JP6787732B2 - 制御装置、それを備えた電力システム、及び制御方法並びに制御プログラム - Google Patents
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Description
PCSを多並列に設置して運用している環境において、電力系統に異常があった場合の電力システムの自立運転では、PCSの技術的制約により同一母線における自立運転が可能なPCSの台数が比較的少数な台数に制限される。したがい、自立運転時のPCSの台数が制限されると母線に多並列に接続して母線から負荷へと供給される電力が制限されるため、この電力を使用できる負荷の容量も制限されることになる。また負荷の容量制限を解消するために、負荷を母線に対して適宜分散させて、各負荷への母線をPCSによる系統を負荷毎に分離独立させる負荷分散化も検討されるが、切替えシステムが複雑で高価になり好ましくない。
下記特許文献1は、停電を検出した場合に、蓄電池のパワーコンディショナを連系運転から自立運転に切り替え、自立運転しているパワーコンディショナに対して、太陽電池のパワーコンディショナが連系運転することにより、負荷群への電力供給を再開させる技術が記載されている。
従来、自立運転するPCSの出力制御において、負荷容量を考慮することがあっても、電池性能は考慮していなかったため、電池の性能劣化等の性能変化があるものは負荷変動調整能力が追い付かない場合に、システムの停止を防ぐことはできなかった。
本発明は、直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御装置であって、前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する選定手段と、前記選定手段により選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する目標決定手段を備え、決定された前記目標値に基づいて、前記電力変換手段を自立運転させる自立運転制御手段と、自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる連系運転制御手段とを具備する電力システムの制御装置を提供する。
なお、直流電力出力手段の性能変化とは、例えば、出力変化指令を含む所定の電流電圧を連続して出力するに当たっての初期性能と比較した現在の変化の程度を示す。
また、電力変換手段の運転可能容量に対して、負荷変動に応じて設定される1以下の係数を乗算することにより、前記電力変換手段が負荷変動に耐えることができる。
以下特に明記しない場合には、直流電力出力部A1、A2、・・・Anは、直流電力出力部Aとし、PCS1、PCS2、・・・PCSnはPCSと示す。
PCS1、PCS2、・・・PCSnは、複数の直流電力出力部A1、A2、・・・Anにそれぞれ対応して設けられており、対応する直流電力出力部Aと電力系統4との間に接続されている。
PCSは、直流電力出力部A側から放電された直流電力を交流電力に変換し、電力系統4側に送電する。また、直流電力出力部Aが二次電池の場合には、PCSと直流電力出力部Aとの間には図示しない充放電装置が設置される。この際にPCSは、電力系統4から取得した交流電力を直流電力に変換し、図示しない充放電装置を経由して直流電力出力部A側に出力することも可能なように双方向変換機能を有するか、各方向の電力変換機能を備えるPCSを並列に設置して切替えて使用できるようになっている。
負荷5には、電流計測部6が接続されている。電流計測部6は、例えば、センサであり、負荷5に流れる電流値を計測し、計測値を算出部28(図2参照。後述する)に出力させるようになっている。
PCS重み付け設定部20は、各PCSの容量と、直流電力出力部Aの性能劣化等の性能変化を所定の評価手段で数値化した変化度(劣化度)とに基づいて、PCSの運転可能容量を算出し、算出された運転可能容量に応じてPCSの順位付けをし、順位に基づいて自立運転させるPCSを選定する。本実施形態は性能変化を性能劣化として説明する。
性能変化である性能劣化とは、例えば、出力変化指令を含む所定の電流電圧を連続して出力するに当たっての初期性能と比較した現在の劣化の程度を示す。具体例としては電極が劣化してOCV(open circuit voltage:開放電圧)が初期状態に対して下がる等の状態になり、所定電圧を出力した際の電流低下が生じる等、初期性能に対して現在値が低下している程度のことをいう。
具体的には、PCS重み付け設定部20は、選定部(選定手段)21と、自立運転制御部(自立運転制御手段)22とを備えている。
図3では、各PCSの電力出力として、PCS1の出力容量をP1、PCS2の出力容量をP2、・・・PCSnの出力容量をPnと示す。PCSの出力容量とは、各PCSにそれぞれ接続される直流電力出力部Aの総合計容量であり、理論的に出力可能な容量である。
選定部21は、直流電力出力部A1からPCS1へ実際に出力可能な容量である有効な直流電力出力部Aの容量を、少なくとも1つのPCSを自立運転させるPCSの選定に勘案する。
電池の故障やメンテナンス等の事情により、複数の直流電力出力部Aのうち一部(例えば、チョッパ42eに対応する直流電力出力部)が減台運転している等の無効な直流電力出力部Aが含まれる場合には、減台後の残りの直流電力出力部(例えば、チョッパ42a〜42dに対応する直流電力出力部)である有効な直流電力出力部Aの容量を勘案する。
