JP6812995B2 - 正帯電性トナー - Google Patents
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Description
本実施形態に係る正帯電性トナー(以下、単にトナーと記載することがある。)は、例えば、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態に係るトナーは、トナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含有する集合体(例えば粉体)である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して2成分現像剤として使用してもよい。
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。
次に、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
トナーの低温定着性を向上させるためには、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子の表面に付着した外添剤を備える。外添剤は、シリカ基体と、シリカ基体を覆うコート層とを備える外添剤粒子(以下、特定外添剤粒子と記載することがある。)を含む。特定外添剤粒子が備えるコート層は、ランタン原子を含む。また、特定外添剤粒子が備えるコート層の表面は、疎水化処理されている。
次に、上述した実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。以下、上述した実施形態に係るトナーと重複する構成要素については説明を省略する。
まず、凝集法又は粉砕法によりトナー母粒子を調製する。
その後、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製「マルチパーパスミキサ」)を用いて、得られたトナー母粒子と、特定外添剤粒子を少なくとも含む外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。こうして、トナー粒子を含むトナーが製造される。
[外添剤EA−1の調製]
シリカ基体としての乾式フュームドシリカ粒子(株式会社トクヤマ製「レオロシール(登録商標)QS−10」)50gを、純水300gに懸濁させてスラリーを得た後、加温してその温度を40℃に調整した。次いで、温度40℃のスラリーに塩酸(塩化水素の濃度:1モル/L)を添加して、スラリーのpHを3に調整した。
酸化ランタン(和光純薬工業株式会社製)の添加量をシリカ基体の質量に対して25質量%としたこと以外は、外添剤EA−1の調製と同様の方法により、外添剤EA−2を得た。外添剤EA−2に含まれる外添剤粒子は、シリカ基体と、シリカ基体を覆うコート層(詳しくは、ランタン原子を含むコート層)とを備え、コート層の表面に正帯電化処理及び疎水化処理が施されていた。また、外添剤EA−2に含まれる外添剤粒子は、個数平均一次粒子径が21nmであった。
酸化ランタン(和光純薬工業株式会社製)の添加量をシリカ基体の質量に対して35質量%としたこと以外は、外添剤EA−1の調製と同様の方法により、外添剤EA−3を得た。外添剤EA−3に含まれる外添剤粒子は、シリカ基体と、シリカ基体を覆うコート層(詳しくは、ランタン原子を含むコート層)とを備え、コート層の表面に正帯電化処理及び疎水化処理が施されていた。また、外添剤EA−3に含まれる外添剤粒子は、個数平均一次粒子径が22nmであった。
n−ブチルトリエトキシシラン(被覆シリカ粉体の質量に対する添加量:10質量%)の代わりに、n−オクチルトリエトキシシラン(被覆シリカ粉体の質量に対する添加量:10質量%)を用いたこと、及び酸化ランタン(和光純薬工業株式会社製)の添加量をシリカ基体の質量に対して25質量%としたこと以外は、外添剤EA−1の調製と同様の方法により、外添剤EA−4を得た。外添剤EA−4に含まれる外添剤粒子は、シリカ基体と、シリカ基体を覆うコート層(詳しくは、ランタン原子を含むコート層)とを備え、コート層の表面に正帯電化処理及び疎水化処理が施されていた。また、外添剤EA−4に含まれる外添剤粒子は、個数平均一次粒子径が19nmであった。
焼成を行わなかったこと、及び酸化ランタン(和光純薬工業株式会社製)の添加量をシリカ基体の質量に対して25質量%としたこと以外は、外添剤EA−1の調製と同様の方法により、外添剤EA−5を得た。外添剤EA−5に含まれる外添剤粒子は、シリカ基体と、シリカ基体を覆うコート層(詳しくは、ランタン原子を含むコート層)とを備え、コート層の表面に正帯電化処理及び疎水化処理が施されていた。また、外添剤EA−5に含まれる外添剤粒子は、個数平均一次粒子径が21nmであった。
