本発明の吸収性物品包装体は吸収性物品が包装シートで包装されたものである。本発明で用いられる吸収性物品についてまず説明する。
本発明で用いられる吸収性物品は、着用者の股間に当てて用いるものであり、尿等の排泄物を受けることができるものであれば特に限定されない。本発明の吸収性物品の態様としては、尿パッド(軽失禁パッドを含む)、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等が示される。なお、本発明で用いられる吸収性物品は包装シートに剥離可能に接合されていることが好ましく、このように包装シートに剥離可能に接合されて包装される吸収性物品としては、一般に、尿パッド、生理用ナプキン等が挙げられ、本発明の吸収性物品はこのような用途に好適に適用される。
吸収性物品の形状は特に限定されない。吸収性物品が、例えば尿パッドや生理用ナプキンである場合、吸収性物品の形状としては、略長方形、長円形、砂時計形、羽子板形等が示される。
吸収性物品は、例えば、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとの間に吸収体が配されて形成される。なお、トップシートは、吸収性物品の肌面側に位置するシートであり、バックシートは、吸収性物品の非肌面側に位置するシートである。本発明において、肌面側とは、吸収性物品を着用する際に着用者の肌に向く側を意味し、非肌面側とは、着用者とは反対に向く側を意味する。
トップシートとしては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、孔が形成されたプラスチックフィルムを用いてもよい。
バックシートとしては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。
トップシートやバックシートが不織布から構成される場合、不織布としては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、SMS不織布等を用いることが好ましい。
吸収体は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いることができる。吸収体は、紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等のシート部材で覆われてもよい。吸収体に含まれる吸収性材料としては、例えば、セルロース繊維(例えば、粉砕したパルプ繊維)等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸収性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等の体液との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収体は親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
吸収体は、シート状吸収体であってもよい。シート状吸収体としては、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないように形成されたものが挙げられる。このように形成されたシート状吸収体は不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができる。
シート状吸収体は、吸収性材料として吸水性繊維を用いたものであってよい。この場合もまた、シート状吸収体が嵩張らず薄型に形成される。吸水性繊維としては、プロトン化または塩形成したカルボキシル基を含有する繊維が挙げられる。例えば、アクリル繊維を加水分解して、アクリル繊維に含まれるニトリル基をカルボキシル基に変換することにより、吸水性繊維を得ることができる。このとき、吸水性繊維に含まれるカルボキシル基は、アルカリ金属塩またはアンモニア塩を形成していることが好ましい。また吸水性繊維は、親水性繊維をアクリル酸に浸漬し、繊維表面でアクリル酸を析出させることにより製造することができる。
吸収性物品は、肌面側の幅方向の両側に立ち上がりフラップが設けられることが好ましい。立ち上がりフラップを設けることにより、尿等の横漏れが防止される。立ち上がりフラップは、例えば、トップシートの幅方向の両側に、長手方向に延在するサイドシートを接合し、サイドシートの幅方向内方(立ち上がりフラップが立ち上がったときの上端近傍)に弾性部材を設けることにより形成される。このようにサイドシートと弾性部材とを設けることにより、弾性部材の収縮力によりサイドシートの幅方向内方が着用者の肌に向かって立ち上がり、立ち上がりフラップが形成される。立ち上がりフラップまたはサイドシートは、液不透過性のプラスチックフィルムや液不透過性の不織布等により構成されることが好ましい。
