JP6787724B2 - 冷却装置、冷却プログラム及び冷却対象の凍結品の製造方法 - Google Patents

冷却装置、冷却プログラム及び冷却対象の凍結品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷却装置、冷却プログラム及び冷却対象の凍結品の製造方法に関する。
従来、冷却された不凍液の撹拌噴流中に浸漬された食品を急速に冷凍する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特公平7−28710号公報
従来、食品などの冷却対象を凍結すると、凍結の行程においてタンパク質分子と水分子と油分子等の調理によって異なる様々な分子とが結合したエマルジョン結合状態が壊れる。エマルジョン結合状態が壊れた冷却対象は、水分子同士が結合し凍結される。エマルジョン結合状態が壊れた状態で解凍される食品は、水分子と、タンパク質分子及び油分子等の様々な分子とに分離される。水分子と、タンパク質分子及び油分子の様々な分子との結合が分離された食品を解凍すると、うまみ成分が水分と共に溶け出す。また、水分子同士が凍結する際に水の結晶が成長し、成長した結晶が冷却対象の細胞を破壊するなどして食感が悪くなるという問題があった。
本発明の課題は、冷却対象のエマルジョン結合状態を維持した状態で冷却対象を凍結する冷却装置、冷却プログラム及び冷却対象の凍結品の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、冷却液によって冷却対象を冷却する冷却槽と、前記冷却槽内の前記冷却液に、前記冷却液の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも高い電圧であり、前記冷却槽の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも低い電圧である第1の電位を与える第1電極と、前記冷却対象を挟み前記第1電極と対向する位置に配置され、前記冷却槽内の前記冷却液に前記第1の電位よりも低い第2の電位を与える第2電極と、前記第1電極が前記第1の電位を前記冷却液に与える第1状態と前記第2電極が前記第2の電位を前記冷却液に与える第2状態とによって前記冷却液に与えられる電位を切り替える制御部とを備える冷却装置である。
また、本発明の一態様は、上記の冷却装置前記冷却液に印加される電圧を供給する直流電源と、前記直流電源の正極端子に一端が接続され、前記第1電極に他端が接続され、前記直流電源の正極端子と前記第1電極との間の導通状態を切り替える第1スイッチと、前記直流電源の負極端子に一端が接続され、前記第2電極に他端が接続され、前記直流電源の負極端子と前記第2電極との間の導通状態を切り替える第2スイッチとを更に備え、前記冷却槽は、絶縁性を有する部材から形成され、前記制御部は、前記第1スイッチを導通状態に制御することにより前記第1状態に制御し、前記第2スイッチを導通状態に制御することにより前記第2状態に制御する
また、本発明の一態様は、上記の冷却装置において、前記制御部は、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを排他的に導通状態に制御する
また、本発明の一態様は、上記の冷却装置において、前記制御部は、前記第1状態と前記第2状態とを1秒間に1回から10回切り替える
また、本発明の一態様は、上記の冷却装置において、前記冷却槽内の前記冷却液を冷却する冷却部を更に備える。
また、本発明の一態様は、上記の冷却装置において、前記制御部は、前記第1状態と、前記第2状態とを所定の周波数によって切り替える。
また、本発明の一態様は、コンピュータに、絶縁性を有する部材から形成され冷却液によって冷却対象を冷却する冷却槽から前記冷却液を吸い上げ、吸い上げられた前記冷却液を冷却し、冷却された前記冷却液を前記冷却槽に戻す冷却ステップと、前記冷却槽内に備えられた第1電極に電圧を印加することにより、前記冷却液の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも高い電圧であり、前記冷却槽の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも低い電圧である第1の電位を、前記冷却液に与える第1電位印加ステップと、前記冷却槽内に備えられた第2電極に電圧を印加することにより、前記冷却液に前記第1の電位よりも低い第2の電位を与える第2電位印加ステップと前記第1電位印加ステップ前記第2電位印加ステップを所定の周波数により繰り返すことによって前記冷却液に与えられる電位を切り替える制御ステップとを実行させるための冷却プログラムである。
