JP6776112B2 - 給紙ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、給紙ベルト、詳しくは、画像形成装置に用いられる給紙ベルトに関する。
従来より、画像形成装置では、無端状のベルトを利用して、印刷用紙や原稿を搬送することが知られている。
そのような無端状のベルトとして、エチレン−プロピレン−ジエンゴムと、エピクロルヒドリンゴムと、パーオキサイド系加硫剤とを含有するゴム組成物から製造される無端弾性ベルトが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そのような無端弾性ベルトは、画像形成装置としての複写機に設けられる。具体的には、複写機は、複数枚の原稿が載置される原稿用置台と、コピー時に原稿が配置される原稿台ガラスと、原稿台ガラスをカバーする原稿台カバーとを備える。無端弾性ベルトは、原稿台カバーの裏面に設けられる。
そして、無端弾性ベルトは、無端弾性ベルトと原稿との摩擦力により回転することで、原稿を原稿用置台から原稿台ガラス上に一枚ずつ搬送する。
特開平2−175538号公報
しかるに、特許文献1に記載の無端弾性ベルトを、画像形成装置の内部において、印刷用紙(以下、用紙とする。)を給紙する給紙ベルトとして使用することが検討される。
また、画像形成速度の高速化の観点から、無端弾性ベルトの回転速度を上昇させて、単位時間あたりの用紙の給紙枚数の向上を図ることが望まれている。
しかし、特許文献1に記載の無端弾性ベルトでは、無端弾性ベルトと用紙との摩擦力により用紙を給紙するので、無端弾性ベルトの回転速度を上昇させると、用紙が無端弾性ベルトから離脱し、用紙の給紙が不安定となるという不具合がある。
そこで、空気流を利用して、用紙を無端弾性ベルトに吸着させて給紙することが検討される。この場合、無端弾性ベルトに、空気の通過を許容するための複数の穴が形成される。
しかし、特許文献1に記載の無端弾性ベルトに複数の穴を形成すると、無端弾性ベルトに裂け目などの欠陥が発生する場合がある。また、無端弾性ベルトの回転速度を上昇させると、無端弾性ベルトと用紙との摩擦により、無端弾性ベルトが帯電する場合がある。この場合、無端弾性ベルトに紙粉が付着して、用紙の搬送が不安定となる。
そこで、本発明の目的は、帯電することを抑制できながら、複数の穴を備えても裂け目などの欠陥の発生を抑制できる給紙ベルトを提供することにある。
本発明[1]は、画像形成装置において用紙を給紙する給紙ベルトであって、複数の穴を備える無端形状を有し、ゴム組成物の加硫物からなり、前記ゴム組成物は、エピクロルヒドリンゴムを含有するゴム成分と、硫黄系加硫剤とを含有する、給紙ベルトを含んでいる。
このような構成によれば、ゴム組成物のゴム成分がエピクロルヒドリンゴムを含有するので、ゴム組成物の加硫物からなる給紙ベルトの体積固有抵抗値の低減を図ることができる。そのため、給紙ベルトの回転速度を上昇させても、給紙ベルトが帯電することを抑制できる。
また、ゴム成分が硫黄系加硫剤を含有するので、ゴム組成物の加硫物からなる給紙ベルトの引裂強度の向上を図ることができる。その結果、給紙ベルトが複数の穴を備えても、給紙ベルトに裂け目などの欠陥が発生することを抑制できる。
本発明[2]は、前記ゴム組成物は、イオン導電剤をさらに含有する、上記[1]に記載の給紙ベルトを含んでいる。
このような構成によれば、ゴム組成物がイオン導電剤を含有するので、給紙ベルトの体積固有抵抗値の低減を確実に図ることができる。そのため、給紙ベルトが帯電することを確実に抑制できる。
本発明[3]は、前記ゴム成分は、アクリロニトリル・ブタジエンゴムと、エチレン・プロピレン・ジエンゴムとを、さらに含有する、上記[1]または[2]に記載の給紙ベルトを含んでいる。
このような構成によれば、ゴム成分がアクリロニトリル・ブタジエンゴムを含有するので、給紙ベルトの加工性の向上を図ることができる。また、ゴム成分がエチレン・プロピレン・ジエンゴムを含有するので、給紙ベルトの耐オゾン性の向上を図ることができる。
本発明の給紙ベルトは、帯電することを抑制できながら、複数の穴を備えても裂け目などの欠陥の発生を抑制できる。
図1は、本発明の給紙ベルトの一実施形態を備える給紙部の斜視図を示す。 図2は、図1に示す給紙部の側面図を示す。
1.給紙ベルトの使用態様
(1−1)給紙部
