JP6817162B2 - 放射線モニタ装置および放射線治療装置、ならびに放射線のモニタ方法 - Google Patents

放射線モニタ装置および放射線治療装置、ならびに放射線のモニタ方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射線によってがんを治療する治療装置等に好適な光ファイバ式の放射線モニタ装置とそれを備えた放射線治療装置、ならびに放射線のモニタ方法に関するものである。
特許文献1に記載の線量計は、「放射線の入射により発光するシンチレーションファイバと、このシンチレーションファイバからの光を伝送する光伝送ファイバと、この光伝送ファイバに放射線が入射することにより発生するノイズを除去する、特定の周波数の光を透過するバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタを介して伝送された光を検出する光検出部とを備えている」ものであり、体内に小線源を挿入して治療する小線源治療において、体内線量測定時に光伝送部に放射線が入射することによって発生するノイズ、特にチェレンコフ光の影響を除去して、高精度で測定できる局所線量計を得ることを目指したものである。
特開2001−56381号公報
日本において死亡原因の第1位はがんであり、死亡者数は増加の一途を辿っている。医療の質(Quality Of Life:QOL)の向上が求められる近年の日本では、その治療法として放射線がん治療が注目を集めいている。ニーズとしてのQOL向上に、シーズである放射線がん治療技術の高精度化があいまって、日本においても広く放射線がん治療が普及し始めている。
治療に用いられる放射線には、X線、電子線、陽子線、重粒子線、中性子線等の各種放射線があるが、特に近年、陽子線や重粒子線治療装置の開発が目覚ましい。
これら陽子線や重粒子線は、止まる直前に集中的にエネルギーを与えて線量のピーク(ブラッグピーク)を作る性質を有していることから、この性質を利用することによって、がん部分に集中して線量を付与することができ、低侵襲で高精度な治療が期待できる。
また、X線治療においてもIMRT(Intensity Modulated Radiation Therapy)やIGRT(Image Guided RadioTherapy)等が開発されており、線量をがん部分に集中させる努力が進んでいる。
放射線治療装置の高度化が進むのに伴い、治療計画の精度や患者位置決めの精度、治療計画や装置のQA(Quality Assurance)用の線量率計測に至るまで、放射線治療に関わるトータルでの精度向上が求められている。
放射線治療における線量計測には、その安定性や再現性が良好な電離箱が広く使用されている。しかしながら、電離箱はその検出原理から小型化には限界があり、代わりに小型化が比較的容易な半導体検出器を用いた線量分布測定が実施されている。しかし、半導体検出器でも、信号処理系まで含めると小型化には限界がある。また、これらの検出器は、計測の為に高電圧を印加する必要があり、体内に挿入して線量を測定することは困難である、との課題がある。また、これらの検出器は一般的に高密度であり、体内物質や水と比べると放射線との相互作用が大きく、検出器自体の影響が無視できない、との課題がある。
上述のように、実際の体内の吸収線量が把握できない状況においては、治療計画における線量分布は体動等を考慮したマージンを持ったものになっており、放射線照射精度の更なる向上の妨げとなっている。また、放射線に敏感な正常部位が治療対象部位の近くに存在する場合には、放射線治療が困難となっており、体内の吸収線量の把握が望まれている。
そこで、体内に線量計を設置し、放射線の照射中に直接体内の線量を測定することが望まれており、浸襲性が低い小型でコンパクトなファイバ式の線量計が有望である。しかし、放射線の照射により発生した高速電子が光ファイバ内に入るとチェレンコフ光を発生させるので、放射線照射中のチェレンコフ光の発生が光ファイバ式線量計の課題である。
このような課題に対し、体内に小線源を挿入して治療する小線源治療における技術として、上述した特許文献1に記載の技術がある。
一方、特に高エネルギーのX線や電子線治療、更には粒子線治療では、短時間で高強度の放射線が照射されるため、発生するチェレンコフ光も膨大となる。従って、この様な加速器を用いる放射線治療においては、上述の特許文献1に記載された光フィルタによるノイズ低減方法では効果が必ずしも十分でなく、更なるチェレンコフ光の低減が望まれる。
このように、体内での線量測定のためには、上述のように、線量計は小型で侵襲性が小さいこと、更には光ファイバ内で発生するチェレンコフ光の影響をいかに低減するかが非常に重要である。
そこで、本発明の課題は、小型で侵襲性が小さく、光ファイバ内で発生するチェレンコフ光の影響を低減し、体内でのリアルタイムな線量測定を可能とする放射線モニタ装置および放射線治療装置、ならびに放射線のモニタ方法を提供する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、入射した放射線量に依存した強度の光を発生する放射線発光部と、前記放射線発光部で発生したフォトンを伝送する光ファイバと、前記光ファイバが伝送したフォトンを電気信号に変換する光電変換器と、前記光電変換器で変換した前記電気信号を放射線照射パルス時間幅に対して調整した特定の不感時間で1個1個計数するシグナル計数装置と、前記シグナル計数装置で計数したシグナル計数値から線量を演算する線量演算装置と、前記線量演算装置で算出した測定結果を表示する表示装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、小型で侵襲性が小さく、光ファイバ内で発生するチェレンコフ光の影響を低減し、体内でのリアルタイムな線量測定が可能となる。
