JP6739099B2 - 光音響情報処理方法、光音響情報処理プログラムおよび光音響情報処理装置 - Google Patents
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光音響波の検出信号を取得するステップと、
前記検出信号から音圧分布データを求め、前記音圧分布データに基づいて初期音圧分布を再構成するステップと、を備え、
前記音圧分布データとしてk空間上のデータを用い、
前記初期音圧分布の再構成を、信号のスパース性を利用した圧縮センシングを適用して行うとともに、前記圧縮センシングにおける復元計算を離散条件の球殻積分により行う
光音響情報処理方法が提供される。
コンピュータに、
光音響波の検出信号を取得するステップと、
前記検出信号から音圧分布データを求め、前記音圧分布データに基づいて初期音圧分布を再構成するステップと、を実行させるとともに、
前記音圧分布データとしてk空間上のデータを用い、
前記初期音圧分布の再構成を、信号のスパース性を利用した圧縮センシングを適用して行うとともに、前記圧縮センシングにおける復元計算を離散条件の球殻積分により行う
光音響情報処理プログラムが提供される。
光音響波の検出信号を取得する信号取得部と、
前記検出信号から音圧分布データを求め、前記音圧分布データに基づいて初期音圧分布を再構成する再構成部と、
前記再構成部での処理結果を出力する結果出力部と、を備え、
前記音圧分布データとしてk空間上のデータを用い、
前記初期音圧分布の再構成を、信号のスパース性を利用した圧縮センシングを適用して行うとともに、前記圧縮センシングにおける復元計算を離散条件の球殻積分により行う
光音響情報処理装置が提供される。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
はじめに、光音響効果を用いた光超音波イメージング法(以下、単に「光音響イメージング」ともいう。)の概要を説明する。
図1は、光音響イメージングの基本的な手順を例示する説明図である。
図例のように、光音響イメージングにあたっては、以下に説明する各ステップ(以下ステップを「S」と略す。)を順に経る。
先ず、被検体1に対して光源部11からレーザ光を照射する。
レーザ光の波長は、検出すべき対象の光吸収特性により決まる。生体計測の場合であれば、水の吸収が少ない可視光から近赤外領域が適している。例えば、血管(血液)の描出や酸素飽和度を求める場合は、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンのスペクトルが交差する800nm付近の複数の波長のレーザ光を用いる。
また、光の吸収により効果的に超音波を発生させるためには、熱の拡散の時間や吸収体内を超音波が伝搬する時間に比べて、レーザ光の照射時間であるパルス幅が十分短い必要があることから、照射すべきレーザ光としてナノ秒幅のレーザ光パルスを用いる。
レーザ光を照射すると、被検体1の内部では、血液等の吸収体2が光を吸収して、局所的な温度上昇が熱弾性変形を引き起こし、その熱弾性変形による体積膨張で吸収体2が音響波(初期音圧p0(r))を放射する。このとき、光の吸収により発生する音響波(超音波)の大きさは、以下の(1)式で表される。
その後は、吸収体2で発生し被検体1の体表まで伝搬した音響波p(r,t)を、体表近傍に配されて複数の圧電変換素子(トランスデューサ)を有するセンサ部12を用いて計測する。これにより、センサ部12では、吸収体2からの音響波p(r,t)の検出信号(受信超音波信号)が電気信号として得られることになる。
センサ部12で受信超音波信号を得ると、その受信超音波信号によって特定される音圧分布p(r,t)から、初期音圧分布p0(r)を再構成する。
本実施形態においては、ここで行う再構成の手法に大きな特徴があるが、この点については詳細を後述する。
初期音圧分布p0(r)を再構成したら、光源部11の仕様から光量Ψの分布が既知であるので、その初期音圧分布p0(r)に対して上記の(1)式に基づき光量Ψを補正して、被検体1の内部における吸収係数の分布像を生成する。
続いて、上述した手順の光音響イメージングを行うために必要となる装置(以下「光音響イメージング装置」という。)の構成について説明する。
図例のように、光音響イメージング装置10は、大別すると、光源部11と、センサ部12と、制御部13と、画像表示部14と、を備えて構成されている。
光源部11は、被検体1に照射するレーザ光を発するもので、公知の光源(例えばレーザ光源装置)を用いて構成されたものである。具体的には、例えば、Nd−YAGレーザ、Tiサファイヤレーザ、アレキサンドライトレーザ、GaAs半導体レーザが用いられる。レーザ光のパルス幅としては、例えば100ns以下が好適な条件である。レーザ光のパルス出力としては、照射面積や繰り返し周波数に依存するが、例えば数十マイクロジュール/パルスから100ミリジュール/パルスが好適な範囲である。レーザ光の被検体1への照射強度は、例えば人体の最大許容露光量を超えない範囲で行う。レーザ光のパルス波長は、例えば400nm以上、1600nm以下が好適な範囲である。さらには、生体内において吸収が少ない700nmから1100nmの範囲がより好適な範囲である。
