JP6817873B2 - 配管補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配管補修方法に関する。
従来より、水道施設などでは、流体を配管系に流通させるために用途に応じた様々な種類の配管が用いられている。これら配管は、長期間の使用により経年劣化を起こしたり、また何らかの原因によって破損したりすることがある。そのような場合、配管の用途や種類に応じて適宜必要な補修がなされている。
特許文献1には、膨張可能なバッグの外側に、ガラス繊維と未固化の熱可塑性繊維との混紡布を被覆して、それを配管の内面に加熱圧接することにより補修する方法が開示されている。即ち、ガラス繊維と未固化の熱可塑性繊維を編みこんだ布状の配管補修材を、補修機の外周に被覆した状態で、それらを配管内に挿入し、補修機のバッグを膨張させて配管補修材を被補修配管内面に圧着させた後、バッグ内部に熱蒸気や高温ガスを送り込み、配管補修材の熱可塑性繊維を加熱溶融し、次いでそれを冷却固化することにより配管を補修する方法である。
特許第4076188号公報
しかしながら、補修を必要とする配管の種類は様々である。そのため、膨張可能な補修機のバッグなど補修に必要な専用装置や、ガラス繊維と未固化の熱可塑性繊維との混紡布など補修用の専用部材が、補修対象である配管そのものの材質、形状や配管の破損状態に合わないことがあった。
また、災害時などにおいては、これら補修用の専用部材、補修に必要な専用工具や専用装置の入手が困難になることがあった。
本発明の目的は、手軽に入手可能な部材を用いて、専用工具や専用装置を用いることなく、様々な種類の配管を容易に補修することが可能な配管補修方法を提供することにある。
本発明の態様に係る配管補修方法は、紙と流動性を有する接着剤とを第1支持材と第2支持材との間に挟んで前記紙に前記接着剤を含ませる工程と、前記接着剤を硬化させて前記紙を含むシートを得る工程と、前記シートから前記第1支持材と前記第2支持材とを外す工程と、前記シートを用いて配管を補修する工程と、を有する。
前記配管補修方法によれば、吸水性を有する紙に流動性のある接着剤を容易に含ませることができる。このとき、紙は一般的に入手可能な紙で足り、接着剤は一般的に入手可能な接着剤で足りるため、手軽に入手可能な部材を用いることができる。
また、第1支持材と第2支持材との間に挟んで紙に接着剤を含ませるため、接着剤が均等に広がって紙の繊維の隙間に入り込み、接着剤が繊維によって保持される。そのため接着剤が確実に固定される。また、第1支持材と第2支持材との間に挟んだ状態で、接着剤を硬化させるため、紙を含むシートは、第1支持材および第2支持材に沿った形状になる。このとき、第1支持材と第2支持材は、紙と接着剤を挟んでシート状の形状することができれば足りるため、専用工具や専用装置を用いる必要がない。
また、紙は薄いことから柔軟性を有するため、紙を含むシートから第1支持材と第2支持材を外しても、シートは依然として柔軟性を有する。そのため、配管の形状に沿わせることができ、容易に配管を補修することができる。また、硬化した接着剤は樹脂成型品と同様に耐水性を有するため、シートは液体を流すために使用する配管の補修に適している。
よって、本発明の態様の配管補修方法によれば、手軽に入手可能な部材を用いて、専用工具や専用装置を用いることなく、様々な種類の配管を補修することが可能である。
本発明の他の態様においては、前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、前記シートを切断して得たシート片を貼付することにより前記配管を補修してもよい。
前記配管補修方法によれば、シートを補修に必要な形状に切断することができ、必要な分量のシートを切り取って使用することができる。
本発明の他の態様においては、前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、前記シートに含まれる紙の繊維の配向が互いに異なる方向を向くように複数の前記シートを貼付することにより前記配管を補修してもよい。
前記配管補修方法によれば、シートのフレーム材として機能する繊維の配向が互いに異なる方向を向くため、異なる方向からの応力に対しても補修箇所の強度が保たれる。
本発明の他の態様においては、前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、複数の前記シートを重ねて貼付することにより前記配管を補修してもよい。
