JP6804323B2 - 粒状大豆蛋白素材、粒状大豆蛋白素材を含む食品組成物、並びに粒状大豆蛋白素材又は粒状大豆蛋白素材を含む食品組成物を含有する加工食品及びこの加工食品の製造方法 - Google Patents
粒状大豆蛋白素材、粒状大豆蛋白素材を含む食品組成物、並びに粒状大豆蛋白素材又は粒状大豆蛋白素材を含む食品組成物を含有する加工食品及びこの加工食品の製造方法 Download PDFInfo
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Description
植物性蛋白は、加工食品の分野で広く利用されているため、日本農林水産省において、一般JAS規格によって定義付けされている(非特許文献1)。このJAS規格において、植物性蛋白の原材料は、大豆粉、脱脂大豆粉、小麦粉、小麦グルテン等から選ばれるものとされている。そして、植物性蛋白の種類は、粉末状植物性蛋白、ペースト状植物性蛋白、粒状植物性蛋白及び繊維状植物性蛋白と区分されている。このうちの粒状植物性蛋白は、「植物蛋白のうち、粒状又はフレーク状に成形したものであって、かつ、肉様の組織を有するもの」と定義されている。
例えば、特許文献1には、嵩密度が低く、かつ従来よりも柔らかく、風味も良好で食しやすいものを提供するために、「植物性蛋白質を乾燥重量で40〜70重量%含有し、吸水時の硬さが2000〜6000gである、HLBが5〜10の有機酸モノグリセライドから選ばれる1種以上の乳化剤を原材料に含有させ製造される、粒状植物性蛋白質素材」が提案されている。
そこで、本発明は、「肉特有の食感」に近い良好な食感を有し、かつ、見た目のなじみもよい加工食品を得ることができる粒状大豆蛋白素材を提供することを主目的とする。
なお、本発明において、以下、「肉特有の食感に近い食感」を「肉様の食感」ともいう。本発明において、「肉特有の食感に近い食感」とは、「肉の繊維のような適度な歯応えのある食感」をいう。また、本発明において、「見た目のなじみ」とは、粒状大豆蛋白素材を配合して得られた加工食品の表面又は切断面において、肉と粒状大豆蛋白素材との見た目のなじみをいう。
そこで、本発明者らは、さらに検討を行った結果、粒状大豆蛋白素材の吸水率も、良好な評価を得るために必要であることを見出した。このことから、本発明者らは、特定の硬さかつ特定の吸水率を有する粒状大豆蛋白素材を、加工食品の原材料に配合すれば、良好な評価の加工食品を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明者らは、加工食品に対し肉様の食感を付与し、見た目のなじみもよい加工食品を得ることができる、新規な粒状大豆蛋白素材を提供できることを見出した。
よって、本発明の粒状大豆蛋白素材は、加工食品(好適には食肉加工食品)の食感改良用粒状大豆蛋白素材;肉様の食感を付与する粒状大豆蛋白素材として使用することができる。
また、本発明の粒状大豆蛋白素材を含む加工食品用組成物(好適には、食肉加工食品用組成物);食感改良用食品組成物(好適には、食肉の食感改良用食品組成物)を提供することもでき、また、本発明の粒状大豆蛋白素材を含む、肉様の食感を付与する食品組成物を提供することもできる。
本発明に係る粒状大豆蛋白素材は、前記粒状大豆蛋白素材中、目開き4mmの篩を通過するものの質量割合が75質量%以上であってもよい。
また、本発明は、前記粒状大豆蛋白素材を含有する加工食品又は前記食品組成物を含有する加工食品を提供する。
また、本発明は、加工食品原材料と、前記粒状大豆蛋白素材と又は前記食品組成物と、を混合する、加工食品の製造方法を提供する。
また、本発明は、加工食品原材料に、前記粒状大豆蛋白素材を又は前記食品組成物を、添加する、加工食品の食感改良方法を提供する。
本発明の実施形態(以下、「本実施形態」ともいう。)に係る粒状大豆蛋白素材は、膨潤・加熱後の硬さが4.0〜6.5kgであり、吸水率が380〜500%である。
<膨潤・加熱後の硬さ>