センサ部12は、光源部11のレーザ光照射に応じて吸収体2で発生した音響波(以下「光音響波」ともいう。)が被検体1の体表まで伝搬すると、その伝搬した光音響波(超音波)を受信して計測するもので、その光音響波の検出信号を電気信号として得る圧電変換素子(トランスデューサ)12aを複数有して構成されたものである。なお、センサ部12の具体的な構成(トランスデューサ12aの種類、数、配置等)については、公知技術を利用したものであればよく、ここではその詳細な説明を省略する。
制御部13は、光音響イメージング装置10の全体の動作制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の組み合わせからなる演算部、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部、外部インタフェース等のデータ入出力部といったハードウエア資源を備えて構成されたものである。つまり、制御部13は、コンピュータ装置としてのハードウエア資源を備えて構成されており、演算部が記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、そのプログラム(ソフトウエア)とハードウエア資源とが協働して、光音響イメージング装置10の動作を制御するようになっている。
信号取得部13aは、センサ部12からの光音響波の検出信号を取得するものである。
再構成部13bは、信号取得部13aが取得した検出信号から吸収体2についての音圧分布データを求め、その音圧分布データに基づいて吸収体2おける初期音圧分布p0を再構成して、必要に応じて光音響画像を生成するものである。なお、再構成部13bで行う再構成については詳細を後述する。
結果出力部13cは、光音響画像に代表される再構成部13bでの処理結果を外部装置、具体的には画像表示部14へ出力して、その画像表示部14に表示出力させるものである。
画像記憶部13dは、再構成部13bが生成した光音響画像を必要に応じて記憶保持するものである。なお、画像記憶部13dが光音響画像を記憶保持する際には、そのデータ量を削減する画像圧縮を経ているものとする。また、画像記憶部13dが記憶保持する光音響画像は、結果出力部13cで未出力のものであってもよいし、既に出力されたものであってもよい。
その場合に、光音響情報処理プログラムは、コンピュータ装置としての制御部13にインストール可能なものであれば、当該コンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体(例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等)に格納されて提供されるものであってもよいし、インターネットや専用回線等のネットワークを通じて外部から提供されるものであってもよい。
画像表示部14は、画像表示を行うディスプレイパネルを備えて構成されたもので、制御部13が生成した光音響画像を含む各種情報の表示出力を行うものである。
次に、光音響画像を得るための初期音圧分布の再構成の手法について詳しく説明する。なお、以下に説明する処理は、主として制御部13において実行される。
再構成は、検出点で得られた音響波p(r,t)から初期音圧分布p0(r)を導き出すことであり、数学的には逆問題と呼ばれる。
ここで、再構成に順問題の繰り返し推定法を用いる場合の一般的な手法を説明する。
図3は、順問題による繰り返し推定法を用いて再構成を行う場合の一般的な手法の概要を例示する説明図である。
以上のことから、本実施形態においては、順問題を解いて音響波の推定値pk(r,t)を得るのにあたり、上述した手順の一般的な手法ではなく、信号のスパース性を利用した圧縮センシング(Compressed Sensing)を適用する。圧縮センシングとは、スパース性(零成分が多いという性質)を持つ高次元ベクトルで表される信号を少ない観測から復元する技術である。
例えば、図5(a)に示すように、P=ΦP0の関係に基づいて、ベクトルPからベクトルP0を求める場合には、伝達関数Φがm×n行列であるときにm<nであると、他の制約条件がないと不良設定問題となってしまい、解が求まらない。
これに対して、圧縮センシング(制約条件としてL1最適化)を適用した場合には、例えば、図5(b)に示すように、P0=ΨSの関係を満たすスパースな信号ベクトルSを用いることで、上記の(3)式の関係が成り立つ。ここで、スパースな信号ベクトルSは、K個の要素以外は「0」であると考えられる。したがって、P=ΘSの関係に基づいてベクトルPから信号ベクトルSを求める場合には、m>Kであれば良設定(well-posed)問題となり、解を求めることができる。つまり、P0=ΨSの関係を利用することで、ベクトルP0を求めることができる。
ところで、圧縮センシングでは、上記の(3)式に基づく信号ベクトルSからベクトルPへの生成(順問題)の過程で、伝達関数(行列)Θについての膨大な計算量を必要とする。通常、圧縮センシングを適用する場合には、信号ベクトルSからベクトルPへの生成を、計測信号の空間領域(実空間)で処理することが一般的である。そのため、下記の(4)式に示すように、被検体1内の全ての音源で生成され、センサ部12における全てのトランスデューサ12aに到達した波形を、インパルス応答として重ね合わせる方式で計算することになり、その計算に膨大な時間がかかってしまう。
