JP6826824B2 - 難燃性樹脂組成物およびそれを用いた成形体及び絶縁電線・ケーブル - Google Patents

難燃性樹脂組成物およびそれを用いた成形体及び絶縁電線・ケーブル Download PDF

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Description

本発明は、機械特性、耐酸性、耐薬品性、耐熱性に優れ、かつ成形時に発泡することがなく、耐酸性に優れた樹脂組成物および該組成物を用いた成形体、その樹脂組成物を用いた被覆材とする電線・ケーブル、光ファイバケーブルその他の成形部品に関するものである。
より詳しくは、本発明は、電気・電子機器の内部ないしは外部配線に使用される絶縁電線、絶縁電線、電気コード自動車用ケーブル、通信用電線・ケーブル、電力用電線・ケーブル、光ファイバコード・ケーブル、自動車用電線・ケーブル、自動車車両、鉄道車両、船舶、航空機、産業機材、電子機器、電子部品等に使用されている主として難燃樹脂材料に関するものである。
従来、絶縁電線・ケーブル・コードや光ファイバ心線、光ファイバコード自動車用電線・ケーブル、自動車車両、鉄道車両、船舶、航空機、産業機材、電子機器、電子部品等には、難燃性、耐熱性、機械特性(例えば、引張特性、耐摩耗性)など種々の特性が要求されている。
このため、これらの配線材に使用される被覆材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)コンパウンドや、分子中に臭素原子や塩素原子を含有するハロゲン系難燃剤を配合したポリオレフィンコンパウンドが主として使用されていた。
しかし、これらを燃焼した場合には、被覆材料に含まれるハロゲン化合物から腐食性ガスが発生することがあり、近年、この問題が議論されており、ハロゲン系ガスなどの発生の恐れがないノンハロゲン難燃材料で被覆した難燃樹脂検討が行われている。
ノンハロゲン難燃材料は、ハロゲンを含有しない難燃剤を樹脂に配合することで難燃性を発現させており、種々の樹脂に対して、例えばポリオレフィン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂に難燃剤として水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物を配合した材料が使用されている。このような金属水和物は高い難燃性を発現させるためにはハロゲン系難燃剤と比較して大量に配合する必要がある。
この金属水和物の中では水酸化マグネシウムはこのような金属水和物の中でも難燃効果が比較的高く、ポリオレフィン系樹脂を中心とするノンハロゲン難燃剤として広く使用されてきた。
さてこのような水酸化マグネシウムを配合した樹脂組成物は酸に対して弱く、例えば酸性雨、排気ガス中に含まれる窒素酸化物等、種々の酸性薬品等により物性が大幅に低下する。そこで水酸化マグネシウムの表面にリン酸エステル等により表面処理する方法が提案されている。
しかしリン酸エステルで処理されている水酸化マグネシウムを用いると樹脂組成物の機械的強度は大幅に低下し、またその耐酸性も不十分であった。
また一方で水酸化アルミニウムは耐酸性に優れており、例えば排気ガス中に含まれる窒素酸化物等に侵されにくく安定である。しかしながら分解温度が低いため、コンパウンド成形時や押出時に分解してしまい、安定した成形体や電線が得られない。
これを解決するためにより安定で高温まで分解しにくいベーマイトを難燃剤に使用する方法が提案されている。しかし脱水量が低く、また分解温度が高すぎるため、難燃材として大きな効果が得られない。
さらに特許第4614354号(特許文献2)に開示されているような耐熱性の水酸化アルミニウムが提案されている。しかしこのような耐熱水酸化アルミニウムを使用しても成形時に分解が生じ、電線や成形体が発泡してしまうという課題があった。
発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の樹脂をベース材料の一部又はすべてに使用することにより、成形時に発泡することがなく、耐酸性に優れた難燃性樹脂組成物及びそれを用いた成形体、電線・ケーブル材料を得ることができた。
また、国際公開第2004/080897号公報(特許文献1)および特許第4614354号公報(特許文献2)によれば、耐熱性水酸化アルミニウムは、高い脱水温度と十分な脱水量を備えるため難燃剤として熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂のいずれにも用いることができる。合成樹脂は易燃性、難燃性を問わず用いることができ、例えばメチルメタアクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレートなど様々な合成樹脂に用いることができる。
ここで、熱可塑性樹脂は、成形温度が水酸化アルミニウムの脱水する温度領域辺りのものが多く、水酸化アルミニウムの脱水により合成樹脂成形品内に発泡が発生し、成形品の表面にブツブツが表れて歩留まりを低下させることがあった。また、熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂より低い温度で成形されることが多いが、この合成樹脂の特徴から高温度で使用される場合があり、例えば、電気・電子機器部品などに用いられることも多く、用いられる環境温度によっては水酸化アルミニウムが脱水し、成形品の歩留まりや物性を低下させることがあった。例示すれば、熱硬化性樹脂を電子基板に用いた場合、電子基板上にハンダ付けするときの環境温度は230℃位になるため、水酸化アルミニウムが脱水し、電子基板の歩留まりを低下させることがあった。具体的には、耐熱性水酸化アルミニウムを難燃剤としてポリプロピレン(PP)に練り込み、また、エポキシ樹脂に耐熱性水酸化アルミニウムをフイルム状にキャスティングして評価している。
しかしながら、当該公報では本願発明のように柔らかい熱可塑性樹脂における電線・ケーブル、光ファイバケーブルその他の成形部品についての技術分野及び課題とは明確に異なる。
国際公開第2004/080897号公報 特許第4614354号公報
本発明の目的は、機械特性、耐酸性、耐薬品性、耐熱性に優れ、かつ成形時に発泡することがなく、耐酸性に優れた樹脂組成物および該組成物を用いた成形体、その樹脂組成物を用いた被覆材とする電線・ケーブル、光ファイバケーブルその他の成形部品を提供することである。
本発明は、第1の発明によれば、
成分(a)JISショア硬度A20以上、ショア硬度D54以下の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂(A)100質量部、
成分(b)1%脱水温度が240℃以上でかつ全脱水量が25%以上である水酸化アルミニウム複合体を15〜250質量部、
を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物(X)
が提供される。
第2の発明によれば、
上記成分(a)熱可塑性樹脂が、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体(ゴム)、(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ブロック共重合体、及び(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ランダム共重合体、(水添)共役ジエン系共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ポリウレタン、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする第1の発明に記載の難燃性樹脂組成物
