JP6823409B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼科装置に関する。
被検眼の屈折の状態を測定する眼科装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。この技術では、眼底に測定光を照射し、その反射光をハルトマン板に導き、ハルトマン板を通過することで得られるハルトマン像をエリアセンサで検出する。そして、エリアセンサで検出されるハルトマン像に基づき、被検眼の収差の情報を取得する。
上記の技術では、測定光の対物レンズでの反射や角膜での反射がエリアセンサに届き、それがゴーストとして検出される問題がある。このゴーストは、被検眼内部で生じる収差を反映したものではなく、上述した被検眼の屈折の状態に係る情報を阻害する。
角膜の反射は、角膜に入射する光束の位置を角膜の中心からわずかに偏心させる方法で対処できる。この技術では、角膜からの反射光が眼科装置の光軸に対して角度を持ち、検出光学系の有効範囲外に逃げるので、眼科測定における角膜からの反射光の影響が抑えられる。
しかしながら、同様な手法は、対物レンズからの反射の影響を抑えるのには適当でない。これは、角膜に比較して対物レンズの曲率が小さく、また透過する光束径が大きいため、同様な方法で反射光を回避しようとすると必要な偏心量が大きくなり過ぎ、測定結果への悪影響が生じるからである。
対物レンズからの反射光を抑える技術としては、(1)対物レンズの表面に反射防止膜を形成する方法、(2)投影系に偏光板を配置し偏光ビームスプリッターと組み合わせて対物レンズ表面や角膜による反射光が検出系に入らないようにする方法がある。
しかしながら、反射防止膜を設ける方法は、反射光の発生を完全に抑えることはできず、またコスト増となる問題がある。偏光を利用する方法も偏光板の性能が完全ではなく、また偏光の乱れもあるので、その効果は完全ではない。
また、対物レンズからの反射光を抑える技術として、光軸上の反射光束が集光する位置に黒点を配置し、ゴーストの要因となる当該反射光を黒点で遮蔽し、検出されないようにする技術がある(例えば、特許文献2を参照)。
特開2012−75491号公報 特開2009−172155号公報
上記の黒点を配置する技術では、黒点により波面検出光の一部が遮られる。この現象は、被検眼の検査情報の欠落につながるので、黒点をゴースト光が集光する位置に配置し、極力波面検出光を遮らないようにしている。しかしながら、眼底共役位置は、被検眼の度数によって光軸上を移動するので、被検眼の度数によって黒点の位置における波面検出光の光束径は異なり、上記の検査情報の欠落の程度も被検眼の度数によって変化する。
このような背景において、本発明は、対物レンズからの反射の影響を排除しつつ、同時に波面検出光の欠落を生じさせない技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、対物レンズと、前記対物レンズを介して被検眼の眼底に測定光を照射する照射光学系と、前記測定光の前記眼底からの反射光を受光し被検眼の屈折特性を検出する眼屈折特性検出系と、光軸上で移動可能で、絞り径を可変できる可変光学絞りとを備え、前記光軸上における正視眼に対応した位置にて行う仮測定において前記被検眼が近視または遠視である場合は、前記光軸上における前記可変光学絞りの位置が前記眼底の眼底共役位置にない第1の状態において、前記絞り径を相対的に大きくし、前記光軸上における前記可変光学絞りの位置が前記眼底の眼底共役位置にある第2の状態において、前記絞り径を相対的に小さくし、前記仮測定において前記被検眼が正視眼である場合は、前記可変光学絞りの位置が前記眼底の眼底共役位置にある第2の状態において、前記絞り径を相対的に大きい状態から相対的に小さくすることを特徴とする眼科装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記仮測定において、前記被検眼が乱視であると判定された場合は、前記被検眼の強主経線方向における集光位置と弱主経線方向における集光位置との中間を前記可変光学絞りの前記第2の状態の位置とみなし、前記可変光学絞りを前記第2の状態の位置とみなした位置に変更し、前記第2の状態とみなした位置において、前記被検眼の屈折の状態が測定されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記被検眼の屈折の状態を測定する際において、前記被検眼の乱視が所定値を超える場合に、前記絞り径を前記被検眼に乱視がない場合よりも大きな値とすることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記可変光学絞りは、エレクトロウェッティング現象を利用して透明な液滴の径を制御する光学装置であることを特徴とする。
