JP6794875B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関し、特に、磁気的に結合する2つのスイッチング回路を備える装置に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両が広く用いられている。電動車両には、駆動用モータに電力を供給するためのバッテリが搭載されている。ハイブリッド自動車では、エンジンの駆動力や回生制動によって発電した電力によってバッテリが充電される。また、プラグイン機能を備えた電動車両では、商用電源から供給される電力によってバッテリが充電される。バッテリを充電するため、電動車両には電力変換装置が搭載されている。電力変換装置は、バッテリ充電のために入力された電圧を適切な電圧に変換してバッテリに印加する。
以下の特許文献1および2には、2つのスイッチング回路を各回路の巻線によって磁気的に結合させ、2つのスイッチング回路の間で電力を伝送させる電力変換装置が示されている。また、非特許文献1には、本願発明に関連する回路としてCuk回路が記載されている。Cuk回路は、図13に示されているように第1ループ10および第2ループ12を備えている。第1ループ10は、電源側コンデンサC、第1巻線L、および電源側スイッチング素子Sを含み、第2ループ12は、負荷側コンデンサC、負荷側スイッチング素子S、および第2巻線Lを含んでいる。第1巻線Lおよび第2巻線Lは、磁性体で形成されたコアFpに巻き付けられた導線によって形成されている。Cuk回路は、さらに、電源側スイッチング素子Sの一端と、負荷側スイッチング素子Sの一端との間に接続された中間コンデンサCを備えており、電源側スイッチング素子Sの他端および負荷側スイッチング素子SBの他端は共通に接続されている。電源側コンデンサCの両端には直流電源Eが接続され、負荷側コンデンサCの両端には負荷Rが接続されている。
電源側スイッチング素子Sがオンになり、負荷側スイッチング素子Sがオフになることで、電流IaおよびIbが流れる。電流Iaは、並列接続された直流電源Eおよび電源側コンデンサCから第1巻線Lおよび電源側スイッチング素子SAを経て、直流電源Eおよび電源側コンデンサCに戻り、電流Ibは、中間コンデンサCから、電源側スイッチング素子S、並列接続された負荷側コンデンサCおよび負荷Rを経て、さらに第2巻線Lを経て中間コンデンサCに戻る。
電源側スイッチング素子Sがオフになり、負荷側スイッチング素子Sがオンになることで、電流Icおよび電流Idが流れる。電流Icは、並列接続された直流電源Eおよび電源側コンデンサCから第1巻線L、中間コンデンサCおよび負荷側スイッチング素子Sを経て、直流電源Eおよび電源側コンデンサCに戻り、電流Idは、第2巻線Lから負荷側スイッチング素子S、並列接続された負荷側コンデンサCおよび負荷Rを経て、第2巻線Lに戻る。電源側コンデンサCおよび負荷側コンデンサCは、それぞれ、直流電源Eの出力電圧および負荷Rの端子間電圧を保持している。
電源側スイッチング素子Sおよび負荷側スイッチング素子Sが交互にオンオフすることで、電流IaおよびIbが流れる状態と、電流IcおよびIdが流れる状態が交互に形成され、直流電源Eから負荷Rにエネルギーが伝達される。第1巻線Lおよび第2巻線Lが共通のコアFpに形成されていることで、各巻線に鎖交する磁束が強められ、直流電源Eから負荷Rに供給される電力が大きくなる。
電力変換装置は、電動車両の他、一般的な産業用機械、各家庭における太陽電池システムや自家発電システムにも用いられている。
特開2011−193713号公報 特開2006−187147号公報
英語版ウィキペディアにおける"Cuk converter"についてのウェブページ
特許文献1、2および非特許文献1に記載されているような電力変換装置では、一般に、巻線で発生する熱によって電力伝送効率が低下する。
本発明は、電力変換装置が備える巻線で発生する電力損失を低減することを目的とする。
磁性材料で形成された磁路によって結合する第1スイッチング回路および第2スイッチング回路を備える電力変換装置において、前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路の少なくとも一方は、前記磁路に設けられた第1巻線と、第1コンデンサと、第1スイッチング素子とを含む第1ループと、前記磁路に設けられた第2巻線と、第2コンデンサと、第2スイッチング素子とを含む第2ループと、前記第1スイッチング素子および前記第1巻線を接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2巻線を接続する経路との間に設けられた第3コンデンサと、を備え、前記第1スイッチング素子および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2コンデンサを接続する経路とが共通に接続されており、前記第3コンデンサの両端から電力が入出力される、ことを特徴とする。
また、本発明は、磁性材料で形成された磁路によって結合する第1スイッチング回路および第2スイッチング回路を備える電力変換装置において、前記第1スイッチング回路および第2スイッチング回路の少なくとも一方は、前記磁路に設けられた第1巻線と、第1コンデンサと、第1スイッチング素子とを含む第1ループと、前記磁路に設けられた第2巻線と、第2コンデンサと、第2スイッチング素子とを含む第2ループと、前記第1スイッチング素子および前記第1巻線を接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2巻線を接続する経路との間に設けられた第3コンデンサと、前記第1巻線および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2巻線および前記第2コンデンサを接続する経路との間に設けられた第4コンデンサと、を備え、前記第1スイッチング素子および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2コンデンサを接続する経路とが共通に接続されており、前記第4コンデンサの両端から電力が入出力される、ことを特徴とする。