が提供される。
第3の発明によれば、
上記熱可塑性樹脂(A)の樹脂成分中、成分(a)の熱可塑性樹脂が60質量%以上であることを特徴とする第1もしくは第2の発明に記載の難燃性樹脂組成物
が提供される。
第4の発明によれば、
上記熱可塑性樹脂(A)の樹脂成分がすべて成分(a)の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする第1〜第3のいずれかの発明に記載の難燃性樹脂組成物
が提供される。
第5の発明によれば、難燃性樹脂組成物(X)のメルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度190℃、荷重10kg)が10g/10分以下であることを特徴とする第1〜第4のいずれかの発明に記載の難燃性樹脂組成物が提供される。
第6の発明によれば、
前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し
成分(b)1%脱水温度が240℃以上でかつ全脱水量が25%以上である水酸化アルミニウム複合体を15〜80質量部を含有することを特徴とする第1〜第5のいずれかの発明に記載の難燃性樹脂組成物(X)
が提供される。
第7の発明によれば、
前記の成分(b)水酸化アルミニウム複合体の平均粒径が2.0〜4.5μmであることを特徴とする第1〜第6のいずれかの発明に記載の難燃樹脂組成物
が提供される。
第8の発明によれば、
前記樹脂組成物を導体の周りに形成していることを特徴とする第1〜第7のいずれかの発明に記載の絶縁電線及びケーブル
が提供される。
第9の発明によれば、
前記樹脂組成物が架橋されていることを特徴とする第1〜第8のいずれかの発明に記載の絶縁電線
が提供される。
第10の発明によれば、
前記樹脂組成物を用いたことを特徴とする第1〜第9のいずれかの発明に記載の成形部品
が提供される。
ベース樹脂に特定のエラストマーやゴム系材料を特定量使用し、1%脱水温度が240℃以上でかつ全脱水量が25%以上である水酸化アルミニウム複合体を加えることにより、耐酸性に非常に優れ、コンパウンド作成時及び成形時に発泡しにくい樹脂組成物を得ることができる。
この原因はよくわかっていないものの、このような耐熱性の高い水酸化アルミニウムも240℃まで温度が上がるまでに数%の水分を発生させる。このような水分はコンパウンド成形時や成形時にコンパウンドや成形体に発泡を生じさせ、外観不良を引き起こす。一方で特定量すなわち25%以上特定のエラストマー材料やゴム材料を加えることにより、1%以下に水分発生を抑えることで水分はこれらの樹脂内に保持され、さらにその後拡散されるため、発泡を引き起こしにくく、安定にコンパウンディング、成形体を成形することができ、良好な樹脂組成物並びに成形体を得ることが可能となる。
さらにこの耐熱性水酸化アルミニウムの平均粒径が2.0〜4.5μmの場合、発泡が大幅に抑えられると共に、強度、耐酸性、外観の良好な樹脂組成物、成形体を得ることが可能となる。この原因についてはよく分かっていないが、粒径が2.0μm以下になると混練時や押出時に分解が急激に生じ、水分が多量に発生するため発泡してしまい、4.5μmより大きくなると成形体の強度や伸びが急激に低下してしまう。
以下、本発明の難燃樹脂組成物の構成成分、難燃樹脂組成物の製造、難燃樹脂組成物の用途について詳細に説明する。
1.難燃樹脂組成物の構成成分
成分(a): (必須成分)(JIS規格)ショア硬度A20以上、ショア硬度D54以下である熱可塑性樹脂
成分(a)は、(JIS規格)ショア硬度A20以上、ショア硬度D54以下である熱可塑性樹脂である。
具体的には、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体(ゴム)、(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ブロック共重合体、及び(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ランダム共重合体、(水添)共役ジエン系共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ポリウレタン、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられる。
成分(a)は、
(JIS規格)ショア硬度A20以上、ショア硬度D54以下である熱可塑性樹脂
であるが、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体(ゴム)、(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ブロック共重合体、及び(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ランダム共重合体、(水添)共役ジエン系共重合体、塩素化ポリエチレン、クロロプレンゴム、アクリルゴムポリウレタン、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種であることが必要である。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体においては、いずれもそのメルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度190℃、荷重2.16kg)は、50g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.05〜30g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分である。MFRが高過ぎると機械特性が低下し、低過ぎると成形性が悪化する。
ここで、上記エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体における(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1〜8のアルコールと(メタ)アクリル酸のエステルが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等が例示される。
なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、含有されるCOOR型官能基が、(1)熱分解時に脱炭酸反応を起こし、そのままCO2になる。つまり燃焼エネルギーを発散することなく不燃性ガスを発生させる、(2)親水性なので無機難燃剤の金属水和物との界面強度が高く、多量の無機難燃剤を添加しても物性低下の程度が小さい、(3)エチレンと共重合するコモノマーがバルキーであるので無機難燃剤の受容性が高く、多量の無機難燃剤を添加しても物性低下の程度が小さい、という点で非ハロゲン系難燃性樹脂組成物の基材として有利な樹脂である。また、本発明においては、低温での溶融混練により架橋樹脂組成物を製造することに特徴があり、これらの樹脂を用いることによる組成物製造時の接着能の発現による製造性の低下という欠点を抑えることができる。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、立体規則性の低いアタクチックポリプロピレン、リアクターTPO、α−オレフィンとのランダム共重合体などが挙げられる。
