JP6830371B2 - エレベータのレール計測装置 - Google Patents

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本発明は、レールの据付精度を計測する装置に関するものである。
一般に、エレベータや鉄道などのレールは、車両の進行方向の左右、前後方向の狂いやレール間隔の狂いなどがあると乗り心地に影響するため、高い据付精度が要求される。
このうち、車両の進行方向の左右、前後方向の狂いを計測する方法として、車両の進行方向に3個のセンサを配置し、これらのセンサとレールとの距離を計測することにより、レールの据付精度を計測するものがある(例えば、特許文献1参照)。
この技術について図5により説明する。図において、1は主ロープ2に吊持されたエレベータのかごであり、左右の縦枠3a,3bの上下にはローラガイド4が設けられている。5a,5bは昇降路6内に立設された一対のガイドレール、7は上下のガイドレール5a,5bを、それぞれ連結する目板である。かご1は、ローラガイド4に案内されて、ガイドレール5a,5bに沿って昇降路6内を昇降する。
10a,10bは、それぞれ縦枠3a,3bの上部に取り付けられた計測治具である。
一方の計測治具10aには、ガイドレール5aの頭部の頂面5a1の形状を計測するために、3個の距離センサ11a,12a,13aが配置されている。これらの距離センサ11a,12a,13aによって、ガイドレール5aの長手方向と直角方向の距離をそれぞれ計測し、ガイドレール5aの頭部の頂面5a1の形状を計測する。
同様に、計測治具10aには、ガイドレール5aの頭部のひとつの側面5a2の形状を計測するために、3個の距離センサ21a,22a,23aが配置されている。これらの距離センサ21a,22a,23aによって、ガイドレール5aの長手方向と直角方向の距離をそれぞれ計測し、ガイドレール5aの頭部のひとつの側面5a2の形状を計測する。
また計測治具10aと同様に、他方の計測治具10bには、ガイドレール5bの頭部の頂面5b1の、ガイドレール5bの長手方向と直角方向の距離を計測する3個の距離センサ11b,12b,13bが配置されるとともに、ガイドレール5bの頭部のひとつの側面5b2の、ガイドレール5bの長手方向と直角方向の距離を計測する3個の距離センサ21b,22b,23bが配置されている。
前記の距離センサ11a,12a,13a及び21a,22a,23a、並びに、11b,12b,13b及び21b,22b,23bによる計測方法は、鉄道のレールでよく使用される弦正矢法を利用したものである(例えば、特許文献2参照)。
図6は10m弦正矢法を示す図であり、車体30に、10mの間隔を置いて車輪31,33を設け、更にその中点に、レール34の変位に応じて車体30との距離が変化し得る車輪32を設け、左側の車輪31とレール34との接点と、右側の車輪33とレール34との接点とを結んだ点線(弦と称し、その長さを弦長と称する)35を想定し、この点線35と中央車輪32がレール34と接する点との間の距離(正矢)をもって狂いとするものである。
今、車体30から左側の車輪31のレール34の接点までの距離をa、車体30から右側の車輪33のレール34の接点までの距離をc、車体30から中央の車輪32のレール34の接点までの距離をbとすると、軌道狂いは、
(a+c)/2−b で表される。
また、正負を逆にして b−(a+c)/2 として表すことも可能である。
この、10m弦正矢法は、レール34が正弦波状に狂っていると仮定した場合、その波長によって、図7に示すような検測倍率を有する検測特性を有する。この図からわかるように、例えば、波長が6.7m〜20m程度の範囲では、検測倍率が1より大きくなり、実際の軌道変位よりも振幅が大きく計測される。
鉄道車両の場合、車両が揺れやすい周波数(固有振動数)は、1〜1.5Hzである。従って、在来線の一般的な速度である90km/h(秒速25m)の場合には、波長17〜25m付近の揺れを検出する必要がある。
前記のように、10m弦正矢法では、波長が6.7m〜20m程度の範囲で検測倍率が1より大きくなり、実際の軌道変位よりも振幅が大きく計測されるため、計測に有利である。そのために在来線では10m弦正矢法が使用されている。
また、より高速の在来線や新幹線では、20m弦正矢法や40m弦正矢法が使用される。
前記図5のエレベータは、この弦正矢法を応用することによって、ガイドレール5a,5bの変位を計測することができる。
特開2005−60066号公報 特開2001−63570号公報
鉄道と同様に、エレベータの場合も、かごの昇降とともに、ガイドレールの変位に伴ってかごが振動することが問題になる。そのため、ガイドレールが変位する波長(レール変位波長)のうち、かごの固有振動数と一致する近辺のレール変位波長を計測しておくことが重要になる。
