JP6787732B2 - 制御装置、それを備えた電力システム、及び制御方法並びに制御プログラム - Google Patents

制御装置、それを備えた電力システム、及び制御方法並びに制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、制御装置、それを備えた電力システム、及び制御方法並びに制御プログラムに関するものである。
例えば、燃料電池や太陽電池等による直流電力を交流電力に変更して使用する電力システムにおいて、数MWから数十MW規模となる電力システム出力の大型化や、直流側を複数の電池モジュールで構成するにあたって個々の燃料電池モジュール出力の大型化の実質的な限界等により、電力システムは非常に多数の電池モジュールにより構成されることになる。このため個々もしくは複数で構成した電池モジュールに対してパワーコンディショナ(Power Conditioning Subsystem:以下「PCS」という)を設置し、このPCSを多並列に設置して電力システムの出力とする構成が採用されている。
PCSを多並列に設置して運用している環境において、電力系統に異常があった場合の電力システムの自立運転では、PCSの技術的制約により同一母線における自立運転が可能なPCSの台数が比較的少数な台数に制限される。したがい、自立運転時のPCSの台数が制限されると母線に多並列に接続して母線から負荷へと供給される電力が制限されるため、この電力を使用できる負荷の容量も制限されることになる。また負荷の容量制限を解消するために、負荷を母線に対して適宜分散させて、各負荷への母線をPCSによる系統を負荷毎に分離独立させる負荷分散化も検討されるが、切替えシステムが複雑で高価になり好ましくない。
そのため、自立運転時には代表機となるPCSが自立運転を行い、自立運転をしていない他のPCSが自立運転をしているPCSに連系するシステムが提案されている。
下記特許文献1は、停電を検出した場合に、蓄電池のパワーコンディショナを連系運転から自立運転に切り替え、自立運転しているパワーコンディショナに対して、太陽電池のパワーコンディショナが連系運転することにより、負荷群への電力供給を再開させる技術が記載されている。
特開2016−96661号公報
ところで、代表機となるPCSが自立運転をする場合には、自立運転となるPCSが、電流制御から電圧制御となるので、電流は制御対象でなくなり負荷の要求に応じた電流を供給するので、前述の負荷の分散化や負荷容量の制限という課題は一応なくなる。しかしながら、実運用においてシステムの運用中に負荷容量の変動がある。この負荷変動の場合には、自立運転しているPCSが負荷変動を吸収することになるが、自立運転しているPCSの負荷変動調整能力は限られているため、自立運転しているPCSの負荷変動調整能力以上の電流が負荷から要求されると、自立運転しているPCSの電圧が下がり、結果としてシステムが停止してしまう場合がある。
こうしたPCSの負荷変動調整能力は、PCSに対応する電池モジュールの発電容量変化能力に依存するので、電池モジュールの状態が影響されやすい。電池モジュールの状態の一因となるものとして、電池モジュールを構成する電池の性能劣化等の性能変化が生じている場合には、自立運転時の負荷変動調整能力が電池の性能変化前より低減するので、システム停止に繋がりやすいという問題がある。
従来、自立運転するPCSの出力制御において、負荷容量を考慮することがあっても、電池性能は考慮していなかったため、電池の性能劣化等の性能変化があるものは負荷変動調整能力が追い付かない場合に、システムの停止を防ぐことはできなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電池の性能変化を勘案し、電力システムの停止を抑制することができる制御装置、それを備えた電力システム、及び制御方法並びに制御プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御装置であって、前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する選定手段と、前記選定手段により選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する目標決定手段を備え、決定された前記目標値に基づいて、前記電力変換手段を自立運転させる自立運転制御手段と、自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる連系運転制御手段とを具備する電力システムの制御装置を提供する。
