JP6816919B2 - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Description
タイヤの転がり抵抗を下げる手法としては、タイヤ構造の最適化による手法と併せて、ゴム組成物として、より発熱の少ない材料を用いて低発熱性を向上させることが最も一般的な手法として行われている。この手法の一例として、ブロックコポリマーと、互いに非相溶であるジエン系ゴム及びシリカ用末端変性ジエン系ゴムとを含むゴム成分に、シリカが配合されてなるゴム組成物が提案されている(特許文献1参照)。
[1]天然ゴム及びガラス転移温度が−50℃以下の変性共役ジエン(共)重合体を含むゴム成分Aと、ガラス転移温度が−35℃以上のゴム成分Bと、補強性充填材とが配合されてなり、前記変性共役ジエン(共)重合体が、共役ジエン(共)重合体の分子末端に、シラノール基と、該シラノール基の近傍にある官能基であって該シラノール基と前記補強性充填材との反応を促進する官能基とを有しており、動的粘弾性試験によるtanδの温度分散曲線において、前記ゴム成分A及び前記ゴム成分Bの各々に基づく2つのピークが観測されることを特徴とするゴム組成物。
[2]前記ゴム成分Aと前記ゴム成分Bとの合計質量基準において、前記ゴム成分Aが50質量%以上含まれる[1]に記載のゴム組成物。
[3]前記ゴム成分Aにおける前記天然ゴムの比率が、ゴム成分Aの総質量基準で、10質量%以上80質量%以下である[1]又は[2]に記載のゴム組成物。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載のゴム組成物を含むタイヤ。
本発明の実施形態に係るゴム組成物は、天然ゴム及びガラス転移温度が−50℃以下の変性共役ジエン(共)重合体を含むゴム成分Aと、ガラス転移温度が−35℃以上のゴム成分Bと、補強性充填材とが配合されてなり、前記変性共役ジエン(共)重合体が、共役ジエン(共)重合体の分子末端に、シラノール基と、該シラノール基の近傍にある官能基であって該シラノール基と前記補強性充填材との反応を促進する官能基とを有しており、動的粘弾性試験によるtanδの温度分散曲線において、前記ゴム成分A及び前記ゴム成分Bの各々に基づく2つのピークが観測されることを特徴とする。
なお、上記ゴム成分のtanδの温度分散曲線は、レオメトリックス(株)製の粘弾性試験機ARESを用いて、歪み0.1%、周波数45Hz、測定温度範囲65℃〜−100℃、昇温速度1℃/分の条件で測定することができる。
本実施形態に係るゴム組成物に適用可能なゴム成分Aは、天然ゴムと、ガラス転移温度が−50℃以下の変性共役ジエン(共)重合体とを含む。
ゴム成分Aにおける天然ゴムの比率は、ゴム成分Aの総質量基準で、10質量%以上80質量%以下が好ましく、40質量%以上60質量%以下がより好ましい。ゴム成分A中における天然ゴムの比率が上記範囲であると、良好な低発熱性が得られる。
ゴム成分Aに天然ゴムが含まれることにより、ゴム組成物を用いて形成されるタイヤの耐摩耗性を向上させることができる。
ゴム成分Aのうち、前記変性共役ジエン(共)重合体のガラス転移温度は−50℃以下であり、−60℃以下であると好ましい。さらに、ゴム成分Aのガラス転移温度は、後述するゴム成分Bのガラス転移温度よりも低く設定されていることが好ましい。
ゴム成分Aに変性共役ジエン(共)重合体が含まれることにより、後述の補強性充填材としてシリカを用いた場合には、シリカのゴム成分Aへの分散性が高められることから、シリカは、ガラス転移点が相対的に低いゴム成分Aに分散させられる。これにより、シリカを配合することによって生じる60℃におけるtanδの上昇を抑えることができ、該ゴム組成物を用いて得られるタイヤの転がり性能を向上させることができる。
また、ゴム成分に含まれるスチレン量及びビニル量が多くなると、ガラス転移温度が上昇することが知られている。ガラス転移温度の上昇への寄与度は、スチレン量の方がビニル量よりも大きいと考えられる。そこで、本実施形態では、(スチレン量+1/2ビニル量)という指標を使用している。
上記観点に基づけば、本実施形態に係るゴム組成物に適用可能な変性共役ジエン(共)重合体の(スチレン量+1/2ビニル量)は、35質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。変性共役ジエン(共)重合体のスチレン量+1/2ビニル量が35質量%以下であれば、変性共役ジエン(共)重合体のガラス転移温度を−50℃以下に設定することができる。
また、上記性状を有するものであれば、ゴム組成物のtanδの温度分散曲線において、ゴム成分Aは後述するゴム成分Bと異なる温度にピークを示す。また、ゴム成分Aが変性共役ジエン(共)重合体を含むことにより、補強性充填材をゴム成分A中の変性共役ジエン(共)重合体において偏在させて、かつゴム成分A中に良好に分散させることができる。
本実施形態に係るゴム組成物では、ゴム成分Aとゴム成分Bとの合計質量基準で、該ゴム成分Aが50質量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは、60質量%以上であり、さらに好ましくは、80質量%以上である。ゴム組成物の耐摩耗性を維持する観点から、ゴム成分Aの比率の上限値は、95質量%である。
上述した本実施形態に係るゴム組成物のゴム成分Aに用いることのできるガラス転移温度が−50℃以下の変性共役ジエン(共)重合体としては、次のものが挙げられる。