第1実施形態に係る放射線モニタ装置の構成図である。 第1実施形態に係る線量率とフォトン計数率の関係図である。 第1実施形態に係る放射線照射タイミングとチェレンコフ光や放射線発光部の発光状態等のタイムチャートである。 第2実施形態に係る放射線モニタ装置の構成図である。 第2実施形態に係る放射線照射タイミングとチェレンコフ光や放射線発光部の発光状態等のタイムチャートである。 第3実施形態に係る放射線モニタ装置の構成図である。 第5実施形態に係るNd:YAG結晶の放射線発光部に入射した放射線によるフォトン(光)の生成過程を示す概念図である。 第6実施形態に係る放射線モニタ装置の構成図である。 第7実施形態に係る放射線モニタ装置および放射線治療装置の構成図である。 第8実施形態に係る放射線モニタ装置の放射線計測制御フロー図である。 第9実施形態に係る放射線モニタ装置の放射線計測制御フロー図である。
以下に本発明の放射線モニタ装置および放射線治療装置、ならびに放射線のモニタ方法を実施するための形態(以下「実施形態」という)を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1実施形態>
本発明の放射線モニタ装置の第1実施形態を、図1乃至図3を用いて説明する。図1は本実施形態に係る放射線モニタ装置1の構成図である。図2は線量率とフォトン計数率の関係図である。図3は放射線照射タイミングとチェレンコフ光や放射線発光部の発光状態等のタイムチャートである。
図1において、放射線モニタ装置1は、放射線発光部10、光ファイバ20、光電変換器30、シグナル計数装置40、線量演算装置50および表示装置60を含んで構成されている。
放射線発光部10は、入射した放射線量に依存した強度の光を発生する放射線発光素材製である。放射線発光素材は少なくとも1種の希土類元素を含有している。具体的には、放射線発光素材は、例えば、母材として透明イットリウム・アルミ・ガーネットなどの材料と、この材料中に含有されたイッテルビウム、ネオジム、セリウム、プラセオジウムなどの希土類元素により構成されている。
このように、放射線発光素材が少なくとも1種の希土類元素を含有していることで、放射線発光部10に入射した放射線の線量率と光の強度との線形性を向上させることができ、放射線モニタ装置1は、高い線量率の放射線が入射する場合であっても、放射線の線量率をより正確に計測することができる。
なお、放射線発光部10はこれらに限定されるものではなく、異なる組成の放射線発光素材を用いることができる。
光ファイバ20は、放射線発光部10と接続されており、放射線発光部10で発生したフォトン(光子)を、反対側に接続される光電変換器30まで伝送する。光ファイバ20を構成する材料としては、例えば、石英、プラスチック等が挙げられる。取扱の良さから柔らかいものがベターであるが、耐放射線性能等も考慮することが望まれる。また、詳細は説明しないが、遮光等の目的でファイバのカバーも備えることができる。
光電変換器30は、光ファイバ20の放射線発光部10との接続端とは反対側の端部に接続されており、伝送されたフォトン1個に対して1個の電気パルスを発信する変換器である。光電変換器30としては、例えば、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード等を採用することができる。これら光電子増倍管等を用いることで、光(フォトン)を、電流増幅した電気パルスに変換することができる。また、明記しないが、必要に応じて光電変換器30からの出力信号を増幅や波形成形する増幅器等を備えることができる。
シグナル計数装置40は、光電変換器30に接続されており、光電変換器30で変換・増幅された電気パルス信号を放射線照射パルス時間幅に対して調整した特定の不感時間で1個1個計数し、シグナル計数値を算出する。本実施形態のシグナル計数装置40は、不感時間内に次の信号が入力されても不感時間が延長されない非麻痺型であり、光電変換器30で変換された電気信号を放射線照射パルス時間幅よりも長い不感時間で1個1個計数する。詳細については後述する。
線量演算装置50は、シグナル計数装置40に接続されており、シグナル計数装置40が算出したシグナル計数値を放射線の線量に換算し、表示信号を表示装置60に対して出力する。
本発明者らは、図2に示すように、入射する放射線の線量率と、放射線発光部10が発する単位時間当たりのフォトン数(以下、「フォトンの計数率」ともいう)との間には一対一の対応関係があることを実験により見出した。他方、上記フォトンの計数率と電気パルスの計数率との間に一対一の対応関係があることは公知である。したがって、放射線の線量率と上記電気パルスの計数率との間にも一対一対応の関係があることが導かれるので、この関係を用いることで、得られた電気パルスの計数率を放射線の線量率に換算することができる。
具体的には、線量演算装置50は、電気パルスの計数値と放射線の線量とを対応付けるデータテーブルを記憶している記憶装置52をその内部に備えており、上記データテーブルを用い計数された電気パルスの計数値を放射線の線量に換算する演算処理を実施する。ここで、線量演算装置50では、計数値及び線量を、単位時間当たりのそれぞれの値である計数率及び線量率に変換可能であり、どちらの変換のデータテーブルを使用してもよい。また、上述した放射線の線量率と電気パルスの計数率との対応関係は、使用する放射線発光部10の大きさや形や材質、光ファイバ20の太さや長さ等によって異なるため、この対応関係を放射線モニタ装置1ごとに予め求めてデータテーブル化しておくことで、得られた電気パルスの計数率を放射線の線量率に換算することができる。なお、線量演算装置50を用いて導出されるのは放射線の線量や線量率に限定されるものではなく、例えば、線量率の経時変化等であってもよい。