図1に示すように、給紙ベルト1は、画像形成装置において用紙Pを給紙する給紙ベルトであって、空気流を利用して用紙Pを吸着させて搬送する。
画像形成装置としては、例えば、プリンタなどが挙げられ、好ましくは、画像形成速度が比較的高速で大型のプロダクションプリンタが挙げられる。プロダクションプリンタの画像形成速度は、例えば、80枚/min以上である。
給紙ベルト1は、例えば、画像形成装置が備える給紙部10に備えられる。給紙部10は、用紙Pを画像形成装置の画像形成部(図示せず)に給紙するためのユニットであって、給紙部10にセットした用紙Pを、ピックアップした後、画像形成部(図示せず)に向かって搬送するように構成される。
給紙部10は、載置部6と、エアピックアップユニット8と、2つの搬送ローラ5とを備える。
載置部6には、複数の用紙Pがスタック可能である。
エアピックアップユニット8は、空気流を利用して、載置部6に配置される用紙Pをピックアップするエアピックアップ式給紙装置であり、ピックアップした用紙Pを2つの搬送ローラ5に向かって搬送するように構成される。以下、エアピックアップユニット8が用紙Pを搬送する方向を搬送方向とする。
エアピックアップユニット8は、第1ローラ3と、第2ローラ7と、吸引チャンバ4と、給紙ベルト1とを備える。
第1ローラ3は、載置部6に対して上側に間隔を空けて位置する。第1ローラ3は、鉛直方向および搬送方向の両方向と直交する方向に延びる軸線を中心として回転可能である。以下、第1ローラ3の軸線の延びる方向を軸線方向とする。
第2ローラ7は、第1ローラ3に対して搬送方向の下流側に間隔を空けて位置する。第2ローラ7は、載置部6よりも搬送方向の下流側に位置する。第2ローラ7は、軸線方向に延びる軸線を中心として回転可能である。第2ローラ7は、外部から駆動力が伝達されるように構成される。
吸引チャンバ4は、空気を吸引するように構成される。吸引チャンバ4は、第1ローラ3と第2ローラ7との間に位置する。
給紙ベルト1は、エアピックアップユニット8(エアピックアップ式給紙装置)に利用されるエアピックアップ式給紙ベルトである。給紙ベルト1は、平面視矩形状の帯状ベルトであり、複数の穴2を備える無端形状を有する。
複数の穴2は、給紙ベルト1の全体に均一に位置(整列配置)する。より具体的には、複数の穴2は、軸線方向に互いに間隔を空けて整列配置され、かつ、搬送方向に互いに間隔を空けて整列配置される。
各穴2は、平面視略円形状を有し、給紙ベルト1の表面から裏面まで貫通する貫通孔である。
給紙ベルト1は、第1ローラ3および第2ローラ7の周りに架け渡されている。これにより、吸引チャンバ4は、給紙ベルト1の内側に位置する。
2つの搬送ローラ5は、エアピックアップユニット8から給紙された用紙Pを、画像形成部(図示せず)に搬送するように構成される。2つの搬送ローラ5は、第2ローラ7に対して第1ローラ3の反対側に間隔を空けて位置する。2つの搬送ローラ5のそれぞれは、軸線方向に延びる軸線を中心として回転可能である。2つの搬送ローラ5は、鉛直方向に互いに接触している。
(1−2)給紙部の動作
図2に示すように、給紙部10において、第1ローラ3および第2ローラ7が回転すると、給紙ベルト1の下側部分が第1ローラ3側から第2ローラ7側に向かって移動するように、給紙ベルト1が周回移動する。また、吸引チャンバ4が、複数の穴2(図1参照)を介して空気を吸引する。
すると、載置部6にスタックされる複数の用紙Pのうち、最も上側に位置する用紙Pの先端部(搬送方向の下流端部)が、吸引チャンバ4に吸引されて、給紙ベルト1に吸着される。そして、用紙Pは、給紙ベルト1に吸着された状態で、給紙ベルト1の周回移動により、2つの搬送ローラ5に向かって搬送される。その後、用紙Pは、給紙ベルト1から2つの搬送ローラ5の間に向かって送り出される。次いで、用紙Pは、2つの搬送ローラ5の回転により、画像形成部(図示せず)に搬送される。
2.給紙ベルトの詳細
(2−1)ゴム組成物
このような給紙ベルト1は、ゴム組成物の加硫物からなる。
ゴム組成物は、給紙ベルト1を形成するためのゴムベルト材料であり、必須成分として、エピクロルヒドリンゴム(ECO)を含有するゴム成分と、硫黄系加硫剤とを含有する。