このかごの固有振動数は、一般的には1〜1.5Hz程度である。従って例えば、かごの定格速度が分速300m(秒速5m)のエレベータの場合、問題となるレール変位波長は、3.3〜5m程度である。
前記のように、10m弦正矢法(弦長が10m)の場合、前記図7の検測倍率1以上の範囲の波長は、6.7m〜20m程度であるから、レール変位波長が、3.3〜5m程度の場合、弦長は2.5m程度にする必要がある。即ち、距離センサ11aと13aとの距離は2.5m必要である。また他の距離センサも同様である。更に、かごの定格速度が分速600m(秒速10m)のエレベータの場合、問題となるレール変位波長は、6.7〜10m程度であり、必要な弦長は5mとなる。
このため、より精度よく計測するために、現場において、距離センサの取り付け位置を調整したほうがよい場合も発生する。また、計測治具が長くなるために、現場への計測治具の運搬やかごへの取り付けが困難になることがある。
ところが、前記図5の技術では、上記の点についての記載がなく、実用するには改良すべき点が多々ある。
本発明は、より実用性の高いレール計測装置を実現するものである。
本発明は、レールの長手方向と直角方向における前記レールの頭部のひとつの面との距離を計測する3個の距離センサと、前記距離センサが取り付けられた柱状部と、前記柱状部が取り付けられて前記レールの長手方向に移動する移動体とを備えたエレベータのレール計測治具において、前記柱状部は、前記レールの長手方向に伸縮自在な構成であって、前記距離センサは、各距離センサの上下方向の間隔を同一間隔に調整可能なように、前記柱状部に上下動可能に取り付けられることを特徴とするものである。
また本発明は、前記柱状部は、目盛が付されていることを特徴とするものである。
に本発明は、前記柱状部は、上柱状部、中柱状部、下柱状部からなり、前記距離センサは、前記上柱状部、中柱状部、下柱状部のそれぞれに取り付けられており、前記中柱状部の距離センサと前記上柱状部の距離センサの距離と、前記中柱状部の距離センサと前記下柱状部の距離センサの距離が、常に同一になるように、前記柱状部が伸縮自在であることを特徴とするものである。
更にまた本発明は、前記下柱状部に対する前記上柱状部の移動速度は、前記下柱状部に対する前記中柱状部の移動速度の2倍であることを特徴とするものである。
また本発明は、前記距離センサは、前記レールの頭部の頂面との距離を計測するための3個の距離センサと、前記レールの頭部のひとつの側面との距離を計測するための3個の距離センサであることを特徴とするものである。
本発明によれば、より実用性の高いレール計測装置を提供することができる。
本発明の特徴の一部を示す概略図である。 本発明の実施の形態による計測治具の全体を示す概略図である。 本発明の他の実施の形態による計測治具の全体を示す概略図である。 本発明の他の実施の形態による計測治具の全体を示す概略図である。 従来のレールの据付精度を計測する装置を示す図である。 10m弦正矢法を示す図である。 10m弦正矢法の検測特性図である。
本発明の特徴の一部を図により説明する。
図1は、かご1の上部に取り付けられた計測治具の全体を示す概略図であり、一方の計測治具40を示しており、他方も同様の構成である。
図において、40は計測治具であり、かご1に固定された台41に取り付けられた柱状部42と、柱状部42に取り付けられたセンサ部43,44,45を有している。
なお、本発明の特徴である、柱状部が伸縮自在な構成であることは、図の柱状部42においては反映されていない。本発明の特徴である、柱状部が伸縮自在な構成については、後述する図2の本発明の実施の形態や、図3及び4の本発明の他の実施の形態により詳細を示す。
これらのセンサ部43,44,45は、それぞれ柱状部42に対して、ボルトなどにより、上下動可能に取り付けられている。46は柱状部42に設けられた目盛である。
また、それぞれのセンサ部43,44,45は、図5の場合と同様に、ガイドレール5aの頭部の頂面5a1の形状を計測するための距離センサ(図示省略)と、ガイドレール5aの頭部のひとつの側面5a2の形状を計測するための距離センサ(図示省略)が設けられている。これらの距離センサによって、ガイドレール5aの長手方向と直角方向の距離を計測する。また、図5と同一符号は同一のものを示している。
図1に示す本発明の特徴の一部によれば、柱状部42に目盛46が設けられているため、現場において、各センサ部43,44,45の取り付け位置を容易に調整することができる。
次に本発明の実施の形態について説明する。図2は、かご1の上部に取り付けられた計測治具の全体を示す概略図であり、一方の計測治具50を示しており、他方も同様の構成である。
図において、51は上柱状部51aと下柱状部51bからなる柱状部であり、上柱状部51aは下柱状部51bに収納可能な構成になっており、図2(a)は上柱状部51aを下柱状部51bに収納した収縮状態、図2(b)は上柱状部51aを引き出した伸長状態を示している。52は上柱状部51aと下柱状部51bの位置を固定するボルトである。