本発明の構成によれば、直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、直流電力出力手段に対応付けて設けられる電力変換手段とが電力系統に連系され、負荷に電力供給する電力システムの制御装置において、直流電力出力手段の性能変化に基づいて、複数の電力変換手段のうち少なくとも1つの電力変換手段が自立運転させる電力変換手段として選定され、選定された電力変換手段を自立運転させ、自立運転させる電力変換手段以外の他の電力変換手段は、選定され自立運転させた電力変換手段に対して連系運転させる。
このように、直流電力出力手段の性能変化に基づいて自立運転させる電力変換手段を選定するので、複数の直流電力出力手段のうち性能変化が少ないものを自立運転させる電力変換手段として選定すれば、自立運転時に負荷の変動が生じた場合であっても負荷変動吸収能力が大きいことにより電力システムの安定性が向上する。直流電力出力手段とは、例えば、燃料電池、太陽電池、二次電池等である。
なお、直流電力出力手段の性能変化とは、例えば、出力変化指令を含む所定の電流電圧を連続して出力するに当たっての初期性能と比較した現在の変化の程度を示す。
また、電力変換手段の運転可能容量に対して、負荷変動に応じて設定される1以下の係数を乗算することにより、前記電力変換手段が負荷変動に耐えることができる。
上記電力システムの制御装置の前記選定手段は、前記直流電力出力手段から前記電力変換手段へ実際に出力可能な容量である有効な前記直流電力出力手段の容量を、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段の選定に勘案してもよい。
故障やメンテナンス等の事情により、複数の直流電力出力手段のうち一部減台運転している等の無効な直流電力出力手段が含まれる場合に、減台後の残りの直流電力出力手段である有効な直流電力出力手段の容量を勘案する。有効な直流電力出力手段の容量が大きいほど、対応する電力変換手段は負荷変動吸収能力が高くなり、電力システムの安定性が向上する。
上記電力システムの制御装置は、前記負荷に流れる電流値に基づいて実負荷容量を算出する算出手段を備え、前記連系運転制御手段は、前記実負荷容量と、自立運転させる前記電力変換手段の前記目標値との差を連系運転させる全ての前記電力変換手段の総出力とし、連系運転させる各前記電力変換手段に対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、前記総出力に対する出力比率を決定し、決定した前記出力比率に基づいて連系運転させる各前記電力変換手段に出力指令を出力してもよい。
連系運転させる電力変換手段の総出力を、対応する直流電力出力手段の性能変化に基づいて決定された出力比率で分配するので、変化度合いの低いものほど出力割合を高くさせることができ、変化度合いが高いものに出力割合を高くさせてしまう場合と比較して、電池の劣化進行等の変化を抑制できるので電力システムとしての寿命が延びる。
本発明は、上記いずれかに記載の電力システムの制御装置と、前記直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段と前記電力系統との間に接続される電力変換手段とを備える電力システムを提供する。
本発明は、直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御方法であって、前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する工程と、選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する工程と、決定された前記目標値に基づいて、選定された前記電力変換手段を自立運転させる工程と、自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる工程とを有する電力システムの制御方法を提供する。
本発明は、直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御プログラムであって、前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する処理と、選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する処理と、決定された前記目標値に基づいて、選定された前記電力変換手段を自立運転させる処理と、自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる処理とをコンピュータに実行させるための電力システムの制御プログラムを提供する。