エピクロルヒドリンゴムとしては、例えば、エピクロルヒドリンの単独重合体、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド2元共重合体、エピクロルヒドリン・アリルグリシジルエーテル2元共重合体、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル3元共重合体などが挙げられる。エピクロルヒドリンゴムは、単独使用または2種類以上併用することができる。
エピクロルヒドリンゴムのなかでは、硫黄系加硫剤による加硫の観点から好ましくは、アリルグリシジルエーテル(AGE)ユニットを有するエピクロルヒドリンゴム(エピクロルヒドリン・アリルグリシジルエーテル2元共重合体およびエピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル3元共重合体)が挙げられ、さらに好ましくは、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル3元共重合体が挙げられる。
エピクロルヒドリンゴムの含有割合は、ゴム成分中において、例えば、40質量%以上、好ましくは、50質量%以上、さらに好ましくは、60質量%以上、例えば、85質量%以下、好ましくは、80質量%以下、さらに好ましくは、70質量%以下である。
エピクロルヒドリンゴムの含有割合が、上記範囲内であると、給紙ベルト1にイオン導電性を確実に付与でき、給紙ベルト1の体積固有抵抗値の低減を確実に図ることができる。
ゴム成分は、好ましくは、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)と、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とをさらに含有する。ゴム成分がアクリロニトリル・ブタジエンゴムを含有することにより、給紙ベルト1の加工性の向上を図ることができる。ゴム成分がエチレン・プロピレン・ジエンゴムを含有することにより、給紙ベルト1の耐オゾン性の向上を図ることができる。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムは、アクリロニトリルと、1,3−ブタジエンとの共重合体である。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムにおけるアクリロニトリル含有量(中心値)は、例えば、15質量%以上、例えば、40質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムにおけるブタジエン含有量は、例えば、60質量%以上、好ましくは、70質量%以上、例えば、85質量%以下である。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムは、単独使用または2種類以上併用することができる。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムの含有割合は、ゴム成分中において、エピクロルヒドリンゴムの含有割合よりも少なく、エチレン・プロピレン・ジエンゴムの含有割合よりも多い。アクリロニトリル・ブタジエンゴムの配合割合は、ゴム成分中において、例えば、10質量%以上、好ましくは、15質量%以上、さらに好ましくは、20質量%以上、例えば、40質量%以下、好ましくは、35質量%以下、さらに好ましくは、30質量%以下である。
アクリロニトリル・ブタジエンゴムの含有割合が上記下限以上であれば、給紙ベルト1の加工性の向上を図ることができる。アクリロニトリル・ブタジエンゴムの含有割合が上記上限以下であれば、ゴム成分においてエピクロルヒドリンゴムの含有割合を上記範囲に確保することができる。
エチレン・プロピレン・ジエンゴムは、エチレンと、プロピレンと、ジエン類との共重合体である。
ジエン類としては、例えば、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられ、好ましくは、エチリデンノルボルネンが挙げられる。
エチレン・プロピレン・ジエンゴムは、単独使用または2種類以上併用することができる。
エチレン・プロピレン・ジエンゴムの含有割合は、ゴム成分中において、例えば、3質量%以上、好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは、10質量%以上、例えば、25質量%以下、好ましくは、15質量%以下である。
