<ハンドリングシステムの全体概略構成>
図1はハンドリングシステム1の一例の全体構成を概略的に示す図である。ハンドリングシステム1は、操作者100の指示に応じて物品10を操作するシステムである。ハンドリングシステム1は、例えば、物品10の姿勢及び位置を操作する。物品10としては様々な物が考えられる。図1に示される例では、物品10はブロワのロータである。物品10はロータ以外であってもよい。以後、物品10を「ワーク10」と呼ぶことがある。
図1に示されるように、ハンドリングシステム1は、操作機構2と、第1移動機構3と、第2移動機構4と、第3移動機構5とを備えている。操作機構2は、操作者100によって操作され、ワーク10を保持する。操作機構2は、ワーク10を操作するためのハンドル200を備えている。操作者100は、ハンドル200を操作することによって、物品10を操作機構2を通じて間接的に操作することができる。また操作機構2は、鉛直方向DR3に垂直な方向の周りに操作機構2の姿勢を回転させるサーボモータ210を有する。サーボモータ210には、その回転にブレーキをかけることができるブレーキが内蔵されている。このブレーキは、例えば電磁式の機械的なブレーキである。サーボモータ210が駆動されない場合には、それに内蔵されているブレーキが働く。一方で、サーボモータ210が駆動されている場合には、それに内蔵されているブレーキは働かない。
第1移動機構3は、操作機構2を鉛直方向DR3に沿って移動させることが可能である。第2移動機構4は、鉛直方向DR3に垂直な水平面に沿った第1水平方向DR1に沿って第1移動機構3を移動させることによって、第1移動機構3とそれに接続された操作機構2とを一緒に第1水平方向DR1に沿って移動させることができる。第3移動機構5は、水平面に沿った、第1水平方向DR1とは異なる第2水平方向DR2に沿って、第1移動機構3及び第2移動機構4を一緒に移動させることができる。第2水平方向DR2は、例えば、第1水平方向DR1に垂直な方向である。
ハンドリングシステム1は、第1移動機構3を駆動するサーボモータ130と、第2移動機構4を駆動するサーボモータ140と、第3移動機構5を駆動するサーボモータ150とを備えている。ハンドリングシステム1は、サーボモータ130,140,150と、操作機構2のサーボモータ210とを制御する制御装置6を備えている。サーボモータ130,140,150のそれぞれには、その回転にブレーキをかけるブレーキが内蔵されている。サーボモータ130が駆動されない場合には、それに内蔵されているブレーキが働く。一方で、サーボモータ130が駆動されている場合には、それに内蔵されているブレーキは働かない。サーボモータ140,150についても同様である。
第1移動機構3は、例えば、索状物300と回転ドラム310とを備える。索状物300は、例えばワイヤロープであって、その一端が操作機構2に接続されている。回転ドラム310は、索状物300の巻き上げ及び巻き下げを行う。索状物300が回転ドラム310によって巻き上げられることによって、操作機構2は上昇する。一方で、索状物300が回転ドラム310によって巻き下げられることによって、操作機構2は下降する。回転ドラム310は、サーボモータ130によって回転制御される。以後、索状物300を「ワイヤ300」と呼ぶことがある。
第2移動機構4は、第1水平方向DR1に沿って走行可能な走行台車410と、第1水平方向DR1に沿って延在し、走行台車410の走行をガイドするガイド部材400とを備える。走行台車410は、ガイド部材400に沿って走行可能となるように当該ガイド部材400に取り付けられている。走行台車410には、サーボモータ130と、回転ドラム310と、サーボモータ140とが搭載されている。ガイド部材400にはサーボモータ150が取り付けられている。走行台車410の底面には、後述する変位センサ7が取り付けられている。変位センサ7は、ワイヤ300を周方向に取り囲んでいる。走行台車410は、サーボモータ140によって走行制御される。走行台車410がガイド部材400に沿って走行することによって、変位センサ7と、第1移動機構3と、ワイヤ300に接続された操作機構2とが、一緒に第1水平方向DR1に沿って移動する。
第3移動機構5は、第2水平方向DR2に沿って延在する一対のガイド部材500と、第2移動機構4のガイド部材400に沿って延在する走行用シャフト510とを備える。一対のガイド部材500は、第1水平方向DR1において互いに平行に対向しており、第2水平方向DR2に沿った第2移動機構4の走行をガイドする。走行用シャフト510は、ガイド部材400に沿うように、ガイド部材400に回転可能に取り付けられている。図1では、走行用シャフト510はガイド部材400の陰にかくれており、走行用シャフト510は破線で示されている。
走行用シャフト510の長手方向の両端には図示しない走行用ローラが取り付けられている。走行用シャフト510の両端に取り付けられた2つの走行用ローラは、一対のガイド部材500の上にそれぞれ搭載されている。走行用シャフト510は、サーボモータ150によって回転制御される。サーボモータ150が走行用シャフト510を回転させると、当該走行用シャフト510の両端に取り付けられた2つの走行用ローラが一対のガイド部材500の上で回転する。2つの走行用ローラが回転すると、走行用シャフト510が取り付けられたガイド部材400が一対のガイド部材500に沿って走行する。つまり、ガイド部材400が第2水平方向DR2に沿って走行する。
ガイド部材400の長手方向の両端部には、走行用シャフト510の両端に取り付けられた走行用ローラがガイド部材500から脱線することを防止するための脱線防止部材520が取り付けられている。各脱線防止部材520には複数のガイドローラが設けられている。脱線防止部材520の複数のガイドローラはガイド部材500に係合している。これにより、走行用シャフト510の両端に取り付けられた走行用ローラがガイド部材500から脱線することを防止することができる。
ガイド部材400の長手方向の一方の端部の上には制御装置6が配置されている。制御装置6は、ガイド部材400の長手方向の一方の端部に対して、固定部材60によって固定されている。また、制御装置6は、ガイド部材400の長手方向の一方の端部に取り付けられた脱線防止部材520に対しても、固定部材61によって固定されている。
サーボモータ150によって走行用シャフト510が回転させられると、2つの脱線防止部材520と、第2移動機構4と、サーボモータ150と、走行用シャフト510と、制御装置6と、第1移動機構3と、変位センサ7、操作機構2とが、一緒に第2水平方向DR2に沿って移動する。
一対のガイド部材500は、一対の接続部材70によって互いに接続されている。一対の接続部材70は、第1水平方向DR1と平行に対向している。一対のガイド部材500の長手方向の両端部は、一対の接続部材70で接続されている。
一対のガイド部材500及び一対の接続部材70は、床面あるいは地面に立設する4つの脚部材71によって支持されている。2つの脚部材71は、一方のガイド部材500の長手方向の一方の端部及び他方の端部の底面からそれぞれ延びており、残りの2つの脚部材71は、他方のガイド部材500の長手方向の一方の端部及び他方の端部の底面からそれぞれ延びている。
一対のガイド部材500及び一対の接続部材70とで構成される四角形の各角部には、一対の補強部材72が設けられている。各角部では、当該角部を構成するガイド部材500及び接続部材70と、当該角部を支持する脚部材71との間が、一対の補強部材72で接続されている。
一対のガイド部材500の長手方向の両端部のそれぞれには、第2移動機構4等の第2水平方向DR2に沿った走行を機械的に止めるためのストッパ80が設けられている。これにより、第2移動機構4等が一対のガイド部材500を超えて移動することを防止することができる。
また、ガイド部材400の長手方向の両端部のそれぞれには、走行台車410の第1水平方向DR1に沿った走行を機械的に止めるためのストッパ81が設けられている。これにより、走行台車410がガイド部材400を超えて移動することを防止することができる。
以上のような構成を有するハンドリングシステム1では、操作者100は、ハンドル200を手に持って当該ハンドル200を操作することによって、質量が大きいワーク10を簡単に操作することができる。例えば、ハンドル200に対して、鉛直方向DR3に垂直な方向の周りの回転操作力がかかると、サーボモータ210の働きにより、その回転操作力をアシストするアシスト回転力が発生する。これにより、操作者100は、手に持つハンドル200に対して小さい回転操作力を加えることによって、質量が大きいワーク10の姿勢を、鉛直方向DR3に垂直な方向の周りに簡単に回転させることができる。以後、単に回転操作力と言えば、鉛直方向DR3に垂直な方向の周りの回転操作力を意味する。
また、ハンドル200に対して鉛直方向DR3の操作力がかかると、サーボモータ130の働きにより、その操作力をアシストする鉛直アシスト力が発生する。これにより、操作者100は、手に持つハンドル200に対して、鉛直方向DR3の小さな操作力を加えることによって、質量が大きいワーク10を鉛直方向DR3に簡単に移動させることができる。以後、鉛直方向DR3の操作力を「鉛直操作力」と呼ぶことがある。
また、ハンドル200に対して第1水平方向DR1の操作力がかかると、サーボモータ140の働きにより、その操作力をアシストする第1水平アシスト力が発生する。これにより、操作者100は、手に持つハンドル200に対して、第1水平方向DR1の小さな操作力を加えることによって、質量が大きいワーク10を第1水平方向DR1に沿って簡単に移動させることができる。以後、第1水平方向DR1の操作力を「第1水平操作力」と呼ぶことがある。
また、ハンドル200に対して第2水平方向DR2の操作力がかかると、サーボモータ150の働きにより、その操作力をアシストする第2水平アシスト力が発生する。これにより、操作者100は、手に持つハンドル200に対して、第2水平方向DR2の小さな操作力を加えることによって、質量が大きいワーク10を第2水平方向DR2に沿って簡単に移動させることができる。以後、第2水平方向DR2の操作力を「第2水平操作力」と呼ぶことがある。
また、ハンドル200に対して、第1水平方向DR1及び第2水平方向DR2に対して平行でなくかつ垂直でない水平方向(以後、「第3水平方向」と呼ぶことがある)の操作力がかかると、サーボモータ140,150の働きにより、その水平方向の操作力をアシストするアシスト力が発生する。
ここで、ハンドル200に対して第3水平方向の操作力が加えられている状態は、ハンドル200に対して、第1水平方向の操作力(分力)と、第2水平方向の操作力(分力)とが加えられている状態である。本例では、サーボモータ140の働きにより、ハンドル200にかかる第1水平操作力をアシストする第1水平アシスト力が発生し、サーボモータ150の働きにより、ハンドル200にかかる第2水平操作力をアシストする第2水平アシスト力が発生することによって、ハンドル200にかかる第3水平方向の操作力をアシストするアシスト力が発生する。これにより、操作者100は、手に持つハンドル200に対して、第3水平方向の小さい操作力を加えることによって、質量が大きいワーク10を当該第3水平方向に沿って簡単に移動させることができる。つまり、操作者100は、ハンドル200を操作することによって、質量が大きいワーク10を自由にかつ簡単に水平面に沿って移動させることができる。以後、第1水平方向DR1、第2水平方向DR2及び第3水平方向を総称して「水平方向」と呼ぶことがある。
以上のように、操作者100は、ハンドル200に対して鉛直操作力を加えることによって、ワーク10を鉛直方向に沿って簡単に移動させることができる。また、操作者100は、ハンドル200に対して水平方向の操作力を加えることによって、ワーク10を水平方向に沿って簡単に移動させることができる。そして、操作者100は、ハンドル200に対して回転操作力を加えることによって、ワーク10の姿勢を鉛直方向DR3に垂直な方向の周りに回転させることができる。よって、操作者100は、ハンドル200の操作により、ワーク10の鉛直方向DR3に沿った移動と、ワーク10の水平方向に沿った移動とを同時に行うことができる。また、操作者100は、ハンドル200の操作により、ワーク10の移動と、ワーク10の姿勢の回転とを同時に行うことができる。
例えば、操作者100は、ハンドル200を操作することによって、ワーク10を鉛直方向DR3に移動させながら、当該ワーク10を水平方向に移動させることができる。また、操作者100は、ハンドル200を操作することによって、ワーク10の姿勢を鉛直方向DR3に垂直な方向の周りに回転させながら、当該ワーク10を鉛直方向DR3に沿って移動させることができる。また、操作者100は、ハンドル200を操作することによって、ワーク10の姿勢を鉛直方向DR3に垂直な方向の周りに回転させながら、当該ワーク10を水平方向に沿って移動させることができる。また、操作者100は、ハンドル200を操作することによって、ワーク10の姿勢を、鉛直方向DR3に垂直な方向の周りに回転させながら、かつ、当該ワーク10を鉛直方向DR3に沿って移動させながら、当該ワーク10を水平方向に移動させることができる。