表示装置60は、線量演算装置50からの表示信号の入力を受けて、線量演算装置50で算出した線量や線量率を表示する。表示装置60は、もちろん、その他の測定時間や各種測定条件等の関連情報を表示可能である。
次に、放射線照射と放射線発光部10の発光、および光ファイバ20からのチェレンコフ光の発光タイミングについて図3を用いて説明する。
例えばX線治療装置の場合では、X線は、T2(数msec)周期でT1(数μsec)幅のパルス状の照射となる。チェレンコフ光は、高速電子が光ファイバ20内を移動する際に発生するものであり、放射線照射と同期して発生する。一方、放射線発光部10はその材質に依存した蛍光寿命にて、照射後も発光が見られるのが特徴である。
このため、放射線照射中は放射線発光部10の発光を計測せずに照射直後から放射線発光部10の発光を計測することができれば、チェレンコフ光の影響を極力除去した計測が可能となる。そのためには、放射線照射のタイミングを捉える必要があるが、それには照射タイミング信号を取得するための放射線照射装置に依存した付加装置が必要となるため、装置構成が複雑となり、小型化に反する。
そこで、本実施形態は、シグナル計数装置40を、イベント計測のための不感時間T3を放射線照射パルス幅T1より長くなるように装置内の回路の各種時定数などが調整されたものとする。これにより、チェレンコフ光の影響を自然に低減して、付加装置を必要としない簡易な装置構成を実現するものである。
光電変換器30として使用する光電子増倍管は一般的には高速であり、1個1個のフォトンを変換して出力する電気的なパルス信号幅は数nsec程度である。しかし、光電変換器30が出力する電気パルス信号は微弱であり、プリアンプ、アンプ等により増幅し波形整形することが一般的である。その際に、計測系には不感時間が発生するが、本発明ではその不感時間T3を調整し、放射線照射パルス時間幅T1より長くする(T3≧T1)。
ここでは、一般的な計測系を想定し不感時間を光電変換器30よりも後段のシグナル計数装置40に持たせたが、光電変換器30とシグナル計数装置40とを一体化させ、光電変換器30側に不感時間T3を放射線照射パルス幅T1より長くなるように調整された回路を持たせてもよいし、それにさらに線量演算装置50や表示装置60を一体化させてもよく、放射線モニタ装置1トータルで放射線照射パルス幅に対して特定の不感時間となるように調整することができればよい。
不感時間T3を放射線照射パルス時間幅T1より長くすることにより、放射線照射パルス中に多数発生するチェレンコフ光を1回のみ計数して、他は除去可能となる。この1回の計数は、放射線発光部10からの計数より十分に小さく出来るので無視することが可能である。
具体的には、このカウントは放射線照射パルスカウントと等しいので、その周期がmsec程度であることより最大で1kcps程度であり、放射線発光部10からの計数が100kcps以上であれば、その影響は1%未満となり、無視することができる。
本実施形態の放射線モニタ装置1におけるシグナル計数装置40の不感時間は、基本的には非麻痺型、つまり不感時間内に次の信号が入力されても不感時間が延長されない計測系であることが望ましい。ただし、不感時間内に次の信号が入力されると不感時間を延長する麻痺型であっても、その延長される時間が、放射線発光部10の発光頻度や、放射線照射パルス時間幅と不感時間との差分に対して無視することが可能であると見なせる程度に短い場合には好適に適用可能である。
シグナル計数装置40の不感時間は、予め設定された条件とすることができるとともに、放射線モニタ装置1のオペレータが放射線の照射条件(放射線エネルギー、放射線強度、等)に基づいて設定することができる。また、放射線の照射を制御する制御装置や放射線照射計画装置(図示省略)から放射線の照射条件の入力を受けて予め保持した条件を参照して適切な不感時間を定めることができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
上述した本発明の第1実施形態の放射線モニタ装置1は、入射した放射線量に依存した強度の光を発生する放射線発光部10と、放射線発光部10で発生したフォトンを伝送する光ファイバ20と、光ファイバ20が伝送したフォトンを電気信号に変換する光電変換器30と、光電変換器30で変換した電気信号を放射線照射パルス時間幅に対して調整した特定の不感時間で1個1個計数するシグナル計数装置40と、シグナル計数装置40で計数したシグナル計数値から線量を演算する線量演算装置50と、線量演算装置50で算出した測定結果を表示する表示装置60と、を備えている。
このようにチェレンコフ光発生タイミングを不感時間とすることにより、積極的に放射線照射タイミングを計測すること無しにノイズであるチェレンコフ光の影響を低減した計測が可能となり、精度を大幅に向上させることができる。また、本装置構成によれば、光ファイバ式の線量計に特殊な計測装置を追加する必要がなく、簡易な計測体系、つまりは計測装置の低コスト化を実現することができる。これらの効果により、小型で侵襲性が小さく、チェレンコフ光の影響を低減した、放射線治療中の体内の線量率のリアルタイム計測や治療装置のQA/QC(Quality Control)用の高精度な放射線計測が可能となる。
従って、このような装置を用いることによって、体動の影響や臓器の経時変化等の影響を低減して線量の高精度な照射が可能となり、また、正常部位への照射線量を低減し放射線治療適応範囲を拡大する等、放射線治療の高度化も実現することができる。
また、シグナル計数装置40は、光電変換器30が変換した電気信号を放射線照射パルス時間幅よりも長い不感時間で1個1個計数するため、放射線照射中に大量に発生するチェレンコフ光をほとんどカウントすることなく、放射線照射後に、放射線照射パルス幅に対して長い期間発生する放射線発光部10の発光による計数をより高精度に行うことができる。