また、本発明は磁性材料で形成された磁路によって結合する第1スイッチング回路および第2スイッチング回路を備える電力変換装置において、前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のそれぞれは、前記磁路に設けられた第1巻線と、第1コンデンサと、第1スイッチング素子とを含む第1ループと、前記磁路に設けられた第2巻線と、第2コンデンサと、第2スイッチング素子とを含む第2ループと、前記第1スイッチング素子および前記第1巻線を接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2巻線を接続する経路との間に設けられた第3コンデンサと、を備え、前記第1スイッチング素子および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2コンデンサを接続する経路とが共通に接続され、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子が交互にオンオフし、前記第1スイッチング回路におけるスイッチングタイミングと、前記第2スイッチング回路におけるスイッチングタイミングとの時間差に応じた電力が、前記第1スイッチング回路および第2スイッチング回路の間で伝送される、ことを特徴とする。
望ましくは、前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のそれぞれでは、前記第3コンデンサの両端から電力が入出力される。
望ましくは、前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のそれぞれは、前記第1巻線および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2巻線および前記第2コンデンサを接続する経路との間に設けられた第4コンデンサを備え、前記第4コンデンサの両端から電力が入出力される。
望ましくは、前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のうち一方では、前記第3コンデンサの両端から電力が入出力され、前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のうち他方は、前記第1巻線および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2巻線および前記第2コンデンサを接続する経路との間に設けられた第4コンデンサを備え、前記第4コンデンサの両端から電力が入出力されることを特徴とする。
本発明によれば、電力変換装置が備える巻線で発生する電力損失を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。 各巻線の電圧および各巻線に流れる電流の時間波形を示す図である。 各巻線の電圧、各巻線に流れる電流、入力電流および出力電流の時間波形を示す図である。 各素子に流れる電流を示す図である。 各素子に流れる電流を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るリプル抑制・電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るリプル抑制・電力変換装置の構成を示す図である。 各巻線の電圧、および各巻線に流れる電流の時間波形を示す図である。 各巻線の電圧、各巻線に流れる電流、タンク電流、入力電流および出力電流の時間波形を示す図である。 各素子に流れる追加リプル電流を示す図である。 各素子に流れる追加リプル電流を示す図である。 ハーフブリッジ・スイッチング回路およびフルブリッジ・スイッチング回路の構成を示す図である。 Cuk回路の構成を示す図である。
図1には、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の構成が示されている。電力変換装置は、プライマリ回路14、セカンダリ回路16およびコアFpを備えている。
プライマリ回路14は、第1巻線L、第1コンデンサC、第1スイッチング素子S、第2巻線L、第2コンデンサC、第2スイッチング素子S、プライマリ・コンデンサC、第1端子1および第2端子2を備えている。各スイッチング素子には、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が用いられてもよい。以下に説明する各スイッチング素子についても同様である。
第1巻線Lおよび第1コンデンサCは直列に接続されている。直列接続された第1巻線Lおよび第1コンデンサCには、第1スイッチング素子Sが並列に接続されている。第1スイッチング素子Sには、第1巻線Lに接続される側をカソードとして寄生ダイオードが並列に接続されている。
第2巻線Lと第2コンデンサCは直列に接続されている。直列接続された第2巻線Lおよび第2コンデンサCには、第2スイッチング素子Sが並列に接続されている。第2スイッチング素子Sには、第2巻線Lに接続される側をアノードとして寄生ダイオードが並列に接続されている。
第1巻線L側とは逆側の第1コンデンサCの一端は、第2巻線L側とは逆側の第2コンデンサCの一端に接続されている。
第1コンデンサC側とは逆側の第1巻線Lの一端と、第2コンデンサC側とは逆側の第2巻線Lの一端との間には、プライマリ・コンデンサCが接続されている。プライマリ・コンデンサCの両端には、第1端子1および第2端子2が接続されている。
第1巻線Lおよび第2巻線Lの巻き方向は互いに逆向きである。すなわち、第1巻線Lにおいて点が付された側を正とする誘導起電力が発生したときは、第2巻線Lにおいて点が付された側を正とする誘導起電力が発生する。同様に、第2巻線Lにおいて点が付された側を正とする誘導起電力が発生したときは、第1巻線Lにおいて点が付された側を正とする誘導起電力が発生する。以下の説明では、各巻線の端子間電圧は、点が付されていない側の端子を電圧の基準とする。
セカンダリ回路16は、第3巻線L、第3コンデンサC、第3スイッチング素子S、第4巻線L、第4コンデンサC、第4スイッチング素子S、セカンダリ・コンデンサC、第3端子3および第4端子4を備えている。セカンダリ回路16は、プライマリ回路14と同様の構成を有している。
第3巻線Lおよび第4巻線Lは、それぞれ、第1巻線Lおよび第2巻線Lに対応する。第3コンデンサCおよび第4コンデンサCは、それぞれ、第1コンデンサCおよび第2コンデンサCに対応する。第3スイッチング素子Sおよび第4スイッチング素子Sは、それぞれ、第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sに対応する。セカンダリ・コンデンサCは、プライマリ・コンデンサCに対応する。セカンダリ・コンデンサCの両端には第3端子3および第4端子4が接続されている。
コアFpは、鉄、フェライト等の磁性体材料によって環状に形成されている。第1巻線L、第2巻線L、第3巻線Lおよび第4巻線Lは、コアFpに巻き付けられた導線によって形成されている。コアFpは、各巻線が発生する磁束に対する磁路を形成する。1つの巻線で発生した磁束は、コアFpを通って他の巻線に鎖交する。1つの巻線において点が付された側を正とする誘導起電力が発生したときは、他の巻線において点が付された側を正とする誘導起電力が発生する。第1巻線Lおよび第2巻線Lを磁気的に結合させ、第1巻線Lおよび第3巻線Lを磁気的に結合させ、第2巻線Lおよび第4巻線Lを磁気的に結合させ、さらに、第3巻線Lおよび第4巻線Lを磁気的に結合させるため、コアFpにはギャップが設けられていない。