立体規則性の低いアタクチックポリプロピレンとしては、曲げ弾性率が800MPa以下のアタクチックポリプロピレンが混練時の発泡抑制や押出時に温度を上げる必要が無く、さらに内部に水分を保持しやすいため好ましい。メルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度190℃、荷重2.16kg)は、25g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.05〜30g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分である。MFRが高過ぎると強度や衝撃性、耐熱性が低下し、低過ぎると成形性が悪化する。
リアクターTPOとしては、結晶性ポリプロピレン系樹脂とエチレン−αオレフィン共重合体ゴムとの混合物であり、一般にゴム成分の多い慣用名ブロック共重合体である。
結晶性ポリプロピレン系樹脂とエチレン−αオレフィン共重合体ゴムとの比率は、好ましくは、結晶性ポリプロピレン系樹脂20〜70質量%とエチレン−αオレフィン共重合体ゴム30〜80質量%である。
結晶性ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン単独重合体やプロピレンを主体としたα−オレフィンとのランダム共重合体が例示される。
エチレン−αオレフィン共重合体ゴムは、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−ヘキセン共重合体ゴム、エチレン−オクテン共重合体ゴムが例示される。
メルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度190℃、荷重2.16kg)は、25g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.05〜30g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分である。MFRが高過ぎると強度や衝撃性、耐熱性が低下し、低過ぎると成形性が悪化する。
プロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体としては、曲げ弾性率が800MPa以下のものが、混練時の発泡抑制や押出時に温度を上げる必要が無いため好ましい。
α−オレフィンとしては、エチレンが主に挙げられる。
メルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度190℃、荷重2.16kg)は、50g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.05〜30g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分である。MFRが高過ぎると強度や衝撃性、耐熱性特性が低下し、低過ぎると成形性が悪化する。
上記ポリエチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体(ゴム)、としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられるが、強度が高い点また水酸化アルミニウムなどのフィラーを大量に入れられる点で、シングルサイト触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。好ましい密度は、0.965〜0.925である。
また、ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度190℃、荷重2.16kg)は、25g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.05〜30g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分である。MFRが高過ぎると機械特性が低下し、低過ぎると成形性が悪化する。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体(ゴム)、としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体等が挙げられる。
上記(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ブロック共重合体、及び(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ランダム共重合体、(水添)共役ジエン系共重合体を説明する。
上記(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ブロック共重合体としては、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体又はその水添物である。例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体又はその水添物を挙げることができる。
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAは、好ましくは芳香族ビニル化合物のみから成るか、または芳香族ビニル化合物50重量%以上、好ましくは70重量%以上と、任意成分、例えば共役ジエン化合物との共重合体ブロックである。
また、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、好ましくは共役ジエン化合物のみから成るか、または任意成分、例えば共役ジエン化合物50重量%以上、好ましくは70重量%以上と芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックである。
なお、上記ブロック共重合体は、例えば、芳香族ビニル化合物を5〜60重量%、好ましくは、20〜50重量%含む。
また、これらの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合には、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうちから1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合せが好ましい。
上記(水添)ブロック共重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS)、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体(SEBC)等を挙げることができる。
上記(水添)ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物をその構成成分の主体とした重合体ブロックAと共役ジエン化合物をその構成成分の主体とした重合体ブロックBとからなるブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、水素添加により生じるエチレン単位構造数と直鎖α−オレフィン単位構造数とのモル比が2以下であるものであってもよい。またこの場合、芳香族ビニル化合物の含有量は、50重量%以下、好ましくは、5〜35重量%である。50重量%を超えると硬度が高くなり、硬度54Dより硬度が高くなり、成形時に発泡しやすくなり、成形性が損なわれやすくなる。
