本出願は、2015年10月2日に出願された米国仮特許出願第62/236296号および2016年1月29日に出願された米国仮特許出願第62/288851号および2016年1月22日に出願された米国仮特許出願第62/286192号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものであり、また2015年7月30日に出願された米国特許出願第14/814232号および2015年7月30日に出願された米国特許出願第14/814274号および2015年7月30日に出願された米国特許出願第14/814293号および2015年7月30日に出願された米国特許出願第14/814303号および2015年7月30日に出願された米国特許出願第14/814363号および2015年7月30日に出願された米国特許出願第14/814319号および2015年7月30日に出願された米国特許出願第14/814335号の米国法典第35編第120条の下での優先権の恩恵を主張するものであり、それらの内容の全てがここに依拠され、ここに引用される。
本出願人は、カバーガラスを熱強化するための方法およびシステム、並びに結果として得られる熱強化されたカバーガラスシート自体の両方において、カバーガラスの熱処理の改善が必要とされていることを認識した。例えば、携帯型電子機器、消費家電製品、カバーガラス、背面ガラスなどを含む数多くの用途にとって、より薄いが強い光学品質のカバーガラスシート材料およびそのようなカバーガラスシートを備えた製品が有用である。ガラスは、圧縮において非常に強力であるが、表面での張力に対しては比較的弱い。露出表面がない中央での張力によって釣り合わされる圧縮をシートの表面に与えることによって、カバーガラスシートの有用強度が劇的に増す。しかしながら、カバーガラスの従来の熱強化は、代わりの強化方法(例えば、化学強化、積層に基づく強化)と比べて、一般に安く、速い一方で、カバーガラスの従来の熱強化は、薄いカバーガラス(例えば、2〜3mm以下のカバーガラスシート)の強化にとって有効ではないことが知られていない。従来のカバーガラスを熱強化する方法は、典型的に、より厚いカバーガラスシートに限定されると考えられる。何故ならば、強化のレベルは、急冷中のカバーガラスシートの表面と中央との間に生じる温度差に依存するからである。また従来の強化方法の熱伝導率の制限のために、薄いガラスシート全体に典型的に生じる比較的均一な冷却の理由から、薄いカバーガラスシートの表面と中央との間に著しい温度差を達成することが難しい。
他方で、イオン交換により薄いカバーガラスを強化することは、長期間に亘るカバーガラスの化学浴中の浸漬を必要とすることなど、煩わしく、時間がかかり得る。異なる種類のカバーガラスを互いに直接積層することには、二重アイソパイプによるフュージョンドロー法を伴うことなど、複雑な製造プロセスが必要であろう。
したがって、従来のプロセスよりも資源集約的ではない、および/または煩わしくないプロセスによって製造される、窓、コンピュータ、デバイスなどにおける様々な使途のためのカバーガラスの強化をもたらす応力プロファイルを有するカバーガラスまたはガラスセラミック物品の必要性が存在する。特に、ここに述べられるプロセスおよびシステムは、カバーガラスの外部を強化する応力プロファイルを有するカバーガラス物品を形成し、その応力プロファイルは、次に、亀裂および損傷を軽減するように働くと同時に、様々な他の望ましいカバーガラスの品質(例えば、形状、表面品質、可視光の透過率、可撓性など)を可能にして、様々なカバーガラスまたは消費家電製品の用途における使用を促進することができる。
本記載は、高度に強化されたカバーガラス材料、および特に高度に強化された薄いカバーガラスシートを製造するために熱強化を利用する改善された方法およびシステムを提供する。その方法およびシステムは、従来のカバーガラスの強化プロセスの様々な制限を解決し、厚さが約3mm未満、2mm未満、1.5mm未満、1.0mm未満、0.5mm未満、約0.25mm未満、および約0.1mm未満のカバーガラスシートにおいて高レベルの強化を可能にする。詳しくは、本出願人は、非常に薄いカバーガラスシートにおいてさえ強化または焼入れを行うために、非常に高い熱伝導率を与えて、カバーガラスシートの表面と中央との間に十分に大きい温度差を生じるシステムおよび方法を開発した。
従来の熱的焼入れ技術および制限の概要
ガラスを熱強化するための従来の工業プロセスは、ガラスシートを放射エネルギー炉または対流炉(もしくは両方の技術を使用した「複合モード」炉)内で所定の温度に加熱し、次いで、典型的に、ガラス表面に対してまたはそれに沿って大量の周囲空気を吹き付けることによる対流によって、気体冷却(「急冷」)する工程を有してなる。この気体冷却プロセスは、主に対流的であり、それによって、気体が高温ガラスシートから熱を運び去る時に、熱伝達は、拡散および移流を通じて、流体の大量運動(集団運動)による。
従来の焼入れプロセスにおいて、特定の要因により、ガラスシート、特に薄いガラスシートにおいて可能であると典型的に考えられる強化の量が制限され得る。一部には、完成したシート上の圧縮応力の量は、急冷中に達成される、シートの表面と中央との間の温度差の大きさに直接関連するので、制限が存在する。しかしながら、急冷中の温度差が大きいほど、急冷中にガラスが破損し易くなる。所定の冷却速度について、急冷をより高い初期ガラス温度から開始することによって、破損を減少させることができる。また、より高い開始温度により、典型的に、焼入れされたガラスシートが、速い冷却速度により与えられる十分な強化可能性を達成することが可能になる。しかしながら、急冷の開始時でのシートの温度を上昇させることには、それ自体の潜在的な欠点もある。例えば、高い初期ガラス温度は、シートがより柔らかくなるので、シートの過剰な変形をもたらし得、この場合もやはり、実用的に達成できる温度差が制限される。
従来の焼入れプロセスにおいて、シートの厚さによっても、急冷中に達成できる温度差に重大な制限が課せられる。シートが薄いほど、急冷中の所定の冷却速度について、表面と中央との間の温度差が小さくなる。これは、その中央を表面から断熱するためのガラスの厚さがより小さいからである。したがって、薄いガラスの熱強化には、典型的に、より速い冷却速度(より厚いガラスの熱強化と比べて)が必要であり、それゆえ、ガラスの外面から熱をより速く除去するには、典型的に、ガラスシートの内側部分と外側部分との間に強化レベルの温度差を生じるために、著しい熱消費が必要である。
一例として、図1は、35年前に開発された業界標準の熱強化プロセスに基づく、ミリメートルで表されたガラスの厚さの関数としての、ソーダ石灰ガラス(「SLG」)を「十分に焼入れ」するために十分な周囲空気を吹き付けるのに用いられる送風機が必要とする出力(ガラスシートの面積の平方メートル当たりのキロワット)を示す。必要とされる出力は、使用されるガラスが薄くなるにつれて、指数関数的に増加する。それゆえ、厚さが約3mmのガラスシートが、長年に亘り、利用できる最も薄い十分に熱的に焼入れされた市販ガラスであった。
さらに、シートが薄いほど、ガラスの所定の柔らかさで(すなわち、所定の粘度で)の変形の傾向が大きくなる。したがって、厚さを減少させると、達成できる温度差が直接的に減少し、シートの変形する虞が増加するために、より高いシート温度を使用して、より速い冷却速度の十分な恩恵を達成し、またより速い冷却速度により生じるガラスの破損を防ぐ機会を減少させる傾向にもある。このように、従来の対流気体式ガラス強化プロセスにおいて、気流速度を増加させ、空気ノズル開口からガラスシート表面までの距離を減少させ、(冷却の開始時の)ガラスの温度を上昇させ、必要に応じて、冷却空気の温度を低下させることによって、より速い冷却速度が達成される。
より最近の例として、最新のガラス熱強化設備を使用した、図2(従来技術)の性能曲線が公表された。この改善された設備は、ガラスを冷却するために従来の送風対流プロセスを使用し続けているが、加熱中にガラスを支持するために使用されるローラを、少なくとも加熱の最後の段階にガラスを支持するために空気を使用するシステムと置き換えている。ローラの接触がなくなると、ガラスは、急冷前により高温(およびより高い柔らかさ/より低い粘度)に加熱でき、報告によれば、2mmの厚さの十分に焼入れされたガラスを製造することができる。図2に示されるように、2mm厚のシートを強化するために必要な報告された送風機出力は、ローラの使用(曲線O)と比べて、ガラスを支持するために空気を使用する(曲線N)ことにより可能になったより高い温度で、1200kW/m2から400kW/m2まで減少している。
十分に焼入れされた2mm厚のガラスを製造できる進歩を示しているが、図3(従来技術)に示されるように、図1の目盛りに一致させるために図2の以前の曲線Oと最新の曲線Nを調整すると、最新の対流式焼入れプロセスにより達成された性能の改善(図2に示されている)は、比較的小さく、ガラスシートの対流強化におけるエネルギー需要の以前の理解における単なる漸進的変化である。図3において、図2の以前の曲線Oと最新の曲線Nは、図1のグラフと一致するように調整され、その上に重ね合わされている(最新の曲線Nを見易くするために、以前の曲線Oは240kW/m2で上部が断ち切られている)。図3から、曲線Nにより示された技術は、ガラスの厚さが3mmから2mmに減少したときに、対流気体式急冷プロセスの性能曲線をわずかしか変化させていないことが明らかである。その高い動作点(2mmのガラスに関する400kW/m2の送風機出力)は、この方法でより薄いガラスを処理するのにまだ必要とされる出力の極度の増加を示す。気流の急な増加、およびそれゆえの必要とされる出力は、工学的実行および経済性の両方の問題として、従来の対流気体式強化方法を使用して十分に焼入れされたガラスを製造しつつ、2mm未満の厚さにすることの難点を示唆している。その上、必要とされる非常に大きい気流は、より薄いシートの形状を変形させ得る。したがって、2mm未満の厚さを有するガラスの十分な焼入れに到達するために、または熱的焼入れを使用して、ソーダ石灰ガラスの熱膨張係数(「CTE」)より低いCTEを有するガラスにおいて2mmで十分な焼入れを達成するために、本出願人は、別の焼入れ方法/システムが必要であることを突きとめた。
現行の商業的対流気体式強化に変わる熱強化方法を同様に試したが、各々には、対流気体式強化に対する特定の欠点がある。特に、より速い冷却速度を達成する典型的な代わりの熱強化方法は、一般に、気体接触のみではなく、ガラス表面との少なくともある程度の液体または固体接触を必要とする。ガラスシートとのそのような接触は、ガラス表面の品質、ガラスの平坦度、および/または強化プロセスの均一性に悪影響を与え得る。これらの欠陥は、特に反射光で見たときに、人の目でも知覚されることがある。下記により詳しく記載されるように、少なくともいくつかの実施の形態において、本開示の伝導式熱的焼入れシステムは、そのような接触関連の欠陥を減少させるか、なくす。
液体浴または流動液中の浸漬の形態、並びに噴霧の形態における液体接触強化が、対流気体式強化よりも速い冷却速度を達成するために使用されてきたが、それには、冷却プロセス中にシートに亘り過剰な熱的変動が生じるという欠陥がある。浸漬または浸漬様噴霧または液体の流動において、液体浴または液体流内に自発的に生じる対流のために、狭い面積に亘り大きい熱的変動が生じ得る。より微細な噴霧において、個別の噴霧液滴およびノズル噴霧パターンの効果によっても、著しい熱的変動が生じる。過剰な熱的変動は、液体接触による熱強化中にガラスの破損を生じる傾向にあり、その傾向は、冷却速度を制限することによって軽減できるが、冷却速度を制限すると、達成できる結果としての強度も低下してしまう。さらに、シートの必須の取扱い(液体浴または液体流または液体噴霧内にシートを位置決めするまたは保持するための)によっても、シートとの物理的接触から、物理的応力および過剰な熱的変動が生じ、強化中に破損を生じる傾向があり、冷却速度および結果としての強度を制限する。最後に、油浸漬および様々な噴霧技術による速い冷却速度の急冷などの、いくつかの液体冷却方法は、そのような冷却中にガラス表面を変え、満足な仕上げを生じるためにガラス表面からガラス材料を後に除去する必要が生じ得る。
固体接触熱強化は、高温ガラスの表面をより冷たい固体表面と接触させる工程を有してなる。液体接触強化に関するように、液体接触強化に見られるような過剰の熱的変動が、急冷プロセス中に容易に生じ得る。ガラスシートの表面仕上げ、急冷表面、またはシートの厚さの一貫性におけるどのような不完全度も、シートのある区域に亘り不完全な接触をもたらし、この不完全な接触により、処理中にガラスを破損させる傾向にある大きい熱的変動を生じることがあり、またシートが残存した場合も、望ましくない複屈折を生じることもある。その上、高温ガラスシートを固体物体と接触させると、欠け、ひび、亀裂、引掻き傷などの表面欠陥が形成され得る。ガラスシートの表面全体に亘り良好な物理的接触を達成すると、シートの寸法が増すにつれて、難点も増し得る。固体表面との物理的接触は、急冷中のシートに機械的応力を加え、そのプロセス中にシートが破損する可能性が増し得る。さらに、接触の開始時の極端に高い温度変化速度により、シート加工中に破損が生じ得、それゆえ、薄いガラス基板の接触冷却は、商業的に実行可能ではなかった。
出願人の熱強化されたカバーガラスおよび関連する伝導式冷却プロセスと方法の概要
本開示は、従来のプロセスによく見られる様々な不具合を生じずに、例えば、カバーガラスの表面に損傷を与えずに、複屈折を誘起せずに、不均一に強化せずに、および/または許容できない破損を生じずになど、商業規模で薄いカバーガラスシートを効果的、効率的、そして均一に熱強化するために、上述した従来のプロセスを上回る。以前に得られていない薄い熱的に焼入れ/強化されたカバーガラスシートが、ここに開示された実施の形態の1つ以上によって製造できる。ここに述べられたシステムおよびプロセスは、カバーガラスを良好に物理的に制御し、やさしく取り扱うことで、非常に高い熱伝達率を正確な様式で提供することによって、このことを達成する。特別な実施の形態において、ここに述べられたプロセスおよびシステムは、薄いカバーガラスシートを、冷却の開始時により高い相対温度で処理して、より高い熱強化レベルをもたらすことができると本出願人が特定した小間隙のガスベアリングを冷却/急冷区域において利用する。下記に記載されるように、この小間隙のガスベアリング冷却/急冷区域は、大気流に基づく対流冷却を使用するよりも、間隙に亘るヒートシンクへの伝導性熱伝達により、非常に高い熱伝達率を達成する。この高速の伝導性熱伝達は、その間隙内のガスベアリング上にカバーガラスを支持することによって、カバーガラスを液体または固体材料と接触させずに達成される。下記に記載するように、本出願人は、少なくともいくつかの実施の形態において、ここに述べられたプロセスおよびシステムは、1つ以上の特有の性質を有する熱強化されたカバーガラス、特に熱強化された薄いカバーガラス(例えば、消費家電製品用の)を形成することも突きとめた。
本開示による方法および/またはシステムにより処理されたカバーガラスシートのいくつかの実施の形態は、以前に知られたよりも高いレベルの永久的な熱的に誘起された応力を有する。理論により束縛する意図はないが、達成されたレベルの熱的に誘起された応力は、複数の理由の組合せのために得られると考えられる。ここに詳述されるプロセスにおける熱伝達の高い均一性により、カバーガラスにおける物理的応力および望ましくない熱応力が減少し、またはなくなり、消費家電用ガラスシートを、破壊せずに高い熱伝達率で焼入れすることができる。さらに、本発明の方法は、より低いガラスシート粘度(急冷の開始時でのより高い初期温度)で行うことができ、それでもまだ、所望のカバーガラスの平坦度および形状を維持し、これにより、冷却プロセスにおける温度変化がずっと大きくなり、それゆえ、達成される熱強化レベルが増す。
熱的に焼入れされたカバーガラスシート
上述したように、本出願人は、熱強化されたカバーガラスシート、特に薄いカバーガラスシートを形成するためのシステムおよびプロセスを開発し、この項目に論じられるように、ここに述べられたように形成された熱強化された薄いカバーガラスシートは、従来の熱的または他の焼入れ方法によって以前は達成できなかった、1つ以上の特有の性質および/または性質の組合せを有する。本開示の熱的に焼入れされたカバーガラスまたは消費家電用ガラスは、様々な消費家電製品(例えば、コンピュータ、タブレット、個人向け携帯型機器、タッチセンサー式ディスプレイ、家庭用品、携帯電話、携帯型メディアプレーヤー、テレビ、ノート型コンピュータ、腕時計、タブレット型コンピュータなど)に使用できる。
熱的に焼入れされたカバーガラスシート構造および寸法
図4および図5を参照すると、例示の実施の形態による、高い表面圧縮応力および/または高い中央張力を有する熱強化されたカバーガラスシートが示されている。図4は、熱強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品またはシート500の斜視図を示しており、図5は、1つ以上の実施の形態による、熱強化されたカバーガラスシート500の部分断面図である。
図4に示されるように、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品500(例えば、シート、梁、プレート)は、第一の主面510、第二の主面520(ここに開示されるように半透明であることがあり、シート500の背面に点線で示されている)、およびそれらの間に延在する本体522を備える。第二の主面520は、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の厚さtが第一と第二の主面510、520の間の距離として定義されるように第一の主面510から本体522の反対側にあり、その厚さtは深さの寸法でもある。強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の幅wは、厚さtに対して垂直な、第一または第二の主面510、520の一方の第一の寸法として定義される。強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の長さlは、厚さtおよび幅wの両方に対して垂直な、第一または第二の主面510、520の一方の第二の寸法として定義される。
例示の実施の形態において、カバーガラスシート500の厚さtは、カバーガラスシート500の長さlより小さい。他の例示の実施の形態において、カバーガラスシート500の厚さtは、カバーガラスシート500の幅wより小さい。さらに他の例示の実施の形態において、カバーガラスシート500の厚さtは、カバーガラスシート500の長さlおよび幅wの両方より小さい。図5に示されるように、カバーガラスシート500は、シートの中央部分にある永久的な熱的に誘起された中央引張応力(すなわち、張力)の領域550によって釣り合わされている、第一と第二の主面510、520にある、および/またはその近くにある永久的な熱的に誘起された圧縮応力の領域530および540をさらに有する。
前記方法およびシステムは、幅広い厚さ範囲を有する強化されたカバーガラスシートを形成するために使用できる。様々な実施の形態において、カバーガラスシート500の厚さtは、端点の値に加え、0.2mm、0.28mm、0.4mm、0.5mm、0.55mm、0.7mm、1mm、1.1mm、1.5mm、1.8mm、2mm、および3.2mmを含む、0.1mmから5.7または6.0mmに及ぶ。考えられる実施の形態は、0.1から20mm、0.1から16mm、0.1から12mm、0.1から8mm、0.1から6mm、0.1から4mm、0.1から3mm、0.1から2mm、0.1から2mm未満、0.1から1.5mm、0.1から1mm、0.1から0.7mm、0.1から0.5mm、および0.1から0.3mmの範囲の厚さtを有する熱強化されたカバーガラスシート500を含む。
いくつかの実施の形態において、厚さが3mm以下のカバーガラスシートが使用される。いくつかの実施の形態において、そのカバーガラスの厚さは、約(例えば、プラスまたはマイナス1%)8mm以下、約6mm以下、約3mm以下、約2.5mm以下、約2mm以下、約1.8mm以下、約1.6mm以下、約1.4mm以下、約1.2mm以下、約1mm以下、約0.8mm以下、約0.7mm以下、約0.6mm以下、約0.5mm以下、約0.4mm以下、約0.3mm以下、または約0.28mm以下である。
いくつかの実施の形態において、熱強化されたカバーガラスシートのアスペクト比は高い−すなわち、厚さに対する長さおよび幅の比が大きい。ここに述べられた熱的焼入れプロセスは、高圧または大容量の空気に依存しないので、ここに述べられたガスベアリングおよび高い熱伝達率のシステムの使用による焼入れ後に、表面粗さおよび平坦度などの様々なカバーガラスシートの特性を維持することができる。同様に、ここに述べられた熱的焼入れプロセスにより、高アスペクト比のカバーガラスシート(すなわち、長さ対厚さ、または幅対厚さの比、もしくはその両方の比が高いカバーガラスシート)を、所望のまたは必要な形状を維持しながら、熱強化することができる。詳しくは、長さ対厚さおよび/または幅対厚さの比(「アスペクト比」)がほぼ少なくとも10:1、少なくとも20:1、および1000:1までとそれを超えるシートを強化することができる。考えられる実施の形態において、アスペクト比が少なくとも200:1、少なくとも500:1、少なくとも1000:1、少なくとも2000:1、少なくとも4000:1のシートを強化することができる。
例示の実施の形態によれば、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の長さlは、幅wの2倍超、幅wの5倍超などのように幅w以上、および/または幅wの50倍以下である。そのようないくつかの実施の形態において、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の幅wは、厚さtの2倍超、厚さtの5倍超などのように厚さt以上、および/または厚さtの50倍以下である。
例えば、下記に述べられる図27〜30に関して開示された用途に関するものなどのいくつかの実施の形態において、カバーガラスまたはガラスセラミックシート500の長さlは、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも7.5cm、少なくとも20cm、少なくとも50cmなどの少なくとも1cm、および/または10m以下、7.5m以下、5m以下などの50m以下である。そのようないくつかの実施の形態において、カバーガラスまたはガラスセラミックシート500の幅wは、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも7.5cm、少なくとも20cm、少なくとも50cmなどの少なくとも1cm、および/または10m以下、7.5m以下、5m以下などの50m以下である。図4を参照すると、シート500の形態にあるカバーガラスまたはガラスセラミックの厚さtは、0.8mm以下などの、考えられる実施の形態において、2.5cm以下、1cm以下、5mm以下、2.5mm以下、2mm以下、1.7mm以下、1.5mm以下、1.2mm以下、またさらには1mm以下などの5cmより薄い、および/または厚さtは、少なくとも50μm、少なくとも100μm、少なくとも300μmなどの少なくとも10μmである。