以後、操作機構2及びワーク10の姿勢の回転と言えば、操作機構2及びワーク10の姿勢が鉛直方向DR3に垂直な方向の周りに回転することを意味する。また、サーボモータ210,130,140,150を、それぞれ、「回転モータ210」、「鉛直モータ130」、「第1水平モータ140」及び「第2水平モータ150」と呼ぶことがある。また、サーボモータ210,130,140,150に内蔵されているブレーキを、それぞれ、「回転モータブレーキ」、「鉛直モータブレーキ」、「第1水平モータブレーキ」及び「第2水平モータブレーキ」と呼ぶことがある。以下にハンドリングシステム1の各構成について詳細に説明する。
<操作機構の構成>
図2は斜め前から見た際の初期姿勢の操作機構2を示す斜視図である。図3は斜め後ろから見た際の初期姿勢の操作機構2を示す斜視図である。図4は、操作機構2の姿勢が、初期姿勢から、鉛直方向DR3に垂直な方向に回転させられた状態の当該操作機構2をほぼ正面から見た際の当該操作機構2を示す図である。図5は、操作機構2の姿勢が、初期姿勢から、鉛直方向に垂直な方向に回転させられた状態の当該操作機構2を斜め後ろから見た際の当該操作機構2を示す斜視図である。図2にはワーク10を保持している操作機構2が示され、図3にはワーク10を保持していない操作機構2が示されている。
図2〜5に示される第1方向DR11、第2方向DR12及び第3方向DR13は、操作機構2に対して設定された直交座標系の3方向をそれぞれ示す。第1方向DR11、第2方向DR12及び第3方向DR13を、それぞれ、上下方向DR11、左右方向DR12及び前後方向DR13と呼ぶ。操作機構2の姿勢が初期姿勢である場合には、上下方向DR11は鉛直方向DR3に一致する。
操作機構2は、ワイヤ接続機構700によってワイヤ300の下端に接続されている。これにより、操作機構2は、ワイヤ300によって、走行台車410から吊り下げられた状態となる。ワイヤ接続機構700は、全体的には、上下方向DR11に長くなっている。ワイヤ接続機構700は、ワイヤ300がねじれることを抑制するためのねじれ抑制部材701と、当該ねじれ抑制部材701から鉛直方向DR3に沿って下側に延びる板状接続部材702とを備えている。操作機構2は板状接続部材702に接続される。ワイヤ300の下端は、ねじれ抑制部材701が有するリング部材701aに接続される。リング部材701aは鉛直方向DR3の周りに回転することが可能である。これより、操作機構2が鉛直方向DR3の周りに回転したとしても、ワイヤ300がねじれることを抑制することができる。
操作機構2は、図2〜4に示されるように、上述のハンドル200及び回転モータ210以外にも、ワーク10を保持する保持機構220と、平行リンク機構230と、スイッチボックス240とを備えている。さらに、操作機構2は、操作力検出センサ250と、把持状態検出センサ260と、自重回転力低減機構270とを備えている。以下に操作機構2の各構成について詳細に説明する。以後、操作機構2の説明に関して、操作者100が存在する側を操作機構2の「前側」あるいは「手前側」と呼ぶ。また、単に「右側」と言えば、操作機構2を前側から見て右側を意味し、単に「左側」と言えば、操作機構2を前側から見て左側を意味する。
<ハンドル>
ハンドル200は、左右の一対のグリップ201を有している。一対のグリップ201の構造は左右対称となっている。各グリップ201は、L字状になっており、上下方向DR11に沿って延びる棒状の第1部分グリップ202と、左右方向DR12に沿って延びる棒状の第2部分グリップ203とを備えている。一対のグリップ201の第1部分グリップ202は対を成し、一対のグリップ201の第2部分グリップ203は対を成す。
操作者100は、例えば、図6に示されるように、両手で一対の第1部分グリップ202を把持した状態で、ハンドル200を操作することが可能である。つまり、操作者100は、左側の手101Lで左側の第1部分グリップ202を把持し、右側の手101Rで右側の第1部分グリップ202を把持した状態で、ハンドル200を操作することが可能である。
また操作者100は、例えば、図7に示されるように、両手で一対の第2部分グリップ203を把持した状態で、ハンドル200を操作することが可能である。つまり、操作者100は、左側の手101Lで左側の第2部分グリップ203を把持し、右側の手101Rで右側の第2部分グリップ203を把持した状態で、ハンドル200を操作することが可能である。
さらに、操作者100は、左側の手101Lで左側の第1部分グリップ202を把持し、右側の手101Rで右側の第2部分グリップ203を把持した状態で、ハンドル200を操作することも可能である。また操作者100は、左側の手101Lで左側の第2部分グリップ203を把持し、右側の手101Rで右側の第1部分グリップ202を把持した状態で、ハンドル200を操作することも可能である。
<平行リンク機構について>
平行リンク機構230は、ハンドル200よりも奥側に位置する。平行リンク機構230は、互いに平行な上側リンク231及び下側リンク232と、互いに平行な2つの左右側リンク233とを備えている。平行リンク機構230は、四節リンク機構とも呼ばれる。上側リンク231及び下側リンク232は左右方向DR12に沿って延在する。2つの左右側リンク233は、途中で斜めに曲がっているものの、全体的には上下方向DR11に沿って延在している。
上側リンク231は板状部材であって、その厚み方向は上下方向DR11に一致している。上側リンク231には、その厚み方向に貫通する貫通孔231aが設けられている(図2,5参照)。貫通孔231aは、左右方向DR12に沿って延在している。貫通孔231aには、ワイヤ接続機構700の板状接続部材702が挿入されている(図3,5参照)。板状接続部材702の厚み方向は、前後方向DR13に一致している。板状接続部材702は、上側リンク231の少し上方から、平行リンク機構230の上下方向DR11の長さの半分ぐらいまで延びている。
上側リンク231には、操作機構2の重量バランスを調整するための直方体のバランス調整部材280が、板状固定部材281によって固定されている。バランス調整部材280は、板状接続部材702の後ろ側であって、上側リンク231よりも下側に位置している。板状接続部材702と、バランス調整部材280との間には、板状固定部材281が存在する。
<回転モータ>
回転モータ210は前後方向DR13に長い形状を有している。回転モータ210は、上側リンク231よりも手前側であって、上側リンク231よりも下側に位置している。回転モータ210の出力軸210b(図3参照)は、ワイヤ接続機構700の板状接続部材702のうち、上側リンク231よりも下側の部分に接続される。ワイヤ接続機構700の板状接続部材702のうち、上側リンク231よりも下側の部分には従動軸が取り付けられている。回転モータ210の出力軸210bはカップリング216を介して従動軸に接続されている。
回転モータ210の本体部210aは、固定部材215によって、上側リンク231に固定されている。固定部材215は、本体部210aに接続されたL字形部材215aと、上下方向DR11に沿って延在する板状部材215bとを備える。板状部材215bの長手方向の一端はL字形部材215aに接続されており、板状部材215bの長手方向の他端は上側リンク231に接続されている。板状部材215bは、板状接続部材702よりも手前側に位置しており、カップリング216は板状部材215bよりも手前側に位置する。板状接続部材702に取り付けられた従動軸は、板状部材215bに固定されないように当該板状部材215bを貫通して、カップリング216に接続されている。本体部210aは、ハンドル200よりも少し手前側から、下側リンク232の真上付近まで延在している。本体部210aから延びる複数本のケーブル211は、スイッチボックス240まで延びている。回転モータ210の回転中心は、操作機構2で保持されているワーク10よりも上方に位置する。
<操作力検出センサ>
操作力検出センサ250は、ハンドル200にかかる操作力を検出する。操作力検出センサ250は、例えば、一対の力センサ251を備える。各力センサ251は例えばロードセルである。一方の力センサ251は、一方のグリップ201にかかる操作力を検出する。具体的には、一方の力センサ251は、一方のグリップ201にかかる、上下方向DR11に沿った操作力を検出する。他方の力センサ251は、他方のグリップ201にかかる、上下方向DR11に沿った操作力を検出する。各力センサ251は前後方向DR13に長くなっている。一方の力センサ251は、一方のグリップ201の第1部分グリップ202の上端から後方に向けて延在している。他方の力センサ251は、他方のグリップ201の第1部分グリップ202の上端から後方に向けて延在している。一対の力センサ251は左右方向DR12で平行に対向している。
操作機構2は、一対の力センサ251をそれぞれ保護する一対の保護カバー部材255を備える。一対の保護カバー部材255は、上側リンク231に固定されている。各保護カバー部材255は前後方向DR13に長くなっている。一方の保護カバー部材255は、一方の力センサ251の上面と外側の側面とを覆っている。他方の保護カバー部材255は、他方の力センサ251の上面と外側の側面とを覆っている。
図8は、力センサ251を、その内側の側面から見た様子を示す図である。図8に示されるように、力センサ251の自由端251aは、グリップ201の第1部分グリップ202の上面202aに接続されている。力センサ251の自由端251aには、グリップ201だけが取り付けられている。一方で、力センサ251の固定端251bは、当該力センサ251を保護する保護カバー部材255にスペーサ部材256を介して固定されている。これにより、各力センサ251は、それが接続されたグリップ201にかかる上下方向DR11に沿った操作力を検出することができる。
例えば、上述の図6に示されるように、操作者100が一対の第1部分グリップ202を両手で把持した状態で、上下方向DR11に沿って両手を動かしたとき、それによって一対の第1部分ブリップ202にかかる上下方向DR11に沿った操作力が、一対の力センサ251でそれぞれ検出される。
また上述の図7に示されるように、操作者100が一対の第2部分グリップ203を両手で把持した状態で、上下方向DR11に沿って両手を動かしたとき、それによって一対の第1部分グリップ202にかかる上下方向DR11に沿った操作力が、一対の力センサ251でそれぞれ検出される。
以後、操作者100が第1部分グリップ202を手で持つことを「縦持ち」と呼ぶことがある。また、操作者100が第2部分グリップ203を手で持つことを「横持ち」と呼ぶことがある。また、一対の力センサ251において、左側の力センサ251を「左側力センサ251」、右側の力センサ251を「右側力センサ251」と呼ぶことがある。また、一対のグリップ201において、左側のグリップ201を「左側グリップ201」、右側のグリップ201を「右側グリップ201」と呼ぶことがある。
<把持状態検出センサ>
図2,3に示す把持状態検出センサ260は、操作者100のハンドル200に対する把持状態を検出する。把持状態検出センサ260は、例えば、非把持状態と、両方弱把持状態と、片方弱把持状態と、強把持状態とを検出することが可能である。
非把持状態とは、一対のグリップ201のいずれも把持されていない状態を意味する。両方弱把持状態は、第1段階の把持力で一対のグリップ201の両方が把持されている状態を意味する。片方弱把持状態は、第1段階の把持力で一対のグリップ201の一方だけが把持されている状態を意味する。強把持状態は、第1段階の把持力よりも大きい第2段階の把持力で一対のグリップ201の少なくとも一方が把持されている状態を意味する。両方弱把持状態は、ある程度の把持力で一対のグリップ201の両方が把持されている状態であるといえる。片方弱把持状態は、ある程度の把持力で一対のグリップ201の一方だけが把持されている状態と言える。強把持状態は、大きい把持力で一対のグリップ201の少なくとも一方が把持されている状態と言える。
把持状態検出センサ260は、縦持ち用の第1把持状態検出センサ261と、横持ち用の第2把持状態検出センサ262とを備える。第1把持状態検出センサ261は、操作者100がハンドル200を縦持ちする場合の非把持状態、両方弱把持状態、片方弱把持状態及び強把持状態を検出することができる。第2把持状態検出センサ262は、操作者100がハンドル200を横持ちする場合の非把持状態、両方弱把持状態、片方弱把持状態及び強把持状態を検出することができる。
