JP6804733B2 - 薬液注入工法 - Google Patents

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Description

本発明は、薬液注入工法に関する。
従来、止水対策、強度改良、液状化防止対策等の地盤改良の一手法として薬液注入工法が多用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、薬液注入工法は、一般に、薬液(注入材)を地盤に浸透注入する手法と、薬液を加圧して地盤を割裂させつつ注入する手法に分類される。薬液には、粘性が水に近く細かい砂等への浸透性が高い「溶液型薬液」と、改良後の地盤強度を重視したセメント等の粒子分を含む「懸濁型薬液」が用いられている。
さらに、浸透性と耐久性に優れる等の多くの利点を有することから、溶液型薬液として活性シリカコロイド系(コロイダルシリカ)の薬液が、特に砂地盤の液状化対策等の本設注入に多用されている。また、近年では、セメント系グラウト材料で改良が困難な岩盤亀裂に対しても活性シリカコロイド系の薬液が適用されており、厳しい許容湧水量が要求される地層処分施設建設のためのグラウト材料としての適用性も検討されている。
特開2014−163195号公報 特開2008−63786号公報
しかしながら、溶液型グラウト材料はセメント系材料と比べ硬化しにくいため、注入施工時に地盤中に設置した注入管、高圧パッカーを注入施工完了とともに撤去する際、注入した溶液型グラウトが注入孔内に逆流し、地上に流出するおそれがある。
これに対し、注入した薬液が地盤中で十分に硬化することを待ち、その後に高圧パッカーの撤去を開始する対策を講じることもあるが、この場合には、硬化を待つために長時間を要し、施工コストや工期が増大するという問題があった。このため、薬液の硬化を待たずに注入管、高圧パッカーを取り除いても薬液の逆流を確実に防止できる手法が強く望まれていた。
上記事情に鑑み、本発明は、薬液の硬化を待たずに注入管、高圧パッカーを取り除いても薬液の逆流を防止することを可能にする薬液注入工法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の薬液注入工法は、地盤に穿設した注入孔内に注入管を挿入し、パッカーを膨張させて前記注入管と前記注入孔の隙間を閉塞させ、前記注入管で薬液を送液するとともに前記注入管の口元から吐出させて地盤に注入する薬液注入工法において、規定の注入の終了後または終了間際に、硬化促進剤を前記注入管の口元で前記薬液に添加して前記注入孔内に硬化体を形成するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の薬液注入工法においては、前記硬化促進剤を前記薬液に添加して前記注入孔内に注入する注入作業完了とともに前記注入管を前記注入孔内から引き抜くようにしてもよい。
本発明の薬液注入工法においては、規定の注入の終了後または終了間際に、硬化促進剤を注入管の口元で薬液に添加して注入孔内に硬化体を形成することによって、薬液の孔内への逆流・流出を防止できる。これにより、従来と比較し、注入後の注入管や高圧パッカー撤去開始時間を短縮させることができ、コスト・工期の低減を図ることが可能になる。また、薬液の孔内への逆流・流出を防止できるため、止水品質を向上させることが可能になる。
以下、本発明の一実施形態に係る薬液注入工法について説明する。
はじめに、本実施形態の薬液注入工法では、例えば、改良対象の地盤に対し、地表に配置されたボーリングマシンなどで所定深度までグラウト孔(注入孔)を穿孔掘削する。また、この穿孔掘削に用いる削孔注入管には、削孔水や注入材、薬液を圧送するための配管、注入ポンプが接続されている。
ここで、周知の通り、薬液注入工法では、これに用いる薬液として、セメント、ベントナイト、水ガラスなど種々のものが存在するが、中でも水ガラス系薬液を主体としたものが多用されている。例えば、主剤と、硬化剤または助剤、あるいは硬化剤と助剤(以下、これらを総称して硬化剤という)の配合比率を調整することで容易に硬化時間(ゲルタイム)を調整することができる。また、地盤の土質性状や目的に応じて多様な選択性を有することや、注入した薬液により地盤を適度な固さとすることができ、例えば、改良後に地盤を掘削する場合など好適に掘削できることや、薬液の注入に要する機械設備が小型で狭所や高さ制限のある場所での施工性がよいことなど多くの利点を有している。
さらに、薬液注入工法は、薬液を地盤内に注入する方法の違いにより、1ショット方式と1.5ショット方式と2ショット方式とに区別される。さらに、地盤内に建て込まれ地盤の所定深度に薬液を送るための注入管の違いにより、二重管ストレーナ方式とダブルパッカー方式とに区別される。