すなわち、活性部位を有する共役ジエン(共)重合体の該活性部位に、加水分解によりシラノール基を生成する特性基と、該特性基の近傍に(i)該活性部位に付加反応もしくは置換反応を行って有機シラン化合物と該共役ジエン(共)重合体とを結合させ、該反応後に該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基又は(ii)該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基とを有する有機シラン化合物を反応させる変性反応工程と、変性反応工程終了後に施される加水分解工程と、好ましくは、さらに縮合促進剤の存在下に縮合反応させる縮合反応工程とを経ることにより製造される(共)重合体である。
本実施形態においては、前記加水分解によりシラノール基を生成する特性基がアルコキシシラン基であって、加水分解により、その10%以上がシラノール基を生成するものであることが好ましい。
なお、本発明において、共役ジエン(共)重合体と記載するものは、共役ジエン重合体と共役ジエン共重合体とを包含するものである。
「シラノール基と、該シラノール基の近傍にある官能基」の場合の「近傍」も上記と同義である。
ここで、R1は単結合又は炭素数1〜20の二価の炭化水素基;R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の一価の炭化水素基;−OL1は加水分解によりSiと共にシラノール基を生成する加水分解性官能基;A1は前記活性部位に付加もしくは置換反応を行う事によって前記有機シラン化合物と前記共役ジエン(共)重合体とを結合させ、且つ該反応後に前記シラノール基と前記補強性充填材との反応を促進する官能基であり、mは1〜10の整数である。なお、「R1は単結合」とは、例えば、上記一般式(1)において、A1とSiが直接単結合にて結合することをいう。以下、R4、R5、R6及びA4の場合も同様である。
ここで、R4は単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基;R5及びR6はそれぞれ独立に単結合、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基;−OL2は加水分解によりSiと共にシラノール基を生成する加水分解性官能基;A2は前記活性部位と反応する官能基又は前記活性部位に付加もしくは置換反応を行う事によって前記有機シラン化合物と前記共役ジエン(共)重合体とを結合させる官能基;B及びDはそれぞれ独立に前記シラノール基と前記補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基であり;p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数であり、(p+q)が1以上であり、nは1〜10の整数である。
上記の式−OM(1/x)において、Mは、水素を除く第1族元素(即ち、アルカリ金属);第2〜12族元素;ホウ素を除く第13族元素;炭素及びケイ素を除く第14族元素;窒素、リン及びヒ素を除く第15族元素及び希土類元素から選ばれる金属原子であり、xはその金属原子の価数である。第2族元素は、Be、Mg及びアルカリ土類金属である。これらの金属原子の内、アルカリ金属、Mg、アルカリ土類金属、Sn、Al、Ti、Feがより好ましく、Li、Na、K、Mg、Ca、Ba、Sn、Al、Ti、Feが特に好ましい。
−RdSiX3 ・・・・・(2−a)
[式中、Rdは単結合、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキレン基又は−ORe(Reは炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキレンである。)を示し、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、複数のXは同一でも異なっていてもよい。]で表される官能基、あるいは(チオ)エポキシ基、(チオ)イソシアネート基、ニトリル基、イミダゾリル基、ケチミン基、(チオ)ケトン基又は保護された第1もしくは第2アミノ基などを挙げることができる。
ここで、Eはイミノ基、2価のイミン残基、2価のピリジン残基又は2価のアミド残基、Fは炭素数1〜20のアルキレン基、フェニレン基又は炭素数8〜20のアラルキレン基、Gは第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、ケチミン基、ニトリル基(シアノ基)、アミド基、ピリジン基又は(チオ)イソシアネート基である。
一般式−E−F−Gで表わされる官能基の具体例としては、例えば、−NH−C2H4−NH2、−NH−C2H4−N(CH3)2、及びこれらの−C2H4−を−C6H12−又はフェニレン基に置き換えた官能基等が挙げられる。
ここで、pが0である場合のR5及びqが0である場合のR6は、R2及びR3と同様に水素原子又は炭素数1〜20の一価の炭化水素基となる。即ち、R5の価数は(p+1)であり、R6の価数は(q+1)である。
なお、非環状第一アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、アミノプロピル(ジエトキシ)メチルシランを好ましく用いることができる。