更に、シグナル計数装置40は、不感時間内に次の信号が入力されても不感時間が延長されない非麻痺型であることで、放射線照射中に大量に発生するチェレンコフ光によって不感時間が必要以上に延長されることを避けることができ、放射線照射後に発生する放射線発光部10の発光の信号の計数をより高精度に行うことができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態の放射線モニタ装置について図4および図5を用いて説明する。図4は本実施形態に係る放射線モニタ装置1aの構成図である。図5は放射線照射タイミングとチェレンコフ光や放射線発光部の発光状態等のタイムチャートである。第1実施形態と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。以下の実施形態においても同様とする。
図4に示すように、本実施形態の放射線モニタ装置1aは、放射線発光部10、光ファイバ20、光電変換器30、シグナル計数装置40a、線量演算装置50および表示装置60を含んで構成されている。第1実施形態の放射線モニタ装置1との違いは、シグナル計数装置40aにおける不感時間が放射線照射パルス時間幅よりも短く、また不感時間内に次の信号が入力されると不感時間を延長する麻痺型であることである。従って以下ではシグナル計数装置40aについて詳細に説明する。
本実施形態におけるシグナル計数装置40aの有する不感時間は、図5に示すように、一つの信号を計測する際の不感時間T4が射線照射パルス時間幅T1より短く(T4≦T1)、更に麻痺型、つまり不感時間内に次の信号が入力されると不感時間を延長するものである。これにより、図5に示すように、大量のチェレンコフ光が発生する放射線照射の間は、不感時間が延長されて全て不感時間となる。
第1実施形態と同様に、本実施形態のシグナル計数装置40aの不感時間は、予め設定された条件とすることができるとともに、放射線モニタ装置1aのオペレータが放射線の照射条件に基づいて設定することができる。また、放射線の照射を制御する制御装置や放射線照射計画装置から放射線の照射条件の入力を受けて予め保持した条件を参照して適切な不感時間を定めることができる。
その他の構成・動作は前述した第1実施形態の放射線モニタ装置1と略同じ構成・動作である。
本発明の第2実施形態の放射線モニタ装置1aにおいても、前述した第1実施形態の放射線モニタ装置1とほぼ同様な効果が得られる。
また、シグナル計数装置40aは、光電変換器30が変換した電気信号を放射線照射パルス時間幅よりも短い不感時間で1個1個計数することにより、不感時間が長いために発生する放射線発光部10からのシグナルの数え落としをより減少させることができ、実効的に測定感度が向上して精度が更に向上する。
更に、シグナル計数装置40aは、不感時間内に次の信号が入力されると不感時間を延長する麻痺型であることで、放射線照射中に大量に発生するチェレンコフ光によって放射線照射中は不感状態を維持することができ、計数が停止されることから、チェレンコフ光の影響を効果的に除去することができる。
なお、本実施形態のシグナル計数装置40aは麻痺型に限られず、非麻痺型とすることができる。非麻痺型であっても、麻痺状態が解消された後に、放射線照射中に大量に発生するチェレンコフ光によって速やかにシグナル計数装置40aが麻痺して再び不感の状態となり、計数を停止することができるため、チェレンコフ光の影響を効果的に除去することができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態の放射線モニタ装置1bについて図6を用いて説明する。図6は本実施形態に係る放射線モニタ装置1bの構成図である。
図6に示すように、本実施形態の放射線モニタ装置1bは、放射線発光部10、光ファイバ20、光電変換器30、シグナル計数装置40b、線量演算装置50および表示装置60を含んで構成されている。第1実施形態の放射線モニタ装置1や第2実施形態の放射線モニタ装置1aとの主な違いは、シグナル計数装置40bがチェレンコフ光の影響を補正する補正装置42bを有することである。従って以下ではシグナル計数装置40bについて詳細に説明する。
第1実施形態および第2実施形態においては、放射線照射中に発生するチェレンコフ光の計数の影響は限定的であるとして無視できるものとしている。これに対し、本実施形態においてはチェレンコフ光による計数の影響を補正する。
具体的には、シグナル計数装置40bの不感時間が放射線照射パルス幅より長い場合は、非麻痺型と麻痺型のいずれの場合でも、チェレンコフ光による計数は放射線照射パルス数と略同じとなることから、補正装置42bは、計数したシグナル計数値から、チェレンコフ光による計数として放射線照射パルス数をノイズとして減算処理する。
また、シグナル計数装置40bの不感時間が放射線照射パルス幅より短く、麻痺型である場合は、チェレンコフ光による計数は放射線照射パルス数と略同じとなることから、補正装置42bは、計数したシグナル計数値から、チェレンコフ光による計数として放射線照射パルス数をノイズとして減算処理する。
また、シグナル計数装置40bの不感時間が放射線照射パルス幅より短く、非麻痺型である場合は、チェレンコフ光による計数は放射線照射パルス数と相関がある。例えば、チェレンコフ光による計数は、放射線照射パルス幅に対するシグナル計数装置40bの不感時間との比(例えば、放射線照射パルス幅を不感時間で除した値がチェレンコフ光による計数になる)と、放射線照射パルス数とに基づいて求められることができるため、補正装置42bは、計数したシグナル計数値からチェレンコフ光による計数をノイズとして減算処理する。
放射線照射パルス数は放射線照射条件(放射線エネルギー、線量率、照射時間等)から求めることが可能であり、予め放射線照射条件を入力することにより設定することが可能である。もしくは、放射線照射装置から放射線パルスのタイミング信号等を取得して計数しても良い。