53,54,55はセンサ部であり、図1の場合と同様に、各センサ部53,54,55は、ガイドレール5aの頭部の頂面5a1の形状を計測するための距離センサ(図示省略)と、ガイドレール5aの頭部のひとつの側面5a2の形状を計測するための距離センサ(図示省略)が設けられている。
センサ部53は上柱状部51aの上部に、ボルトなどにより、上下動可能に取り付けられ、センサ部54,55は下柱状部51bの上部と下部に、ボルトなどにより、上下動可能に取り付けられており、図2(b)の伸長状態において、各センサ部53,54,55の上下方向の間隔が同一になるように調整される。また、図1と同一符号は同一のものを示している。
この実施の形態は、計測治具50を、現場へ運搬するときやかご1へ取り付けるときには、図2(a)のように収縮しておき、計測治具50をかごへ取り付けた後、図2(b)のように伸長状態にするものであるから、計測治具50の運搬や取り付けが容易になる。
また、この実施の形態においても、図1と同様に、柱状部51に目盛を設けてもよい。
尚、この実施の形態において、センサ部53を上柱状部51aに固定し、またセンサ部54,55を下柱状部51bに固定するとともに、上柱状部51aと下柱状部51bの間にストッパを設けることもできる。そして、図2(b)の伸長状態において、各センサ部53,54,55の上下方向の間隔が同一になるように伸長したときに、ストッパによって伸長が停止されるように設定しておく。
このようにすれば、現地での各センサ部53,54,55の上下方向の間隔調整はできないが、上柱状部51aを伸ばして、ボルト52で止めるだけでよいので、現場での作業が容易になる。
次に本発明の更に他の実施の形態について説明する。図3は計測治具60の柱状部61を3段にしたものである。
図において、61は上柱状部61a、中柱状部61b、下柱状部61cからなる柱状部であり、上柱状部61aは中柱状部61bに、中柱状部61bは下柱状部61cに収納可能な構成になっており、図3(a)は上柱状部61a及び中柱状部61bを収納した収縮状態、図3(b)は上柱状部61a及び中柱状部61bを引き出した伸長状態を示している。62aは上柱状部61aと中柱状部61bの位置を固定するボルト、62bは中柱状部61bと下柱状部61cの位置を固定するボルトである。
63,64,65はセンサ部であり、図1の場合と同様に、各センサ部63,64,65は、ガイドレール5aの頭部の頂面5a1の形状を計測するための距離センサ(図示省略)と、ガイドレール5aの頭部のひとつの側面5a2の形状を計測するための距離センサ(図示省略)が設けられている。
センサ部63は上柱状部61aの上部に、ボルトなどにより、上下動可能に取り付けられ、センサ部64は中柱状部61bの中央部に、ボルトなどにより、上下動可能に取り付けられ、センサ部65は下柱状部61cの下部に、ボルトなどにより、上下動可能に取り付けられており、図3(b)の伸長状態において、各センサ部63,64,65の上下方向の間隔が同一になるように調整される。
下柱状部61cの一部には、切り欠き61caが設けられており、図3(a)の収縮状態において、センサ部64が下柱状部61cと干渉しないようにしている。また、図1と同一符号は同一のものを示している。
この実施の形態も、図2の実施の形態と同様に、計測治具60を、現場へ運搬するときやかごへ取り付けるときには、図3(a)のように収縮しておき、計測治具60をかごへ取り付けた後、図3(b)のように伸長状態にするものであるから、計測治具60の運搬や取り付けが容易になる。
また、この実施の形態においても、図1と同様に、柱状部61に目盛を設けてもよい。
尚、この実施の形態も、図2の実施の形態と同様に、各センサ部63,64,65を、上柱状部61a、中柱状部61b、下柱状部61cにそれぞれ固定するとともに、上柱状部61aと中柱状部61b、中柱状部61bと下柱状部61cとの間にそれぞれストッパを設けることもできる。
そして、図3(b)の伸長状態において、各センサ部63,64,65の上下方向の間隔が同一になるように伸長したときに、ストッパによって伸長が停止されるように設定しておく。
このようにすれば、現地での各センサ部63,64,65の上下方向の間隔調整はできないが、上柱状部61a及び中柱状部61bを伸ばして、ボルト62a,62bで止めるだけでよいので、現場での作業が容易になる。
次に本発明の他の実施の形態について説明する。図4は計測治具70の柱状部71を3段にするとともに、連動するようにしたものである。また、図1と同一符号は同一のものを示している。
図において、71は上柱状部71a、中柱状部71b、下柱状部71cからなる柱状部であり、上柱状部71aと中柱状部71b、中柱状部71bと下柱状部71cは、それぞれスライド可能になっている。図4(a)は収縮状態、図4(b)は伸長状態を示している。72は中柱状部71bと下柱状部71cの位置を固定するボルトである。