第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sは、交互にオンオフを繰り返す。すなわち、第1スイッチング素子Sがオンのときは第2スイッチング素子Sはオフになり、第1スイッチング素子Sがオフのときは第2スイッチング素子Sはオンになる。同様に、第3スイッチング素子Sおよび第4スイッチング素子Sは、交互にオンオフを繰り返す。
ここでは、プライマリ回路14の第1端子1および第2端子2に直流電圧Vが印加され、セカンダリ回路16の第3端子3および第4端子4から直流電圧Vが出力される状態について説明する。各コンデンサには一定の電圧が充電されている。各コンデンサについては、「+」の符号が付された端子側を正極とする電圧を各コンデンサの充電電圧の正極とする。
図2には、第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sのオンオフと、第3スイッチング素子Sと第4スイッチング素子Sのオンオフとが同位相で行われる場合の各巻線の電圧、および各巻線に流れる電流の時間波形が示されている。このようにプライマリ回路14およびセカンダリ回路16のスイッチングタイミングが同位相である場合、プライマリ回路14とセカンダリ回路16との間で伝送される電力は0である。
図2(a)には第1巻線Lの端子間電圧VL1(第1巻線電圧VL1)の時間波形、および第2巻線Lの端子間電圧VL2(第2巻線電圧VL2)の時間波形が示されている。第1巻線電圧VL1がハイ電圧Hである時間は、第2スイッチング素子Sがオンの時間と一致し、第1巻線電圧VL1がロー電圧Lである時間は、第1スイッチング素子Sがオンの時間と一致する。
第1スイッチング素子Sがオフになり、第2スイッチング素子Sがオンになることで、第1巻線Lの端子間には、第1コンデンサCおよびプライマリ・コンデンサCを直列接続したものが接続され、第1巻線電圧VL1はハイ電圧Hとなる。このハイ電圧Hは、プライマリ・コンデンサCの充電電圧から第1コンデンサCの充電電圧を減算した電圧である。第1スイッチング素子Sがオンになり、第2スイッチング素子Sがオフになることで、第1巻線Lの端子間に第1コンデンサCが接続され、第1巻線電圧VL1はロー電圧Lとなる。このロー電圧Lは、第1コンデンサCの充電電圧の極性を反転した電圧である。
第1巻線電圧VL1と同様、第2巻線電圧VL2がハイ電圧Hである時間は、第2スイッチング素子Sがオンの時間と一致し、第2巻線電圧VL2がロー電圧Lである時間は、第1スイッチング素子Sがオンの時間と一致する。
第1スイッチング素子Sがオフになり、第2スイッチング素子Sがオンになることで、第2巻線Lの端子間には第2コンデンサCが接続され、第2巻線電圧VL2はハイ電圧Hとなる。このハイ電圧Hは第2コンデンサCの充電電圧である。第1スイッチング素子Sがオンになり、第2スイッチング素子Sがオフになることで、第2巻線Lの端子間には第2コンデンサCおよびプライマリ・コンデンサCを直列接続したものが接続され、第2巻線電圧VL2はロー電圧Lとなる。このロー電圧Lは、第2コンデンサCの充電電圧からプライマリ・コンデンサCの充電電圧を減算した電圧(プライマリ・コンデンサCの充電電圧の極性を反転したものから第2コンデンサCの充電電圧の極性を反転したものを減算した電圧)である。
図2(b)には第3巻線Lの端子間電圧VL3の時間波形、および第4巻線Lの端子間電圧VL4の時間波形が示されている。第3巻線電圧VL3がハイ電圧Hである時間は、第4スイッチング素子Sがオンの時間と一致し、第3巻線電圧VL3がロー電圧Lである時間は、第3スイッチング素子Sがオンの時間と一致する。第1巻線Lと同様、第3巻線Lの端子間に現れるハイ電圧Hは、セカンダリ・コンデンサCの充電電圧から第3コンデンサCの充電電圧を減算した電圧であり、ロー電圧Lは、第3コンデンサCの充電電圧の極性を反転した電圧である。
第2巻線電圧VL2と同様、第4巻線電圧VL4がハイ電圧Hである時間は、第4スイッチング素子Sがオンの時間と一致し、第4巻線電圧VL4がロー電圧Lである時間は、第3スイッチング素子Sがオンの時間と一致する。第2巻線Lと同様、第4巻線Lに現れるハイ電圧Hは、第4コンデンサCの充電電圧であり、ロー電圧Lは、第4コンデンサCの充電電圧からセカンダリ・コンデンサCの充電電圧を減算した電圧である。
図2(c)には、第1巻線L、第2巻線L、第3巻線Lおよび第4巻線Lに流れる励磁電流(iL1,iL2,iL3およびiL4)の時間波形が示されている。励磁電流は電力伝送に寄与しない電流である。第1巻線Lおよび第2巻線Lに流れる励磁電流の時間波形が実線で表され、第3巻線Lおよび第4巻線Lに流れる励磁電流の時間波形が破線で表されている。
図2(d)には、プライマリ・コンデンサCの正極端子から第1スイッチング素子Sまたは第1巻線Lに流入する入力電流IA.INの時間波形、および、第3スイッチング素子Sまたは第3巻線Lからセカンダリ・コンデンサCの正極端子に流出する出力電流IB.OUTの時間波形が示されている。入力電流IA.INは、第1巻線Lの励磁電流および第2巻線Lの励磁電流である。これらの励磁電流は、第2スイッチング素子Sおよび第1スイッチング素子Sのオンオフに伴って交互に傾きの極性が変わり、0を中央値として増減する。出力電流IB.OUTは、第3巻線Lの励磁電流および第4巻線Lの励磁電流である。これらの励磁電流は、第4スイッチング素子Sおよび第3スイッチング素子Sのオンオフに伴って交互に傾きの極性が変わり、0を中央値として増減する。
プライマリ回路14およびセカンダリ回路16のスイッチングタイミングが同一である場合、プライマリ回路14とセカンダリ回路16との間で伝送される電力は0である。
図3(a)および(b)には、第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sのオンオフの位相を、第3スイッチング素子Sと第4スイッチング素子Sのオンオフの位相に対してφだけ進めた場合の各巻線の電圧が示されている。位相は、オンオフの1周期を2πとしたときの位相角として定義される。
図3(c)には、このような状態で第1巻線Lに流れる電流IL1、第2巻線Lに流れる電流IL2、第3巻線Lに流れる電流IL3、および、第4巻線Lに流れる電流IL4が示されている。各巻線の電流の極性は、点が付されている側の端子に流入する電流が正である。