前記配管補修方法によれば、柔軟性のあるシートで配管の形状に沿って補修箇所をカバーしつつ、更にシートを重ねて貼付することにより、補修箇所に更なる強度を持たせることができる。
本発明の他の態様においては、前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、前記シートに含まれる紙の性質が互いに異なる複数のシートを貼付することにより前記配管を補修してもよい。
前記配管補修方法によれば、互いに異なる性質の紙を含む複数のシートを貼付することにより、各シートの性質が補完的に作用する。そのため、様々な環境の変化にも対応できるように配管を補修することができる。
本発明の他の態様においては、前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、前記紙に含ませる前記接着剤と同質の接着剤を用いて前記シートを貼付することにより前記配管を補修してもよい。
前記配管補修方法によれば、シートに含まれる接着剤と、シートを貼付するために用いられる接着剤とが同質であるため、接着剤同士の馴染みがよく、確実にシートを配管の補修箇所に接着することができる。
本発明の他の態様においては、前記配管は、次亜塩素酸ナトリウムを含む液体を流すために用いられ、前記接着剤は、次亜塩素酸ナトリウムに耐性を有する接着剤であってもよい。
前記配管補修方法によれば、シートが、次亜塩素酸ナトリウムに耐性を有する接着剤を含むため、配管中を流れる次亜塩素酸ナトリウムによる影響を受けることなく、確実に配管を補修することができる。
本発明の他の態様においては、前記紙はティッシュペーパーであってもよい。
前記配管補修方法によれば、ティッシュペーパーは手軽に入手可能な上に、薄く柔軟性を有するため、接着剤を含ませることにより簡単に柔軟性のあるシートを得ることができる。
本発明の他の態様においては、前記ティッシュペーパーは、2枚重ねの構造を有していてもよい。
前記配管補修方法によれば、2枚重ねのティッシュペーパーは、接着剤が紙の繊維の隙間に入り込むだけでなく、2枚重ねのティッシュペーパーが向かい合う面の凹凸によって接着剤を挟むため、より強固に接着剤を保持することができる。
本発明の態様によれば、手軽に入手可能な部材を用いて、専用工具や専用装置を用いることなく、様々な種類の配管を簡易に補修することが可能である。
本発明の態様の実施形態に係る配管修理方法のフローチャートである。 本発明の態様の実施形態に係るシートの作成方法を説明するための斜視図である。 本発明の態様の実施形態に係る配管の破損箇所を示す斜視図である。 図3の破損箇所に本発明の態様の実施形態に係るシート片が貼付された状態の斜視図である。 図3に示す配管のA−A線における断面図である。 本発明の態様の実施形態に係る複数のシート片が破損箇所に貼付された状態の斜視図である。 本発明の態様の実施形態に係るシート片が重ねて破損箇所に貼付された状態の斜視図である。 図7に示す配管のB−B線における断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の態様の実施形態について説明する。
まず、図1を参照しつつ、本実施形態の配管補修方法の流れを説明する。一実施形態において、図1のフローチャートに示すように、配管補修方法は、紙と流動性を有する接着剤とを第1支持材と第2支持材との間に挟んで紙に接着剤を含ませる工程(ステップ101)と、接着剤を硬化させて紙を含むシートを得る工程(ステップ102)と、シートから第1支持材と第2支持材とを外す工程(ステップ103)と、シートを用いて配管を補修する工程(104)と、を有する。
次に、本実施形態の配管補修方法に用いるシートの作成方法について説明する。図3は、本発明の態様の実施形態に係るシート1の作成方法を説明するための斜視図である。
図2に示すように、本実施形態に係るシート1は、紙2と、流動性を有する接着剤3と、第1支持材4および第2支持材5と、を使用して作成する。
第1支持材4および第2支持材5は、それぞれポリプロピレン樹脂を用いたシート状の略透明の部材であり、平面視において長方形の部材である。一例において、第1支持材4および第2支持材5は、ぴったりと重ね合わせることができるように、互いに同一の形状に形成されている。第1支持材4及び第2支持材5は、接着剤3に対して実質的な非接着性である面(非接着性面)を有する。
紙2は、柔軟性を有し、吸水性に優れた薄い紙である。一例において、紙2は、平面視において長方形の部材であり、一般的に入手可能なティッシュペーパーを広げて、折り目を伸ばしたものである。他の例において、紙2として、ティッシュペーパー以外のものを適用できる。