上記(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ランダム共重合体としては、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体であって、数平均分子量が好ましくは5,000〜1,000,000であり、より好ましくは10,000〜350,000であり、多分散度(Mw/Mn)の値が10以下であり、且つ、その共役ジエン部の1,2結合あるいは3,4結合などのビニル結合含有量が5%以上であり、好ましくは20〜90%である。5%未満では得られる成形品の感触が硬くなり、本発明の目的に添わない。ここで、芳香族ビニル化合物の含有量は、40重量%以下、好ましくは、5〜35重量%である。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンなどのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。
芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物は、ランダムに結合しており、コルソフ[I.M.Kolthoff,J.Polymer Sci., Vol.1 p.429(1946)]の方法によりブロック状の芳香族ビニル化合物含量が全結合芳香族ビニル化合物中10重量%以下、好ましくは5重量%以下であるのが好ましい。また、該共重合体は、共役ジエン化合物に基づく脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加されたものが好ましい。
具体例としては、上記(水添)スチレン・ブタジエンランダム共重合体は、水添SBR(ジェイエスアール社 ダイナロン1820P)等を挙げることができる。
上記(水添)共役ジエン系共重合体としては、共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物が挙げられ、例えば、ブタジエンのブロック共重合体を水素添加して得られる結晶性エチレンブロックと非晶性エチレン−ブテンブロックを有するブロック共重合体(CEBC)等が挙げられる。本発明においては、共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物の具体例としては、ダイナロン6100P(商標;ジェイエスアール株式会社製)等が挙げられる。
上記塩素化ポリエチレンとしては、塩素含有量20〜45質量%の塩素化ポリエチレンが好ましい。これらの塩素化ポリエチレンを選択することにより、JIS硬度で20A以上、54D以下に設定することが可能となるに加え、成形性に優れた材料を有することが可能となる。当該硬さを示す塩素化度は、例えば塩素化度20〜45%である。
メルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度190℃、荷重21.6kg)は、25g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.05〜20g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分である。MFRが高過ぎると強度、低温性、衝撃性が低下し、低過ぎると成形性が悪化する。
上記クロロプレンゴムとしては、通常のクロロプレンゴムの他、フッ素ゴムとの共重合体などが挙げられる。クロロプレンゴムとしては、ムーニー粘度ML(1+4)100℃が20〜110が好ましく、さらに好ましくは40〜100が好ましい。市販品としてスカイプレン(東ソー)、デンカクロロプレン(デンカ)、ショープレン(昭和電工)などが挙げられる。結晶性は低い方が好ましいが、特には高くても問題はない。
上記アクリルゴムは、単量体成分としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルと各種官能基を有する単量体を少量共重合させて得られるゴム弾性体であり、共重合させる単量体としては、2−クロルエチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、アクリル酸、アクリロニトリル、ブタジエン等を適宜使用することができる。具体的には、Nipol AR(商品名、日本ゼオン社製)、JSR AR(商品名、JSR社製)等を使用することができる。このアクリルゴムについては特にムーニー粘度等に限定はない。
特に単量体成分としてはアクリル酸メチルを使用するのが好ましく、その場合には、エチレンとの2元共重合体や、これにさらにカルボキシル基を側鎖に有する不飽和炭化水素をモノマーとして共重合させた3元共重合体を特に好適に使用することができる。具体的には、2元共重合体の場合にはベイマックDPを、3元共重合体の場合にはベイマックG、ベイマックHG、ベイマックGLS(商品名、いずれもデュポン社製)を使用することができる。
これらのアクリルゴムを配合することにより、酸素指数を高くすることができ、難燃性を大幅に挙げることができる。
本発明において上記(a)成分は樹脂成分中60質量%以上が好ましく、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは樹脂成分がすべて上記(a)の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
上記(a)の樹脂成分が60質量%以上存在することで、成形時にせずに良好な成形体を得ることができるが、成形速度を速める場合は成分(a)の樹脂が多い方が好ましい。
また樹脂成分(a)の一部置き換えとして、鉱物性オイルや可塑剤を加えてもよい。鉱物性オイルとしては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルなどがあるが、その中でもパラフィン系オイル、ナフテン系オイルが好ましく、さらにはパラフィン系オイルが好ましい。
可塑剤としてはフタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤等が挙げられる。この量は樹脂成分(a)の樹脂の2倍以下が好ましく、好ましくは1.5倍以下、さらに好ましくは同量以下が好ましい。
成分(a)の樹脂成分の中でも、
(あ)メルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度190℃、荷重2.16kg)が2g/10分以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体及びアクリルゴム、
(い)エチレン−αオレフィン共重合体ゴム、エチレン−αオレフィンージエン共重合体ゴム、
(う)(水添)芳香族ビニル化合物−共役ジエン系ブロック共重合体、が含まれていることが好ましい。
これら(あ)〜(う)の熱可塑性樹脂が含まれていることで、コンパウンドの温度や成形温度が高くなっても、コンパウンドや成形体が発泡して外観不良を引き起こすことがほとんど無くなる。加えて柔軟性と耐薬品性を両立可能な成形体を得ることが可能となる。
この外観不良を引き起こしにくくなるメカニズムはよくわかっていないが、耐熱性水酸化アルミニウムが分解して発生した水分が、高温において(あ)〜(う)の樹脂成分の非結晶部位にとけ込み、外部への発生を抑えられるためであると考えられる。(あ)〜(う)の成分は樹脂(a)成分中、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上含まれていることが好ましい。
成分(c)(JIS規格)ショア硬度D55を超えるポリオレフィン系樹脂(任意成分)
成分(c)は任意成分であり、上記成分(a)が熱可塑性樹脂(A)のうち60質量%以上、100質量%未満である場合には、0質量%を超えて、40質量%未満含むことができる。(ここで成分(a)+成分(c)=100質量%である。)