本発明は、電池の性能変化を勘案し、電力システムの停止を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る電力システムの概略構成を示している。 本発明の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図を示している。 本発明の実施形態に係る選定部の構成を示す機能ブロック図を示している。 本発明の実施形態に係るパワーコンディショナの図の一例である。 本発明の実施形態に係る連系機出力制御部の機能ブロック図である。 負荷容量の時間変化を示した図の一例である。 本発明の実施形態に係る電力システムの制御装置の制御フローである。 本発明の実施形態に係る電力システムが電力系統から切り離された場合を示した図の一例を示している。
以下に、本発明にかかる制御装置、それを備えた電力システム、及び制御方法並びに制御プログラムの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電力システム1の概略構成を示した図である。図1に示されるように、電力システム1は、切替部9を介して電力系統4と接続されており、母線7を介して負荷5に電力供給するものである。また、電力システム1は、n個の直流電力出力部(直流電力出力手段)A1、A2、・・・Anと、各直流電力出力部A1、A2、・・・Anにそれぞれ対応するn個のパワーコンディショナ(電力変換器:以下「PCS」という)、PCS、・・・PCSとが母線7に並列に接続され、制御装置10を備えている。また、電力システム1は、母線7に接続した切替部9を非接続状態にすると電力系統4と切り離しされ、切替部9を接続状態にすると電力系統4に連系される。
以下特に明記しない場合には、直流電力出力部A1、A2、・・・Anは、直流電力出力部Aとし、PCS、PCS、・・・PCSはPCSと示す。
直流電力出力部Aは、直流電力を出力するものであり、例えば、燃料電池、太陽電池、二次電池等であり、複数の電池をモジュール化して所定出力を得る。燃料電池は例えば、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)であり、太陽電池は例えば薄膜シリコン系太陽電池であり、二次電池は例えばリチウムイオン二次電池である。直流電力出力部Aの電力出力するものは、以降は単に「電池」と記載する。
PCS、PCS、・・・PCSは、複数の直流電力出力部A1、A2、・・・Anにそれぞれ対応して設けられており、対応する直流電力出力部Aと電力系統4との間に接続されている。
PCSは、直流電力出力部A側から放電された直流電力を交流電力に変換し、電力系統4側に送電する。また、直流電力出力部Aが二次電池の場合には、PCSと直流電力出力部Aとの間には図示しない充放電装置が設置される。この際にPCSは、電力系統4から取得した交流電力を直流電力に変換し、図示しない充放電装置を経由して直流電力出力部A側に出力することも可能なように双方向変換機能を有するか、各方向の電力変換機能を備えるPCSを並列に設置して切替えて使用できるようになっている。
負荷5には、電流計測部6が接続されている。電流計測部6は、例えば、センサであり、負荷5に流れる電流値を計測し、計測値を算出部28(図2参照。後述する)に出力させるようになっている。
制御装置10は、例えば、図示しないCPU(中央演算装置)、RAM(Random Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。なお、図1においては、電力系統が実線で記載され、制御信号が破線で記載されている。
具体的には、図2に示されるように、制御装置10は、PCS重み付け設定部20と、連系機出力制御部26とを備えている。
PCS重み付け設定部20は、各PCSの容量と、直流電力出力部Aの性能劣化等の性能変化を所定の評価手段で数値化した変化度(劣化度)とに基づいて、PCSの運転可能容量を算出し、算出された運転可能容量に応じてPCSの順位付けをし、順位に基づいて自立運転させるPCSを選定する。本実施形態は性能変化を性能劣化として説明する。
性能変化である性能劣化とは、例えば、出力変化指令を含む所定の電流電圧を連続して出力するに当たっての初期性能と比較した現在の劣化の程度を示す。具体例としては電極が劣化してOCV(open circuit voltage:開放電圧)が初期状態に対して下がる等の状態になり、所定電圧を出力した際の電流低下が生じる等、初期性能に対して現在値が低下している程度のことをいう。
具体的には、PCS重み付け設定部20は、選定部(選定手段)21と、自立運転制御部(自立運転制御手段)22とを備えている。
図3には、選定部21の構成を示す機能ブロック図を示している。