そして、上記のエポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物のエポキシ基をエピチオ基に置き換えたエピチオ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物をも好ましく挙げることができる。
さらに、2−(メチルジメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(メチルジエトキシシリルエチル)ピリジン、2−シアノエチルメチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
ここで、予備変性反応工程で用いられるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、複数のヒドロカルビルオキシシリル基を有することが好ましい。前記共役ジエン(共)重合体の前記活性部位との反応により一つのヒドロカルビルオキシシリル基が消費されても、残ったヒドロカルビルオキシシリル基により、本発明における変性共役ジエン(共)重合体の製造方法に必要な変性反応工程を実施することができるからである。
また、共役ジエン(共)重合体に用いられる芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、スチレンが特に好ましい。
共役ジエン(共)重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体又はスチレン−イソプレン−ブタジエン三元共重合体であることが好ましく、これらの中で、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体が特に好ましい。
なお、スチレン−ブタジエン共重合体をSBRと表し、変性スチレン−ブタジエン共重合体を変性SBRと表すことがある。
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、第二アミンとリチウム化合物とから、予め調製したものを重合に使用することができるが、重合系中(in−situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくは単量体100g当たり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤中において、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により、用いられるランダマイザーの存在下にアニオン重合させることにより、目的の活性末端を有するスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。
また、溶液中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。尚、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含有量は5〜55質量%が好ましく、6〜45質量%がより好ましい。
このランダマイザーとしては、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタン等のエーテル類及び第三アミン類等を挙げることができる。また、カリウムt−アミレート、カリウムt−ブトキシド等のカリウム塩類、ナトリウムt−アミレート等のナトリウム塩類も用いることができる。
この重合反応における温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは20〜130℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
ランタン系列希土類元素化合物を含む触媒としては、
A成分:周期律表の原子番号57〜71の希土類元素含有化合物、又はこれらの化合物とルイス塩基との反応物、
B成分:下記一般式(5):
AlR7R8R9 ・・・(5)
(ここで、R7及びR8は同一又は異なり、炭素数1〜10のヒドロカルビル基又は水素原子で、R9は炭素数1〜10のヒドロカルビル基であり、但し、R9は上記R7又はR8と同一又は異なっていても良い)で表される有機アルミニウム化合物、並びに
C成分:ルイス酸、金属ハロゲン化物と、ルイス塩基との錯化合物、及び活性ハロゲンを含む有機化合物の少なくとも一種からなる触媒系を用い、共役ジエン単量体を重合するのが好ましい。
ここで、炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
(R10−CO2)3M1 ・・・(6)
(式中、R10は炭素数1〜20のヒドロカルビル基で、M1は周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である)で表される化合物が挙げられる。ここで、R10は、飽和又は不飽和でもよく、アルキル基及びアルケニル基が好ましく、直鎖状、分岐状及び環状のいずれでも良い。また、カルボキシル基は、1級、2級又は3級の炭素原子に結合している。該カルボン酸塩として、具体的には、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸]等の塩が挙げられ、これらの中でも、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、バーサチック酸の塩が好ましい。