73,74,75はセンサ部であり、図1の場合と同様に、各センサ部73,74,75は、ガイドレール5aの頭部の頂面5a1の形状を計測するための距離センサ(図示省略)と、ガイドレール5aの頭部のひとつの側面5a2の形状を計測するための距離センサ(図示省略)が設けられている。
センサ部73は上柱状部71aの上部に、ボルトなどにより、上下動可能に配置され、センサ部74は中柱状部71bの中央部に、ボルトなどにより、上下動可能に配置され、センサ部75は下柱状部71cの下部に、ボルトなどにより、上下動可能に配置されており、図4(b)の伸長状態において、各センサ部73,74,75の上下方向の間隔が同一になるように調整される。
76は中柱状部71bの上部に枢着されたプーリ、77は中柱状部71bの下部に枢着されたプーリ、78は両プーリ76,77に巻き掛けられたワイヤロープである。ワイヤロープ78の一側は固定具79によって上柱状部71aの下部に固定されており、またワイヤロープ78の他側は 固定具80によって下柱状部71cの上部に固定されている。
81,82は中柱状部71bに固定された案内レールであり、案内レール81は中柱状部71bに対する上柱状部71aの相対移動を案内し、案内レール82は中柱状部71bに対する下柱状部71cの相対移動を案内する。
この実施の形態は、プーリ76,77及びワイヤロープ78によって、上柱状部71aは中柱状部71bの2倍の速度で昇降するように連結されているため、各センサ部73,74,75の上下方向の間隔を予め同一に調整しておけば、柱状部71の伸縮に関わらず、各センサ部73,74,75の上下方向の間隔は常に同一になる。そのため、現場での調整が容易になる。また、上柱状部71aと中柱状部71bの動きが連動しているため、ボルト72は一箇所で済むというメリットがある。
また、この実施の形態も、図3の実施の形態と同様に、計測治具70を、現場へ運搬するときやかご1へ取り付けるときには、図4(a)のように収縮しておき、計測治具70をかご1へ取り付けた後、図4(b)のように伸長状態にするものであるから、計測治具70の運搬や取り付けが容易になる。
また、この実施の形態においても、図1と同様に、柱状部71に目盛を設けてもよい。
以上の実施の形態では、計測治具は左右独立してかごに取り付けているが、両側の計測治具を連結して、両計測冶具の強度を高めてもよい。また、前記の柱状部は柱に限定されることはなく、ロッドなど他の形状であってもよい。
更に、距離センサによって、ガイドレールの頭部の頂面とひとつの側面との距離をそれぞれ計測しているが、いずれかひとつの面のみの計測とすることも可能である。
1 かご(移動体)
5a,5b ガイドレール
5a1,5b1 ガイドレールの頭部の頂面
5a2,5b2 ガイドレールの頭部のひとつの側面
10a,10b,40,50,60,70 計測治具
11a〜13a,11b〜13b,21a〜23a,21b〜23b 距離センサ
42,51,61,71 柱状部
43,44,45,53,54,55,63,64,65,73,74,75 センサ部
51a,61a,71a 上柱状部
51b,61c,71c 下柱状部
61b,71b 中柱状部

Claims (3)

  1. レールの長手方向と直角方向における前記レールの頭部のひとつの面との距離を計測する3個の距離センサと、前記距離センサが取り付けられた柱状部と、前記柱状部が取り付けられて前記レールの長手方向に移動する移動体とを備えたエレベータのレール計測治具において、
    前記柱状部は、上柱状部、中柱状部、下柱状部からなり、前記距離センサは、前記上柱状部、中柱状部、下柱状部のそれぞれに取り付けられており、
    前記中柱状部の距離センサと前記上柱状部の距離センサの距離と、前記中柱状部の距離センサと前記下柱状部の距離センサの距離が、常に同一になるように、前記上柱状部は前記中柱状部に、前記中柱状部は前記下柱状部に、それぞれ収納可能な構成によって前記レールの長手方向に伸縮自在な構成であって、
    前記距離センサは、各距離センサの上下方向の間隔を同一間隔に調整可能なように、前記柱状部に上下動可能に取り付けられることを特徴とするエレベータのレール計測装置。
  2. 前記下柱状部に対する前記上柱状部の移動速度は、前記下柱状部に対する前記中柱状部の移動速度の2倍であることを特徴とする請求項に記載のエレベータのレール計測装置。
  3. 前記距離センサは、前記レールの頭部の頂面との距離を計測するための3個の距離センサと、前記レールの頭部のひとつの側面との距離を計測するための3個の距離センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータのレール計測装置。
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