一例において、紙2は、一般的に入手可能な2枚重ねの構造を有するティッシュペーパーである。紙2は、紙2aおよび紙2bを重ね合わせて形成されている。紙2aおよび紙2bは、それぞれティッシュペーパーの製造工程でローラーなどに面していたことにより滑らかな面と、製造工程で乾燥用温風などを受けるなどの理由で荒い面と、を表裏各面に有する。そして、紙2は、紙2aと紙2bの、それぞれの荒い面が互いに向かうように、ぴったりと重ね合わせられた2枚重ねの構造を有する。
第1支持材4および第2支持材5の長手方向の寸法は、紙2の長手方向の寸法よりも長く、紙2の長手方向の寸法の1.2倍に近い長さである。また、第1支持材4および第2支持材5の短手方向の寸法は、紙2の短手方向の寸法よりも十分に長く、紙2の短手方向の寸法の3倍に近い長さである。すなわち、第1支持材4および第2支持材5は、平面視において、紙2の全周囲を取り囲むことができる大きさである。
一例において、接着剤3は、流動性を有する略透明の接着剤であり、有機化合物のシアノアクリレートを主成分とした、一般的に入手可能な瞬間接着剤である。一般的に入手可能な瞬間接着剤は、流動性があるため、接着する対象物に塗布することにより広がり、空気中の僅かな水分に瞬間的に反応する。これにより、成分であるシアノアクリレートモノマーがポリマーとなって一瞬で硬化するため、対象物を瞬間的に接着することが可能である。接着剤3が硬化する仕組みも、このような瞬間接着剤と同様である。
接着剤3は、シアノアクリレートを主成分とした他の一般的に入手可能な瞬間接着剤と同様に、多くの薬品に対して耐性を有する。接着剤3は、特に、水道設備において一般的に配管系に流通させる次亜塩素酸ナトリウムに対して、耐性を有する。
次に、図2を参照しつつ、紙2と、流動性を有する接着剤3と、第1支持材4および第2支持材5と、を使用してシート1を作成する方法を説明する。
まず、第1支持材4を机などの平坦な場所に略水平になるように置く。そして、第1支持材4の上面に、折り目を伸ばした状態で紙2を置く。このとき、平面視において、第1支持材4が紙2の全周囲を取り囲むように、紙2は、第1支持材4の長手方向および短手方向のいずれにおいても略中央に位置するように置くことが望ましい。
そして、第1支持材4の上面に置いた紙2の中央付近に、流動性のある接着剤3を付ける。ここで、紙2に付ける接着剤3の量は、紙2の中央付近の部分以外の部分にも接着剤3を含ませることができる程度の適量である。接着剤3は、流動性があるため吸水性に優れたティッシュペーパーである紙2の広範囲に自然に広がり易い。しかしながら、シート1の作成にあたっては、紙2が接着剤3を十分に含む前に広がって、空気中の水分に反応して硬化することがないよう、接着剤3をできるだけ紙2の中央付近にまとめて付ける。
そして、紙2の中央付近にまとめて付けられた接着剤3の上に第2支持材5を略水平になるように置き、第2支持材5の全体を図2の矢印の方向に均等に押圧する。このようにして、接着剤3は紙2の中央付近から周囲に向けて押し出され、紙2の中央付近以外の部分にまで広がる。このとき、ポリプロピレン樹脂を用いた第1支持材4および第2支持材5が、接着剤3と空気との接触を阻むため、一般的な瞬間接着剤の使用状態と異なり、一瞬で接着剤3が硬化することはない。
第2支持材5を押圧する際には、ポリプロピレン樹脂を用いた略透明の第2支持材5を通して、接着剤3が紙2の中央付近から周囲に徐々に広がる状況を確認しつつ行う。このとき、第1支持材4および第2支持材5は、平面視において、紙2の全周囲を取り囲むことができる大きさを有する。そのため、接着剤3が、紙2が置かれている領域を超えて外側に広がる場合であっても、接着剤3は依然として第1支持材4および第2支持材5によって空気との接触を阻まれる。よって、一般的な瞬間接着剤の使用状態における一瞬で接着剤が硬化して想定外のものが接着されるという不都合が生じない。
このように、流動性を有する接着剤3は第1支持材4と第2支持材5との間に挟まれ、紙2の繊維の隙間に入り込んで均等に広がるため、接着剤3は紙2の繊維によって確実に保持される。すなわち、吸水性を有する紙2に流動性を有する接着剤3を容易に含ませることができ、更に、接着剤3を紙2に確実に固定させることができる。
また、接着剤は、荒い面が互いに向かうように重ね合わせられた2枚重ねのティッシュペーパーの紙2aおよび紙2bの間にも入り込む。そして、2枚重ねのティッシュペーパーが向かい合う荒い面の凹凸によって接着剤を挟むため、より強固に接着剤を保持することができる。