(R11O)3M2 ・・・(7)
(式中、R11は炭素数1〜20のヒドロカルビル基で、M2は周期律表の原子番号57〜71の希土類元素である)で表される化合物が挙げられる。R11Oで表されるアルコキシ基としては、2−エチル−ヘキシルオキシ基、オレイルオキシ基、ステアリルオキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、2−エチル−ヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基が好ましい。
また、トリエチルアルミニウムと臭素の反応生成物のようなアルキルアルミニウムとハロゲンの反応生成物を用いることもできる。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
また、A成分とB成分の割合は、モル比で、A成分:B成分が通常1:1〜1:700、好ましくは1:3〜1:500である。
さらに、A成分とC成分中のハロゲンの割合は、モル比で、通常1:0.1〜1:30、好ましくは1:0.2〜1:15、さらに好ましくは1:2.0〜1:5.0である。
また、D成分中のアルミニウムとA成分との割合は、モル比で、通常1:1〜700:1、好ましくは3:1〜500:1である。これらの触媒量又は構成成分比の範囲内にすることで、高活性な触媒として作用し、また、触媒残渣を除去する工程の必要性がなくなるため好ましい。
また、上記のA成分〜C成分以外に、重合体の分子量を調節する目的で、水素ガスを共存させて重合反応を行っても良い。
その際、各成分の添加順序は、特に限定されず、さらにD成分としてアルミノキサンを添加しても良い。重合活性の向上、重合開始誘導期間の短縮の観点からは、これら各成分を、予め混合して、反応させ、熟成させることが好ましい。
ここで、熟成温度は、0〜100℃程度であり、20〜80℃が好ましい。0℃未満では、充分に熟成が行われにくく、100℃を超えると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが起こる場合がある。
また、熟成時間は、特に制限なく、重合反応槽に添加する前にライン中で接触させることでも熟成でき、通常は、0.5分以上あれば充分であり、数日間は安定である。
これらの中でも、炭素数5〜6の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素が特に好ましい。これらの溶媒は、一種単独で使用してもよく、二種以上を混合して使用しても良い。
この配位アニオン重合に用いられる溶液中の単量体濃度は、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
上記重合反応は、回分式及び連続式のいずれで行っても良い。
このようにして活性末端を有する共役ジエン(共)重合体が得られる。
本発明における変性反応工程及び予備変性反応工程は、通常、重合反応と同じ温度、圧力条件で実施される。
この加水分解反応に用いる水の量は、開始剤のLiなどのモル量より過剰なモル量、例えば2〜4倍のモル量であることが好ましい。加水分解時間は、通常10分〜数時間程度である。
なお、アルカリ性条件で加水分解反応を行う場合には、塩基性化合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属、好ましくは水酸化ナトリウムを加えることが望ましく、酸性条件で加水分解反応を行う場合には、酸性化合物として、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、ギ酸などのカルボン酸、四塩化ケイ素などを加えることが望ましい。
縮合促進剤の添加時期としては、変性反応工程と加水分解工程との間に縮合反応工程を設ける場合には、通常変性反応開始5分〜5時間後、好ましくは変性反応開始15分〜1時間後である。加水分解工程後に縮合反応工程を設ける場合には、通常加水分解反応開始5分〜5時間後、好ましくは10分〜2時間後である。
前記金属元素を含む縮合促進剤としては、Ti、Sn、Bi、Zr及びAlの中から選ばれる少なくとも一種を含み、かつ前記金属のアルコキシド、カルボン酸塩又はアセチルアセトナート錯塩であるものが好適である。
具体的には、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ペンタンジオラト)チタン、テトラキス(1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−メチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−プロピル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−ブチル−1,3−ヘプタンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタンオリゴマー、テトライソブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン、ビス(オレエート)ビス(2−エチルヘキサノエート)チタン、チタンジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタントリブトキシステアレート、チタントリプロポキシステアレート、チタントリプロポキシアセチルアセトネート、チタンジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリプロポキシ(エチルアセトアセテート)、チタンプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタントリブトキシアセチルアセトネート、チタンジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタントリブトキシエチルアセトアセテート、チタンブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラキス(アセチルアセトネート)、チタンジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタンオキサイド、ビス(ラウレート)チタンオキサイド、ビス(ナフテネート)チタンオキサイド、ビス(ステアレート)チタンオキサイド、ビス(オレエート)チタンオキサイド、ビス(リノレート)チタンオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタン、テトラキス(ラウレート)チタン、テトラキス(ナフテネート)チタン、テトラキス(ステアレート)チタン、テトラキス(オレエート)チタン、テトラキス(リノレート)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ステアレート)、チタンオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタンテトラ(ラクテート)などが挙げられる。
なかでも、テトラキス(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、チタンジ−n−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)が好ましい。
(b)ジルコニウムのアルコキシド
(c)ジルコニウムのカルボン酸塩
(d)アルミニウムのアルコキシド
(e)アルミニウムのカルボン酸塩
縮合反応時の反応系の圧力は、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.05〜10MPaである。
縮合反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器などの装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行ってもよい。
その後、水蒸気を吹き込んで溶剤の分圧を下げるスチームストリッピング等の脱溶媒処理や真空乾燥処理を経て本発明の変性共役ジエン(共)重合体が得られる。
ここで、前記変性反応工程において、上記一般式(2)により表わされる有機シラン化合物として保護された第一アミノ基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を用いる場合は、上述した加水分解工程やスチームストリッピング等の水蒸気を用いる脱溶媒処理工程において保護された窒素原子の保護基を脱離させ第一アミノ基を生成する脱保護処理が同時になされるが、それ以外に、変性反応工程終了後から、脱溶媒して乾燥ポリマーとなるまでのいずれかの段階において必要に応じて種々の方法で第一アミノ基上の保護基を加水分解することによって遊離した第一アミノ基に変換し、ヒドロカルビルオキシシラン化合物由来の保護された第一アミノ基の脱保護処理を行うことができる。
[変性共役ジエン(共)重合体I]
本発明における変性共役ジエン(共)重合体Iは、シラノール基と、該シラノール基の近傍にある官能基であって、該シラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基とを分子鎖末端に有する。
また、本発明における変性共役ジエン(共)重合体Iは、より具体的には、下記一般式(3)又は下記一般式(4)により表わされる変性共役ジエン(共)重合体である。
ここで、R1は単結合又は炭素数1〜20の二価の炭化水素基;R2及びR3はそれぞれ独立に水素又は炭素数1〜20の一価の炭化水素基;A3はシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基であり、mは1〜10の整数である。
ここで、R4は単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基;R5及びR6はそれぞれ独立に単結合、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基;A4は単結合、炭素数1〜20の炭化水素基又はシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基;B及びDはそれぞれ独立にシラノール基と補強性充填材との反応を促進する官能基を少なくとも一つ含む基;p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数であり、(p+q)が1以上である。nは1〜10の整数であり、好ましくは1〜6の整数である。
なお、(Polymer)− は変性共役ジエン(共)重合体のポリマー鎖である。