本発明によれば、対物レンズからの反射の影響を排除しつつ、同時に波面検出光の欠落を生じさせない技術が得られる。
実施形態における眼科装置の概念図である。 実施形態における可変光学絞りの断面図である。 実施形態における可変光学絞りの断面図である。 アクティブマトリクス層の斜視図である。 ゴーストを抑制できる原理を示す図である。 制御系のブロック図である。 処理の手順の一例を示すフローチャートである。 近視眼の場合の仮測定と本測定における波面検出光の光束の状態を示す図である。 遠視眼の場合の仮測定と本測定における波面検出光の光束の状態を示す図である。
(全体の概要)
眼科装置100は、被検眼の屈折情報を計測する。被検眼で生じる屈折の情報は、例えば眼鏡やコンタクトレンズの処方、更には眼内レンズを選択する際に利用される。眼科装置100は、固視投影系10、前眼部観察系20、波面計測投影系30、波面計測検出系40を備えている。
固視投影系10は、被検眼101の収差の情報を取得する際に、被検眼101が見つめる固視標11を備えている。固視票11は、遠方の風景などの画像であり、光軸に沿って移動可能であり、被検眼を雲霧視状態とする。固視票11は、裏面から白色光源で照明される表示パターンやLCD等の表示装置により構成される。固視投影系10は、結像レンズ12、フィールドレンズ13およびミラー14を備えている。固指標11は、近用調節状態の眼屈折力を測定する場合は任意の有限距離に光学的に指標像を呈示する位置に移動する。
ダイクロイックミラー104は、固視投影系10で利用する可視光(波長400〜780nm)、および波面計測に利用する波長850nm近傍の光を反射し、前眼部観察で使用する近赤外光(波長950nm)の光を透過する。ダイクロイックミラー105は、固視投影系10で利用する可視光(波長400〜780nm)の光を透過し、波面計測に利用する波長850nm近傍の光を反射する。
前眼部観察系20は、近赤外光(波長950nm)を用いて被検眼101の前眼部(例えば、虹彩や瞳孔)を観察する。また、前眼部観察系20は角膜形状計測光学系も兼ねている。プラチド板102の裏面に配置された図示省略したLEDから波長950nmの光が被検眼101に照射され、この照射光は被検眼101の角膜で反射される。この反射光(前眼部反射光)は、対物レンズ103を介して、ダイクロイックミラー104に入射し、そこを透過する。プラチド板102は、多重のリング状の透過パターンを有した光学マスクであり、角膜により反射したプラチドリング像をエリアセンサ25で撮像、解析することで、角膜形状の測定が行われる。
ダイクロイックミラー104を透過した波長950nmの前眼部反射光は、光学絞りであるテレセン絞り21、ハーフミラー22、リレーレンズ23、結像レンズ24を通ってエリアセンサ25に入射する。エリアセンサ25は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサであり、被検眼101の前眼部の画像を撮像し、その画像データを出力する。
前眼部観察系20は、アライメント処理(被検眼101の位置合わせ)を行う際に利用されるXY輝点26およびリレーレンズ27を有する。XY輝点26は、LEDにより構成されている。XY輝点26からの光束は、ハーフミラー22にて前眼部観察系20に合成され、対物レンズ103を介して略平行光束として被検眼101を照明する。被検眼101の角膜で反射した光束はプルキンエ像を生じ、プルキンエ像は前眼部観察系20を経てエリアセンサ25に結像する。そのプルキンエ像の像位置がエリアセンサ25上の規定の位置となるように被検眼101に対して眼科装置100の位置が調整される。また、プルキンエ像のピントが合うように被検眼角膜と装置100の距離を調整する。距離の調整は既知であるこのほかの方法が用いられても良い。
