JP6834210B2 - シート - Google Patents
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Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2] 吸水率が5000%以下である[1]に記載のシート。
[3] 全光線透過率が86%以上である[1]又は[2]に記載のシート。
[4] 繊維状セルロースは、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有する[1]〜[3]のいずれかに記載のシート。
[5] 含窒素化合物由来の単位はイソシアネート化合物及びカルボジイミド化合物から選択される少なくとも1種に由来する単位である[1]〜[4]のいずれかに記載のシート。
[6] ポリオール由来の単位はジオール由来の単位である[1]〜[5]のいずれかに記載のシート。
[7] 引張弾性率が2.0GPa以上である[1]〜[6]のいずれかに記載のシート。
[8] 引張強度が40MPa以上である[1]〜[7]のいずれかに記載のシート。
[9] JIS K 7373に準拠して測定したシートの黄色度をYI1とし、シートを200℃で4時間真空乾燥した後の黄色度をYI2とした場合、YI2−YI1の値が50以下である[1]〜[8]のいずれかに記載のシート。
[10] ポリオール由来の単位及び含窒素化合物由来の単位を含む重合体の含有量は、シートの全質量に対して、15質量%以上85質量%以下である[1]〜[9]のいずれかに記載のシート。
本発明は、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースと、ポリオール由来の単位及び含窒素化合物由来の単位を含む重合体と、を含有するシートに関する。ここで、シートのヘーズは30以下である。本発明のシートは、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロース(以下、微細繊維状セルロースともいう)を含むシートであるため、微細繊維状セルロース含有シートと呼ぶこともできる。本発明のシートは、上記構成を有するシートであるため、高い透明性を有する。また、本発明のシートは、吸水率が低く耐水性が高い。
吸水率(%)=100×(湿潤重量−調湿重量)/調湿重量
上記式において、調湿重量は、所定の大きさに切り出したシートを、23℃、相対湿度50%の条件で24時間調湿した後に測定した重量である。また、湿潤重量は所定の大きさに切り出したシートを、24時間イオン交換水に浸漬し、表面に残る余分な水をふき取った後に測定した重量である。本発明においては、シートの吸水率はシートの耐水性を評価する指標であり、吸水率が低いことは耐水性が高いことを意味する。シートの耐水性は、たとえば添加する重合体の種類や配合割合などにより制御することができる。
本発明のシートは、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースを含む。微細繊維状セルロースは、イオン性官能基を有する繊維であることが好ましく、この場合イオン性官能基は、アニオン性官能基(以下、アニオン基ともいう)であることが好ましい。アニオン基としては、例えば、リン酸基又はリン酸基に由来する置換基(単にリン酸基ということもある)、カルボキシル基又はカルボキシル基に由来する置換基(単にカルボキシル基ということもある)、及び、スルホン基又はスルホン基に由来する置換基(単にスルホン基ということもある)から選択される少なくとも1種であることが好ましく、リン酸基及びカルボキシル基から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、リン酸基であることが特に好ましい。なお、本明細書においては、リン酸基を有する繊維状セルロースは、リン酸化微細繊維状セルロースと呼ぶこともある。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
微細繊維状セルロースに占めるI型結晶構造の割合は30%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。この場合、耐熱性と低線熱膨張率発現の点でさらに優れた性能が期待できる。結晶化度については、X線回折プロファイルを測定し、そのパターンから常法により求められる(Seagalら、Textile Research Journal、29巻、786ページ、1959年)。
リン酸基導入工程は、セルロースを含む繊維原料に対し、リン酸基を有する化合物及びその塩から選択される少なくとも1種(以下、「リン酸化試薬」又は「化合物A」という)を反応させることにより行うことができる。このようなリン酸化試薬は、乾燥状態または湿潤状態の繊維原料に粉末や水溶液の状態で混合してもよい。また別の例としては、繊維原料のスラリーにリン酸化試薬の粉末や水溶液を添加してもよい。
リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸のリチウム塩、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩などが挙げられるが、特に限定されない。リン酸のリチウム塩としては、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸リチウム、またはポリリン酸リチウムなどが挙げられる。リン酸のナトリウム塩としてはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、またはポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。リン酸のカリウム塩としてはリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、またはポリリン酸カリウムなどが挙げられる。リン酸のアンモニウム塩としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
本発明においては、微細繊維状セルロースがカルボキシル基を有するものである場合、たとえば繊維原料にTEMPO酸化処理などの酸化処理を施すことや、カルボン酸由来の基を有する化合物、その誘導体、またはその酸無水物もしくはその誘導体によって処理することで、カルボキシル基を導入することができる。
微細繊維状セルロースを製造する場合、イオン性官能基導入工程と、後述する解繊処理工程の間にアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、官能基導入繊維を浸漬する方法が挙げられる。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、特に限定されないが、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶媒のいずれであってもよい。溶媒は、極性溶媒(水、またはアルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
また、アルカリ溶液のうちでは、汎用性が高いことから、水酸化ナトリウム水溶液、または水酸化カリウム水溶液が特に好ましい。
アルカリ処理工程におけるアルカリ溶液への浸漬時間は特に限定されないが、5分以上30分以下が好ましく、10分以上20分以下がより好ましい。
アルカリ処理におけるアルカリ溶液の使用量は特に限定されないが、リン酸基導入繊維の絶対乾燥質量に対して100質量%以上100000質量%以下であることが好ましく、1000質量%以上10000質量%以下であることがより好ましい。
イオン性官能基導入繊維は、解繊処理工程で解繊処理される。解繊処理工程では、通常、解繊処理装置を用いて、繊維を解繊処理して、微細繊維状セルロース含有スラリーを得るが、処理装置、処理方法は、特に限定されない。
解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミルなどを使用できる。あるいは、解繊処理装置としては、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなど、湿式粉砕する装置等を使用することもできる。解繊処理装置は、上記に限定されるものではない。好ましい解繊処理方法としては、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミの心配が少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーが挙げられる。
本発明のシートは、ポリオール由来の単位及び含窒素化合物由来の単位を含む重合体を含有する。
本発明のシートの製造工程では、重合体の重合を促進するために、反応触媒をさらに添加してもよい。例えば、含窒素化合物由来の単位がジイソシアネート化合物に由来する単位である場合は、イソシアネート化合物とポリオールの重合反応及び/又は架橋反応を促進するために、反応触媒を用いることが好ましい。これにより、重合の際の熱処理時間を短縮すること等が可能となる。
本発明のシートには、上述した成分以外の任意成分が含まれていてもよい。任意成分としては、たとえば、消泡剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、安定剤、界面活性剤等を挙げることができる。また、任意成分としては、例えば、親水性高分子(セルロース繊維は除く)や有機イオン等が挙げられる。
シートの製造工程は、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースと、ポリオール由来の単位及び含窒素化合物由来の単位を含む重合体とを含有するスラリーを得る工程と、このスラリーを基材上に塗工する工程、又は、スラリーを抄紙する工程を含む。中でも、シートの製造工程は、微細繊維状セルロースと、ポリオール由来の単位及び含窒素化合物由来の単位を含む重合体とを含むスラリー(以下、単にスラリーということもある)を基材上に塗工する工程を含むことが好ましい。また、微細繊維状セルロースは、リン酸化微細繊維状セルロースであることが好ましい。
塗工工程は、微細繊維状セルロースと、ポリオール由来の単位及び含窒素化合物由来の単位を含む重合体とを含有するスラリーを基材上に塗工し、これを乾燥して形成されたシートを基材から剥離することによりシートを得る工程である。塗工装置と長尺の基材を用いることで、シートを連続的に生産することができる。
