JP6826497B2 - パンタグラフ形断路器の振動抑制装置 - Google Patents

パンタグラフ形断路器の振動抑制装置 Download PDF

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Description

本発明は、パンタグラフ形断路器の振動抑制装置に関するものである。
図1は、従来のパンタグラフ形断路器1′の一例を示している。パンタグラフ形断路器1′は、地上に設置された架台3の上に起立されたがいし装置4の頂上に、パンタグラフ式の導電部2を設置した構成をとる。導電部2は、複数のアーム5をピン構造6で連結したリンク機構からなる。リンク機構の動作により、導電部2の先端2aは、昇降移動する。図示するようにアーム5が伸びて先端2aが上方位置にある場合、一対の先端2aが、上方に配置された母線7の固定接触部7aを挟み込んだ状態で接触し、導通する。図示省略するが、アーム5が畳まれて先端2aが下方位置にある場合は、一対の先端2aは開いた状態となり、固定接触部7aから離反し、非導通となる。
がいし装置4は、導電部2を支持する3本の支持がいし10と、リンク機構の導電部2の開閉のための回転力を伝達する操作がいし11を備える。3本の支持がいし10は、架台3の上面に調整スタッド15を介して配置する調整板12を底辺とする三角錐の各辺にそれぞれ配置し、支持がいし10の上端は、動力伝達ボックス14に連結する。各支持がいし10は、複数のがいし10aを直列に連結し、連結部分は例えばボルト・ナット等で強固に行う。これにより、各支持がいし10は、それぞれ1本の棒のようになる。また、操作がいし11は、複数のがいし11aを直列に連結し、架台3の上に直立させる。がいし11a同士の連結は、例えばボルト締結により強固に行う。これにより、操作がいし11は、一本の棒のようになる。
操作がいし11の上端は、軸支え9に対して回転自在に軸受け支持され、その上端は、軸支え9の上面側に設置した動力伝達ボックス14に連結される。この動力伝達ボックス14内に実装された伝達機構により、垂直方向に起立した操作がいし11の軸周りの回転を、所定の水平軸周りの回転、すなわち、垂直平面内での回転に変換する。動力伝達ボックス14の一つの側面14aに、伝達機構の出力軸14bを配置する。導電部2を構成するアーム5の下端を配置し、出力軸14bに連結する。これにより、操作がいし11が正逆回転すると、出力軸14bが正逆回転し、それに伴いアーム5の下端を回転中心として、最下方のアーム5が正逆回転する。この最下方のアーム5の正逆回転に伴うリンク機構の動作により、上述したように導電部2の先端2aが昇降する。
図2に拡大して示すように、調整スタッド15は、調整板12と架台3の天板13とを貫通するように両端に雄ねじを有するスタッドボルト17を配置し、そのスタッドボルト17の両端に装着した複数のナット18にてそれぞれ調整板12と天板13を上下から挟み込み固定する。スタッドボルト17に対するナット18の位置を適宜にすることで、調整板12を水平にしつつ、所望の高さに位置させる。調整スタッド15は、スタッドボルト17・ナット18で天板13と調整板12を直結しており、強固に固定して動かないリジッド構造を採る。
上述した従来のパンタグラフ形断路器1′は、調整スタッド15並びにがいし装置4がいずれも強固な構造を採っている。そして例えば地震動が発生した場合、それにともない導電部2が揺れの方向に移動しようとするが、調整スタッド15並びに三角錐補強構造のがいし装置4の支持がいし10により頂部変位をおさえ、導電部2の移動を抑制する。しかしながら、がいし装置4の設計基準波形を上回るような大きな地震動が発生した場合、例えばがいし装置4の頂部付近に大きな曲げ応力が加わり、がいしの曲げ許容応力を超過すると、当該がいしが破損するおそれがある。そこで、係る地震動に対してもがいしの破損を防止するため、例えば、特許文献1に開示された断路器の衝撃緩衝装置などが開発され、直列接続するがいしの連結部分に、当該衝撃緩衝装置を配置するものがある。
特開2014−120276