難燃樹脂組成物の耐熱性付与および強度改良の目的で用いられる。
成分(c)は、
(JIS規格)ショア硬度D55を超えるポリオレフィン系樹脂
である。
例えば、
(JIS規格)ショア硬度D55を超えるポリプロピレン系樹脂

(JIS規格)ショア硬度D55を超えるポリエチレン系樹脂
である。
(JIS規格)ショア硬度D55を超えるポリプロピレン系樹脂は、難燃樹脂組成物の
耐熱性向上、硬度調節、成形性向上の目的で用いられる。
成分(c)として用いる(JIS規格)ショア硬度D55を超えるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレンと他の少量のα−オレフィン、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等との共重合体(ブロック共重合体、ランダム共重合体);などを挙げることができる。これらの中で、メルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度210℃、荷重10kg)が0.1〜10g/10分のものが好ましい。
(JIS規格)ショア硬度D55を超えるポリエチレン系樹脂は、難燃樹脂組成物の強度の向上、硬度調節、成形性向上の目的で用いられる。
(JIS規格)ショア硬度D55を超えるポリエチレン系樹脂は、低圧法による高密度ポリエチレンや高圧法による低密度ポリエチレンが挙げられる。
メルトマスフローレート(JIS K7210(1999)、温度190℃、荷重2.16kg)は、50g/10分以下が好ましく、より好ましくは0.05〜30g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分である。MFRが高過ぎると機械特性が低下し、低過ぎると成形性が悪化する。
成分(b): (必須成分)1%脱水温度が240℃以上でかつ全脱水量が25%以上である水酸化アルミニウム複合体
本発明の1%脱水温度が240℃以上でかつ全脱水量が25%以上である耐熱性水酸化アルミニウムは、特許第4614354号公報に記載のように、水酸化アルミニウムと反応遅延剤を混合したものを原料として、水熱処理すること、あるいは水蒸気雰囲気下で加圧、加熱することにより製造できる。ここに、耐熱性水酸化アルミニウムとは、高温域での水熱処理、あるいは水蒸気雰囲気下での加圧、加熱によっても、ベーマイト化が抑制され、十分な脱水量を保持しつつ脱水温度が高められた水酸化アルミニウムのことをいう。
また、水熱処理とは、水酸化アルミニウムと反応遅延剤の混合物に飽和水蒸気量以上となる水を加え、オートクレーブなどの圧力容器を用いて加熱処理を行うこと(以下、これを「湿式処理」ということがある)をいう。また、水蒸気雰囲気下で加圧、加熱することによる処理とは、水酸化アルミニウムと反応遅延剤の混合物に水を加えないで、あるいは飽和水蒸気量以下の水を加えてオートクレーブなどの圧力容器を用いて加圧、処理を行うこと(以下、「乾式処理」ということがある)をいう。本発明の耐熱性水酸化アルミニウムは、水酸化アルミニウムと、ベーマイト化を遅延させる反応遅延剤とを混合した原料に水を加えることなく、圧力容器内で加熱することにより製造できる。原料に水を加えることなく圧力容器内で加熱するとは、原料に水を加えず且つ加熱で原料の水酸化アルミニウムの一部が脱水し水蒸気化する以外に水蒸気を発生させないで加熱処理を行うことをいう(以下、乾式処理ということがある)。また、前記の水蒸気による蒸気圧の他、外部から圧力容器内に圧縮空気を送り込み加圧してもよい。
反応遅延剤とは、湿式処理あるいは乾式処理する場合において水酸化アルミニウムのベーマイト化を遅延させ、高い熱履歴(水酸化アルミニウムが100%ベーマイト化してしまうような高い処理温度と長い処理時間)の下でもベーマイト化率の低い、あるいはベーマイト化しない水酸化アルミニウムの製造を可能とする物質である。一般に水酸化アルミニウムを湿式処理あるいは乾式処理すると比較的低い熱履歴(通常、乾式処理では、160℃/3時間、湿式処理(水/水酸化アルミニウム重量比=3)では170℃/10時間、さらに同様に湿式処理(水/水酸化アルミニウム重量比=3)で水酸化ナトリウムを添加する場合(水酸化ナトリウム/水酸化アルミニウムモル比=1/12)では170℃/3時間))でもほぼ100%ベーマイト化してしまう。しかし、本発明における反応遅延剤を用いると、高い熱履歴、例えば215℃で10時間湿式処理しても、あるいは乾式処理しても、水酸化アルミニウムのベーマイト化率を十分に抑制することができ、脱水温度を著しく高めることができる。
この脱水温度を高める機序については、(1)高い熱履歴により水酸化アルミニウムの結晶が再配列し、Al−O結合が強くなること、(2)高い熱履歴により水酸化アルミニウムの極微量が溶解析出し、水酸化アルミニウムの表面が滑らかになり、脱水開始箇所が減ること(脱水の機序は、水酸化アルミニウム表面の亀裂(欠陥)から開始され、脱水することで更に亀裂が大きくなり、その後の脱水が連鎖的に生ずる)、であると推測される。
湿式処理あるいは乾式処理における処理温度は、170℃以上300℃以下、好ましくは200℃以上250℃以下で行うことができる。処理温度が低いと脱水温度を十分に高められないからであり、処理温度は高いほど熱履歴が高くなるため好ましいが、高すぎるとベーマイト化が進行しやすくなるため反応を抑制する反応遅延剤の量を増加させなければならなくなるほか、処理中の圧力が非常に高くなりオートクレーブ装置が実用的でなくなるからである。また、湿式処理あるいは乾式処理における処理時間は、1時間以上24時間以下、好ましくは5時間以上10時間以下で行うことができる。処理時間が短いと脱水温度を十分に高められないからであり、処理時間は長いほど熱履歴が高くなり好ましいが、長すぎるとベーマイト化が進行しやすくなるため反応を抑制する反応遅延剤の量を増加させなければならなくなるからである。
反応遅延剤は、上記の定義に該当するものであれば特に限定されないが、硫酸、硝酸、リン酸、テトラフルオロホウ酸、リン酸水素2アンモニウム、ビスリン酸2水素ナトリウム・1水和物、リン酸2水素ナトリウム、メタリン酸カリウムなどの無機酸又はその塩、酢酸、コハク酸、乳酸、フマル酸、酒石酸などの有機酸又はその塩、シリカ、シランカップリング剤、ホワイトカーボン、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ケイフッ化カリウム、フッ化アルミニウム、フライアッシュ、珪藻土、シロキサンなどの珪素化合物、フッ素化合物などを例示できる。フッ素化合物とは、フッ素元素を含む化合物を広く包含するものを意味し、前記のテトラフルオロホウ酸は無機酸であると同時にフッ素化合物でもあり、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ケイフッ化カリウムは珪素化合物であると同時にフッ素化合物でもある。これらの反応遅延剤の中でも、珪素化合物及びフッ素化合物が好ましく、さらに非晶質のシリカ、ホワイトカーボン、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、ケイフッ化カリウム、フッ化アルミニウム、テトラフルオロケイ酸がより好ましい。珪素化合物及びフッ素化合物は、同じ処理条件でも他の酸等に比べ、脱水温度が高くなり好ましい結果を示すのは、これらの化合物が反応遅延効果のみならず、水酸化アルミニウム表面にガラス化層の形成促進もしくは水酸化アルミニウム表面に被覆層を形成する効果があり、加熱脱水時にはこれら層を破って脱水する必要があるため、脱水温度が上昇するものと推測される。また、2以上の反応遅延剤を併用することもできる。