シートの製造工程は、微細繊維状セルロースと、ポリオール由来の単位及び含窒素化合物由来の単位を含む重合体とを含むスラリーを抄紙する工程を含んでもよい。抄紙工程で抄紙機としては、長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機、これらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機等が挙げられる。抄紙工程では、手抄き等公知の抄紙を行ってもよい。
シートの製造工程は、上述したスラリーを基材上に塗工する工程、もしくは、スラリーを抄紙する工程の後に、加熱工程をさらに含むことが好ましい。加熱工程では、スラリーを基材上に塗工する工程、もしくは、スラリーを抄紙する工程で得られたシートを加熱することで、含窒素化合物とポリオールの重合及び/又は架橋をさらに進めることができる。
本発明は、シートにさらに他の層を積層した構造を有する積層体に関するものであってもよい。このような他の層は、シートの両表面上に設けられていてもよいが、シートの一方の面上にのみ設けられていてもよい。シートの少なくとも一方の面上に積層される他の層としては、例えば、樹脂層や無機層を挙げることができる。
樹脂層は、天然樹脂や合成樹脂を主成分とする層である。ここで、主成分とは、樹脂層の全質量に対して、50質量%以上含まれている成分を指す。樹脂の含有量は、樹脂層の全質量に対して、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。なお、樹脂の含有量は、100質量%とすることもでき、95質量%以下であってもよい。
密着助剤としては、例えば、イソシアネート基、カルボジイミド基、エポキシ基、オキサゾリン基、アミノ基及びシラノール基から選択される少なくとも1種を含む化合物や、有機ケイ素化合物が挙げられる。中でも、密着助剤はイソシアネート基を含む化合物(イソシアネート化合物)及び有機ケイ素化合物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。有機ケイ素化合物としては、例えば、シランカップリング剤縮合物や、シランカップリング剤を挙げることができる。
なお、親水化処理以外の表面処理の方法としては、コロナ処理、プラズマ放電処理、UV照射処理、電子線照射処理、火炎処理等を挙げることができる。
無機層を構成する物質としては、特に限定されないが、例えばアルミニウム、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン;これらの酸化物、炭化物、窒化物、酸化炭化物、酸化窒化物、もしくは酸化炭化窒化物;またはこれらの混合物が挙げられる。高い防湿性が安定に維持できるとの観点からは、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化炭化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化炭化窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、またはこれらの混合物が好ましい。
本発明のシートは、各種のディスプレイ装置、各種の太陽電池、等の光透過性基板の用途に適している。また、電子機器の基板、家電の部材、各種の乗り物や建物の窓材、内装材、外装材、包装用資材等の用途にも適している。さらに、糸、フィルタ、織物、緩衝材、スポンジ、研磨材などの他、シートそのものを補強材として使う用途にも適している。
<リン酸基導入セルロース繊維の作製>
針葉樹クラフトパルプとして、王子製紙製のパルプ(固形分93質量%、坪量208g/m2シート状 離解してJIS P 8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)700ml)を使用した。上記針葉樹クラフトパルプ100質量部(絶乾質量)に、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液を含浸し、リン酸二水素アンモニウム45質量部、尿素200質量部となるように圧搾し、薬液含浸パルプを得た。得られた薬液含浸パルプを165℃の熱風乾燥機で200秒間乾燥・加熱処理し、パルプ中のセルロースにリン酸基を導入した。このときのリン酸基の導入量は、0.98mmol/gであった。
次いで、リン酸基を導入したセルロースに5000mlのイオン交換水を加え、撹拌洗浄後、脱水した。脱水後のパルプを5000mlのイオン交換水で希釈し、撹拌しながら、1Nの水酸化ナトリウム水溶液をpHが12以上13以下になるまで少しずつ添加して、パルプ分散液を得た。その後、このパルプ分散液を脱水し、5000mlのイオン交換水を加えて洗浄を行った。この脱水洗浄をさらに1回繰り返した。
洗浄脱水後に得られたパルプにイオン交換水を添加して、固形分濃度が1.0質量%のパルプ分散液にした。このパルプ分散液を、高圧ホモジナイザー(NiroSoavi社製、Panda Plus 2000)を用いて処理し、セルロース分散液を得た。高圧ホモジナイザーを用いた処理においては、操作圧力1200barにてホモジナイジングチャンバーを5回通過させた。さらに、このセルロース分散液を湿式微粒化装置(スギノマシン社製、アルティマイザー)を用いて処理し、微細繊維状セルロース分散液(A)を得た。湿式微粒化装置を用いた処理においては、245MPaの圧力にて処理チャンバーを5回通過させた。微細繊維状セルロース分散液(A)に含まれる微細繊維状セルロースの平均繊維幅は4nmであった。