図3では、各PCSの電力出力として、PCSの出力容量をP1、PCSの出力容量をP2、・・・PCSの出力容量をPnと示す。PCSの出力容量とは、各PCSにそれぞれ接続される直流電力出力部Aの総合計容量であり、理論的に出力可能な容量である。
選定部21は、直流電力出力部A1からPCSへ実際に出力可能な容量である有効な直流電力出力部Aの容量を、少なくとも1つのPCSを自立運転させるPCSの選定に勘案する。
「有効な直流電力出力部Aの容量」について、図4を用いて説明する。本実施形態では図4に示されるように、PCSが、インバータ41と複数のチョッパ(DC−DCコンバータ)42a〜42eとを備え、各チョッパ42に対応してそれぞれ直流電力出力部Aが設けられる構成である場合を仮設定して説明する。
電池の故障やメンテナンス等の事情により、複数の直流電力出力部Aのうち一部(例えば、チョッパ42eに対応する直流電力出力部)が減台運転している等の無効な直流電力出力部Aが含まれる場合には、減台後の残りの直流電力出力部(例えば、チョッパ42a〜42dに対応する直流電力出力部)である有効な直流電力出力部Aの容量を勘案する。
本実施形態においては、有効な直流電力出力部Aの数を有効なチョッパ数としている。PCSの出力容量に対し、有効なチョッパ数に基づく第1係数(例えば、図4に示した5台のチョッパ42a〜42eのうち、4台が有効とすれば、第1係数=4/5)を乗算する。つまり、有効な直流電力出力部Aの容量は、1つのPCSに接続される直流電力出力部A全体に対する使用できる直流電力出力部Aの比率とされ、0から1で示される第1係数により表される。
有効な直流電力出力部Aの容量が大きいほど、対応するPCSは負荷変動吸収能力が高くなるので、有効な直流電力出力部の容量を勘案することにより電力システムの安定性が向上する。
本実施形態においては、PCSがチョッパ42a〜42eを設ける場合として説明しているが、本発明はこれに限定せず、チョッパが設けられていない構成であってもよい。
また、選定部21は、複数のPCSのうち、対応する直流電力出力部Aの性能変化として本実施形態では性能劣化を勘案する。具体的には、PCSの出力容量P1に対し、対応する直流電力出力部Aの性能劣化の程度を数値化した第2係数(本実施形態では、劣化度)を乗算する。例えば、直流電力出力部Aは時間の経過に比例して性能が低下することに基づき、直流電力出力部Aの劣化度は、総運転時間数に応じて決定されてもよいし、直流電力出力部Aの入力エネルギーと電圧との関係に基づいて決定されてもよく、百分率等で示される。
このようにして、選定部21は、PCSの出力容量P1に対し、第1係数(有効チョッパ数)と、第2係数(直流電力出力部の劣化度)とを乗算し、PCSの運転可能容量P1´を算出する。
他のPCSについても同様にそれぞれ運転可能容量P2´、P3´、・・Pn´を算出する。
選定部21は、PCSの運転可能容量P1´、P2´、・・・Pn´を算出後、自立運転させるPCSを決定するための判定基準に基づき、判定を行う。例えば、図3では、比較部C1、C2、・・・Cnにおいて、運転可能容量が大きいものを順に判定しており、最も大きい運転可能容量がPCSの運転可能容量P1´であることが示されている。
また、選定部21は、最も大きい運転可能容量とされたPCSには最大である旨の重み付けをし、続いて、最も大きい運転可能容量とされたPCS以外の他のPCS、PCS、・・・PCSについて、運転可能容量の大きい順に順位付けし、該順位が重み付け値として設定される。
このように、選定部21は、PCSの運転可能容量に重み付けを設定するとともに、自立運転させるPCSと連系運転させるPCSとを選定する。以下、自立運転させるPCSは自立機PCS、連系運転させるPCSは連系機PCSともいう。
自立運転制御部22は、選定部21により選定されたPCSを自立運転させる。具体的には、自立運転制御部22は、選定部21により選定されたPCSの運転可能容量に対し、予想される負荷変動に応じて設定される第3係数を乗算し、自立運転させるPCSの目標値を決定する目標決定部31を備える。
例えば、増加量及び減少量が同等くらい変動すると予想される負荷変動、もしくは予測が難しい負荷変動に対応するために第3係数を1/2(=0.5)とする場合には、目標値はPCSの運転可能容量に1/2(=0.5)を乗算して算出するが、第3係数の数値は特に限定されない。増加量が多い負荷変動の場合は、第3係数を小さく、例えば0.1等に設定してもよく、減少量が多い負荷変動の場合は、第3係数を大きく、例えば0.9等に設定してもよい。目標値は、負荷5の変動に伴う出力変動の吸収に対応可能にするための目標値であるため、第3係数は0から1以下の値で実際の運用やシミュレーション結果等に則して適宜決定される。負荷5の変動パターンが事前に推定(把握)できる場合には、目標値は負荷5の変動パターンに応じて変更可能とする。