水酸化アルミニウムに混合する反応遅延剤の量は、水酸化アルミニウム100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましく、0.3〜3重量部が最も好ましい。0.05重量部より少ないと十分に水酸化アルミニウムのベーマイト化を抑制できないからであり、10重量部より多いと水酸化アルミニウムに反応遅延剤が不純物として混入する虞があるからであり、また、たとえ不純物として実害が無くとも10重量部より多くなると相対的に脱水量が減少してしまうからである。なお、難燃剤の分野では水酸化アルミニウム難燃剤にリン系や窒素系、その他の無機系難燃剤を混合し相乗効果を出すことは良く行われており、これを目的に添加剤を添加する場合は、この範囲を超えることもあり得る。
本発明者らは、先に水酸化アルミニウムを原料として水熱処理により製造されるベーマイトが複合した水酸化アルミニウムからなる難燃性フィラーについて提案している(特願2002−103146)。この発明においては、ベーマイト化率が高くなれば水酸化アルミニウムの脱水温度が高くなる反面、全脱水量が減少し、また、ベーマイト化率が低くなれば水酸化アルミニウムの脱水温度が低下する反面、脱水量が増加するという、相反する関係にあり、脱水温度を高めると同時に十分な脱水量を保持することは難しいという問題点があった。ところが、本発明の耐熱性水酸化アルミニウムは、高い熱履歴で水酸化アルミニウムのベーマイト化を抑制することにより脱水温度を高め、しかも十分な脱水量を保持させることができるものであり、脱水温度と脱水量の相反する関係を大きく改善するものである。より具体的には、1%脱水温度、すなわち、合成樹脂中での難燃剤の脱水する水分量の許容範囲とされる難燃剤の全重量に対して1%が脱水する温度は、水熱処理されない水酸化アルミニウムが約210〜230℃であるのに対して、本発明の耐熱性水酸化アルミニウムによれば245℃以上、多くが250℃以上となり、しかも十分な脱水量を保持する。
本発明の耐熱性水酸化アルミニウムは、部分的にベーマイト化が進み水酸化アルミニウムとベーマイトの混在したものをも包含するが、好ましくは全脱水量を15%以上、さらに好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上となるようにするのがよい。
一方で発泡を抑えるためには好ましくは全脱水量を32%以下にした方が好ましい。
また、本発明の耐熱性アルミニウムは、1%脱水温度が255℃以上でかつ全脱水量が30%以上であることが好ましく、この場合、原料の水酸化アルミニウムの平均粒径が2.5μm以下であることが好ましい。
1%脱水温度
サンプル0.8gを10℃/分で熱重量測定を行い、100℃における重量を基準とし、100℃から580℃までの重量の変化の割合を全脱水量とした。また120℃から測定を開始し、全脱水量の1%が減量した温度を1%脱水温度とした。
平均粒径は以下のように測定する。分散媒として変性アルコール(商品名:ソルミックス)を用い、分散媒50mlを200mlのビーカーにとり、耐熱水酸化アルミニウム0.2gを入れる。次に、超音波分散装置(株式会社日本精機製作所性US−300T)で3分間分散させた後に、HRA型マイクロトラック粒度分布計(日機装株式会社製)を用いて測定する。
本難燃性樹脂組成物は架橋して使用してもよい。架橋方法としては通常の化学架橋法、電子線架橋法、シラン架橋法が挙げられる。
化学架橋法としてはフェノール架橋、ジアミン架橋、パーオキサイド架橋などが挙げられる。
本発明で任意に用いられる有機パーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert‐ブチルクミルパーオキサイドなどの公知のものを挙げることができる。
必要に応じて使用してもよい架橋助剤としてはビニル化合物、(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
これらの架橋助剤は電子線架橋の際にも使用される。電子線架橋に使用される場合は、トリメチロールプロパントリアクリレートなどのメタクリレート系化合物、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、マレイミド系化合物、ジビニル系化合物などの多官能性化合物を架橋助剤として配合してもよい。
さらにシラン架橋として使用されるシランカップリング剤としては、好ましくは加水分解速度の速いシランカップリング剤、より好ましくはRb11がY13であり、かつY11、Y12及びY13が互いに同じであるシランカップリング剤である。さらに好ましくは、Y11、Y12及びY13の少なくとも1つ、特に好ましくはすべてがメトキシ基である。
末端にビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基を有するシランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシシラン、ビニルジメトキシブトキシシラン、ビニルジエトキシブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のオルガノシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は単独又は2種以上併用してもよい。このような架橋性のシランカップリング剤の中でも、末端にビニル基とアルコキシ基を有するシランカップリング剤がさらに好ましく、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが特に好ましい。
末端にグリシジル基を有するものは、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好ましい。
(その他成分)
本発明においては必要に応じ、上記の金属水和物の分散性を向上するため、亜鉛、マグネシウム、カルシウムから選ばれる少なくとも1種の脂肪酸金属塩を配合することができる。脂肪酸金属塩の脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などがあり、ステアリン酸が好ましい。
本発明の絶縁樹脂組成物には、電線・ケ−ブルにおいて、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。
酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3, 5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤、などがあげられる。
金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などがあげられる。
難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボンなどがあげられる。
滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などがあげられ、なかでも、ワックスE、ワックスOP(いずれも商品名、Hoechst社製)などの内部滑性と外部滑性を同時に示すエステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。その中でもステアリン酸亜鉛やステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムは、絶縁抵抗の向上の効果があり、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸マグネシウムは、目やにを防ぐ効果がある。さらに滑剤として脂肪酸アミドを併用することにより、簡単に導体との密着性を制御することが可能となる。
