JP6815736B2 - 定量装置、定量方法、制御プログラム、および記録媒体 - Google Patents
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Description
まず、本実施形態の定量装置の構成を図1に基づいて説明する。図1は、定量装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。定量装置1は、ICP発光分光分析の分析結果データの解析を行い、該データから元素の定量を行って、その結果である定量分析値を出力する装置である。なお、以下では、分析に供した試料に含まれる元素のうち、定量の対象とする元素を対象元素と呼ぶ。
次に、選択部104による波長の選択について、図4に基づいて説明する。図4は、波長の選択基準の一例を示す図である。選択部104は、図示の選択基準に従い、指標値算出部103が算出した指標値(D1−2、D2−3、D1−3)と所定の判定基準値Tとの大小関係に応じた波長に対応する濃度を対象元素の濃度として選択する。
D1−2=(C1−C2)/C1 …数式(1)
D2−3=(C2−C3)/C2 …数式(2)
D1−3=(C1−C3)/C1 …数式(3)
ここで、分光干渉は、対象元素のシグナルと、対象元素と近い波長の共存元素のシグナルとが重なる現象であり、分光干渉が生じたシグナルの強度値は、分光干渉が生じていないシグナルの強度値と比べて大きくなる。
(例1)C1=10、C2=11、C3=6
この例では、D1−2=−0.1、D2−3=0.45、D1−3=0.4となり、これらの値は何れもT=0.5以下である。よって、図4のパターンaに該当するので、選択部104は、「1」の波長を選択する。すなわち、「1」の波長に対応する濃度C1=10を対象元素の濃度とする。
(例2)C1=10、C2=6、C3=4
この例では、D1−2とD2−3はT=0.5以下であるが、D1−3はT=0.5を超える。よって、図4のパターンbに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C2=6を対象元素の濃度と決定する。
(例3)C1=10、C2=20、C3=5
この例では、D1−2とD1−3はT=0.5以下であるが、D2−3はT=0.5を超える。よって、図4のパターンcに該当するので、選択部104は、「1」の波長を選択する。すなわち、「1」の波長に対応する濃度C1=10を対象元素の濃度とする。
(例4)C1=10、C2=6、C3=2
この例では、D1−2はT=0.5以下であるが、D2−3とD1−3はT=0.5を超える。よって、図4のパターンdに該当するので、選択部104は、「3」の波長を選択する。すなわち、「3」の波長に対応する濃度C3=2を対象元素の濃度とする。
(例5)C1=10、C2=4、C3=6
この例では、D2−3とD1−3はT=0.5以下であるが、D1−2はT=0.5を超える。よって、図4のパターンeに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C2=4を対象元素の濃度とする。
(例6)C1=10、C2=4、C3=3
この例では、D2−3はT=0.5以下であるが、D1−2とD1−3はT=0.5を超える。よって、図4のパターンfに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C2=4を対象元素の濃度とする。
(例7)C1=10、C2=4、C3=1
この例では、D1−2、D2−3、D1−3の何れもがT=0.5を超える。よって、図4のパターンhに該当するので、選択部104は、「3」の波長を選択する。すなわち、「3」の波長に対応する濃度C3=1を対象元素の濃度とする。
(例8)C1=10、C2=9、C3=8
この例では、D1−2、D2−3、D1−3の何れもがT=0.2以下である。よって、図4のパターンaに該当するので、選択部104は、「1」の波長を選択する。すなわち、「1」の波長に対応する濃度C1=10を対象元素の濃度とする。
(例9)C1=10、C2=8、C3=7
この例では、D1−2とD2−3はT=0.2以下であるが、D1−3はT=0.2を超える。よって、図4のパターンbに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C2=8を対象元素の濃度とする。
(例10)C1=10、C2=12、C3=8
この例では、D1−2とD1−3はT=0.2以下であるが、D2−3はT=0.2を超える。よって、図4のパターンcに該当するので、選択部104は、「1」の波長を選択する。すなわち、「1」の波長に対応する濃度C1=10を対象元素の濃度とする。
(例11)C1=10、C2=8、C3=6
この例では、D1−2はT=0.2以下であるが、D2−3とD1−3はT=0.2を超える。よって、図4のパターンdに該当するので、選択部104は、「3」の波長を選択する。すなわち、「3」の波長に対応する濃度C3=6を対象元素の濃度とする。
(例12)C1=10、C2=7、C3=8
この例では、D2−3とD1−3はT=0.2以下であるが、D1−2はT=0.2を超える。よって、図4のパターンeに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C2=7を対象元素の濃度とする。
(例13)C1=10、C2=7、C3=6
この例では、D2−3はT=0.2以下であるが、D1−2とD1−3はT=0.2を超える。よって、図4のパターンfに該当するので、選択部104は、「2」の波長を選択する。すなわち、「2」の波長に対応する濃度C2=7を対象元素の濃度とする。