吸収性物品の非肌面側には粘着部が設けられることが好ましく、具体的には、バックシートに粘着部が設けられることが好ましい。粘着部を設けることにより、吸収性物品をパンツ等の肌面側に固定することができる。粘着部はまた、吸収性物品を包装する包装シートと剥離可能に接合されていることが好ましく、これにより、吸収性物品が包装シートに包装された状態で安定して保持される。吸収性物品を使用する際には、包装シートを粘着部から剥がすことにより、粘着部によって吸収性物品をパンツ等の肌面側に固定することができる。粘着部は、粘着剤を塗布したり、粘着テープを貼り付けることにより形成することができる。
吸収性物品は包装シートに包装されて、吸収性物品包装体が形成される。包装シートは、吸収性物品を個別に(1つずつ)包装する。包装シートは1つのシート部材から形成されてもよく、2つ以上のシート部材を繋ぎ合わせて形成されてもよい。吸収性物品包装体は、例えば、吸収性物品が包装シートとともに折り畳まれることにより包装シートに包装されてもよく、折り畳まれた吸収性物品を包装シートで包装することにより吸収性物品包装体を形成してもよい。吸収性物品は、例えば、幅方向に延びる1、2または3個の折り目で折り返されて、2、3または4つ折りされる。
包装シートは、メルトブロー不織布層の片面または両面にスパンボンド不織布層が設けられた積層不織布から構成され、スパンボンド不織布層がメルトブロー不織布層の少なくとも吸収性物品側に配されている。このような不織布としては、SM不織布(ただし、スパンボンド不織布層がメルトブロー不織布層の吸収性物品側に位置する)やSMS不織布を用いることができる。メルトブロー不織布層は、メルトブロー法により形成された不織布層を意味し、スパンボンド不織布層は、スパンボンド法により形成された不織布層を意味する。SM不織布やSMS不織布は、メルトブロー不織布層またはスパンボンド不織布層が複数積層されていてもよく、例えばSM不織布には、SMM不織布、SSM不織布、SSMM不織布等が含まれ、SMS不織布には、SMMS不織布、SSMS不織布、SSMSS不織布、SSMMS不織布等が含まれる。
包装シートを構成する積層不織布は、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、これらの不織布の構成繊維を界面活性剤により親水化したものなどから構成することができる。
包装シートは、吸収性物品側に向いた内側面とその反対側に向いた外側面とを有する。包装シートの内側面と外側面は、包装シートが吸収性物品を包装した状態を基準に定められる。包装シートの外側面は、吸収性物品包装体の外側に露出し、吸収性物品包装体の外側面を構成する。
包装シートは、内側面に印刷部が設けられるとともに、印刷部に香料マイクロカプセルが配されている。吸収性物品包装体はこのように構成されることにより、吸収性物品包装体の意匠性を高めることができ、また吸収性物品包装体から吸収性物品を取り出した際に、香料マイクロカプセルから香り成分が放出されて、使用者に快適感を与えることができる。この際、印刷部を包装シートの内側面に設け、香料マイクロカプセルを包装シートの内側面に付着させることにより、吸収性物品包装体の製造や持ち運びの際に、印刷部が落ちにくくなるとともに、香料マイクロカプセル由来の香り成分を吸収性物品包装体内に留めておくことができる。特に、包装シートを、メルトブロー不織布層の少なくとも吸収性物品側にスパンボンド不織布層が設けられた積層不織布から構成することにより、包装シートの内側面に施された印刷部をクリアに視認でき、吸収性物品包装体の意匠性を高めることができるとともに、香料マイクロカプセルによる効果を長持ちさせることができる。これについて説明すると、スパンボンド不織布層は比較的繊維間隙が広く形成され、一方メルトブロー不織布層は緻密な繊維層から構成され、フィルムのように形成されるため、包装シートの内側面に印刷を施すと、インクがスパンボンド不織布層を浸透し、メルトブロー不織布層にはインクがほとんど浸透せずにメルトブロー不織布層の吸収性物品側の表面に留まるため、メルトブロー不織布層の吸収性物品側の表面に印刷面が形成される。そのため、メルトブロー不織布層がセル画におけるセルのような役割を果たし、包装シートを外側面から見たときに、当該印刷によって形成された模様等をクリアに視認できる。その結果、包装シートに精緻なデザインを施すことが可能となり、吸収性物品包装体の意匠性を高めることができる。一方、香料マイクロカプセルは、比較的繊維間隙が広いスパンボンド不織布層内に留まることにより、あるいはメルトブロー不織布層の表面に達した香料マイクロカプセルがスパンボンド不織布層によって保護されることにより、包装シートや吸収性物品包装体の製造の際に香料マイクロカプセルが割れにくくなり、吸収性物品包装体内により多くの香り成分を持ち込むことが可能となる。そして、吸収性物品包装体内の香り成分は、包装シートのメルトブロー不織布層によって外部に漏出しにくくなるため、香り成分を吸収性物品包装体内に長期間留めておくことができる。