また、本発明の一態様は、絶縁性を有する部材から形成され冷却液によって冷却対象を冷却する冷却槽から前記冷却液を吸い上げ、吸い上げられた前記冷却液を冷却し、冷却された前記冷却液を前記冷却槽に戻す冷却工程と、前記冷却槽内に備えられた第1電極に電圧を印加することにより、前記冷却液の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも高い電圧であり、前記冷却槽の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも低い電圧である第1の電位を、前記冷却液に与える第1電位印加工程と、前記冷却槽内に備えられた第2電極に電圧を印加することにより、前記冷却液に前記第1の電位よりも低い第2の電位を与える第2電位印加工程と前記第1電位印加工程前記第2電位印加工程を所定の周波数により繰り返すことによって前記冷却液に与えられる電位を切り替える制御工程とによって製造された前記冷却対象の凍結品の製造方法である。
本発明によれば、エマルジョン結合状態を維持した状態で食品を凍結する冷却装置、冷却プログラム及び冷却対象の凍結品の製造方法を提供することができる。
冷却装置の構成の一例を示す図である。 冷却装置の動作の一例を示す流れ図である。 高電圧回路の制御の一例を示す図である。 冷却液に与えられる電位の変化の一例を示す図である。
[実施形態]
以下、図面を参照して冷却装置の実施形態について説明する。
[冷却装置の概要]
冷却装置は、冷却液に浸漬された冷却対象を冷却する。冷却装置は、冷却液に電位を与える電極を備える。電極から電位が与えられた冷却液は、冷却対象に対して、エマルジョン結合状態を維持する力を与える。冷却装置は、冷却対象の凍結品を製造する。
[冷却装置の構成]
図1を参照して、冷却装置の構成の一例について説明する。
図1は、本実施形態の冷却装置100の構成の一例を示す図である。
冷却装置100は、冷却槽1と、制御部14とを備える。
冷却槽1は、槽10と、蓋11と、カーゴ16とを備える。冷却槽1は、絶縁性を有する部材から形成される。絶縁性を有する部材とは、具体的には電気絶縁性を有する部材である。絶縁性を有する部材とは、より具体的には、ポリアセタールである。より具体的には、冷却槽1は、ポリアセタール素材を2重に貼り合わせて形成される。冷却槽1の厚みは、”2” (cm)から”3”(cm)である。冷却槽1は、冷却液Rによって冷却対象FOを冷却する。
槽10は、冷却液Rを貯留する。槽10は、絶縁性を有する部材によって、継ぎ目なく形成される。
蓋11は、槽10の蓋である。蓋11は、絶縁性を有する部材によって形成される。蓋11は、槽10の内部を密封する。蓋11が槽10の内部を密封する場合には、冷却槽1の内部と、冷却槽1の外部とは電気的に絶縁される。
冷却液Rは、冷却対象FOと熱交換を行うことにより、冷却対象FOを冷却する。この一例では、冷却液Rは、温度が”−35”(℃)に調整される。冷却液Rとは、この一例では、エタノールと水などの混合溶液である。より具体的には、冷却液Rとは、エタノールが45(%)、水が55(%)の混合溶液である。なお、冷却液Rは、エタノールと水との混合溶液に限られない。冷却液Rは、冷却対象FOを冷却する温度では凍結しない溶液であればよい。
冷却対象FOは、カーゴ16に載せられる。冷却対象FOとは、食品である。この一例では、冷却対象FOとは、冷却液Rと直接食材とが触れないように梱包された食品である。より具体的には、冷却対象FOとは、梱包された調理済みの食品である。なお、冷却対象FOは、調理済みの食品に限られず、調理途中の食材又は調理素材であってもよい。
カーゴ16は、冷却対象FOを載せる。カーゴ16は、冷却前の冷却対象FOを載せた状態で、冷却液Rに浸漬される。カーゴ16は、冷却対象FOの冷却が終了すると、凍結した冷却対象FOと共に、冷却液Rから引き上げられる。