第1把持状態検出センサ261は、一対の第1スイッチ261aを備える。一対の第1スイッチ261aは、一対の第1部分グリップ202の裏側に取り付けられている。各第1スイッチ261aは押圧式スイッチである。各第1スイッチ261aの状態としては、オフ状態と、半押し状態と、全押し状態とが存在する。第1スイッチ261aが押されていない場合と、第1スイッチ261aに対する押圧力が非常に弱い場合には、第1スイッチ261aはオフ状態となる。第1スイッチ261aがある程度の力で押されている場合には、第1スイッチ261aは半押し状態となる。そして、第1スイッチ261aが、半押し状態よりも大きい押圧力で押されている場合には、第1スイッチ261aは全押し状態となる。
操作者100は、一方の第1部分グリップ202を一方の手で把持した状態で、当該第1部分グリップ202の裏側の一方の第1スイッチ261aを当該一方の手の指で押すことができる(図6参照)。また、操作者100は、他方の第1部分グリップ202を他方の手で把持した状態で、当該第1部分グリップ202の裏側の他方の第1スイッチ261aを当該他方の手の指で押すことができる(図6参照)。
第2把持状態検出センサ262は、一対の第2スイッチ262aを備える。一対の第2スイッチ262aは、一対の第2部分グリップ203の裏側に取り付けられている。各第2スイッチ262aは、第1スイッチ261aと同様に動作する。
操作者100は、一方の第2部分グリップ203を一方の手で把持した状態で、当該第2部分グリップ203の裏側の一方の第2スイッチ262aを当該一方の手の指で押すことができる(図7参照)。また、操作者100は、他方のグリップ201の第2部分グリップ203を他方の手で把持した状態で、当該第2部分グリップ203の裏側の他方の第2スイッチ262aを当該他方の手の指で押すことができる(図7参照)。
このような構成を有する把持状態検出センサ260では、一対のグリップ201の両方が把持されていないときには、一対の第1スイッチ261a及び一対の第2スイッチ262aのすべてがオフ状態になる。したがって、一対の第1スイッチ261a及び一対の第2スイッチ262aのすべてがオフ状態のときには、把持状態検出センサ260において非把持状態が検出されていると言える。
また、操作者100が、両手で、一対の第1部分グリップ202をある程度の把持力で把持すると、一対の第1スイッチ261aの両方が半押し状態となる。したがって、一対の第1スイッチ261aの両方が半押し状態のときには、把持状態検出センサ260において両方弱把持状態が検出されていると言える。同様に、操作者100が、両手で、一対の第2部分グリップ203をある程度の把持力で把持すると、一対の第2スイッチ262aの両方が半押し状態となる。したがって、一対の第2スイッチ262aの両方が半押し状態のときには、把持状態検出センサ260において両方弱把持状態が検出されていると言える。
また、操作者100が、両手で、左側の第1部分グリップ202及び右側の第2部分グリップ203をある程度の把持力で把持すると、左側の第1スイッチ261aと右側の第2スイッチ262aが半押し状態となる。同様に、操作者100が、両手で、左側の第2部分グリップ203及び右側の第1部分グリップ202をある程度の把持力で把持すると、左側の第2スイッチ262aと右側の第1スイッチ261aが半押し状態となる。したがって、左側の第1スイッチ261aと右側の第2スイッチ262aが半押し状態のときと、左側の第2スイッチ262aと右側の第1スイッチ261aが半押し状態のときには、把持状態検出センサ260において両方弱把持状態が検出されていると言える。
また、操作者100が、片手で、一方の第1部分グリップ202をある程度の把持力で把持すると、当該一方の第1部分グリップ202の裏側の第1スイッチ261aが半押し状態となる。したがって、一対の第1スイッチ261aの一方だけが半押し状態のときには、把持状態検出センサ260において片方弱把持状態が検出されていると言える。同様に、操作者100が、片手で、一方の第2部分グリップ203をある程度の把持力で把持すると、当該一方の第2部分グリップ203の裏側の第2スイッチ262aが半押し状態となる。したがって、一対の第2スイッチ262aの一方だけが半押し状態のときには、把持状態検出センサ260において片方弱把持状態が検出されていると言える。
また、操作者100が、一対の第1部分グリップ202のうち、少なくとも一方の第1部分グリップ202を大きい把持力で把持すると、つまり、一対の第1部分グリップ202のうちの少なくとも一方を強く握ると、当該少なくとも一方の第1部分グリップ202の裏側の第1スイッチ261aが全押し状態となる。したがって、一対の第1スイッチ261aのうちの少なくとも一方が全押し状態のときには、把持状態検出センサ260において強把持状態が検出されていると言える。同様に、操作者100が、一対の第2部分グリップ203のうち、少なくとも一方の第2部分グリップ203を大きい把持力で把持すると、当該少なくとも一方の第2部分グリップ203の裏側の第2スイッチ262aが全押し状態となる。したがって、一対の第2スイッチ262aのうちの少なくとも一方が全押し状態のときには、把持状態検出センサ260において強把持状態が検出されていると言える。
<保持機構>
保持機構220は下側リンク232に固定されている。保持機構220は、左右方向DR12に並ぶ、ワーク10を支持する一対の支持機構221と、一対の支持機構221を互いに連結する連結機構228とを備えている。一対の支持機構221の構造は左右対称となっている。保持機構220では、当該保持機構220がワーク10を保持すると、当該ワーク10の自重により、当該ワーク10が当該保持機構220から落下することを防止する落下防止機能が働く。よって、特別な操作をすることなく、ワーク10が落下することを防止することができる。
図9,10は、操作機構2を斜め後ろから見た際の支持機構221を拡大して示す斜視図である。図9,10には、操作機構2を後方から見て右側の支持機構221が示されている。図9には、ワーク10を支持していないときの支持機構221が示され、図10には、ワーク10を支持しているときの支持機構221が示されている。図10では、ワーク10の記載を省略している。図9,10に示されるように、各支持機構221は、L字形部材222と、リンク機構223と、ワーク10を支持する支持部材224と、バネ225とを備えている。
L字形部材222は、左右方向DR12に沿って長い第1部分222aと、上下方向DR11に沿って長い第2部分222bとを備える。第2部分222bは、第1部分222aの長手方向の外側端部から下方に延びている。
支持部材224は、第2部分222bの下側端部に固定されている。支持部材224は、第2部分222bから前後方向DR13に沿って後方に延びている。支持部材224の上面224aには、ワーク10を支持する凹状支持面224bが設けられている。凹状支持面224bは、第2部分222bよりも後方に位置する。
リンク機構223及びバネ225は、支持機構221がワーク10を支持したときに、ワーク10が支持機構221から落下することを防止する落下防止機能を働かせるための機構である。リンク機構223は、第1リンク223aと、第2リンク223bと、第3リンク223cと、第4リンク223dとを備えている。
第1リンク223aは、支持部材224に沿うように前後方向DR13に沿って延在している。第1リンク223aは、L字形部材222の第2部分222bよりも内側において、当該第2部分222bよりも前方から、当該第2部分222bよりも後方まで延在している。第1リンク223aの上面223aaには、ワーク10と接する凹状面223abが設けられている。凹状面223abは、第2部分222bよりも後方に位置する。支持機構221でワーク10が支持されていない状態では、図9に示されるように、凹状面223abは、凹状支持面224bよりも少し上方に位置している。第1リンク223aは、その長手方向の中央部に、上方に突出する突出部223acを備える。
第3リンク223cは、L字形部材222の第2部分222bに固定されている。第3リンク223cは、第2部分222bよりも前方から後方まで延在している。第3リンク223cの後方の端部は、第1リンク223aの突出部223acの外側の面に接続されている。第3リンク223cの後方の端部と、第1リンク223aの突出部223acとの接続箇所が、回転軸が左右方向DR12に沿った第1回転対偶2231となっている。
板状の第4リンク223dは、第1リンク223aの上方に位置している。第4リンク223dは、第1リンク223aの前方の端部の付近から、後方斜め上方に向けて延びた後、L字形部材222の後方で凸となるように後方斜め下方に向けて延びている。上下方向DR11において、第4リンク223dの後方の端部と、第1リンク223a及び支持部材224の後方の端部との間に隙間227が空いている。
板状の第2リンク223bは、第1リンク223aの前方の端部と、第4リンク223dの前方の端部とを接続している。第2リンク223bは、第1リンク223a及び第4リンク223dよりも内側に位置する。第2リンク223bと、第1リンク223aの前方の端部との接続箇所は、回転軸が左右方向DR12に沿った第2回転対偶2232となっている。第2リンク223bと、第4リンク223dの前方の端部との接続箇所は、回転軸が左右方向DR12に沿った第3回転対偶2233となっている。
第3リンク223cの前方の端部は、第4リンク223dにおける、第2リンク223bとの接続箇所(第3回転対偶2233)よりも少し後方の部分に接続されている。この接続箇所は、回転軸が左右方向DR12に沿った第4回転対偶2234となっている。
バネ225は、L字形部材222よりも少し前側に位置している。バネ225の一端は、第1リンク223aの下方に位置し、固定部材226によってL字形部材222の第2部分222bに固定されている。バネ225の他端は、第1リンク223aの前側の端部に固定されている。第1リンク223aに対するバネ225の他端の固定箇所と、第2回転対偶2232とは、左右方向DR12に沿って並んでいる。バネ225の一端及び他端は、バネ225が伸びるように、第2部分222b及び第1リンク223aにそれぞれ固定されている。
図11は、一対の支持機構221を連結する連結機構228を拡大して示す斜視図である。図11には、保持機構220を前方斜めから見た場合の連結機構228が示されている。連結機構228は、一対の対向面が開放した角パイプ部材228aと、当該角パイプ部材228aに取り付けられるボルト228bとを備えている。
角パイプ部材228aは、平行リンク機構230の下側リンク232の下方に位置し、下側リンク232に固定されている。角パイプ部材228aでは、左右方向DR12で対向する一対の対向面が開放している。角パイプ部材228aには、一対の支持機構221のL字形部材222の第1部分222aが、前後方向DR13で重なるように、左右方向DR12から挿入される。各支持機構221のL字形部材222の第1部分222aには、ボルト228bを挿通することが可能な複数の通し穴222aaが設けられている。第1部分222aでは、複数の通し穴222aaは左右方向DR12に沿って並んでいる。角パイプ部材228aの前側の面には、ボルト228bを挿通することが可能な通し穴228aaが設けられている。角パイプ部材228aの通し穴228aaと、一方の支持機構221の第1部分222aの通し穴222aaと、他方の支持機構221の第1部分222aの通し穴222aaとが互いに重なるように、一対の支持機構221の第1部分222aが角パイプ部材228aに挿入される。そして、ボルト228bが、角パイプ部材228aの手前側から、角パイプ部材228aの通し穴228aaと、一方の支持機構221の第1部分222aの通し穴222aaと、他方の支持機構221の第1部分222aの通し穴222aaとに挿通され、角パイプ部材228aの後ろ側の対向位置に設けられたネジ穴と螺合することによって、一対の支持機構221が互いに連結される。ボルト228bは、逆の手順により通し穴222aa,228aaから外すことも可能である。
本例では、一対の支持機構221の支持部材224bの間での左右方向DR12の距離を変更することができる。上記のように、一対の支持機構221の第1部分222aのそれぞれには、左右方向DR12に沿って並ぶ複数の通し穴222aaが設けられている。第1部分222aの複数の通し穴222aaにおいて、ボルト228bが挿通される通し穴222aaを変更することによって、一対の支持機構221の支持部材224bの間での左右方向DR12の距離を変更することができる。これより、当該距離を、ワーク10の左右方向DR12の長さに応じて調整することができる。よって、保持機構220は複数種類のワーク10を保持することができる。
以上のような構成を有する保持機構220では、支持機構221がワーク10を支持していない場合には、伸びているバネ225の弾性力により、第1リンク223a及び支持部材224の後方の端部と、第4リンク223dの後方の端部との間の隙間227が大きくなるように、リンク機構223の形状が保持される(図9及び上述の図3参照)。