有効な直流電力出力部Aの容量が大きいほど、対応するPCSは負荷変動吸収能力が高くなるので、有効な直流電力出力部の容量を勘案することにより電力システムの安定性が向上する。
本実施形態においては、PCSがチョッパ42a〜42eを設ける場合として説明しているが、本発明はこれに限定せず、チョッパが設けられていない構成であってもよい。
他のPCSについても同様にそれぞれ運転可能容量P2´、P3´、・・Pn´を算出する。
選定部21は、PCSの運転可能容量P1´、P2´、・・・Pn´を算出後、自立運転させるPCSを決定するための判定基準に基づき、判定を行う。例えば、図3では、比較部C1、C2、・・・Cnにおいて、運転可能容量が大きいものを順に判定しており、最も大きい運転可能容量がPCS1の運転可能容量P1´であることが示されている。
このように、選定部21は、PCSの運転可能容量に重み付けを設定するとともに、自立運転させるPCSと連系運転させるPCSとを選定する。以下、自立運転させるPCSは自立機PCS、連系運転させるPCSは連系機PCSともいう。
例えば、増加量及び減少量が同等くらい変動すると予想される負荷変動、もしくは予測が難しい負荷変動に対応するために第3係数を1/2(=0.5)とする場合には、目標値はPCSの運転可能容量に1/2(=0.5)を乗算して算出するが、第3係数の数値は特に限定されない。増加量が多い負荷変動の場合は、第3係数を小さく、例えば0.1等に設定してもよく、減少量が多い負荷変動の場合は、第3係数を大きく、例えば0.9等に設定してもよい。目標値は、負荷5の変動に伴う出力変動の吸収に対応可能にするための目標値であるため、第3係数は0から1以下の値で実際の運用やシミュレーション結果等に則して適宜決定される。負荷5の変動パターンが事前に推定(把握)できる場合には、目標値は負荷5の変動パターンに応じて変更可能とする。
連系機出力制御部26は、自立運転させるPCSとして選定されたPCS以外の他のPCSに対し、PCS重み付け設定部20で算出されたPCSの運転可能容量及び重み付け値に基づいて出力指令値を決定し、出力する。具体的には、連系機出力制御部26は、連系運転制御部(連系運転制御手段)27と、算出部(算出手段)28とを備えている。
算出部28は、電流計測部6から取得した負荷5に流れる電流値がフィードバックされ、電流値の情報に基づいて実負荷容量P0を算出する。本実施形態では、実負荷容量P0に対して、移動平均や遅れフィルタリング等の処理を行い、時系列変化をなだらかにしている。
連系運転制御部27は、自立運転させるPCS以外の他のPCSを、自立運転させるPCSに連系運転させる。
連系運転制御部27は、フィルタリング後の実負荷容量P0と、自立運転させるPCSの目標値P1´´との差を、連系運転させる全てのPCSの総出力P0´とする。連系運転制御部27は、連系運転させる各PCSに対応する直流電力出力部Aの性能劣化に基づいて、総出力に対する出力比率を決定し、決定した出力比率に基づいて各PCSに出力指令を出力する。
通常時は、図1の切替部9が接続状態とされており、制御装置10から各PCSに対して、所定の出力指令値が出力されており、PCS1、PCS2、・・・PCSnがそれぞれ電力系統4に連系している。
電力システム1が起動されると制御フローが開始され、各PCS1、PCS2、・・・PCSnの運転可能容量が算出される(図7のステップSA1)。各PCS1、PCS2、・・・PCSnの運転可能容量が比較され、所定の判定に基づいて自立機PCSが選定される(図7のステップSA2)。ここでは、運転可能容量が最も大きいPCSが自立機PCSとされることとし、PCS1が選定される。
系統異常を検出した場合には、電力システム1と電力系統4との接続非接続を切り替える切替部9を切り離し(図8参照)、母線7と電力系統4の接続が切り離された場合に、制御装置10から自立機PCSとして選定されたPCS1に自立運転指令が出力され、自立機PCSが自立運転される。自立機PCSとして選定されなかった連系機PCSであるPCS2からPCSnは、自立機PCSに対して連系運転が継続される(図7のステップSA4)。
また、連系機PCSは、対応する直流電力出力部Aの性能劣化を勘案した出力比率を決定し、出力比率に応じて出力が制御される。これにより、性能劣化が進んでいないものからより出力させ、性能劣化が進んでいるものは性能劣化が進んでいないものより出力を抑えるといった制御をすることで、電池の劣化進行等の変化を抑制できるので電力システム1としての寿命を延ばすことができる。
このように、直流電力出力部A1、A2、・・・Anの性能劣化に基づいて自立運転させるPCSを選定するので、複数の直流電力出力部A1、A2、・・・Anのうち性能劣化が少ないものを自立運転させるPCSとして選定すれば、自立運転時に負荷5の変動が生じた場合であっても負荷変動吸収能力が大きいことにより電力システム1の安定性が向上する。
自立運転制御部22は、PCSの出力可能容量に対し、予想される負荷変動に応じて設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させるPCSの目標値を決定することにより、PCSが、推定される負荷5の変動に対応できる。