エチレン・プロピレン・ジエンゴムの含有割合が、上記下限以上であると、給紙ベルト1の耐オゾン性の向上を図ることができる。エチレン・プロピレン・ジエンゴムの含有割合が上記上限以下であれば、ゴム成分においてエピクロルヒドリンゴムの含有割合を上記範囲に確保することができる。
ゴム成分は、必要により、その他のゴム(例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムなど)を含有することもできるが、好ましくは、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、および、エチレン・プロピレン・ジエンゴムのみからなる。
硫黄系加硫剤は、硫黄系架橋剤と同意義であって、硫黄原子を有する加硫剤(架橋剤)である。硫黄系加硫剤は、後述する加硫(一次加硫および二次加硫)において、硫黄ラジカルを生成する硫黄供与体である。
硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、硫黄系無機化合物、硫黄系有機化合物などが挙げられる。
硫黄としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄などが挙げられる。
硫黄系無機化合物としては、例えば、塩化硫黄、二塩化硫黄などが挙げられる。
硫黄系有機化合物としては、例えば、アルキルチウラム−ポリスルフィド類(例えば、テトラメチルチウラム−ジスルフィド、テトラエチルチウラム−ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム−テトラスルフィドなど)、モルホリン−ポリスルフィド類(例えば、4,4’−ジチオジモルホリンなど)、アルキルフェノール−ポリスルフィド類などが挙げられる。
つまり、硫黄系加硫剤には、有機過酸化物であるパーオキサイド系加硫剤(例えば、パーオキシケタール類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類など)は含まれない。
硫黄系加硫剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。硫黄系加硫剤のなかでは、好ましくは、硫黄および硫黄系有機化合物が挙げられ、さらに好ましくは、硫黄および硫黄系有機化合物の併用が挙げられ、とりわけ好ましくは、硫黄、アルキルチウラム−ポリスルフィド類およびモルホリン−ポリスルフィド類の併用が挙げられる。
硫黄系加硫剤が硫黄を含んでいれば、給紙ベルト1の引裂強度の向上を確実に図ることができる。なお、硫黄系有機化合物は、硫黄と併用される場合、硫黄供与体として作用するとともに、硫黄による加硫(架橋)を促進する加硫促進剤(後述)としても作用する。
硫黄系加硫剤の含有割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1.0質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、5.0質量部以下である。
また、硫黄系加硫剤が硫黄を含む場合、硫黄の含有割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上、さらに好ましくは、0.5質量部以上、例えば、5.0質量部以下、好ましくは、3.0質量部以下、さらに好ましくは、1.5質量部以下、とりわけ好ましくは、1.0質量部以下である。
硫黄の含有割合が上記下限以上であれば、給紙ベルト1の引裂強度の向上をより一層確実に図ることができる。硫黄の含有割合が上記上限以下であれば、給紙ベルト1の体積固有抵抗値を確実に低減できる。
また、硫黄系加硫剤として、硫黄、アルキルチウラム−ポリスルフィド類およびモルホリン−ポリスルフィド類が併用される場合、アルキルチウラム−ポリスルフィド類の含有割合は、硫黄1質量部に対して、例えば、0.1質量部以上3.0質量部以下であり、モルホリン−ポリスルフィド類の含有割合は、硫黄1質量部に対して、例えば、0.1質量部以上3.0質量部以下である。
また、ゴム組成物は、任意成分として、好ましくは、イオン導電剤をさらに含有する。ゴム組成物がイオン導電剤を含有することにより、給紙ベルト1のイオン導電性のさらなる向上を図ることができ、給紙ベルト1の体積固有抵抗値の低減を確実に図ることができる。