本発明の吸収性物品包装体はまた、印刷部に香料マイクロカプセルが配されるように構成することにより、包装シートへの印刷部の形成と香料マイクロカプセルの付与を簡単に行うことができる。すなわち、包装シート製造の際に、包装シートに香料マイクロカプセル入りのインクを用いて印刷を施すことにより、包装シートに印刷部を形成しつつ、包装シートに香料マイクロカプセルを付与することができる。この際、スパンボンド不織布層によって構成された包装シートの内側面に印刷をし、そこに香料マイクロカプセルを付着させることにより、包装シートや吸収性物品包装体の製造時に、メルトブロー不織布層の印刷面がスパンボンド不織布層によって保護される形となり印刷部が落ちにくくなるとともに、香料マイクロカプセルもスパンボンド不織布層によって保護されて割れにくくなる。そのため、得られる吸収性物品包装体の印刷部がきれいに形成されるとともに、より多くの香り成分を吸収性物品包装体内に持ち込むことが可能となる。また、このように香料マイクロカプセルを設けることにより、包装シートに香料マイクロカプセル入りのインクを用いて印刷を施した後、包装シートを一旦長尺ロール等の形態で保管しても香り成分が逃げにくくなるため、香料マイクロカプセルが配された印刷部を設けた包装シートを、吸収性物品包装体とは別の製造ラインで製造することが可能となり、香料が付与された吸収性物品包装体を簡単に製造することができる。なお、包装シートの内側面の非印刷部には香料マイクロカプセルが配されないことが好ましい。
包装シートの印刷部は、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の従来公知の印刷方法を用いて形成することができる。
包装シートの内側面の印刷部は、包装シートを外側面から見たときに視認可能に形成されていることが好ましく、少なくとも一部が白色以外の色で形成されていることが好ましい。より好ましくは、包装シートの内側面の印刷部は少なくとも一部が有彩色で形成され、これにより吸収性物品包装体の意匠性を高めることができる。印刷によって形成される模様(デザイン)には、図形、イラスト、柄(パターン)、文字などが含まれる。
香料マイクロカプセルに内包される香料としては、天然香料および合成香料のいずれを用いてもよく、2種類以上の香料を組み合わせて使用してもよい。天然香料としては、例えば、リュウゼン香、安息香、海狸香、霊猫香、丁字油、ガルバナム、ジャスミンアブソリュート、ラブタナム、メリロット、ミモザ、ムスクトンキン、ミルラ、オークモス、モスドシェーヌ、乳香、ビャクシ香、オリス、バチュリ、ローズマリー油、白檀油、ベチバー油、バイオレットリーフアブソリュート等が挙げられる。合成香料としては、例えば、アニソール、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、ギ酸ベンジル、酢酸イソボルニル、シトロネラール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、パラシメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、ユーカリプトール、l−カルボン、ゲラニアール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、ネロール、酢酸ネリル、酢酸ノニル、リナロール、酢酸リナリル、フェニルエチルアルコール、α,βまたはγ−ピネン、α,βまたはγ−ヨノン、αまたはβ−テルピネオール、酢酸テルピニル、テンタローム、アミルシンナムアルデヒド、ジヒドロジャスモン酸メチル、サリチル酸イソアミル、β−カリオフィレン、セドレン、セドリルメチルエーテル、桂皮アルコール、クマリン、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルバニリン、オイゲノール、イソオイゲノール、γ−メチルヨノン、ヘリオトロピン、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、フェニルヘキサノール、バニリン、ペンタライド等が挙げられる。
マイクロカプセルの皮膜としては、ゼラチン、寒天、デキストリン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、アルギン酸ソーダ、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、パラフィンワックス等を用いることができる。