ワーク10は、一対の支持機構221の支持部材224によって、下側からすくい上げられて、支持部材224の凹状支持面224bで支持される。
ワーク10が支持機構221で支持されると、ワーク10の自重により、凹状支持面224bよりも少し上方に位置していた凹状面223abが凹状支持面224bとほぼ同じ高さまで下方に移動するようにリンク機構223が働く。このとき、リンク機構223の働きにより、第4リンク223dの後方の端部が下方に移動する。これにより、図10に示されるように、第1リンク223a及び支持部材224の後方の端部と、第4リンク223dの後方の端部との間の隙間227が小さくなる。よって、ワーク10が一対の支持機構221から落下することを防止することができる。図2等の例のように、ワーク10が例えばロータであり、支持機構221がロータの軸を支持している場合には、隙間227は、当該ロータの軸の径よりも小さくなる。なお図10では、隙間227が小さくなっていることが理解できるように、ワーク10の図示を省略している。
<スイッチボックス>
図4に示されるように、スイッチボックス240は、電源スイッチ241と、2つの非常停止ボタン242とを備えている。またスイッチボックス240は、電源インジケータ243a、停止インジケータ244a、保持インジケータ245a、水平インジケータ246a及び全方向インジケータ247aを備えている。電源スイッチ241、電源インジゲータ243a、停止インジケータ244a、保持インジケータ245a、水平インジケータ246a及び全方向インジケータ247aは、スイッチボックス240の前面240aに設けられている。2つの非常停止ボタン242は、スイッチボックス240の左右方向DR12の2つの側面240bにそれぞれ設けられている。スイッチボックス240は、一対の保護カバー部材255の上面に固定されている。
操作者100は、電源スイッチ241を操作して、電源スイッチ241をオン状態にしたり、オフ状態にしたりすることができる。電源スイッチ241がオン状態のとき、ハンドリングシステム1に対する電源供給が行われる。一方で、電源スイッチ241がオフ状態のとき、ハンドリングシステム1に対する電源供給が停止する。したがって、電源スイッチ241がオフ状態のときには、サーボモータ130,140,150,210は駆動されない。以後、ハンドリングシステム1に対する電源供給が行われている状態を「システム動作状態」と呼ぶことがある。また、ハンドリングシステム1に対する電源供給が停止している状態を「システム停止状態」と呼ぶことがある。
操作者100は、非常停止ボタン242を操作することによって、非常停止ボタン242を、非常停止状態にしたり、解除状態にしたりすることができる。システム動作状態において、2つの非常停止ボタン242の少なくとも一方が操作されて非常停止状態になると、ハンドリングシステム1の動作モードはシステム停止状態となる。非常停止状態の非常停止ボタン242は赤色に発光する。
システム動作状態では、電源インジケータ243aは発光し、停止インジケータ244aは消灯する。一方で、システム停止状態では、電源インジケータ243a及び停止インジケータ244aがともに発光する。
システム動作状態には、後述する保持制御モード、水平制御モード及び全方向制御モードが含まれる。動作モードが保持制御モードである場合には、保持インジケータ245a、水平インジケータ246a及び全方向インジケータ247aのうち、保持インジケータ245aだけが発光する。動作モードが水平制御モードである場合には、先のうちの水平インジケータ246aだけが発光する。動作モードが全方向制御モードである場合には、先のうちの全方向インジケータ247aだけが発光する。
図3,5に示されるように、スイッチボックス240の背面240cには、電源インジケータ243a、停止インジケータ244a、保持インジケータ245a及び水平インジケータ246aとそれぞれ同様に発光する電源インジケータ243b、停止インジケータ244b、保持インジケータ245b及び水平インジケータ246bが設けられている。また、スイッチボックス240の背面240cには、全方向インジケータ247aと同様に発光する、図示しない全方向インジケータが設けられている。
操作機構2が制御装置6に出力する各種電気信号は、スイッチボックス240の上面240dから露出するケーブル710によって制御装置6に伝達される。ケーブル710は、操作機構2の上方の走行台車410に向かって延びている。
<操作機構の姿勢の回転>
操作者100が、鉛直方向DR3に垂直な方向の周りにハンドル200を回転させると、図4,5に示されるように、ワイヤ接続機構700の姿勢は回転せずに、操作機構2の姿勢が回転する。操作機構2の姿勢は、操作機構2を前方から見て、時計回りに回転することも可能であるし(図4参照)、反時計回りに回転することも可能である。
操作機構2では、上述の説明から理解できるように、ハンドル200と、回転モータ210と、平行リンク機構230の上側リンク231と、スイッチボックス240と、操作力検出センサ250と、一対の保護カバー部材255と、把持状態検出センサ260と、バランス調整部材280とが一体化されている。これらの要素は、一体となって、回転モータ210の出力軸210bの周りに回転する。
一方で、平行リンク機構230の下側リンク232に固定された保持機構220の回転中心は、平行リンク機構230の働きにより、回転モータ210の回転中心よりも下方に位置する。本例では、保持機構220は、それが保持しているワーク10の重心付近を通る、前後方向DR13に沿った回転軸の周りに回転する。その結果、ワーク10の回転中心が、ワーク10の重心付近となる。
これに対して、保持機構220が回転モータ210の出力軸210bの周りに回転し、保持機構220の回転中心と回転モータ210の回転中心とが一致する場合には、保持機構220で保持されているワーク10の回転中心は、その重心から大きく離れることになる。この場合には、ワーク10の姿勢を回転させるために大きなトルクが必要になる。
本例では、平行リンク機構230の働きにより、ワーク10の回転中心を、その重心に近づけることができることから、ワーク10を小さいトルクで回転させることができる。
<自重回転力低減機構>
図4,5に示されるように、ワーク10を保持している操作機構2の姿勢が回転する場合には、操作機構2の重量バランス等の影響により、操作機構2の姿勢がある程度回転すると、操作機構2の自重により、操作機構2の姿勢をさらに回転させるような回転力が発生する。この回転力を「自重回転力」と呼ぶ。
自重回転力が発生する場合には、操作者100は、操作機構2の姿勢を回転させた後に当該姿勢を保持したいとき、自重回転力に負けないようにハンドル200を操作する必要がある。その結果、ワーク10を操作しにくくなる。
本例では、操作機構2において、自重回転力を低減する自重回転力低減機構270が設けられている。これにより、操作者100はワーク10を操作しやすくなる。
図3,5に示されるように、自重回転力低減機構270は、バネ271と、平板部材272と、L字形に曲げられた板状部材273,275と、取付部材274,276とを備えている。
平板部材272は、ワイヤ接続機構700の板状接続部材702の上面から後方に向けて延在している。平板部材272の前後方向DR13の一方の端部は板状接続部材702の上面に固定されている。平板部材272の前後方向DR13の他方の端部の上面には板状部材273が固定されている。板状部材273から後方に向けて取付部材274が突出しており、バネ271の一端は、当該取付部材274に取り付けらえている。バランス調整部材280の上面には板状部材275が固定されている。板状部材275から後方に向けて取付部材276が突出しており、バネ271の他端は、当該取付部材276に取り付けられている。
このような構成を有する自重回転力低減機構270では、バネ271の一端は、操作機構2の姿勢が回転したとしても、回転しない板状接続部材702に接続されている。一方で、バネ271の他端は、バランス調整部材280の上側の部分に接続されている。操作機構2の姿勢が回転すると、図5に示されるように、当該姿勢の回転量に応じてバネ271が伸びる。バネ271が伸びると、バネ271の弾性力により、操作機構2の回転を妨げる力が発生する。この力は、操作機構2の回転量が大きいほど大きくなることから、自重回転力が低減する。よって、操作者100はワーク10を操作しやすくなる。
<第1移動機構の駆動>
図12は、図1に示される走行台車410を、第2水平方向DR2から見た様子を模式的に示す図である。図13は、走行台車410上の回転ドラム310を第1水平方向DR1から見た様子を模式的に示す図である。
図12と上述の図1に示されるように、走行台車410は、板状の底部411と、互いに対向するように底部411に立設された一対の板状の側部412,413とを備える。側部412,413のそれぞれには開口が設けられている。
図13に示されるように、回転ドラム310には複数の溝311が設けられている。これにより、回転ドラム310が回転すると、ワイヤ300は、溝311にはまりながら回転ドラム310に巻き取られることによって、整列巻きされる。
第1移動機構3は、ワイヤ300及び回転ドラム310以外にも、ボールスプライン320を備えている。ボールスプライン320は、スプライン軸321と、スプライン軸321を周方向に覆う外筒322とを備える。回転ドラム310は、外筒322を周方向に覆うように外筒322に固定されている。回転ドラム310は、スプライン軸321を回転軸として回転可能である。また回転ドラム310は、外筒322の働きにより、スプライン軸321の軸方向に沿って移動可能である。
ここで、ボールスプライン320が設けられておらず、回転ドラム310の位置が固定されている場合には、回転ドラム310から下方に垂れ下がるワイヤ300の垂れ下がり位置が、ワイヤ300の巻き上げ及び巻き下げによって変化する。例えば、図13に示されるように、ワイヤ300が、溝311に沿って、図13での右側から左側に巻き取られるとき、ワイヤ300の垂れ下がり位置は、第2水平方向DR2に沿って、図13での右側から左側に移動する。また、ワイヤ300が巻き下げられるときには、ワイヤ300の垂れ下がり位置は、第2水平方向DR2に沿って、図13での左側から右側に移動する。
これに対して、本例に係る第1移動機構3では、外筒322に取り付けられた回転ドラム310がスプライン軸321の周りに回転することができる。そのため、後述するようにワイヤ300の垂れ下がり位置が、ワイヤ300の巻き上げ及び巻き下げによって変化することを防止することができる。言い換えれば、ワイヤ300の吊点が、ワイヤ300の巻き上げ及び巻き下げによって変化することを防止することができる。その結果、ワーク10を鉛直方向DR3に沿ってまっすぐ移動させやすくなる。
例えば、図13に示されるように、ワイヤ300が、溝311に沿って、図13での右側から左側に巻き取られるとき、ワイヤ300の自重により、回転ドラム310を右側に移動させようとする力が発生する。この力により、回転ドラム310は、スプライン軸321の軸方向に沿って右側に移動する。これにより、ワイヤ300が巻き上げられるときに、ワイヤ300の垂れ下がり位置が第2水平方向DR2に沿って変化することを防止することができる。また、ワイヤ300が巻き下げられるとき、ワイヤ300の自重により、回転ドラム310を左側に移動させようとする力が発生する。この力により、回転ドラム310は、スプライン軸321の軸方向に沿って左側に移動する。これにより、ワイヤ300が巻き下げされるときに、ワイヤ300の垂れ下がり位置が第2水平方向DR2に沿って変化することを防止することができる。
鉛直モータ130の回転力は、タイミングプーリ135,136及びタイミングベルト137を通じて回転ドラム310に伝達される。タイミングプーリ135の回転中心には鉛直モータ130の出力軸が接続されている。タイミングプーリ136の回転中心にはスプライン軸321が接続されている。タイミングプーリ135,136にはタイミングベルト137が巻かれている。
鉛直モータ130が回転すると、タイミングプーリ135、タイミングベルト137、タイミングプーリ136及びスプライン軸321が回転し、その結果、回転ドラム310が回転する。鉛直モータ130は、タイミングプーリ135等を通じて、回転ドラム310の回転を制御することができる。
鉛直モータ130は、タイミングベルト137を通じて、回転ドラム310の回転を制御することから、何らかの原因によってタイミングベルト137が破断してしまうと、鉛直モータ130は、回転ドラム310の回転を制御することができなくなる。
そこで、ハンドリングシステム1では、回転ドラム310の回転にブレーキをかけることが可能な回転ドラムブレーキ810が設けられている。回転ドラムブレーキ810は、例えば電磁式の機械的なブレーキである。回転ドラムブレーキ810は、スプライン軸321の回転にブレーキをかけることによって、回転ドラム310の回転にブレーキをかける。これより、タイミングベルト137が破断した場合に、回転ドラム310の回転にブレーキをかけることができる。よって、異常発生時に、ワーク10の鉛直方向DR3に沿った移動を停止することができる。