イオン導電剤としては、例えば、有機系イオン導電剤、無機系イオン導電剤などが挙げられる。イオン導電剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。イオン導電剤のなかでは、好ましくは、有機系イオン導電剤が挙げられる。
有機系イオン導電剤としては、例えば、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ピリジニウム塩などが挙げられる。有機系イオン導電剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。有機系イオン導電剤のなかでは、好ましくは、アンモニウム塩が挙げられる。
イオン導電剤の含有割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.25質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、2.0質量部以下、好ましくは、1.0質量部以下、さらに好ましくは、0.75質量部以下である。
イオン導電剤の含有割合が上記下限以上であれば、給紙ベルト1の体積固有抵抗値を確実に低減できる。
さらに、ゴム組成物は、任意成分として、例えば、加硫促進剤、加硫促進助剤、充填剤、着色剤、加工助剤などを含有してもよい。
加硫促進剤は、架橋促進剤と同意義であって、後述する加硫(一次加硫および二次加硫)において、硫黄系加硫剤(硫黄ラジカル)と反応して活性加硫剤を生成する化合物である。
加硫促進剤としては、例えば、チアゾール類(例えば、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなど)、スルフェンアミド類(例えば、ジイソプロピルスルフェンアミド類、シクロヘキシルスルフェンアミドなど)、ジチオカルバミン酸塩類(例えば、ジメチルジチオカーバメート亜鉛塩、ジエチルジチオカーバメート亜鉛塩など)、グアニジン類、チオウレア類、アルデヒドアンモニア類、ザンテート類などが挙げられる。
加硫促進剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。加硫促進剤のなかでは、好ましくは、チアゾール類が挙げられ、さらに好ましくは、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールが挙げられる。
加硫促進剤の含有割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1.0質量部以上、例えば、6.0質量部以下、好ましくは、5.0質量部以下である。
加硫促進助剤は、架橋促進助剤と同意義であって、例えば、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、オレイン酸など)、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)など)などが挙げられる。加硫促進助剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。加硫促進助剤のなかでは、好ましくは、金属酸化物が挙げられ、さらに好ましくは、酸化亜鉛(亜鉛華)が挙げられる。
加硫促進助剤の含有割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1.0質量部以上、好ましくは、3.0質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、8.0質量部以下である。
充填剤としては、例えば、金属酸化物粒子(例えば、酸化チタン粒子、酸化錫粒子、酸化亜鉛粒子、酸化マグネシウム粒子、アルミナ粒子など)、シリカ、クレー、コルク、タルク、炭酸カルシウム、二塩基亜リン酸塩、塩基性炭酸マグネシウムなどが挙げられる。充填剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。充填剤のなかでは、好ましくは、シリカおよび炭酸カルシウムが挙げられ、さらに好ましくは、シリカおよび炭酸カルシウムの併用が挙げられる。
充填剤の含有割合は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、例えば、5.0質量部以上、好ましくは、10質量部以上、例えば、50質量部以下、好ましくは、40質量部以下である。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカなどが挙げられる。着色剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。着色剤のなかでは、好ましくは、カーボンブラックが挙げられる。