他の考えられる実施の形態において、前記カバーガラスまたはガラスセラミック物品は、ここに開示されたもの以外のサイズであってもよい。考えられる実施の形態において、そのカバーガラスまたはガラスセラミック物品の長さl、幅w、および/または厚さtは、より複雑な形状(概して、図30を参照のこと)などについて、様々であっよく、ここで、ここに開示された寸法は、少なくとも、互いに関する長さl、幅w、および厚さtの上述した定義を有する対応するカバーガラスまたはガラスセラミック物品の態様に当てはまる。
いくつかの実施の形態において、カバーガラスシート500の第一または第二の主面510、520の少なくとも一方は、比較的大きい表面積を有する。様々な実施の形態において、第一のおよび/または第二の主面510、520の面積は、少なくとも900mm2、少なくとも2500mm2、少なくとも5000mm2、少なくとも100cm2、少なくとも900cm2、少なくとも2500cm2、少なくとも5000cm2などの少なくとも100mm2、および/または100m2以下、5000cm2以下、2500cm2以下、1000cm2以下、500cm2以下、100cm2以下などの2500m2以下である。このように、カバーガラスまたはガラスセラミックシート500は比較的大きい表面積を有することがある;これは、ここに開示された方法およびシステムによらない限り、特に、ここに述べられたカバーガラスシートの厚さ、表面品質、および/または歪みの均一性を有しながら、熱強化するのが難しいか、不可能であろう。さらに、ここに開示された方法およびシステムによらない限り、カバーガラスの種類の変更またはイオン交換に依存せずに、応力プロファイル、特に応力プロファイル(概して、図6を参照のこと)の負の引張応力部分を達成することが難しいかまたは不可能であろう。
熱強化されたカバーガラスシートの圧縮応力および引張応力
上述したように、ここに述べられた熱強化されたカバーガラスシートは、例えば、図5に示された領域530、540において、意外に高い表面圧縮応力、例えば、図5に示された領域550において、意外に高い中央引張応力、および/または特有の応力プロファイル(図6参照)を有することがある。このことは、ここに述べられたカバーガラスシート500の小さい厚さおよび/または他の特有の物理的性質(例えば、非常に低い粗さ、高度の平坦度、様々な光学的性質、仮想温度特性など)を考えると、特に当てはまる。
ここに開示されたプロセスおよびシステムにより形成されたカバーガラスの圧縮応力(例えば、図5に示された領域530、540における)は、そのカバーガラスの厚さtの関数として変動し得る。様々な実施の形態において、厚さ3mm以下のカバーガラス、例えば、カバーガラスシート500の圧縮応力(例えば、表面圧縮応力)は、少なくとも80MPa、少なくとも100MPa、少なくとも150MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも300MPa、少なくとも350MPa、少なくとも400MPa、および/または1GPa以下である。考えられる実施の形態において、厚さ2mm以下のカバーガラスの圧縮応力は、少なくとも80MPa、少なくとも100MPa、少なくとも150MPa、少なくとも175MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも300MPa、少なくとも350MPa、少なくとも400MPa、および/または1GPa以下である。考えられる実施の形態において、厚さ1.5mm以下のカバーガラスの圧縮応力は、少なくとも80MPa、少なくとも100MPa、少なくとも150MPa、少なくとも175MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも300MPa、少なくとも350MPa、および/または1GPa以下である。考えられる実施の形態において、厚さ1mm以下のカバーガラスの圧縮応力は、少なくとも80MPa、少なくとも100MPa、少なくとも150MPa、少なくとも175MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも300MPa、および/または1GPa以下である。考えられる実施の形態において、厚さ0.5mm以下のカバーガラスの圧縮応力は、少なくとも50MPa、少なくとも80MPa、少なくとも100MPa、少なくとも150MPa、少なくとも175MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、および/または1GPa以下である。
いくつかの実施の形態において、ここに開示されたプロセスおよびシステムにより形成されたカバーガラスにおける熱的に誘起された中央張力(例えば、図5に示された領域550における)は、40MPa超、50MPa超、75MPa超、100MPa超であることがある。他の実施の形態において、その熱的に誘起された中央張力は、300MPa未満、または400MPa未満であることがある。いくつかの実施の形態において、その熱的に誘起された中央張力は、約50MPaから約300MPa、約60MPaから約200MPa、約70MPaから約150MPa、または約80MPaから約140MPaであることがある。いくつかの実施の形態において、熱強化されたカバーガラスシートは、高い薄さを有する、すなわち、特に薄い。ここに述べられたシステムおよび方法により、非常に高い熱伝達率を適用できるので、著しい熱的効果、例えば、少なくとも10またさらには少なくとも20MPaの中央張力を、厚さ0.3mm未満のSLGのシートに生じさせることができる。実際に、非常に薄いシート、少なくとも0.1mmほど薄いシートを熱強化することができる。厚さおよび他の変数の関数と考えられる、達成されたおよび達成できる熱応力の特定のレベルが、さらに詳しくここに記載されている。
図6を参照すると、図4の強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の、25℃の室温および標準大気圧での概念応力プロファイル560は、正の引張応力下にある、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の内側部分550、および負の引張応力(例えば、正の圧縮応力)下にある、内側部分550の外部にあり、それに隣接した、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の部分530、540を示す。本出願人は、その負の引張応力は、少なくとも一部には、亀裂の開始および/またはその中の亀裂の伝搬を制限することによって、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500を強化すると考えている。
ここに開示されたような強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の比較的大きい表面積および/または薄い厚さを考えると、内側部分550の正の引張応力およびその内側部分550の外部にあり、それに隣接した部分530、540の負の引張応力の間で、応力プロファイル560における引張応力が急に移行することは、本発明の技術にとって特有であると考えられる。この急な移行は、500μm、250μm、100μmの距離等の1mm以下の距離などの、変化が生じる厚さの距離(物品の厚さの一部であることがあり、必ずしも物品形状の寸法ではない、変化の割合を数量化するために使用される距離)で割った応力の大きさ(例えば、正と負の引張応力のピーク値+σ、−σにおける差である、100MPa、200MPa、250MPa、300MPa、400MPa)として表されることがある引張応力の変化率(すなわち、勾配)として理解されるであろう。そのようないくつかの実施の形態において、引張応力の変化率は、1mmで割った5000MPa以下などの1mmで割った7000MPaを超えない。考えられる実施の形態において、正と負の引張応力のピーク値の差は、少なくとも100MPa、少なくとも150MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも300MPa、少なくとも400MPa、少なくとも500MPaなどの少なくとも50MPa、および/または50GPa以下である。考えられる実施の形態において、カバーガラスまたはガラスセラミックシート500のピークの負の引張応力の大きさは、少なくとも100MPa、少なくとも150MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも300MPa、少なくとも400MPa、少なくとも500MPaなどの少なくとも50MPaである。ここに述べられたシステムおよび方法により生じる急勾配の引張曲線の移行は、所定の厚さに関するカバーガラスシートの表面でのより大きい大きさの負の引張応力を達成する能力、および/またはここに開示されたダイシングの破砕可能性を達成するなどの、より薄いカバーガラス物品を高度の負の引張応力に製造する能力を示すと考えられる。従来の熱的焼入れ手法では、そのような急勾配の引張応力曲線を達成することはできないであろう。
例示の実施の形態によれば、引張応力の高い変化率は、カバーガラスシート500の厚さの少なくとも5%、厚さの少なくとも10%、厚さの少なくとも15%、または厚さの少なくとも25%などの厚さの少なくとも2%である応力プロファイル560の厚さ方向の広がりに亘り維持される上述した大きさ以上の内の少なくとも1つである。考えられる実施の形態において、その強化は、引張応力の変化率が高い厚さ方向の広がりが、第一の主面からの厚さ中の20%と80%の間の深さを中心とするように、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500中に深く延在し、これにより、例えば、化学的焼入れとはさらに区別されるであろう。
少なくともいくつかの考えられる実施の形態において、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品は、図6に点線562として概念的に示される、イオン含有量に関するその組成の変化を含む。より詳しくは、そのような実施の形態における強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品500の組成は、応力プロファイル560に影響する交換されたまたは注入されたイオンを含む。そのようないくつかの実施の形態において、負の引張応力は、ここに開示された熱的焼入れの結果でもあるので、交換されたまたは注入されたイオンは、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品500の部分530、540中に完全には延在しない。
したがって、イオン交換強度が増強された引張応力プロファイル560の曲線は、不連続性または急変564を、その曲線の接線が不連続性または急変564の両側で互いから異なる方向に含む。急変564は、引張応力がその不連続性または急変564に直接隣接した両側で負であるように負の引張応力下にある部分530、540内に位置している。不連続性または急変564は、異なるイオン含有量の深さに対応することがある。しかしながら、そのようないくつかの実施の形態において、負の引張応力下にある部分530、540の他の部分はまだ、イオン含有量に関して、正の引張応力下にある部分550と同じ組成を有する。
言い換えると、少なくともいくつかの強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品500に関して、イオン交換または注入の有無にかかわらず、負の引張応力下にあり、内側部分550の外部にあり、それに隣接する、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の部分530、540の少なくとも一部の組成は、正の引張応力下にある、内側部分550の少なくとも一部の組成と同じである。そのような実施の形態において、前記応力プロファイルの負の引張応力の少なくともいくらかは、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の組成(例えば、イオン組成)の変化とは関係ない。そのような構造は、化学的焼入れを行わずに、および/またはそれほど行わずに、十分な強度を与えることによって、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の組成を少なくともある程度、単純化させるであろう。さらに、そのような構造は、組成の不連続性/変化のために強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500内の応力集中を減少させ、ことによると、その組成の不連続性での剥離および/または亀裂の機会を減少させるかもしれない。
熱的に焼入れされたカバーガラスシートの破損性能
引張応力の領域550に十分なエネルギーが貯蔵されている場合、そのカバーガラスは、十分な打撃をうけたときに、安全ガラスのように破損する、または「ダイシングする(dice)」。ここに用いたように、カバーガラスシートは、25cm2の面積のカバーガラスシートが40以上の破片に割れたときに、ダイシングすると考えられる。いくつかの実施の形態において、ダイシングは、カバーガラスシートが「十分に焼入れされ」ている(すなわち、2mm以上のカバーガラスについて、カバーガラスシートが少なくとも65MPaの圧縮応力または少なくとも67MPaのエッジ圧縮を有する場合)ことを示す定性的尺度として使用される。様々な実施の形態において、カバーガラスシート500は、カバーガラスシート500の25cm2片が40以上の破片に割れるような十分な引張応力を引張応力の領域550に有する。
図7を参照すると、シート500などの前記カバーガラスまたはガラスセラミックシートに関してここに開示されたような性質を有するカバーガラスまたはガラスセラミック物品610は、プリックパンチまたは他の器具を使用して、および/または概して、米国規格協会(ANSI)Z97.1(衝撃試験)およびASTM 1048基準にしたがうなどのように破砕されている。例示の実施の形態によれば、カバーガラスまたはガラスセラミック物品610は、破砕の際にダイシングが生じ、複数の小さい粒状塊616(例えば、かけら、破片)を形成する程度まで強化されている。いくつかの実施の形態において、カバーガラスまたはガラスセラミック物品610は、そのカバーガラスを粒状片にする亀裂を開始するためにハンマーまたはパンチによって衝撃が印加される破砕試験においてカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の50×50mmの面積内で40以上の数の粒状塊616を生じるのに十分な熱的に誘起された応力を有する。金属ピンの長さ614が約1cmである標準的な事務用画鋲612が、参考のために示されている。
様々な考えられる実施の形態によれば、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の薄い厚さにかかわらず、その応力プロファイル(概して図6を参照のこと)は、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品610が、破砕されたときに、特に小さい粒状塊616、例えば、第一または第二の主面のいずれかの面積が50mm2未満、20mm2未満、10mm2未満、5mm2未満などの90mm2未満、および/または少なくとも10mm2のものに砕けるように、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の高い破砕可能性を与える。そのようないくつかの実施の形態において、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の破砕可能性は、その強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品が砕けたときに、粒状塊616の少なくとも20%(例えば、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも95%)で、その第一または第二の主面の少なくとも一方の面積が、上述した量の内の1つであるようなものである。
いくつかの実施の形態において、少なくとも一部には、本発明の技術を使用して、ここに開示されたように引張応力を備えて製造されることがあるカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の特に薄い形状のために、その強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の破砕可能性は、その強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品610が、破砕されたときに、特に低容積の粒状塊、例えば、容積が40mm3未満、30mm3未満、25mm3未満などの50mm3未満、および/または少なくとも50μm3のものに砕けるようなものである。
いくつかの実施の形態において、少なくとも一部には、本発明の技術を使用して、ここに開示されたように引張応力を備えて製造されることがあるカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の特に大面積のために、その強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の破砕可能性は、その強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品610が、破砕されたときに、少なくとも50μm3の容積の少なくとも200、少なくとも400、少なくとも1000、少なくとも4000の粒状塊616などの少なくとも50μm3の容積の少なくとも100の粒状塊616に砕けるようなものである。
ここで図8および図9を参照すると、少なくとも70質量%の二酸化ケイ素、および/または少なくとも10質量%の酸化ナトリウム、および/または少なくとも7質量%の酸化カルシウムを含むガラスからなり、ここに開示された設備およびプロセスを使用して強化された1.1mm厚のガラスシートに実験を行った。図8に示されるように、ガラスの平方センチメートル当たりの粒状塊616の数は、概して、それぞれのカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の中心での正の引張応力の大きさに関連することが分かった。同様に、図9に示されるように、それぞれのカバーガラスまたはガラスセラミック物品610の破砕可能性は、急冷中のガラスシートの表面とヒートシンク/ガスベアリングとの間の間隙のサイズおよびその間隙に使用される気体の熱伝導率に基づく、高温区域(例えば、図21、図22および図23を参照のこと)のガラスの温度、並びに急冷中にカバーガラス表面に効果的に印加された、cal/cm2・s・℃の単位(SI単位はW/m2・K)の計算された予測の熱伝達係数(h)に関連することも分かった。
熱的に焼入れされたカバーガラスシートの仮想温度
様々な実施の形態において、ここに述べられたシステムおよび方法によって形成された熱強化されたカバーガラスシート(例えば、カバーガラスシート500)は、高い仮想温度を有する。様々な実施の形態において、ここに述べられたカバーガラス材料の高い仮想温度は、カバーガラスシート500の高レベルの焼入れ、高い中央引張応力および/または高い圧縮表面応力に関連することが理解されよう。表面仮想温度は、示差走査熱量測定法、ブリルアン分光法、またはラマン分光法を含むどの適切な方法によって決定してもよい。
例示の実施の形態によれば、カバーガラスまたはガラスセラミックシート500は、いくつかの実施の形態において、ソーダ石灰ガラスに関するように、第一および/または第二の主面510、520での、またはその近くなどのその一部が、少なくとも500℃、少なくとも600℃、またさらには少なくとも700℃などの特に高い仮想温度を有する。例示の実施の形態によれば、カバーガラスまたはガラスセラミックシート500は、第一および/または第二の主面510、520での、またはその近くなどのその一部が、少なくとも10℃高い、少なくとも30℃高い、少なくとも50℃高い、少なくとも70℃高い、またさらには少なくとも100℃高いなどの、同じ化学組成の徐冷ガラスと比べて、特に高い仮想温度を有する。少なくとも一部には、強化システムにおける高温区域から冷却区域への急激な移行(例えば、図21、図22および図23を参照のこと)のために、高い仮想温度が、ここに開示された本発明の技術によって達成されることがある。本出願人は、高い仮想温度は、ガラスの増加した損傷抵抗に対応するまたは関連することがあると考えている。
表面仮想温度を決定するいくつかの方法において、かなり正確に仮想温度を測定するために、ガラスを破壊して、熱強化プロセスにより誘起される「焼入れ応力」を取り除く必要があることがある。ラマン分光法により測定される特徴的な構造バンドは、仮想温度およびケイ酸塩ガラスに印加された応力の両方に関して、制御された様式でシフトすることがよく知られている。焼入れ応力が分かれば、このシフトを使用して、熱強化されたカバーガラスシートの仮想温度を非破壊的に測定することができる。
概して図10を参照すると、いくつかの例示のカバーガラス物品に関する仮想温度の決定が示されている。シリカガラスのラマンスペクトルへの応力効果が、D.R. Tallant, T.A. Michalske,およびW.L. Smithの「The effects of tensile stress on the Raman spectrum of silica glass」J. Non-Cryst. Solids, 106 380-383 (1988)に報告されている。65質量%以上のシリカを含む市販のガラスは、実質的に同じ反応を示す。報告された応力反応は一軸応力に関するものであるが、焼入れされたガラスに観察されるような単一二軸応力状態(σxx=σyy)の場合、ピークは、一軸応力に予測されるものの2倍シフトすると予測できる。ソーダ石灰ガラスおよびガラス2における1090cm-1付近のピークは、シリカガラスで観察される1050cm-1のピークに対応する。シリカにおける1050cm-1のピーク、並びにSLGおよび他のケイ酸塩ガラスにおける対応するピークに対する応力の影響は、MPaの単位での応力σの関数として、式a)ω(cm-1)=1054.93−0.00232・σで表すことができる。