冷却装置100は、制御部14と、高電圧回路20と、蓋駆動部19と、ポンプ17と、カーゴ駆動部15とを備える。
制御部14は、高電圧回路20と、蓋駆動部19と、カーゴ駆動部15と、ポンプ17とを制御する。
高電圧回路20は、電源POWと、印加スイッチSWCと、除電スイッチSWDCと、抵抗DCRとを備える。高電圧回路20は、第1電極12及び第2電極13と接続する。なお、高電圧回路20と、第1電極12及び第2電極13とは、蓋11が槽10を密封する状態であっても、密封状態を損なわずに接続される。
高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PSを取得する。この一例では、供給電位制御信号PSには、供給電位制御信号PS1と、供給電位制御信号PS2とが含まれる。
高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PS1を取得する。供給電位制御信号PS1を取得した高電圧回路20は、印加スイッチSWCを通電状態にする。以下の説明では、通電状態にすることをONにする、とも記載する。高電圧回路20は、印加スイッチSWCをONにすると、電源POWから供給される電圧を、第1電極12に対して供給する。供給電位制御信号PS1を取得した高電圧回路20は、除電スイッチSWDCを非通電状態にする。以下の説明では、非通電状態にすることをOFFにする、とも記載する。
第1の電位は、冷却対象FOの種類に応じた電位である。第1の電位とは、冷却液Rの絶縁耐力よりも高い電圧である。第1の電位とは、より具体的には、20(kV)から80(kV)の電位である。第1の電位は、冷却対象FOの種類毎に実験を行い決定される。第1の電位は、制御部14が備える記憶部(不図示)に記憶されていてもよい。また、第1の電位は、冷却装置100が備える操作部(不図示)を、作業者が操作することにより入力されてもよい。
第1電極12は、高電圧回路20から供給される第1の電位を冷却槽1内の冷却液Rに与える。第1電極12は、冷却対象FOの種類に応じて、冷却液Rの絶縁耐力よりも高い電圧を、冷却槽1内の冷却液Rに与える。
高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PS2を取得すると、印加スイッチSWCをOFFにする。また、高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PS2を取得すると、除電スイッチSWDCをONにする。高電圧回路20は、除電スイッチSWDCをONにすると、第2電極13に第2の電位を与える。第2の電位とは、第1の電位よりも低い電位である。この一例では、第2の電位とは、高電圧回路20のグランドレベルの電位である。グランドレベルとは、”0”(V)である。なお、第2の電位は、第1の電位よりも低い電位であればよく、グランドレベルに限られない。
第2電極13は、高電圧回路20から供給される第2の電位を冷却槽1内の冷却液Rに与える。第2の電位とは、第1の電位よりも低い電圧である。この一例では、第2電極13は、第1電極12から冷却液Rに供給された電位を除電する。
つまり、制御部14は、第1状態と、第2状態とによって冷却液Rに与えられる電位を切り替える。第1状態とは、第1電極が第1の電位を冷却液Rに与える状態である。第2状態とは、第2電極が第2の電位を冷却液Rに与える状態である。
蓋駆動部19は、蓋11と接続する。蓋駆動部19は、制御部14から蓋駆動信号LSを取得する。蓋駆動部19は、蓋駆動信号LSに基づいて、蓋11を開閉駆動する。この一例では、蓋駆動部19は、図1に示すXYZ直交座標系におけるX座標方向に、蓋11をスライドさせる。
ポンプ17は、熱交換器18と接続する。ポンプ17は、吸入口(不図示)と、射出口(不図示)とを備える。ポンプ17及び熱交換器18とは、冷却槽1内の冷却液Rを冷却する冷却部の一例である。ポンプ17は、制御部14からポンプ制御信号TSを取得する。ポンプ17は、ポンプ制御信号TSに応じて、吸入口から槽10内の冷却液Rを吸い上げる。ポンプ17は、吸い上げた冷却液Rを熱交換器18に供給する。熱交換器18は、所定の温度に冷却液Rを冷却する。この一例では、熱交換器18は、冷却液Rを”−35”(℃)に冷却するが、これに限られない。熱交換器18は、冷却対象FOの種類に応じた温度に冷却液Rを冷却する。