本実施形態の線量演算装置50は、シグナル計数装置40bの補正装置42bにより補正された補正後のシグナル計数値から線量を演算する。
その他の構成・動作は前述した第1実施形態の放射線モニタ装置1と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の第3実施形態の放射線モニタ装置1bにおいても、前述した第1実施形態の放射線モニタ装置1や第2実施形態の放射線モニタ装置1aとほぼ同様な効果が得られる。
また、シグナル計数装置40bは、計数したシグナル計数値のノイズを放射線照射パルス数に基づいて補正する補正装置42bを有しており、線量演算装置50は、補正装置42bにより補正された補正後のシグナル計数値から線量を演算することにより、チェレンコフ光の直接的な影響を除去できるので、シグナルのカウントの少ない時、例えば低線量照射時や感度が低い放射線発光部使用時等であっても、チェレンコフ光によるノイズをより効果的に低減することができ、より精度の高い計測が可能となる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態の放射線モニタ装置について以下説明する。
本実施形態における放射線モニタ装置の基本的な構成は第1乃至第3実施形態のいずれかの放射線モニタ装置の構成と同じである。これらの実施形態と本実施形態の違いは放射線発光部10の蛍光寿命のみであり、放射線発光部10の特性について詳細に説明する。
以下では、放射線発光部10の蛍光寿命と測定タイミングでの発光強度について考察する。
X線治療においては、加速器により電子を加速しX線を照射しているが、一般的にその照射時間は数μsecで周期は数msecである。従って、測定時間は照射時間の1000倍程度あり、近似的に放射線発光部10の発光(照射)時間をゼロと考えることが出来る。また、放射線発光部10の蛍光寿命をτとし、放射線照射のパルス長をT1、パルス間隔をT2とする。
蛍光寿命の一つ目の条件として、パルス照射による放射線発光部10の発光が次の放射線パルス照射時には十分に減衰している必要がある。具体的には、最短の治療時間内にn回のパルス照射があり、測定誤差a%以内であるとすると、条件式は、nexp(−T2/τ)<aとの関係より、
τ<T2/ln(n/a) ・・・(1)
となる。ここで、パルス間隔T2は最長で10msec、パルス照射回数nは最小で一回、測定誤差aは求める線量の許容誤差が最大でも3%とすることが望まれている。式(1)より、放射線発光部10の蛍光寿命τは2.8msec以下であることが望まれる。
蛍光寿命の第2の条件として、パルス長T1後の発光量が全発光量のb%以上という条件がある。これはexp(−T1/τ)>bとの関係より、
τ>T1/ln(1/b) ・・・(2)
となる。ここで、パルス長T1は最短で1μsec、要求される発光割合bは少なくとも10%である。式(2)より、放射線発光部10の蛍光寿命τは430nsec以上であることが望まれる。
本発明の第4実施形態の放射線モニタ装置においても、前述した第1実施形態の放射線モニタ装置1等とほぼ同様な効果が得られる。
また、放射線発光部10の蛍光寿命τを2.8msec以下とすることにより、複数回のパルス照射においても残光による測定誤差を3%以内にすることができる。また、放射線発光部10の蛍光寿命τを430nsec以上とすることにより、発光強度の10%以上を計測することが可能となり、十分な信号強度により測定精度の向上を図ることができる。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態の放射線モニタ装置について図7を用いて説明する。図7は本実施形態に係るNd:YAG結晶の放射線発光部に入射した放射線によるフォトン(光)の生成過程を示す概念図である。
本実施形態における放射線モニタ装置の基本的な構成は第1乃至第4実施形態のいずれかの放射線モニタ装置の構成と同じである。これらの実施形態と本実施形態の違いは放射線発光部10をNdをドープしたYAG(イットリウムとアルミニウムの複合酸化物(YAl12)から成るガーネット構造の結晶)としただけであり、放射線発光部10の特性について詳細を説明する。
NdをドープしたYAG結晶であるNd:YAGは、レーザ材料として広く使用されており、主に750nmおよび800nm付近の波長帯の光を吸収して波長1064±10nmの光を蛍光寿命約230μsecで放出する。
図7にNd:YAGの発光原理を示す。図7に示すように、放射線(r)がNd:YAGに入射すると、放射線とNd:YAGとの相互作用により基底状態の電子が吸収帯(5/2)に励起される。吸収帯に励起された電子は、レーザ上位準位(3/2)に非放射遷移し、更にレーザ上位準位(3/2)から励起エネルギーの低いレーザ下位準位(11/2)に遷移するときに光子(1064nm)を放出する。放射線だけでなく光の相互作用でも電子は励起されるが、その波長は主に808nmである。
また、上述したように、本発明者らは、Nd:YAGの放射線発光部10に入射する放射線の線量率と、放射線発光部10が発する単位時間当たりのフォトン数との間には、図2に示すように一対一の対応関係があることを実験的に確認している。
従って、Nd:YAGの放射線発光部10が放出する1064nmの光子を光ファイバ20にて光電変換器30まで伝送し、光電変換器30にて一つ一つのフォトンを電気パルス信号に変換し、シグナル計数装置40,40a,40bにてフォトンカウンティングして、線量演算装置50にて線量および線量率を算出することが出来る。