また、上記一般式(3)及び上記一般式(4)において、R2、R3、pが0である場合のR5又はqが0である場合のR6である炭素数1〜20の一価の炭化水素基の具体例としては、前記一般式(1)及び前記一般式(2)におけるR2、R3、pが0である場合のR5又はqが0である場合のR6である炭素数1〜20の一価の炭化水素基と同じ具体例が挙げられる。
ここで、(チオ)エーテル結合、(チオ)ウレタン結合、イミノ結合及びアミド結合の中から選ばれる少なくとも一種の結合を有する二価の官能基は、(チオ)エーテル結合、(チオ)ウレタン結合、イミノ結合又はアミド結合であっても良いし、(チオ)エーテル結合、(チオ)ウレタン結合、イミノ結合及び/又はアミド結合を有する炭素数1〜20の二価の炭化水素基であっても良い。この炭素数1〜20の二価の炭化水素基としては、前記一般式(1)及び前記一般式(2)におけるR1、R4、pが1である場合のR5又はqが1である場合のR6と同じ具体例が挙げられる。
ここで、Eはイミノ基、2価のイミン残基、2価のピリジン残基又は2価のアミド残基、Fは炭素数1〜20のアルキレン基、フェニレン基又は炭素数8〜20のアラルキレン基、Gは第一アミノ基、第二アミノ基、保護された第一もしくは第二アミノ基、第三アミノ基、環状アミノ基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、アジリジニル基、ケチミン基、ニトリル基(シアノ基)、アミド基、ピリジン基又は(チオ)イソシアネート基である。
一般式−E−F−Gで表わされる官能基の具体例は上述の通りである。
なお、保護された第一又は第二アミノ基の脱離可能な官能基は、脱保護されることなく本発明の変性共役ジエン(共)重合体に残留していても良い。
なお、ビニル結合含有量は、赤外法(モレロ法)により、スチレン含有量は1H-NMRでスペクトルの積分比を算出することにより求められる。
本実施形態に係るゴム組成物に適用可能なゴム成分Bは、ガラス転移温度が−35℃以上のものである。また、ゴム成分Bのガラス転移点は、ゴム成分Aのガラス転移点よりも高いことが好ましい。
ゴム成分Bのガラス転移温度が、−35℃未満であると、十分なウエットグリップ性能が得られなくなる。この観点から、ゴム成分Bのガラス転移温度は、より好ましくは、−30℃以上であり、さらに好ましくは、−25℃以上である。
また、ゴム成分Bのスチレン量+1/2ビニル量は、45質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。ゴム成分Bが上記性状を有するものであれば、十分なウエットグリップ性能が得られる。
ゴム成分Bとして用いることのできるジエン系ゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、合成ポリイソプレンゴム、スチレン−イソプレンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化メチル基を持つスチレンとイソブチレンとの共重合体、クロロプレンゴム等が挙げられる。
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分A及びゴム成分Bの合計100質量部に対して、補強性充填材が30〜150質量部含有されていることが好ましく、40〜120質量部を含有することがより好ましい。30質量部以上であれば、耐摩耗性が向上し、150質量部以下であれば、低燃費性が向上する。
補強性充填材は、シリカ及び/又はカーボンブラックであることが好ましい。特に、充填材が、シリカ単独、又はシリカ及びカーボンブラックであることが好ましく、シリカとカーボンブラックとの含有比(シリカ:カーボンブラック)が、質量比で(100:0)〜(30:70)であることが好ましく、(100:0)〜(50:50)であることがより好ましい。シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、10〜100質量部であることが好ましく、30〜80質量部であることがより好ましい。この範囲であれば、低燃費性及び耐摩耗性を一層向上することができる。
シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)としては80m2/g以上のものが好ましく、より好ましくは120m2/g以上、特に好ましくは150m2/g以上である。BET比表面積の上限値には特に制限はないが、通常450m2/g程度である。このようなシリカとしては東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積=205m2/g)、「ニップシールKQ」、デグッサ社製、商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m2/g)等の市販品を用いることができる。