熱交換器18によって冷却された冷却液Rは、ポンプ17が備える射出口から、槽10内に戻される。熱交換器18によって冷却された冷却液Rは、槽10内で撹拌される。槽10内の冷却液Rは、熱交換器18によって冷却された冷却液Rが撹拌されることにより、均一の温度に調節される。
なお、この一例では、熱交換器18によって冷却された冷却液Rは、槽10内に戻される勢いによって撹拌されるが、これに限られず、槽10内のスクリュー(不図示)によって撹拌されてもよい。
カーゴ駆動部15は、制御部14からカーゴ制御信号CSを取得する。カーゴ駆動部15は、制御部14から取得したカーゴ制御信号CSに応じて、カーゴ16をZ方向に昇降する。カーゴ16に載せられる冷却対象FOは、カーゴ16の下降によって冷却液Rに浸漬される。カーゴ16に載せられる冷却対象FOは、カーゴ16の上昇によって冷却液Rから取り出される。
[位置関係]
槽10は、第1電極近傍の壁WLと、第2電極近傍の壁WRを備える。
第1電極近傍の壁WLは、座標X0の位置に配置される。第2電極近傍の壁WRは、座標X3の位置に配置される。
第1電極12は座標X1の位置に配置される。座標X1の位置とは、座標X0の近傍である。
第2電極13は座標X2の位置に配置される。座標X2の位置とは、座標X3の近傍である。
冷却対象FOは、座標XFの位置に配置される。座標XFの位置とは、座標X1と、座標X2との間である。座標XFの位置とは、第2電極13が冷却液Rに与えられた電位を除去する場合に、電位の変化に応じた影響がある位置である。つまり、冷却対象FOは、冷却液Rに与えられた電位の変化に応じた影響を受ける。
[制御部14の動作の一例]
次に、図2を参照して、冷却装置100の動作の一例について説明する。
図2は、冷却装置100の動作の一例を示す流れ図である。
制御部14は、ポンプ制御信号TSをポンプ17に対して出力する。ポンプ17は、制御部14からポンプ制御信号TSを取得する。ポンプ17は、ポンプ制御信号TSに応じて槽10内の冷却液Rを吸い上げる。ポンプ17は、吸い上げた冷却液Rを、熱交換器18に対して供給する。熱交換器18は、ポンプ17が吸い上げた冷却液Rを、所定の温度になるまで冷却する。所定の温度とは、冷却対象FOの種類に応じた温度である。この一例では、”−35”(℃)である。熱交換器18は、冷却した冷却液Rを、槽10内に戻す。制御部14は、槽10内の温度が所定の温度になるまで、冷却液Rを冷却する(ステップS110)。
制御部14は、カーゴ駆動部15に対してカーゴ制御信号CSを出力する。カーゴ駆動部15は、制御部14からカーゴ制御信号CSを取得する。カーゴ駆動部15は、カーゴ制御信号CSに応じて、冷却対象FOが載せられたカーゴ16を下降駆動する。カーゴ16及び冷却対象FOは、冷却液Rに浸漬する(ステップS120)。
制御部14は、蓋駆動部19に対して蓋駆動信号LSを出力する。蓋駆動部19は、制御部14から蓋駆動信号LSを取得する。蓋駆動部19は、蓋11を閉駆動する。閉駆動された蓋11は、槽10を密封する(ステップS130)。
制御部14は、高電圧回路20に対して供給電位制御信号PS1を出力する。高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PS1を取得する。高電圧回路20は、除電スイッチSWDCをOFFにする。高電圧回路20は、印加スイッチSWCをONにする。高電圧回路20は、電源POWから第1電極12に対して第1の電圧を供給する。第1の電圧が供給された第1電極12は、冷却液Rに第1の電位を与える。冷却槽1の内部は、第1電極12から冷却液Rに第1の電位が与えられた、第1状態である(ステップS140)。
制御部14は、所定の時間が経過後に、高電圧回路20に対して供給電位制御信号PS2を出力する。高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PS2を取得する。供給電位制御信号PS2を取得した高電圧回路20は、印加スイッチSWCをOFFにする。供給電位制御信号PS2を取得した高電圧回路20は、除電スイッチSWDCをONにする。高電圧回路20は、第2電極13に対して第2の電圧を供給する。第2の電圧は、第1の電圧よりも低い電圧のため、冷却槽1内の冷却液Rの電圧は下がる。冷却槽1の内部は、第2電極13から冷却液Rに第2の電位が与えられた、第2状態である(ステップS150)。