SLGおよび別のガラスのガラス2に関する仮想温度の関数としてのラマンバンド位置の較正曲線を作成した。ガラスサンプルは、τ=10×η/G(式中、ηは粘度であり、Gは剛性率である)によって計算される構造緩和時間よりも2〜3倍長い様々な時間で熱処理した。熱処理後、ガラスを水中で急冷して、その熱処理温度における仮想温度を固定した。次にガラス表面を、マイクロラマンによって、50倍の倍率および1〜2μmのスポットサイズにおいて、442nmレーザ、10〜30秒の露光時間、および100%出力を用いて、200〜1800cm-1の範囲に亘って測定した。1000〜1200cm-1におけるピーク位置を、コンピュータソフトウェア、この場合はRenishaw WiRE version 4.1を用いてフィッティングした。仮想温度Tf(℃)の関数として空気側でSLGに測定した1090cm-1のラマンピークの良好なフィッティングが、式b)ω(cm-1)=1110.66−0.0282・Tfにより得られる。ガラス2について、式c)ω(cm-1)=1102.00−0.0231・Tfにより良好なフィッティングが得られる。
式a)、b)、およびc)で確立された関係を用い、表面圧縮応力のための補正係数を用いて、測定したラマンピーク位置の関数としてカバーガラスの仮想温度を表すことができる。100MPaの圧縮応力σCによって、仮想温度の約15から20℃の低下に相当するラマンバンド位置のシフトが生じる。以下の式がSLGに適用可能である:
ガラス2に適用可能な式は:
である。
これらの式中、ωは1090cm-1付近のピークの測定ピーク波数であり、σCは、任意の適切な技術によって測定された表面圧縮応力であり、℃の単位の仮想温度の応力補正した測定が行われる。決定された仮想温度に関連する損傷抵抗の増加の実証として、4つのガラスシート試料を調製し、その内の2つは、従来の焼入れ方法により、約70および110MPaの表面圧縮応力(CS)に調製された6mmのソーダ石灰ガラス(SLG)シートであり、残りの2つはここに開示された方法およびシステムにより、ほぼ同じレベルのCSに調製された1.1mmのSLGである。各厚さの一方の2つの追加のシートを対照として使用した。各試験シートの表面に標準ビッカース押し込みを行った。様々なレベルの力をそれぞれ15秒間加え、24時間待機した後、それぞれの圧痕を調べた。表Iに示されるように、50%亀裂閾値(現れる亀裂の平均数が、亀裂が発生する傾向にある圧子の4点の内の2点となる荷重として定義される)を各試料について測定した。
表Iは、従来の対流気体焼入れ(6mmのシートに反映されている)によって処理したSLGのビッカース亀裂開始閾値が、徐冷後または供給されたままのSLGシートの場合と実質的に同じであり、0と1ニュートン(N)の間から、約1から2ニュートン未満まで上昇することを示している。これは、従来の焼入れによって与えられるガラス転移温度(SLGの場合のTg=550℃、η=1012-13.3ポアズとして定義される)に対して約25から35℃の表面仮想温度(TfsまたはTf表面)の比較的穏やかな上昇に相関している。対照的に、本発明の方法およびシステムを用いた焼入れによって、ビッカース亀裂開始閾値は10Nを超えるまで改善され、従来の焼入れによって与えられるビッカース損傷抵抗に対して10倍の増加であった。本発明が実施されたガラスでは、TfsからTsを引いた値は、少なくとも50℃、または少なくとも75℃、または少なくとも90℃、または約75℃から100℃の範囲内であった。低レベルの熱強化を含む実施の形態でさえも、本発明が実施されたガラスは、例えば、5Nなどのレベルにおいて増加した抵抗性を依然として与えることができる。特定の考えられる実施の形態では、15秒のビッカース亀裂開始試験後の50%亀裂閾値は、5N以上、10N以上、20N以上、または30N以上となり得る。
得られた仮想温度に関して熱強化プロセスの相対性能を比較するために以下の無次元仮想温度パラメータθを使用することができる。この場合、表面仮想温度θsが下記に与えられる:
式中、Tfsは表面仮想温度であり、T徐冷(η=1013.2ポアズの粘度におけるガラスの温度)は徐冷点であり、T軟化(η=107.6ポアズの粘度におけるガラスの温度)はシートのガラスの軟化点である。図10は、2つの異なるガラスの熱強化中に適用した熱伝達率hの関数としての、測定した表面仮想温度に関するθsのプロットである。図10に示されるように、2つの異なるガラスの結果は、互いにかなり密接に重なっている。これは、パラメータθが、製造に必要な熱伝達率hに関して、直接比較される異なるガラスの仮想温度を比較するための手段となることを意味する。各hにおける結果の垂直範囲は、急冷開始時の初期温度TOのばらつきに対応している。実施の形態において、パラメータθsは、約(例えば、プラスまたはマイナス10%)0.2から約0.9、または0.21から0.09、または0.22から0.09、または0.23から0.09、または0.24から0.09、または0.25から0.09、または0.30から0.09、または0.40から0.09、または0.5から0.9、または0.51から0.9、または0.52から0.9、または0.53から0.9、または0.54から0.9、または0.54から0.9、または0.55から0.9、または0.6から0.9、またさらには0.65から0.9を含む。
熱的に焼入れされたカバーガラスシートの焼入れ性パラメータ
様々な実施の形態において、ここに述べられたシステムおよび方法により形成された熱強化されたカバーガラスシート(例えば、カバーガラスシート500)は、高い焼入れ性および/または熱伝達値を有する。ガラスの「比熱応力」は:
で与えられ、式中、αはガラスの(低温線)CTEであり、Eはガラス材料の弾性率であり、μはガラス材料のポアソン比である。この値は、温度勾配に曝されたときに所定のガラス組成物内に生じる応力レベルを示すために使用される。これは、熱的「焼入れ性」の推定量として使用されることもある。しかしながら、より高い熱伝達率(例えば、約800W/m2K以上など)では、ガラスの高温または「液相線」CTEが焼入れ性能に影響し始める。したがって、そのような条件下では、粘度曲線全体で変化するCTE値に亘る積分の近似に基づく焼入れ性パラメータΨが有用であることが分かった:
式中、αS CTEは、1/℃(℃-1)で表される低温線CTE(ガラスについて0〜300℃の平均線膨張係数に相当する)であり、αL CTEは、1/℃(℃-1)で表される高温線CTE(ガラス転移点と軟化点との間のどこかで生じることが確認されている高温プラトー値に相当する)であり、EはGPa(MPaではない)で表されるガラスの弾性率であり(これによって(無次元)パラメータΨの値が一般に0と1の間の範囲となることができる)、T歪みは、℃で表されるガラスの歪み点温度(η=1014.7ポアズの粘度におけるガラスの温度)であり、T軟化は、℃で表されるガラスの軟化点(η=107.6ポアズの粘度におけるガラスの温度)である。
強化パラメータΨを決定するために、様々な性質を有するガラスについて、熱強化プロセスおよび結果として得られる表面圧縮応力のモデル化を行った。ガラスは、108.2ポアズの同じ出発粘度および様々な熱伝達係数においてモデル化した。様々なガラスの性質が、108.2ポアズにおける各ガラスの温度および各々の焼入れ性パラメータΨの計算値とともに、表IIに示されている。
表IIの結果は、Ψがガラスの熱的焼入れ性能に比例することを示している。この相関は、高熱伝達率(2093W/m2K(0.05cal/s・cm2・℃)の熱伝達係数)およびたった1mmのガラスシート厚に関する実施例を示す図11にさらに示されている。図から分かるように、7つの異なるガラスで生じた圧縮応力のばらつきは、提案される焼入れ性パラメータΨのばらつきと十分な相関がある。
熱的に焼入れされたカバーガラスシートの熱伝達係数、並びに表面圧縮応力および中央引張応力に対する関係
別の態様では、任意のガラスについて、熱伝達係数h(cal/cm2・s・℃で表される)の任意の所定の値で、表面圧縮応力(σCS、MPa)対厚さ(t、mm)の曲線は、(0から6mmのtの範囲に亘り)、双曲線にフィッティングさせることが可能なことが分かっており、ここで、P1およびP2は:
となるようなhの関数であるか、またはこれにΨを代入して表すと、圧縮応力σCS(ガラス、h、t)の曲線は:
で表され、式中、上記(6)または(7)のいずれかの定数P1、P2のそれぞれは:
および
で表される熱伝達値hの連続関数である。定数P1、P2は、それぞれ図12および13にhの関数としてグラフで示されている。したがって、所定のhの場合のP1の値と、先の式(6)または(7)で同じhの場合に対応するP2の値を用いることによって、厚さtの関数として、そのhで得ることができる表面圧縮応力(CS)に対応する曲線が規定される。
いくつかの実施の形態では、同様の式を使用して、単に同じ伝導下で予想される圧縮応力を2で割ることによって、特に6mm以下の厚さ、および800W/m2K以上などの熱伝達係数における熱強化カバーガラスシートの中央張力(CT)を予想することができる。したがって、予想中央張力は、
から求めることができる。式中、P1CTおよびP2CTは:
および
のように求められる。いくつかの実施の形態において、hおよびhCTは、熱強化の所定の物理的状況で同じ値を有することがある。しかしながら、いくつかの実施の形態において、それらは変動することがあり、別個の変数が得られ、それらの間でばらつきが生じると、CS/CTの典型的な2:1の比が維持されない場合の説明の性能曲線中に取り込むことができる。
本開示のプロセスおよびシステムの1つ以上の実施の形態によって、表IIIに示される熱伝達率値(hおよびhCT)の全てにおいて熱強化SLGシートが製造される。
いくつかの実施の形態において、熱伝達値比率(hおよびhCT)は、約0.024から約0.15cal/s・cm2・℃(約1004から約6280W/m2K)、約0.026から約0.10cal/s・cm2・℃(約1089から約4187W/m2K)、または約0.026から約0.075cal/s・cm2・℃(約1089から3140W/m2K)となることがある。
図14は、先の式6〜9によるhの選択された値に対するC(h,t)・Ψ(SLG)のグラフによる、厚さt(mm)の関数としてのガラスシートの表面圧縮のMPaで表された新しく開けられた性能空間を示しており、Ψ(SLG)は、表II中のSLGのΨ値に対応する。GCで示された線は、0.02cal/s・cm2・℃(または840W/m2K)から0.03cal/s・cm2・℃(または1250W/m2K)の気体対流焼入れによって実現可能なSLGシートの厚さに対する最大応力の推定範囲を示しており、これらの熱伝達係数のレベルは、108.2ポアズの加熱ガラス粘度、または対流気体プロセスの能力よりも高い温度の約704℃においてそのプロセスで使用できるものとしている。
気体対流焼入れプロセスに基づく最大の報告されたシートCS値の例が、凡例で気体対流と表示された△印によって示されている。値601は、市販の設備の公表された製品性能能力を示しており、一方で値602は、あるガラス加工会議における口頭による報告に基づいている。LCで示された線は、0.0625cal/s・cm2・℃(または約2600W/m2K)の熱伝達率hによって得られ、108.2ポアズの初期加熱ガラス粘度または約704℃における処理も仮定した、液体接触焼入れによって実現可能と判断されるSLGシートの厚さに対する最大応力の曲線を示す。液体接触焼入れプロセスに基づく最大の報告されたシートCS値の例は、凡例で液体接触と表示された○印によって示されている。厚さ2mmにおける2つの値のより大きい方は、ホウケイ酸カバーガラスシートの焼入れの報告に基づいており、達成された応力は、スケール変更で直接比較するために(ΨSLG)/(Ψホウケイ酸)によって図のスケールを変更している。
704で示された線は、0.20cal/s・cm2・℃(または約8370W/m2K)の熱伝達率および急冷直前の704℃の初期温度において本開示の方法およびシステムの1つ以上の実施の形態によって実現可能な応力を示している。このように実現可能なカバーガラスシート上の応力レベルは、液体焼入れが最新の気体対流焼入れに対して示しているものとほぼ同じ範囲の改善を液体焼入れ強度レベルに対して示している。704で示された線は上限ではないが、さらに高い温度において(カバーガラスのより低い粘度において)小さい間隙のガスベアリングの熱強化で実現可能な形状および平坦度の良好な制御のために、実施の形態では、これより高い値が実現可能であることが示されている。730で示された線は、カバーガラスの軟化点に非常に近いまたはそれより高い730℃のSLGシートの開始温度において、0.20cal/s・cm2・℃(または約8370W/m2K)の熱伝達率によって実現されるさらなる強化性能の一部を示している。特に、狭いガスベアリングにおけるシートの平坦度および形状の良好な取扱いおよび制御によって可能となる高い熱伝達率と高い初期温度の使用との組合せによって、圧縮応力、したがってカバーガラスシート強度の顕著な改善がこのように実現され、厚さ2mm以下における改善が特に顕著になる。
図15は、2mm以下であるが、本開示の1つ以上の実施の形態によって製造された焼入れされたカバーガラスシートの選択された例についてプロットされた厚さの関数としての圧縮応力で、先に説明した図14の線を示しており、本開示によって可能となった熱強化レベルおよび厚さの最良の組合せを示している。
表面粗さが低く、平坦度が高い、熱的に焼入れされたカバーガラスシート
様々な実施の形態において、シート500などの、ここに開示された熱強化カバーガラスシートは、高い熱応力と、低い形成時表面粗さとの両方を有する。ここに開示されたプロセスおよび方法は、形成時の表面の表面粗さを増加させずに、カバーガラスのシートを熱強化することができる。例えば、入ってくるフロートカバーガラスの空気側表面、および入ってくるフュージョン形成されたカバーガラスの表面を、処理の前後に原子間力顕微鏡法(AFM)によって特徴付けた。Ra表面粗さは、入ってくる1.1mmのソーダ石灰フロートカバーガラスについて1nm未満(0.6〜0.7nm)であり、そのRa表面粗さは、本発明のプロセスによる熱強化によって増加しなかった。同様に、フュージョン形成されたカバーガラスの1.1mmのシートについての、0.3nm未満(0.2〜0.3nm)のRa表面粗さは、本開示による熱強化によって維持された。したがって、熱強化されたカバーガラスシートは、少なくとも第一の主面上の表面粗さが、少なくとも10×10μmの面積に亘り、0.2から1.5nmのRa粗さ、0.2から2.0nmのRa粗さ、0.2から0.7nm、0.2から0.4nm、またさらには0.2から0.3nmの範囲内にある。表面粗さは、例示の実施の形態において、10×10μm、またはいくつかの実施の形態において、15×15μmの面積に亘り測定されることがある。
いくつかの考えられる実施の形態において、ここに開示された熱強化されたカバーガラスシートは、高い熱応力と、低い形成時表面粗さおよび/または被覆表面との両方を有する。ここに開示されたプロセスおよび方法は、カバーガラスシートの滑らかな形成されたままのまたは供給されたままの表面の表面粗さを増加させずに、また同様に、敏感な低Eコーティングまたは反射防止コーティングまたは他のコーティングに損傷を与えずに、カバーガラスのシートを熱強化することができる。入ってくるフロートカバーガラスの空気側表面、および入ってくるフュージョン形成されたカバーガラスの表面を、処理の前後に原子間力顕微鏡法(AFM)によって特徴付けた。Ra表面粗さは、入ってくる1.1mmのソーダ石灰フロートカバーガラスについて1nm未満(0.6から0.7nmなど)であり、本開示による熱強化によって増加しなかった。Ra表面粗さは、入ってくるフュージョン形成されたカバーガラスの1.1mmのシートについての、0.3nm未満(0.2から0.3nmなど)であり、同様に、本開示による熱強化によって増加しなかった。したがって、考えられる実施の形態において、本開示による熱強化されたカバーガラスシートは、少なくとも0.2nmおよび/または0.7nm以下、0.4nm以下、またさらには0.3nm以下などの1.5nm以下のRa粗さの範囲にある少なくとも第一の主面上の表面粗さを有する、もしくは強化前に施されることがある種類のコーティングをその上に有する熱強化シートを有する、もしくはこれらの低い粗さ値とコーティングの組合せを有し、出発材料として対応するカバーガラスシートに使用される本発明のプロセスから得られる。本出願人の理解によれば、表面品質および/または表面コーティングのそのような保存には、以前は、対流気体焼入れまたはことによると低い熱伝達液体焼入れプロセスの使用が必要であったが、これにより、本発明のプロセスおよび方法により利用できる全範囲に対して熱強化効果が制限されてしまう。
別の実施の形態において、ここに記載された熱強化されたカバーガラスシートは高い平坦度を有する。様々な実施の形態において、ここに述べられた強化システムでは、移送および加熱中にガラス材料を支持するために制御されたガスベアリングを利用し、いくつかの実施の形態において、カバーガラスシートの平坦度の制御および/または改善を促進し、それによって、特に薄いおよび/または高度に強化されたカバーガラスシートについて、以前に得られたよりも高い平坦度を得るために使用することができる。例えば、少なくとも0.6mmのシートは、改善された強化後平坦度を有するように強化することができる。本発明が実施された熱強化カバーガラスシートの平坦度は、その第一または第二の主面の一方に沿った任意の50mmの長さに沿って100μm以下の芯振れ精度(TIR)、第一または第二の主面の一方の上の50mmの長さ内で300μm以下のTIR、第一または第二の主面の一方の上の50mmの長さ内で200μm以下のTIR、100μm以下のTIR、または70μm以下のTIRを有し得る。例示の実施の形態において、平坦度は、ガラスシートの任意の50mm以下のプロファイルに沿って測定される。考えられる実施の形態において、ここに開示された厚さを有するシートは、100μm以下のTIRの平坦度、70μm以下のTIRの平坦度、50μm以下のTIRの平坦度などの、第一または第二の主面の一方の上の20mmの長さ内で200μm以下のTIRの平坦度を有する。
考えられる実施の形態によれば、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品(例えば、図4に示されたカバーガラスシート500)は、本体522の1cmの長手方向の広がりに沿ってその厚さtが、10μm以下、5μm以下、2μm以下などの50μm以下しか変化しないような高度の寸法一貫性を有する。そのような寸法一貫性は、寸法を歪めることがある冷却板の位置合わせおよび/または表面の凸凹などの実施上の配慮点のために、ここに開示されたような、所定の厚さ、面積、および/または負の引張応力の大きさについて、固体急冷では達成できないであろう。
考えられる実施の形態によれば、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品は、それに沿った1cmの長手方向のプロファイルが、直線の20μm以内、10μm以内、5μm以内、2μm以内などの50μm以内にある、および/またはそれに沿った1cmの幅方向のプロファイルが、直線の20μm以内、10μm以内、5μm以内、2μm以内などの50μm以内にあるように平坦な主面(例えば、図4の強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500の第一と第二の主面510、520)を少なくとも1つ有する。そのような高い平坦度は、液体の対流および関連する力が原因による、これらのプロセスにおいて強化されたカバーガラスの反りまたは曲がりなどの実施上の配慮点のために、ここに開示されたような、所定の厚さ、面積、および/または負の引張応力の大きさについて、液体急冷では達成できないであろう。
熱強化されたカバーガラスシートのCTE
別の態様は、熱強化された低熱膨張係数(CTE)のカバーガラスシートを含む。前述したように(例えば、式7および10参照)、熱強化の効果は、カバーガラスシートを構成するガラスのCTEに大きく依存する。しかしながら、低CTEガラスの熱強化によって、低アルカリ含有量のために、高い耐薬品性、または電子機器とのより良好な適合性などの有利な性質を有する強化ガラス組成物が得られることがある。65、60、55、50、45、40、およびさらには35×10-6℃-1以下のCTEを有するカバーガラスシートは、4mm未満、3.5mm未満、3mm未満、およびさらには2mm以下の厚さで安全ガラスのような破壊パターン(「ダイシング」)が可能となる。40×10-6℃-1以下のCTE値を有するカバーガラスは、ここに記載のプロセスを用いて強化することができる。ここに述べられたシステムおよび方法により強化されたそのような低CTEガラスは、同じ厚さにおいて従来の商業的(気体対流)プロセスで強化されたSLGシートと同様の表面圧縮を有することができる。いくつかの実施の形態において、低CTEガラスの圧縮応力は、1cm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下、1.5mm以下、1mm以下、0.75mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、または0.1mm以下の厚さを有するカバーガラスシートについて、少なくとも50MPa、少なくとも100MPa、少なくとも125MPa、少なくとも150MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも300MPa、または少なくとも400MPaであり得る。
本開示により形成されたカバーガラスシートには、消費家電製品における多数の用途があり、例えば、電子機器、携帯電話、携帯型メディアプレーヤー、テレビ、ノート型コンピュータ、腕時計、家電製品、タブレット型コンピュータのディスプレイ中、様々な消費家電製品中に使用されるガラス・中間層・ガラス積層体などの積層体中の用途がある。より強くより薄い積層体を製造することができ、その結果、質量と費用の節約、および燃料効率の増加をもたらす。熱強化された薄いシートは、冷間曲げ、および形成されたより厚いガラスへの積層が可能であり、薄いシートのどのような加熱成形も必要としない、容易で信頼性の高い製造プロセスが与えられることが望ましい。
熱的に焼入れされたカバーガラスシートのアルファ
下記の表IVには、本開示の方法により得られた結果(表に「方法の根源」Iと示されている)、および焼入れプロセス内で得られた熱交換係数の大雑把な尺度である性能指数のアルファが示されている。アルファは:
により与えられ、℃/mmの単位で表され、式中、CSは物理的な圧縮応力(MPa)であり、tはミリメートルの厚さであり、CTEは℃-1の熱交換係数であり、Eは(MPa)のガラスの弾性率である。