本実施形態の膨潤・加熱後の硬さは、4.0〜6.5kgであり、好ましくは4.2〜6.2kgであり、より好ましくは4.4〜6.0kgである。4.0kg未満になると、肉様の食感付与が十分でなくなり、6.5kg超えになると、食感が硬すぎて違和感が生じるようになる。
本実施形態の吸水率は、380〜500%であり、好ましくは385〜500%であり、より好ましくは400〜490%である。380%未満になると、食感において肉とのなじみが悪くなり、500%超えになると、食感が柔らかくなり過ぎて肉様の食感が付与されにくくなる。
本実施形態の粒状大豆蛋白素材は、特定の粒度分布に調整することにより、より良好な肉様の食感を得ることができるので、好ましい。
具体的には、前記粒状大豆蛋白素材中、目開き4.0mmの篩を通過するものの質量割合が、好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、より更に好ましくは95質量%以上である。
さらに好ましくは、前記粒状大豆蛋白素材中、(a)目開き4.0mmの篩を通過するものの質量割合が75質量%以上であり、かつ(b)目開き2.8mmを通過し、目開き1.18mmを通過しないものの割合が35質量%以上である。
また、前記粒状大豆蛋白素材中、目開き2.8mmを通過し、目開き1.18mmを通過しないものの割合が、好ましくは35質量%以上、より好ましくは37質量%以上、より好ましくは39質量%以上であり、さらに好ましくは45質量%以上であり、よりさらに好ましくは50質量%以上である。目開き2.8mmを通過し、目開き1.18mmを通過しないものの割合が多い方が、肉様の食感と肉とのなじみが良好になり、見た目のなじみも良好となるので、好適である。
本実施形態の粒状大豆蛋白素材は、大豆由来の蛋白を主な原材料とし、エクストルーダ等の押出成形機により成形することができる。
また、上記粒状大豆蛋白素材の原材料中に、大豆由来の蛋白以外の原材料として、適宜、任意成分を配合してもよい。原材料中に配合する任意成分として、特に限定されず、通常使用されている添加材を使用してもよく、例えば、大豆由来以外の蛋白(例えば、グルテン等の植物性蛋白)、食用油脂、澱粉、食物繊維、色素及び調味料等が挙げられ、これら1種又は2種以上を適宜使用してもよい。
大豆由来等の蛋白は、酵素等によって部分分解されていてもよい。また、これら蛋白等の原材料は、市販品を用いてもよい。
また、大豆由来の蛋白は、上記粒状大豆蛋白素材の原材料中、乾燥質量換算で、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、さらに好ましくは70〜100質量%である。
粉体原材料に添加する水は、特に限定されるものではなく、本発明の効果を損ねない範囲内であればよく、醤油等の発酵調味料、着色料等を含む水溶液等も用いることができる。水の添加量は、原材料中の水分が、5〜60質量%になるよう調整する。
上記粉砕は、粉砕機を用いるのが好ましい。乾燥(好適には40〜100℃)により、水分含有量5〜10重量%にすることが、保管等の点で好ましい。また、各種篩を用いて粒度分布を適宜調整してもよい。
上記粒状大豆蛋白素材が乾燥状態の場合、輸送や保管が容易な点で好ましい。
本実施形態の粒状大豆蛋白素材は、加工食品に含有させることで、良好な肉様の食感を食品に付与することができる。当該粒状大豆蛋白素材は、加工食品に含有させることで、加工食品の食感を改良することもできる。食肉加工食品に含有させることで、より肉特有の食感に近い食感を食品に付与することができるので好適である。
よって、本実施形態の粒状大豆蛋白素材は、加工食品(好適には食肉加工食品)の食感改良用粒状大豆蛋白素材;肉様の食感を付与する粒状大豆蛋白素材としても使用することができる。
本実施形態の粒状大豆蛋白素材に使用可能な加工食品として、例えば、食肉加工食品(例えば、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、餃子、焼売等)及び水産加工食品(例えば、練り製品(例えば、かまぼこ、ちくわ、つみれ等)等)等が挙げられる。