次に、接着剤3を硬化させることにより、紙2を含んで硬化した接着剤3であるシート1を形成する。紙2に含まれた接着剤3は、上述の通り、第1支持材4および第2支持材5によって空気との接触を阻まれているため、一瞬で硬化することはない。そこで、接着剤3を、第1支持材4および第2支持材5との間に挟まれた状態で完全に硬化させるため、例えば、2時間程度の十分な硬化時間を確保しつつ、確実に接着剤3を硬化させる。
接着剤3はポリプロピレン樹脂を用いたシート状の部材である第1支持材4および第2支持材5に挟まれた状態で硬化するため、紙2を含んで硬化した接着剤3であるシート1もまた、第1支持材4および第2支持材5に沿ったシート状の形状に形成される。このように、接着剤3を第1支持材4および第2支持材5に沿った形状で、完全に硬化させることにより、紙2を含むシート1を得ることができる。
次に、紙2を含んで完全に硬化した接着剤3であるシート1から、第1支持材4および第2支持材5をそれぞれ剥がす。第1支持材4及び第2支持材5は、接着剤3に対して実質的な非接着性面を有するため、シート1から第1支持材4および第2支持材5を容易に外すことができる。第1支持材と第2支持材は、紙と接着剤を挟んでシート状の形状することができれば足りるため、シート1を作成するにあたって専用工具や専用装置を用いる必要がない。
紙2は、ティッシュペーパーであり、薄いことから柔軟性を有する。そのため、紙2を含んで硬化した接着剤3であるシート1から第1支持材と第2支持材を外しても、シート1は依然として薄いために、柔軟性を有する。また、紙2の繊維はシート1のフレーム材として機能するため、硬化した接着剤3を支え、シート1に強度を与えている。硬化した接着剤3は、樹脂成型品と同様に耐水性を有する。また、シート1は、シアノアクリレートを主成分とした接着剤3を硬化させて得ているため、例えば次亜塩素酸ナトリウムを含む薬品など、多くの薬品に対して耐性を有する。
次に、図3から図5を参照しつつ、本実施形態のシート1を用いて配管を補修する方法について説明する。
図3は、本発明の態様の実施形態に係る配管6の破損箇所を示す斜視図である。図4は、図3の破損箇所に本発明の態様の実施形態に係るシート片9が貼付された状態の斜視図である。図5は、図4に示す配管6のA−A線における断面図である。
図3に示すように、配管6は穴状の破損箇所である破損部7を有する。一例において、配管6は、次亜塩素酸ナトリウムを含む液体を流すために用いられるポリ塩化ビニルの配管である。次亜塩素酸ナトリウムは水道設備において一般的に配管系に流通させるため、次亜塩素酸ナトリウムを流すためのポリ塩化ビニル配管の破損箇所を補修する必要も頻繁に生じる。
破損部7は、配管6の外周面8から配管6を貫通し、配管6の内部空間6Aに通じている。そのため、液体が、破損部7を通じて外部に漏れ出さないよう、補修により破損部7を完全に塞ぐ必要がある。
まず、上述の方法により作成したシート1から、破損部7全体を十分に覆うことができる大きさを切り取り、シート片9を作成する。シート1は、上述のように、薄く、柔軟性を有するため、加工用の専用工具などを用いることなく、一般的に入手可能なはさみやカッターなどで簡単に必要な大きさ、形状に切り取ることができる。そのため、破損部7の大きさや状態、形状などに応じてシート1を必要な形状に切り取ることにより、必要な分量のシート片9を作成する。
図4に示すように、シート片9は、一辺が配管6の外周面8の全周の3分の1程度を覆うことができる長さの略正方形状であり、破損部7全体と破損部7の周囲を十分に覆うことができる大きさである。このように、シート1から必要な分量のシート片9を切り取ることにより、残りのシート1を他の配管の補修に使用することができる。
次に、シート片9を配管6に貼付する。まず、シート片9が配管6に面する側の面(第1面9a)の全体に、上述の接着剤3と同じ接着剤3A(不図示)を付ける。そして、柔軟性を有するシート片9を、第1面9aが配管6に面し、シート片9が破損部7全体を十分に覆うように、配管6の形状に沿わせつつ貼付する。そして、シート片9の第1面9aの反対側の面(第2面9b)を、配管6の外周面8に沿って径方向の内側に押圧することにより、シート片9を確実に配管6に貼付する。
接着剤3Aは、ポリプロピレン樹脂の第1支持材4および第2支持材5によって空気との接触を阻まれていた接着剤3の硬化の場合とは異なり、一般的な瞬間接着剤と同様に空気中の水分に反応して一瞬で硬化する。そのため、シート片9を配管6の形状に沿わせつつ貼付し、押圧している間に、接着剤3Aは完全に硬化し、シート片9を配管6に貼付することができる。