試料1および3は、開示されたプロセスから得られた再現できる値であり、そのプロセスにおける気体として、試料1では空気を使用し、試料3ではヘリウムを使用している。試料2は、本発明のプロセス内で空気を使用した「チャンピオンの」値を示す、すなわち、今まで確実に再現できていない。本開示のプロセスにより処理されたカバーガラス試料(試料1〜3)の全ては、117℃/mmでアルファを超えた。本出願人は、厚さによるアルファの勾配は、ガラス厚が小さくなると低下する固有の傾向があるであろうと考えている。こに開示されたガラスは、いくつかの実施の形態において、20t+77より大きいアルファを有し、式中、tはmmのカバーガラスの厚さである。
熱強化システムおよびプロセス
様々な実施の形態において、カバーガラスシートを強化するためのプロセスは、カバーガラスシート500などのカバーガラスシートの少なくとも一部を、そのシートが急冷されて、ここに述べられた性質の1つ以上を有する強化されたカバーガラスシートを作り出す冷却または急冷区域中に支持または案内する工程を有してなる。様々な実施の形態において、カバーガラスシートは、そのカバーガラスシートの表面と1つ以上のヒートシングとの間の間隙に供給される気体の流れまたは圧力によって少なくとも一部が支持されている。一般に、ガラスシートの温度は、シートが冷却区域中に入れられたときにそのガラスの転移温度よりも高く、様々な実施の形態において、そのカバーガラスシートは、対流よりも熱伝導により冷却区域内で冷却される。伝導は、隣接する分子間の相互作用によってエネルギーが伝えられる熱伝達過程であり、対流は、加熱された流体が熱源から離れていき、より低温の流体と置き換えられ場合などの、流体(例えば、空気、ヘリウムなど)の運動によってエネルギーが伝えられる熱伝達過程である。したがって、本発明のシステムは、ガラスシートの冷却中の熱伝達の主な形態が対流式である、従来の対流に基づくガラス強化/焼入れシステムとは著しく異なる。
いくつかの実施の形態において、カバーガラスシートを強化するための全体のプロセスは、高温区域中でカバーガラスシートを加熱する工程と、次にカバーガラスシートを冷却区域中で冷却する工程とを含む。カバーガラスシートは転移温度を有し、これは、カバーガラスの粘度がη=1012〜1013.3ポアズの値を有する温度である。カバーガラスは、カバーガラスシートを転移温度よりも高温にするのに十分に加熱され、次に冷却区域中に入れられる。必要に応じて、カバーガラスは、移行区域を介して高温区域から低温区域まで移行させることができる。冷却区域内では、カバーガラスシートの表面は、カバーガラスシートのどの側にも1つあるヒートシンクに隣接して位置しており、各々が、カバーガラスの表面の1つとそのヒートシンクの対向する表面との間に間隙を有する。ヒートシンク中の多数の開口を通じて間隙中に気体が供給され、いくつかの実施の形態において、その供給された気体は、カバーガラスの表面がヒートシンクと接触しないようにカバーガラスをそれらヒートシンクの間に支持する空気ベアリングを形成する。冷却区域内で、カバーガラスシートは、対流よりも伝導によって冷却され、熱的に誘起される表面圧縮および熱的に誘起される中央張力がそのシートに固定または形成されるのに十分冷却され、ここに述べられたように増加した強度が与えられる。様々な実施の形態において、主に伝導による冷却は、カバーガラスシートが、ヒートシンクの対向する表面と近いが、接触しないように冷却区域内で、非常に小さい間隙サイズを有することによって達成される。
記載されたプロセスを可能にする装置は、カバーガラスシートを転移温度よりも高温にを加熱するための加熱区域と、加熱したカバーガラスシートを冷却して強化されたカバーガラスシートを提供するための冷却区域とを備えることができる。この装置は、加熱区域と冷却区域との間に随意的な移行区域を備えることができる。この冷却区域は、その中に加熱されたカバーガラスシートが収容される間隙を画成する一対の対向面を有するヒートシンクを備えてもよい。その冷却区域は、間隙内にカバーガラスシートを支持するように働く間隙の対向面に配置される一対のガスベアリングを含むことができる。この間隙は、加熱されたカバーガラスシートを対流よりも伝導によって冷却するように構成することができる。いくつかの実施の形態において、そのガスベアリングは、間隙に気体を供給するための複数の開口を含むことができ、そのガスベアリングの表面は、加熱されたカバーガラスシートから対流よりも伝導によって熱を奪うことが可能なヒートシンクとして働く。
ここに開示された強化プロセスおよび設備(概して、図21〜25を参照のこと)により、熱的焼入れの本発明の形態によって、カバーガラスまたはガラスセラミック物品(概して、図4〜7および27〜30を参照のこと)を強化することができる。そのプロセスは、引張応力対厚さ/深さの曲線(概して図6参照)が急勾配となる、特に、カバーガラスまたはガラスセラミック物品の表面近くの勾配が急になり、これにより、イオン交換または異なるガラスの積層による強化を必要とせずに、カバーガラスまたはガラスセラミック物品を、それぞれの物品の表面近くの所定の厚さに関して特に高レベルの負の引張応力に強化することができる。しかしながら、いくつかの実施の形態において、ここに開示された熱的焼き入れプロセスは、イオン交換により増進させても、またはガラスとガラスの積層を行ってもよい。ここに開示された熱的焼き入れプロセスは、接触式急冷設備の位置合わせの限界、従来の対流システムの冷却速度の限界、および/または液体急冷焼入れに関連する反り損傷などのために、従来の熱的焼入れ方法による強化には大きすぎるであろう大面積物品(例えば、シート)において、特に高レベルの強化を可能にする。ここに開示されたプロセスは、強化プロセス中の薄いカバーガラスまたはガラスセラミック物品の破損または破砕に対する感受性および固体または液体急冷に関連する接触力のため、および/または従来の対流式焼入れの冷却速度の限界のためなどで、従来の焼入れ方法による強化には薄すぎるであろう特に薄いシートにおいて、高レベルの強化を特異的に機能にする。しかしながら、他の考えられる実施の形態において、ここに開示されたようなカバーガラスまたはガラスセラミック物品は、ここに開示された独特の強化プロセスとの組合せなどで、少なくともある程度の固体または液体急冷により、製造されることがある。
本開示による方法の一つの実施の形態が図16の流れ図に示されている。その方法またはプロセス100は、カバーガラスシートの転移温度より高い温度でそのガラスシートを提供する工程140を含む。方法またはプロセス100は、少なくとも部分的には気体によって(気体の流れおよび圧力によって)カバーガラスシートを支持する工程160も含む。工程160は、カバーガラスシートが気体により支持されながら、1)ヒートシンクへの気体による対流よりも伝導によって、および2)周囲温度において、熱的に誘起される表面圧縮応力および熱的に誘起される中央張力応力をシートに形成または固定するのに十分に、シートを冷却する工程を含む。
図17の流れ図において方法100’として示された図16の実施の形態の変形形態によれば、この方法は、カバーガラスシートがガラスの転移温度よりも高温になるようにガラスシートを十分に加熱する工程110を含むことができる。冷却工程160の一部として、またはその準備として、方法100’は、工程120において、各々が中に開口を有する第一と第二のヒートシンク表面(概して図21〜25を参照のこと)を有するヒートシンク(単体または別体のいずれかで)を提供する工程をさらに含む。工程130Aにおいて、この方法は、第一の間隙を渡り第一のヒートシンク表面に面するように第一のシート表面を配置する工程、および工程130Bにおいて、第二の間隙を渡り第二のヒートシンク表面に面するように第二のシート表面を配置する工程をさらに含む。そのヒートシンク表面は、開口を含むことができる、および/または多孔質であってよい。方法100’は、工程160において、それぞれのヒートシンク表面への気体による対流よりも伝導によって、カバーガラスを強化するのに十分に(例えば、熱的に誘起される表面圧縮応力および熱的に誘起される中央張力応力を板に形成または固定するのに十分に)シートを冷却する工程をさらに含むことができる。工程160は、開口または多孔質ヒートシンクを介して第一と第二の間隙に気体を供給する工程を含むこともでき、そのようないくつかの実施の形態において、その気体は、ヒートシンクに隣接してカバーガラスシートを支持する空気ベアリングを形成するように供給される。いくつかの実施の形態において、気体は、ヒートシンクの開口のみを介して、または多孔質ヒートシンクの細孔のみ、もしくは細孔と開口とを介して供給される。
本開示のこれらと他の関連する方法は、冷却の主要方式として、対流の代わりに伝導を用いることによって、気体対流冷却の現在主流の技術に逆らっている。固体と気体(ガラスから空気への)の熱交換の代わりに、ここに記載された方法は、熱強化を行う冷却の開始および完了の両方を行うために、少量の気体(例えば、ガラス表面とヒートシングの間の物理的接触なく)によって小さな間隙を渡り媒介される固体と固体(ガラスからヒートシンクへの)の熱交換を使用する。気体(例えば、空気ベアリングの気体)が小さな間隙中に流入するときに、ある程度対流が存在するが、気体を介して間隙を渡るヒートシンクへの直接の伝導が、主な冷却態様である。出願人は、伝導性熱伝達の優勢のために、対流が主な冷却プロセスに対して熱伝達率が増加すると判断した。
固体間の伝導(たとえ間隙を渡っても)によって、対流よりも速い熱流が可能となるので、より薄いカバーガラスシートに必要な冷却速度の増加が、気体の速度および体積に縛られることがない。様々な実施の形態によれば、対流システムにおける気体流および間隙サイズによって典型的に課せられる制約なく、気体流および間隙サイズは、間隙中の気体クッションの硬さを制御するため、シートを支持するため、板の平坦化または別の成形のため、熱伝導の最適化のため、熱強化中のシートの平坦度および/または形状を維持するため、および/または速い冷却速度でのシートの取扱いの容易さのバランスの取るためなどの他の目的のために、選択する、制御する、または最適化することができる。例えば、いくつかの実施の形態において、冷却は対流によらないので、ヘリウムは、ガスベアリングを支持する非常に小さいガス流量のために、本開示のシステムにおいて空気に代わる経済的に実施可能な代替物となり、そのような実施の形態において、ヘリウムは空気の約5倍の熱伝導率を与える。今日販売されている価格の数倍と仮定される価格のヘリウムでさえも、本開示のシステムの低流量での経済的に実施可能な代替物となる。
さらに、本開示のシステムにより冷却中のカバーガラスシートの上を流れる空気の体積が減少するので(対流システムと比べて)、ここに述べられたシステムおよび方法により、従来の対流に基づく焼入れシステムに必要な高速の多量の気流によって典型的に生じるカバーガラスの高温の薄いシートが変形する潜在的危険性が減少する。これによっても、歪がないかまたは最小限で、より柔らかくより高温のカバーガラスシートを扱うことができ、実現可能な強化の程度がさらに改善される。多い空気流量が不要となることで、急冷室中にシートを移動させる(速い気流に対して移動させる)際、およびシートの加熱に使用される炉の隣接部分に高速のより低温の空気が流入してそれを冷却するのを回避する際に見られることがある問題も軽減される。
さらに、気体を介する伝導の使用により、従来の液体接触または固体接触の急冷焼入れに関連する、接触損傷、反り、形削りなどが軽減されるであろう。中間伝導体として気体を使用すると、固体間の接触を回避することによって、処理される物品の表面品質が維持される。気体により高い伝導速度を媒介することによって、気体接触も回避される。いくつかの種類の液体急冷が、カバーガラス表面の望ましくない歪み、焼入れにおける空間的変動、および汚染を導入し得る。これらの実施の形態は、必然的に、非接触(気体による接触を除く)であるが、非常に高速の冷却を与える。他の実施の形態において、先に述べたように、固体または液体接触が含まれることがある。
熱的焼入れシステム/プロセスの消費電力
大きい空気流量を回避することの別の利点は、主なカバーガラス冷却機構として固体・気体・固体伝導を使用することで達成される電力およびエネルギーの節約にある。図18および19の点AおよびBは、比較的高流量での圧縮空気供給によって、カバーガラスシートの平方メートル当たりの空気ベアリングのピーク電力使用の上限の評価を示している。圧縮空気の実際の下限のピーク電力の使用は、示された値の1/16ほどの小ささとなり得る。点AおよびBは、ヒートシンクの能動冷却を含まないが、いくつかの実施の形態において、特に機械が連続、準連続、または高頻度運転である場合には能動冷却を含み得る。
再び図18および19を参照して、カバーガラスシートの温度の300℃の低下に相当する熱負荷が、点A’について2.1秒の時間制限内で、点B’について1秒の時間制限内で、熱と機械(または電気)との効率比が7.5対1となる能動冷却システムによって達成されると仮定すると、ヒートシンク表面の能動冷却が考慮される場合に、点AおよびBでの空気ベアリングの運転の控えめに推定したピーク電力レベルを点A’およびB’が示している(これらの点は、ここに記載された装置で実際に焼入れされるカバーガラスシートにほぼ対応する)。
図18および図19の領域R内の4つの点は、本開示の方法およびシステムによって得ることができる改善の重要性を(少なくともある程度)示しているが、電力需要が記載の量であるので、これらの図では十分な利点は著しく低評価されそうであることに留意されたい。例えば、曲線Nによって示されるように、送風機のピーク電力は、効率的にオンおよびオフが行われず、典型的に、空気が必要ではないときに、依然として(しかし、負荷は低い)回転する大型ファンを遮断するためのゲート付き通風路が必要となる。本開示によって容易に達成できる例として点A’およびB’に示される、冷却水プラントなどの流体冷却システムのピーク電力需要は、一般に、はるかにより効率的に受け入れることができ、完全連続運転に取り組む場合のみ、有効なピーク電力がはるかに小さくなり、A’およびB’に近づくであろう。それゆえ、全エネルギー需要の差は、図中に示されたピーク電力需要の差よりも大きくなる傾向にあるであろう。いくつかの実施の形態において、ここに記載されたプロセスは、2mm以下の厚さのカバーガラスシートの熱強化のために120kW/m2未満、100kW/m2未満、80kW/m2未満のピーク電力を有する。
熱的焼入れ中の薄いカバーガラスシートからの熱伝達
一般に、本開示のシステムおよびプロセスにおける薄いカバーガラスシートからの熱伝達は、伝導部材、対流部材および放射部材を含む。上述し、ここに詳しく説明するように、本開示の熱的焼入れシステムは、薄いカバーガラスシートを急冷するための主要機構として伝導性熱伝達を利用することによって、薄いカバーガラスの焼入れを行う。
以下は、基礎となる理論の本出願人の理解である。薄いカバーガラスシート(2ミリメートル以下など)の十分に速い冷却速度は、空気などの気体による伝導により実際に達成できるか否かを−そして、もしそうであれば、そのような速度が実際の間隙サイズで達成できるか否かを−尋ねることが、おそらく、ガラス焼入れ(伝導効果は通常、対流および放射のみの分析を支持して、普通は無視されるほど小さい)の当業者の心に浮かぶであろう。
ここに記載のシステムを用いるプロセスに具体化される条件での熱伝導量は以下のように決定することができる。最初に、本開示におけるように伝導による熱強化に関して、間隙内の気体の熱伝導率を、熱勾配に沿った伝導の方向で評価しなければならない。冷却されているシートの表面またはその付近での高温の空気は、ヒートシンクの表面またはその付近の室温またはそれに近い温度の空気((乾燥)室温空気(25℃)の公称熱伝導率は約0.026W/m・Kである)などの、より低温の空気よりもはるかに高い熱伝導率を有する。冷却開始時に、間隙全体に亘る空気が、向かい合う2つの表面の平均温度にあると仮定する近似が使用される。カバーガラスシートは、冷却の開始時に、例えば670℃の温度であってよく、一方、ヒートシンク表面は、例えば30℃で開始することができる。したがって、間隙中の空気の平均温度は350℃であろう。そのときの乾燥空気は約0.047W/m・Kの熱伝導率を有し、室温におけるその熱伝導率よりも75%を超えて高く、シートが、かなり高度の表面および厚さ一貫性に仕上げられていると仮定して、後述のように、本開示のシステム内のサイズの間隙を介して多量の熱エネルギーを伝導させるのに十分に高い。
説明のため、間隙が面積Ag(間隙距離gの方向に対して垂直となるあらゆる方向)を有する距離gの間隙を介した熱伝達率の伝導成分のQ伝導は:
で表されることがあり、式中、kは熱伝導の方向(またはその反対)で評価される間隙中の材料(気体)の熱伝導率であり、Tsはカバーガラス表面の温度であり、THSはヒートシンク表面(または他の実施の形態について、熱源表面)の温度である。前述したように、気体の熱伝導率は温度とともに変化するので、kを厳密に評価するためには、伝導熱流の方向に沿った(または逆らった)気体の熱伝導率の積分が必要となるであろう−しかし、良好な近似として、kは、2つの表面の温度TsおよびTHSの平均における間隙中の気体のkの値と解釈してもよい。
熱伝達係数の単位(平方メートル当たりK当たりの熱流出力の単位)で式(14)を再構成すると:
が得られ、このため間隙を渡る伝導の有効熱伝達係数は、間隙中の媒体(この場合は空気)の熱伝導率(W/mKの単位)を、間隙の長さ(メートル)で割ったものであり、1平方メートル当たり温度差1度当たりのワット数の値が得られる。表Vは、それぞれ10μm刻みで10μmから200μmまでの間隙サイズの、空気およびヘリウムが満たされた間隙に関する伝導単独による熱伝達係数(k/g)を示している。
図20(従来技術)は、特定の仮定の条件下でmmの厚さの関数としてのガラスシートを十分に焼入れするのに必要な熱伝達係数を示す、約35年前からの業界基準の曲線を示している(2mmにおいて基準線を加えている)。表Vを図20と比較すると分かるように、空気が満たされた約40μmの間隙によって、伝導による厚さ2mmのカバーガラスの完全な焼入れが可能となる。40マイクロメートルわずかに下回るのは、かなり小さい間隙であるが、コンベヤ用途の平面の多孔質空気ベアリングは、概して、20マイクロメートルほど小さい間隙で確実に運転されるであろう。それゆえ、ヒートシンク表面の細孔により供給される空気間隙に、37マイクロメートルが達成できる。ヘリウム(または同様の熱伝導率を有する水素)を気体として使用すると、約200μmの間隙を用いて厚さ2mmのカバーガラスを十分に焼入れすることができる。ヘリウムまたは水素を気体として使用すると、同じ熱伝達係数で約5倍大きい間隙サイズが可能となる。言い換えると、間隙中の気体としてヘリウムまたは水素を使用すると、同じ間隙サイズで急冷に使用される熱伝達係数が約5倍に増加する。よって、空気でさえ、間隔は非現実的ではなく、高い伝導率の気体により、2ミリメートルより小さいシート厚でさえ、間隙間隔は、比較的容易に達成される。
対流よりも伝導による気体を介した冷却に加えて、別の実施の形態は、対流よりも伝導による気体を介した加熱(または加熱および/または冷却)を含む。伝導および対流の相対的寄与に関して、加熱または冷却のいずれの場合でも、間隙(または複数の間隙)を渡る熱伝達率の対流のQconv成分は:
は気体の質量流量であり、Cpは気体の比熱容量であり、Tiは間隙中に流入する時の気体の入口温度であり、eは、間隙に流入する気体と、シート表面およびヒートシンク/熱源の表面(間隙の「壁」)との間の熱交換の効率である。eの値は、0(表面と気体の熱交換がゼロであることを示す)から1(気体が表面温度に十分到達することを示す)まで変動する。eの値は、例えばe−NTU方法を用いて熱伝達の当業者によって計算することができる。
しかしながら、典型的には、シートの表面とヒートシンク/熱源の表面との間の間隙が小さい場合、eの値は1に非常に近づき、これは、気体が、間隙を離れる前に平均で、両側の2つの表面の温度の平均にほぼ完全に等しくなるように加熱されることを意味する。e=1(対流の熱伝達率をわずかに過大評価している)であり、気体がヒートシンク/熱源の表面を通って間隙に供給されると仮定すると、間隙中の気体の初期温度がヒートシンク/熱源の表面の温度と同じである(Ti=THS)と仮定することができる。次に、対流による熱伝達率は:
と簡略化することができる。
ガラスおよび類似の材料の熱強化または熱処理に典型的に有用な温度では、処理されているシートからの放射熱伝達は比較的小さい。したがって、間隙(例えば、図21に示された間隙204a、204b)の領域内で主に伝導によってシート(例えば、図21に示されたシート200)を冷却(または、加熱が強すぎない場合、熱源からの放射量を仮定して、加熱)するためには:
しか必要ない。(18)を式(14)および(17)と組み合わせると、以下の条件:
が得られ、これが維持されると、対象の間隙の領域内にあるシートが、主に伝導によって冷却(または加熱)されることが実質的に確実になる。したがって、気体の質量流量
は、2kA
g/gC
p未満、すなわち間隙面積1平方メートル当たり2k/gC
p未満となるべきである。ある実施の形態において、
であり、式中、Bは対流冷却対伝導冷却の比である。ここに用いたように、Bは1未満かつ0超の正の定数であり、具体的には、2/3以下、またさらには4/5または9/10以下の値を有する。一般に、
は、カバーガラスシート(例えば、ヒートシンク表面(例えば、図21に示されたヒートシンク表面201b、202b)に対して、図21に示されたシート200)の位置または熱交換表面自体の位置を制御するために気体流をする必要性と一致して、できるだけ低く維持すべきである。この対流冷却対伝導冷却の比は、1未満から1×10
-8までの任意の値であってよい。いくつかの実施の形態において、Bは、0.9未満、0.8未満、0.7未満、0.6未満、0.5未満、0.4未満、0.1未満、5×10
-2未満、1×10
-2未満、5×10
-3未満、1×10
-3未満、5×10
-4未満、1×10
-4未満、5×10
-5未満、1×10
-5未満、5×10
-6未満、1×10
-6未満、5×10
-7未満、1×10
-7未満、5×10
-8未満、または1×10
-8未満である。ある実施形態では、
は最小となり、ヒートシンク表面に対してシートの位置を支持し制御するために気体流の使用の必要性と一致する。他の実施の形態において、
は、シートに対する熱交換表面自体の位置を制御するために選択すべきである。
様々な実施の形態において、本開示の伝導に基づく冷却システム内の気体の質量流量
は、従来の対流に基づく焼入れシステムと比べて実質的に低い。この実質的により低い気体流量により、この伝導システムを、ここに述べられたように、実質的に低下した電力使用で運転することができる。さらに、少なくともいくつかの実施の形態において、低下した気体流量は、従来の対流冷却システムと比べて、実質的により静かな冷却システムももたらす。そのような実施の形態において、ノイズが減少すると、聴覚損傷の可能性を低下させ、さらには運転者が聴覚保護器具を使用する必要性が低下するかまたはなくなることによって、運転者の安全性が増すであろう。