プライマリ回路14およびセカンダリ回路16のスイッチングタイミングが同位相である場合、プライマリ側からセカンダリ側に伝送される電力は0である。ところが、プライマリ回路14およびセカンダリ回路16のスイッチングタイミングに位相差がある場合には、プライマリ側からセカンダリ側に電力が伝送される。
すなわち、プライマリ側のスイッチングタイミングとセカンダリ側のスイッチングタイミングに位相差がある場合、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sとのオンオフが逆となり、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sとのオンオフが逆となる逆極性期間が生じる。この逆極性期間(r,r,r,・・・・)では、図3(b)に示されているように、第1巻線電圧VL1と第3巻線電圧VL3の極性が逆となり、第2巻線電圧VL2と第4巻線電圧VL4の極性が逆となって各巻線に流れる電流の変化が大きくなる。
そして、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sとのオンオフが同一となり、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sとのオンオフが同一となる同一極性期間(t,t,t,・・・・)では、変化が緩やかな台形電流が各巻線に流れる。この同一極性期間では、第1巻線電圧VL1と第3巻線電圧VL3の極性が同一となり、第2巻線電圧VL2および第4巻線電圧VL4の極性が同一となって変化が緩やかな台形電流が各巻線に流れ、各巻線に流れる電流によって各巻線に電流エネルギーが保持される。
同一極性期間では、第1巻線電圧VL1および第1巻線Lの台形電流の積によって定まる電力と、第2巻線電圧VL2および第2巻線Lの台形電流の積によって定まる電力とを併せた電力が、プライマリ側からセカンダリ側に伝送される。プライマリ側からセカンダリ側に伝送される電力は、第3巻線電圧VL3および第3巻線Lの台形電流の積によって定まる電力と、第4巻線電圧VL4および第4巻線Lの台形電流の積によって定まる電力とを併せた電力によっても表される。
すなわち、同一極性期間では、第1巻線電圧VL1および第1巻線L1の台形電流の積によって定まる電力と、第2巻線電圧VL2および第2巻線Lの台形電流の積によって定まる電力とを併せた電力が、第1端子1および第2端子2から入力される。また、同一極性期間では、第3巻線電圧VL3および第3巻線Lの台形電流の積によって定まる電力と、第4巻線電圧VL4および第4巻線Lの台形電流の積によって定まる電力とを併せた電力が第3端子3および第4端子4から出力される。
プライマリ側のスイッチングタイミングとセカンダリ側のスイッチングタイミングの位相差φが0以上π以下の範囲内で大きい程、各逆極性期間が長くなり、台形電流の絶対値は大きくなる。したがって、位相差φが0以上π以下の範囲内で大きい程、プライマリ側からセカンダリ側に伝送される電力は大きくなる。
図4(a)には、逆極性期間rに各巻線に流れる電流が示されている。第1巻線Lに流れる巻線電流IL1は、第1巻線Lから第1コンデンサC、第2スイッチング素子S、およびプライマリ・コンデンサCを通って、第1巻線Lに戻る経路を流れ、この流れの向きを正とする。逆極性期間rにおける巻線電流IL1は、入力電流IA.INとなる。第2巻線Lに流れる巻線電流IL2は、第2巻線Lから第2コンデンサCおよび第2スイッチング素子Sを通って第2巻線Lに戻る経路を流れ、この流れの向きを正とする。第3巻線Lに流れる巻線電流IL3は、第3コンデンサCおよび第3スイッチング素子Sを通って第3巻線Lに戻る経路を流れ、この流れの向きを正とする。第4巻線Lに流れる巻線電流IL4は、第4巻線Lから第4コンデンサC、第3スイッチング素子S、およびセカンダリ・コンデンサCを通って第4巻線Lに戻る経路を流れ、この流れの向きを正とする。逆極性期間rにおける巻線電流IL4が出力電流IB.OUTとなる。
図4(b)には、同一極性期間tに各巻線に流れる電流が示されている。第1巻線電流IL1および第2巻線電流IL2が流れる経路は、逆極性期間rと同様である。同一極性期間tにおける巻線電流IL1は、入力電流IA.INとなる。第3巻線Lに流れる巻線電流IL3は、第3巻線Lから、第3コンデンサC、第4スイッチング素子S、セカンダリ・コンデンサCを通って第3巻線Lに戻る経路を流れ、この流れの向きを正とする。同一極性期間tにおける巻線電流IL3の極性を反転させたものが、出力電流IB.OUTとなる。第4巻線Lに流れる巻線電流IL4は、第4巻線Lから第4コンデンサCおよび第4スイッチング素子Sを通って第4巻線Lに戻る経路を流れ、この流れの向きを正とする。
図5(a)には、逆極性期間rに各巻線に流れる電流が示されている。第1巻線電流IL1は、第1巻線Lから第1コンデンサCおよび第1スイッチング素子Sを通って第1巻線Lに戻る経路を流れ、この流れの向きを正とする。第2巻線電流IL2は、第2コンデンサC、第1スイッチング素子S、およびプライマリ・コンデンサCを通って第2巻線Lに戻る経路を流れ、この流れの向きを正とする。逆極性期間rにおける巻線電流IL2の極性を反転させたものが、入力電流IA.INとなる。第3巻線電流IL3および第4巻線電流IL4が流れる経路は、同一極性期間tと同様である。
図5(b)には、同一極性期間tに各巻線に流れる電流が示されている。第1巻線電流IL1および第2巻線電流IL2が流れる経路は、逆極性期間rと同一である。第3巻線電流IL3および第4巻線電流IL4が流れる経路は、逆極性期間rと同一である。
このように本実施形態に係る電力変換装置は、磁性材料で形成された磁路としてのコアFpによって磁気的に結合するプライマリ回路14(第1スイッチング回路)およびセカンダリ回路16(第2スイッチング回路)を備え、プライマリ回路14およびセカンダリ回路16の間で電力が伝送される。
プライマリ回路14は、コアFpに設けられた第1巻線L、第1コンデンサC、および第1スイッチング素子Sを含む第1ループと、コアFpに設けられた第2巻線L、第2コンデンサC、および第2スイッチング素子Sを含む第2ループと、第1スイッチング素子Sおよび第1巻線Lを接続する経路と、第2スイッチング素子Sおよび第2巻線Lを接続する経路との間に設けられたプライマリ・コンデンサC(第3コンデンサ)とを備えている。第1スイッチング素子Sおよび第1コンデンサCを接続する経路と、第2スイッチング素子Sおよび第2コンデンサCを接続する経路とは共通に接続されており、第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sは交互にオンオフする。