ここで、シート片9に含まれる接着剤3と、シート片9を貼付するために用いられる接着剤3Aとは同じである。そのため、これら接着剤同士の馴染みがよく、シート片9を、確実に配管6の補修箇所に接着することができる。なお、接着剤3と接着剤3Aは、同じ成分を含んで濃度が異なるといった同質の接着剤同士であっても、種類が異なる接着剤を用いるよりは接着剤同士の馴染みがよい。
配管6の補修にあたり、仮にシート片9を用いずに接着剤3を用いて配管6を補修しようとすると、破損部7に直接接着剤3Aを付けて硬化させることになる。その場合、接着剤3Aは穴状の破損部7から配管6を貫通し、配管6の内部空間6Aに垂れてしまうため、破損部7を塞ぐことができない。
図5の配管6の断面図に示すように、破損部7は、接着剤3A(不図示)によって接着されたシート片9に覆われている。配管補修後は、配管6の内部空間6Aを液体が流れ、破損部7を覆うように貼付されたシート片9と液体とが直接接する。
破損部7は、配管6の外周面8から配管6を貫通し、配管6の内部空間6Aに通じている。そのため、液体が、破損部7を通じて外部に漏れ出さないよう、補修により破損部7を完全に塞ぐ必要がある。シート片9および硬化した接着剤3Aは、樹脂成型品と同様に耐水性がある。破損部7が完全に塞がれることにより、確実にポリ塩化ビニルの配管6を補修することができる。なお、接着剤3Aは、例えば次亜塩素酸ナトリウムを含む薬品など、多くの薬品に対して耐性を有する。
以上のように、本発明の態様の配管補修方法によれば、手軽に入手可能な部材を用いて、専用工具や専用装置を用いることなく、様々な種類の配管を補修することが可能である。
次に、図6を参照しつつ、本発明の実施形態に係る配管の補修方法の他の態様について説明する。なお、上述の配管補修方法の態様と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の態様についても同様)。
図6は、本発明の態様の実施形態に係る複数のシート片9Aが破損箇所に貼付された状態の斜視図である。本態様と、上述の実施形態の態様とは、シート1を作成する方法においては共通するが、配管6の破損状態、および複数のシート片9Aを用いた配管6の補修方法において両者は異なる。
図6に示す配管6は、亀裂状の破損箇所である不図示の破損部7Aを有する。破損部7Aは、配管6に対して様々な方向から力が掛かることにより生じた亀裂であり、配管6の外周面8から配管6を貫通して、配管6の内部空間6Aに通じている。また、配管6に掛かる力の方向によって、配管6にゆがみが生じ、亀裂状の破損部7Aも変形する。したがって、配管6内の液体が、破損部7Aを通じて外部に漏れ出さないようにするには、補修により破損部7Aを完全に塞ぐとともに、更に、異なる方向から配管6に力が掛かった場合であっても、破損部7Aが変形して液体が外部に漏れ出さないように配管6を補修する必要がある。
図6に示すように、シート片9Aは、長手方向の一辺が配管6の外周面の全周の3分の1程度を覆うことができる長さの長方形であり、短手方向の一辺は長手方向の長さの約三分の一である。シート片9Aは、シート片9A1、9A2、9A3、9A4、9A5の全5枚を用意する。このとき、全てのシート片9Aの長手方向が、これらシート片9Aに含まれる紙2の繊維の配向に沿うようにシート1から切り取られている。
次に、図6に示すように、シート片5枚のシート片9A1〜9A5を配管6に貼付する。このとき、上述の態様と同様に、第1面9aの全体に接着剤3Aを付け、第2面9bを配管6の外周面8に沿って径方向の内側に押圧する。
配管6の外周面8には、5枚のシート片9A1〜9A5が、全体として略正方形を成すように貼付されている。より具体的には、最初に正方形の底辺(紙面上下方向。以下同じ。)に沿うように横方向にシート片9A1を貼付する。次に、正方形の右辺(紙面左右方向。以下同じ。)に沿うように縦方向にシート片9A2を貼付する。このとき、シート片9A2の下側の一部をシート片9A1の右側の一部に重ねて貼付する。次に、正方形の上辺に沿うように横方向にシート片9A3を貼付する。このとき、シート片9A3の右側の一部をシート片9A2の上側の一部に重ねて貼付する。次に、正方形の左辺に沿うように縦方向にシート片9A4を貼付する。このとき、シート片9A4の上側の一部をシート片9A3の左側の一部に重ねて貼付し、シート片9A4の下側の一部をシート片9A1の左側の一部に重ねて貼付する。次に、正方形の上下方向の略中央に横方向にシート片9A5を貼付する。このとき、シート片9A5の右側の一部をシート片9A2の長手方向中央の一部に重ねて貼付し、シート片9A5の左側の一部をシート片9A4の長手方向中央の一部に重ねて貼付する。