マイクロカプセルの大きさは特に限定されず、通常、0.1μm以上500μm以下、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、また200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。なお、ここで説明したマイクロカプセルの大きさは、レーザー回折・散乱法により求めた体積基準のメジアン径を意味する。
包装シートは、メルトブロー不織布層の両側にスパンボンド不織布層が設けられた積層不織布から構成されていることが好ましい。すなわち包装シートは、SMS不織布から構成されていることが好ましい。包装シートがこのような不織布から構成されていれば、スパンボンド不織布層が包装シートの外側(吸収性物品側と反対側)にも配されることとなるため、包装シートの内側面に施された印刷部を包装シートの外側面から見たときに、印刷部によって形成される模様が穏やかな風合いとなり、使用者にとって親しみやすい外観とすることができる。
包装シートのメルトブロー不織布層の目付(単位面積当たりの質量)は、例えば1g/m2以上が好ましく、2g/m2以上がより好ましく、また20g/m2以下が好ましく、18g/m2以下がより好ましく、15g/m2以下がさらに好ましい。包装シートのメルトブロー不織布層がこのような目付で形成されていれば、メルトブロー不織布層に好適に印刷面を形成しやすくなるとともに、メルトブロー不織布層が厚くなりすぎず、包装シートの柔軟性を確保しやすくなる。
包装シートのスパンボンド不織布層の目付は、例えば5g/m2以上が好ましく、7g/m2以上がより好ましく、10g/m2以上がさらに好ましく、また40g/m2以下が好ましく、30g/m2以下がより好ましく、25g/m2以下がさらに好ましい。包装シートのスパンボンド不織布層がこのような目付で形成されていれば、包装シートにスパンボンド不織布層を設けることの効果が好適に奏されやすくなるとともに、メルトブロー不織布層に好適に印刷面が形成されやすくなる。
包装シートの目付は、例えば18g/m2以上が好ましく、20g/m2以上がより好ましく、25g/m2以上がさらに好ましく、また60g/m2以下が好ましく、50g/m2以下がより好ましく、30g/m2以下がさらに好ましい。このように包装シートを構成することにより、包装シートの強度を確保しつつ、包装シートを柔軟に形成することが容易になる。
包装シートのメルトブロー不織布層は、α−オレフィン系共重合体を10質量%〜50質量%含有する繊維から形成されていることが好ましい。このように包装シートのメルトブロー不織布層が構成されていれば、メルトブロー不織布層の柔軟性を高めることが容易になり、包装シートを柔軟に形成しやすくなる。メルトブロー不織布層の構成繊維のα−オレフィン系共重合体の含有量は、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上であり、また45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。
α−オレフィン系共重合体は、2種以上のα−オレフィンが共重合したものであれば特に限定されず、炭素数2〜10のα−オレフィンを共重合したものがより好ましい。α−オレフィン系共重合体は、α−オレフィンのランダム共重合体であることが好ましい。α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。α−オレフィン系共重合体は、α−オレフィン以外のモノマー単位を有するものであってもよく、例えばジエン化合物由来の単位を有していてもよい。この場合のジエン化合物としては非共役ジエン化合物であることが好ましく、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン等の鎖状非共役ジエンや、シクロヘキサジエン等の環状非共役ジエン等が挙げられる。なお、α−オレフィン系共重合体は、α−オレフィン由来の単位を主成分として含むことが好ましく、α−オレフィン系共重合体100質量%中のα−オレフィン由来の単位の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がさらにより好ましい。α−オレフィン系共重合体は、α−オレフィン由来の単位のみを含むものであってもよい。