セカンダリ回路16は、コアFpに設けられた第3巻線L、第3コンデンサC、および第3スイッチング素子Sを含む第3ループと、コアFpに設けられた第4巻線L、第4コンデンサC、および第4スイッチング素子Sを含む第4ループと、第3スイッチング素子Sおよび第3巻線Lを接続する経路と、第4スイッチング素子Sおよび第4巻線Lを接続する経路との間に設けられたセカンダリ・コンデンサCとを備えている。第3スイッチング素子Sおよび第3コンデンサCを接続する経路と、第4スイッチング素子Sおよび第4コンデンサCを接続する経路とは共通に接続されており、第3スイッチング素子Sおよび第4スイッチング素子Sは交互にオンオフする。
第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sのスイッチングタイミングと、第3スイッチング素子Sおよび第4スイッチング素子Sのスイッチングタイミングとの位相差(時間差)に応じた電力が、プライマリ回路14およびセカンダリ回路16の間で伝送される。
本実施形態に係る電力変換装置では、プライマリ側に第1巻線Lおよび第2巻線Lが設けられ、セカンダリ側に第3巻線Lおよび第4巻線Lが設けられている。このように、2対の巻線で電力伝送を行う場合、1対の巻線で電力伝送を行うよりも伝送電力が増加する。ただし、1対の巻線のプライマリ側の巻き数は第1巻線Lおよび第2巻線Lの巻き数を併せた巻き数であり、セカンダリ側の巻き数は第3巻線Lおよび第4巻線Lの巻き数を併せた巻き数であるという条件下での比較である。したがって、同一極性期間に各巻線に流れる台形電流を減少させても十分な電力が伝送され、各巻線に流れる電流に基づく損失が低減する。
また、第2スイッチング素子Sの一端は第2端子2に接続されている。そのため、第2端子2を接地導体に接続する場合には、第2スイッチング素子Sの一端もまた接地導体に接続され、第2スイッチング素子Sを制御する回路の設計が容易となる。例えば、第2スイッチング素子Sが電界トランジスタである場合には、電界トランジスタのオンオフを制御するゲート電位の基準を得るための回路構成が容易となる。同様に、第4スイッチング素子Sの一端は、第4端子4に接続されている。そのため、第4端子4を接地導体に接続する場合には、第4スイッチング素子Sの一端もまた接地導体に接続され、第4スイッチング素子S4を制御する回路の設計が容易となる。
図6には、本発明の第2実施形態に係るリプル抑制・電力変換装置の構成が示されている。図1に示されている構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を簡略化する。リプル抑制・プライマリ回路26、リプル抑制・セカンダリ回路28およびコアFpを備えている。
リプル抑制・プライマリ回路26は、第1巻線L、第1コンデンサC、第1スイッチング素子S、第2巻線L、第2コンデンサC、第2スイッチング素子S、プライマリ・コンデンサC、プライマリ・追加コンデンサC、第5端子5および第6端子6を備えている。
リプル抑制・セカンダリ回路28は、第3巻線L、第3コンデンサC、第3スイッチング素子S、第4巻線L、第4コンデンサC、第4スイッチング素子S、セカンダリ・コンデンサC、セカンダリ・追加コンデンサC、第7端子7および第8端子8を備えている。
リプル抑制・電力変換装置は、図1に示される電力変換装置を変形したものである。図7は変形過程を示す図である。すなわち、リプル抑制・電力変換装置は、次の変形過程を経て導かれる。(i)第1巻線Lと第1コンデンサCとの接続点と、第2巻線Lと第2コンデンサCの接続点との間にプライマリ・追加コンデンサCを接続する。(ii)第3巻線Lと第3コンデンサCとの接続点と、第4巻線Lと第4コンデンサCの接続点との間にセカンダリ・追加コンデンサCを接続する。(iii)プライマリ・追加コンデンサCの両端に第5端子5および第6端子6を接続する。(iv)セカンダリ・追加コンデンサCの両端に第7端子7および第8端子8を接続する。(v)第5端子5および第6端子6が左側に位置し、第7端子7および第8端子8が右側に位置するように、コアFp上に各巻線を設ける。
図8(a)および(b)には、第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sのオンオフと、第3スイッチング素子Sと第4スイッチング素子Sのオンオフとが同位相で行われる場合の各巻線の電圧、および各巻線に流れる電流の時間波形が示されている。このようにリプル抑制・プライマリ回路26およびリプル抑制・セカンダリ回路28のスイッチングタイミングが同位相である場合、リプル抑制・プライマリ回路26とリプル抑制・セカンダリ回路28との間で伝送される電力は0である。
図6に示されるリプル抑制・電力変換装置では、図1に示される電力変換装置に対し、各巻線の電圧基準端子が逆側の端子となっている。そのため、図8(a)に示される第1巻線電圧VL1および第2巻線電圧VL2は、図2(a)に示される第1巻線電圧VLおよび第2巻線電圧VL2に対して逆極性となる。同様に、図8(b)に示される第3巻線電圧VL3および第3巻線電圧VL3は、図2(b)に示される第3巻線電圧VL3および第4巻線電圧VL4に対して逆極性となる。
各巻線の巻き方向を逆向きとしたことは、各巻線の自己インダクタンスには影響を与えない。そのため、図8(c)に示されている各巻線に流れる励磁電流は、図2(c)に示されている励磁電流と同様となる。
図8(d)には、プライマリ・追加コンデンサCの正極端子から第1巻線Lおよび第1コンデンサCに流入する入力電流IA.INの時間波形、および、第3巻線Lおよび第3コンデンサCからセカンダリ・追加コンデンサCの正極端子に流出する出力電流IB.OUTの時間波形が示されている。後述するように、プライマリ・追加コンデンサCおよびセカンダリ・追加コンデンサCに流れる電流によって、入力電流IA.INおよび出力電流IB.OUTのリプルは抑制され、入力電流IA.INおよび出力電流IB.OUTは0で一定となる。
図9(a)および(b)には、第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sのオンオフの位相を、第3スイッチング素子Sと第4スイッチング素子Sのオンオフの位相に対してφだけ進めた場合の各巻線の電圧が示されている。
図9(c)には、このような状態における第1巻線電流IL1、第2巻線電流IL2、第3巻線電流IL3、および、第4巻線電流IL4が示されている。各巻線の電流の極性は、点が付されている側の端子から流出する電流が正とされている。
プライマリ側のスイッチングタイミングとセカンダリ側のスイッチングタイミングに位相差がある場合、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sとのオンオフが逆となり、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sとのオンオフが逆となる逆極性期間が生じる。この逆極性期間(p,p,p,・・・・)では、図9に示されているように、第1巻線電圧VL1と第3巻線電圧VL3の極性が逆となり、第2巻線電圧VL2と第4巻線電圧VL4の極性が逆となって各巻線に流れる電流の変化が大きくなる。