本実施形態の食肉原材料として、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉、馬肉等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
食肉原材料として、挽肉を使用することが、好ましい。本実施形態の粒状大豆蛋白素材を添加することで、得られた食肉加工食品に適度な硬さと肉様の食感を付与することができる。また、本実施形態の粒状大豆蛋白素材は、挽肉と結着しやすいので、食肉加工食品に肉様の食感を付与しやすく、さらに見た目のなじみも良好である。本実施形態の粒状大豆蛋白素材は、挽肉からの肉汁等が浸透し肉の風味を得やすいため、食肉加工食品の風味も良好である。
また、上記粒状大豆蛋白素材を用いた場合、冷凍耐性が付与されるため食感が変わらず良好であることから、上記成形後又は加熱調理後等に、冷凍してもよい。
得られた加工食品は、喫食の際に、良好な肉様の食感を有し、見た目のなじみも良好である。
以下に加工食品に対する本実施形態の粒状大豆蛋白素材の使用の一例を説明するが、本実施形態はこれに限定されることなく、加工食品全般で使用することが可能である。
また、上記粒状大豆蛋白素材が乾燥状態の場合には、粒状大豆蛋白素材を液体で膨潤させた後に原材料と混合するのが、原材料と馴染みやすくなるので、好ましい。例えば、粒状大豆蛋白素材100質量部に対して、液体150〜350質量部を添加し、5〜20分程度膨潤させた後に、使用するのが好適である。
上記所定の形状は、特に限定されないが、任意の形状に成形すればよい。
上記具材を成形するとき、目的の加工食品に応じて、パン粉、包皮食品用皮、ケーシング等を適宜使用してもよい。パン粉、包皮食品用皮、ケーシングは市販品を用いてもよい。
包皮食品用皮として、例えば、穀物(小麦粉、ソバ粉、トウモロコシ粉等)由来の皮が挙げられる。ケーシングとして、例えば腸(例えば豚、羊、牛等)、フィルム(例えば、コラーゲン、プラスチック、セルロース等)の皮等が挙げられる。
得られる加工食品は特に限定されないが、食肉加工食品や挽肉加工食品が好ましい。挽肉加工食品として、例えば、ハンバーグ、メンチカツ、つくね、チキンナゲット、包皮食品(例えば、焼売、餃子、中華まん、春巻き等)、ソーセージ等が挙げられる。
本実施形態の粒状大豆蛋白素材を使用して、加工食品を製造するための食品組成物を提供することができる。この食品組成物として、例えば、前記粒状大豆蛋白素材を含む加工食品用食品組成物(好適には食肉加工食品用食品組成物);前記粒状大豆蛋白素材を含む食感改良用食品組成物;及び前記粒状大豆蛋白素材を含む肉様の食感を付与する食品組成物等が挙げられる。
また、上記食品組成物に含有させる任意成分として、本発明の効果を損ねない範囲内で、水、野菜、果物、海藻類、調味料、香辛料、増粘剤、澱粉、着色料、その他の植物性・動物性蛋白等が挙げられる。
野菜として、例えば、タマネギ、ニンジン、ピーマン等が挙げられる。調味料として、例えば、ニンニク、ショウガ、トウガラシ、コショウ、醤油、味噌等が挙げられる。
当該任意成分の状態は、特に限定されず、固体状、液状、半固体状のいずれでもよく、また、乾燥状態であってもよい。
また、上記粒状大豆蛋白素材を含有する食品組成物を、包装袋又は容器等に入れ、これを密封してもよい。密封後、必要に応じて、加熱殺菌してもよい。
本実施形態の食品組成物中の上記粒状大豆蛋白素材の含有量は、特に限定されないが、乾燥状態において、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは2〜20質量%である。
本実施形態の加工食品(好適には食肉加工食品)の製造方法は、上述の如く、加工食品(好適には食肉加工食品)の原材料と、上記粒状大豆蛋白素材と又は上記食品組成物と、を混合することを含むものである。さらに、混合した未調理の加工食品を、成形後、加熱調理すること、また、混合後に、成形後に又は加熱調理後に冷凍することを含んでもよい。
本実施形態の製造方法によって、喫食の際に、より肉特有の食感に近い食感を有する加工食品を得ることができる。喫食の際の加熱調理は特に限定されない。
また、加工食品の原材料に、上記粒状大豆蛋白素材を又は上記食品組成物を、添加することにより、加工食品の食感を改良することができる。