2.難燃性樹脂組成物の製造
本発明の難燃性樹脂組成物は、上記の各成分を、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど、通常用いられる混練装置で溶融混練して得ることができる。
3.成形体の製造
次に本発明の樹脂成形体について説明する。
本発明の樹脂成形体は内部に導体・光ファイバを設けた絶縁電線・ケーブル、空洞のチューブ、シート等の種々の形状に成型できる。
光ファイバの場合、素線径、本数に制限はなく、絶縁電線の場合も、導体径や導体の材質などは特に制限はなく、用途に応じて適宜定められる。導体の周りに形成される絶縁樹脂組成物の被覆層の肉厚も特に制限はないが、0.15〜1mmが好ましい。また、絶縁層が多層構造であってもよく、本発明の絶縁樹脂組成物で形成した被覆層のほかに中間層などを有するものでもよい。
ケーブルの場合、本樹脂組成物を用いて導体、光ファイバなどの外側に被覆したものを数本束ねた後、撚りあわせた後に外側に本樹脂組成物を被覆してもよいし、他の樹脂組成物を用いて導体、光ファイバなどの外側に被覆したものを数本束ねた後、撚りあわせた後に外側に本樹脂組成物を被覆してもよいし、本樹脂組成物を用いて導体、光ファイバなどの外側に被覆したものを数本束ねた後、撚りあわせた後に外側に他の樹脂組成物を被覆してもよい。
本発明の樹脂成形体は、上記の本発明の絶縁樹脂組成物を架橋してもよい。その場合本発明の絶縁樹脂組成物を通常の電線製造用押出成形機を用いて導体周囲に押出被覆し、その後、その被覆層を架橋することにより製造することができる。被覆層を架橋体とすることにより、耐熱性の向上のみならず、難燃性も向上する。
架橋の方法は特に制限はなく、電子線架橋法や化学架橋法で行うことができる。電子線架橋法で行う場合、電子線の線量は1〜30Mradが適当である。
化学架橋法の場合は樹脂組成物に、ヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシエステル、ケトンペルオキシエステル、ケトンペルオキシドなどの有機過酸化物を架橋剤として配合し、押出成形被覆後に加熱処理により架橋をおこなう。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.評価方法
・外観試験(1)バンバリー取り出し直後
バンバリーミキサー取り出し直後に発泡がないか確認を行った。
5cm四方で発泡が観測されなかったものを○
5cm四方で発泡が1〜5個以下だったものを△
5cm四方で発泡が5個以上だったものを×
とした。
○及び△を合格とした。
・外観試験(2)押出機直後
押出機ヘッドを180℃に設定し、スクリュー回転数20r.p.m.でヘッドを空けた状態で発泡を確認した。
発泡が観測されなかったものを○
直径1mm以下の小さな発泡しかなかったものを△
直径1mmより大きな発泡が観測されたものを×
とした。
必ずしも○、△である必要は無い。
・外観試験(3)押出機直後
押出機ヘッドを200℃に設定し、スクリュー回転数40r.p.m.でヘッドを空けた状態で発泡を確認した。
発泡が観測されなかったものを○
直径1mm以下の小さな発泡しかなかったものを△
直径1mmより大きな発泡が観測されたものを×
とした。
必ずしも○、△である必要は無い。
・外観試験(4)電線
押出機ヘッドを180℃に設定し、スクリュー回転数20r.p.m.で電線を製造し、発泡を確認した。
発泡が観測されなかったものを○
1mに1個以下の発泡しかなかったものを△
1mに1個より多い発泡が観測されたものを×
とした。
○及び△を合格とした
・外観試験(5)電線
押出機ヘッドを180℃に設定し、スクリュー回転数30r.p.m.で電線を製造し、発泡を確認した。
発泡が観測されなかったものを○
1mに1個以下の発泡しかなかったものを△
1mに1個より多い発泡が観測されたものを×
とした。
必ずしも○、△である必要は無い。
・耐酸性試験
デシケータに10重量%の酢酸水溶液を入れ、その上に液体に触れないように電線を保持し、25℃で48時間電線を放置した。
その後電線を取り出し、外観を確認した。
電線表面に水滴がついているものを×
電線表面に水滴がついていないものを○
とした。
・60度傾斜難燃試験
JIS C 3005に準拠して、60度傾斜難燃試験を行った。3本試験を行い、1本でも合格した場合を○とした。
2.使用原料
各成分材料としては、下記のものを使用した。
熱可塑性樹脂(A)
(a)JIS規格ショア硬度A20以上、ショア硬度D54以下である熱可塑性樹脂
EPDM エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
3720P(ダウ・ケミカル) ショア硬度A72 ムーニー粘度20 エチレン含有量70%
EPM エチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム
三井0045(三井化学)ショア硬度A60
エラストマー系材料
スチレン系エラストマー
セプトン4077(クラレ) SEEPS ショア硬度A78
アクリルゴム
ベイマックDP(デュポン) ショア硬度A61
EVA
EV180(三井デユポンポリケミカル) ショア硬度A77
EEA
NUC6510(NUC) ショア硬度A88
マレイン酸変性スチレン系エラストマー
クレイトン1901FG ショア硬度A75
塩素化ポリエチレン
エラスレン402NA(昭和電工) ショア硬度A58
エチレン−αオレフィン系ゴム
エンゲージ7256(ダウ・ケミカル) ショア硬度A82
成分(c)JISショア硬度D54を超える熱可塑性樹脂(任意成分)
PP
サンアロマーPB222A(サンアロマー)ショア硬度D75
LLDPE
CU5003(住友化学)ショア硬度D58
NCC7540(日本ユニカー)ショア硬度D58
LDPE
UBE C 180(宇部丸善石油化学)ショア硬度D57
(X)その他
PW−90 出光興産社 パラフィンオイル
トリメリットN−08 株式会社花王
(X−1)滑剤
ポリエチレンワックス
商品名:PE−WAX(ハネウェル社製)
(X−2)銅害防止剤
商品名:CDA−1(ADECA製)
(X−3)ヒンダートフェノール系酸化防止剤
イルガノックス1010(BASF社製)
成分(b)1%脱水温度が240℃以上でかつ全脱水量が25%以上である水酸化アルミニウム複合体
(1)耐熱性水酸化アルミニウムの調整
市販の水酸化アルミニウム、反応遅延剤として、シリカ(日本シリカ工業社製)を使用し、水酸化アルミニウムとシリカをミキサーにて30秒撹拌した。この混合物をステンレス製バットに入れ、オートクレーブにて215℃で8時間養生した。反応終了後、得られた反応物を乾燥し、耐熱性水酸化アルミニウムを得た。
水酸化アルミニウムとしては以下のものを使用した
C−301N 平均粒径 1.5μm
C−303 平均粒径 2.5μm
CL−303 平均粒径 4.0μm
ハイジライトH43M 平均粒径 0.75μm
Figure 0006826824
1%脱水温度
サンプル0.8gを10℃/分で熱重量測定を行い、100℃における重量を基準とし、100℃から580℃までの重量の変化の割合を全脱水量とした。また120℃から測定を開始し、全脱水量の1%が減量した温度を1%脱水温度とした。