焼成の際の温度(焼成温度)を600℃に変更したこと、及び酸化ランタン(和光純薬工業株式会社製)の添加量をシリカ基体の質量に対して25質量%としたこと以外は、外添剤EA−1の調製と同様の方法により、外添剤EA−6を得た。外添剤EA−6に含まれる外添剤粒子は、シリカ基体と、シリカ基体を覆うコート層(詳しくは、ランタン原子を含むコート層)とを備え、コート層の表面に正帯電化処理及び疎水化処理が施されていた。また、外添剤EA−6に含まれる外添剤粒子は、個数平均一次粒子径が20nmであった。
以下の点を変更したこと以外は、外添剤EA−1の調製と同様の方法により、外添剤EA−7を得た。外添剤EA−7に含まれる外添剤粒子は、シリカ基体と、シリカ基体を覆うコート層(詳しくは、ランタン原子を含むコート層)とを備え、コート層の表面に疎水化処理が施されていた。また、外添剤EA−7に含まれる外添剤粒子は、個数平均一次粒子径が23nmであった。
外添剤EA−7の調製では、3−アミノプロピルトリエトキシシランによる表面処理を行わなかった。外添剤EA−7の調製では、焼成の際の温度(焼成温度)を600℃に変更した。外添剤EA−7の調製では、酸化ランタン(和光純薬工業株式会社製)の添加量をシリカ基体の質量に対して25質量%とした。
擂潰機(石川式攪拌擂潰機22号)を用いて表面処理する際の処理対象(粉体)として、焼成した被覆シリカ粉体50gの代わりに、乾式フュームドシリカ粒子(株式会社トクヤマ製「レオロシール(登録商標)QS−10」)50gを用いたこと以外は、外添剤EA−1の調製と同様の方法により、外添剤EB−1を得た。外添剤EB−1に含まれる外添剤粒子は、ランタン原子を含むコート層を備えていなかった。また、外添剤EB−1に含まれる外添剤粒子は、個数平均一次粒子径が18nmであった。
酸化ランタン(和光純薬工業株式会社製)の添加量をシリカ基体の質量に対して25質量%としたこと、及び擂潰機(石川式攪拌擂潰機22号)を用いた表面処理(正帯電化処理及び疎水化処理)を行わなかったこと以外は、外添剤EA−1の調製と同様の方法により、外添剤EB−2を得た。外添剤EB−2に含まれる外添剤粒子は、ランタン原子を含むコート層の表面が、正帯電化処理及び疎水化処理の何れも施されていなかった。また、外添剤EB−2に含まれる外添剤粒子は、個数平均一次粒子径が22nmであった。
擂潰機(石川式攪拌擂潰機22号)を用いて表面処理する際の処理対象(粉体)として、焼成した被覆シリカ粉体50gの代わりに、酸化ランタン(和光純薬工業株式会社製)50gを用いたこと以外は、外添剤EA−1の調製と同様の方法により、外添剤EB−3を得た。外添剤EB−3に含まれる外添剤粒子は、シリカ基体を備えていなかった。また、外添剤EB−3に含まれる外添剤粒子は、個数平均一次粒子径が300nmであった。
錠剤成型圧縮機(株式会社前川試験機製作所製「BRE−33」)を用いて、測定対象(外添剤EA−1〜EA−7及びEB−2の何れか)の外添剤0.5gを加圧成形して、直径20mmの円柱状ペレットを作製した。得られたペレットについて下記条件で蛍光X線分析を行い、ランタン(La)に由来するピークを含む蛍光X線スペクトル(横軸:エネルギー、縦軸:強度(光子の数))を得た。
・分析装置:蛍光X線分析装置(株式会社リガク製「ZSX−100e」)
・X線管球(X線源):Rh(ロジウム)
・励起条件:管電圧50kV、管電流60mA
・分光結晶:LiF
・検出器:シンチレーション検出器
・測定領域(X線照射範囲):直径20mm
・測定雰囲気:真空(20Pa)
乾式フュームドシリカ粒子(株式会社トクヤマ製「レオロシール(登録商標)QS−10」)と、酸化ランタン(和光純薬工業株式会社製)とを混合した粉体サンプルを複数種準備した。詳しくは、乾式フュームドシリカ粒子及び酸化ランタンの合計質量に対して、酸化ランタンを1質量%含む粉体サンプル、酸化ランタンを5質量%含む粉体サンプル、酸化ランタンを10質量%含む粉体サンプル、酸化ランタンを15質量%含む粉体サンプル、酸化ランタンを20質量%含む粉体サンプル、及び酸化ランタンを25質量%含む粉体サンプルをそれぞれ準備した。次いで、錠剤成型圧縮機(株式会社前川試験機製作所製「BRE−33」)を用いて、各粉体サンプル0.5gを加圧成形して、直径20mmの円柱状ペレットを作製した。得られた各ペレットについて、上述した蛍光X線分析の条件と同じ条件で分析を行い、得られた蛍光X線スペクトルのランタン(La)に由来するピークのX線強度と、ペレット中の酸化ランタンの含有量(単位:質量%)とをプロットし、検量線を作成した。