Nd:YAGの蛍光寿命は230μsecと放射線照射パルス長(数μsec)よりも十分長いので、チェレンコフ光により発生する不感時間後の測定でも十分なカウントが計測できる。また、230μsecの蛍光寿命は、放射線照射パルス周期(数msec)よりも十分短く、長時間のパルス照射においても残光による影響が小さく、精度の高い計測が可能である。
このように、本発明の第5実施形態の放射線モニタ装置においても、前述した第1実施形態の放射線モニタ装置1等とほぼ同様な効果が得られる。
また、放射線発光部10としてNd:YAG結晶を使用することにより、チェレンコフ光を除去しながらより高精度で線量および線量率を計測することが可能となる。
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態の放射線モニタ装置について図8を用いて説明する。図8は本実施形態に係る放射線モニタ装置1cの構成図である。
図8に示すように、本実施形態の放射線モニタ装置1cは、Nd:YAG結晶である放射線発光部10、光ファイバ20、光電変換器30、シグナル計数装置40、線量演算装置50および表示装置60を含んで構成されている。第5実施形態の放射線モニタ装置との違いは、光ファイバ20と光電変換器30の間に波長制限フィルタ(光フィルタ)70を設置したことである。従って以下では波長制限フィルタ70について詳細に説明する。
一般的にチェレンコフ光の波長分布は、紫外線領域が最も強く、波長が長くなるにつれて波長の3乗で強度は低下する。従ってNd:YAGの発光波長である1064nmでのチェレンコフ光の強度は相対的に弱くなっており、精度に影響が及ぶことのない水準となっているが、影響を完全に除去できるわけではないため、精度向上の余地がある。
ここで、波長制限フィルタ70の通過波長を1064nm近傍の狭い範囲に設定すると、チェレンコフ光の光電変換器30への入射を極力小さくすることが出来るが、本発明においてはチェレンコフ光が中途半端な強度で入射した場合、その計数に不確かさが生じ、補正精度が低下する憾みがある。
例えば、第3実施形態のように補正装置42bを備えている場合において不感時間を放射線照射パルス時間幅よりも長くした時には、放射線照射パルス中にチェレンコフ光が計測されない場合が発生し、チェレンコフ光による計数が放射線照射パルス数よりも小さくなり、補正が過剰となることから、補正精度の更なる向上の余地がある。また、この場合、チェレンコフ光入射のタイミング、つまり不感時間開始の時間がまちまちとなる。最悪のケースでは、放射線照射パルスの終了直前にチェレンコフ光が入射して不感時間が放射線照射パルス終了後まで必要以上に伸びてしまい、放射線発光部10からのシグナル計数値を落としてしまう可能性があり、同様に補正の精度向上の余地がある。
また、放射線照射パルス時間幅よりも短い不感時間として、麻痺型とした際には、チェレンコフ光の入射がまばらとなって不感時間が連続せず、チェレンコフ光による計数と放射線照射パルス幅及びパルス数との相関がなくなり、補正が不十分となる、との憾みがある。
一般的な波長制限フィルタでは、Nd:YAGの発光波長とその周辺の発光波長を通過させる通過波長帯域の狭いものが好まれるが、本実施形態における波長制限フィルタ70は、Nd:YAGの発光波長を通過させると共に、1064nmより波長の短い短波長領域も積極的に通過させるものとする。それにより、十分な強度(フォトン数)のチェレンコフ光の入射を確保することができるため、適切な不感時間の設定が可能となり、チェレンコフ光の補正精度が向上し、計測精度が向上する。
本発明の第6実施形態の放射線モニタ装置1cにおいても、前述した第5実施形態の放射線モニタ装置とほぼ同様な効果が得られる。
また、光ファイバ20と光電変換器30との間に、波長制限フィルタ70が更に設置され、波長制限フィルタ70は、YAG結晶の発光波長である1064nmを通過させると共に、1064nmより波長の短いチェレンコフ光も通過させることにより放射線照射時の不感時間を確保することができる。よって、チェレンコフ光の影響を低減することができ、更にノイズが低減され、より精度の高い計測が可能となる。
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態の放射線治療装置について図9を用いて説明する。図9は本実施形態に係る放射線モニタ装置1dおよびそれを用いた放射線治療装置2の構成図である。
図9に示すように、本実施形態の放射線治療装置2は、放射線を発生、照射する放射線照射装置80と、第1実施形態乃至第6実施形態の何れかの実施形態に記載された放射線モニタ装置1,1a,1b,1c等と同等の構成の放射線モニタ装置1dと、放射線モニタ装置1dで算出された線量を用いて放射線照射装置80を制御する放射線制御装置90と、から構成されている。
放射線モニタ装置1dは、放射線発光部10、光ファイバ20、光電変換器30、シグナル計数装置40,40a,40b、線量演算装置50aおよび表示装置60を含んで構成されており、第1乃至第6実施形態の放射線モニタ装置との違いは、線量演算装置50aは放射線制御装置90に対して算出された線量等の情報を信号として出力することである。
放射線治療装置2では、放射線発光部10を体内やファントム内の測定対象部位の近傍に設置し、放射線照射装置80による放射線照射中にオンラインで、第1乃至第6実施形態と同様に線量を計測する。放射線制御装置90にて線量演算装置50aから計測した線量を取得し、照射中にリアルタイムで対象部位の線量を監視し、必要に応じて放射線照射条件を変更する等のフィードバック制御を実施して、最適な照射(放射線治療)を実現する。
本発明の第7実施形態の放射線治療装置2によれば、放射線モニタ装置1dによってチェレンコフ光の影響を低減したうえで体内等の関心部位の近傍を高精度にリアルタイムに計測することが可能となり、更に計測した線量から照射条件をリアルタイムでフィードバック制御することが可能となり、高精度な放射線治療を実現することができる。