図5には、連系機出力制御部26の機能ブロック図が示されている。
連系機出力制御部26は、自立運転させるPCSとして選定されたPCS以外の他のPCSに対し、PCS重み付け設定部20で算出されたPCSの運転可能容量及び重み付け値に基づいて出力指令値を決定し、出力する。具体的には、連系機出力制御部26は、連系運転制御部(連系運転制御手段)27と、算出部(算出手段)28とを備えている。
算出部28は、電流計測部6から取得した負荷5に流れる電流値がフィードバックされ、電流値の情報に基づいて実負荷容量P0を算出する。本実施形態では、実負荷容量P0に対して、移動平均や遅れフィルタリング等の処理を行い、時系列変化をなだらかにしている。
連系運転制御部27は、自立運転させるPCS以外の他のPCSを、自立運転させるPCSに連系運転させる。
自立運転させるPCSの運転可能容量(図5では、PCSの運転可能容量P1´)に第3係数(例えば、前述のように0.5)を乗算して、自立運転させるPCSの目標値P1´´を算出する。
連系運転制御部27は、フィルタリング後の実負荷容量P0と、自立運転させるPCSの目標値P1´´との差を、連系運転させる全てのPCSの総出力P0´とする。連系運転制御部27は、連系運転させる各PCSに対応する直流電力出力部Aの性能劣化に基づいて、総出力に対する出力比率を決定し、決定した出力比率に基づいて各PCSに出力指令を出力する。
本実施形態においては、性能劣化と有効な直流電力出力部Aの容量とを勘案して求めた各PCSの運転可能容量に応じて、連系運転させる各PCSに出力比率を与える。つまり、各PCSの出力比率は、それぞれの運転可能容量P2´、P3´、・・・Pn´の総和に対するそれぞれの運転可能容量P2´、P3´、・・・Pn´で決定される。具体的には、連系運転させるPCS2の目標値P2´´、PCS3の目標値P3´´、・・・PCSnの目標値Pn´´は、以下の式で算出される。
Figure 0006787732
図6は、実負荷容量P0の変動と、自立機PCSの運転可能容量P1´の理想的な出力範囲、すなわち、理想的な負荷変動の吸収可能容量を示している。矢印Xで示される範囲内に自立機の運転可能容量が収まるように第3係数を設定する。そのため、図6のP0´で示されるラインより下側の斜線領域が、自立運転させるPCS以外の他のPCSが連系運転する場合の連系機PCSの総出力となる。
以下に、本実施形態に係る電力システム1の制御装置10の作用について図1、図7及び図8を用いて説明する。ここでは、PCSが自立機PCSとして選定され、PCSからPCSが連系機PCSとされる場合を一例として説明するが、これに限定されない。
通常時は、図1の切替部9が接続状態とされており、制御装置10から各PCSに対して、所定の出力指令値が出力されており、PCS、PCS、・・・PCSがそれぞれ電力系統4に連系している。
電力システム1が起動されると制御フローが開始され、各PCS、PCS、・・・PCSの運転可能容量が算出される(図7のステップSA1)。各PCS、PCS、・・・PCSの運転可能容量が比較され、所定の判定に基づいて自立機PCSが選定される(図7のステップSA2)。ここでは、運転可能容量が最も大きいPCSが自立機PCSとされることとし、PCSが選定される。
電力系統4の電圧が所定電圧閾値より小さくなる低電圧事象や、系統電圧の周波数・位相等の系統異常を検出したか否かが判定される(図7のステップSA3)。系統異常を検出していなければ、図7のステップSA1に戻り、各PCSの運転可能容量の算出を繰り返す。
系統異常を検出した場合には、電力システム1と電力系統4との接続非接続を切り替える切替部9を切り離し(図8参照)、母線7と電力系統4の接続が切り離された場合に、制御装置10から自立機PCSとして選定されたPCSに自立運転指令が出力され、自立機PCSが自立運転される。自立機PCSとして選定されなかった連系機PCSであるPCSからPCSは、自立機PCSに対して連系運転が継続される(図7のステップSA4)。
PCSの運転可能容量の値と、現在負荷5に流れる電流値から算出される実負荷容量とに基づいて、連系機PCSとして運転されるPCSからPCSのそれぞれのPCSの出力指令値が算出される(図7のステップSA5)。算出された出力指令値は連系機PCSであるPCSからPCSのそれぞれに出力され、連系運転されるPCSの出力調整がされる(図7のステップSA6)。これにより、自立機PCS(PCS)が生成した電圧に、連系機PCS(PCSからPCS)が連系する。