具体的に、1ショット方式では、主剤と硬化剤を所定の配合比率で薬液ミキサーによって予め撹拌混合しておき、主剤と硬化剤を混合した1液状態の薬液を圧送して地盤に注入する。
1.5ショット方式では、主剤と硬化剤とを送液ポンプで個別に注入管に送り注入管の頭部で2液を合わせ、混合された薬液を注入管の先端から吐出して地盤に注入する。
2ショット方式では、1.5ショット方式と同様に、主剤と硬化剤とを送液ポンプで個別に注入管に送り、注入管の先端から吐出される瞬間に2液を合わせて混合する。
二重管ストレーナ方式では、外管と内管とを備える注入管(二重管ロッド)を使用して所定深度まで地盤を削孔した後に、二重管ロッドに設けられたパッカーを膨張させて外管と掘削孔(注入孔)の内面の隙間を閉塞させ、この状態で、外管と内管のそれぞれの内孔を通じ二重管ロッドの先端側の噴出部から主剤と硬化剤を送液して注入する。この二重管ストレーナ方式は1.5ショットまたは2ショット方式で用いる。
ダブルパッカー方式では、地盤をケーシング削孔した後に、軸方向に所定間隔をもって複数の貫通孔が形成された外管をケーシング内に挿入し、薬液を吐出する噴出部を先端に有し噴出部を挟んで軸方向上下にパッカーが設けられた内管を外管内に挿入する。そして、貫通孔と噴出部の深度を一致させて上下のパッカーで外管と内管との隙間を閉塞しつつ貫通孔と噴出部とを一つの空間内に位置させ、噴出部から薬液を吐出し貫通孔を通じて地盤に薬液を注入する。このダブルパッカー方式は1ショット方式で用いる。また、ダブルパッカー方式では、地盤の所定深度毎に複数の貫通孔を形成しておき噴出部を順に各貫通孔に一致させつつ注入を行なうことで、深度方向の地盤に順次薬液を注入することができる。
そして、このような各種薬液注入工法では、各注入孔から薬液を噴出して削孔注入管周囲の孔内及び注入孔の周辺地盤に注入すると、この薬液が硬化(固化)して柱状の固結体が造成される。また、一般に、溶液型グラウトでは活性シリカコロイドに無機塩である硬化促進剤を添加することによりゲル化させるもの(数分〜数時間の範囲で調整可能)であり、グラウトタンク内で硬化促進剤の添加量により適切なゲルタイムを調整(一般的に数十分〜2時間程度)した後に注入する。
一方、本実施形態の薬液注入工法においては、薬液に硬化促進剤を添加することにより溶液型グラウトが硬化することに着目し、規定の注入の終了後または終了間際に、硬化促進剤を口元で薬液に添加して混合させ、このように硬化促進剤を添加した薬液を注入する。すなわち、本実施形態の薬液注入工法では、1.5ショット方式あるいは2ショット方式を採用し、規定の注入の終了後または終了間際に硬化促進材を口元で薬液に混合させ、この薬液を注入する。
そして、このように規定の注入の終了後または終了間際に硬化促進材を添加すると、グラウト孔内に硬化時間の短い硬化体が形成されることになる。
したがって、本実施形態の薬液注入工法においては、1.5ショット方式あるいは2ショット方式を採用し、規定の注入の終了後または終了間際に硬化促進材を口元で薬液に混合させることにより、グラウト孔内の注入口側に硬化時間の短い硬化体を形成することができる。これにより、注入作業完了とともに注入管を孔内から引き抜いて撤去しても、溶液型グラウトの孔内への逆流・流出を防止することが可能になる。
すなわち、本実施形態の薬液注入工法においては、従来、注入した薬液が固まるまでパッカーによって漏れを防止するのに対し、注入作業完了した段階で硬化促進剤でグラウト孔内に硬化体を形成し、この硬化体をパッカーの代わりとして薬液の逆流・流出を防止できる。
よって、本実施形態の薬液注入工法によれば、従来と比較し、注入後の注入管や高圧パッカー撤去開始時間を短縮することができ、コスト・工期の低減を図ることが可能になる。また、溶液型グラウトの孔内への逆流・流出を防止できるため、止水品質を向上させることが可能になる。
以上、本発明に係る薬液注入工法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

Claims (2)

  1. 地盤に穿設した注入孔内に注入管を挿入し、パッカーを膨張させて前記注入管と前記注入孔の隙間を閉塞させ、前記注入管で薬液を送液するとともに前記注入管の口元から吐出させて地盤に注入する薬液注入工法において、
    規定の注入の終了後または終了間際に、硬化促進剤を前記注入管の口元で前記薬液に添加して前記注入孔内に硬化体を形成するようにしたことを特徴とする薬液注入工法。
  2. 前記硬化促進剤を前記薬液に添加して前記注入孔内に注入する注入作業完了とともに前記注入管を前記注入孔内から引き抜くようにしたことを特徴とする請求項1に記載の薬液注入工法。
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