(例14)C1=10、C2=7、C3=5
この例では、D1−2、D2−3、D1−3の何れもがT=0.2を超える。よって、図4のパターンhに該当するので、選択部104は、「3」の波長を選択する。すなわち、「3」の波長に対応する濃度C3=5を対象元素の濃度とする。
定量装置1に入力する分析結果データは、原子発光分析によって得られたデータであればよく、特に限定されないが、例えば図5に示す手順によるICP発光分光分析で得られたデータを用いてもよい。図5は、ICP発光分光分析の手順の一例を示すフローチャートである。
次に、定量装置1が実行する処理を図6に基づいて説明する。図6は、定量装置1が実行する処理(定量方法)の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、説明を簡単にするため、対象元素が1つであり、該対象元素には3つの異なるスペクトル波長のシグナルが検出されているとする。
基準値Tは、予めユーザが指定しておいてもよいが、定量装置1が自動で設定してもよい。この場合、定量装置1の制御部10に、分析結果データのばらつきの大きさに応じた基準値Tを自動で設定する基準値設定部(閾値設定部)を設ければよい。
内標準法にて定量を行う場合、内標準物質のシグナルが干渉の影響を受けて異常な値となる場合があり、このような場合には妥当な定量結果を得ることが難しくなる。そこで、図5のS2では、複数種類の内標準物質を併用してICP発光測定を行ってもよい。そして、定量装置1の制御部10には、内標準物質が干渉の影響を受けているか否かを判定する内標準判定部を設けてもよい。
上記実施形態では、ICP発光分光分析の分析結果データを用いて定量を行う例を示したが、定量装置1にて濃度値を算出可能な分析結果データは、原子特有の発光スペクトルを同定する分析法による分析結果データであればよく、上述の例に限られない。例えば、レーザ励起プラズマ発光分光分析装置、固体発光分光分析装置、グロー放電発光分光分析装置等の分析結果データから濃度値を算出することも可能である。
定量装置1の制御ブロック(特に制御部10)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
101 定量部
102 希釈倍率選択部
103 指標値算出部
104 選択部
Claims (10)
- 原子発光分析の分析結果データを用いて対象元素の定量分析値を算出する定量装置であって、
上記分析結果データに含まれる、上記対象元素に対応する複数のシグナルのそれぞれについて定量分析値を算出する定量部と、
上記定量部が算出した複数の定量分析値のうち、当該定量分析値間の差異の大きさに応じて選択した定量分析値を、上記対象元素の定量結果とする選択部と、を備えていることを特徴とする定量装置。 - 上記定量分析値間の差異の大きさを示す指標値を算出する指標値算出部を備え、
上記選択部は、上記指標値が所定の閾値以下である定量分析値の組の中から定量分析値を選択することを特徴とする請求項1に記載の定量装置。 - 上記指標値算出部は、
指標値の算出対象となる定量分析値を定量分析値AおよびBとした場合に、
(定量分析値A−定量分析値B)/定量分析値A
との数式にて上記指標値を算出することを特徴とする請求項2に記載の定量装置。 - 上記分析結果データには、上記対象元素を含む試料を複数の希釈倍率でそれぞれ分析した分析結果データが含まれており、
上記選択部が選択した定量分析値が所定の定量範囲外であれば、上記定量部に、当該定量分析値の算出に用いた希釈倍率とは異なる希釈倍率の分析結果データから定量分析値を算出させる希釈倍率選択部を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の定量装置。 - 上記分析結果データが内標準物質を用いた分析により得られたデータである場合に、上記内標準物質の回収率から、当該内標準物質が干渉の影響を受けているか否かを判定する内標準判定部を備えていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の定量装置。
- 上記分析結果データのばらつきの大きさに応じた上記所定の閾値を設定する閾値設定部を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の定量装置。
- 上記分析結果データは、ICP発光分光分析の分析結果データであることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の定量装置。
- 原子発光分析の分析結果データを用いて対象元素の定量分析値を算出する定量装置による定量方法であって、
上記定量装置が、上記分析結果データに含まれる、上記対象元素に対応する複数のシグナルのそれぞれについて定量分析値を算出する定量ステップと、
上記定量装置が、上記定量ステップにて算出した複数の定量分析値のうち、当該定量分析値間の差異の大きさに応じて選択した定量分析値を、上記対象元素の定量結果とする選択ステップと、を含むことを特徴とする定量方法。 - 請求項1に記載の定量装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、上記定量部および上記選択部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
- 請求項9に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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