走行台車410の底部411の上には、鉛直モータ130、第1水平モータ140、回転ドラム310、タイミングプーリ135,136、タイミングベルト137、ボールスプライン320及び回転ドラムブレーキ810が搭載されている。
<第2移動機構の駆動>
図14は、走行台車410上の第1水平モータ140を、第1水平方向DR1から見た様子を模式的に示す図である。第1水平モータ140の出力軸はタイミングプーリ141の回転中心に接続されている。また、走行台車410の側部413の外側面には、回転可能にタイミングプーリ142が固定されている。タイミングプーリ141,142にはタイミングベルト143が巻かれている。
ガイド部材400の第2水平方向DR2の両側面401の下端部には板状のフランジ402が設けられている。フランジ402は第1水平方向DR1に沿って延在している。
走行台車410の側部413の内側面には、ガイド部材400の一方のフランジ402上で回転する複数のローラが設けられている。同様に、走行台車410の側部412の内側面には、ガイド部材400の他方のフランジ402上で回転する複数のローラが設けられている。側部413に設けられた複数のローラのうちの一つのローラ145(図14参照)が第1水平モータ140によって回転制御される。ローラ145が第1水平モータ140によって回転させられることによって、走行台車410の側部412,413に設けられた複数のローラがフランジ402上で回転する。複数のローラがフランジ402上で回転することによって、走行台車410がガイド部材400に沿って走行する。
タイミングプーリ142の回転中心には、ローラ145の回転軸145aが接続されている。回転軸145aは、側部413を貫通してタイミングプーリ142の回転中心に接続されている。第1水平モータ140が回転すると、タイミングプーリ141、タイミングベルト143、タイミングプーリ142及びローラ145が回転する。これにより、走行台車410に設けられた複数のローラが、ガイド部材400のフランジ402上で回転し、走行台車410がガイド部材400に沿って走行する。第1水平モータ140は、ローラ145の回転を制御することによって、走行台車410の第1水平方向DR1に沿った走行を制御することができる。走行台車410がガイド部材400に沿って走行することによって、変位センサ7、第1移動機構3及び操作機構2が一緒に第1水平方向DR1に沿って移動する。
<第3移動機構の駆動>
図15は、図1に示される第2水平モータ150を、第2水平方向DR2から見た様子を模式的に示す図である。第2水平モータ150の回転力は、タイミングプーリ151,152及びタイミングベルト153を介して、走行用シャフト510に伝達される。
第2水平モータ150の出力軸は、タイミングプーリ151の回転中心に接続されている。走行用シャフト510は、タイミングプーリ152の回転中心に接続されている。タイミングプーリ151,152にはタイミングベルト153が巻かれている。
第2水平モータ150が回転すると、タイミングプーリ151、タイミングベルト153、タイミングプーリ152及び走行用シャフト510が回転する。走行用シャフト510が回転すると、上述のように、ガイド部材400が一対のガイド部材500に沿って走行する。第2水平モータ150は、走行用シャフト510の回転を制御することによって、ガイド部材400の第2水平方向DR2に沿った走行を制御することができる。ガイド部材400が第2水平方向DR2に沿って走行することによって、第2移動機構4、変位センサ7、第1移動機構3及び操作機構2が一緒に第2水平方向DR2に沿って移動する。
<ワイヤ案内機構>
第1移動機構3は、ワイヤ300の垂下部分を鉛直方向DR3に案内するワイヤ案内機構350を備えている。図16はワイヤ案内機構350を示す図である。図16に示されるように、ワイヤ案内機構350は2つの滑車351,352を備える。滑車351,352は「シーブ」とも呼ばれる。滑車351,352は、走行台車410の底部411に配置される。
滑車351,352の回転軸は水平面に平行となっている。滑車351の回転中心と、滑車352の回転中心とは、鉛直方向DR3及び水平方向のそれぞれにおいて、互いにずれている。ワイヤ300の垂下部分301は、滑車351の溝351aと、滑車352の溝352aとを通っている。滑車351は垂下部分301を鉛直方向DR3に案内する。滑車352は、滑車351とは反対側から垂下部分301を鉛直方向DR3に案内する。
このような滑車351,352をハンドリングシステム1に設けることによって、ワイヤ300の垂れ下がり位置が、ワイヤ300の巻き上げ及び巻き下げによって変化することをさらに防止することができる。よって、ワーク10を鉛直方向DR3に沿ってまっすぐ移動させやすくなる。
<変位センサ>
図17は変位センサ7の動作を説明するための図である。変位センサ7は、ワイヤ300の傾斜による変位を検出することによって、操作機構2のハンドル200にかかる水平方向の操作力を検出する。
操作機構2のハンドル200が操作されて操作機構2が水平方向に移動する場合には、ワイヤ300がワイヤ案内機構350を支点360として傾斜する。変位センサ7は、ワイヤ300における、支点360よりも下方の部分を周方向に取り囲んでいる。図17に示されるように、変位センサ7は、その内側において、水平面に平行な平面的な検出範囲750を有している。
変位センサ7では、検出範囲750内に基準点P1が設定されている。基準点P1は、ハンドル200に対して水平方向の操作力が加わっていない場合に、ワイヤ300が検出範囲750を通過する点である。つまり、ワイヤ300が鉛直方向DR3に沿って垂れている場合に、ワイヤ300が検出範囲750を通過する点である。図17では、操作機構2が操作されていない場合のワイヤ300が二点鎖線で示されている。
変位センサ7は、基準点P1から、現在のワイヤ300が検出範囲750を通過する点P2への変位量Vについての第1水平方向DR1及び第2水平方向DR2の成分を求める。以後、変位量Vの第1水平方向DR1の成分を「第1水平変位量」と呼び、変位量Vの第2水平方向DR2の成分を「第2水平変位量」と呼ぶ。図18は、変位量V、第1水平変位量VH1及び第2水平変位量VH2の一例を示す図である。
ハンドル200に第1水平操作力がかかると、ワイヤ300は支点360から第1水平操作力の向きに傾く。したがって、第1水平変位量VH1の向きは、第1水平操作力の向きと一致する。また、第1水平操作力が大きくなると、第1水平方向DR1でのワイヤ300の傾きが大きくなる。第1水平方向DR1でのワイヤ300の傾きが大きくなると、第1水平変位量VH1の大きさも大きくなる。よって、第1水平変位量VH1は、ハンドル200にかかる第1水平操作力を示しているといえる。変位センサ7は、第1水平変位量VH1を検出することによって、ハンドル200にかかる第1水平操作力を検出する。
同様に、ハンドル200に第2水平操作力がかかると、ワイヤ300は支点360から第2水平操作力の向きに傾く。したがって、第2水平変位量VH2の向きは、第2水平操作力の向きと一致する。また、第2水平操作力が大きくなると、第2水平方向DR2でのワイヤ300の傾きが大きくなる。第2水平方向DR2でのワイヤ300の傾きが大きくなると、第2水平変位量VH2の大きさも大きくなる。よって、第2水平変位量VH2は、ハンドル200にかかる第2水平操作力を示しているといえる。変位センサ7は、第2水平変位量VH2を検出することによって、ハンドル200にかかる第2水平操作力を検出する。
このように、変位センサ7は、ハンドル200にかかる第1水平操作力及び第2水平操作力を検出することが可能である。ハンドル200にかかる第3水平方向の操作力は、第1水平操作力と、第2水平操作力とに分けて考えることができることから、変位センサ7は、ハンドル200にかかる第3水平方向の操作力を検出するとも言える。変位センサ7は、ハンドル200にかかる第1水平操作力を検出するセンサとして機能するとともに、ハンドル200にかかる第2水平操作力を検出するセンサとして機能する。
以上の説明から理解できるように、ワイヤ300の巻き上げ及び巻き下げによって、ワイヤ300の垂れ下がり位置が第2水平方向DR2に沿って変化すると、ハンドル200に対する第2水平操作力が一定であっても、点P2の第2水平方向DR2での位置が変化する。その結果、第2水平変位量VH2が変化する。そのため、変位センサ7は、ハンドル200にかかる第2水平操作力を適切に検出できない可能性がある。
本例では、ボールスプライン320及びワイヤ案内機構350の働きにより、ワイヤ300の巻き上げ及び巻き下げによって、ワイヤ300の垂れ下がり位置が変化することを防止することができる。そのため、変位センサ7は、ハンドル200にかかる第2水平操作力を適切に検出することができる。
<ハンドリングシステムの動作モード>
ハンドリングシステム1は様々な動作モードを有している。ハンドリグシステム1は、上述のシステム停止状態以外にも、全方向制御モード、水平制御モード及び保持制御モードを備えている。システム動作状態において、制御装置6は、把持状態検出センサ260での検出結果に基づいて動作モードを決定する。
全方向制御モードは、ワーク10の姿勢の回転と、鉛直方向DR3に沿ったワーク10の移動と、水平方向に沿ったワーク10の移動とが可能な動作モードである。水平制御モードは、ワーク10の姿勢の回転と、鉛直方向DR3に沿ったワーク10の移動と、水平方向に沿ったワーク10の移動のうち、水平方向に沿ったワーク10の移動だけが可能な動作モードである。保持制御モードは、ワーク10の姿勢が保持されるとともに、ワーク10の鉛直方向DR3、第1水平方向DR1及び第2水平方向DR2の位置が保持される動作モードである。
図19は、把持状態検出センサ260での検出結果と動作モードとの対応関係を示す図である。図19に示されるように、把持状態検出センサ260において両方弱把持状態が検出されるときには、制御装置6は、動作モードを全方向制御モードに設定する。これにより、操作者100は、両手で一対のグリップ201を軽く握った状態でハンドル200を操作することによって、ワーク10の姿勢を回転させることができ、鉛直方向DR3に沿ってワーク10を移動させることができ、水平方向に沿ってワーク10を移動させることができる。操作者100は、両手で一対のグリップ201を軽く握った状態でハンドル200を操作することによって、ワーク10を自由に操作することができる。
把持状態検出センサ260において片手弱把持状態が検出されるときには、制御装置6は、動作モードを水平制御モードに設定する。これにより、操作者100は、一方のグリップ201だけを片手で軽く握った状態でハンドル200を操作することによって、ワーク10の姿勢の回転と、鉛直方向DR3に沿ったワーク10の移動と、水平方向に沿ったワーク10の移動のうち、水平方向に沿ったワーク10の移動だけを行うことができる。水平制御モードでは、ワーク10の姿勢の回転と、鉛直方向DR3に沿ったワーク10の移動とが行われないことから、操作者100は、ハンドル200を片手で操作することによって、簡単にワーク10を水平方向だけに沿って移動させることができる。
把持状態検出センサ260において非把持状態が検出されるとき、制御装置6は、動作モードを保持制御モードに設定する。これにより、操作者100がハンドル200から手を離すと、そのときのワーク10の姿勢及び位置が保持される。
把持状態検出センサ260において強把持状態が検出されるとき、制御装置6は、動作モードをシステム停止状態に設定する。これにより、操作者100が一対のグリップ201の少なくとも一方を強く握ると、非常停止ボタン242が非常停止状態にされたときと同様に、ハンドリングシステム1の全てのサーボモータの駆動が停止される。例えば、操作者100は、一対のグリップ201を両手で軽く握った状態でハンドル200を操作しているときに、両手あるいは片手を強く握ると、全てのサーボモータが停止する。また、操作者100は、一方のグリップ201だけを片手で軽く握った状態でハンドル200を操作しているときに、その片手を強く握ると、全てのサーボモータが停止する。サーボモータ210,130,140,150のそれぞれは、その動作が停止すると、内蔵のブレーキが働くことから、システム停止状態では、保持制御モードと同様に、ワーク10の姿勢及び位置は保持される。
本例では、システム停止状態になると、操作機構2の電源スイッチ241がオフ状態にされない限り、システム停止状態は解除されない。例えば、システム動作状態において非常停止ボタン242が非常停止状態になった後、電源スイッチ241がオン状態のままで、非常停止ボタン242が解除状態にされても、システム停止状態は解除されない。また、把持状態検出センサ260において強把持状態が検出されて、動作モードがシステム停止状態になった後、電源スイッチ241がオン状態のままで、把持状態検出センサ260において両方弱把持状態、片手弱把持状態及び非把持状態が検出されても、動作モードは、全方向制御モード、水平制御モード及び保持制御モードにはならない。