波面計測投影系30は、被検眼101の屈折の状態を検出するための測定光を被検眼に投影する。波面計測投影系30は、SLD(Super luminescent diode)等により構成された光源31を備えている。光源31は、眼底101aの眼底共役位置にとなる配置されている。被検眼101の屈折力によって眼底共役位置は変化するので、被検眼101の屈折力に応じて光源31の光軸上における位置が調整できるようになっている。
光源31から発せられた波面測定光は、リレーレンズ32および偏光板33を介して偏光ビームスプリッター34に入射する。この例では、偏光板33はp偏光を透過し、偏光ビームスプリッター34は、p偏光を反射、s偏光を透過する設定となっている。偏光板33を透過したp偏光成分の波面測定光は、偏光ビームスプリッター34でロータリープリズム35の方向に反射される。
ロータリープリズム35は、投影系30と検出系40の共通の光路に配置する回転するプリズムであり、ハルトマン画像の取り込み(1フレーム)中に複数周回転する。回転により眼底上の照射位置をわずかにずれた像を平均化でき、スペックルノイズを低減し、眼底上の部位による反射率のムラによる測定値のバラツキを低減できる。ロータリープリズム35を通過した波面測定光は、ダイクロイックミラー105で反射され、さらにダイクロイックミラー104で反射されて対物レンズ103に入射する。
対物レンズ103を透過した波面測定光は、プラチド板102の中心に設けられた孔を通過し、被検眼101の眼底101aに集光して照射される。眼底101aに照射される波面測定光は、p偏光であるが、眼底101aで反射される際に散乱反射されるので、偏光が乱れ、その反射光である波面検出光にはs偏光が含まれる。また、波面検出光は、被検眼101内で屈折し、被検眼101内の収差の影響を受けている。
s偏光を含む波長850nmの波面検出光は、波面測定光と逆の経路をたどり、偏光ビームスプリッター34に入射する。偏光ビームスプリッター34は、s偏光を透過する設定なので、波面検出光は、偏光ビームスプリッター34を透過し、波面計測検出系40に入射する。
波面計測検出系40は、フィールドレンズ36、ミラー41、リレーレンズ42、可変光学絞り43、コリメータレンズ44、ハルトマン板45およびエリアセンサ46を備えている。可変光学絞り43は、光軸を中心とする円形の透過領域と、環状の非透過領域とを有し、透過領域の径を可変できる。可変光学絞り43の詳細については後述する。
ハルトマン板45は、格子状のレンズアレイであり、入射光を6×6や9×9といった格子状に配列した複数の光束に分割する。高次収差を検出するためには17個以上のレンズアレイがのぞましい。波面検出光がハルトマン板45を通過することで、ハルトマン像が得られ、このハルトマン像がエリアセンサ46で検出される。エリアセンサ46で検出されるハルトマン像を解析することで、被検眼101で生じる屈折の状態に関する情報、すなわち被検眼101の屈折特性が得られる。
可変光学絞り43、コリメータレンズ44、ハルトマン板45およびエリアセンサ46は、一体化され、光学系47を構成している。光学系47は、アクチュエータによって駆動され、光軸上を移動可能である。可変光学絞り43はコリメータレンズ44の前側焦点位置に配置され、エリアセンサ46はハルトマン板45のアレイレンズの焦点位置に配置される。ハルトマン板45は被検眼瞳孔と共役な位置となる。被検眼101からの波面検出光の波面情報を測定する際は、可変光学絞り43の光透過孔(絞り孔)の位置が被検眼101の眼底共役位置となるように、光学系47の光軸上における位置が調整される。可変光学絞り43の位置が眼底共役位置となるようにする光学系47の位置を調整は、エリアセンサ46が検出するハルトマン像の格子状の点像の間隔が規定の間隔になるように、光軸上における光学系47の位置を調整することで行われる。固指標11、測定光源31、光学系47はリンクして移動する構成になっていても良い。
(可変光学絞り)
(例1)