そして、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sとのオンオフが同一となり、スイッチング素子Sとスイッチング素子Sとのオンオフが同一となる同一極性期間(q,q,q,・・・・)では、変化が緩やかな台形電流が各巻線に流れる。この同一極性期間では、図9に示されているように第1巻線電圧VL1と第3巻線電圧VL3の極性が同一となり、第2巻線電圧VL2および第4巻線電圧VL4の極性が同一となって各巻線に変化が緩やかな台形電流が流れ、各巻線に流れる電流によって各巻線にエネルギーが保持される。
リプル抑制・電力変換装置では、プライマリ・追加コンデンサCおよびセカンダリ・追加コンデンサCの作用によって、第1巻線電流IL1および第4巻線電流IL4は負方向にオフセットし、第2巻線電流IL2および第3巻線電流はIL3は正方向にオフセットする。
図9(d)には、プライマリ・コンデンサCの正極端子から流出するタンク電流IA.TANKおよびセカンダリ・コンデンサCの正極端子に流入するタンク電流IB.TANKが示されている。タンク電流IA.TANKが流れる動作は、図1に示されている電力変換装置において入力電流IA.INが流れる動作と同様であり、タンク電流IB.TANKが流れる動作は、図1に示されている出力電流IB.OUTが流れる動作と同様である。すなわち、図9(d)に示されているタンク電流IA.TANKおよびIB.TANKは、それぞれ、図3(d)に示されている入力電流IA.INおよび出力電流IA.OUTに対応している。
図9(e)には、入力電流IA.INおよび出力電流IB.OUTが示されている。以下に説明するように、プライマリ・追加コンデンサCおよびセカンダリ・追加コンデンサCによってリプル電流は抑制され、入力電流IA.INおよび出力電流IB.OUTは一定となる。
図10および図11には、プライマリ・追加コンデンサCおよびセカンダリ追加コンデンサCに流れるリプル電流が示されている。これらの図は、図1に示された電力変換装置にプライマリ・追加コンデンサCおよびセカンダリ追加コンデンサCが接続されたことによって流れるリプル電流のみに着目したものである。したがって、図10および図11に示されている各素子には、それぞれ、図4および図5に示された各電流に対応する電流が重ねて流れるが、説明を容易にするため、これらの電流については表記が省略されている。
図10(a)には、逆極性期間pにプライマリ・追加コンデンサCに流れる第1追加リプル電流30および第2追加リプル電流32が示されている。第1追加リプル電流30は、第1巻線Lからプライマリ・追加コンデンサC、第2コンデンサC、第2スイッチング素子S、およびプライマリ・コンデンサCを流れ、第1巻線Lに戻る。第2追加リプル電流32は、第2巻線Lからプライマリ・追加コンデンサC、第1コンデンサC、および第2スイッチング素子Sを流れ、第2巻線Lに戻る。
また、図10(a)には、逆極性期間pにセカンダリ・追加コンデンサCに流れる第3追加リプル電流34および第4追加リプル電流36が示されている。第3追加リプル電流34は、第3巻線Lから第3スイッチング素子S、第4コンデンサC、およびセカンダリ・追加コンデンサCを流れ、第3巻線Lに戻る。第4追加リプル電流36は、第4巻線Lからセカンダリ・コンデンサC、第3スイッチング素子S、第3コンデンサC、およびセカンダリ・追加コンデンサCを流れ、第4巻線Lに戻る。
図10(b)には、同一極性期間qにプライマリ・追加コンデンサCに流れる第1追加リプル電流30および第2追加リプル電流32が示されている。第1追加リプル電流30および第2追加リプル電流32が流れる経路は、逆極性期間pと同一である。
また、図10(b)には、同一極性期間qにセカンダリ・追加コンデンサCに流れる第3追加リプル電流34および第4追加リプル電流36が示されている。第3追加リプル電流34は、第3巻線Lからセカンダリ・追加コンデンサC、第4コンデンサC、第4スイッチング素子S、およびセカンダリ・コンデンサCを流れて第3巻線Lに戻る。第4追加リプル電流36は、第4巻線Lからセカンダリ・追加コンデンサC、第3コンデンサC、および第4スイッチング素子Sを流れて第4巻線Lに戻る。
図11(a)には、逆極性期間pにプライマリ・追加コンデンサCに流れる第1追加リプル電流30および第2追加リプル電流32が示されている。第1追加リプル電流30は、第1巻線Lから第1スイッチング素子S、第2コンデンサC、プライマリ・追加コンデンサCを流れて第1巻線Lに戻る。第2追加リプル電流32は、第2巻線Lからプライマリ・コンデンサC、第1スイッチング素子S、第1コンデンサC、およびプライマリ・追加コンデンサCを流れて第2巻線Lに戻る。また、図11(a)には、逆極性期間pにセカンダリ・追加コンデンサCに流れる第3追加リプル電流34および第4追加リプル電流36が示されている。第3追加リプル電流34および第4追加リプル電流36が流れる経路は、同一極性期間qと同一である。
図11(b)には、同一極性期間qにプライマリ・追加コンデンサCに流れる第1追加リプル電流30および第2追加リプル電流32が示されている。第1追加リプル電流30および第2追加リプル電流32が流れる経路は、逆極性期間qと同一である。
また、図11(b)には、同一極性期間qにセカンダリ・追加コンデンサCに流れる第3追加リプル電流34および第4追加リプル電流36が示されている。第3追加リプル電流34および第4追加リプル電流36が流れる経路は、逆極性期間qと同一である。
図10および図11に示されているように、いずれの期間においてもプライマリ・追加コンデンサCを流れる第1追加リプル電流30および第2追加リプル電流32は、同一値で逆方向である。そのため、プライマリ・追加コンデンサCに流れるリプル電流が抑制される。同様に、いずれの期間においてもセカンダリ・追加コンデンサCを流れる第3追加リプル電流34および第4追加リプル電流36は、同一値で逆方向である。そのため、セカンダリ・追加コンデンサCに流れるリプル電流が抑制される。
このように本実施形態に係るリプル抑制・電力変換装置は、磁性材料で形成された磁路としてのコアFpによって磁気的に結合するリプル抑制・プライマリ回路26(第1スイッチング回路)およびリプル抑制・セカンダリ回路28(第2スイッチング回路)を備え、リプル抑制・プライマリ回路26およびリプル抑制・セカンダリ回路28の間で電力が伝送される。