<第8実施形態>
本発明の第8実施形態の放射線のモニタ方法について図10を用いて説明する。図10は本実施形態に係る放射線計測制御フロー図である。
本実施形態に係る放射線モニタ装置の構成は第1,第2,第4乃至第7実施形態で説明した放射線モニタ装置1,1a,1c,1d等と同様であり、説明は省略する。
本実施形態に係る放射線のモニタ方法に関して図10のフローチャートを用いて説明する。本処理フローは主にシグナル計数装置40,40aおよび線量演算装置50,50aにて実施する制御処理フローである。
<ステップS11>
オペレータの操作により、測定条件(照射条件、不感時間(Td)等)が入力される。本処理の主な目的は不感時間(Td)を設定することであり、オペレータが不感時間(Td)を直接入力することができる。また、放射線制御装置90や放射線照射計画装置(図示省略)から照射条件(放射線エネルギー、放射線強度、等)を取得し、シグナル計数装置40や線量演算装置50等において、予め保持した条件を参照して適切な不感時間(Td)を定めることができる。また、本ステップは省略することも可能である。その場合は予め設定されている不感時間(Td)を使用する。
<ステップS12>
オペレータの操作により放射線照射が開始されることから、線量測定を開始する。
<ステップS13>
放射線発光部10、光ファイバ20、光電変換器30およびシグナル計数装置40等により、予め設定された不感時間(Td)でフォトンカウンティングして、所定の単位時間内(t)の計数(N)が計測される。ここでkはこの単位時間内の計数の施行番号を示している。本ステップS13は、発光工程、伝送工程、光電変換工程、およびシグナル計数工程となる。
<ステップS14>
線量演算装置50にて、ステップS13においてシグナル計数装置40にて計数した計数Nから、予め保持しておいた換算テーブル(換算式、以下式(3)および式(4))等を用いて、線量率(RD)や線量(D)を算出し、表示装置60に結果を表示する。
RD=F1(N,Td,t) ・・・(3)
D =F2(ΣN,Td) ・・・(4)
本換算式(3)および式(4)は図2で示した直線性の関係式であり、予め不感時間Tdに対応したフォトン計数率と線量率の関係またはフォトン計数と線量の関係を求めておけばよい。本ステップS14は線量演算工程となる。
<ステップS15>
予め設定しておいた測定終了条件(例えば照射時間等)が満たされたかどうかを判定する。測定終了条件を満たしていないと判定されれば、ステップS13に処理を移行して測定を継続する。一方、測定終了条件を満たしたと判定されたならば、処理を次のステップS16へ進める。
<ステップS16>
表示装置60に測定終了等の表示をし、測定を終了する。
本発明の第8実施形態の放射線のモニタ方法によれば、チェレンコフ光の影響を低減した精度の高い線量または線量率の測定を実現することができる。また、線量測定手段以外の特別な計測手段を必要としないので、装置の簡素化、低コスト化が実現できる。
<第9実施形態>
本発明の第9実施形態の放射線のモニタ方法について図11を用いて説明する。図11は本実施形態に係る放射線計測制御フロー図である。
本実施形態に係る放射線モニタ装置の構成は第3実施形態等で説明した放射線モニタ装置1b等と同様であり、説明は省略する。
本実施形態に係る放射線のモニタ方法に関して図11のフローチャートを用いて説明する。本処理フローは主にシグナル計数装置40bおよび線量演算装置50にて実施する制御処理フローである。
<ステップS21>
オペレータの操作により、測定条件(照射条件、不感時間(Td)、放射線照射パルス周期時間(T2)等)が入力される。本処理の主な目的は不感時間(Td)および放射線照射パルス周期時間(T2)を設定することであり、不感時間(Td)および放射線照射パルス周期時間(T2)を直接入力することができる。また、放射線制御装置90や放射線照射計画装置(図示省略)から照射条件(放射線エネルギー、放射線強度、等)を取得し、線量演算装置50等において、予め保持してある条件を参照して適切な不感時間(Td)および放射線照射パルス周期時間(T2)を定めることができる。また、本ステップは省略することも可能である。その場合は予め設定されている不感時間(Td)および放射線照射パルス周期時間(T2)を使用する。
<ステップS22>
オペレータの操作により放射線照射が開始されることから、線量測定を開始する。
<ステップS23>
放射線発光部10、光ファイバ20、光電変換器30およびシグナル計数装置40bにより、予め設定された不感時間(Td)でフォトンカウンティングして、所定の単位時間内(t)の計数(Nk)が計測される。ここでkはこの単位時間内の計数の施行番号を示している。本ステップS23は、発光工程、伝送工程、光電変換工程、およびシグナル計数工程の一部となる。
<ステップS24>
線量演算装置50にて、シグナル計数装置40にて計数したNから、予め保持しておいた補正テーブル(補正式、以下式(5))等を用いて、チェレンコフ光の影響を補正する。
=C(N,T2,t) ・・・(5)
本換算式(5)は、最も簡単なシグナル計数装置40bの不感時間が放射線照射パルス幅より長い場合や不感時間が放射線照射パルス幅より短く、麻痺型である場合は、放射線照射パルス数を減算すればよいので、式(6)となる。
=N−(t/T2) ・・・(6)
なお、補正式は、式(6)に限定されるものではなく、予め不感時間Tdや放射線のエネルギー、強度に対応した補正式を求めておくことが可能である。
本ステップS24はシグナル計数工程の一部である補正工程となる。
<ステップS25>
線量演算装置50にて、ステップS24において補正処理した後のイベント計数Nから、予め保持しておいて換算テーブル(上述の式(3)および式(4))等を用いて、線量率(RD)または線量(D)を算出する。本ステップS25は線量演算工程となる。