本例では、非常停止ボタン242が非常停止状態にされて動作モードがシステム停止状態になった後、システムを復帰させたい場合は、操作者100は、まず、電源スイッチ241をオン状態からオフ状態に変化させる。その後、操作者100は、安全を確認した後、非常停止ボタン242を解除状態にする。その後、操作者100が、電源スイッチ241をオン状態にすると、システム停止状態が解除される。システム停止状態が解除されると、制御装置6は把持状態検出センサ260での検出結果に応じて動作モードを設定する。また、把持状態検出センサ260において強把持状態が検出されて、動作モードがシステム停止状態になった後、システムを復帰させたい場合には、操作者100は、まず電源スイッチ241をオン状態からオフ状態に変化させる。その後、操作者100が、電源スイッチ241をオン状態にすると、システム停止状態が解除される。システム停止状態が解除されると、制御装置6は把持状態検出センサ260での検出結果に応じて動作モードを設定する。
<制御装置の動作>
次に制御装置6の動作について詳細に説明する。図20は制御装置6とサーボモータ等との間の接続関係を示す図である。
<タイミングベルト破断判定>
図20に示されるように、ハンドリングシステム1には、鉛直モータ130の回転速度を検出するエンコーダ131と、回転ドラム310の回転速度を検出するエンコーダ811とが設けられている。また、ハンドリングシステム1には、回転モータ210の回転速度を検出するエンコーダ210eと、第1水平モータ140の回転速度を検出するエンコーダ140eと、第2水平モータ150の回転速度を検出するエンコーダ150eとが設けられている。制御装置6は、エンコーダ131,811での検出結果に基づいて、回転ドラム310に巻かれたタイミングベルト137が破断したか否かを判定する。タイミングベルト137が破断すると、回転ドラム310の回転速度と鉛直モータ130の回転速度とが互いに異なるようになる。制御装置6は、例えば、エンコーダ131で検出される回転速度とエンコーダ811で検出される回転速度との差の絶対値を求めて、当該絶対値がしきい値以上となれば、タイミングベルト137が破断したと判定する。
制御装置6は、タイミングベルト137が破断したと判定すると、回転ドラムブレーキ810を動作させて、回転ドラム310の回転を停止させる。これにより、異常発生時に、ワーク10の鉛直方向DR3に沿った移動を停止することができる。制御装置6は、タイミングベルト137が破断したと判定したとき、回転ドラムブレーキ810を動作させるとともに、動作モードをシステム停止状態に設定してもよい。
<全方向制御モード>
全方向制御モードにおいて、制御装置6は、操作力検出センサ250の左側力センサ251及び右側力センサ251での検出結果に基づいて、ハンドル200にかかる回転操作力を求める。そして、制御装置6は、求めた回転操作力に応じたアシスト回転力が発生するように回転モータ210をトルク制御する。
全方向制御モードにおいて、制御装置6は、左側力センサ251及び右側力センサ251での検出結果に基づいて、ハンドル200にかかる鉛直操作力を求める。そして、制御装置6は、求めた鉛直操作力に応じた鉛直アシスト力が発生するように鉛直モータ130をトルク制御する。
全方向制御モードにおいて、制御装置6は、変位センサ7で検出される、ハンドル200にかかる第1水平操作力(第1水平変位量)に応じた第1水平アシスト力が発生するように第1水平モータ140をトルク制御する。
全方向制御モードにおいて、制御装置6は、変位センサ7で検出される、ハンドル200にかかる第2水平操作力(第2水平変位量)に応じた第2水平アシスト力が発生するように第2水平モータ150をトルク制御する。
全方向制御モードでは、各サーボモータのトルク制御が行われることから、全方向制御モードはトルク制御モードであると言える。以下に、全方向制御モードでの各サーボモータのトルク制御について詳細に説明する。
<回転モータのトルク制御>
全方向制御モードにおいて、制御装置6は、左側力センサ251及び右側力センサ251での検出結果に基づいて、ハンドル200に対して回転操作力がかかっているか否かを判定する。
ここで、左側力センサ251で検出される力をF1とし、右側力センサ251で検出される力をF2とする。本例では、例えば、左側グリップ201に対して上向きの力がかかるとF1はプラスとなり、左側グリップ201に対して下向きの力がかかるとF1はマイナスとなる。同様に、右側グリップ201に対して上向きの力がかかるとF2はプラスとなり、右側グリップ201に対して下向きの力がかかるとF2はマイナスとなる。
制御装置6は、F1及びF2の符号が互いに異なる場合、ハンドル200に回転操作力がかかっていると判定する。操作機構2の前方側から見て、操作者100がハンドル200を時計回りに回転しようとすると、左側グリップ201に上向きの力がかかり、右側グリップ201に下向きの力がかかる。制御装置6は、F1がプラスであって、F2がマイナスの場合、操作機構2の前方側から見て時計周りの回転操作力がハンドル200にかかっていると判定する。一方で、操作機構2の前方側から見て、操作者100がハンドル200を反時計回りに回転しようとすると、左側グリップ201に下向きの力がかかり、右側グリップ201に上向きの力がかかる。制御装置6は、F1がマイナスであって、F2がプラスの場合、操作機構2の前方側から見て反時計周りの回転操作力がハンドル200にかかっていると判定する。以後、単に時計周り及び反時計周りと言えば、操作機構2の前方側から見ての時計周り及び反時計周りを意味する。
制御装置6は、ハンドル200に回転操作力がかかっていると判定すると、以下の式(1)を用いて操作者100が加えた回転操作力の大きさThを求める。
式(1)中のLは、左側力センサ251と右側力センサ251との間の左右方向DR12での距離を示す。距離Lは、一対の第1部分グリップ202の間の左右方向DR12での距離とも言える。
制御装置6は、ハンドル200に対して時計周りの回転操作力がかかると、時計周りのアシスト回転力がハンドル200に発生するように回転モータ210をトルク制御する。これにより、ハンドル200には、時計周りの回転操作力に加えて、回転モータ210のトルク制御による時計周りのアシスト操作力が加わる。よって、操作者100は、ハンドル200を時計回りに回転させることによって、ワーク10の姿勢を時計周りに簡単に回転させることができる。
一方で、制御装置6は、ハンドル200に対して反時計周りの回転操作力がかかると、反時計周りのアシスト回転力がハンドル200に発生するように回転モータ210をトルク制御する。これにより、ハンドル200には、反時計周りの回転操作力に加えて、回転モータ210のトルク制御による反時計周りのアシスト操作力が加わる。よって、操作者100は、ハンドル200を反時計回りに回すことによって、ワーク10の姿勢を反時計周りに簡単に回転させることができる。
ハンドル200に発生するアシスト回転力の大きさTmは以下の式(2)で表される。
式(2)中のKtは所定の増幅率であって、Kt>1である。Ktは例えば数十に設定される。したがって、ハンドル200には、回転操作力に加えて、その回転操作力の数十倍のアシスト回転力がハンドル200に加わる。
<鉛直モータのトルク制御>
全方向制御モードにおいて、制御装置6は、左側力センサ251及び右側力センサ251での検出結果に基づいて、ハンドル200に対して鉛直操作力がかかっているか否かを判定する。制御装置6は、左側力センサ251で検出される力F1と、右側力センサ251で検出される力F2の符号が同じである場合、ハンドル200に鉛直操作力がかかっていると判定する。操作者100がハンドル200を鉛直方向DR3に沿って上側に移動させようとすると、左側グリップ201及び右側グリップ201に上向きの力がかかる。制御装置6は、F1及びF2がともにプラスである場合、上向きの鉛直操作力がハンドル200にかかっていると判定する。一方で、操作者100が、ハンドル200を鉛直方向DR3に沿って下側に移動させようとすると、左側グリップ201及び右側グリップ201に下向きの力がかかる。制御装置6は、F1及びF2がともにマイナスである場合、下向きの鉛直操作力がハンドル200にかかっていると判定する。
制御装置6は、ハンドル200に鉛直操作力がかかっていると判定すると、以下の式(3)を用いて鉛直操作力の大きさFvを求める。
制御装置6は、ハンドル200に対して上向きの鉛直操作力がかかると、上向きの鉛直アシスト力がワイヤ300の巻き上げ力にかかるように鉛直モータ130をトルク制御する。これにより、ワーク10には、ハンドル200にかかる上向きの鉛直操作力に加えて、鉛直モータ130のトルク制御による上向きの鉛直アシスト力が加わる。よって、操作者100は、ハンドル200を上げることによって、ワーク10を簡単に上方に移動させることができる。
一方で、制御装置6は、ハンドル200に対して下向きの鉛直操作力がかかると、下向きの鉛直アシスト力がワイヤ300の巻き下げ力にかかるように鉛直モータ130をトルク制御する。これにより、ワーク10には、ハンドル200にかかる下向きの鉛直操作力に加えて、鉛直モータ130のトルク制御による下向きの鉛直アシスト力が加わる。操作者100は、ハンドル200を下げることによって、ワーク10を簡単に下方に移動させることができる。
鉛直アシスト力の大きさFmvは以下の式(4)で表される。
式(4)中のKvは所定の増幅率であって、Kv>1である。Kvは例えば数十に設定される。したがって、ワーク10には、鉛直操作力に加えて、その鉛直操作力の数十倍の鉛直アシスト力が加わる。
なお、全方向制御モードでは、操作者100がハンドル200を持ってハンドル200の鉛直方向DR3の位置を保持している場合には、ワーク10の質量の影響により、ハンドル200に対しては上向きの鉛直操作力が加わり、上向きの鉛直アシスト力が発生している。
<第1水平モータのトルク制御>
制御装置6は、ハンドル200に対して第1水平操作力がかかると、その向きと同じ向きの第1水平アシスト力が走行台車410にかかるように、第1水平モータ140をトルク制御する。これにより、ワーク10には、ハンドル200にかかる第1水平操作力に応じた操作力と、走行台車410にかかる第1水平アシスト力に応じた操作力とが加わる。よって、操作者100は、第1水平方向DR1に沿ってハンドル200を押したり引いたり横に動かしたりすることによって、ワーク10を第1水平方向DR1に沿って簡単に移動させることができる。
第1水平アシスト力の大きさFmh1は以下の式(5)で表される。
式(5)中のKh1は所定の増幅率であって、Kh1>1である。Kh1は例えば数十に設定される。また式(5)中のFh1は、ハンドル200にかかる第1水平操作力の大きさである。ワーク10には、第1水平操作力に応じた操作力に加えて、当該第1水平操作力の数十倍の第1水平アシスト力に応じた操作力が加わる。
制御装置6は、変位センサ7で検出される第1水平変位量に基づいて、ハンドル200にかかる第1水平操作力の向きと大きさを推定することができる。制御装置6は、第1水平変位量の向きを、第1水平操作力の向きとする。制御装置6は、第1水平変位量の大きさから、第1水平操作力の大きさを推定する。
<第2水平モータのトルク制御>
制御装置6は、ハンドル200に対して第2水平操作力がかかると、その向きと同じ向きの第2水平アシスト力がガイド部材400にかかるように、第2水平モータ150をトルク制御する。これにより、ワーク10には、ハンドル200にかかる第2水平操作力に応じた操作力と、ガイド部材400にかかる第2水平アシスト力に応じた操作力とが加わる。よって、操作者100は、第2水平方向DR2に沿ってハンドル200を押したり引いたり横に動かしたりすることによって、ワーク10を第2水平方向DR2に沿って簡単に移動させることができる。
第2水平アシスト力の大きさFmh2は以下の式(6)で表される。
式(6)中のKh2は所定の増幅率であって、Kh2>1である。Kh2は例えば数十に設定される。また式(6)中のFh2は、ハンドル200にかかる第2水平操作力の大きさである。ワーク10には、第2水平操作力に応じた操作力に加えて、当該第2水平操作力の数十倍の第1水平アシスト力に応じた操作力が加わる。
制御装置6は、変位センサ7で検出される第2水平変位量に基づいて、ハンドル200にかかる第2水平操作力の向きと大きさを推定することができる。制御装置6は、第2水平変位量の向きを、第2水平操作力の向きとする。制御装置6は、第2水平変位量の大きさから、第2水平操作力の大きさを推定する。
なお、ハンドル200に対して第3水平方向の操作力がかかる場合には、つまり、ハンドル200に対して第1及び第2水平操作力が同時にかかる場合には、制御装置6は、第1水平モータ140に対するトルク制御と、第2水平モータ150に対するトルク制御とを同時に行って、第1及び第2水平アシスト力を同時に発生させる。これにより、操作者100は、第3水平方向に沿ってハンドル200を押したり引いたり横に動かしたりすることによって、ワーク10を第3水平方向に沿って簡単に移動させることができる。