平均粒径は以下のように測定する。分散媒として変性アルコール(商品名:ソルミックス)を用い、分散媒50mlを200mlのビーカーにとり、耐熱水酸化アルミニウム0.2gを入れる。次に、超音波分散装置(株式会社日本精機製作所性US−300T)で3分間分散させた後に、HRA型マイクロトラック粒度分布計(日機装株式会社製)を用いて測定する。
比較成分
ハイジライトH43M(昭和電工)1%脱水温度221℃、全脱水量35%
C−301N(住友化学)1%脱水温度223℃、全脱水量35%
C−303(住友化学) 1%脱水温度231℃、全脱水量35%
CL−303(住友化学)1%脱水温度233℃、全脱水量35%
水酸化マグネシウム
シランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウム
商品名:キスマ5L(協和化学社製)
1%脱水温度 300℃以上
任意添加剤成分
滑剤
ステアリン酸カルシウム(日油製)
老化防止剤
ヒンダートフェノール系酸化防止剤
イルガノックス1010(BASF社製)
Figure 0006826824
実施例1〜17、比較例1〜6
表1に実施例および比較例の樹脂組成物の各成分の含有量(表中の数値は質量部である)を示す。表に示された各成分を室温にてドライブレンドし、バンバリーミキサーを用いて195〜205℃で溶融混練して、各難燃性樹脂組成物を製造した。
得られた樹脂組成物の外観を確認し、発泡の有無を調査した。
次に、電線製造用の押出被覆装置を用いて、導体(導体径0.8mmφの錫メッキ軟銅線)上に、予め溶融混練した上記各実施例および比較例の難燃性樹脂組成物を押し出し法により被覆して、各々、絶縁電線を製造した。外径は1.3mm、絶縁層の肉厚0.25mmとした。
得られた各々の絶縁電線に対して、以下の評価を行い、得られた結果をそれぞれ表に示した。
表1より明らかなように、本発明の難燃性樹脂組成物は良好な特性を有していた(実施例1〜17)。
一方、表1に示すように、比較例は発泡性試験、耐酸性試験のいずれかに問題があった(比較例1〜6)。
本発明の難燃性樹脂組成物は、機械特性、耐酸性、耐薬品性、耐熱性に優れ、かつ成形時に発泡することがなく耐酸性に優れるので、樹脂組成物および該組成物を用いた成形体、その樹脂組成物を用いた被覆材とする電線・ケーブル、光ファイバケーブルその他の成形部品の材料として好適に用いることができる。

Claims (12)

  1. JISショア硬度A58以上、ショア硬度A88以下の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物(A)を100質量部、
    1%脱水温度が240℃以上でかつ全脱水量が25%以上である水酸化アルミニウム複合体を25240質量部、
    を含有し、
    前記熱可塑性樹脂が、
    エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、及び、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体、並びに、スチレン−共役ジエン系ランダム共重合体、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体、水添スチレン−共役ジエン系ランダム共重合体、水添スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体、及び、マレイン酸変性スチレン系エラストマーのいずれかであるスチレン系エラストマー、並びに、塩素化ポリエチレンから選ばれる少なくとも一種以上であることを特徴とする絶縁電線及びケーブル用難燃性樹脂組成物(X)。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)の成分中、前記熱可塑性樹脂が60〜100質量%であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線及びケーブル用難燃性樹脂組成物(X)。
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)の成分中前記熱可塑性樹脂として、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体と前記エチレン−α−オレフィン共重合体の合計が7080質量%であり、前記スチレン系エラストマーと前記エチレン−アクリル酸エステル共重合体の合計、前記スチレン系エラストマーと前記エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体の合計、及び、前期スチレン系エラストマーのいずれか一つが10〜30質量%であることを特徴とする請求項2に記載の絶縁電線及びケーブル用難燃性樹脂組成物(X)。
  4. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)の成分中、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体が20〜50質量%であり、前記エチレン−α−オレフィン共重合体が20〜60質量%であることを特徴とする請求項3に記載の絶縁電線及びケーブル用難燃性樹脂組成物(X)。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)の成分中、前記熱可塑性樹脂として、塩素化ポリエチレンが90質量%であることを特徴とする請求項2に記載の絶縁電線及びケーブル用難燃性樹脂組成物(X)。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)の成分中、前記熱可塑性樹脂として、前記スチレン系エラストマーを20質量%含有し、前記エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体又は前記エチレン−α−オレフィン共重合体を40質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の絶縁電線及びケーブル用難燃性樹脂組成物(X)。
  7. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)の成分中、0〜15質量%のパラフィンオイルを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の絶縁電線及びケーブル用難燃性樹脂組成物(X)。
  8. メルトマスフローレート(JIS
    K7210(1999)、温度190℃、荷重10kg)が10g/10分以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の絶縁電線及びケーブル用難燃性樹脂組成物(X)。
  9. 前記熱可塑性樹脂組成物(A)100質量部に対し、25〜100質量部の前記水酸化アルミニウム複合体を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の絶縁電線及びケーブル用難燃性樹脂組成物(X)。
  10. 前記水酸化アルミニウム複合体の平均粒径が2.0〜4.5μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の絶縁電線及びケーブル用難燃樹脂組成物(X)。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物(X)により導体の周りが被覆されていることを特徴とする絶縁電線及びケーブル。
  12. 前記難燃性樹脂組成物(X)が架橋されていることを特徴とする請求項11に記載の絶縁電線及びケーブル。
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