α−オレフィン系共重合体は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、またはプロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましい。α−オレフィン系共重合体がエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である場合、α−オレフィン系共重合体中、エチレン由来の単位の含有量は、炭素数3〜20のα−オレフィン由来の単位の含有量よりも多いことが好ましい(モル基準)。α−オレフィン系共重合体がプロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体である場合、α−オレフィン系共重合体中、プロピレン由来の単位の含有量は、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の単位の含有量よりも多いことが好ましい(モル基準)。
包装シートを構成する積層不織布は、全光線透過率がある程度低く形成されていることが好ましく、これにより包装シートによる視覚的な遮蔽性を高めることができる。包装シートの積層不織布の全光線透過率は、例えば70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。一方、包装シートを外側面から見たときに、包装シートの内側面の印刷部を視認しやすくする点から、包装シートの不織布の全光線透過率は20%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。なお、ここで説明した包装シートの積層不織布の全光線透過率は、印刷を施す前の包装シートの積層不織布の全光線透過率を意味し、包装シートの非印刷部の全光線透過率を意味する。全光線透過率は、JIS K 7375:2008に基づき測定する。
吸収性物品のバックシートに粘着部が設けられる場合は、包装シートは、印刷部の少なくとも一部で、粘着部と剥離可能に接合していることが好ましい。バックシートの粘着部が包装シートの印刷部と剥離可能に接合されていれば、吸収性物品を使用する際に包装シートを粘着部から剥がすことにより、印刷部に配されていた香料マイクロカプセルが強制的に割れやすくなる。また、包装シートを粘着部から剥がす際に、粘着部との粘着力によって包装シートが曲がったり歪んだりすることによっても、香料マイクロカプセルが割れやすくなる。そのため、吸収性物品包装体から吸収性物品を取り出す際に、より多くの香り成分が放出されやすくなり、使用者に確実に快適感を与えやすくなる。包装シートの内側面は、印刷部以外の非印刷部でも粘着部と剥離可能に接合していてもよい。包装シートの内側面が粘着部と剥離可能に接合される場合、撥水撥油剤(例えば、シリコーン等)により包装シートの粘着部と接合する部分が撥水撥油処理されていることが好ましく、これにより粘着部との剥離性を高めることができる。
吸収性物品包装体は、包装シートの内側面に剥離シートを取り付けて、この剥離シートとバックシートの粘着部とを剥離可能に接合させるようにしてもよい。剥離シートは、粘着部と剥離可能であればよく、例えば、プラスチックフィルムから構成したり、吸収性物品と面する側がプラスチックフィルムから構成された積層体(例えば、プラスチックフィルムに紙、不織布、織布または編布等が積層された積層体)から構成することができる。なお剥離シートは、包装シートの内側面の一部のみを覆うように取り付けられることが好ましい。この場合も、剥離シートを包装シートとともに粘着部から剥がす際に、包装シートが曲がったり歪んだりすることによって、香料マイクロカプセルが割れやすくなるため、吸収性物品包装体から吸収性物品を取り出す際に、香り成分が放出されやすくなる。
次に、本発明の吸収性物品包装体について、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
図1〜図3には、本発明で用いられる吸収性物品の一例を示し、吸収性物品として軽失禁パッドが示されている。図1は、吸収性物品を肌面側から見た平面図を表し、図2は図1に示した吸収性物品を非肌面側から見た平面図を表し、図3は図1および図2に示した吸収性物品のA−A断面図を表す。図面では、矢印xが幅方向、矢印yが長手方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。
図1〜図3に示した吸収性物品11は、トップシート12とバックシート13とこれらの間に配された吸収体14とを有する。吸収性物品11では、バックシート13と吸収体14との間に台紙15が設けられており、台紙15により吸収性物品11の形状保持性を向上させることができる。台紙15は、例えば、目付30g/m2〜50g/m2の比較的厚手のクレープ紙や不織布から構成することができる。なお、台紙15は設けなくてもよい。吸収性物品11は、長手方向yを着用者の股間の前後方向に合わせ、幅方向xを着用者の左右方向に合わせて着用する。