従来の断路器に対する地震対策の技術は、専ら、がいし部分の損傷を防ぐことを目的として開発されていた。そのため、本発明が対象とするパンタグラフ形断路器では、例えば従来から想定している規模を超えるような大きな地震動に対しては、十分な耐震構造を採ることができない。すなわち、パンタグラフ形断路器の場合、特に図1に示すように投入状態の導電部2では、アーム5が伸びた姿勢となり、その状態でがいし装置の従来の設計基準を超える大きな地震などの震動が生じると、大きなモーメントが発生し、導電部2やがいし装置4の損傷を招く。特に、ピン構造6の部分や、支持がいし10の上端付近で折損が見られる。従来の耐震技術では、パンタグラフ形断路器1′に対して適切に適用することができない。
上述した課題を解決するために、本発明は、(1)パンタグラフ式の導電部と、その導電部を支持するがいし装置と、そのがいし装置の高さ方向の位置を調整する3本の調整スタッドとを備え、前記3本の調整スタッドの上端は、それぞれ前記がいし装置の下端が連結される調整板に取付けられるパンタグラフ形断路器における振動抑制装置であって、前記3本の調整スタッドのそれぞれに、振動を減衰する減震装置を装着した。
パンタグラフ式の導電部は、例えば投入状態では上下に伸びた姿勢となり、その状態で地震などの震動が生じると大きなモーメントが発生する。本発明では、例えば地震発生時における振動を減震装置で減衰し、導電部が大きく変位するのを抑制することができる。よって、大きな地震動があっても導電部やがいし装置の損傷や大きな変位により近傍の部材に接触することを抑えることができる。特に仮想の三角形の頂点に配置した3本の調整スタッドにそれぞれ減震装置を配置したので、地震動の水平振動する方向がどのような方向であっても、少なくとも一つの減震装置が機能して振動を減衰することができる。
(2)前記減震装置は、前記調整スタッドを構成するスタッドボルトに装着する輪ばねを備え、前記輪ばねは、前記調整板の下方に配置し、前記スタッドボルトの前記輪ばねの下側と、前記調整板の上側にそれぞれ装着した一組の固定ナットの間隔を調整することで前記輪ばねに初期荷重を加えるようにするとよい。輪ばねは他のばねに比べて減衰定数が大きく、大きな振動でも減衰でき、しかも、短時間で減衰できるので、例えば大地震などあっても揺れを抑制することができるので良い。
(3)前記減震装置は、前記調整スタッドを構成するスタッドボルトに装着する皿ばねを備えるとよい。皿ばねの枚数を変えることで、簡単に荷重を調整することができ、所望の減衰効果を得ることができるので良い。さらに、複数枚の皿ばねを重ねた場合、枚数を多くすると、それに伴い荷重も大きくなり、例えば小さい振動では皿ばねが弾性変形することもなくスタッドボルトと一体の剛性のある一本の棒体と等価になる。すると、従来のスタッドボルトを直結した剛性のある構造物と同様に、その剛性により調整板ひいてはその上に載るがいし装置や導電部の揺れを抑制し、破損を防止することができる。そして、大地震等の従来の設計基準を超える大きな振動が生じた場合には、皿ばねが弾性変形して振動を減衰させ、がいし装置や導電部の損傷を抑制するのでよい。
(4)前記減震装置は、前記調整スタッドを構成するスタッドボルトに装着する輪ばねと、皿ばねを備え、前記皿ばねの弾性復元力により前記輪ばねに初期荷重を加えられるように構成するとよい。このようにすると、皿ばねは、当該皿ばね自体が持つ振動の減衰機能に加え、輪ばねに対して初期荷重を与える機能を発揮する。よって、たとえばより大きな地震等により、輪ばね単独では初期荷重がなくなり適切に減衰できなくなるような場合でも、皿ばねによりしっかりと初期荷重を与えることができる。その結果、当該大きな地震等があっても、確実に振動を減衰し、がいし装置や導電部が損傷するのを抑止する。