なお、原材料、成形、加熱調理等については、上述のことを用いればよい。
本発明において用いる測定方法を以下に示す。また、本実施例において、以下の測定方法を行い、各測定結果を得た。
(1)膨潤・加熱後の硬さの測定
粒状大豆蛋白素材の試料30gを60gの熱湯で湯戻した。湯戻しした試料を直径50mmのケーシング(クレハロンシーム(株式会社クレハトレーディング製))に詰めて両端を密封する。密封したケーシングを、30分間沸騰水浴中で加熱し、加熱後、水槽内で冷却する。冷却後、ケーシングを開封し、膨潤・加熱後の粒状大豆蛋白素材を約27℃に調整する。
前処理をした粒状大豆蛋白素材20gを直径50mm・高さ26mmの円筒状の容器に取り、表面を平らに整える。
直径40mmの平滑プランジャーを有するレオメーター(SUN RHEO METER COMPAC-100II(株式会社サン科学製))により、次のようにして、膨潤・加熱後の粒状大豆蛋白素材の硬さを測定する。
<1>円筒状の容器内にある膨潤・加熱後の粒状大豆蛋白素材に対し、平滑プランジャー(Φ48mm)を、円筒状の容器の底面から18mmの深さまで押し込み(速度180mm/分)、その状態で2分間保持する。その後、平滑プランジャーに試料が付着しないよう注意しながら、試料から離す。
<2>次いで、平滑プランジャー(Φ40mm)を、円筒状の容器の底面から9mmの深さまで押し込み(速度180mm/分)、この9mmの深さまで押し込んだときの最大荷重(単位:kg)を測定値とする。
粒状大豆蛋白素材の試料30gを500mLビーカーに入れ、そこに20℃の水を300g加え、室温下に12分間放置する。水戻しさせた粒状大豆蛋白素材全量を、目開き850μm(20メッシュ)の篩を用い、5分間ざるきりする。ざるきり後の篩上の水戻し品の重量(w)gを測定する。
吸水率(X)%を下記数式により算出する。
X(%)=(Wg/30g)×100
目開き6.7mm(3メッシュ)、目開き4.0mm(4.7メッシュ)、目開き2.8mm(6.5メッシュ)、目開き1.7mm(10メッシュ)、目開き1.18mm(14メッシュ)、目開き0.85mm(18メッシュ)の6種類の試験篩を用いて、ロータップ型ふるい振盪機(桑原試験機製作所製)で試料120gを10分間ふるい、各篩区分の質量を測定し、粒度を求める。粒状大豆蛋白素材の全量を100質量%とする。なお、例えば、表中の目開き0.85mm上の「上」とは、篩を通過しなかったものであり、目開き0.85mm下の「下」とは、篩を通過したものである。
本発明において用いる評価方法を以下に示す。また、本実施例において、以下の評価基準で、10名のパネラーにより評価し、各評価結果を得た。
「食感」の評価において、(A)肉の繊維・粒感及び(B)肉とのなじみの評価が、それぞれ「3,3」以上のものを合格とした。さらに、「3,4」「3,5」「4,3」「5,3」を「より良好」、「4,4」「4,5」「5,4」を「更に良好」、「5,5」のものを「最も良好」と判断する。
5:肉の繊維・粒感の歯ごたえがしっかりとある。
4:肉の繊維・粒感の歯ごたえがある。
3:肉の繊維・粒感の歯ごたえが少しある。
2:肉の繊維・粒感の歯ごたえがほぼない。
1:肉の繊維・粒感の歯ごたえがなく、悪い。
5:大豆蛋白素材の歯ごたえが強すぎず、肉と大豆蛋白素材とのなじみがよく、食感に違和感がない。
4:大豆蛋白素材の歯ごたえが強すぎず、肉と大豆蛋白素材とのなじみがよく、食感にほぼ違和感がない。
3:大豆蛋白素材の歯ごたえが少し強いが、肉と大豆蛋白素材とのなじみがよく、やや違和感はあるが、許容できる範囲である。
2:大豆蛋白素材の歯ごたえが強く、肉と大豆とのなじみがあまりよくなく、違和感がある。
1:大豆蛋白素材の歯ごたえが強すぎて、肉と大豆とのなじみが悪く、違和感が強い。
5:焼き縮みがなく、中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみが非常に良好。
4:焼き縮みがほぼなく、中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみが良好。