<水平制御モード>
水平制御モードにおいて、制御装置6は、全方位制御モードと同様に、変位センサ7で検出される、ハンドル200にかかる第1水平操作力(第1水平変位量)に応じた第1水平アシスト力が発生するように第1水平モータ140をトルク制御する。また、水平制御モードにおいて、制御装置6は、全方位制御モードと同様に、変位センサ7で検出される、ハンドル200にかかる第2水平操作力(第2水平変位量)に応じた第2水平アシスト力が発生するように第2水平モータ150をトルク制御する。
一方で、制御装置6は、水平制御モードでの回転モータ210及び鉛直モータ130の制御については、全方向制御モードとは異なる。水平制御モードでは、制御装置6は、鉛直方向DR3に垂直な方向の周りでの操作機構2の姿勢が保持されるように回転モータ210を位置制御する。これにより、水平制御モードでは、動作モードが水平制御モードに変化したときの操作機構2の姿勢が保持される。また水平制御モードでは、制御装置6は、鉛直方向DR3の操作機構2の位置が保持されるように鉛直モータ130を位置制御する。これにより、水平制御モードでは、動作モードが水平制御モードに変化したときの鉛直方向DR3の操作機構2の位置が保持される。
このように、水平制御モードでは、回転モータ210、鉛直モータ130、第1水平モータ140及び第2水平モータ150のうち、第1水平モータ140及び第2水平モータ150だけがトルク制御されることから、操作者100は、安定してワーク10を移動させることができる。
<保持制御モード>
保持制御モードにおいて、制御装置6は、水平制御モードと同様に、鉛直方向DR3に垂直な方向の周りでの操作機構2の姿勢が保持されるように回転モータ210を位置制御する。また保持制御モードにおいて、制御装置6は、水平制御モードと同様に、鉛直方向DR3の操作機構2の位置が保持されるように鉛直モータ130を位置制御する。
保持制御モードにおいて、制御装置6は、第1水平方向DR1での第1移動機構3の位置が保持されるように第1水平モータ140を位置制御する。言い換えれば、制御装置6は、第1水平方向DR1での走行台車410の位置が保持されるように第1水平モータ140を位置制御する。
保持制御モードにおいて、制御装置6は、第2水平方向DR2での第2移動機構4の位置が保持されるように第2水平モータ150を位置制御する。言い換えれば、制御装置6は、第2水平方向DR2でのガイド部材400の位置が保持されるように第2水平モータ150を位置制御する。
<システム停止状態>
システム停止状態において、制御装置6は、回転モータ210、鉛直モータ130、第1水平モータ140及び第2水平モータ150を停止する。これにより、回転モータブレーキ213cが動作し、操作機構2のそのときの姿勢が保持される。また、鉛直モータブレーキ130aが動作し、操作機構2のそのときの鉛直方向DR3の位置が保持される。また、第1水平モータブレーキ140aが動作し、第1移動機構3のそのときの第1水平方向DR1の位置が保持される。言い換えれば、第1水平モータブレーキ140aが動作し、走行台車410のそのときの第1水平方向DR1の位置が保持される。また、第2水平モータブレーキ150aが動作し、第1移動機構3及び第2移動機構4のそのときの第2水平方向DR2の位置が保持される。言い換えれば、第2水平モータブレーキ150aが動作し、ガイド部材400のそのときの第2水平方向DR2の位置が保持される。
以上のように、ハンドリングシステム1では、一対の力センサ251が用いられて、鉛直操作力及び回転操作力の両方が求められる。そのため、鉛直操作力を求める際に使用するセンサと、回転操作力を求める際に使用するセンサとが異なる場合と比較して、ハンドリングシステム1の構成を簡素化することができる。
また、ハンドリングシステム1では、ハンドル200にかかる鉛直操作力に応じた鉛直アシスト力が発生するように鉛直モータ130がトルク制御される。そのため、鉛直モータ130が速度制御されたり位置制御されたりする場合とは異なり、操作者100は直感的にワーク10を鉛直方向DR3に沿って移動させやすくなる。例えば、操作者100は、ワーク10の重さを感じながら、操作機構2を鉛直方向DR3に沿って移動させることができる。また、操作者100は、ワーク10に直接かかる力を感じることができる。そのため、操作者100は、例えば、ワーク10を鉛直方向DR3に沿って移動させてワーク10を他の物体に接触させる場合に、ワーク10と他の物体との接触を感じることができる。よって、操作者100は、ハンドル200に加える鉛直操作力を加減しながら、ワーク10を他の物体に柔らかく接触させることができる。その結果、ワーク10及び他の物体が損傷することを防止することができる。また、操作者100は、ワーク10が他の物体に衝突したことを感じることができることから、ワーク10が他の物体に衝突したとき、ハンドル200を操作してワーク10の鉛直方向DR3の移動をすぐに停止することができる。
また、ハンドリングシステム1では、ハンドル200にかかる回転操作力に応じたアシスト回転力が発生するように回転モータ210がトルク制御される。そのため、鉛直モータ130のトルク制御と同様に、回転モータ210が速度制御されたり位置制御されたりする場合とは異なり、操作者100は、ワーク10の姿勢を回転させるときに、ワーク10の重さを感じたり、ワーク10に直接かかる力を感じたりすることができる。そのため、操作者100は直感的にワーク10の姿勢を回転させやすくなる。
また、ハンドリングシステム1では、ハンドル200にかかる第1水平操作力に応じた第1水平アシスト力が発生するように第1水平モータ140がトルク制御される。そのため、鉛直モータ130のトルク制御と同様に、第1水平モータ140が速度制御されたり位置制御されたりする場合とは異なり、操作者100は、ワーク10を第1水平方向DR1に沿って移動させるときに、ワーク10の重さを感じたり、ワーク10に直接かかる力を感じたりすることができる。そのため、操作者100は直感的にワーク10を第1水平方向DR1に沿って移動させやすくなる。
また、ハンドリングシステム1では、ハンドル200にかかる第2水平操作力に応じた第2水平アシスト力が発生するように第2水平モータ150がトルク制御される。そのため、鉛直モータ130のトルク制御と同様に、第2水平モータ150が速度制御されたり位置制御されたりする場合とは異なり、操作者100は、ワーク10を第2水平方向DR2に沿って移動させるときに、ワーク10の重さを感じたり、ワーク10に直接かかる力を感じたりすることができる。そのため、操作者100は直感的にワーク10を第2水平方向DR2に沿って移動させやすくなる。
また、操作者100は、第1水平方向DR1及び第2水平方向DR2に対して斜めの第3水平方向に沿ってもワーク10を移動させることができることから、ワーク10を水平面に沿って自由に移動させることができる。
また本例では、力センサ251の自由端251aにはグリップ201だけが取り付けられていることから、力センサ251は、グリップ201以外の部分に直接かかる力を検出しない。
これに対して、力センサ251の自由端251aにグリップ201以外の構成が接続されている場合は、当該構成に直接かかる力を力センサ251が検出してしまう。その結果、不要なアシスト回転力、鉛直アシスト力、第1水平アシスト力及び第2水平アシスト力が発生し、操作者100が意図しないワーク10の動きが発生する可能性がある。
本例では、力センサ251の自由端251aにグリップ201だけが取り付けられていることから、グリップ201以外の部分に直接かかる力による、アシスト回転力、鉛直アシスト力、第1水平アシスト力及び第2水平アシスト力の発生を防止することができる。そのため、操作者100が意図しないワーク10の動きは発生しない。
また本例では、ハンドル200に対する把持状態を検出する把持状態検出センサ260での検出結果に応じて、動作モードが決定される。そのため、操作者100は、ハンドル200に対する把持状態を変化させるだけで簡単に動作モードを変化させることができる。よって、操作機構2の操作性が向上する。
なお、ハンドリングシステム1は、ワーク10の姿勢の回転と、ワーク10の鉛直方向DR3に沿った移動と、ワーク10の第1水平方向DR1に沿った移動と、ワーク10の第2水平方向DR2に沿った移動との少なくとも一つを実行できなくてもよい。
また、動作モードに、水平制御モードが無くてもよい。この場合には、把持状態検出センサ260は片手弱把持状態を検出する必要がなくなる。動作モードに、水平制御モードが無い場合には、把持状態検出センサ260が両手弱把持状態を検出したときだけではなく、把持状態検出センサ260が片手弱把持状態を検出したときにも、動作モードが全方向制御モードに設定されてもよい。
また、動作モードに、保持制御モードが無くてもよい。この場合には、把持状態検出センサ260は非把持状態を検出する必要がなくなる。
また、操作者100が両手で一対のグリップ201を強く握ったとしても、動作モードがシステム停止状態に設定されなくてもよい。この場合には、把持状態検出センサ260は、2段階の把持力を検出する必要はない。把持状態検出センサ260は、一対のグリップ201の両方が把持されているか、一対のグリップ201のうちの一方のグリップ201だけが把持されているか、一対のグリップ201のいずれも把持されていないかを検出すればよい。把持状態検出センサ260が、一対のグリップ201の両方が把持されていると判定すると、動作モードは全方向制御モードに設定される。把持状態検出センサ260が、一対のグリップ201のうちの一方のグリップ201だけが把持されていると判定すると、動作モードは水平制御モードに設定される。把持状態検出センサ260が、一対のグリップ201のいずれも把持されていないと判定すると、動作モードは保持制御モードに設定される。
<第1水平走行制限機能>
ハンドリングシステム1では、ストッパ81以外にも、第1水平方向DR1に沿って第1移動機構3がガイド部材400の端まで移動しすぎないように第1移動機構3の走行を制限する第1水平走行制限機能が設けられている。
図21は第1水平走行制限機能を説明するための図である。図21には、ガイド部材400を走行台車410の一方の側部413側から見た様子が模式的に示されている。図21では走行台車410に搭載されている回転ドラム310等の記載は省略されている。
図21に示されるように、ガイド部材400の側部413側の側面401の第1水平方向DR1の両端部のそれぞれには、ストッパ81が設けられている。そして、各ストッパ81の近傍には、第1水平方向DR1に沿って並ぶセンサスイッチ871,872から成るセンサスイッチペア873が位置している。センサスイッチ871,872は、固定部材875によってガイド部材400に固定されている。
走行台車410の側部413の上端部には、センサスイッチ871,872をオン状態にするための細長い板状のスイッチオン部材415が設けられている。スイッチオン部材415は第1水平方向DR1に沿って延びている。スイッチオン部材415の第1水平方向DR1の各端部415aはガイド部材400側に傾斜している。そして、スイッチオン部材415において、両端部415a以外の部分415bは平坦となっている。以後、各端部415aを「傾斜端部415a」と呼ぶ。また、スイッチオン部材415の両端の傾斜端部415a以外の部分415bを「平坦部415b」と呼ぶ。
センサスイッチ871,872のそれぞれは、スイッチオン部材415が当たることによってオン状態となる。図22はオン状態のセンサスイッチ871を示す図である。図23はオフ状態のセンサスイッチ871を示す図である。センサスイッチ871には可動部871aが設けられている。可動部871aがスイッチオン部材415に当たって回動することによって、センサスイッチ871がオン状態となる。センサスイッチ872も同様であり、センサスイッチ872には可動部872aが設けられている。可動部872aがスイッチオン部材415に当たって回動することによって、センサスイッチ872がオン状態となる。
図24〜26は、図21に示される走行台車410が、ガイド部材400の端部に向かって移動していく様子を示す図である。
走行台車410が第1水平方向DR1に沿って走行し、ガイド部材400の端部に近づくと、図24に示されるように、スイッチオン部材415は、センサスイッチ871,872のうち、まずセンサスイッチ871に当たる。スイッチオン部材415では、まず、傾斜端部415aがセンサスイッチ871の可動部871aに当たり、その後、平坦部415bが可動部871aに当たる。スイッチオン部材415がセンサスイッチ871に当たると、スイッチオン部材415はセンサスイッチ871の可動部871aに常に当たりながら、走行台車410の走行にともなって、もう一つのセンサスイッチ872に近づいていく。センサスイッチ871の可動部871aは、スイッチオン部材415がセンサスイッチ872に向かうにつれて徐々に回動し、可動部871aが傾斜端部415aに当たった後、平坦部415bに当たるまでにセンサスイッチ871はオン状態となる。