(5)前記3本の調整スタッドに装着する前記減震装置とは別に、並列して皿ばね式の減震装置を備えるとよい。この皿ばね式の減震装置は、実施形態では、第二減震装置40に対応する。3本の調整スタッドにそれぞれ装着した減震装置は、減衰機能を高めると、それに伴い装置も大型化する。すると、例えば既設のパンタグラフ形断路器の調整スタッドの部分に実装しようとした場合に、径が大きくて隣接する減震装置同士が干渉したり、長くなってスタッドボルトに装着できなかったりするおそれがある。本発明では、既設その他従来のパンタグラフ形断路器の調整スタッドの部分に装着可能な減震装置で十分な減衰効果が発揮できない場合でも、並列配置された皿ばね式の減震装置による減衰効果が加わり、確実に振動を減衰させ、大きな地震等があってもがいし装置や導電部の損傷を抑止できる。さらに、さらに皿ばねは、径の大きさは規格により決まっており、また、減衰させる能力は皿ばねの枚数により決まるので、干渉することなく実装できる。特に、調整板の上に皿ばねを配置するようにすれば、より確実かつ簡単に実装できるので良い。
本発明では、例えば大きな地震動があっても導電部やがいし装置が損傷するのを抑止できる。
従来例を示す図である。 従来例を示す図である。 本発明が実装されるパンタグラフ形断路器の振動抑制装置の一形態を示す正面図である。 その側面図である。 (a)は調整板の部分を示す平面図であり、(b)は調整スタッド及びその周辺を示す図である。 振動抑制装置の一実施形態を示す断面図である。 作用を説明する図である。 (a)は振動抑制装置の別の実施形態における調整板の部分を示す平面図であり、(b)は調整スタッド及びその周辺を示す図である。示す断面図である。 第二減震装置40を示す拡大図である。 耐震試験を説明する図である。 試験結果を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
図3,図4は、本発明に係る振動抑制装置の好適な一実施形態並びにそれが適用されるパンタグラフ形断路器1の一形態を示している。パンタグラフ形断路器1は、図1,図2を参照して説明した従来のものと同様の構成を含み、対応する部材については同一符号を付して説明する。
図3,図4に示すように、パンタグラフ形断路器1は、母線7に対して接触/離反するパンタグラフ式の導電部2と、その導電部2を支持するがいし装置4と、地上に設置される架台3と、架台3とがいし装置4の間に配置されがいし装置4の高さ位置・姿勢を調整する調整スタッド15を備える。
導電部2は、複数のアーム5をピン構造6で連結したリンク機構からなる。本形態では、下側第一アーム5aの上端と上側第一アーム5bの下端をピン構造6で回転可能に連結し、下側第二アーム5cの上端と上側第二アーム5dの下端をピン構造6で回転可能に連結し、上側第一アーム5bの中間部と上側第二アーム5dの中間部をピン構造6で回転可能に連結する。そして、下側第一アーム5aと下側第二アーム5cの下方部位を、動力伝達ボックス14の側面14aに沿うように配置するとともに、下側第一アーム5aの下端と下側第二アーム5cの下端を、それぞれ動力伝達ボックス14の出力軸14bに連結する。出力軸14bが正逆回転すると、リンク機構の動作により、導電部2の先端2a(上側第一アーム5b,上側第二アーム5dの上端)は、昇降移動する。導電部2の先端2aを構成する上側第一アーム5bの上端と、上側第二アーム5dの上端は、図示するように上方位置にある場合、互いに接近して、母線7の固定接触部7aを両側から挟み込んだ状態で接触し、導通する。図示省略するが、先端2aが下方位置にある場合は、一対の先端2aである上側第一アーム5bの上端と、上側第二アーム5dの上端は、開いた状態となり、固定接触部7aから離反し、非導通となる。
また、図示省略するが、アーム5の下方は、別の母線に導通しており、図示する投入状態では、当該別の母線と母線7とが導通する。そして、導電部2の先端2aが下方位置にきて母線7から離反すると、母線7から図示省略した当該母線への経路が遮断される。
がいし装置4は、導電部2を支持する3本の支持がいし10と、リンク機構の導電部2の開閉のための回転力を伝達する操作がいし11を備える。3本の支持がいし10は、架台3の上面に調整スタッド15を介して配置する調整板12を底辺とする三角錐の各辺にそれぞれ配置し、支持がいし10の上端は、動力伝達ボックス14に連結する。各支持がいし10は、複数のがいし10aを直列に連結し、連結部分は例えばボルト・ナット等で強固に行う。これにより、各支持がいし10は、それぞれ1本の棒のようになる。図5に示すように、調整板12は、各頂点がR取りされた略正三角形の平板からなり、3本の支持がいし10の下端は、それぞれ略正三角形の頂点付近に連結される。