制御部14は、ステップS140からステップS150までの動作を、所定の周波数によって繰り返す。所定の周波数とは、冷却対象FOの種類に応じた周波数である。所定の周波数は、制御部14が備える記憶部(不図示)に記憶されていてもよい。また、所定の周波数は、冷却装置100が備える操作部(不図示)を、作業者が操作することにより入力されてもよい。所定の周波数とは、より具体的には、1秒間に1回から10回である。つまり、制御部14は、1秒間に1回から10回、冷却液Rの電位を変化させる。
[冷却液Rの電位の制御の一例]
ここで、制御部14が冷却槽1内の冷却液Rの電位を制御する一例について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、高電圧回路20の制御の一例を示す図である。
図3(a)は、除電スイッチSWDCの切り替えの状態を示す図である。
図3(b)は、印加スイッチSWCの切り替えの状態を示す図である。
制御部14は、時刻t0に、供給電位制御信号PS1を高電圧回路20に対して出力する。高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PS1を取得すると、除電スイッチSWDCをOFFにする。高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PS1を取得すると、印加スイッチSWCをONにする。冷却液Rに電圧を印加された冷却槽1内は、第1状態である。
制御部14は、時刻t1に、供給電位制御信号PS2を高電圧回路20に対して出力する。高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PS2を取得すると、除電スイッチSWDCをONにする。高電圧回路20は、制御部14から供給電位制御信号PS2を取得すると、印加スイッチSWCをOFFにする。冷却液Rを除電された冷却槽1内は、第2状態である。
制御部14は、時刻t2に、供給電位制御信号PS1を高電圧回路20に対して出力する。制御部14は、時刻t3に、供給電位制御信号PS2を高電圧回路20に対して出力する。制御部14は、第1状態と、第2状態とを所定の周波数によって切り替える。
図4は、冷却液Rに与えられる電位の変化の一例を示す図である。
図4に示すグラフは、縦軸に冷却液Rの電位及び横軸に時刻を示す。
時刻t0に、冷却液Rは、第1電極12から第1の電位IVが与えられる。第1の電位IVとは、冷却液Rの絶縁耐力と対応する絶縁電圧REVよりも高い電圧である。また、第1の電位IVとは、冷却槽1の絶縁性を有する部材の絶縁耐力と対応する絶縁電圧WVEよりも低い電圧である。
電位時刻t1に、冷却液Rは、第2電極13から第2の電位SVが与えられる。第2の電位SVは、第1の電位IVよりも低い電圧である。上述したように、この一例では、第2の電位SVとは、グランドレベルの電位である。
制御部14は、第1の電位IVと、第2の電位SVとを、所定の周波数によって切り替える。
なお、上述した説明では、制御部14は、冷却槽1内の冷却液Rが第1の電位IVに到達直後に第2の電位SVに切り替える場合について説明した。制御部14は、冷却槽1内の冷却液Rの電位を、第1状態に到達直後に第2の電位SVに切り替えず、維持してもよい。
図2に戻り、制御部14は、蓋駆動部19に対して蓋駆動信号LSを出力する。蓋駆動部19は、制御部14から蓋駆動信号LSを取得する。蓋駆動信号LSを取得した蓋駆動部19は、蓋11を開駆動する。制御部14は、カーゴ駆動部15に対してカーゴ制御信号CSを出力する。カーゴ駆動部15は、制御部14からカーゴ制御信号CSを取得する。カーゴ制御信号CSを取得したカーゴ駆動部15は、カーゴ16を上昇駆動する。カーゴ16に載せられた冷却対象FOは、冷却液Rから取り出される(ステップS160)。
[冷却装置100のまとめ]