リプル抑制・プライマリ回路26は、コアFpに設けられた第1巻線L、第1コンデンサC、および第1スイッチング素子Sを含む第1ループと、コアFpに設けられた第2巻線L、第2コンデンサC、および第2スイッチング素子Sを含む第2ループと、第1スイッチング素子Sおよび第1巻線Lを接続する経路と、第2スイッチング素子Sおよび第2巻線Lを接続する経路との間に設けられたプライマリ・コンデンサC(第3コンデンサ)と、を備えている。第1スイッチング素子Sおよび第1コンデンサCを接続する経路と、第2スイッチング素子Sおよび第2コンデンサCを接続する経路とは共通に接続されており、第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sは交互にオンオフする。
リプル抑制・セカンダリ回路28は、コアFpに設けられた第3巻線L、第3コンデンサC、および第3スイッチング素子Sを含む第3ループと、コアFpに設けられた第4巻線L、第4コンデンサC、および第4スイッチング素子Sを含む第4ループと、第3スイッチング素子Sおよび第3巻線Lを接続する経路と、第4スイッチング素子Sおよび第4巻線Lを接続する経路との間に設けられたセカンダリ・コンデンサCとを備えている。第3スイッチング素子Sおよび第3コンデンサCを接続する経路と、第4スイッチング素子Sおよび第4コンデンサCを接続する経路とは共通に接続されており、第3スイッチング素子Sおよび第4スイッチング素子Sは交互にオンオフする。
第1スイッチング素子Sおよび第2スイッチング素子Sのスイッチングタイミングと、第3スイッチング素子Sおよび第4スイッチング素子Sのスイッチングタイミングとの位相差(時間差)に応じた電力が、リプル抑制・プライマリ回路26およびリプル抑制・セカンダリ回路28の間で伝送される。
リプル抑制・プライマリ回路26は、第1巻線Lおよび第1コンデンサCを接続する経路と、第2巻線Lおよび第2コンデンサCを接続する経路との間に設けられたプライマリ・追加コンデンサCを備えており、プライマリ・追加コンデンサCの両端から電力が入出力される。
リプル抑制・セカンダリ回路28は、第3巻線Lおよび第3コンデンサCを接続する経路と、第4巻線Lおよび第4コンデンサCを接続する経路との間に設けられたセカンダリ・追加コンデンサCを備えており、セカンダリ・追加コンデンサCの両端から電力が入出力される。
リプル抑制・電力変換装置によれば、第5端子5および第6端子6に接続される回路に流れるリプル電流、および第7端子7および第8端子8に接続される回路に流れるリプル電流が抑制される。このリプル抑制効果は、逆方向に流れるリプル電流が互いに抑制し合うことによるものである。そのため、プライマリ・追加コンデンサCおよびセカンダリ・追加コンデンサCの各容量は、図1に示される電力変換装置におけるプライマリ・コンデンサCおよびセカンダリ・コンデンサCの容量よりも小さくてもよい。
さらに、第1実施形態に係る電力変換装置と同様、本実施形態に係るリプル抑制電力変換装置では、プライマリ側に第1巻線Lおよび第2巻線Lが設けられ、セカンダリ側に第3巻線Lおよび第4巻線Lが設けられ2対の巻線で電力伝送が行われる。この場合、上述のように1対の巻線で電力伝送を行うよりも伝送電力が増加することが期待される。したがって、同一極性期間に各巻線に流れる台形電流を減少させても十分な電力が伝送され、各巻線に流れる電流に基づく損失が低減する。
上記の第1実施形態におけるセカンダリ回路16は、第2実施形態におけるリプル抑制・セカンダリ回路28に置き換られてもよい。同様に、第2実施形態におけるリプル抑制・セカンダリ回路28は、第1実施形態におけるセカンダリ回路16に置き換えられてもよい。
さらに、第1実施形態に係る電力変換装置のプライマリ側またはセカンダリ側のスイッチング回路は、ハーフブリッジ・スイッチング回路、または、フルブリッジ・スイッチング回路に置き換えられてもよい。同様に、第2実施形態に係るリプル抑制・電力変換装置のプライマリ側またはセカンダリ側のスイッチング回路もまた、ハーフブリッジ・スイッチング回路、または、フルブリッジ・スイッチング回路に置き換えられてもよい。
図12(a)には、ハーフブリッジ・スイッチング回路が示されている。ハーフブリッジ・スイッチング回路は、上スイッチング素子S、下スイッチング素子S、上コンデンサC、下コンデンサC、端子間コンデンサC、巻線Lを備えている。上スイッチング素子Sの一端は端子Aに接続され、下スイッチング素子Sの一端は端子Bに接続されている。上スイッチング素子Sの他端と下スイッチング素子Sの他端は、共通に接続されている。上コンデンサCの一端は端子Aに接続され、下コンデンサCの一端は端子Bに接続されている。上コンデンサCの他端と下コンデンサCの他端は、共通に接続されている。上スイッチング素子Sおよび下スイッチング素子Sの接続点と、上コンデンサCおよび下コンデンサCの接続点との間には、巻線Lが接続されている。端子Aと端子Bとの間には端子間コンデンサCが接続されている。
上スイッチング素子Sおよび下スイッチング素子Sが交互にオンオフすることで、巻線Lに発生した誘導起電力が上コンデンサCおよび下コンデンサCに印加され、上コンデンサCおよび下コンデンサCが充電される。さらに、上コンデンサCの端子間電圧および下コンデンサCの端子間電圧を合わせた電圧によって、端子間コンデンサCが充電される。また、上スイッチング素子Sおよび下スイッチング素子Sが交互にオンオフすることで、上コンデンサCの充電電圧および下コンデンサCの充電電圧が、巻線Lに交互に印加される。
プライマリ側のスイッチングタイミングの位相とセカンダリ側のスイッチングタイミングの位相を異ならしめることで、巻線Lから端子Aおよび端子Bに電力が伝送され、あるいは、端子Aおよび端子Bから巻線Lに電力が伝送される。
図12(b)には、フルブリッジ・スイッチング回路が示されている。この回路は、図12(a)における上コンデンサCおよび下コンデンサCを、それぞれ、第2上スイッチング素子Sおよび第2下スイッチング素子Sに置き換えたものである。上スイッチング素子Sおよび下スイッチング素子Sは交互にオンオフし、第2上スイッチング素子Sおよび第2下スイッチング素子Sもまた交互にオンオフする。上スイッチング素子Sおよび下スイッチング素子Sのスイッチングタイミングの位相と、第2上スイッチング素子Sおよび第2下スイッチング素子Sのスイッチングタイミング位相は、180°異なっている。プライマリ側のスイッチングタイミングの位相とセカンダリ側のスイッチングタイミングの位相を異ならしめることで、巻線Lから端子Aおよび端子Bに電力が伝送され、あるいは、端子Aおよび端子Bから巻線Lに電力が伝送される。
その他の実施形態として、第1実施形態に係る電力変換装置のプライマリ側またはセカンダリ側のスイッチング回路は、昇圧回路、降圧回路等の一般的な電力変換回路に置き換えられてもよい。同様に、第2実施形態に係るリプル抑制・電力変換装置のプライマリ側またはセカンダリ側のスイッチング回路もまた、昇圧回路、または、降圧回路等の一般的な電力変換回路に置き換えられてもよい。