微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分濃度が0.5質量%となるよう濃度調整を行った。その後、微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分80質量部に対して、ポリオール由来の単位と含窒素化合物由来の単位(ポリイソシアネート由来単位)からなるウレタンプレポリマー水分散体(第一工業製薬社製、エラストロンH−3−NS、固形分濃度23.1質量%)を、該ウレタンプレポリマーが20質量部となるよう添加して攪拌した。次いで、ウレタンプレポリマー20質量部に対して、イソシアネート基の反応触媒水分散体(第一工業製薬社製、エラストロンCAT−21、固形分濃度13.7質量%)を、該反応触媒が0.6質量部となるよう添加し、攪拌することで微細繊維状セルロース分散液(B)を得た。
次いで、微細繊維状セルロース含有シート(微細繊維状セルロース分散液(B)の固形分から構成されるシート)の仕上がり坪量が50g/m2になるように、微細繊維状セルロース分散液(B)を計量して、市販のアクリル板上に展開し、35℃、相対湿度15%の恒温恒湿器にて乾燥した。なお、所定の坪量となるようアクリル板上には堰止用の金枠(内寸が180mm×180mmの金枠)を配置した。さらに、乾燥後に形成された微細繊維状セルロース含有シートをアクリル板から剥離し、120℃で1時間加熱することで、ポリオールと含窒素化合物の反応を促進させた。以上の手順により、微細繊維状セルロース含有シートを得た。シートの厚みは25μmであった。
実施例1の<ポリオール及び含窒素化合物の混合>において、ウレタンプレポリマー水分散体を、微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分60質量部に対して、該ウレタンプレポリマーが40質量部となるよう添加して攪拌した。次いで、反応触媒の水分散体を、ウレタンプレポリマー40質量部に対して、該反応触媒が1.2質量部となるよう添加し、攪拌することで微細繊維状セルロース分散液(B)を得た。その他の手順は実施例1と同様にし、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
実施例1の<ポリオール及び含窒素化合物の混合>において、ウレタンプレポリマー水分散体を、微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分40質量部に対して、該ウレタンプレポリマーが60質量部となるよう添加して攪拌した。次いで、反応触媒の水分散体を、ウレタンプレポリマー60質量部に対して、該反応触媒が1.8質量部となるよう添加し、攪拌することで微細繊維状セルロース分散液(B)を得た。その他の手順は実施例1と同様にし、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
実施例1の<ポリオール及び含窒素化合物の混合>において、ウレタンプレポリマー水分散体を、微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分20質量部に対して、該ウレタンプレポリマーが80質量部となるよう添加して攪拌した。次いで、反応触媒の水分散体を、ウレタンプレポリマー80質量部に対して、該反応触媒が2.4質量部となるよう添加し、攪拌することで微細繊維状セルロース分散液(B)を得た。その他の手順は実施例1と同様にし、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
実施例1で得られた微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分濃度が0.5質量%となるよう濃度調整を行った。その後、微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分67質量部に対して、ポリオールとして分子量400のポリエチレングリコール(第一工業製薬社製、PEG400)を17質量部添加して攪拌した。次いで、含窒素化合物としてポリカルボジイミド化合物の水溶液(日清紡ケミカル社製、カルボジライトV−02−L2、固形分濃度40.1%)を、ポリエチレングリコール17質量部に対して、該ポリカルボジイミド化合物が16質量部となるよう添加し、攪拌することで微細繊維状セルロース分散液(B)を得た。その他の手順は実施例1と同様にし、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
実施例5において、微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分57質量部に対してポリエチレングリコールを15質量部添加して攪拌した。次いで、ポリカルボジイミド化合物の水溶液を、ポリエチレングリコール15質量部に対して、該ポリカルボジイミド化合物が28質量部となるよう添加した。その他の手順は実施例5と同様にし、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
実施例5において、微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分45質量部に対してポリエチレングリコールを11質量部添加して攪拌した。次いで、ポリカルボジイミド化合物の水溶液を、ポリエチレングリコール11質量部に対して、該ポリカルボジイミド化合物が44質量部となるよう添加した。その他の手順は実施例5と同様にし、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