当然のことながら、カバーガラス材料のシートが、対向するヒートシンク表面の間で空気ベアリング上で支持される実施の形態において、カバーガラスシートの両面から両方のヒートシンク表面に伝導性熱伝達が起きる。それゆえ、そのような実施の形態において、カバーガラスシートは第一と第二のシート表面を有し、第一の間隙が第一のシート表面と第一のヒートシンク表面との間に位置するように第一のシート表面(例えば、カバーガラスシートの下面)を第一のヒートシンク表面(例えば、下側のヒートシンクの表面)に隣接して配置し、第二の間隙が第二のシート表面と第二のヒートシンク表面との間に位置するように第二のシート表面(例えば、カバーガラスシートの上面)を第二のヒートシンク表面(例えば、上側のヒートシンクの表面)に隣接して配置することにより、カバーガラスシートの冷却が行われる。そのような実施の形態において、第一のシート表面から第一のヒートシンク表面へと、第二のシート表面から第二のヒートシンク表面への熱伝導が起こることが可能になる。そのような実施の形態において、第一の間隙は、g
1の第一の間隙に亘る長さおよびA
g1の第一の間隙の面積を有し、第二の間隙は、g
2の第二の間隙に亘る長さおよびA
g2の第二の間隙の面積を有する。そのような実施の形態において、第一の間隙に第一の気体の第一の流れが供給され、第二の間隙に第二の気体の第二の流れが供給される。当然のことながら、先の議論と同様に、第一の気体は、熱容量C
p1および熱伝導率k
1を有し、第一の流れは質量流量
は、ゼロより大きく、(2k
1A
g1)/(g
1C
p1)未満である。さらに、第二の気体は、熱容量C
p2および熱伝導率k
2を有し、第二の流れは質量流量
は、ゼロより大きく、(2k2Ag2)/(g2Cp2)未満である。そのような実施の形態において、第一と第二の流れは、カバーガラスシートが、ヒートシンク表面と触れずに支持されるようにカバーガラスシートと接触する。このようにして、そのシートは、シートに表面圧縮応力および中央張力が生じるような様式で、対流よりも伝導により冷却される。
高伝導冷却区域を備えたカバーガラス強化システム
図21を参照すると、高伝導ガラス冷却/急冷ステーションと、対流よりも伝導によって冷却されているガラスシートの概略断面図が示されている。高温のガラスシート200は、その第一と第二の(主)表面200a、200bを有し、その各々が、それぞれの間隙204aおよび204bを渡りそれぞれの第一と第二のヒートシンク201a、202aのそれぞれの第一と第二の表面201b、202bに面している。気体230は、矢印で示されるように第一と第二の表面201b、202bを通して供給されて、間隙204a、204bに供給され、ヒートシンク201a、202aの間の中央または他の適切な位置にカバーガラスシートを維持するのを支援する。空気または別の気体は、矢印240で示されるように、ヒートシンク201a、202aのエッジを通過して離れることができる。ここでの議論にしたがって間隙204a、204bのサイズ、並びに気体230の気体および流量を選択することによって、カバーガラスシート200は対流よりも伝導によってより冷却される。特定の実施の形態において、カバーガラスシート200は、カバーガラスシート200などの加熱された物品から出る熱エネルギーの20%超、具体的に50%超、さらに具体的に80%超が、間隙204aおよび204bなどの間隙を渡り、ヒートシンク201aおよび202aにより受け取られるように、ヒートシンク201aおよび202aにより冷却される。
いくつかの実施の形態において、間隙204a、204bは、加熱されたカバーガラスシートが対流よりも伝導によって冷却されるような十分な厚さまたは間隙間距離を有するように構成される。当然のことながら、間隙204aおよび204bのサイズは、概して、カバーガラスの主面と、対向するヒートシンク表面との間の距離である。
いくつかの実施の形態において、間隙204aおよび204bは、約(例えば、プラスまたはマイナス1%)100μm以上(例えば、約100μmから約200μm、約100μmから約190μm、約100μmから約180μm、約100μmから約170μm、約100μmから約160μm、約100μmから約150μm、約110μmから約200μm、約120μmから約200μm、約130μmから約200μm、または約140μmから約200μmの範囲内)の厚さを有することがある。他の実施の形態において、間隙204aおよび204bは約(例えば、プラスまたはマイナス1%)100μm以下(例えば、約10μmから約100μm、約20μmから約100μm、約30μmから約100μm、約40μmから約100μm、約10μmから約90μm、約10μmから約80μm、約10μmから約70μm、約10μmから約60μm,または約10μmから約50μmの範囲内)の厚さを有することがある。
ヒートシンク201a、202aは、中実または多孔質の構成であってよい。適切な材料としては、以下に限られないが、アルミニウム、青銅、炭素または黒鉛、ステンレス鋼などが挙げられる。ヒートシンクの寸法は、カバーガラスシートのサイズに対処するのに十分であり、ヒートシンク温度を大きく変化させずに効率的および効果的に熱を伝達するように設計することができる。ヒートシンク201aおよび/または202aが多孔質である場合、これらは気体が流れるための追加の開口または孔をさらに含むことができ、または流動性を与えるために多孔質構造を使用することができる、もしくはその両方であってよい。いくつかの実施の形態において、ヒートシンクは、ヒートシンクの温度制御用に流体を流すことができる通路をさらに含み、図23〜25および以下により詳細に記載されている。
従来技術の高気体流量をなくすことで、間隙中に気体を供給するためのヒートシンク面の、図21に示されるような、非常に小さい開口または細孔206の使用が可能となるであろう。いくつかの実施の形態において、開口は、最小方向(例えば、円形開口の場合の直径)で測定した場合に、2mm未満、1.5mm未満、1mm未満、0.5mm未満、0.25mm未満、もしくは200μm以下、150μm以下、100μm以下、50μm以下、30μm以下、20μm以下、または10μmであってよい。いくつかの実施の形態において、開口は約(例えば、プラスまたはマイナス1%)10μmから約1mm、約20μmから約1mm、または約50μmから約1mmである。
隣接する開口206の間の間隔は、開口のエッジ間で測定して、約(例えば、プラスまたはマイナス1%)10μmから約3mm、約20μmから約2mm、または約50μmから約1mmであり得る。小さな開口または細孔は、個別の流量制限器として機能して、高性能ガスベアリング型の動力学、例えば、シートを位置付け、間隙サイズを制御するための高レベルの剛性およびシートの支持の一貫性を得ることができ、それによって、応力複屈折を回避または軽減するための熱強化効果の高い均一性を得ることができ。さらに、非常に小さい細孔または開口を使用できるので、間隙を渡ってシート表面に面するヒートシンク表面における固体物質の相対量を最大化することができ、それによって伝導熱流を増加させることができる。
様々な実施の形態によれば、間隙204a、204bに気体を供給するための唯一の通路としてそのような開口206を使用すると、望ましくはヒートシンク表面201b、202bに対して垂直に近い方向にある開口206を使用すると、空気ベアリングタイプの動力学が、最適化され、より大きい開口から、またはシート200に隣接するヒートシンク表面201b、202bを通る以外の供給源からの気体流により、もしくは他の過剰な側方流動により、損なわれないことが確実になる。他の実施の形態において、気体は、開口206または細孔などに加えて、他の供給源を通じて間隙204a、204bに供給されることがある。したがって、本開示の態様により、従来の対流焼入れプロセスなどに対して、低気体流および固体・気体・固体の伝導の使用により、電力およびエネルギーを節約することができる。
図22〜25は、本開示によるカバーガラス強化システム300の例示の実施の形態を示している。図22は、伝導ヒートシンク中への気流によってカバーガラスシートからの熱の伝導によりカバーガラスシートを冷却できるシステム300の概略断面図を示している。この装置は、高温区域310と、低温区域330と、移送ガスベアリング320とを備える。この移送ガスベアリング320は、カバーガラスとそのベアリングとの間が非接触または実質的に非接触であるようにカバーガラス物品(例えば、カバーガラスシート400a)を高温区域310から低温区域330まで移動させるまたは向かわせる。高温区域310は、高温空気プレナム318からそれぞれ供給されるガスベアリング312を有し、そのベアリング312は、ベアリング312を通る孔に挿入されたカートリッジヒーター314を有し、これは、高温区域のガスベアリング312を所望の開始プロセス温度に加熱する機能を果たす。カバーガラスシート(高温区域)400aは、所望の予冷温度(例えば、転移温度より高い温度)にするのに十分に長い期間に亘り高温区域のガスベアリング312の間に維持される。
いくつかの実施の形態において、高温区域中のシートの加熱は、主に薄い気体障壁を介したヒートシンクからの熱の伝導によって行われることがある。高温区域に使用される伝導加熱プロセスは、ここに記載された冷却プロセスと似ているが逆となり得る(例えば、カバーガラスシート中に熱を加える)。
いくつかの実施の形態において、高温区域ガスベアリング312とカバーガラスシート400aとの間の間隙316は、比較的大きく、約0.05インチ(1.27mm)から約0.125インチ(3.175mm)以上であってよく、それは、カバーガラスシート400aは比較的ゆっくり加熱することができ、高温ガスベアリング312からカバーガラスシート400a中への熱放射はこの目的に適しているからである。他の実施の形態において、高温区域の間隙サイズは、側面当たり150マイクロメートル、または側面当たり500マイクロメートルほど小さいことがある。いくつかの実施の形態において、より小さい間隙が有利となることがあり、その理由は、それによってベアリングが、より良好な「剛性」、すなわちカバーガラスを中央に配置し、したがってカバーガラスが軟化状態にある間にカバーガラスを平らにする能力を有することができるからである。いくつかの実施の形態において、このプロセスは、例えば、ガスベアリング312により供給される圧力によって、初期加熱工程でカバーガラスシートを再成形(カバーガラスシートを平坦化)することがある。いくつかの実施の形態において、上部および底部の高温区域ガスベアリングは、アクチュエータ上に存在することができ、それによって間隙の幅を連続的に変化させることができ、あるいは、間隙が大きいときにカバーガラスを高温区域中に運び、次に間隙を縮めて、依然として柔らかい状態にあるときにカバーガラスを平坦化することができる。
プロセス温度は、カバーガラスの組成、カバーガラスの厚さ、カバーガラスの性質(CTEなど)、および所望の強化レベルを含む多数の要因に依存する。一般に、開始プロセス温度は、カバーガラス転移温度とリトルトン軟化点との間のどの値であってもよく、またはいくつかの実施の形態において、さらに高くてもよい。SLGの場合、例えば、システム300はカバーガラスシート400aを約(例えば、プラスまたはマイナス1%)640から約730℃の間または約690から約730℃の間に加熱する。いくつかの実施の形態において、システム300はガラスシート400aを約(例えば、プラスまたはマイナス1%)620から約800℃、約640から約770℃、約660から約750℃、約680から約750℃、約690から約740℃、または約690から約730℃の温度に加熱する。
カバーガラスシート400aは、その所望の開始プロセス温度(例えば、カバーガラス転移温度より高い温度)に加熱され、次にあらゆる適切な手段を用いて高温区域310から低温区域330まで移動させられる。いくつかの実施の形態において、カバーガラスシート400aの高温区域310から低温区域330への移動は、例えば(1)カバーガラスシートに作用する重力によってカバーガラスシートが低温区域に移動するようにアセンブリ全体を傾斜させること、(2)高温区域310の一番左の出口からの気体流を遮断し(この実施の形態では側面が封鎖される)、それによってガスベアリングの全て放出される気体の全てが低温区域の一番右の出口から押し出され、カバーガラスシート400a上に流体力を作用させ、それを低温区域330まで移動させること、または(3)(1)および(2)の組合せによって行うことができる。
移送ガスベアリングプレナム328によって移送ガスベアリング320に気体を供給することができる。移送ガスベアリング320の表面の後ろの固体材料の厚さは、薄く、低熱質量および/または低熱伝導率のものであることがあり、高温区域310から低温区域330への熱伝導を減少させることができる。移送ガスベアリング320は、2つの区域310および330の間の断熱層または熱移動層として機能することができ、高温区域のより大きい間隙316から低温区域330の小さい間隙336への移行部分として機能することができる。さらに、移送ガスベアリング320の低熱質量および/または低熱伝導率により、熱伝達の量、したがって、移送ガスベアリング320を通過する間にカバーガラスシート400aが経験する冷却が制限される。
カバーガラスシート(低温区域)400bが低温区域330中および通路330a中に一旦移動したら、停止ゲート341として示されている機械的停止手段または他の適切な遮断機構によって右側出口から出ないように停止される。消費家電用ガラスまたはカバーガラスシート400bが、その中央がガラス転移を通過するのに十分に(例えば、厚さ1mmのSLGの場合、この例では表面において約325℃に相当する、約490℃未満に)冷却されたら、停止ゲート341を移動させ、低温区域通路330aの障害物を取り除き、次に、カバーガラスシート400bをシステム300から取り出すことができる。所望であれば、カバーガラスシート400bは、取り出す前に室温付近のある温度まで、低温区域330内に残してもよい。
上述したように、高温区域310内で、カバーガラスシート400は、そのカバーガラスシートのカバーガラス転移温度より高い温度に加熱される。図22に示された実施の形態において、低温区域330は、開口330bを通じて加熱されたカバーガラスシート400bを受け取り、カバーガラスシート400bを移送し、カバーガラスシート400bを低温区域で冷却するための通路330aを含む。1つ以上の実施の形態において、通路330aは、ガスベアリング、ローラホイール、コンベヤベルト、またはカバーガラスシートを低温区域に物理的に移送するための他の手段を含むことができる搬送システムを含む。図22に示されるように、低温区域330は、高温区域プレナム318および移送プレナム328とは別の供給プレナム338であるガスベアリング332を含む。
図22に示されるように、低温区域330は、通路330aに隣接して配置された1つ以上のヒートシンク331を含む。2つのヒートシンクが使用される場合、そのようなヒートシンクは、通路間隙330aを渡り互いに向かい合う、通路330aの互いに反対側に配置することができる。いくつかの実施の形態において、そのヒートシンクは、ガスベアリング332の一部を形成する複数の開口331aを含み、低温区域330の低温ガスベアリング332の表面は2つのヒートシンク表面として機能する。通路330a内の低気体流量および通路間隙330aの小さいサイズのために、カバーガラスシート400bは、カバーガラスシート400bがヒートシンク表面に触れずに、主に、間隙を渡り固体ヒートシンク331中へのカバーガラスシートからの熱の伝導によって、低温区域330内で冷却される。
いくつかの実施の形態において、前記ヒートシンクおよび/またはその表面はセグメント化されてよい。上述したように、いくつかの実施の形態において、そのヒートシンクは多孔質であってよく、そのような実施の形態において、ガスベアリング332の気体が供給されるのに通る開口は、その多孔質ヒートシンクの細孔である。複数の開口332b、気体源、および通路間隙330aは、流体連通することができる。いくつかの実施の形態において、気体が開口331aを通って、通路間隙330a中に気体クッション、総またはベアリングを形成する。いくつかの実施の形態の気体クッションは、カバーガラスシート400bがヒートシンク331の表面に接触するのを防ぐ。その気体は、対流よりも伝導によってカバーガラスシート400bを冷却する気体としても機能する。
冷却が、間隙を渡って実質的に固体間の熱伝導により起こるので、対流が優位な冷却では存在しない問題に対処する必要があるであろう。例えば、大きく薄いシートの焼入れについて、シートは、(1)必要に応じて、対流に基づく急冷に典型的に使用される速度よりも高速で、低温区域中に迅速に導入することができる、および/または(2)間にわずかな間隔しかない連続流で次々に多数のシートの加熱および冷却を行い、大きいシートの前縁および後縁が同様の熱履歴を有するような熱平衡に到達するようにヒートシンクが能動冷却される、準連続方式でプロセスを操作することができる。
いくつかの実施の形態において、開口331aを通って流れる気体がヒートシンクを冷却する。いくつかの実施の形態において、その開口を通って流れる気体が、間隙を渡る、ヒートシンク中へのカバーガラスからの熱伝導を促進させ、かつヒートシンク331を冷却もする。ある場合には、ヒートシンク331の冷却には、別の気体または流体を使用してもよい。例えば、ヒートシンク331は、図23に関してより十分に記載されているよにう、ヒートシンク331を冷却するための冷却流体が流される通路334を含むことができる。通路334は封鎖することができる。
2つのヒートシンクが使用される場合(すなわち、第一のヒートシンクおよび第二のヒートシンク)、通路間隙330aに気体を供給するために1つ以上の気体源を使用することができる。これらの気体源は、互いに同じ気体または異なる気体を含むことができる。したがって、通路間隙330aは、一種類の気体、異なる気体源からの気体の混合物、または同じ気体源を含むことができる。例示の気体としては、空気、窒素、二酸化炭素、ヘリウムまたは他の希ガス、水素、およびそれらの様々な組合せが挙げられる。その気体は、カバーガラスシート400bの伝導冷却を開始する直前に通路330aに入るときの熱伝導率によって記載されることがある。ある場合には、気体は、約(例えば、プラスまたはマイナス1%)0.02W/(m・K)以上、約0.025W/(m・K)以上、約0.03W/(m・K)以上、約0.035W/(m・K)以上、約0.04W/(m・K)以上約0.045W/(m・K)以上、約0.05W/(m・K)以上、約0.06W/(m・K)以上、約0.07W/(m・K)以上、約0.08W/(m・K)以上、約0.09W/(m・K)以上、約0.1W/(m・K)以上、約0.15W/(m・K)以上、または約0.2W/(m・K)以上)の熱伝導率を有することがある。
ここに記載された本発明のプロセスおよびシステムでは、高い熱伝達率が可能となり、これにより、先に述べたように、非常に薄いカバーガラスシート内でさえも、強化する程度の温度差を生じることができる。カバーガラスシートとヒートシンクとの間にある間隙に、気体として空気を使用すると、350、450、550、650、750、1000、および1200kW/m2またはそれを超える高さの熱伝達率が、伝導のみで可能となる。ヘリウムまたは水素を使用すると、5000kW/m2以上の熱伝達率を達成できる。
1つ以上の実施の形態のヒートシンク331は、固定されても、通路間隙330aの厚さを変更するために可動であってもよい。カバーガラスシート400bの厚さは、ヒートシンク331の対向する表面間の距離として定義される通路間隙300aの厚さの約0.4倍から約0.6倍の範囲内にあることがある(例えば、図22の配置におけるヒートシンク331の上面と下面)。ある場合には、通路間隙は、加熱されたカバーガラスシートが対流よりも伝導によって冷却されるのに十分な厚さを有するように構成される。
いくつかの実施の形態において、カバーガラスシート400bが通路330aを通して運ばれているか、またはその中に位置しているときに、カバーガラスシート400bの主面とヒートシンク表面との間の距離(例えば、先に述べた間隙サイズ)が、約(例えば、プラスまたはマイナス1%)100μm以上(例えば、約100μmから約200μm、約100μmから約190μm、約100μmから約180μm、約100μmから約170μm、約100μmから約160μm、約100μmから約150μm、約110μmから約200μm、約120μmから約200μm、約130μmから約200μm、または約140μmから約200μmの範囲内)となるような厚さを通路間隙が有することがある。いくつかの実施の形態において、カバーガラスシート400bが通路を通して運ばれるているときに、カバーガラスシートとヒートシンク表面との間の距離(1つ以上の間隙336)が、約(例えば、プラスまたはマイナス1%)100μm以下(例えば、約10μmから約100μm、約20μmから約100μm、約30μmから約100μm、約40μmから約100μm、約10μmから約90μm、約10μmから約80μm、約10μmから約70μm、約10μmから約60μm,または約10μmから約50μmの厚さ)となるような厚さを通路間隙が有することがある。通路間隙330aの全厚は、カバーガラスシート400bの厚さに依存するが、ヒートシンク表面とカバーガラスシートとの間の距離の2倍に、カバーガラスシートの厚さを加えたものとして一般に特徴付けることができる。いくつかの実施の形態において、カバーガラスシートとヒートシンクとの間の距離または間隙336は等しくなくてもよい。そのような実施の形態において、通路間隙330aの全厚は、カバーガラスシートと各ヒートシンク表面との間の距離に、カバーガラスシートの厚さを加えた合計として特徴付けることができる。
ある場合には、通路間隙の全厚は、約(例えば、プラスまたはマイナス1%)2500μm未満(例えば、約120μmから約2500μm、約150μmから約2500μm、約200μmから約2500μm、約300μmから約2500μm、約400μmから約2500μm、約500μmから約2500μm、約600μmから約2500μm、約700μmから約2500μm、約800μmから約2500μm、約900μmから約2500μm、約1000μmから約2500μm、約120μmから約2250μm、約120μmから約2000μm、約120μmから約1800μm、約120μmから約1600μm、約120μmから約1500μm、約120μmから約1400μm、約120μmから約1300μm、約120μmから約1200μm、または約120μmから約1000μmの範囲内)にあることがある。ある場合には、通路間隙の全厚は、約2500μm以上(例えば、約2500μmから約10,000μm、約2500μmから約9,000μm、約2500μmから約8,000μm、約2500μmから約7,000μm、約2500μmから約6,000μm、約2500μmから約5,000μm、約2500μmから約4,000μm、約2750μmから約10,000μm、約3000μmから約10,000μm、約3500μmから約10,000μm、約4000μmから約10,000μm、約4500μmから約10,000μm、または約5000μmから約10,000μmの範囲内)にあることがある。