また、操作がいし11は、複数のがいし11aを直列に連結し、架台3の上に直立させる。がいし11a同士の連結は、例えばボルト締結により強固に行う。これにより、操作がいし11は、一本の棒のようになる。操作がいし11の上端は、軸支え9に対して回転自在に軸受け支持され、その上端は、軸支え9の上面側に設置した動力伝達ボックス14に連係される。
この動力伝達ボックス14内に実装された伝達機構により、垂直方向に起立した操作がいし11の軸周りの回転を、側面14aから外部に水平に突出させた出力軸14bの軸周りの回転に変換する。これにより、操作がいし11が正逆回転すると、出力軸14bが正逆回転し、アーム5の姿勢を遷移する。
架台3の外側面下方には、操作装置20を備える。操作装置20は、バッテリー・駆動モータ等の駆動源や、駆動を制御する操作スイッチ等を備える。駆動源の回転出力は、動力伝達機構21を介して操作がいし11に伝達される。操作がいし11は、当該回転出力を受けて、正逆回転する。
架台3の天板13と、調整板12とを連結する調整スタッド15は、3本備える。各調整スタッド15は、天板13上に垂直に起立配置し、調整板12の支持がいし10の接続部分の内側(調整板12の中央側)に連結するように配置する。
これらの基本的な構成は、一般的なパンタグラフ形断路器1と同様である。そして本実施形態では、振動抑制装置は、3本の調整スタッド15に、それぞれ減震装置25を配置した。図5,図6に拡大して示すように、架台3の天板13に設けた貫通孔13aと、調整板12に設けた貫通孔12aを上下方向で一致するように配置し、それら両貫通孔13a,12aを貫通するように、スタッドボルト17を配置する。貫通孔13a,12aの内径は、スタッドボルト17の外径よりも大きく、いわゆるバカ穴状態となっている。本実施形態のスタッドボルト17は、全長に渡って雄ねじが形成されている。このスタッドボルト17の架台3の天板13に装着した側の雄ねじ部分に、一組の下側固定ナット22を装着し、その一組の下側固定ナット22にて天板13を上下から挟み込む。これにより、スタッドボルト17を天板13に対して固定し、スタッドボルト17を垂直方向に起立保持する。
一方、スタッドボルト17の調整板12に装着した側の雄ねじ部分に、一組の上側固定ナット23を装着する。この一組の上側固定ナット23は、調整板12の上下両側に配置するが、調整板12を直接挟み込むのではなく、その一組の上側固定ナット23間に減震装置25を配置する。そして、本実施形態の減震装置25は、皿ばね27と、輪ばね式の減震装置30を備える。
より具体的には、調整板12の上面側に皿ばね27を配置し、その皿ばね27の中央の貫通孔27aにスタッドボルト17を貫通する。そして調整板12の上側に配置した上側固定ナット23を締めることで、その上側固定ナット23と調整板12との間で皿ばね27を挟み込む。本実施形態では、皿ばね27は、2枚重ねた状態で配置する。
一方、調整板12の下側に配置した上側固定ナット23と、調整板12との間に輪ばね式の減震装置30を配置する。この輪ばね式の減震装置30は、輪ばね31と、その輪ばね31を収納する有底のシャフト32及びガイドキャップ35を備える。輪ばね31の内輪31aの内径は、スタッドボルト17の外径より一回り大きい設定としている。
シャフト32は、上下開口した円筒形のガイドシャフト32aと、ガイドシャフト32aの下方を閉塞する底部32bを備え、ガイドシャフト32aの外径と底部32bの外径を等しくする。そしてガイドシャフト32aの下端を、底部32bに嵌め込んだ状態で、固定用のボルト32cにより両者を締結する。ガイドシャフト32aの内径は、輪ばね31の外輪31bの外径に比べ一回り大きくする。シャフト32の内部空間が、輪ばね31の収納空間となる。