3:焼き縮みはあるが、中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみが許容できる範囲である。
2:焼き縮みがややあり、中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみがやや悪い。
1:焼き縮みがあり、中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみが悪い。
5:表面及びこれを中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみが非常に良好。
4:表面及びこれを中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみが良好。
3:表面及びこれを中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみが許容できる範囲である。
2:表面及びこれを中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみがやや悪い。
1:表面及びこれを中央付近で切断したときの断面について、肉と大豆蛋白素材の見た目のなじみが悪い。
◎:冷凍保存前と食感が変わらず、非常に良好。
○:冷凍保存前と食感がほぼ変わらず、良好。
×:冷凍保存前より、食感が弱くなり、悪い。
脱脂大豆粉を用い、二軸エクストルーダを使用して膨化状況を観察しながら加圧加熱により組織化した。加水量は約30〜40%の間で調整し、組織化に影響のある以下の(a)〜(c)について、(a)加熱時の加圧は3〜4MPaの範囲内、(b)先端バレル温度は約140〜180℃の範囲内及び(c)加熱時間は30〜90秒の範囲内になるよう調整してダイから押出し、ダイ出口直後にカッター(回転数:500〜1000rpm)で切断して組織化物を得た。このときのスクリュー回転数の調整については約200〜900rpmの範囲内で行った。
次いで、組織化物を粉砕機で粉砕し、乾燥機を用いて、80℃の熱風で組織化物を水分8重量%まで乾燥した。その後、目開き6mmの篩にて大きなサイズの組織化物を除去し、粒状大豆蛋白素材(試作品A〜試作品I)を得た。さらに、試作品D〜Gについては、上述した(3)粒度分布測定に使用した篩を適宜用いて粒度を調整した。
〔試作品A〕:ハンバーグ:試験例3(実施例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例26(実施例)に使用した。
〔試作品B〕:ハンバーグ:試験例4(実施例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例18(実施例)に使用した。
〔試作品C〕:ハンバーグ:試験例5(実施例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例19(実施例)に使用した。
〔試作品D〕:ハンバーグ:試験例9(実施例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例27(実施例)に使用した。
〔試作品E〕:ハンバーグ:試験例10(実施例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例28(実施例)に使用した。
〔試作品F〕:ハンバーグ:試験例11(実施例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例29(実施例)に使用した。
〔試作品G〕:ハンバーグ:試験例12(実施例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例30(実施例)に使用した。
〔試作品H〕:蒸しつくね、及びナゲット:試験例20(実施例)に使用した。
〔試作品I〕:蒸しつくね、及びナゲット:試験例21(実施例)に使用した。