負荷5が変動するような場合には、自立機PCSであるPCSで負荷変動を吸収するが、本実施形態においては、自立機PCSを選定する際に、複数のPCSのうち最も運転可能容量の大きなものを選定したので、可及的に負荷変動を吸収でき、電力システム1の安定性を向上させることができる。
また、連系機PCSは、対応する直流電力出力部Aの性能劣化を勘案した出力比率を決定し、出力比率に応じて出力が制御される。これにより、性能劣化が進んでいないものからより出力させ、性能劣化が進んでいるものは性能劣化が進んでいないものより出力を抑えるといった制御をすることで、電池の劣化進行等の変化を抑制できるので電力システム1としての寿命を延ばすことができる。
電力系統4の系統異常がなくなり、系統が復帰したか否かが判定される(図7のステップSA7)。系統が復帰していなければ、図7のステップSA5に戻り、連系機PCSの各PCSの出力指令値の算出が繰り返され、系統が復帰していれば、制御フローを終了する。電力システム1の自立運転モードから系統連系モードへの切り替えは、切替部9を接続状態にすると同時に自立機PCSとして運転していたPCSを電圧制御から瞬時に電流制御に切り替え、電力系統4に連系させる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る制御装置10、それを備えた電力システム1、及び制御方法並びに制御プログラムによれば、直流電力出力部A1、A2、・・・Anの性能に基づいて、複数のPCS、PCS、PCS、・・・PCSのうち少なくとも1つのPCSが自立運転させるPCSとして選定され、選定されたPCS1を自立運転させ、自立運転させるPCS以外の他のPCS、PCS、・・・PCSは、自立運転させるPCSに対して連系運転させる。
このように、直流電力出力部A1、A2、・・・Anの性能劣化に基づいて自立運転させるPCSを選定するので、複数の直流電力出力部A1、A2、・・・Anのうち性能劣化が少ないものを自立運転させるPCSとして選定すれば、自立運転時に負荷5の変動が生じた場合であっても負荷変動吸収能力が大きいことにより電力システム1の安定性が向上する。
また、直流電力出力部AからPCSに実際に出力可能な容量である有効な直流電力出力部Aの容量を自立運転させるPCSの選定に勘案すれば、有効な直流電力出力部Aの容量が大きいほど、対応するPCSは負荷変動吸収能力が高くなるので、電力システム1の安定性が向上する。
自立運転制御部22は、PCSの出力可能容量に対し、予想される負荷変動に応じて設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させるPCSの目標値を決定することにより、PCSが、推定される負荷5の変動に対応できる。
連系運転制御部27は、負荷5の電流値から算出される実負荷容量と、自立運転させるPCSの目標値との差を連系運転させる全ての連系機PCSの総出力とし、連系運転させる各PCSに対応する直流電力出力部Aの性能劣化(劣化度)に基づいて、総出力に対する出力比率を決定し、決定した出力比率に基づいて各PCSに出力指令を出力してもよい。
連系運転させるPCSの総出力を、対応する直流電力出力部Aの性能劣化に基づいて決定された出力比率で分配するので、劣化度合いの低いものほど出力割合を高くさせることができ、劣化度合いが高いものに出力割合を高くする場合と比較して、劣化度合いが高い電池の劣化進行等の変化を抑制できるので電力システム1としての寿命が延びる。
〔変形例〕
上記実施形態においては、選定部21が、最も大きい運転可能容量を有するPCSを自立運転させるPCSとして選定することとして説明していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、比較部C1、C2、・・・CnにおいてPCSが所定の運転可能容量以上か否かを判定し、所定の運転可能容量以上となるPCSを複数選定してもよいし、各PCSの運転可能容量を運転可能容量の大きい順に順位付けし、該順序のうち上位所定数(複数)のPCSを自立運転させるPCSとして選定し、各PCS間を同期させて運転させてもよい。
このように、自立運転させる自立機PCSを複数設けてもよく、PCSがn個設けられている場合には、自立機PCSになり得るPCSは、(n−1)個まで設定することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記実施形態においては制御装置10を1つ設けることとして説明していたが、これに限定されず、各PCS内にそれぞれ制御装置を設け、PCS内の各制御装置間でPCSの運転可能容量の情報を相互に送受信する構成としてもよい。
1 電力システム