着色剤の含有割合は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、例えば、5.0質量部以下、好ましくは、2.0質量部以下である。
着色剤の含有割合が上記上限以下であれば、給紙ベルト1が用紙を搬送するときに、用紙が着色剤により汚れることを抑制できる。
加工助剤としては、例えば、上記した加硫促進助剤と同様の脂肪酸および金属酸化物などが挙げられる。加工助剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。加工助剤のなかでは、好ましくは、脂肪酸が挙げられ、さらに好ましくは、ステアリン酸が挙げられる。
加工助剤の含有割合は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、3.0質量部以下である。
さらに、任意成分は、必要により、例えば、発泡剤、発泡助剤、老化防止剤(例えば、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤など)、補強剤、軟化剤(例えば、オイル、ワックスなど)、短繊維、粘着付与剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、耐油性向上剤、共架橋剤などの公知の添加剤を適宜の割合で含んでもよい。
(2−2)給紙ベルトの製造方法
次に、給紙ベルト1の製造方法について説明する。
給紙ベルト1を製造するには、まず、上記のゴム組成物を準備する。
具体的には、ゴム成分と、硫黄系加硫剤と、必要により任意成分とを上記した含有割合で、混練機に投入して攪拌混合する。
混練機としては、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニ−ダーなどが挙げられ、好ましくは、オープンロールが挙げられる。混合方法としては、例えば、乾式混合、湿式混合などが挙げられ、好ましくは、乾式混合が挙げられる。
これによって、ゴム成分と、硫黄系加硫剤と、必要により任意成分とを含有するゴム組成物が準備される。
次いで、ゴム組成物を、公知の成形装置により、略円筒形状に成形する。成形装置としては、例えば、押出成形機、カレンダー成形機などが挙げられ、好ましくは、押出成形機が挙げられる。
次いで、略円筒形状のゴム組成物を一次加硫する。
一次加硫温度は、例えば、145℃以上、好ましくは、150℃以上、例えば、175℃以下、好ましくは、170℃以下である。一次加硫時間は、例えば、5分間以上、好ましくは、10分間以上、例えば、30分間以下、好ましくは、20分間以下である。
その後、好ましくは、一次加硫物(一次加硫後のゴム組成物)を二次加硫する。一次加硫物を二次加硫することにより、給紙ベルト1の引張永久歪みの低減を図ることができる。
二次加硫温度の範囲は、例えば、上記の一次加硫温度の範囲と同じである。二次加硫時間は、例えば、40分間以上、好ましくは、60分間以上、例えば、120分間以下、好ましくは、80分間以下である。
これにより、ゴム組成物が加硫されて加硫物(一次加硫物または二次加硫物)となる。その後、必要により、加硫物を冷却し、加硫物の周面を公知の研磨方法(例えば、砥石研磨機など)により研磨する。次いで、必要により、加硫物を所定の長さにカットする。
これによって、加硫物が無端ベルト状に形成される。
次いで、無端ベルト状の加硫物に、公知の加工方法(例えば、パンチング加工など)により複数の穴を形成する。
以上によって、複数の穴を備える無端形状の給紙ベルト1が製造される。
このような給紙ベルト1は、体積固有抵抗値が低減されており、かつ、引裂強度が向上している。
具体的には、給紙ベルト1の体積固有抵抗値は、例えば、6.0logΩ・cm以上、好ましくは、7.0logΩ・cm以上、例えば、8.0logΩ・cm以下、好ましくは、7.4logΩ・cm以下である。なお、体積固有抵抗値は、実施例に記載の方法により測定できる。
給紙ベルト1の引裂強度は、例えば、16.5N/mm以上、好ましくは、17.0N/mm以上、さら好ましくは、19.0N/mm以上、とりわけ好ましくは、20.0N/mm以上、例えば、35.0N/mm以下、好ましくは、30.0N/mm以下である。なお、引裂強度は、実施例に記載の方法により測定できる。