<ステップS26>
予め設定しておいた測定終了条件(例えば照射時間等)が満たされたかどうかを判定する。測定終了条件を満たしていないと判定されれば、ステップS23に処理を移行して測定を継続する。一方、測定終了条件を満たしたと判定されたならば、処理を次のステップS27へ進める。
<ステップS27>
表示装置60に測定終了等の表示をし、測定を終了する。
本発明の第9実施形態の放射線のモニタ方法においても、前述した第8実施形態の放射線のモニタ方法とほぼ同様な効果が得られるとともに、前述した第3実施形態の放射線モニタ装置とほぼ同様な効果が得られる。また、計数Nはチェレンコフの影響が除去されているので、線量率(RD)または線量(D)は、Nから一意的に算出することが出来る。つまり、式(3)および式(4)等において、Tdの条件入力が不要となり線量率(RD)または線量(D)の決定が簡単になると共に、条件式の決定およびその保持が簡易となる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1,1a,1b,1c,1d…放射線モニタ装置
2…放射線治療装置
10…放射線発光部
20…光ファイバ
30…光電変換器
40,40a,40b…シグナル計数装置
42b…補正装置
50,50a…線量演算装置
52…記憶装置
60…表示装置
70…波長制限フィルタ(光フィルタ)
80…放射線照射装置
90…放射線制御装置

Claims (12)

  1. 入射した放射線量に依存した強度の光を発生する放射線発光部と、
    前記放射線発光部で発生したフォトンを伝送する光ファイバと、
    前記光ファイバが伝送したフォトンを電気信号に変換する光電変換器と、
    前記光電変換器で変換した前記電気信号を放射線照射パルス時間幅に対して調整した特定の不感時間で1個1個計数するシグナル計数装置と、
    前記シグナル計数装置で計数したシグナル計数値から線量を演算する線量演算装置と、
    前記線量演算装置で算出した測定結果を表示する表示装置と、を備えた
    ことを特徴とする放射線モニタ装置。
  2. 請求項1に記載の放射線モニタ装置において、
    前記シグナル計数装置は、前記光電変換器で変換された前記電気信号を前記放射線照射パルス時間幅よりも長い不感時間で1個1個計数する
    ことを特徴とする放射線モニタ装置。
  3. 請求項1に記載の放射線モニタ装置において、
    前記シグナル計数装置は、前記光電変換器で変換された前記電気信号を前記放射線照射パルス時間幅よりも短い不感時間で1個1個計数する
    ことを特徴とする放射線モニタ装置。
  4. 請求項2または3に記載の放射線モニタ装置において、
    前記シグナル計数装置は、計数したシグナル計数値のノイズを放射線照射パルス数に基づいて補正する補正装置を有しており、
    前記線量演算装置は、前記補正装置により補正された補正後のシグナル計数値から線量を演算する
    ことを特徴とする放射線モニタ装置。
  5. 請求項2または4に記載の放射線モニタ装置において、
    前記シグナル計数装置は、不感時間内に次の信号が入力されても不感時間が延長されない非麻痺型である
    ことを特徴とする放射線モニタ装置。
  6. 請求項3または4に記載の放射線モニタ装置において、
    前記シグナル計数装置は、不感時間内に次の信号が入力されると不感時間を延長する麻痺型である
    ことを特徴とする放射線モニタ装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の放射線モニタ装置において、
    前記放射線発光部は、その蛍光寿命を430nsec以上かつ2.8msec以下とする
    ことを特徴とする放射線モニタ装置。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の放射線モニタ装置において、
    前記放射線発光部は、NdをドープしたYAG結晶とする
    ことを特徴とする放射線モニタ装置。
  9. 請求項8に記載の放射線モニタ装置において、
    前記光ファイバと前記光電変換器との間に、光フィルタが更に設置され、
    前記光フィルタは、前記YAG結晶の発光波長である1064nmを通過させると共に、1064nmより波長の短いチェレンコフ光も通過させる
    ことを特徴とする放射線モニタ装置。
  10. 放射線を発生、照射する放射線照射装置と、
    請求項1に記載の放射線モニタ装置と、
    前記放射線モニタ装置で算出された線量を用いて前記放射線照射装置を制御する放射線制御装置と、を備えた
    ことを特徴とする放射線治療装置。
  11. 入射した放射線の量に依存した強度の光を発生させる発光工程と、
    前記発光工程において発生したフォトンを光ファイバで伝送する伝送工程と、
    前記伝送工程において伝送された前記フォトンを電気信号に変換する光電変換工程と、
    前記光電変換工程において変換された前記電気信号を放射線照射パルス時間幅に対して調整した特定の不感時間で1個1個計数するシグナル計数工程と、
    前記シグナル計数工程において計数されたシグナル計数値から線量を算出する線量演算工程と、を有する
    ことを特徴とする放射線のモニタ方法。
  12. 請求項11に記載の放射線のモニタ方法において、
    前記シグナル計数工程は、計数されたシグナル計数値を放射線照射パルス数に基づいてノイズ補正する補正工程を有しており、
    前記線量演算工程は、前記補正工程において補正された補正後のシグナル計数値から線量を算出する
    ことを特徴とする放射線のモニタ方法。
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