また、ガイドシャフト32aの全長は、輪ばね31の全長よりも短くし、シャフト32内に輪ばね31を収納した状態では、輪ばね31の上方が、シャフト32より上方に突出した状態となる。底部32bの中央には、上下に貫通する貫通孔32dを有する。この貫通孔32dの内径は、スタッドボルト17の外径よりも大きくしている。
シャフト32の上方部位は、下部開口したガイドキャップ35内に挿入した状態となる。ガイドキャップ35は、外筒部35aと、外筒部35aの上方を閉塞する天面部35bを備える。外筒部35aの内径は、ガイドシャフト32aの外径とほぼ等しくしている。ガイドシャフト32aの外周面とガイドキャップ35の内周面が擦り合った状態で、両者は相対的に上下方向に移動可能となる。また、輪ばね31の上端は、ガイドキャップ35の天面部35bの内面に接触する。例えば、シャフト32に上方への付勢力が加わると、シャフト32は、輪ばね31を上方に付勢し、当該輪ばね31を圧縮変形させながら上昇移動する。また、シャフト32に加わっていた付勢力が解除されると、輪ばね31の弾性復元力によりシャフト32は下降移動して元の位置に復帰する。またガイドキャップ35に下方への付勢力が加わると、ガイドキャップ35は、輪ばね31を下方に付勢し、当該輪ばね31を圧縮変形させながら下降移動する。そして、ガイドキャップ35に加わっていた付勢力が解除されると、輪ばね31の弾性復元力によりガイドキャップ35は上昇移動して元の位置に復帰する。
さらに本実施形態では、ガイドキャップ35の天面部35bの中央には、上下に貫通する貫通孔35cが形成される。貫通孔35cの内径は、スタッドボルト17の外径より一回り大きくしている。
そして、シャフト32の貫通孔32dと、ガイドキャップ35の貫通孔35cとを貫通するようにして、スタッドボルト17を挿入する。ガイドキャップ35の上方から突出するスタッドボルト17の先端は、調整板12・皿ばね27を貫通し、上側固定ナット23が締結される。また、シャフト32の貫通孔32dから下方に突出するシャフト32の雄ねじ部分に装着される上側固定ナット23を締め付けることで、上側固定ナット23は、シャフト32の底部32bに接触する。
また、ガイドキャップ35の上面中央には、位置決め用部材35dが設けられる。位置決め用部材35dの中央にも貫通孔があり、スタッドボルト17は当該貫通孔内を通りガイドキャップ35の外に突出する。
そして、位置決め用部材35dに接触する調整板12の下面の貫通孔12aの周縁には凹部12bが形成されている。この凹部12b内に、ガイドキャップ35の位置決め用部材35dが符合し、位置決めされる。凹部12bの内面形状、位置決め用部材35dの外面形状は、湾曲面としている。これにより、例えばスタッドボルト17と、調整板12のなす角が、直交する状態から変化しようとした場合に、湾曲面に案内されてスムーズに行われる。
上述した構成において、一組の上側固定ナット23間の距離を調整することで、輪ばね31を圧縮状態にし、輪ばね31に対する初期荷重を与える。このように初期荷重を与えておくことで、例えば地震などによりパンタグラフ形断路器1が揺れても輪ばね31により振動を減衰することができる。よって、例えば、従来の減震装置25を配置しないパンタグラフ形断路器1′における導電部2を構成するアーム5の揺れが、許容を超えるような大きな地震動があった場合でも、減震装置25で振動を吸収して許容範囲内の揺れに抑制し、アーム5やがいし装置4の損傷を防止する。
すなわち、図7(a)に示すように、調整スタッド15が、スタッドボルト17を直結している従来の構造では、架台3から調整板12までの剛性が高く、パンタグラフ形の導電部2との固有周期も違うので、例えば地震動に伴う水平振動が発生した際に、架台3から調整板12までの部分ひいてはがいし装置4と、その上方の導電部2側では一緒に揺れない。特に、導電部2が投入状態の時には、アーム5が上方に向けて伸びているため、水平振動に伴う導電部2の揺れモーメントも大きくなり、頂部の変位量が大きくなる。その結果、導電部2や、がいし装置4が損傷する。