市販品1〜8を入手し、この市販品1〜8の膨潤・加熱後の硬さ、吸水率及び粒度は、上述の測定方法にて測定し、それぞれの結果については、表2〜4、及び表7〜8に示した。これらは、以下に示す製品に使用し、その評価結果は表2〜4、及び表7〜8に示した。
〔市販品1〕ハンバーグ:試験例1(比較例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例22(比較例)に使用した。
〔市販品2〕ハンバーグ:試験例2(比較例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例23(比較例)に使用した。
〔市販品3〕ハンバーグ:試験例7(比較例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例14(比較例)に使用した。
〔市販品4〕ハンバーグ:試験例8(比較例)/蒸しつくね、及びナゲット:試験例15(比較例)に使用した。
〔市販品5〕蒸しつくね、及びナゲット:試験例16(比較例)に使用した。
〔市販品6〕蒸しつくね、及びナゲット:試験例17(比較例)に使用した。
〔市販品7〕蒸しつくね、及びナゲット:試験例24(比較例)に使用した。
〔市販品8〕蒸しつくね、及びナゲット:試験例25(比較例)に使用した。なお、市販品8は、膨潤・加熱後の硬さを測定するときに、粒状大豆蛋白素材が一塊に結着したため、測定することができなかった。
粒状大豆蛋白素材(試作品A〜G、及び市販品1〜4)を含むハンバーグ原材料(表1参照)を用いて、以下の手順にて、ハンバーグ(焼成製品)を製造した。
表1の「大豆蛋白素材入り試験区」に記載の各原材料を用いてハンバーグ生地を得た。具体的には、玉ねぎは、みじん切りにした後炒め、粒状大豆蛋白素材は、2.5倍量の水で、15分間、水戻しした。粒状大豆蛋白素材以外の材料をミキサーで2分間混ぜた後、大豆蛋白素材入りの試験区においては、水戻しの粒状大豆蛋白素材を加えてさらに混ぜた。1個あたり約80gに分割し、厚さ約1cm、10cm×5cmの楕円形にハンバーグ生地を成形した。また、コントロールについて、粒状大豆蛋白素材を加えなかった以外は上記「大豆蛋白素材入り試験区」と同様にして、表1の「コントロール」に記載の各原材料を用いて、コントロールのハンバーグ生地を成形した。
成形後、ハンバーグ生地をコンベクションオーブン(株式会社エフ・エム・アイ)にて、180℃、10分間、焼成して、各ハンバーグ(表2〜5:試験例1〜12)を得た。各ハンバーグの喫食時の評価を行った結果を表2〜5に示す。
さらに、市販品1〜4及び試作品A〜Gの粒状大豆蛋白素材について、粒状大豆蛋白素材の膨潤・加熱後の硬さ、吸水率及び粒度について測定し、粒状大豆蛋白素材の膨潤・加熱後の硬さ、吸水率及び粒度のハンバーグへの評価の影響について検討を行った。その結果を表3〜5に示した。
表3の結果から、吸水率がほぼ同じの市販品3〜4及び試作品B〜Cを比較した結果、粒状大豆蛋白素材の膨潤・加熱後の硬さは、4.8〜6.0kgの場合、製品の評価は全て3以上で良好あったのに対し、硬さが3.4kg以下の場合、製品の評価が全て3以上にならず、良好でなかった。
表4の結果から、市販品1〜2、及び試作品A〜Cの結果から、粒状大豆蛋白素材の吸水率は、386〜479%の場合、製品の評価は全て3以上で良好であったのに対し、吸水率は315%以下の場合、製品の評価が全て3以上にならず、良好でなかった。
表5の結果から、粒状大豆蛋白素材の粒度分布が、(a)目開き4.0mmの篩を通過するものの質量割合が75質量%以上であり、かつ(b)目開き2.8mmを通過し、目開き1.18mmを通過しないものの割合が35質量%以上の場合、製品の評価は全て3以上で良好であった。(b)目開き2.8mmを通過し、目開き1.18mmを通過しないものの割合が50質量%以上の場合、製品の評価は全て4以上であり、さらに良好であった。
粒状大豆蛋白素材(試作品A〜I及び市販品1〜8)を含む蒸しつくね、及びナゲット原材料(表6参照)を用いて、以下の手順にて、蒸しつくね(蒸し製品)及びナゲット(揚げ製品)、及びその冷凍品を製造した。