<TEMPO酸化>
乾燥質量100質量部相当の未乾燥の王子製紙社製針葉樹晒クラフトパルプとTEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)1.25質量部と、臭化ナトリウム12.5質量部とを水10000質量部に分散させた。次いで、13質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1.0gのパルプに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が8.0mmolになるように加えて反応を開始した。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10以上11以下に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なした。
その後、このパルプスラリーを脱水し、脱水シートを得た後、5000質量部のイオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して、脱水シートを得る工程を2回繰り返した。滴定法により測定される置換基(カルボキシル基)の導入量は1.5mmol/gであった。カルボキシル基導入量は、イオン交換樹脂による処理、アルカリを用いた滴定によって測定した。イオン交換樹脂による処理では、後述の機械処理により得られた微細繊維状セルロース分散液(A)を濃度0.2質量%に希釈し、体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバージェット1024:コンディショニング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂と該分散液を分離して、分散液をアルカリを用いた滴定に供した。アルカリを用いた滴定では、図2(カルボキシル基)に示した曲線の第1領域で必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して、置換基導入量(mmol/g)とした。
洗浄脱水後に得られたパルプにイオン交換水を添加して、固形分濃度が1.0質量%のパルプ分散液とした。このパルプ分散液を、高圧ホモジナイザー(NiroSoavi社製、Panda Plus 2000)を用いて処理し、セルロース分散液を得た。高圧ホモジナイザーを用いた処理においては、操作圧力1200barにてホモジナイジングチャンバーを5回通過させた。さらに、このセルロース分散液を湿式微粒化装置(スギノマシン社製、アルティマイザー)を用いて処理し、微細繊維状セルロース分散液(A)を得た。湿式微粒化装置を用いた処理においては、245MPaの圧力にて処理チャンバーを5回通過させた。微細繊維状セルロース分散液(A)に含まれる微細繊維状セルロースの平均繊維幅は4nmであった。
微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分濃度が0.5質量%となるよう濃度調整を行った。その後、微細繊維状セルロース分散液(A)の固形分80質量部に対して、ポリオール由来の単位と含窒素化合物由来の単位(ポリイソシアネート由来単位)からなるウレタンプレポリマー水分散体(第一工業製薬社製、エラストロンH−3−NS、固形分濃度23.1質量%)を、該ウレタンプレポリマーが20質量部となるよう添加して攪拌した。次いで、ウレタンプレポリマー20質量部に対して、イソシアネート基の反応触媒水分散体(第一工業製薬社製、エラストロンCAT−21、固形分濃度13.7質量%)を、該反応触媒が0.6質量部となるよう添加し、攪拌することで微細繊維状セルロース分散液(B)を得た。
次いで、微細繊維状セルロース含有シート(微細繊維状セルロース分散液(B)の固形分から構成されるシート)の仕上がり坪量が50g/m2になるように、微細繊維状セルロース分散液(B)を計量して、市販のアクリル板上に展開し、35℃、相対湿度15%の恒温恒湿器にて乾燥した。なお、所定の坪量となるようアクリル板上には堰止用の金枠(内寸が180mm×180mmの金枠)を配置した。さらに、乾燥後に形成された微細繊維状セルロース含有シートをアクリル板から剥離し、120℃で1時間加熱することで、ポリオールと含窒素化合物の反応を促進させた。以上の手順により、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
実施例1において、ウレタンプレポリマー水分散体とイソシアネート基の反応触媒水分散体の添加を行わなかった。その他の手順は実施例1と同様にし、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
実施例5において、ポリカルボジイミド化合物の水溶液の添加を行わなかった。その他の手順は実施例5と同様にし、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
<ポリオールの混合>