図2には、可変光学絞り43の断面構造が示されている。光軸の方向から見た可変光学絞り43の形状は、円形の外観を有している。可変光学絞り43は、一対のガラス基板121と122を用いて構成されている。下側のガラス基板121上には、透明電極123と高誘電フィルム124が積層されている。透明電極123としては、ITO膜が用いられ、高誘電フィルム124としては、例えばPVdF(ポリフッ化ビニリデン)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が用いられる。高誘電フィルム124に接して撥水膜125が配置されている。撥水膜125は、撥水性を有する膜で、例えばテフロンAF(登録商標)やサイトップ(登録商標)が用いられる。
撥水膜125に接してリング部材126が配置されている。リング部材126は、リング状の部材で、撥水膜125と高誘電膜127に接し、その内側に内部空間128が形成されている。上側の高誘電膜127は、上側の透明導電膜(ITO膜)129に接し、透明導電膜129は上側のガラス基板122に接している。透明導電膜123と129は、光学部材として有効に働く領域の全面に一様に設けられている。リング部材126の周囲は、封止材130により封止され、内部空間128を密閉空間としている。
高誘電膜127の内部空間128の側には、親水膜131が配置されている。親水膜131は、親水機能を有する膜で、例えばトリシラノールやシリカなどの無機分散体により構成されている。内部空間128は、黒色の色素を含んだ黒い有極性液132と、透明な無極性のオイル133で満たされている。有極性液132の具体的な例としては、水やメタノール等が挙げられる。
各部の寸法としては、一例であるが、有効面の寸法が直径5mm〜10mm程度の円形、ガラス基板121,122の厚みが0.1〜0.5mm、高誘電フィルム124の厚みは0.3〜5μm、撥水膜125の厚みは数〜500nm、内部空間の高さ(撥水膜125と親水膜131との間の距離)が0.1〜5mm、高誘電膜127の厚みが0.3〜5μm、親水膜131の厚みが数〜500nm、透明導電膜(ITO膜)123,129の厚みが10〜200nmが採用される
図4には、透明電極123と透明電極129との間に電圧を加えた状態が示されている。この場合、黒色の有極性液132が電極間の方向(図の上下方向)に分布しようとするので、行き場のない透明なオイル133が中央に集まり、また厚みが厚くなって水滴状になり、中央部分に光が透過する絞り孔が形成される。印加する電圧を変化させると、透明なオイル133の水滴状の形状が変化し、中央の絞り孔の径(絞り径)が変化する。例えば、透明電極123と透明電極129との間に加える電圧を図2の場合よりも高くすると、有極性液132の集合状態が強くなり、オイル133がより中央に集中するので、図3に示す状態となり、中央の絞り孔の径は大きくなる。なお、印加電圧を下げてゆくと、絞り孔の径は徐々に小さくなり、最終的に絞り孔は消失する。具体的な絞り孔の径の値は、光源の種類、波長、光学系の構成、レンズの種類等によって異なるので、装置の種類ごとに異なるが、例えば100μm〜5mm程度である。
(例2)
透明電極123の代わりにアクティブマトリクス電極層を用いることもできる。図4は、ガラス基板121上に形成されたアクティブマトリクス電極層123aを矩形に切り取った状態の斜視イメージ図である。アクティブマトリクス電極層123aは、マトリクス状に配置されたITO膜で構成された複数の画素電極、各画素に配置された薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜トランジスタを駆動する周辺駆動回路を備えている。これらの技術は、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイの技術を応用している。
アクティブマトリクス電極層123aは、マトリクス状に配置された複数の画素のそれぞれを独立に制御できる。この場合、電圧が加わっている領域(周辺部以外の領域)に有極性液が集まり、電圧が加わっていない領域(周辺部の領域)にオイルが押し出されて集まるので、印加電圧の分布を調整することで、絞り孔の径を調整可能な可変光学絞りを得ることができる。
(ゴースト抑制の原理)
図5にゴーストを抑制できる原理を示す。眼底101aからの反射光である波面検出光の集光位置(眼底共役位置)と対物レンズ103からの反射光の集光位置は、反射位置が異なるのでずれている。このことを利用し、眼底共役位置に可変光学絞り43を配置する。