トップシート12の幅方向xの両側には長手方向yに延在するサイドシート16が設けられ、サイドシート16により尿等の防漏壁となる立ち上がりフラップ17が形成されることが好ましい(図1および図3を参照)。サイドシート16には、幅方向xの内方に起立用弾性部材18が設けられている。吸収性物品11の使用時には、起立用弾性部材18の収縮力によりサイドシート16の内方部分が着用者の肌に向かって立ち上がりフラップ17が形成され、これにより尿等の横漏れが防止される。
バックシート13の非肌面側には、図2に示すように、粘着部19が設けられることが好ましい(粘着部19はクロスハッチングで表されている)。粘着部19により、吸収性物品11をパンツ等の肌面側に好適に取り付けることができる。粘着部19は、後述する包装シート21と剥離可能に接合されることが好ましい。
図4には、図1〜図3に示した吸収性物品を用いた吸収性物品包装体の形成方法の一例を示した。図4(a)には包装前の吸収性物品と包装シートが示され、図4(b)には吸収性物品包装体が示されている。図4(b)では、吸収性物品11が包装シート21で包装されて吸収性物品包装体1が形成されている。
包装シート21は、吸収性物品側に向いた内側面21Aとその反対側に向いた外側面21Bとを有する。包装シート21は、メルトブロー不織布層の片面または両面にスパンボンド不織布層が設けられた積層不織布から構成され、スパンボンド不織布層が、メルトブロー不織布層の少なくとも吸収性物品側に配されている。すなわち、包装シート21はメルトブロー不織布層とスパンボンド不織布層を有するとともに、少なくとも内側面21Aがスパンボンド不織布層から形成され、外側面21Bもスパンボンド不織布層から形成されていてもよい。
吸収性物品包装体1は、図4に示すように、例えば吸収性物品11が包装シート21とともに折り目F1,F2で折り返されることにより形成される。具体的には、吸収性物品包装体1は、吸収性物品11の非肌面側の少なくとも一部が包装シート21で覆われ、吸収性物品11が包装シート21とともに幅方向xに延びる折り目F1,F2で折り返され、その結果、吸収性物品11が長手方向yに3つ折りに折り畳まれている。この際、包装シート21は、吸収性物品11のバックシート13に設けられた粘着部19と剥離可能に接合していることが好ましい。
吸収性物品11が包装シート21で包装された吸収性物品包装体1は、包装シート21の幅方向xの両端部が封止部23で封止されることが好ましい。封止部23は、接着剤、熱溶着、超音波溶着等の公知の接合手段により形成すればよい。
包装シート21の長手方向yの一方端には、つまみ部24が設けられることが好ましい。つまみ部24が設けられれば、つまみ部24を摘むことにより吸収性物品包装体1の折り畳みを展開することが容易になる。つまみ部24は一方端側が包装シート21に固定されるとともに、つまみ部24の他方端側は包装シート21に対し剥離可能な粘着剤層が設けられることが好ましい。
包装シート21は、内側面21Aに印刷部22が設けられるとともに、印刷部22に香料マイクロカプセルが配されている。図4では、包装シート21の内側面21Aに、葉模様の印刷部22が施されている。吸収性物品包装体1は、このように構成された包装シート21で包装されることにより、吸収性物品包装体1の意匠性を高めることができ、また吸収性物品包装体1から吸収性物品11を取り出す際に、香料マイクロカプセルから香り成分が放出されて、使用者に快適感を与えることができる。特に、包装シート21を、メルトブロー不織布層の少なくとも吸収性物品側にスパンボンド不織布層が設けられた積層不織布から構成することにより、包装シート21の内側面21Aに施された印刷部22をクリアに視認でき、包装シート21に精緻なデザインを施すことが可能となるとともに、香料マイクロカプセルがスパンボンド不織布層によって保護され、かつメルトブロー不織布層によって香り成分が外部に漏出するのが抑えられるため、香料マイクロカプセルによる効果を長持ちさせることができる。また、包装シート21に香料マイクロカプセル入りのインクを用いて印刷を施すことにより、包装シート21に印刷部22を形成しつつ、包装シート21に香料マイクロカプセルを付与することが簡単に行えるようになる。
包装シート21の内側面21Aは、印刷部22の少なくとも一部において、吸収性物品11の粘着部19と剥離可能に接合していることが好ましい。このように吸収性物品包装体1が形成されていれば、吸収性物品11を使用する際に包装シート21を粘着部19から剥がすことにより、印刷部22に配されていた香料マイクロカプセルが割れやすくなる。そのため、吸収性物品包装体1から吸収性物品11を取り出す際に、より多くの香り成分が放出されやすくなる。