ヒートシンク331中の開口331aは、ヒートシンク表面に対して垂直に配置することができ、またはヒートシンク表面に対して垂直から20度以下(例えば、約(例えば、プラスまたはマイナス1%)15度以下、約10度以下または約5度以下)の角度で配置することができる。
いくつかの実施の形態おいて、ヒートシンク(低温ベアリング332)表面の後ろの材料は、金属(例えば、ステンレス鋼、銅、アルミニウム)、セラミック、炭素を含む高熱伝達率を有するどの適切な材料であっても差し支えない。この材料は、ヒートシングが比較的多量の熱エネルギーを容易に受け入れることができるように、図22に示されるような移送ベアリング320の表面の後ろの材料よりも比較的厚くすることができる。例示の実施の形態において、ヒートシンク331の材料はステンレス鋼である。
図23は、図22のものと類似の装置の切り欠き斜視断面図であるが、右から左に逆向きになっており、カバーガラスシート400cが上に配置される搭載/取出しガスベアリング342を含む搭載/取出し区域340が装置300の低温区域330の隣にさらに含まれている。また、図23の装置は、高温区域310、移送ベアリング320、および低温区域330に狭い通路間隙(図には示していない)を使用している。
図23中の挿入図は、低温区域ガスベアリング332aの代わりの実施の形態を示しており、このガスベアリング332aは、ガスベアリング供給孔333の間の冷却剤通路334によって能動冷却され、その供給孔は、ベアリング332aの表面にある開口に供給する。冷却剤通路334は、互いに組み合わされてヒートシンク331を形成するヒートシンクセグメント333bと、カバーガラスシート400bに面する表面との間で画定される。
冷却剤通路334は、ガスベアリング332の固体材料中のヒートシンク331の表面の非常に近くに配置することができ、ヒートシンク/ガスベアリング表面と冷却剤通路334の最も表面に近いエッジとの間の固体ベアリング材料の領域は、冷却剤通路334の最も表面に近いエッジと同じ幅を有する。したがって、いくつかの実施の形態において、冷却剤通路334と、カバーガラスシート400bに面する表面との間のヒートシンク331/ガスベアリング332aの固体材料中に縮小断面領域が存在しない。これは典型的な対流気体冷却設備とは異なり、その理由は、高気体流量では、気体の流れを逃すために気体ノズルのアレイの中央に大きな空間を設けることが要求されるからである。能動冷却が使用される場合、ヒートシンク331/ガスベアリング332aは、カバーガラスの表面に最も近い固体材料に対して、気体ノズル設計の固体材料中に縮小断面領域を有する。シートから戻る加熱された多量の気体の高容量の通路を形成するために、この縮小断面領域は、一般に、能動冷却流体と処理中のカバーガラスシートとの間に配置される。
図24は、図23の挿入図と同様の低温区域ガスベアリング332のさらに別の実施の形態を示している。この実施の形態において、冷却剤通路334は、ガスベアリング供給孔333を含むガスベアリング供給部材335と、ガスベアリング332の表面に面するようにカバーガラスシート400bを供給するガスベアリング面部材337aとの間に形成されている。図25は、図24の実施の形態と類似の構造を有するが、ベアリング板部材337bとカバーガラスシート400bとの間に多孔質部材339を有し、よって多孔質部材339がカバーガラスシート400bに面する表面を形成する、さらに別の代わりの低温区域ガスベアリング332cを示している。
様々な実施の形態において、図16〜26に関してここに記載されたカバーガラス強化プロセスおよびシステムは、ここに述べられたカバーガラス物品の実施の形態のいずれの特性、特徴、寸法、物理的性質などの任意の組合せを有するカバーガラスまたはガラスセラミック物品(カバーガラスシート500など)も形成するために使用できるまたは作動できることを理解すべきである。
ここに記載された熱強化プロセスが行われたカバーガラスシートは、イオン交換を行うことでさらに処理して、それらの強度をさらに向上させることができる。ここに記載されたように熱強化したカバーガラスの表面をイオン交換すると、そのようないくつかの考えられる実施の形態において、前述の圧縮応力を少なくとも20MPa、例えば少なくとも50MPa、例えば少なくとも70MPa、例えば少なくとも80MPa、例えば少なくとも100MPa、例えば少なくとも150MPa、例えば少なくとも200MPa、例えば少なくとも300MPa、例えば少なくとも400MPa、例えば少なくとも500MPa、例えば少なくとも600MPa、および/または1GPa以下だけ増加させることができる。
カバーガラスシートを熱的状態調節および/または加熱するためのシステムおよびプロセス
ここに記載されたプロセスおよびシステムは、薄いカバーガラスシートを熱強化することに加え、同様に、さらなる熱的状態調節プロセスのために使用できる。冷却が具体的にここに述べられているが、そのシステムおよびプロセスは、伝導方法によってカバーガラスシートに熱を伝達させるために使用できる。したがって、本開示のプロセスの追加の実施の形態は、対流よりも伝導による気体を通じる加熱を含む。そのようなプロセスまたは方法700が、図26の流れ図に示されている。
方法700は2つの主要な工程を含む。第一工程の工程710は、少なくとも1つの表面を有する、カバーガラスシートなどの物品を提供する工程を含む。第二工程の工程720は、その物品の表面の一部から、その物品の全表面までの加熱または冷却を行う工程を含む。工程720は、副工程720aに示されるように、熱源またはヒートシンク源を出入りする気体により、対流よりも伝導によって行われ、副工程720bにおいて物品または物品の表面の一部の熱的状態調節を完了するのに十分に行われ、工程720の冷却/加熱の伝導は、副工程720bにおいて上記一部の面積で少なくとも450kW/m2の高熱伝達率で行われる。
例えば、物品は、対流よりも伝導によって、物品の表面の一部から物品の全表面まで(上記一部は面積を有する)を冷却または加熱することによって、熱的に状態調節することができる、すなわち加熱または冷却のいずれかを行うことができ、その伝導は、ヒートシンクまたは熱源に出入りする気体が媒介し、固体間の接触によらず、物品または物品の表面の一部の熱的状態調節の完了に十分であり、その伝導は、少なくとも450、550、650、750、800、900、1000、1100、1200、1500、2000、3000、4000、またさらには5000kW/平方メートル以上の率で加熱または冷却の少なくともある時間の間行われる。
焼入れに加えて、ここに述べられたシステムおよび方法により提供される高い熱出力伝達率によって、焼入れ、カバーガラスのエッジ強化、セラミック、ガラス、または他の材料の焼成または焼結などの間の加熱および冷却を含むあらゆる種類の熱処理または状態調節が可能となる。さらに、主に伝導によって熱が取り出されるかまたは供給されるので、処理される物品の熱履歴および熱分布を厳密に制御しながら、表面の平滑性および品質が維持される。したがって、本開示のさらに別の態様において、主に伝導によって熱が取り出されるかまたは供給され、それでも、表面の平滑性および品質が維持されるので、処理される物品の熱履歴および熱分布の厳密な制御が与えられる。したがって、本開示のシステムおよび方法を用いて、間隙の変更、ヒートシンク/熱源材料の変更、ヒートシンク/熱源温度の変更、気体混合物の変更(これらの全ては、シートが動かされるときのシートの通路に沿った、またはシートの通路に渡る、位置により、もしくは位置のみではなく、潜在的に時間によっても変えることができる(変数のほとんどについて))によって、厚さ方向およびシートの面がある方向の両方で、強化プロセスで得られる応力プロファイルを意図的に変化させることが可能である。
強化されたカバーガラスシートを含むデバイス、製品および構造
ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品およびシートには、幅広い物品、デバイス、製品、構造などに幅広い用途がある。ここでのカバーガラスまたはガラスセラミックの議論は、消費家電用ガラスとも称される。本開示によるカバーガラスまたはガラスセラミックは、電子機器、携帯電話、携帯型メディアプレーヤー、テレビ、ノート型コンピュータ、腕時計、ウェアラブル機器(例えば、Fitbit)、カメラのレンズ、カメラのディスプレイ、家電製品、タブレット型コンピュータのディスプレイ、およびここに記載された性質および寸法による表面を必要とするであろう任意の他の電子機器のどの表面に使用することもできる。
図27を参照すると、ビル、家、車両などの構造物1010は、窓、壁の一部(例えば、表面)、仕切板などの形態にあるガラスまたはガラスセラミック物品1012を備える。考えられる実施の形態において、ガラスまたはセラミック物品1012は、ここに開示されたように、ガラスまたはセラミック物品1012が、その内部の正の引張応力と釣り合わされている、その表面またはその近くで負の引張応力を有するように強化することができる。さらに、ガラスまたはガラスセラミック物品1012は、少なくとも75質量%などの少なくとも70質量%の二酸化ケイ素のような比較的高い含有量で二酸化ケイ素を有することによって屋外環境に存在するであろう、化学物質および/または腐食に抵抗する組成を有することができる。
例示の実施の形態によれば、ガラスまたはガラスセラミック物品1012は、その厚さに対して垂直な主面を有し(概して、図4に示されるようなシート500を参照のこと)、その主面は、他の用途(例えば、レンズ、電池部材など)に使用されるガラスまたはガラスセラミック物品と比べて大きい面積(例えば、少なくとも5cm2、少なくとも9cm2、少なくとも15cm2、少なくとも50cm2、少なくとも250cm2)を有する。考えられる実施の形態において、ガラスまたはガラスセラミック物品1012を通る全光透過率は、そのガラスまたはガラスセラミック物品1012が、5cm未満、3cm未満、2cm未満、1.75cm未満、1.5cm未満、1cm未満、5mm未満、3mm未満、2mm未満、1.75mm未満、1.5mm未満、1mm未満、0.8mm未満、0.6mm未満、0.5mm未満、0.4mm未満、0.2mm未満、および/または少なくとも50マイクロメートルなどの少なくとも10マイクロメートルの厚さなどの、ここに開示されたような厚さを有するときに、約300nmから約800nmの波長で少なくとも50%(例えば、少なくとも65%、少なくとも75%)である。
ガラスまたはガラスセラミック物品1012の薄い厚さは、ここに開示された本発明のプロセスにより与えられるガラスまたはガラスセラミック物品1012の高レベルの強度のために、従来の物品と比べて、建築、自動車、または他の用途におけるガラスまたはガラスセラミック物品1012の機能に悪影響を与えないであろう。薄いガラスまたはガラスセラミック物品1012は、そのような建築、自動車、家庭用電化製品、または他の用途において特に有用であろう。何故ならば、ガラスまたはガラスセラミック物品1012は、従来のそのような物品より軽く、対応する構造全体の質量を減少させるであろうからである。自動車について、燃料効率がより高まる結果となるであろう。建物について、構造がより頑丈になる、またはそれほど資源集約的ではなくなる結果となるであろう。家庭用電化製品について、耐衝撃性および/または繰り返し発生する落下や衝撃に対する抵抗が大きい、より軽量の機器となるであろう。他の考えられる実施の形態において、ここに開示されたガラスまたはガラスセラミック物品は、大きさがより小さく、厚さがより大きく、それほど光を透過させない区域を有してもよい、および/または例えば、図27〜30に関して開示されたものなどの様々な用途に使用できる。
図28を参照すると、表面1110は、カウンターおよび/またはディスプレイの一部として機能する、ここに開示されたように製造された、および/またはここに述べられた応力プロファイル、構造および/または物理的性質の任意の組合せを有する、ガラスまたはガラスセラミック物品1112を備える。いくつかの実施の形態において、カバーガラスまたはガラスセラミック物品1112を透過する全透過率は、約800nmから約1500nmの赤外線波長で少なくとも約30%(例えば、少なくとも50%)であり、流し台上面としての表面1110の使用が促進される。いくつかの実施の形態において、カバーガラスまたはガラスセラミック物品1112の熱膨張係数(CTE)は、約10×10-7/℃から約140×10-7/℃、約20×10-7/℃から約120×10-7/℃、約30×10-7/℃から約100×10-7/℃、約40×10-7/℃から約100×10-7/℃、約50×10-7/℃から約100×10-7/℃、または約60×10-7/℃から約120×10-7/℃である。様々な実施の形態において、前記プロセスは、CTEが中程度から高いガラス組成物に理想的に適している。ここに記載されたプロセスにうまく機能するカバーガラスの例に、Corning(登録商標)Gorilla(登録商標)Glassなどのアルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、およびソーダ石灰ガラスがある。いくつかの実施の形態において、使用されるカバーガラスのCTEは、40×10-7/℃超、50×10-7/℃超、60×10-7/℃超、70×10-7/℃超、80×10-7/℃超、または90×10-7/℃超である。そのようないくつかのCTEは、ここに開示されているような熱的焼入れにとって特に低いことがあり、負の引張応力の程度は、50MPa以下、および/または少なくとも10MPaである。
図29を参照すると、デバイス1210(例えば、携帯型コンピュータ、タブレット、携帯用コンピュータ、携帯電話、テレビ、腕時計、ディスプレイ掲示板など)は、ここに開示されたように製造された、および/またはここに開示されたような応力プロファイル、構造および/または物理的性質の任意の組合せを有する、1つ以上のカバーガラスまたはガラスセラミック物品1212、1214、1216を備え、電子部品1218(例えば、ディスプレイ、および電子ディスプレイ、制御装置、メモリ、マイクロチップなど)および筐体1220をさらに備える。実施の形態において、電子部品1218および/または電子ディスプレイは、液晶ディスプレイおよび/または少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含むことがある。実施の形態において、その電子ディスプレイは、タッチセンサー式ディスプレイであることがある。さらなる実施の形態において、その電子ディスプレイを形成するまたは覆うガラス系層は、ユーザの触覚フィードバックのための第一または第二の主面上に表面特徴を備えることがある。例えば、隆起突出部、突起部、等高線、または段差が、触覚フィードバックのための非限定的表面特徴である。実施の形態において、電子部品1218は、少なくとも部分的に筐体1220内に設けられている。実施の形態において、電気部品1218は、完全に筐体1220内に設けられている。考えられる実施の形態において、筐体1220は、ここに開示されたようなカバーガラスまたはガラスセラミック物品であっても、それを含んでもよい。考えられる実施の形態において、電子部品1218の基板1222は、ここに開示されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品であってもよい。
いくつかの実施の形態において、カバーガラスまたはガラスセラミック物品1212、1214は、フロントプレーンおよびバックプレーン基板として機能することがあり、カバーガラスまたはガラスセラミック物品1216は、デバイス1210におけるカバーガラスとして機能することがある。例示の実施の形態によれば、デバイス1210のカバーガラスまたはガラスセラミック物品1216は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスである。そのような組成物により、カバーガラスまたはガラスセラミック物品1216を、ここに開示されたように、熱的焼入れによって強化することが可能になることがあり、イオン交換によってさらに強化して、その表面またはその近くに特に高度の負の引張応力(例えば、少なくとも200MPa、少なくと250MPa)を与えることがある。他の実施の形態において、カバーガラスまたはガラスセラミック物品1216は、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、二酸化ケイ素(例えば、少なくとも70質量%)、酸化アルミニウム、および/または他の成分を含むことがあり、ここに開示された本発明のプロセスによって強化されることがある。カバーガラスまたはガラスセラミック物品1216は、ここに開示されたような寸法、性質、および/または組成のいずれかを有するなど、特に薄いまたは他に構造化されることがある。
実施の形態において、筐体1220は、前面、背面、および少なくとも1つの側面1220を有することがある。筐体1220は、ここに開示されたように製造された、および/またはここに述べられた応力プロファイル、構造および/または物理的性質の任意の組合せを有する、カバーガラスまたはガラスセラミック物品を含む1つ以上のガラス系層を備えることがある。実施の形態において、そのガラス系層は、ここに開示されたようなカバーガラスまたはガラスセラミック物品であることがある。そのガラス系層(例えば、1212、1214、1216)は、消費家電製品のどの表面を形成してもよい。1つ以上の実施の形態において、そのガラス系層は、少なくとも1つの側面(例えば、1220)から反対の側面まで筐体の前面に亘り延在する。実施の形態において、そのガラス系層は、筐体1220の前面にまたはそれに隣接して設けられる。さらなる実施の形態において、そのガラス系層は、ユーザの触覚フィードバックのための第一または第二の主面上に表面特徴を備えることがある。例えば、隆起突出部、突起部、等高線、または段差が、触覚フィードバックのための非限定的表面特徴である。実施の形態において、ガラス系層(例えば、1212、1214、1216)は、1次元、2次元、2.5次元(例えば、ディスプレイガラスのエッジでの曲率)、または3次元に成形されることがある。
他の実施の形態において、前記ガラス系層(例えば、1212、1214、1216)は、そのガラス系層の外周全体が面取りされているかまたは湾曲している実施の形態を含む、少なくとも1つの面取りまたは湾曲エッジを有することがある。実施の形態において、そのガラス系層の平均厚さは、1.5mm以下、1.0mm以下、0.7mm以下、0.5mm以下であることがあり、約0.5mmから約1.0mm、または約0.1mmから約1.5mm、もしくは約0.5mmから約0.7mmの範囲にあることがある。さらに他の実施の形態において、そのガラス系層の主面の1つ以上が、傷防止層、反射防止層、および防眩層を備えることがある。そのガラス系層の1つ以上の主面は、これらの層の任意の組合せまたは全てを備えてもよい。
前記カバーガラスまたはガラスセラミック物品は、実質的に光学的に透明な、透き通った、および光散乱がない、ガラス材料を含むことがある。そのような実施の形態において、そのカバーガラス材料は、約85%以上、約86%以上、約87%以上、約88%以上、約89%以上、約90%以上、約91%以上、または約92%以上の、約400nmから約780nmの波長範囲に亘る平均光透過率を示すことがある。1つ以上の代わりの実施の形態において、そのガラス材料は、不透明である、または約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、または約0%未満の約400nmから約780nmの波長範囲に亘る平均光透過率を示すことがある。いくつかの実施の形態において、これらの光反射率および透過率値は、全反射率または全透過率(ガラス材料の両方の主面での反射率または透過率を考慮した)であってもよい。そのガラス材料は、必要に応じて、白色、黒色、赤色、青色、緑色、黄色、オレンジ色などの色を示してもよい。
ここで図30を参照すると、ここに開示されたプロセスにしたがって製造された、および/またはここに開示されたような応力プロファイル、構造および/または物理的性質の任意の組合せを有する、カバーガラスまたはガラスセラミック物品1310は、曲率および/または可変断面寸法Dを有する。そのような物品は、寸法Dの平均として、または寸法Dの最大値として、ここに開示された厚さを有することがある。カバーガラスまたはガラスセラミック物品1310は湾曲シートとして示されているが、より複雑な形状などの他の形状を、ここに開示されたプロセスによって強化してもよい。考えられる実施の形態において、カバーガラスまたはガラスセラミック物品1310は、消費家電製品の前面パネル、背面パネルとして、または任意の表面上に使用されてもよい。
様々な実施の形態において、ここに開示されたプロセスにしたがって製造された、および/またはここに開示されたような応力プロファイル、構造および/または物理的性質の任意の組合せを有する、カバーガラス材料は、自動車の横窓ガラスに使用されるような、カバーガラス・中間層・カバーガラスの積層板の少なくとも1つのシートを形成するのに有用である。より強く、より薄い積層板を製造することができ、結果として、質量と費用の節約、および燃料効率の増加をもたらす。熱強化された薄いシートが冷間曲げ(概して、図30参照)され、より厚い成形ガラスに積層され、薄いシートのどのような加熱成形/造形も必要用途せずに、容易かつ信頼性のある製造プロセスを提供することが望ましい。
熱強化されたカバーガラスシートのためのガラスおよびガラスセラミック材料
述べられたシステムおよび方法は、様々なカバーガラスおよび/またはセラミック材料を熱的に状態調節する、強化する、および/または焼入れするために使用することができる。
ここに記載されたプロセスおよびシステムは、概して、ほぼどのようなガラス組成物にも使用してよく、いくつかの実施の形態は、ガラス積層体、ガラスセラミック、および/またはセラミックにも使用できる。様々な実施の形態において、そのプロセスは、高いCTEを有するガラス組成物に使用できる。実施の形態において、ここに述べられたプロセスおよびシステムにより強化されたカバーガラスに、「Corning」「Gorilla」Glass、SLG、無ソーダまたはアルカリガラスなどのアルカリアルミノケイ酸塩ガラスがある。いくつかの実施の形態において、ここに述べられたプロセスおよびシステムにより強化されたカバーガラスのCTEは、40×10-7/℃超、50×10-7/℃超、60×10-7/℃超、70×10-7/℃超、80×10-7/℃超、または90×10-7/℃超である。