4 電力系統
5 負荷
6 電流計測部
10 制御装置
21 選定部(選定手段)
22 自立運転制御部(自立運転制御手段)
27 連系運転制御部(連系運転制御手段)
28 算出部(算出手段)
31 目標決定部(目標決定手段)
A1,A2,・・・An 直流電力出力部(直流電力出力手段)
PCS、PCS、・・・PCS パワーコンディショナ(電力変換器)

Claims (6)

  1. 直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御装置であって、
    前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する選定手段と、
    前記選定手段により選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する目標決定手段を備え、決定された前記目標値に基づいて、前記電力変換手段を自立運転させる自立運転制御手段と、
    自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる連系運転制御手段と
    を具備する電力システムの制御装置。
  2. 前記選定手段は、前記直流電力出力手段から前記電力変換手段へ実際に出力可能な容量である有効な前記直流電力出力手段の容量を、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段の選定に勘案する請求項1に記載の電力システムの制御装置。
  3. 前記負荷に流れる電流値に基づいて実負荷容量を算出する算出手段を備え、
    前記連系運転制御手段は、前記実負荷容量と、自立運転させる前記電力変換手段の前記目標値との差を連系運転させる全ての前記電力変換手段の総出力とし、連系運転させる各前記電力変換手段に対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、前記総出力に対する出力比率を決定し、決定した前記出力比率に基づいて連系運転させる各前記電力変換手段に出力指令を出力する請求項に記載の電力システムの制御装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載の電力システムの制御装置と、
    前記直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、
    各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を前記交流電力に変換し、前記母線に接続される電力変換手段と
    を備える電力システム。
  5. 直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御方法であって、
    前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する工程と、
    選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する工程と、
    決定された前記目標値に基づいて、選定された前記電力変換手段を自立運転させる工程と、
    自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる工程と
    を有する電力システムの制御方法。
  6. 直流電力を出力する複数の直流電力出力手段と、各前記直流電力出力手段に対応して設けられ、前記直流電力出力手段から出力された前記直流電力を交流電力に変換し、母線に接続される電力変換手段とを備え、前記母線は電力系統に接続され、前記母線を介して負荷に電力供給する電力システムの制御プログラムであって、
    前記母線と前記電力系統の接続が切り離された場合に、複数の前記電力変換手段のうち、対応する前記直流電力出力手段の性能変化に基づいて、少なくとも1つの前記電力変換手段を自立運転させる前記電力変換手段として選定する処理と、
    選定された前記電力変換手段の運転可能容量に対し、予想される負荷変動に対して設定される1以下の係数を乗算し、自立運転させる前記電力変換手段の目標値を決定する処理と、
    決定された前記目標値に基づいて、選定された前記電力変換手段を自立運転させる処理と、
    自立運転させる前記電力変換手段以外の他の前記電力変換手段を、自立運転させる前記電力変換手段に対して連系運転させる処理と
    をコンピュータに実行させるための電力システムの制御プログラム。
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