眼底共役位置では、波面検出光の光束径が最小となっているので、絞り径を絞った可変光学絞り43の絞り孔を波面検出光は損失なく(あるいは極めて低い損失で)通過する。他方において、眼底共役位置におけるゴーストの光束は、広がっているので、絞り径を絞った可変光学絞り43で大部分が遮られる。この結果、エリアセンサ46に入力するゴーストの強度が低下し、エリアセンサ46で検出されるハルトマン像へのゴーストの影響が低減される。
(絞り径の可変)
後述するように、本測定の前の仮測定において、光学系47は、正視眼に対応した位置に仮設定される。この状態では、正視眼の眼底共役位置に可変光学絞り43が位置する(図5参照)。ここで、ゴーストの影響を抑えるために可変光学絞り43の絞り径が小さく設定されているとする。この場合、被検眼101が正視眼であれば、特に問題が生じない。しかしながら、被検眼101が近視眼または遠視眼の場合、眼底共役位置が図5の位置ではなく、図8(近視眼)または図9(遠視眼)の位置となるので、可変光学絞り43の位置での波面検出光の光束径が広がり、可変光学絞り43を通過できない波面検出光の成分が発生する。
仮測定は、光学系47の移動量の決定を行うために行われるが、可変光学絞り43を通過できない波面検出光の成分があると、仮測定に必要な情報が得られず、その後の処理に不具合が生じる可能性が増大する。
そこで、仮測定の段階では、可変光学絞り43の絞り径を大きめに設定しておき、図8(近視眼)または図9(遠視眼)の場合でも波面検出光の損失が生じないようにし、仮測定で必要な情報が得られるようにする。そして、光学系47の移動後の本測定時に可変光学絞り43の絞り径を小さく(眼底共役位置での波面検出光の光束が通過できる径)設定し、ゴーストの影響を排除する。仮測定および本測定における可変光学絞り43の絞り径は、予め理論的および実験的に調べておいた値が利用される。
(制御系の構成)
図6に眼科装置100の制御系の一例を示す。図6には、制御系200が示されている。制御系200は、CPU、メモリ、各種のインターフェース、通信機能を有し、マイコンとして機能する。また、制御系200は、必要に応じて専用のハードウェア(例えば、画像処理の集積回路)を備えている。
機能部として見て、制御系200は、絞り径制御部201、光学系駆動制御部202、波面測定部203を備えている。これらの機能部は、ソフトウェア的に構成されていてもよいし、FPGA等を利用した専用ハードウェアで構成されていてもよい。
絞り径制御部201は、可変光学絞り43の絞り径の調整を行う。光学系駆動制御部202は、光学系47の光軸上における位置の調整を行う。波面測定部203は、乱視判定部204を備えている。
乱視判定部204は、エリアセンサ46が検出したハルトマン像に基づき、乱視の有無を判定する。乱視の有無の判定は、以下のようして行われる。まず、正視眼に対応した基準位置において、眼底101aからの反射光(波面検出光)を検出する。この際、エリアセンサ46は、ハルトマン板45を通過することで得られる格子状の輝点(ハルトマン像)を検出する。乱視があると、ハルトマン像に非対称性が生じる。この非対称性の程度を閾値で判定することで、乱視の有無の判定が行われる。
図示省略するが、波面測定部203は、エリアセンサ46が検出したハルトマン像を解析し、被検眼101の屈折の状態、すなわち被検眼101を矯正するために必要なS、C、A値及び高次収差値を測定する。この測定値は、被検眼101に関する各種の診察や診断、眼鏡やコンタクトレンズの処方、眼内レンズを選択する際等に利用される。
(処理の一例)
可変光学絞り43の制御に係る処理の一例を説明する。図7は、処理の手順の一例を示すフローチャートである。図7の処理を実行するプログラムは、適当な記憶領域や記憶媒体に記憶され、制御系200により実行される。
処理が開始されると、まず前眼部観察系20を用いた被検眼101に対する眼科装置100の相対位置の調整(アライメント)が行われる(ステップS101)。次に、正視眼(D値=0)における眼底共役位置に可変光学絞り43が位置するように光学系47の位置の設定が行われる(ステップS102)。また、ステップS102に対応して、可変光学絞り43の絞り径を大径に設定する(ステップS103)。この際の絞り径の値は、予め定めておいた値が採用される。ステップS103で選ばれる絞り径は、想定される最も強度の近視眼および遠視眼である場合に、少なくとも仮の低次収差値(S、C、A値)の測定に充分な波面検出光が通過できる径に設定される。