1〜8 第1〜第8端子、10 第1ループ、12 第2ループ、14 プライマリ回路、16 セカンダリ回路、26 リプル抑制・プライマリ回路、28 リプル抑制・セカンダリ回路、30 第1追加リプル電流、32 第2追加リプル電流、34 第3追加リプル電流、36 第4追加リプル電流、E 直流電源、C 電源側コンデンサ、C 中間コンデンサ、C 負荷側コンデンサ、R 負荷、Fp コア、L〜L 第1〜第4巻線、C〜C 第1〜第4コンデンサ、C 上コンデンサ、C 下コンデンサ、C 端子間コンデンサ、S〜S 第1〜第4スイッチング素子、S 上スイッチング素子、S 下スイッチング素子、S 第2上スイッチング素子、S 第2下スイッチング素子、C プライマリ・コンデンサ、C セカンダリ・コンデンサ、C プライマリ・追加コンデンサ、C セカンダリ・追加コンデンサ、L 巻線。

Claims (6)

  1. 磁性材料で形成された磁路によって結合する第1スイッチング回路および第2スイッチング回路を備える電力変換装置において、
    前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路の少なくとも一方は、
    前記磁路に設けられた第1巻線と、第1コンデンサと、第1スイッチング素子とを含む第1ループと、
    前記磁路に設けられた第2巻線と、第2コンデンサと、第2スイッチング素子とを含む第2ループと、
    前記第1スイッチング素子および前記第1巻線を接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2巻線を接続する経路との間に設けられた第3コンデンサと、を備え、
    前記第1スイッチング素子および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2コンデンサを接続する経路とが共通に接続されており、
    前記第3コンデンサの両端から電力が入出力される、ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 磁性材料で形成された磁路によって結合する第1スイッチング回路および第2スイッチング回路を備える電力変換装置において、
    前記第1スイッチング回路および第2スイッチング回路の少なくとも一方は、
    前記磁路に設けられた第1巻線と、第1コンデンサと、第1スイッチング素子とを含む第1ループと、
    前記磁路に設けられた第2巻線と、第2コンデンサと、第2スイッチング素子とを含む第2ループと、
    前記第1スイッチング素子および前記第1巻線を接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2巻線を接続する経路との間に設けられた第3コンデンサと、
    前記第1巻線および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2巻線および前記第2コンデンサを接続する経路との間に設けられた第4コンデンサと、
    を備え、
    前記第1スイッチング素子および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2コンデンサを接続する経路とが共通に接続されており、
    前記第4コンデンサの両端から電力が入出力される、ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 磁性材料で形成された磁路によって結合する第1スイッチング回路および第2スイッチング回路を備える電力変換装置において、
    前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のそれぞれは、
    前記磁路に設けられた第1巻線と、第1コンデンサと、第1スイッチング素子とを含む第1ループと、
    前記磁路に設けられた第2巻線と、第2コンデンサと、第2スイッチング素子とを含む第2ループと、
    前記第1スイッチング素子および前記第1巻線を接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2巻線を接続する経路との間に設けられた第3コンデンサと、を備え、
    前記第1スイッチング素子および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2スイッチング素子および前記第2コンデンサを接続する経路とが共通に接続され、
    前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子が交互にオンオフし、
    前記第1スイッチング回路におけるスイッチングタイミングと、前記第2スイッチング回路におけるスイッチングタイミングとの時間差に応じた電力が、前記第1スイッチング回路および第2スイッチング回路の間で伝送される、ことを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3に記載の電力変換装置において、
    前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のそれぞれでは、前記第3コンデンサの両端から電力が入出力されることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項3に記載の電力変換装置において、
    前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のそれぞれは、
    前記第1巻線および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2巻線および前記第2コンデンサを接続する経路との間に設けられた第4コンデンサを備え、
    前記第4コンデンサの両端から電力が入出力されることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項3に記載の電力変換装置において、
    前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のうち一方では、前記第3コンデンサの両端から電力が入出力され、
    前記第1スイッチング回路および前記第2スイッチング回路のうち他方は、
    前記第1巻線および前記第1コンデンサを接続する経路と、前記第2巻線および前記第2コンデンサを接続する経路との間に設けられた第4コンデンサを備え、
    前記第4コンデンサの両端から電力が入出力されることを特徴とする電力変換装置。
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