連系運転させるPCSの総出力を、対応する直流電力出力部Aの性能劣化に基づいて決定された出力比率で分配するので、劣化度合いの低いものほど出力割合を高くさせることができ、劣化度合いが高いものに出力割合を高くする場合と比較して、劣化度合いが高い電池の劣化進行等の変化を抑制できるので電力システム1としての寿命が延びる。
上記実施形態においては、選定部21が、最も大きい運転可能容量を有するPCSを自立運転させるPCSとして選定することとして説明していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、比較部C1、C2、・・・CnにおいてPCSが所定の運転可能容量以上か否かを判定し、所定の運転可能容量以上となるPCSを複数選定してもよいし、各PCSの運転可能容量を運転可能容量の大きい順に順位付けし、該順序のうち上位所定数(複数)のPCSを自立運転させるPCSとして選定し、各PCS間を同期させて運転させてもよい。
このように、自立運転させる自立機PCSを複数設けてもよく、PCSがn個設けられている場合には、自立機PCSになり得るPCSは、(n−1)個まで設定することができる。
4 電力系統
5 負荷
6 電流計測部
10 制御装置
21 選定部(選定手段)
22 自立運転制御部(自立運転制御手段)
27 連系運転制御部(連系運転制御手段)
28 算出部(算出手段)
31 目標決定部(目標決定手段)
A1,A2,・・・An 直流電力出力部(直流電力出力手段)
PCS1、PCS2、・・・PCSn パワーコンディショナ(電力変換器)
Claims (6)
- 直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御装置であって、
前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する選定手段と、
前記選定手段により選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する目標決定手段を備え、決定された前記目標値に基づいて、前記電力変換手段を自立運転させる自立運転制御手段と、
自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる連系運転制御手段と
を具備する電力システムの制御装置。 - 前記選定手段は、前記直流電力出力手段から前記電力変換手段へ実際に出力可能な容量である有効な前記直流電力出力手段の容量を、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段の選定に勘案する請求項1に記載の電力システムの制御装置。
- 前記負荷に流れる電流値に基づいて実負荷容量を算出する算出手段を備え、
前記連系運転制御手段は、前記実負荷容量と、自立運転させる前記電力変換手段の前記目標値との差を連系運転させる全ての前記電力変換手段の総出力とし、連系運転させる各前記電力変換手段に対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、前記総出力に対する出力比率を決定し、決定した前記出力比率に基づいて連系運転させる各前記電力変換手段に出力指令を出力する請求項1に記載の電力システムの制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の電力システムの制御装置と、
前記直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、
各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を前記交流電力に変換し、前記母線に接続される電力変換手段と
を備える電力システム。 - 直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御方法であって、
前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する工程と、
選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する工程と、
決定された前記目標値に基づいて、選定された前記電力変換手段を自立運転させる工程と、
自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる工程と
を有する電力システムの制御方法。 - 直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御プログラムであって、
前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する処理と、
選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する処理と、
決定された前記目標値に基づいて、選定された前記電力変換手段を自立運転させる処理と、
自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる処理と
をコンピュータに実行させるための電力システムの制御プログラム。
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