シリカ及び/又はカーボンブラックは、それぞれ、1種用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るゴム組成物においては、所望により、補強用充填材の一つとしてシリカを用いる場合は、ゴム組成物の補強性及び低燃費性を更に向上させる目的で、シランカップリッグ剤を配合することが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランなどが挙げられるが、これらの中で補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが好適である。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るゴム組成物には、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば、加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを含有させることができる。
加硫剤としては、硫黄等が挙げられる。加硫剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10.0質量部が好ましく、更に好ましくは1.0〜5.0質量部である。0.1質量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低燃費性が低下するおそれがあり、10.0質量部を超えるとゴム弾性が失われる原因となる。
本実施形態に係るゴム組成物は、上述した各種成分及び添加剤を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られる。
すなわち、本実施形態に係るゴム組成物は、混練の第一段階で、ゴム成分Aとゴム成分Bと補強性充填材とを混練した後、混練の最終段階で、加硫剤及び加硫促進剤を混合することによって作製できる。
ゴム成分Aには、シリカのような補強性充填材と親和性の高い変性共役ジエン(共)重合体が含まれているため、上記混練りによって、ゴム成分Aとゴム成分Bのうち、ゴム成分A中に補強性充填材を良好に分散させることができる。
得られたゴム組成物を、さらに成形加工した後、加硫を行って、空気入りタイヤのトレッド、特にトレッド接地部を作製することができる。
また、本実施形態に係るゴム組成物をトレッドに用いて通常のタイヤの製造方法によってタイヤが製造される。すなわち、上述の各種薬品を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このようにして、低発熱性及び耐摩耗性の良好なタイヤ、特に空気入りタイヤを得ることができる。
[測定方法]
各特性を、下記の方法にしたがって評価した。
<タイヤ性能>
タイヤのトレッドから加硫ゴムサンプルを切り出して、以下の評価を行った。
(ウエットグリップ性能)
粘弾性スペクトロメーター(東洋精機株式会社製)を用い、周波数52Hz、初期歪10%、測定温度0℃、動歪1%でtanδを測定し、比較例1のtanδ値を100として以下の式により指数で表示した。この指数の値が大きい程、ウエットグリップ性能が良好である。
ウエット性能指数={(供試タイヤのtanδ値)/(比較例1のtanδ値)}×100
粘弾性スペクトロメーター(東洋精機株式会社製)を用い、周波数52Hz、初期歪10%、測定温度60℃、動歪1%でtanδを測定し、比較例1のtanδ値の逆数を100として以下の式により指数で表示した。この指数の値が大きい程、低発熱性が良好である。
低発熱性指数={(比較例1のtanδ値)/(供試タイヤのtanδ値)}×100
タイヤトレッドから加硫ゴムサンプルを切り出して、JIS K6264に従い、ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、比較例1の摩耗量の逆数を100として、以下の式により指数で表示した。この指数の値が大きいほど、耐摩耗性が良好である。
耐摩耗指数={(比較例1の摩耗量)/(供試タイヤの摩耗量)}×100
・製造例1:変性SBR1の製造
後述する変性SBR1を下記のように製造した。すなわち、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2750g、テトラヒドロフラン29.5g、スチレン50g、1,3−ブタジエン450gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム215mgを添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、更に5分重合させた。リアクターから、メタノール1gを添加したシクロヘキサン溶液30g中に、ポリマー溶液を少量サンプリングした後、アミノプロピルメチルジエトキシシラン1129mgを加えて、変性反応を15分間行って、変性SBR1を得た。
得られた変性SBR1のスチレン量は10%、ジエン化合物部分のビニル量は40%、Tgはおよそ−70℃であった。
乾燥し、窒素置換された5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2500g、テトラヒドロフラン25g、スチレン100g、1,3−ブタジエン390gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(BuLi)375mgを添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点で、ブタジエン10gを追加し、さらに5分重合させた後、四塩化ケイ素100mgを加えて5分反応を行い、続けてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン1020mgを加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を添加して反応を停止させた。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して、変性SBR2を得た。