すなわち、紙2の繊維の配向が同じである5枚のシート片9A1〜9A5が、紙面左右方向と紙面上下方向に交互に貼付されることにより、紙の繊維の配向が互いに異なる方向を向くように貼付されている。また、5枚のシート片9Aが、それぞれの一部を他のシート片9Aの一部に重ねて貼付されている。
このため、シート片9Aの接着剤3を保持するフレーム材として機能し、シート1に強度を与える繊維の配向が互いに異なる方向を向くため、異なる方向からの応力に対しても補修箇所の強度が保たれる。そのため、配管6に異なる方向の力が掛かっても配管6にゆがみが生じにくく、亀裂状の破損部7Aが変形して液体が外部に漏れ出さないように配管6を補修することができる。また、柔軟性のあるシート片9Aを用いることにより配管6の形状に沿って破損部7Aを覆いつつ、更にシート片9Aを重ねて貼付することにより、補修箇所に更なる強度を持たせることができる。
次に、図7および図8を参照しつつ、本発明の実施形態に係る配管の補修方法の他の態様について説明する。図7は、本態様の実施形態に係るシート片9Bが重ねて破損箇所に貼付された状態の斜視図である。図8は、図7に示す配管のB−B線における断面図である。
図7に示す配管6には、図4に示すシート片9が貼付された配管6の外周面8を取り巻くように、更に、本発明の態様の実施形態に係るシート片9Bが重ねて貼付されている。すなわち、本態様においては、図2〜図5に示す態様の配管6の補修方法に加えて、更に、紙2Aとして、ティシュペーパーの替りに和紙を用いたシート1Aを作成する。そして、シート1Aを切り取ることにより作成したシート片9Bを、更に、シート片9に重ねて貼付する補修方法である。
以下に、シート1Aを作成する方法について、説明する。
本実施形態に係るシート1Aを作成するにあたり、紙2Aとしてティシュペーパーの替りに和紙を使用する点を除き、流動性を有する接着剤3と、第1支持材4および第2支持材5と、を使用する点は、図2に示すシート1と共通である。
紙2Aは、ティシュペーパーほどではないが一定の柔軟性を有し、吸水性に優れた和紙である。更に、和紙は長い植物繊維が絡み合って形成されているため、ティッシュペーパーにはない高い強度を有する。すなわち、シート1に含まれる紙2の性質と、シート1Aに含まれる紙2Aの性質とは互いに異なる。
紙2Aは、平面視において長方形の部材であり、一般的に入手可能な和紙の折り目を伸ばしたものである。紙2Aの寸法は、紙2と同様であるため、第1支持材4および第2支持材5は、平面視において、紙2の全周囲を取り囲むことができる。
紙2Aと、流動性を有する接着剤3と、第1支持材4および第2支持材5と、を使用してシート1Aを作成する方法は、シート1を作成する方法と同様の手順であるため説明を省略する。和紙である紙2Aは、一定の柔軟性と高い強度を有するため、紙2Aを含んで硬化した接着剤3であるシート1Aも、同様に一定の柔軟性と高い強度を有する。
そして、上述のように作成したシート1を、必要な形状に切り取ることにより必要な分量のシート片9Bを作成する。シート片9Bは、長手方向の寸法は、配管6の外周面8の全周囲を十分に覆うことができる長さであり、短手方向の寸法は、シート片9の一辺よりも十分に長い。そのため、シート片9Bは、シート片9の全体を覆うことができ、且つ、配管6の外周面8の全周囲を覆うことができる大きさである。
シート1Aは、上述のように、一定の柔軟性を有するため、加工用の専用工具などを用いることなく、一般的に入手可能なはさみやカッターなどで簡単に必要な大きさ、形状に切り取ることができる。そのため、シート1Aを必要な形状に切り取ることにより、必要な分量のシート片9Bを作成する。このように、シート1Aから必要な分量のシート片9Bを切り取ることにより、残りのシート1Aを他の配管の補修に使用することができる。
ここで、図3から図5に示すシート片9を用いて配管6を補修する方法については、本態様の実施形態と共通するため、ここでは繰り返さない。
次に、図7に示すように、シート片9が貼付された配管6に、シート片9Bを重ねて貼付する。このとき、上述の態様と同様に、シート片9Bの第1面9aの全体に接着剤3Aを付ける。そして、既に貼付されているシート片9の全体を覆うようにシート片9Bの第2面9bを配管6の外周面8に貼付する。このとき、シート片9Bは、長手方向の寸法が配管6の外周面8の全周囲を十分に覆うことができる長さを有するため、シート片9Bを配管6に巻きつけるようにしつつ、順に全周囲に貼付する。和紙を用いたシート片9Bは、ティシュペーパーを用いたシート片9ほどの柔軟性はないが、一定の柔軟性を有するため、このように配管6に巻きつけるようにして貼付することが可能である。