また、給紙ベルト1の引張強度は、例えば、4.0MPa以上、好ましくは、5.0MPa以上、さらに好ましくは、6.0MPa以上、例えば、12.0MPa以下、好ましくは、10.0MPa以下である。なお、引張強度は、実施例に記載の方法により測定できる。
また、給紙ベルト1の最大伸びは、例えば、150%以上、好ましくは、200%以上、例えば、600%以下、好ましくは、500%以下である。なお、最大伸びは、実施例に記載の方法により測定できる。
また、給紙ベルト1の引張永久歪み(定付加力引張永久ひずみ)は、例えば、40%以下、好ましくは、30%以下である。なお、引張永久歪みは、JIS K6273に従って測定できる。
3.作用効果
図1に示すように、給紙ベルト1は、第1ローラ3および第2ローラ7の周りに掛け渡されて使用される。このとき、給紙ベルト1には、所定の張力が付与される。そのため、給紙ベルト1は、付与される張力により、伸びるように永久変形(塑性変形)することが懸念される。
従来、パーオキサイド系加硫剤を使用すると、硫黄系加硫剤を使用した場合と比較して、加硫物の永久変形を抑制できることが知られている。そのため、給紙ベルト1は、永久変形抑制の観点から、複数の穴2を備える場合であっても、パーオキサイド系加硫剤を含有するゴム組成物の加硫物から形成されていた。
しかし、複数の穴2を備える給紙ベルト1を、パーオキサイド系加硫剤を含有するゴム組成物の加硫物から形成すると、給紙ベルト1の帯電を十分に抑制できず、また、裂け目などの欠陥が発生するという不具合があった。
これに対して、本発明者らは、給紙ベルト1を、硫黄系加硫剤を含有するゴム組成物の加硫物から形成しても、給紙ベルト1が過度に永久変形しないことを見出した。
また、ゴム組成物は、エピクロルヒドリンゴムを含有するゴム成分と、硫黄系加硫剤とを含有するので、給紙ベルト1の体積固有抵抗値の低減を図ることができながら、給紙ベルト1の引裂強度の向上を図ることができる。その結果、給紙ベルト1が帯電することを抑制できながら、給紙ベルト1が複数の穴2を備えても、給紙ベルト1に裂け目などの欠陥が発生することを抑制できる。
ゴム組成物は、好ましくは、イオン導電剤を含有する。そのため、給紙ベルト1の体積固有抵抗値の低減を確実に図ることができる。
ゴム成分は、好ましくは、アクリロニトリル・ブタジエンゴムと、エチレン・プロピレン・ジエンゴムとを含有する。そのため、給紙ベルト1の加工性の向上を図ることができながら、給紙ベルト1の耐オゾン性の向上を図ることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、それらに限定されない。以下の記載において用いられる含有割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する含有割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
1.実施例1〜4および比較例1〜3
表1に示す処方(単位:質量部)において、各成分を配合し、オープンロールで混練することによりゴム組成物を準備した。
具体的には、まず、エピクロルヒドリンゴム(ECO、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル3元共重合体、商品名:エピオン301−L、大阪ソーダ社製)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR、商品名:Nipol DN401LL、日本ゼオン社製)と、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM、商品名:EP33、JSR社製)とを、オープンロールで、5分間混練し、ゴム成分を準備した。
次いで、そのゴム成分に、着色剤(カーボンブラック、商品名:MTカーボン、Cancard社製)、充填剤A(シリカ、商品名:カップシール8113、Evonik社製)、充填剤B(炭酸カルシウム、商品名:白艶華、白石工業社製)、イオン導電剤(商品名:LX−N30N、大阪ソーダ社製)、加工助剤(ステアリン酸、商品名:st.ルナックV−70、花王社製)、加硫促進助剤(酸化亜鉛、商品名:亜鉛華 ZnO、正同化学社製)、加硫促進剤(化学名:2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(MDB)、商品名:ノクセラーMDB、大内新興化学工業社製)、加硫剤を順次添加し、オープンロールにより、15分間混練した。