以上説明したように、冷却装置100は、制御部14と、高電圧回路20と、第1電極12と、第2電極13とを備える。第1電極12は、冷却槽1内の冷却液Rに、第1の電位IVを与える。第2電極13は、冷却槽1内の冷却液Rに、第1の電位IVよりも低い第2の電位SVを与える。制御部14は、冷却液Rに与えられる電圧を切り替える。冷却液Rの電位が、第1の電位IVと、第2の電位SVとに切り替えられることにより、冷却液Rに浸漬される冷却対象FOは、エマルジョン結合状態が解除されずに凍結する。冷却装置100によって凍結された冷却対象FOは、エマルジョン結合状態が解除されずに凍結するため、水分子とタンパク質分子及び油分子等の様々な分子とが分離せず、解凍後に風味や食感が損なわれない。
冷却装置100によって凍結された冷却対象FOは、エマルジョン結合状態が解除されないため、エマルジョン結合状態が解除される場合と比べて、水分の結晶が成長しにくい。冷却装置100によって凍結された冷却対象FOは、水分の結晶が成長しくいため、冷却対象FOの細胞が傷つけられず、より食感が損なわれない。つまり、冷却装置100は、従来の冷却装置では凍結すると風味や食感が損なわれるために凍結に適さないとされた食品を、風味を損なわずに凍結することができる。
また、冷却液Rの電位が、第1の電位IVと、第2の電位SVとに切り替えられることにより、冷却液Rに浸漬される冷却対象FOは、冷却対象FOの中心部と、冷却対象FOの冷却液Rに面する外側部との熱交換が促進される。熱交換が促進されることにより、冷却対象FOは、中心部と外側部との凍結状態の差を抑えることができる。冷却対象FOの中心部と外側部との凍結状態の差が抑えられることにより、冷却対象FOは、水分の結晶化が促進される”0”(℃)から”−10”(℃)の温度帯にある時間を短くすることができる。
冷却装置100は、絶縁性を有する部材から形成される冷却槽1を備える。冷却槽1は、電気的に密封することができるため、電気的に密封されない場合と比較して、冷却液Rに高い電圧をかけることができる。冷却装置100は、高い電圧がかけられた場合であっても、冷却槽1が電気的に密封されているため安全である。
なお、上述した説明では、絶縁性を有する部材がポリアセタールの場合について説明したが、これに限られない。高電圧回路20が印加する電圧よりも高い絶縁耐力を有する素材且つ、冷却対象FOを冷却する温度に耐える素材であればよい。
また、第1電極12及び第2電極13は、同一の電極であってもよい。第1電極12及び第2電極13が同一の電極である場合には、高電圧回路20は、電源POWから供給される電圧と、グランドレベルとを切り替えるスイッチを備える。高電圧回路20は、供給電位制御信号PSに基づいて、冷却槽1内の第1の状態と、第2の状態とを切り替える。
上述した説明では、冷却対象FOを冷却液Rに浸漬する前に、冷却液Rを冷却する場合について説明したが、冷却液Rを冷却するタイミングはこれに限られない。ポンプ17と、冷却槽1内とが電気的に密封された状態で接続される場合には、冷却槽1内が第1の状態及び第2の状態が切り替えられている間に、冷却液Rが冷却されてもよい。この場合には、冷却装置100は、冷却対象FOと冷却液Rとの熱交換により温度が上昇した冷却液Rを冷ますことができ、短い時間で冷却対象FOを冷却することができる。
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
なお、上述の冷却装置100は内部にコンピュータを有している。そして、上述した装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1…冷却槽、10…槽、11…蓋、12…第1電極、13…第2電極、14…制御部、15…カーゴ駆動部、16…カーゴ、17…ポンプ、18…熱交換器、19…蓋駆動部、20…高電圧回路、100…冷却装置、FO…冷却対象、R…冷却液

Claims (8)

  1. 冷却液によって冷却対象を冷却する冷却槽と、
    前記冷却槽内の前記冷却液に、前記冷却液の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも高い電圧であり、前記冷却槽の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも低い電圧である第1の電位を与える第1電極と、