いくつかの用途および実施の形態において、ここに述べられたプロセスおよびシステムにより強化されたカバーガラス(カバーガラスシート500など)は、化学的耐久性のために構成された組成を有することがある。そのようないくつかの実施の形態において、その組成は、少なくとも70質量%の二酸化ケイ素、および/または少なくとも10質量%の酸化ナトリウム、および/または少なくとも7質量%の酸化カルシウムを含む。そのような組成の従来物品は、深い深さまで化学的に焼入れすることが難しいことがある、および/または不可能ではなくとも、従来のプロセスの脆弱性および力などのために、薄い厚さのために十分な大きさの負の表面引張応力まで従来のプロセスによって熱的に焼入れすることが難しいことがある。しかしながら、考えられる実施の形態において、ここに開示された本発明のプロセスで、そのような組成により、負の引張応力が、第一と第二の主面(例えば、カバーガラスシート500の主面510、520)の少なくとも一方からの、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートの厚さの少なくとも10%の距離まで、例えば、厚さの少なくとも12%、厚さの少なくとも15%、厚さの少なくとも16%、厚さの少なくとも17%、厚さの少なくとも18%、厚さの少なくとも19%、厚さの少なくとも20%、または厚さの少なくとも21%の距離までそれぞれの強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート中に延在する、カバーガラスシート500などの強化されたカバーガラスまたはガラスセラミック物品またはシートが可能になる。
いくつかの実施の形態において、ここに述べられたように強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートおよび物品は、そのカバーガラスシートの熱強化の前に、カバーガラス上に配置された1つ以上のコーティングを有する。ここに述べられたプロセスを使用して、1つ以上のコーティングを有する強化されたカバーガラスシートを製造することができ、そのようないくつかの実施の形態において、そのコーティングは、熱強化の前にカバーガラス上に配置され、熱強化プロセスの影響を受けない。本開示のカバーガラスシート上に都合よく維持される特別なコーティングとしては、低Eコーティング、反射コーティング、反射防止コーティング、耐指紋性コーティング、カットオフフィルタ、熱分解コーティングなどが挙げられる。
例示の実施の形態によれば、ここに述べられたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品、例えば、図29に示されたデバイス1210の物品1212、1214は、アルミノホウケイ酸塩ガラスである。いくつかの実施の形態において、ここに述べられたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品、例えば、図29に示されたデバイス1210の物品1212、1214は、概して、非アルカリガラスであり、それでもまだ、ここに開示されたような応力プロファイルおよび構造を有する。そのような組成物は、ガラスの緩和の程度を減少させ、それに対するトランジスタの結合を促進させるであろう。いくつかの実施の形態において、ここに述べられたカバーガラスシート/物品は、可撓性ガラスシートである。他の実施の形態において、ここに述べられたカバーガラスシート/物品は、2つ以上のカバーガラスシートの積層体を備える。
いくつかの考えられる実施の形態において、ここに述べられたプロセスおよびシステムにより強化されたカバーガラス(カバーガラスシート500など)は、非晶質基板、結晶質基板またはガラスセラミック基板などのその組合せを含むことがある。ここに述べられたプロセスおよびシステムにより強化されたカバーガラス(カバーガラスシート500など)は、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、アルカリアルミノリンケイ酸塩ガラスまたはアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラスを含むことがある。1つ以上の実施の形態において、ここに述べられたプロセスおよびシステムにより強化されたカバーガラス(カバーガラスシート500など)は、そのイオン交換されていない部分において、モルパーセント(モル%)で表して、約(プラスまたはマイナス1%)40から約80モル%の範囲のSiO2、約10から約30モル%の範囲のAl2O3、約0から約10モル%の範囲のB2O3、約0モル%から約20モル%の範囲のR2O、および/または約0から約15モル%の範囲のROを含む組成を有するカバーガラスを含むことがある。いくつかの考えられる実施の形態において、その組成は、約0から約5モル%の範囲のZrO2および約0から約15モル%の範囲のP2O5のいずれか一方または両方を含むことがある。いくつかの考えられる実施の形態において、TiO2は約0から約2モル%で存在し得る。
いくつかの考えられる実施の形態において、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品に使用される組成物には、0〜2モル%の、Na2SO4、NaCl、NaF、NaBr、K2SO4、KCl、KF、KBr、およびSnO2を含む群から選択される少なくとも1種類の清澄剤がバッチ配合されることがある。1つ以上の実施の形態によるカバーガラス組成物は、約0から約2モル%、約0から約1モル%、約0.1から約2モル%、約0.1から約1モル%、または約1から約2モル%の範囲のSnO2をさらに含むことがある。強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500のためのここに開示されたカバーガラス組成物は、いくつかの実施の形態において、As2O3および/またはSb2O3を実質的に含まないことがある。
考えられる実施の形態において、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品は、イオン交換過程によりさらに強化されたアルカリアルミノケイ酸塩カバーガラス組成物またはアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラス組成物を含むことがある。一例のカバーガラス組成物は、SiO2、B2O3、およびNa2Oを含み、ここで、(SiO2+B2O3)≧66モル%、および/またはNa2O≧9モル%である。ある実施の形態において、そのカバーガラス組成物は、少なくとも6質量%の酸化アルミニウムを含む。さらなる実施の形態において、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品は、アルカリ土類酸化物の含有量が少なくとも5質量%であるように、1種類以上のアルカリ土類酸化物を有するガラス組成物を含むことがある。適切なカバーガラス組成物は、いくつかの実施の形態において、K2O、MgO、およびCaOの内の少なくとも1つをさらに含む。特別な実施の形態において、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品に使用されるカバーガラス組成物は、61〜75モル%のSiO2、7〜15モル%のAl2O3、0〜12モル%のB2O3、9〜21モル%のNa2O、0〜4モル%のK2O、0〜7モル%のMgO、および/または0〜3モル%のCaOを含み得る。
ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品に適したさらなる例示のカバーガラス組成物は、60〜70モル%のSiO2、6〜14モル%のAl2O3、0〜15モル%のB2O3、0〜15モル%のLi2O、0〜20モル%のNa2O、0〜10モル%のK2O、0〜8モル%のMgO、0〜10モル%のCaO、0〜5モル%のZrO2、0〜1モル%のSnO2、0〜1モル%のCeO2、50ppm未満のAs2O3、および50ppm未満のSb2O3を含み、12モル%≦(Li2O+Na2O+K2O)≦20モル%、および/または0モル%≦(MgO+CaO)≦10モル%。ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品に適したさらに別の例示のガラス組成物は、63.5〜66.5モル%のSiO2、8〜12モル%のAl2O3、0〜3モル%のB2O3、0〜5モル%のLi2O、8〜18モル%のNa2O、0〜5モル%のK2O、1〜7モル%のMgO、0〜2.5モル%のCaO、0〜3モル%のZrO2、0.05〜0.25モル%のSnO2、0.05〜0.5モル%のCeO2、50ppm未満のAs2O3、および50ppm未満のSb2O3を含み、14モル%≦(Li2O+Na2O+K2O)≦18モル%、および/または2モル%≦(MgO+CaO)≦7モル%。
特別な考えられる実施の形態において、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品に適したアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物は、アルミナ、少なくとも1種類のアルカリ金属、およびいくつかの実施の形態において、50モル%超のSiO2、他の実施の形態において、少なくとも58モル%のSiO2、さらに他の実施の形態において、少なくとも60モル%のSiO2を含み、比(Al2O3+B2O3)/Σ改質剤(すなわち、改質剤の合計)は1より大きく、ここで、この比において、成分はモル%で表され、改質剤はアルカリ金属酸化物である。このカバーガラス組成物は、特別な実施の形態において、58〜72モル%のSiO2、9〜17モル%のAl2O3、2〜12モル%のB2O3、8〜16モル%のNa2O、および/または0〜4モル%のK2Oを含み、比(Al2O3+B2O3)/Σ改質剤(すなわち、改質剤の合計)は1より大きい。さらに別の実施の形態において、強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシート500は、64〜68モル%のSiO2、12〜16モル%のNa2O、8〜12モル%のAl2O3、0〜3モル%のB2O3、2〜5モル%のK2O、4〜6モル%のMgO、および0〜5モル%のCaOを含み、66モル%≦SiO2+B2O3+CaO≦69モル%、Na2O+K2O+B2O3+MgO+CaO+SrO>10モル%、5モル%≦MgO+CaO+SrO≦8モル%、(Na2O+B2O3)−Al2O3≦2モル%、2モル%≦Na2O−Al2O3≦6モル%、および4モル%≦(Na2O+K2O)−Al2O3≦10モル%である、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物を含むことがある。代わりの実施の形態において、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品は、2モル%以上のAl2O3および/またはZrO2、または4モル%以上のAl2O3および/またはZrO2を含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物を含むことがある。
考えられる実施の形態において、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品のための適切なガラスセラミックの例としては、Li2O・Al2O3・SiO2系(すなわち、LAS系)ガラスセラミック、MgO・Al2O3・SiO2系(すなわち、MAS系)ガラスセラミック、および/またはβ−石英固溶体、β−スポジュメン固溶体、コージエライト、および二ケイ酸リチウムを含む主結晶相を含むガラスセラミックが挙げられるであろう。ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品は、それが形成される態様によって特徴付けてもよい。例えば、ここに述べられた強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品は、フロート成形可能(すなわち、フロート法により成形される)、ダウンドロー可能、および特にフュージョン成形可能またはスロットドロー可能(すなわち、フュージョンドロー法またはスロットドロー法などのダウンドロー法により成形される)と特徴付けてもよい。
フロート成形可能な強化されたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品は、滑らかな表面および一貫した厚さにより特徴付けられることがあり、溶融金属、典型的にスズの床の上に溶融したカバーガラスを浮かせることによって製造される。例示の過程において、溶融スズ床の表面上に供給される溶融したカバーガラスまたはガラスセラミックが、浮遊するガラスまたはガラスセラミックリボンを形成する。そのカバーガラスまたはガラスセラミックリボンがスズ浴に沿って流れるにつれて、カバーガラスまたはガラスセラミックリボンが、スズからローラに持ち上げられる固体のカバーガラスまたはガラスセラミック物品に固化するまで、温度が徐々に低下する。カバーガラスまたはガラスセラミック物品は、浴から一旦離れると、さらに冷却し、徐冷して、内部応力を減少させることができる。そのカバーガラスまたはガラスセラミック物品がガラスセラミックである場合、フロート法から形成されたカバーガラス物品に、1つ以上の結晶相が生成されるセラミック化過程を施すことができる。
ダウンドロー法により、比較的無垢な表面を持つ、一貫した厚さを有するカバーガラスまたはガラスセラミック物品が製造される。そのカバーガラスまたはガラスセラミック物品の平均曲げ強度は、表面傷の量およびサイズにより制御されるので、接触が最小であった無垢な表面は、より高い初期強度を有する。この高強度のカバーガラスまたはガラスセラミック物品を次にさらに強化(例えば、化学的に)する場合、得られる強度は、ラップ仕上げされ、研磨された表面を有するカバーガラスまたはガラスセラミック物品の強度よりも高くあり得る。ダウンドローされたカバーガラスまたはガラスセラミック物品は、約2mm未満の厚さまで延伸されるであろう。その上、ダウンドローされたカバーガラスまたはガラスセラミック物品は、費用のかかる研削および研磨を行わずに最終用途に使用できる非常に平らで滑らかな表面を有する。そのカバーガラスまたはガラスセラミック物品がガラスセラミックである場合、ダウンドロー法により形成されたカバーガラス物品に、1つ以上の結晶相が生成されるセラミック化過程を施すことができる。
フュージョンドロー法は、例えば、溶融したガラス原材料を受け入れるための通路を有する延伸槽を使用する。その通路は、通路の両側に通路の長手方向に沿って上部が開いた堰を有する。その通路が溶融材料で満たされると、溶融ガラスは堰を越えて溢れる。その溶融ガラスは、重力のために、延伸槽の外面を2つの流れるガラス膜として流下する。延伸槽のこれらの外面は、それらが延伸槽の下のエッジで接合するように下方かつ内側に延在する。その2つの流れるガラス膜はこのエッジで接合して融合し、1つの流動するカバーガラス物品を形成する。このフュージョンドロー法は、通路を越えて流れる2つのカバーガラス膜が互いに融合するので、得られるカバーガラス物品の外面のいずれも、その装置のどの部分とも接触しないという利点を与える。それゆえ、フュージョンドロー法により形成されたカバーガラス物品の表面特性は、そのような接触の影響を受けない。そのカバーガラスまたはガラスセラミック物品がガラスセラミックである場合、フュージョン法により形成されたカバーガラス物品に、1つ以上の結晶相が生成されるセラミック化過程を施すことができる。
スロットドロー法はフュージョンドロー法とは異なる。スロットドロー法において、溶融原材料ガラスが延伸槽に提供される。この延伸槽の底部には開いたスロットがあり、このスロットは、その長さに亘り延在するノズルを有する。溶融ガラスは、スロット/ノズルを通って流動し、連続カバーガラス物品として徐冷領域へと下方に延伸される。そのカバーガラスまたはガラスセラミック物品がガラスセラミックである場合、スロットドロー法により形成されたカバーガラス物品に、1つ以上の結晶相が生成されるセラミック化過程を施すことができる。
いくつかの実施の形態において、前記カバーガラス物品は、その内容が全てここに引用される、米国特許第8713972号明細書、米国特許第9003835号明細書、米国特許出願公開第2015/0027169号明細書、および米国特許出願公開第2005/0099618号明細書に記載されているような、薄型圧延法を使用して形成されることがある。より詳しくは、そのカバーガラスまたはガラスセラミック物品は、溶融ガラスの垂直流を供給し、溶融ガラスまたはガラスセラミックの供給された流れを、約500℃以上または約600℃以上の表面温度に維持された一対の成形ロールで成形して、成形厚を有する成形カバーガラスリボンを成形し、成形ガラスリボンを、約400℃以下の表面温度に維持された一対の寸法仕上げロールで寸法仕上げして、成形厚より小さい所望の厚さおよび所望の厚さ一貫性を有する寸法仕上げガラスリボンを生成することによって、形成されることがある。そのカバーガラスリボンを成形するために使用した装置は、溶融ガラスの供給流を供給するためのガラス供給装置;約500℃以上の表面温度に維持される一対の成形ロールであって、成形ロールの間のガラス成形間隙を画成する互いに密接に隣接して間隔が開けられており、そのガラス形成間隙が、溶融ガラスの供給流を受け入れ、成形ロールの間で溶融ガラスの供給流を薄くして、成形厚を有する形成ガラスリボンを成形するために、ガラス供給装置の垂直下方に位置している成形ロール;および約400℃以下の表面温度に維持された一対の寸法仕上げロールであって、寸法仕上げロールの間にガラス寸法仕上げ間隙を画成する互いに密接に隣接して間隔が開けられており、そのカバーガラス寸法仕上げ間隙が、成形カバーガラスリボンを受け取り、成形カバーガラスリボンを薄くして、所望の厚さおよび所望の厚さ一貫性を有する寸法仕上げされたカバーガラスリボンを生成するために、成形ロールの垂直下方に位置している寸法仕上げロールを備えることがある。
ある場合には、ガラスの粘度のために、フュージョン法やスロットドロー法が使用できない場合、薄型圧延法が利用されることがある。例えば、ガラスが100kP未満の液相粘度を示すときに、カバーガラスまたはガラスセラミック物品を形成するために薄型圧延法を利用できる。そのカバーガラスまたはガラスセラミック物品は、表面傷の影響をなくすかまたは低下させるために、酸磨きまたは他の様式で処理してもよい。
考えられる実施の形態において、ここに述べられたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品は、側面で異なる組成を有する。カバーガラスまたはガラスセラミックシート500の一方の面において、例示の組成は、69〜75質量%のSiO2、0〜1.5質量%のAl2O3、8〜12質量%のCaO、0〜0.1質量%のCl、0〜500ppmのFe、0〜500ppmのK、0.0〜4.5質量%のMgO、12〜15質量%のNa2O、0〜0.5質量%のSO3、0〜0.5質量%のSnO2、0〜0.1質量%のSrO、0〜0.1質量%のTiO2、0〜0.1質量%のZnO、および/または0〜0.1質量%のZrO2である。ここに述べられたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品の他方の面において、例示の組成は、73.16質量%のSiO2、0.076質量%のAl2O3、9.91質量%のCaO、0.014質量%のCl、0.1質量%のFe2O3、0.029質量%のK2O、2.792質量%のMgO、13.054質量%のNa2O、0.174質量%のSO3、0.001質量%のSnO2、0.01質量%のSrO、0.01質量%のTiO2、0.002質量%のZnO、および/または0.005質量%のZrO2である。
他の考えられる実施の形態において、ここに述べられたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品の組成は、55〜85質量%のSiO2、0〜30質量%のAl2O3、0〜20質量%のB2O3、0〜25質量%のNa2O、0〜20質量%のCaO、0〜20質量%のK2O、0〜15質量%のMgO、5〜20質量%のBaO、0.002〜0.06質量%のFe2O3、および/または0.0001〜0.06質量%のCr2O3を含む。他の考えられる実施の形態において、ここに述べられたカバーガラスまたはガラスセラミックシートまたは物品の組成は、60〜72モル%のSiO2、3.4〜8モル%のAl2O3、13〜16モル%のNa2O、0〜1モル%のK2O、3.3〜6モル%のMgO、0〜0.2モル%のTiO2、0.01〜0.15モル%のFe2O3、6.5〜9モル%のCaO、および/または0.02〜0.4モル%のSO3を含む。
装置の設定 − 詳細に前述したように、本発明の装置は、高温区域、移行区域、および冷却または急冷区域の3つの区域を含む。高温区域および急冷区域の中の上部および底部の熱ベアリング(ヒートシンク)の間の間隙は、所望の間隔に設定される。高温区域、移行区域、および急冷区域の中の気体流量は、空気ベアリング上でガラス材料、シートまたは部品が確実に中央に位置するように設定する。高温区域は所望のT0まで予熱され、次いで、その温度からガラス物品が急冷される。均一な加熱を確実にするために、カバーガラス物品は、バッチ炉または連続炉などの別個の予熱装置中で予熱される。一般に、カバーガラスシートは、高温区域中に入れられる前に5分超に亘り予熱される。ソーダ石灰ガラスの場合、予熱は約450℃で行われる。予熱段階の後、カバーガラス物品は高温区域中に入れられて、平衡化され、この平衡化はガラスがT0で均一となる場合である。T0は、所望の強化/焼入れのレベルによって決定できるが、一般に軟化点とガラス転移温度との間の範囲内に維持される。平衡化の時間は、少なくともカバーガラスの厚さに依存する。例えば、約1.1mm以下のカバーガラスシートの場合、平衡化は約10秒で行われる。3mmのカバーガラスシートの場合、平衡化は約10秒から30秒で行われる。約6mmまでのより厚いシートの場合、平衡化時間は約60秒であることがある。カバーガラスがT0に一旦平衡化されたら、そのカバーガラスは空気ベアリング上で移行区域を通って冷却または急冷区域まで迅速に移送される。カバーガラス物品は、急冷区域中でガラス転移温度Tgよりも低い温度まで迅速に急却される。所望の急冷の程度および/または取出し時のカバーガラスの所望の温度に応じて、カバーガラスシートは、1秒、10秒、または数分以上までの任意の期間に亘り、急冷区域中に維持することができる。取り出す際に、カバーガラスは、必要に応じて、取扱いの前に冷却させることができる。
以下の実施例が表VIに纏められている。
実施例1 − 厚さ5.7mmのソーダ石灰ケイ酸塩ガラスプレート(例えば、少なくとも70質量%の二酸化ケイ素、および/または少なくとも10質量%の酸化ナトリウム、および/または少なくとも7質量%の酸化カルシウムを含むガラス)を450℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで690℃のT0で60秒間維持する。T0に平衡化した後、91μmの間隙を有する、ヘリウムが充填された急冷区域に迅速に移送し(この間隙はガラスシートの表面と、最も近いヒートシンクとの間の距離である)、そこで10秒間維持する。得られた物品は、表面圧縮が−312MPaであり、中央張力が127MPaであり、平坦度が83μmである。