実施例1の<アルカリ処理、洗浄>で得られた洗浄後のパルプ濃度を、イオン交換水で固形分濃度15質量%に調整した。次いで、該パルプ由来の固形分28質量部に対し、イオン交換水を905.3質量部、ポリオールとして分子量400のポリエチレングリコール(第一工業製薬社製、PEG400)を28質量部添加して攪拌することで、パルプ由来の固形分が2.5質量%、ポリエチレングリコールの含有率が2.5質量%のパルプ分散液(A)を得た。
上記のパルプ分散液(A)に対し、実施例1と同様の手順で機械処理を行うことで、微細繊維状セルロース分散液(C)を得た。微細繊維状セルロース分散液(C)に含まれる微細繊維状セルロースの平均繊維幅は80nmであった。
微細繊維状セルロース分散液(C)の固形分濃度が0.5質量%となるよう濃度調整を行った。その後、含窒素化合物としてポリカルボジイミド化合物の水溶液(日清紡ケミカル社製、カルボジライトV−02−L2、固形分濃度40.1質量%)を、ポリエチレングリコール28質量部に対して、該ポリカルボジイミド化合物が45質量部となるよう添加し、攪拌することで微細繊維状セルロース分散液(D)を得た。
次いで、微細繊維状セルロース含有シート(微細繊維状セルロース分散液(D)の固形分から構成されるシート)の仕上がり坪量が50g/m2になるように、微細繊維状セルロース分散液(D)を計量して、市販のアクリル板上に展開し、35℃、相対湿度15%の恒温恒湿器にて乾燥した。なお、所定の坪量となるようアクリル板上には堰止用の金枠(内寸が180mm×180mmの金枠)を配置した。さらに、乾燥後に形成された微細繊維状セルロース含有シートをアクリル板からはく離し、120℃で1時間加熱することで、ポリオールと含窒素化合物の反応を促進させた。以上の手順により、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
実施例及び比較例で得た微細繊維状セルロース含有シートを、以下の方法にて評価した。
微細繊維状セルロース含有シートの全光線透過率を、JIS K 7361に準拠し、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、HM−150)を用いて測定した。
微細繊維状セルロース含有シートのヘーズを、JIS K 7136に準拠し、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、HM−150)を用いて測定した。
JIS K 7373に準拠し、Colour Cute i(スガ試験機株式会社製)を用いて微細繊維状セルロース含有シートの加熱前後の黄色度を測定した。なお、加熱後の黄色度は、200℃で4時間真空乾燥した微細繊維状セルロース含有シートの黄色度とした。また、黄色度の変化量としてΔYIを下記の式より算出した。
ΔYI=(加熱後の黄色度)−(加熱前の黄色度)
微細繊維状セルロース含有シートを50mm角に切出し、23℃、相対湿度50%の条件で24時間調湿し、調湿重量を測定した。次いで、調湿重量を測定した後の微細繊維状セルロース含有シートを、24時間イオン交換水に浸漬し、表面に残る余分な水をふき取った後に、湿潤重量を測定した。上記調湿重量、湿潤重量から、微細繊維状セルロース含有シートの吸水率(%)を下記式にしたがって算出した。
吸水率(%)=100×(湿潤重量−調湿重量)/調湿重量
微細繊維状セルロース含有シートの引張弾性率及び引張強度を、JIS P 8113に準拠し、引張試験機テンシロン(エー・アンド・デイ社製)を用いて測定した。なお、引張弾性率及び引張強度を測定する際には、23℃、相対湿度50%で24時間調湿したものを試験片として用いた。
Claims (9)
- 繊維幅が10nm以下であり、かつアニオン基を有する繊維状セルロースと、
ポリオール由来の単位及び含窒素化合物由来の単位を含む重合体と、を含有するシートであって、
前記含窒素化合物由来の単位はイソシアネート化合物及びカルボジイミド化合物から選択される少なくとも1種に由来する単位であり、
前記シートのヘーズが30%以下であるシート。 - 吸水率が5000%以下である請求項1に記載のシート。
- 全光線透過率が86%以上である請求項1又は2に記載のシート。
- 前記繊維状セルロースは、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート。
- 前記ポリオール由来の単位はジオール由来の単位である請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート。
- 引張弾性率が2.0GPa以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート。
- 引張強度が40MPa以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート。
- JIS K 7373に準拠して測定した前記シートの黄色度をYI1とし、前記シートを200℃で4時間真空乾燥した後の黄色度をYI2とした場合、YI2−YI1の値が50以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート。
- 前記ポリオール由来の単位及び含窒素化合物由来の単位を含む重合体の含有量は、前記シートの全質量に対して、15質量%以上85質量%以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載のシート。
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