この段階で仮測定を行い被検眼101からの波面検出光に基づくハルトマン像を測定する(ステップS104)。このハルトマン像を解析することで、被検眼の球面屈折力Sおよび乱視屈折力Cの情報が得られる。ここで、乱視の程度が規定以上であるか否か、により判定される(ステップS105)。
乱視でないと判定された場合、光学系47を移動させ、眼底共役位置に可変光学絞り43およびエリアセンサ46が位置するように調整する(ステップS106)。被検眼の球面屈折力と光学系47の移動量の関係は光学系の設計により決まるため、ステップS104の仮測定結果に基づき、ステップS106における光学系47の移動を行う。なお、被検眼101が正視眼(D値=0)である場合は、ステップS106での光学系47に移動はない。
ステップS106の後、可変光学絞り43の絞り径を最小(例えば、0.5mm)に設定し(ステップS107)、波面検出光の波面測定を行う(ステップS110)。この波面測定によって、被検眼101の屈折の状態の測定が行われる。この際の絞り径の値は、予め定めておいた値が採用されてもよいし、被検眼の屈折力に応じてあらかじめ定めてある値としても良い。これは光源サイズと眼底への光源像の投影倍率、眼底の光源像の前記共役位置への投影倍率によって決定される。ステップS107で選ばれる絞り径は、収束した波面検出光が通過できる最小の値が選択される。ステップS110では、可変光学絞り43の絞り径が最小に設定され、対物レンズ103からの反射に起因するゴーストの影響が最小に抑えられているので、精度のより波面測定が行わる。
ステップS105において、乱視の程度が規定以上と判定された場合、ステップS105からステップS108に進み、可変光学絞り43の位置が等価球面度数の位置にくるように光学系47を位置の調整が行われる(ステップS108)。この場合、乱視があるので、波面検出光の集光位置は、直交する2軸(強主経線方向および弱主経線)において異なり、可変光学絞り43の位置は、その中間の位置となる。よって、可変絞り43位置は光束の最小錯乱円の位置になるため、この位置でのスポット径は大きくなり、可変光学絞り43の絞り径が最小の設定(乱視なしの場合の最小設定値)では、光束の外周部が絞り孔を通過できない。そこで、可変光学絞り43の絞り径を少し大きめに設定する(ステップS109)。乱視を考慮したステップ109における絞り径は、乱視の程度に対応した値を予め調べておき、その値を使用する。ステップS109の後、ステップS110に進み、本測定を行う。なお、光学径47を本測定位置に移動後、絞り径を既定の径の前後で大きさを変化させてハルトマン像を得、点像のケラレ具合を確認しケラレが無いよう微調整を行ってもよい。
(優位性)
被検眼101が近視眼の場合、正視眼に比較して、眼底共役位置がリレーレンズ42に近い位置に移動する(図8参照)。この場合、ステップS104の仮測定時における波面検出光の可変光学絞り43の位置における光束径は、眼底共役位置でないので大きい。
ここで、仮に可変光学絞り43の絞り径が眼底共役位置仕様(つまり、波面検出光の光束径が最小の場合に対応した最小の絞り径に設定)であると、波面検出光の多くが可変光学絞り43で遮蔽され、エリアセンサ46上にハルトマン像が形成されない(あるいは、情報が欠落した不完全な状態となる)。この場合、ステップS105の判定を行うのに必要な情報が得られず、ステップS105以下の処理に進めず、エラーとなる可能性が増大する。
しかしながら、図7の処理では、ステップS103において、可変光学絞り43の絞り径を大きく設定しているので、近視眼であってもステップS104の仮測定時にハルトマン像を得るのに十分な波面検出光が可変光学絞り43を通過する。このため、ステップ105以下の処理がエラーとならず、本測定へと進める。
また、被検眼101が遠視眼である場合、正視眼に比較して、眼底共役位置がリレーレンズ42から遠い位置に移動する(図9参照)。この場合も、ステップS104の仮測定時における波面検出光の可変光学絞り43の位置における光束径は、眼底共役位置でないので大きい。