実施例2 − 厚さ5.7mmのソーダ石灰ケイ酸塩ガラスプレートを450℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで690℃のT0で60秒間維持する。平衡化した後、91μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持する。得られた物品は、表面圧縮が−317MPaであり、中央張力が133MPaであり、平坦度が89.7マイクロメートルである。
実施例3 − 厚さ1.1mmソーダ石灰ケイ酸塩ガラスプレートを450℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで700℃のT0で10秒間維持する。平衡化した後、56μmの間隙を有する、ヘリウムが充填された急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持する。得られた物品は、測定表面仮想温度が661℃であり、表面圧縮が−176MPaであり、中央張力が89MPaであり、平坦度が190μmであり、ビッカース亀裂閾値が10〜20Nである。
実施例4 − 厚さ0.55mmのソーダ石灰ケイ酸塩ガラスプレートを450℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで720℃のT0で10秒間維持する。平衡化した後、25μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒維持すると、0.184cal/(cm2・s・℃)(7704W/m0K)の有効熱伝達率が得られる。得られた物品は、表面圧縮が−176MPaであり、中央張力が63MPaである。また、得られた強化物品の平坦度は、約168マイクロメートル(初期温度が710℃の試料について)および125マイクロメートル(初期温度が720℃の試料について)であった。
実施例5 − 厚さ1.5mmの「CORNING」「GORILLA」Glassプレートを550℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで790℃のT0で30秒間維持する。平衡化した後、226μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持する。このガラス物品は、平坦度が処理前に113μmおよび処理後に58μmと測定され、改善が示された。
実施例6 − 厚さ0.7mmのソーダ石灰ケイ酸塩ガラスプレートを450℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで730℃のT0で10秒間維持する。平衡化した後、31μmの間隙を有する、ヘリウムが充填された急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持すると、0.149cal/(cm2・s・℃)(6238W/m2K)の有効熱伝達率が得られる。得られた物品は、表面圧縮が−206MPaであり、中央張力が100MPaであり、平坦度が82μmである。破砕されると、このガラスプレートは「ダイシングする」(厚さが2mm以上のシートのダイシングの場合の標準用語を使用しており、すなわち、5×5cmの正方形のガラスシートが40以上の破片に破壊される)ことが観察され、これはシートが十分に焼入れされたことを示唆している。
実施例7 − 厚さ3.3mmのBorofloat−33ガラスプレートを550℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで800℃のT0で30秒間維持する。平衡化した後、119μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持する。得られた物品は120μmの平坦度を有する。一部が破砕されると、このガラスプレートは「ダイシングする」(厚さ2mm以上のシートのダイシングの場合の標準用語を使用しており、すなわち、5×5cmの正方形のガラスプレートが40以上の破片に破壊される)ことが観察され、これはシートが十分に焼入れされたことを示している。
実施例8 − 厚さ3.2mmのソーダ石灰ケイ酸塩ガラスプレートを450℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで690℃のT0で30秒間維持する。平衡化した後、84μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持する。得られた物品は、表面圧縮が−218MPaであり、中央張力が105MPaであり、平坦度が84μmである。
実施例9 − 厚さ0.3mmのソーダ石灰ケイ酸塩ガラスプレートを450℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで630℃のT0で10秒間維持する。平衡化した後、159μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持する。得られた物品は、グレイフィールド偏光測定(gray field polarimetry)により観察可能な膜応力を有し、これはガラスが熱応力を含むことを示唆している。
実施例10 − 厚さ0.1mmの「CORNING」「GORILLA」Glassプレートを550℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで820℃のT0で10秒間維持する。平衡化した後、141μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持すると、0.033cal/(cm2・s・℃)(1382W/m2K)の有効熱伝達率が得られる。破砕されると、得られた物品は残留応力を有するガラスに一致する挙動を示す。
実施例11 − 厚さ1.1mmのソーダ石灰ケイ酸塩ガラスプレートを450℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで700℃のT0で10秒間維持する。平衡化した後、65μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持すると、0.07cal/(cm2・s・℃)(2931W/m2K)の有効熱伝達率が得られる。得られた物品は、測定表面仮想温度が657℃であり、表面圧縮が−201MPaであり、中央張力が98MPaであり、平坦度が158μmであり、ビッカース亀裂閾値が10〜20Nである。
実施例12 − 厚さ1.1mmの「CORNING」「GORILLA」Glassプレートを550℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで810℃のT0で10秒間維持する。平衡化した後、86μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持すると、0.058cal/(cm2・s・℃)(2428W/m2K)の有効熱伝達率が得られる。得られた物品は、測定表面仮想温度が711℃であり、表面圧縮が−201MPaであり、中央張力が67MPaであり、ビッカース亀裂閾値が20〜30Nである。
実施例13 − 厚さ1.1mmの「CORNING」「GORILLA」Glassプレートを550℃で10分間予熱した後、高温区域に移送し、そこで800℃のT0で10秒間維持する。平衡化した後、91μmの間隙を有する急冷区域に迅速に移送し、そこで10秒間維持する。得られた物品は、測定表面仮想温度が747℃であり、表面圧縮が−138MPaであり、中央張力が53MPaであり、平坦度が66μmであり、ビッカース亀裂閾値が20〜30Nである。
追加の実施例 − 少なくとも70質量%の二酸化ケイ素、および/または少なくとも10質量%の酸化ナトリウム、および/または少なくとも7質量%の酸化カルシウムを含むガラスの厚さ5.7mmのシートに、ヘリウムガスおよび約90マイクロメートルの間隙204a、204b(図21)で実験を行った。このガラスを約690℃の初期温度に加熱し、急激に冷却した。得られた強化物品は、その表面上で約300Paの負の引張応力を、中心で約121MPaの正の引張応力を有した。また、得られた強化物品の平坦度は約106.9マイクロメートルであった。
追加の実施例 − ここに開示された本発明の技術を使用した1つの実験において、少なくとも70質量%の二酸化ケイ素、および/または少なくとも10質量%の酸化ナトリウム、および/または少なくとも7質量%の酸化カルシウムを含むガラスの厚さ1.1mmのシートに、ヘリウムガスおよび約160マイクロメートルの間隙204a、204b(図21)で実験を行った。ガラスを約680℃の初期温度に加熱し、急激に冷却した。得られた強化物品は、その表面上で約112Paの負の引張応力を、中心で約54MPaの正の引張応力を有した。強化前に、そのガラスのシートの平坦度は約96マイクロメートルであったが、得られた強化物品の平坦度は約60マイクロメートルであった。したがって、この強化プロセスは、強化されたガラスまたはガラスセラミック物品を平坦にもした。
他の態様および利点は、全体としての本明細書および付随の特許請求の範囲を検討することで明らかになるであろう。
様々な例示の実施の形態に示されたような、カバーガラスおよびガラスセラミックの構造および構成は、説明に過ぎない。いくつかの実施の形態しか本開示に詳しく記載していないが、ここに記載された主題の新規の教示および利点から実質的に逸脱せずに、多くの改変(例えば、サイズ、寸法、構造、形状、および様々な要素の比率、パラメータの値、取付配置、材料の使用、色、配向の変更)が可能である。一体成形されたように図示されたいくつかの要素は、多数の部品または要素から作られてもよく、それらの要素の位置は、逆にされても、または他に変えられてもよく、別個の要素または位置の性質または数は、変えても、異ならせてもよい。どのプロセス、論理アルゴリズム、または方法の工程の順序または順番は、代わりの実施の形態にしたがって、変えられても、または並べ直されてもよい。本発明の技術の範囲から逸脱せずに、様々な例示の実施の形態の設計、作動条件および配置において、他の置換、改変、変更および省略も行ってよい。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
消費家電製品において、
前面、背面、および少なくとも1つの側面を有する電子ディスプレイと、
間に内部領域を持つ第二の主面と反対にある第一の主面を有するガラス系層であって、
該ガラス系層は、前記電子ディスプレイを少なくとも部分的に覆って設けられ、
該ガラス系層の前記第一と第二の主面の間の平均厚さは2mm未満であり、
該ガラス系層の前記第一の主面および前記第二の主面の両方の少なくとも一部のイオン含有量および化学成分は、該ガラス系層の前記内部領域の少なくとも一部のイオン含有量および化学成分と同じであり、
該ガラス系層の前記第一と第二の主面は150MPa超の圧縮応力下にあり、該ガラス系層の前記内部領域は引張応力下にあり、
該ガラス系層の前記第一の主面の表面粗さは、0.2nmと1.5nmの間のRa粗さである、ガラス系層と、
を備えた消費家電製品。
実施形態2
前記ガラス系層内の応力が、前記第一と第二の主面に対する位置の関数として変動し、該ガラス系層内の応力が、該ガラス系層の厚さの500μm未満の距離に亘り少なくとも200MPaの勾配を有する、実施形態1に記載の消費家電製品。
実施形態3
前記ガラス系層の前記第一または第二の主面の表面粗さが、0.2nmと1.5nmの間のRa粗さである、実施形態1または2に記載の消費家電製品。
実施形態4
前記ガラス系層の前記第一と第二の主面が、該第一と第二の主面の50mmのプロファイルに沿って少なくとも50μmの芯振れ精度で平坦である、実施形態1から3いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態5
前記ガラス系層の前記第一と第二の主面の面積が少なくとも2500mm2である、実施形態1から4いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態6
前記ガラス系層が、前記第一または第二の主面上に触覚フィードバックのための表面特徴をさらに含む、実施形態1から5いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態7
前記ガラス系層の前記平均厚さが約0.1mmから約1.5mmである、実施形態1から6いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態8
前記ガラス系層が、前記第一と第二の主面の間の距離の17%超の圧縮の深さをさらに含む、実施形態1から7いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態9
前記ガラス系層が、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、アルカリアルミノリンケイ酸塩ガラス、またはアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラスである、実施形態1から8いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態10
前記ガラス系層の前記第一または第二の主面が、傷防止層、反射防止層、および防眩層の少なくとも1つをさらに備える、実施形態1から9いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態11
前記電子ディスプレイがタッチセンサー式ディスプレイである、実施形態1から10いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態12
前記電子ディスプレイが液晶ディスプレイ(LCD)である、実施形態1から11いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態13
前記電子ディスプレイが少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含む、実施形態1から12いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態14
前記ガラス系層が、前記少なくとも1つの側面から、その反対にある側面まで筐体の前面に亘り延在する、実施形態1から13いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態15
前記製品が、携帯電話、携帯型メディアプレーヤー、テレビ、ノート型コンピュータ、腕時計、家庭用電化製品、またはタブレット型コンピュータである、実施形態1から14いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態16
消費家電製品において、
前面、背面、および少なくとも1つの側面を備えた筐体と、
前記筐体の少なくとも部分的に内部に設けられた、少なくとも制御装置、メモリ、およびディスプレイを含む電気部品と、
を備え、
前記背面が、間に内部領域を持つ第二の主面と反対にある第一の主面を有するガラス系層を備え、
該ガラス系層の前記第一と第二の主面の間の平均厚さは2mm未満であり、
該ガラス系層の前記第一の主面および前記第二の主面の両方の少なくとも一部のイオン含有量および化学成分は、該ガラス系層の前記内部領域の少なくとも一部のイオン含有量および化学成分と同じであり、
該ガラス系層の前記第一と第二の主面は150MPa超の圧縮応力下にあり、該ガラス系層の前記内部領域は引張応力下にあり、
該ガラス系層の前記第一の主面の表面粗さは、0.2nmと1.5nmの間のRa粗さである、消費家電製品。
実施形態17
前記ガラス系層がガラスまたはガラスセラミック材料である、実施形態16に記載の消費家電製品。
実施形態18
前記ガラス系層が、前記第一または第二の主面上に触覚フィードバックのための表面特徴をさらに含む、実施形態16または17に記載の消費家電製品。
実施形態19
消費家電製品において、
前面、背面、および少なくとも1つの側面を備えた筐体と、
前記筐体の少なくとも部分的に内部に設けられた、少なくともディスプレイを含む電気部品と、
前記筐体の前面に、またはそれに隣接して設けられたガラス系層と、
を備え、
前記ガラス系層は、ミリメートルで表されるtの厚さ、ミリメートルで表されるlの長さ、およびミリメートルで表されるwの幅を有し、tはl未満かつw未満であり、
前記ガラス系層は、厚さtだけ隔てられた第一の主面および第二の主面を有し、該ガラス系層の前記第一の主面は、該ガラス系層の該第一の主面の任意の50mm以下のプロファイルに沿って100μmの芯振れ精度(TIR)で平坦であり、
前記ガラス系層は、1/℃で表されるα
S CTEの低温線CTE、1/℃で表されるα
L CTEの高温線CTE、GPaで表されるEの弾性率、℃の単位で表されるT
歪みの歪み温度、および℃の単位で表されるT
軟化の軟化温度を有し、
前記ガラス系層の前記第一の主面は、600MPa未満かつ、MPaの単位で表される、
より大きい、熱的に誘起された表面圧縮応力を有し、式中、P
1は、
により与えられ、hは、0.020cal/s・cm2・℃(約828W/m2K)以上である、消費家電製品。
実施形態20
前記ガラス系層の前記第一と第二の主面が、該ガラス系層の該第一と第二の主面の50mmのプロファイルに沿って少なくとも50μmの芯振れ精度で平坦である、実施形態19に記載の消費家電製品。
実施形態21
前記ガラス系層の前記第一または第二の主面が、傷防止層層、反射防止層、および防眩層の少なくとも1つをさらに備える、実施形態19または20に記載の消費家電製品。
実施形態22
前記ガラス系層が、少なくとも1つの面取りエッジを有する、実施形態19から21いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態23
前記ガラス系層の前記第一または第二の主面の表面粗さが、0.2nmと1.5nmの間のRa粗さである、実施形態19から22いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態24
前記ガラス系層の前記第一と第二の主面の面積が少なくとも2500mm2である、実施形態19から23いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態25
前記ガラス系層が、400nmと780nmの間で透過性である、実施形態19から24いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態26
前記電気部品が制御装置およびメモリをさらに備える、実施形態19から25いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態27
前記製品が、携帯電話、携帯型メディアプレーヤー、テレビ、ノート型コンピュータ、腕時計、家庭用電化製品、またはタブレット型コンピュータである、実施形態19から26いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態28
前記ガラス系層が、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、アルカリアルミノリンケイ酸塩ガラス、またはアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラスである、実施形態19から27いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態29
消費家電製品において、
前面、背面、および少なくとも1つの側面を備えた筐体と、
前記筐体の少なくとも部分的に内部に設けられた、ディスプレイ、制御装置、およびメモリを含む電気部品と、
間に内部領域を持つ第二の主面と反対にある第一の主面を有するガラス系層と、
を備え、
前記ガラス系層は、前記筐体の前面に、またはそれに隣接して設けられ、
前記ガラス系層は、該ガラス系層の前記第一の主面の任意の50mm以下のプロファイルに沿って100μmの芯振れ精度(TIR)で平坦であり、
前記ガラス系層は、℃の単位で表されるT軟化の軟化温度、℃の単位で表されるT徐冷の徐冷温度、および℃の単位で表される場合、Tfsで示される、該ガラス系層の前記第一の主面上で測定される表面仮想温度を有するガラス材料から構成され、
前記ガラス系層は、(Tfs−T徐冷)/(T軟化−T徐冷)により与えられる無次元表面仮想温度パラメータθsを有し、
前記パラメータθsは0.20から0.9の範囲にある、消費家電製品。
実施形態30
前記ガラス系層の前記第一と第二の主面の面積が少なくとも2500mm2である、実施形態29の消費家電製品。
実施形態31
前記ガラス系層の第一の主面で測定された前記表面仮想温度が、前記ガラス材料のガラス転移温度より少なくとも50℃高い、実施形態29または30に記載の消費家電製品。
実施形態32
前記ガラス系層の第一の主面で測定された前記表面仮想温度が、前記ガラス材料のガラス転移温度より少なくとも75℃高い、実施形態29から31いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態33
前記ガラス系層が、前記第一または第二の主面上に触覚フィードバックのための表面特徴をさらに含む、実施形態29から32いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態34
前記ガラス系層の前記平均厚さが約0.1mmから約1.5mmである、実施形態29から33いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態35
前記ガラス系層が、前記第一と第二の主面の間の距離の17%超の圧縮の深さをさらに含む、実施形態29から34いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態36
前記ガラス系層が、ソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、アルカリアルミノリンケイ酸塩ガラス、またはアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラスである、実施形態29から35いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態37
前記ガラス系層が、少なくとも1つの面取りエッジを有する、実施形態29から36いずれか1つに記載の消費家電製品。
実施形態38
前記製品が、携帯電話、携帯型メディアプレーヤー、テレビ、ノート型コンピュータ、腕時計、家庭用電化製品、またはタブレット型コンピュータである、実施形態29から37いずれか1つに記載の消費家電製品。