実施例1〜4では、加硫剤として、硫黄系加硫剤A(硫黄、商品名:サルファックスPS、鶴見化学工業社製)と、硫黄系加硫剤B(化学名:テトラエチルチウラム−ジスルフィド(TET)、商品名:ノクセラーTET、大内新興化学工業社製)と、硫黄系加硫剤C(化学名:4,4’−ジチオジモルホリン(DTDM)、商品名:バルノックR、大内新興化学工業社製)とを併用した。
実施例5では、硫黄系加硫剤として、硫黄系加硫剤A(硫黄)を使用せず、硫黄系加硫剤Bと、硫黄系加硫剤Cとを使用した。
比較例1および2では、加硫剤として、パーオキサイド系加硫剤(DCP、ジクミルパーオキサイド、商品名:パークミルD、日油社製)を使用し、加硫促進剤を使用しなかった。
次いで、ゴム組成物を、押出成形機により、略円筒形状に押出形成した。
次いで、略円筒形状のゴム組成物を、160℃、10分間の条件で一次加硫させた後、無負荷の高温槽において、160℃、60分間の条件で二次加硫させた。これにより、ゴム組成物の加硫物を得た。
次いで、ゴム組成物の加硫物を冷却し、その加硫物の周面を砥石研磨機により研磨した。その後、加硫物を所定の長さにカットした。これにより、無端ベルト状の加硫物を得た。
次いで、パンチング加工により、無端ベルト状の加硫物に複数の穴を形成した。以上により、給紙ベルトを製造した。
2.評価
(1)体積固有抵抗値(単位:logΩ・cm)
各実施例および各比較例において得られた給紙ベルトのテストピース(170mm×145mm×2mm)を作製し、テストピースについて体積固有抵抗値をJIS K6911に準拠して測定した。試験条件としては、アドバンテストコーポレーション社製の超高抵抗微小電流計R−8340Aを用いて、温度22℃、湿度55%環境下で測定した。また、測定時の印加電圧は500Vとし、5秒後の数値を読み取った。その結果を表1に示す。
(2)引裂強度(単位:N/mm)
各実施例および各比較例において得られた給紙ベルトのテストピースを作製し、テストピースについて、引裂強度をJIS K6252に準拠して測定した。その結果を表1に示す。
(3)引張強度(単位:MPa)
各実施例および各比較例において得られた給紙ベルトのテストピースを作製し、テストピースについて、引張強度をJIS K6251に準拠して測定した。その結果を表1に示す。
(4)最大伸び(単位:%)
各実施例および各比較例において得られた給紙ベルトのテストピースを作製し、テストピースについて、最大伸びをJIS K6251に準拠して測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006776112
3.考察
表1に示すように、実施例1〜5の給紙ベルトは、比較例1および2の給紙ベルトと比較して、引裂強度の向上が確認された。
1 給紙ベルト
2 複数の穴

Claims (4)

  1. 画像形成装置において用紙を給紙する給紙ベルトであって、
    複数の穴を備える無端形状を有し、
    ゴム組成物の加硫物からなり、
    前記ゴム組成物は、エピクロルヒドリンゴムを含有するゴム成分と、硫黄系加硫剤とを含有し、
    前記ゴム成分におけるエピクロルヒドリンゴムの含有割合が、60質量%以上85質量%以下であることを特徴とする、給紙ベルト。
  2. 前記ゴム組成物は、イオン導電剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1に記載の給紙ベルト。
  3. 前記ゴム成分は、アクリロニトリル・ブタジエンゴムと、エチレン・プロピレン・ジエンゴムとを、さらに含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の給紙ベルト。
  4. 前記ゴム成分におけるアクリロニトリル・ブタジエンゴムの含有割合が、10質量%以上35質量%以下であり、
    前記ゴム成分におけるエチレン・プロピレン・ジエンゴムの含有割合が、3質量%以上25質量%以下であることを特徴とする、請求項3に記載の給紙ベルト。
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