これに対し、本実施形態のように調整スタッド15の部分に減震装置25を配置したため、図7(b),(c)に示すように、地震動に伴う水平振動が生じた場合、輪ばね31や皿ばね27が弾性変形することで調整板12が傾くように変位することができるとともに振動を減衰し、導電部2が大きく変位するのを抑制することができる。よって、大きな地震動があっても減震でき、導電部2の揺れを抑え、導電部2,がいし装置4の損傷や大きな変位により近傍の部材に接触することを抑えることができる。
特に本実施形態では、仮想の三角形の頂点に配置した3本の調整スタッド15にそれぞれ減震装置25を配置したので、地震動の水平振動する方向がどのような方向であっても、少なくとも一つの減震装置25の輪ばね31と皿ばね27は圧縮変形して減衰することができるので良い。
さらに、従来の設計基準を超える大きな地震が生じ、例えば調整板12の傾きが大きくなって、輪ばね31が伸びきってしまい初期荷重が無くなると、振動抑制効果がなくなる。しかし、本実施形態では、皿ばね27を設けたため、その皿ばね27が、輪ばね31が伸びようとするのを押し込み、初期荷重を常に与えられるのでよい。すなわち、本実施形態の皿ばね27は、ばねによる振動の減衰機能に加え、輪ばね31に対する初期荷重を付加する機能を備える。このように本実施形態では、皿ばね27により、輪ばね31に対する初期荷重を与える構成としたため、ナットの位置を調整して与える初期荷重が小さくても良い。
上述した実施形態では、例えば、既存のスタッドボルト17に、皿ばね27や輪ばね式の減震装置30を装着した状態でナット締めすることで構成できる。よって、既設のパンタグラフ形断路器に対し、簡単に耐震対策を採った本発明品に改良することができる。
上述した実施形態では、皿ばね27を2枚用いた例を説明したが、本発明はこれに限ることはなく、1枚でも良いし、3枚以上でも良い。また実施形態では、減震装置25は、皿ばね27と輪ばね31を用いて構成したが、本発明はこれに限ることはなく、皿ばね27と輪ばね31の一方のみを用いても良い。
図8は、さらに別の実施形態を示している。本実施形態では、上述した実施形態を前提とし、第二減震装置40を設けた。この第二減震装置40は、減震装置25を装着した3本のスタッドボルト17のそれぞれの間に配置し、合計3本設ける。第二減震装置40は、皿ばね27を用いて構成される。具体的な構成は、調整板12の貫通孔12cと、架台3の天板13の貫通孔13bとを貫通するように配置したスタッドボルト41の下方を、一組の下側固定ナット42を用いて天板13に固定する。そして、スタッドボルト41の上方には、調整板12の上下両面に配置した皿ばね27を貫通するように配置し、その状態で一組の上側固定ナット43にて上下の皿ばね27及び調整板12を挟み込み、皿ばね48を所望の圧縮状態で固定する。
これにより、皿ばね48は弾性変形し、皿ばね48による減衰機能により、振動を減衰することができる。さらに調整板12の上面側に配置した皿ばね27は、調整板12を下方に付勢し、輪ばね31に対して初期荷重を与える。輪ばね31は、たとえば径を大きくしたり、軸方向の長さを長くしたりするなどして、所望の荷重を得ることができる。しかし、直径及びまたは長さが大きくなると、既設の調整スタッド15内の空間に配置することができなくなる。そこで、本実施形態では、減震装置25では十分に振動を抑制できない(輪ばねで目的の荷重がとれない)場合、皿ばねを用いた第二減震装置40による荷重も加味し目的の荷重を得るようにする。これにより、輪ばね31と皿ばね27を備えた減震装置30と、皿ばね48を備えた第二減震装置40が並列的に減衰機能を発揮し、相乗的に振動を抑制することができる。
本実施形態では、皿ばね27を上下に3枚ずつ配置したが、本発明はこれに限ることはなく、皿ばね27を1枚或いは3枚以上用いても良い。また、皿ばね27の配置位置は、たとえば上側のみのように片側にしても良い。
*実験結果
上述した実施形態並びに変形例の効果を確認するため、以下に示す耐震試験を行った。図10に示すように、導電部2は、アーム5が伸びた投入状態の姿勢のものに対し、テンション除荷試験を行った。係る試験は、調整スタッド15に、減震装置を実装したものと、減震装置を実装せずに調整スタッド15を直結した従来のものについて行った。