そして、シート片9Bの第2面9bを配管6の外周面8に沿って径方向の内側に押圧する。このとき、シート片9Bは配管6の全周囲に貼付されているため、例えば、手で押圧する場合には、配管6を掌で包み込むように握り、径方向内側にシート片9Bの第2面9bを押圧しつつ、配管6を軸を中心として回転させることにより、配管6の全周囲にわたって確実にシート片9Bを貼付することができる。
そして、上述の態様と同様に、接着剤3Aが完全に硬化し、シート片9Bの配管6への貼付が完了する。
図8は、図7に示す配管6のB−B線における断面図である。ここで、図7のB−B線と、図4のA−A線とは、配管6において同じ箇所を示している。
図8の配管6の断面図に示すように、破損部7は、接着剤3A(不図示)によって接着されたシート片9に覆われている。そして、配管6は、更に、接着剤3A(不図示)によって全周囲を覆うように接着されたシート片9Bが重ねて貼付されている。
このように、配管6の全周囲をシート片9Bにより覆うことで、仮に配管内部6Aの圧力が高まった場合でも、配管6が周方向外側に膨張しにくい。また、柔軟性のあるティッシュペーパーを用いたシート片9で配管の形状に沿って補修箇所をカバーしつつ、更に、シート片9Bが重ねて貼付され、補修箇所に更なる強度を持たせている。ここで、シート片9に重ねて貼付するシート片9Bとしては、シート片9よりも高い強度を有する和紙を用いている。そのため、ティッシュペーパーを用いたシート片9をもう一層重ねるよりも、和紙を用いたシート片9Bを重ねることにより、補修箇所に高い強度を持たせることが可能である。
また、本態様の実施形態では、一方で柔軟性を有するティシュペーパーの性質を生かし、柔軟性のあるシート片9で配管6の形状に沿って補修箇所をカバーしつつ、他方では、ティッシュペーパーにはない高い強度を有する和紙の性質を生かし、高い強度を有するシート片9Bが、補修箇所に更に強度を持たせている。
このように、シートに含まれる紙の性質が互いに異なる複数のシートを貼付することにより配管6を補修することにより、各シートの性質が補完的に作用する。そのため、シートに含まれる紙の性質の組合せを変えることにより、様々な環境の変化にも対応できるように配管6を補修することができる。
以上説明したように、本実施形態の態様の配管補修方法は、紙2と流動性を有する接着剤3とを第1支持材4と第2支持材5との間に挟んで紙2に接着剤3を含ませる工程と、接着剤3を硬化させて紙2を含むシート1を得る工程と、シート1から第1支持材4と第2支持材とを外す工程と、シート1を用いて配管を補修する工程と、を有する。
このとき、紙2は一般的に入手可能な紙で足り、接着剤3は一般的に入手可能な接着剤で足りるため、手軽に入手可能な部材を用いることができる。また、第1支持材4と第2支持材5は、紙2と接着剤3を挟んでシート状の形状することができれば足りるため、専用工具や専用装置を用いる必要がない。また、シート1は柔軟性を有するため、配管6の形状に沿わせることができ、様々な種類の配管を補修することが可能である。
また、本発明の態様の配管補修方法は、配管6を補修する工程において、シート1を切断して得たシート片9を貼付することにより配管6を補修する。そのため、シート1を補修に必要な形状に切断することができ、必要な分量のシート片9を切り取って使用することができる。
また、本発明の態様の配管補修方法は、配管6を補修する工程において、シート片9に含まれる紙2の繊維の配向が互いに異なる方向を向くように複数のシート片9を貼付することにより配管6を補修する。そのため、シートのフレーム材として機能する繊維の配向が互いに異なる方向を向くため、異なる方向からの応力に対しても補修箇所の強度が保たれる。
また、本発明の態様の配管補修方法は、配管6を補修する工程において、複数のシート片9を重ねて貼付することにより配管6を補修する。そのため、柔軟性のあるシート片9で配管6の形状に沿って補修箇所をカバーしつつ、更にシート片9Bを重ねて貼付することにより、補修箇所に更なる強度を持たせることができる。