表6の「大豆蛋白素材入り試験区」に記載の各原材料を用いてつくね生地を得た。具体的には、粒状大豆蛋白素材を2.5倍量の水で、15分間、水戻しし、ひき肉と水戻しの粒状大豆蛋白素材をミキサーで1分間混合した。粉類(加熱処理小麦粉、塩、砂糖、生姜)を投入した後1分間混合し、冷水を投入して、さらに30分間混合し、つくね生地を得た。また、コントロールについて、粒状大豆蛋白素材を用いなかった以外は上記「大豆蛋白素材入り試験区」の製造方法と同様にして、表6の「コントロール」に記載の原材料を用いてコントロールのつくね生地を得た。
つくね生地を約23gに分割成形し、離形油を塗った鉄板に並べた。蒸し器で10分間蒸し、各蒸しつくね(蒸し製品)を得た。蒸しつくねを23℃まで急速冷却して、−20℃で冷凍保存した。電子レンジにて解凍後、各蒸しつくね(試験例13〜30)の喫食時の評価を行った結果を表7〜9に示す。
さらに、蒸しつくねに衣を付けたものをナゲットとした。具体的には、冷水200gにバッターミックス(から揚げ粉塩味(昭和産業株式会社製))200gを加え混ぜ、バッター液を作製した。各蒸し製品に、バッター液をつけ、大豆油(昭和産業株式会社製)で(網で沈めながら)1分間油ちょうした。
各ナゲット(揚げ製品)を23℃まで急速冷却して、−20℃で冷凍保存した。各ナゲットは、電子レンジにて加熱し、喫食した。
表8の結果から、粒状大豆蛋白素材の吸水率は、386〜479%の場合、製品の評価は全て3以上で良好であったのに対し、吸水率は375%以下の場合、又は吸水率1003%以上の場合、製品の評価が全て3以上にならず、良好でなかった。
表9の結果から、粒状大豆蛋白素材の粒度分布が、(a)目開き4.0mmの篩を通過するものの質量割合が75質量%以上であり、かつ(b)目開き2.8mmを通過し、目開き1.18mmを通過しないものの割合が35質量%以上の場合、製品の評価は全て3以上で良好であった。(b)目開き2.8mmを通過し、目開き1.18mmを通過しないものの割合が39質量%以上の場合、製品の評価は全て4以上であり、さらに良好であった。
試作品A〜試作品Iの粒状大豆蛋白素材を用いた冷凍品は、何れも良好な冷凍耐性を有していた。
また、蒸し後に油ちょう・冷凍したナゲットにおいても、喫食時に良好な肉様の食感及び良好な外観であった。
さらに、本実験結果から、粒状大豆蛋白素材の粒度分布が、(a)目開き4.0mmの篩を通過するものの質量割合が75質量%以上である場合に、製品の良好な評価を得ることができると考えた。そして、前記粒度分布(a)の質量割合、かつ(b)目開き2.8mmを通過し、目開き1.18mmを通過しないものの割合が35質量%以上の場合に、製品の良好な評価を得ることができると考えた。
Claims (5)
- 膨潤・加熱後の硬さが4.0〜6.5kgであり、吸水率が380〜500%である、粒状大豆蛋白素材であって、前記粒状大豆蛋白素材中、目開き4mmの篩を通過するものの質量割合が75質量%以上であり、かつ目開き2.8mmを通過し、目開き1.18mmを通過しないものの割合が35質量%以上である、粒状大豆蛋白素材。
- 請求項1記載の粒状大豆蛋白素材を含む食品組成物。
- 請求項1記載の粒状大豆蛋白素材、又は請求項2記載の食品組成物を含有する加工食品。
- 加工食品原材料と、請求項1記載の粒状大豆蛋白素材と、又は請求項2記載の食品組成物と、を混合する、加工食品の製造方法。
- 加工食品原材料に、請求項1記載の粒状大豆蛋白素材を、又は請求項2記載の食品組成物を添加し、前記粒状大豆蛋白素材の使用量が、肉原材料100質量部に対して、乾燥状態において、1〜30質量部となる、加工食品の食感改良方法。
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| JP2017021694A JP6804323B2 (ja) | 2017-02-08 | 2017-02-08 | 粒状大豆蛋白素材、粒状大豆蛋白素材を含む食品組成物、並びに粒状大豆蛋白素材又は粒状大豆蛋白素材を含む食品組成物を含有する加工食品及びこの加工食品の製造方法 |
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