テンション除荷試験は、一定方向にテンションを加荷してから、そのテンションを除荷する。そして、除荷後、振動が停止するまでの各測定箇所の応答を測定する。テンションの加荷は、図10に示すように、バインド線50の一端を動力伝達ボックス14に連結し、他端をチェーンブロック52に連結する。バインド線50の一端側を水平方向に伸びるように這わした後、滑車51にて下方に向けるように這わす。チェーンブロック52は、荷重計53に連係する。荷重計53でテンションを確認しながらチェーンブロック52を操作し、動力伝達ボックス14を引っ張る。そして、所定の荷重になったら、バインド線50を切断し、その切断に伴う自由振動を利用して、評価する。除荷重は、50,100,200,300,400,500,……[kgf]と換えていき、それぞれについて調べた。
導電部2のアーム5やピン構造6の各点並びに支持がいし10の各点についての歪み分布を計測したところ、どの点においても除荷重が大きいほど歪み量は大きくなる。そして、減震装置を実装しない従来構造のものに比べ、減震装置(皿ばね式)を実装した本発明品に対応するものの方が、歪みは小さくなった。
図11は、自由振動により振動が収束するまでの波形の一例を示している。図11(a)は、減震装置を実装しない従来のリジッド構造のものであり、図11(b)は皿ばね(2枚)構造の減震装置を実装したものであり、図11(c)は輪ばね構造の減震装置を実装したものである。減衰定数は、リジッド構造は3〜4%、皿ばね構造が7〜9%、輪ばね構造が12〜15%であった。これらから、従来構造のものに比べて減震装置を実装したものの方が速く振動が収束することが確認できた。また、皿ばね構造よりも輪ばね構造の方がより減衰することが確認できた。
1 パンタグラフ形断路器
2 導電部
3 架台
4 がいし装置
12 調整板
13 天板
15 調整スタッド
17 スタッドボルト
25 減震装置
27 皿ばね
30 輪ばね式の減震装置
31 輪ばね
40 第二減震装置
41 スタッドボルト
48 皿ばね

Claims (5)

  1. パンタグラフ式の導電部と、その導電部を支持するがいし装置と、そのがいし装置の高さ方向の位置を調整する3本の調整スタッドとを備え、前記3本の調整スタッドの上端は、それぞれ前記がいし装置の下端が連結される調整板に取付けられるパンタグラフ形断路器における振動抑制装置であって、
    前記3本の調整スタッドのそれぞれに、振動を減衰する減震装置を装着することを特徴とするパンタグラフ形断路器の振動抑制装置。
  2. 前記減震装置は、前記調整スタッドを構成するスタッドボルトに装着する輪ばねを備え、
    前記輪ばねは、前記調整板の下方に配置し、
    前記スタッドボルトの前記輪ばねの下側と、前記調整板の上側にそれぞれ装着した一組の固定ナットの間隔を調整することで前記輪ばねに初期荷重を加えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパンタグラフ形断路器の振動抑制装置。
  3. 前記減震装置は、前記調整スタッドを構成するスタッドボルトに装着する皿ばねを備えたことを特徴とする請求項1に記載のパンタグラフ形断路器の振動抑制装置。
  4. 前記減震装置は、前記調整スタッドを構成するスタッドボルトに装着する輪ばねと、皿ばねを備え、
    前記皿ばねの弾性復元力により前記輪ばねに初期荷重を加えられるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のパンタグラフ形断路器の振動抑制装置。
  5. 前記3本の調整スタッドに装着する前記減震装置とは別に、並列して皿ばね式の減震装置を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のパンタグラフ形断路器の振動抑制装置。
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