k空間とは、空間周波数を表す空間のことであり、実空間とは互いにフーリエ変換の関係にある空間のことである。
圧縮センシングにおける復元計算とは、トランスデューサ12aによる受信波のスペクトル(時間tについてのフーリエ変換)を求めて復元するために必要となる積分計算のことである。また、離散条件の球殻積分とは、k空間に存在する球殻の表面上の離散データのみを用いて積分計算をすることである。
すなわち、本実施形態においては、空間を三次元フーリエ変換したk空間で表現することで、計測ベクトルPのk空間表現である(5)式と、初期音圧p0(r)の空間座標rに関する三次元フーリエ変換(k空間表現)である(6)式が得られる。
ここで、上述した(i)および(ii)の特徴点を備えつつ初期音圧分布の再構成を行う場合の具体的な手順、すなわち本実施形態における再構成の手法の具体的な手順について説明する。
このとき、再構成部13bは、例えば、以下の(7)式によって特定される公知のL1最適化アルゴリズムを用いることで、上述した繰り返し処理を効率的に収束させるようにしてもよい。
本実施形態によれば、以上に説明したような処理を行うので、計算量を削減して処理の高速化を図ることができる。
これに対して、本実施形態のようなk空間ではなく実空間において上記の(4)式に基づいて計算を行う場合には、既に説明したように、計算回数がMNIJK回となってしまう。
したがって、例えば、M,Nがそれぞれ100回、I,J,Kがそれぞれ1000回であると、実空間における上記(4)式の計算ではMNIJK=1002×10003=1013回の計算回数が必要であるのに対して、本実施形態ではIJK(M+log(IJK))=10003(100+log(10003)=109×130≒1011回となる。つまり、本実施形態によれば、凡そ二桁程度の計算回数の削減による高速化が実現可能となる。
上述したように、本実施形態では、k空間での計算を行うので、圧縮センシングにおける復元計算を球殻積分によって行うことが可能となる。そして、その球殻積分にあたり、k空間に存在する球殻の表面上の離散データのみを用いて積分計算をすればよい。
この球殻積分については、以下に述べる態様で行えば、積分計算によって得られるデータの精度向上を図るうえで非常に好ましいものとなる。
以下に、本実施形態における球殻積分の好適な一態様について具体的に説明する。なお、以下に説明する例は、球殻積分の好適な一態様に過ぎず、本発明がこれに限定されるものではない。
球殻積分にあたっては、例えば、kx,ky,kzの各軸を有する座標空間(ただし、kz軸は不図示)において、k=ωcで表される球殻を積分計算によって求める。
以上に説明した手順を経ることで、本実施形態では、被検体1における吸収体2について、初期音圧分布p0(r)の再構成を行う。そして、初期音圧分布p0(r)を再構成再構成したら、必要に応じて、光量補正を行って吸収係数分布像(すなわち光音響画像)を生成する。このようにして生成された光音響画像は、結果出力部13cから画像表示部14へ出力されたり、あるいは画像記憶部13dで記憶保持されたりする。
本実施形態によれば、以下に示す一つまたは複数の効果を奏する。
以上に、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
Claims (5)
- 光音響波の検出信号を取得するステップと、
前記検出信号から音圧分布データを求め、前記音圧分布データに基づいて初期音圧分布を再構成するステップと、を備え、
前記音圧分布データとしてk空間上のデータを用い、
前記初期音圧分布の再構成を、信号のスパース性を利用した圧縮センシングを適用して行うとともに、前記圧縮センシングにおける復元計算を離散条件の球殻積分により行う
光音響情報処理方法。 - 前記球殻積分にあたり、球殻を複数領域に分割するとともに、各領域で積分変数をそれぞれ選択する
請求項1に記載の光音響情報処理方法。 - 前記初期音圧分布の再構成の結果に基づいて光音響画像を生成するとともに、生成した前記光音響画像についての画像データをデータ圧縮して記憶保持する
請求項1または2に記載の光音響情報処理方法。 - コンピュータに、
光音響波の検出信号を取得するステップと、
前記検出信号から音圧分布データを求め、前記音圧分布データに基づいて初期音圧分布を再構成するステップと、を実行させるとともに、
前記音圧分布データとしてk空間上のデータを用い、
前記初期音圧分布の再構成を、信号のスパース性を利用した圧縮センシングを適用して行うとともに、前記圧縮センシングにおける復元計算を離散条件の球殻積分により行う
光音響情報処理プログラム。 - 光音響波の検出信号を取得する信号取得部と、
前記検出信号から音圧分布データを求め、前記音圧分布データに基づいて初期音圧分布を再構成する再構成部と、
前記再構成部での処理結果を出力する結果出力部と、を備え、
前記音圧分布データとしてk空間上のデータを用い、
前記初期音圧分布の再構成を、信号のスパース性を利用した圧縮センシングを適用して行うとともに、前記圧縮センシングにおける復元計算を離散条件の球殻積分により行う
光音響情報処理装置。
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