得られた変性SBR2のスチレン量は25%、ジエン化合物部分のビニル量は55%、Tgはおよそ−15℃であった。
容積約1リットルのゴム栓付きガラスびんを乾燥・窒素置換し、ここに乾燥精製したブタジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロヘキサンを各々投入し、ブタジエン15.0質量%のシクロヘキサン溶液が330g投入された状態とした。これにヘキサメチレンイミン(HMI)0.513mmolを投入した。次に、tert−ブチルリチウム(1.57M)0.36mL、2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(0.2N)0.057mLを添加し、50℃の水浴中で4.5時間重合を行った。その後、50℃にて四塩化錫(SnCl4)を0.10mmol添加し、1時間反応させた。微量のNS−5を含むイソプロパノール中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥することでほぼ100%の収率で変性BRを得た。
供試体のゴム組成物の製造に用いたゴム成分の性状を第1表に示した。第2表に示す配合組成を有するゴム組成物を調製し、これらのゴム組成物をトレッド部に用いて、常法に従って、それぞれ乗用車用空気入りラジアルタイヤ(タイヤサイズ195/60R15)を製造した。得られた供試体タイヤ各々の性能について、上述した方法により評価した。
*1 NR:天然ゴム
*2 SBR1:JSR株式会社製、乳化重合SBR「E−SBR」(スチレン量40%、ジエン化合物部分のビニル量19%、ガラス転移温度−31℃)
*3 SBR2:JSR株式会社製、乳化重合SBR「E−SBR」(スチレン量45%、ジエン化合物部分のビニル量19%、ガラス転移温度−24℃)
*4 SBR3:JSR株式会社製、乳化重合SBR「E−SBR」(スチレン量37%、ジエン化合物部分のビニル量19%、ガラス転移温度−38℃)
*5 SBR4:JSR株式会社製、乳化重合SBR「E−SBR」(スチレン量24%、ジエン化合物部分のビニル量19%、ガラス転移温度−55℃)
*6 SBR5:JSR株式会社製、溶液重合SBR「S−SBR」(スチレン量39%、ジエン化合物部分のビニル量40%、ガラス転移温度−15℃)
*7 変性SBR1:製造例1にて得られたものを用いた。
*8 未変性BR:旭化成株式会社製「ジエンNF35R」
*9 変性SBR2:製造例2にて得られたものを用いた。
*10 変性BR:製造例3にて得られたものを用いた。
*11 東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積=205m2/g)
*12 カーボンブラック:旭カーボン株式会社製、「旭#70(N330)」
*13 シランカップリング剤:ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製、商品名「Si75」
*14 プロセスオイル:アロマティックオイル、富士興産社製「アロマックス#3」
*15 老化防止剤6C:N−(1,3−ジメチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、「ノクラック6C」
*16 加硫促進剤DM:ジベンゾチアジルスルフィド、大内新興化学工業株式会社製、「ノクセラーDM−P」
第1表及び第2表に示す結果によれば、ガラス転移点が−35℃以上のゴム成分と、これよりも低いゴム成分とを使用し、かつ互いに非相溶のものを使用することにより、ウエットグリップ性能が向上する。また、相対的にガラス転移点の低い変性SBRを用いることにより、補強性充填材であるシリカの分散性を向上することができる。これにより低発熱性が向上する。
Claims (4)
- 天然ゴム及びガラス転移温度が−50℃以下の変性スチレン−ブタジエン共重合体を含むゴム成分Aと、
ガラス転移温度が−35℃以上のスチレン−ブタジエン共重合体からなるゴム成分Bと、補強性充填材とが配合されてなり、
前記変性スチレン−ブタジエン共重合体をゴム成分全量中10〜40質量%含み、
前記変性スチレン−ブタジエン共重合体が、スチレン−ブタジエン共重合体の分子末端に、シラノール基と、該シラノール基から炭素数で1から20の範囲(珪素原子を介しても良い)内に存在する官能基であって該シラノール基と前記補強性充填材との反応を促進する官能基とを有しており、
動的粘弾性試験によるtanδの温度分散曲線において、前記ゴム成分A及び前記ゴム成分Bの各々に基づく2つのピークが観測されることを特徴とするゴム組成物。 - 前記ゴム成分Aと前記ゴム成分Bとの合計質量基準において、前記ゴム成分Aが50質量%以上含まれる請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分Aにおける前記天然ゴムの比率が、ゴム成分Aの総質量基準で、10質量%以上80質量%以下である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
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