また、本発明の態様の配管補修方法は、配管6を補修する工程において、シートに含まれる紙の性質が互いに異なる複数のシート片を貼付することにより配管6を補修する。そのため、互いに異なる性質の紙を含む複数のシートを貼付することにより、各シートの性質が補完的に作用する。よって、様々な環境の変化にも対応できるように配管6を補修することができる。
本発明の態様の配管補修方法は、配管6を補修する工程において、紙2に含ませる接着剤3と同質の接着剤3Aを用いてシート片9を貼付することにより配管6を補修する。そのため、シート片9に含まれる接着剤3と、シート片9を貼付するために用いられる接着剤3Aとが同質であるため、接着剤同士の馴染みがよく、確実にシート片9を配管6の補修箇所に接着することができる。
本発明の態様の配管補修方法は、配管6は、次亜塩素酸ナトリウムを含む液体を流すために用いられ、接着剤3は、次亜塩素酸ナトリウムに耐性を有する接着剤である。そのため、シート片9が、次亜塩素酸ナトリウムに耐性を有する接着剤3を含むため、配管中を流れる次亜塩素酸ナトリウムによる影響を受けることなく、確実に配管6を補修することができる。
本発明の態様の配管補修方法においては、紙2はティッシュペーパーである。そのため、ティッシュペーパーは手軽に入手可能な上に、薄く柔軟性を有するため、接着剤3を含ませることにより簡単に柔軟性のあるシート1を得ることができる。
本発明の態様の配管補修方法においては、ティッシュペーパーは、2枚重ねの構造を有している。2枚重ねのティッシュペーパーは、接着剤3が紙2の繊維の隙間に入り込むだけでなく、2枚重ねのティッシュペーパーが向かい合う面の凹凸によって接着剤3を挟むため、より強固に接着剤3を保持することができる。
以上、本発明の態様について説明したが、本発明は上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
1 シート
1A シート
2 紙
2A 紙
3 接着剤
3A 接着剤
4 第1支持材
5 第2支持材
6 配管
7 破損部
7A 破損部
8 外周面
9 シート片
9A シート片
9A1 シート片
9A2 シート片
9A3 シート片
9A4 シート片
9A5 シート片
9B シート片

Claims (9)

  1. 紙と流動性を有する接着剤とを第1支持材と第2支持材との間に挟んで前記紙に前記接着剤を含ませる工程と、
    前記接着剤を硬化させて前記紙を含むシートを得る工程と、
    前記シートから前記第1支持材と前記第2支持材とを外す工程と、
    前記シートを用いて配管を補修する工程と、
    を有する配管補修方法。
  2. 前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、前記シートを切断して得たシート片を貼付することにより前記配管を補修する、請求項1に記載の配管補修方法。
  3. 前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、前記シートに含まれる紙の繊維の配向が互いに異なる方向を向くように複数の前記シートを貼付することにより前記配管を補修する、請求項1または2に記載の配管補修方法。
  4. 前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、複数の前記シートを重ねて貼付することにより前記配管を補修する、請求項1から3のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  5. 前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、前記シートに含まれる紙の性質が互いに異なる複数のシートを貼付することにより前記配管を補修する、請求項3または4に記載の配管補修方法。
  6. 前記シートを用いて前記配管を補修する前記工程において、前記紙に含ませる前記接着剤と同質の接着剤を用いて前記シートを貼付することにより前記配管を補修する、請求項1に記載の配管補修方法。
  7. 前記配管は、次亜塩素酸ナトリウムを含む液体を流すために用いられ、
    前記接着剤は、次亜塩素酸ナトリウムに耐性を有する接着剤である、請求項1から6のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  8. 前記紙はティッシュペーパーである、請求項1から7のいずれか一項に記載の配管補修方法。
  9. 前記ティッシュペーパーは、2枚重ねの構造を有する請求項8に記載の配管補修方法。
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