ここで、仮に可変光学絞り43の絞り径が眼底共役位置仕様であると、図8の場合と同様に、波面検出光の多くが可変光学絞り43で遮蔽され、ステップS105以下の処理がエラーとなる可能性が増大する。
しかしながら、図7の処理では、ステップS103において、可変光学絞り43の絞り径を大きく設定しているので、遠視眼であってもステップS104の仮測定時にハルトマン像を得るのに十分な波面検出光が可変光学絞り43を通過する。このため、ステップ105以下の処理がエラーとならず、本測定へと進める。
そして、ステップS107において、絞り径を眼底共役位置仕様(光束が最も絞られた場合に対応する径)にしているので、ステップS110の本測定におけるゴーストの影響が抑制される。
10…固視投影系、11…固視票、12…結像レンズ、13…フィールドレンズ、14…ミラー、20…前眼部観察系、21…テレセン絞り、22…ハーフミラー、23…リレーレンズ、24…結像レンズ、25…エリアセンサ、26…XY輝点、27…リレーレンズ、30…波面計測投影系、31…光源、32…リレーレンズ、33…偏光板、34…偏光ビームスプリッター、35…ロータリープリズム、36…波面計測検出系におけるフィールドレンズ、40…波面計測検出系、41…ミラー、42…リレーレンズ、43…可変光学絞り、44…コリメータレンズ、45…ハルトマン板、46…エリアセンサ、47…光軸上を移動可能な光学系、100…眼科装置、101…被検眼、101a…眼底、102…プラチド板、103…対物レンズ、104…ダイクロイックミラー、105…ダイクロイックミラー、121…ガラス基板、122…ガラス基板、123…透明導電膜、123a…アクティブマトリクス電極層、124…高誘電フィルム、125…撥水膜、126…リング部材、127…高誘電膜、128…内部空間、129…透明導電膜、130…封止材、131…親水膜、132…黒色の有極性液、133…透明なオイル。

Claims (4)

  1. 対物レンズと、
    前記対物レンズを介して被検眼の眼底に測定光を照射する照射光学系と、
    前記測定光の前記眼底からの反射光を受光し被検眼の屈折特性を検出する眼屈折特性検出系と、
    光軸上で移動可能で、絞り径を可変できる可変光学絞りと
    を備え、
    前記光軸上における正視眼に対応した位置にて行う仮測定において前記被検眼が近視または遠視である場合は、前記光軸上における前記可変光学絞りの位置が前記眼底の眼底共役位置にない第1の状態において、前記絞り径を相対的に大きくし、前記光軸上における前記可変光学絞りの位置が前記眼底の眼底共役位置にある第2の状態において、前記絞り径を相対的に小さくし、
    前記仮測定において前記被検眼が正視眼である場合は、前記可変光学絞りの位置が前記眼底の眼底共役位置にある第2の状態において、前記絞り径を相対的に大きい状態から相対的に小さくすることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記仮測定において、前記被検眼が乱視であると判定された場合は、前記被検眼の強主経線方向における集光位置と弱主経線方向における集光位置との中間を前記可変光学絞りの前記第2の状態の位置とみなし、
    前記可変光学絞りを前記第2の状態の位置とみなした位置に変更し、
    前記第2の状態とみなした位置において、前記被検眼の屈折の状態が測定されることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記被検眼の屈折の状態を測定する際において、
    前記被検眼の乱視が所定値を超える場合に、前記絞り径を前記被検眼に乱視がない場合よりも大きな値とすることを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記可変光学絞りは、エレクトロウェッティング現象を利用して透明な液滴の径を制御する光学装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の眼科装置。
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