[トナーTA−1の作製]
トナー母粒子として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用シアントナー未外添品(体積中位径(D50):6.8μm)を準備した。100質量部の上記トナー母粒子と、2質量部の外添剤EA−1とを、多目的小型混合粉砕機(日本コークス工業株式会社製「マルチパーパスミキサ」)を用いて、回転速度4000rpmの条件で3分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤EA−1を付着させた。続けて、得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、正帯電性のトナーTA−1が得られた。
外添剤EA−1の代わりに表2に示す外添剤を使用したこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で、トナーTA−2〜TA−7及びTB−1〜TB−3をそれぞれ作製した。トナーTA−2〜TA−7及びTB−1〜TB−3は、何れも正帯電性のトナーであった。
各試料(トナーTA−1〜TA−7及びTB−1〜TB−3)の評価方法は、以下の通りである。
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用キャリア)100質量部と、評価に用いるトナー10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価用現像剤(2成分現像剤)を調製した。
評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」)を用いた。前述の方法で調製した評価用現像剤を評価機のシアン用現像装置に投入し、補給用トナー(評価に用いるトナー)を評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。次いで、温度20℃かつ湿度65%RHの環境下、上記評価機を用いて、印字率2%の画像を印刷用紙(A4サイズ)に5000枚連続で印刷した。次いで、印字率50%の画像(ソリッド部と空白部とを含むパターン画像)を印刷用紙(A4サイズ)に1000枚連続で印刷した。次いで、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いて、印字率50%の画像が印刷されたそれぞれの紙における空白部の反射濃度を測定した。そして、次の式に基づいて、かぶり濃度(FD)を求めた。
かぶり濃度=空白部の反射濃度−未印刷紙の反射濃度
前述の方法で評価用現像剤を調製した後、温度32.5℃かつ湿度80%RHの高温高湿環境下、24時間にわたって評価用現像剤を静置した。その後、温度32.5℃かつ湿度80%RHの高温高湿環境下、評価用現像剤に含まれるトナーの帯電量(単位:μC/g)を、Q/mメーターを用いて測定した。Q/mメーターによる帯電量の測定方法の詳細を以下に示す。
Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)の測定セルに評価用現像剤0.10gを投入し、投入された評価用現像剤のうちトナーのみを篩(金網)を介して10秒間吸引した。そして、式「吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)」に基づいて、トナーの帯電量(単位:μC/g)を算出した。
10 トナー母粒子
20 外添剤粒子
21 シリカ基体
22 コート層
Claims (5)
- トナー粒子を含む正帯電性トナーであって、
前記トナー粒子は、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備え、
前記外添剤は、シリカ基体と、前記シリカ基体を覆うコート層とを備える外添剤粒子を含み、
前記コート層は、ランタン原子を含み、
前記コート層の表面は、疎水化処理されている、正帯電性トナー。 - 前記ランタン原子の含有量は、前記外添剤粒子の質量に対してLa2O3換算で10質量%以上30質量%以下である、請求項1に記載の正帯電性トナー。
- 前記コート層の表面は、炭素原子数4以上12以下の直鎖アルキル基を有する、請求項1又は2に記載の正帯電性トナー。
- 前記コート層の表面は、アミノ基を更に有する、請求項3に記載の正帯電性トナー。
- 前記外添剤粒子の個数平均一次粒子径は、15nm以上30nm以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の正帯電性トナー。
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