とし、前記第2端面と前記第1の溝との距離をW2としたとき、W1に対するW2の比(W2/W1)が0.23以下である、請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
  3. 前記W2が、0.5〜2.0mmである、請求項2に記載のフィルムコンデンサ。
  4. 前記第1部位の前記第1端面側の端面が、前記誘電体フィルムの第1端面に位置し、
    前記第2部位の前記第2端面側の端面が、前記誘電体フィルムの第2端面に位置している、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  5. 前記第2部位が、複数の分割部位を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  6. 前記第2部位が、前記第2方向に延びる第2の溝を有する、請求項5に記載のフィルムコンデンサ。
  7. 前記第2部位が、前記第1方向に延びる第3の溝を有する、請求項5または6に記載のフィルムコンデンサ。
  8. 前記第3部位が、前記軸長方向に延び、前記第6の溝の間に位置する第4の溝を有する、請求項1〜7のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  9. 前記第3部位が、前記第2方向に沿う第5の溝を有する、請求項1〜8のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  10. 前記第3部位を複数有し、該複数の第3部位は、前記捲回の中心からの距離が異なる位置に、それぞれ配置されている、請求項1〜9のいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
  11. 複数のフィルムコンデンサと、該複数のフィルムコンデンサを接続するバスバーと、を備え、前記フィルムコンデンサが、請求項1〜10のいずれかに記載のフィルムコンデンサである、連結型コンデンサ。
  12. スイッチング素子により構成されるブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備えるインバータであって、前記容量部が請求項1〜10のいずれかに記載のフィルムコンデンサである、インバータ。
  13. スイッチング素子により構成されるブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備えるインバータであって、前記容量部が請求項11に記載の連結型コンデンサである、インバータ。
  14. 電源と、該電源に接続された請求項12または13に記載のインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備える、電動車輌。
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