    前記冷却対象を挟み前記第1電極と対向する位置に配置され、前記冷却槽内の前記冷却液に前記第1の電位よりも低い第2の電位を与える第2電極と、
    前記第1電極が前記第1の電位を前記冷却液に与える第1状態と前記第2電極が前記第2の電位を前記冷却液に与える第2状態とによって前記冷却液に与えられる電位を切り替える制御部と
    を備える冷却装置。
  2. 前記冷却液に印加される電圧を供給する直流電源と、
    前記直流電源の正極端子に一端が接続され、前記第1電極に他端が接続され、前記直流電源の正極端子と前記第1電極との間の導通状態を切り替える第1スイッチと、
    前記直流電源の負極端子に一端が接続され、前記第2電極に他端が接続され、前記直流電源の負極端子と前記第2電極との間の導通状態を切り替える第2スイッチと
    を更に備え、
    前記冷却槽は、絶縁性を有する部材から形成され、
    前記制御部は、前記第1スイッチを導通状態に制御することにより前記第1状態に制御し、前記第2スイッチを導通状態に制御することにより前記第2状態に制御する
    請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記制御部は、前記第1スイッチと前記第2スイッチとを排他的に導通状態に制御する
    請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記制御部は、前記第1状態と前記第2状態とを1秒間に1回から10回切り替える
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷却装置。
  5. 前記冷却槽内の前記冷却液を冷却する冷却部を更に備える
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷却装置。
  6. 前記制御部は、
    前記第1状態と、前記第2状態とを所定の周波数によって切り替える
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷却装置。
  7. コンピュータに、
    絶縁性を有する部材から形成され冷却液によって冷却対象を冷却する冷却槽から前記冷却液を吸い上げ、吸い上げられた前記冷却液を冷却し、冷却された前記冷却液を前記冷却槽に戻す冷却ステップと、
    前記冷却槽内に備えられた第1電極に電圧を印加することにより、前記冷却液の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも高い電圧であり、前記冷却槽の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも低い電圧である第1の電位を、前記冷却液に与える第1電位印加ステップと
    前記冷却槽内に備えられた第2電極に電圧を印加することにより、前記冷却液に前記第1の電位よりも低い第2の電位を与える第2電位印加ステップと
    前記第1電位印加ステップ前記第2電位印加ステップを所定の周波数により繰り返すことによって前記冷却液に与えられる電位を切り替える制御ステップと
    を実行させるための冷却プログラム。
  8. 絶縁性を有する部材から形成され冷却液によって冷却対象を冷却する冷却槽から前記冷却液を吸い上げ、吸い上げられた前記冷却液を冷却し、冷却された前記冷却液を前記冷却槽に戻す冷却工程と、
    前記冷却槽内に備えられた第1電極に電圧を印加することにより、前記冷却液の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも高い電圧であり、前記冷却槽の絶縁耐力と対応する絶縁電圧よりも低い電圧である第1の電位を、前記冷却液に与える第1電位印加工程と
    前記冷却槽内に備えられた第2電極に電圧を印加することにより、前記冷却液に前記第1の電位よりも低い第2の電位を与える第2電位印加工程と
    前記第1電位印加工程前記第2電位印加工程を所定の周波数により繰り返すことによって前記冷却液に与えられる電位を切り替える制御工程
    によって製造された前記冷却対象の凍結品の製造方法。
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