センサスイッチ871がオン状態となると、第1水平アシスト力に反発力が加えられる。本例では、センサスイッチ872に向かう走行台車410についての、センサスイッチ871がオン状態になった位置からの侵入距離(進行距離)に応じた反発力が第1水平アシスト力に加えられる。制御装置6は、走行台車410についての、センサスイッチ871がオン状態になった位置からの侵入距離に応じた反発力が第1水平アシスト力に加えられるように、第1水平モータ140をトルク制御する。
例えば、図24に示される二点鎖線880が、センサスイッチ871がオン状態になったときの、走行台車410の第1水平方向DR1の中心位置とする。また、図24に示される一点鎖線881が、図24に示される走行台車410の第1水平方向DR1の中心位置とする。このとき、図24に示される走行台車410についての、センサスイッチ871がオン状態になった位置からの侵入距離は、図24に示される距離Dとなる。
第1水平アシスト力に加えられる反発力は、バネの弾性力に似た力である。反発力は、侵入距離が大きいほど大きくなる。反発力の大きさをFrとし、侵入距離をDとすると、Frは以下の式(7)で表される。式(7)中のKrは定数である。
ここで、センサスイッチ871は、走行台車410が所定位置にきたときにオン状態となることから、センサスイッチ871は、走行台車410が所定位置にきたことを検出するセンサであると言える。よって、走行台車410が所定位置にきたことをセンサスイッチ871が検出すると、制御装置6は、当該所定位置からの走行台車410の侵入距離に応じた反発力が第1水平アシスト力に加えられるように第1水平モータ140をトルク制御すると言える。以後、当該所定位置を「第1所定位置」と呼ぶ。
また、回転ドラム310等を含む第1移動機構3は、走行台車410とともに第1水平方向DR1に移動することから、センサスイッチ871は、第1移動機構3が第1所定位置にきたことを検出するセンサであるともいえる。そして、第1移動機構3が第1所定位置にきたことをセンサスイッチ871が検出すると、制御装置6は、当該第1所定位置からの第1移動機構3の侵入距離に応じた反発力が第1水平アシスト力に加えられるように第1水平モータ140をトルク制御するとも言える。
このように、制御装置6は、第1移動機構3の第1所定位置からの侵入距離に応じた反発力が第1水平アシスト力に加えられるように第1水平モータ140をトルク制御する。そのため、操作者100は、第1移動機構3が第1所定位置よりも先に侵入したことをハンドル200にかかる抵抗力として認識することができる。よって、第1移動機構3が、第1所定位置よりも先に大きく侵入することを抑制することができる。その結果、第1移動機構3及び走行台車410等が行き過ぎて、ガイド部材500に衝突することを抑制することができる。
センサスイッチ871がオン状態になった後、走行台車410がセンサスイッチ872の方へ走行すると、図25に示されるように、スイッチオン部材415がセンサスイッチ872に当たり、センサスイッチ871と同様にセンサスイッチ872がオン状態となる。
センサスイッチ872がオン状態になると、動作モードが上述のシステム停止状態となる。これにより、回転モータ210、鉛直モータ130、第1水平モータ140及び第2水平モータ150の動作が停止し、回転モータブレーキ213c、鉛直モータブレーキ130a、第1水平モータブレーキ140a及び第2水平モータブレーキ150aが動作する。
ここで、センサスイッチ871と同様に、センサスイッチ872は、第1移動機構3が、第1所定位置よりも先の第2所定位置にきたことを検出するセンサであると言える。したがって、センサスイッチ872が、第1移動機構3が第2所定位置にきたことを検出すると、制御装置6は、回転モータ210、鉛直モータ130、第1水平モータ140及び第2水平モータ150の動作を停止すると言える。
このように、センサスイッチ872が、第1移動機構3が、第1所定位置より先の第2所定位置にきたことを検出すると、回転モータ210、鉛直モータ130、第1水平モータ140及び第2水平モータ150の動作が停止することから、第1移動機構3が第1所定位置より先に大きく進入することを確実に防止することができる。
センサスイッチ872がオン状態になった後、第1水平モータブレーキ140aの故障等により、走行台車410がさらに進んだとしても、図26に示されるように、ストッパ81によって走行台車410の走行が停止する。
なお、図21,24〜26には、ガイド部材400の一方の端部での様子が示されているが、ガイド部材400の他方の端部にも、ストッパ81、センサスイッチ871,872及び固定部材875が存在する。そして、スイッチオン部材415のもう一方の傾斜端部415aでセンサスイッチ871,872がオン状態にされる。よって、ガイド部材400の他方の端部に向かう走行台車410の走行が、当該他方の端部で確実に停止される。
<第2水平走行制限機能>
ハンドリングシステム1では、ストッパ80以外にも、第2水平方向DR2に沿って第2移動機構4がガイド部材500の端まで移動しすぎないように第2移動機構4の走行を制限する第2水平走行制限機能が設けられている。第2水平走行制限機能は第1水平走行制限機能と似たような機能である。
図27は第2水平走行制限機能を説明するための図である。図27には、一対のガイド部材500のうち、制御装置6側のガイド部材500を内側から見た様子が示されている。図27では制御装置6等の記載は省略されている。
図27に示されるように、ガイド部材400の制御装置6側の端部の下方には、2つのセンサスイッチペア883が設けられている。2つのセンサスイッチペア883は第2水平方向DR2に沿って並んでいる。各センサスイッチペア883は、センサスイッチ871,872と同様の構成を有するセンサスイッチ881,882で構成されている。センサスイッチ881,882は、第2水平方向DR2に沿って並んでいる。各センサスイッチペア883は固定部材884に固定されている。固定部材884は、ガイド部材400の端部の下面に取り付けられている。2つのセンサスイッチペア883は、ガイド部材400の走行に伴って第2水平方向DR2に沿って移動する。
ガイド部材500の一方の端部には、当該一方の端部側のセンサスイッチペア883のセンサスイッチ881,882をオン状態にするための細長い板状のスイッチオン部材885が設けられている。ガイド部材500の他方の端部にも、当該他方の端部側のセンサスイッチペア883のセンサスイッチ881,882をオン状態にするための細長い板状のスイッチオン部材885が設けられている。
スイッチオン部材885は第2水平方向DR2に沿って延びている。スイッチオン部材885の内側の端部885aはガイド部材500側に傾斜している。以後、この端部885aを「傾斜端部885a」と呼ぶ。スイッチオン部材885では、傾斜端部885a以外は平坦となっている。スイッチオン部材885の傾斜端部885a以外の部分を「平坦部885b」と呼ぶ。
ガイド部材500の一方の端部側のセンサスイッチペア883のセンサスイッチ881,882のそれぞれは、当該一方の端部側のスイッチオン部材885に当たることによってオン状態となる。同様に、ガイド部材500の他方の端部側のセンサスイッチペア883のセンサスイッチ881,882のそれぞれは、当該他方の端部側のスイッチオン部材885に当たることによってオン状態となる。センサスイッチ881,882がオン状態になる様子は、センサスイッチ871,872がオン状態になる様子と同様である。
図28〜30は、図27に示されるガイド部材400が、ガイド部材500の一方の端部に向かって移動していく様子を示す図である。
ガイド部材400が第2水平方向DR2に沿って走行し、ガイド部材500の一方の端部に近づくと、図28に示されるように、当該一方の端部側のセンサスイッチ881,882のうち、まずセンサスイッチ881が、当該一方の端部側のスイッチオン部材885に当たる。そして、センサスイッチ871とスイッチオン部材415との関係と同様に、センサスイッチ881の可動部881aが、スイッチオン部材885に当たることによって回動し、センサスイッチ881がオン状態となる。
センサスイッチ881がオン状態になると、第2水平アシスト力に反発力が加えられる。本例では、スイッチオン部材885に向かうガイド部材400についての、センサスイッチ881がオン状態になった位置からの侵入距離(進行距離)に応じた反発力が第2水平アシスト力に加えられる。制御装置6は、ガイド部材400についての、センサスイッチ881がオン状態になった位置からの侵入距離に応じた反発力が第2水平アシスト力に加えられるように、第2水平モータ150をトルク制御する。この反発力は、上述の第1水平アシスト力に加えられる反発力と同様である。
ここで、センサスイッチ881は、ガイド部材400を含む第2移動機構4が所定位置にきたときにオン状態となることから、センサスイッチ881は、第2移動機構4が所定位置にきたことを検出するセンサであると言える。よって、第2移動機構4が所定位置にきたことをセンサスイッチ881が検出すると、制御装置6は、当該所定位置からの第2移動機構4の侵入距離に応じた反発力が第2水平アシスト力に加えられるように第2水平モータ150をトルク制御すると言える。以後、当該所定位置を「第3所定位置」と呼ぶ。
このように、制御装置6は、第2移動機構4の第3所定位置からの侵入距離に応じた反発力が第2水平アシスト力に加えられるように第2水平モータ150をトルク制御する。したがって、操作者100は、第2移動機構4が第3所定位置よりも先に侵入したことをハンドル200にかかる抵抗力として認識することができる。よって、第2移動機構4が、第3所定位置よりも先に大きく侵入することを抑制することができる。その結果、第2移動機構4が行き過ぎて、ガイド部材500から落下することを防止することができる。
センサスイッチ881がオン状態になった後、ガイド部材400がさらに走行すると、図29に示されるように、センサスイッチ882がスイッチオン部材885に当たり、その可動部882aが回動してセンサスイッチ882がオン状態となる。
センサスイッチ882がオン状態になると、動作モードがシステム停止状態となる。これにより、回転モータ210、鉛直モータ130、第1水平モータ140及び第2水平モータ150の動作が停止し、回転モータブレーキ213c、鉛直モータブレーキ130a、第1水平モータブレーキ140a及び第2水平モータブレーキ150aが動作する。
ここで、センサスイッチ882は、第2移動機構4が、第3所定位置よりも先の第4所定位置にきたことを検出するセンサであると言える。したがって、センサスイッチ882が、第2移動機構4が第4所定位置にきたことを検出すると、制御装置6は、回転モータ210、鉛直モータ130、第1水平モータ140及び第2水平モータ150の動作を停止すると言える。
このように、センサスイッチ882が、第2移動機構4が第3所定位置よりも先の第4所定値にきたことを検出すると、回転モータ210、鉛直モータ130、第1水平モータ140及び第2水平モータ150の動作が停止することから、第2移動機構4が第3所定位置より先に大きく進入することを確実に抑制することができる。
センサスイッチ882がオン状態になった後、第2水平モータブレーキ150aの故障等により、ガイド部材400がさらに進んだとしても、図30に示されるように、ガイド部材400とともに走行する脱線防止部材520がストッパ80に当たる。よって、ガイド部材400の走行が停止する。
なお、ガイド部材400が、ガイド部材500の他方の端部に向けて走行する場合にも、同様に、当該他方の端部に位置するスイッチオン部材885が、当該他方の端部側のセンサスイッチ881,882をオン状態にする。よって、ガイド部材500の他方の端部に向かうガイド部材400が、当該他方の端部で確実に停止する。
<変形例>
制御装置6は、上記の増幅率Kt,Kv,Kh1,Kh2を、操作対象のワーク10の質量に応じて増加させてよい。例えば、ワーク10の質量が小さく、増幅率Kt,Kv,Kh1,Kh2が大きい場合には、操作者100がハンドル200に対して少し力を加えただけでワーク10が大きく操作されることから、操作者100はワーク10を操作しにくくなる。一方で、ワーク10の質量が大きく、増幅率Kt,Kv,Kh1,Kh2が小さい場合には、操作者100は、ワーク10を操作するために、ハンドル200に対して大きな力を加える必要があり、操作者100はワーク10を操作しにくくなる。増幅率Kt,Kv,Kh1,Kh2が、操作対象のワーク10の質量に応じて増加することによって、操作者100はワーク10を操作しやすくなる。制御装置6は、例えば、操作機構2の一対の力センサ251での検出結果と、鉛直モータ130の回転速度とに基づいて、操作機構2が保持するワークの質量を推定することができる。制御装置6は、一対の力センサ251での検出結果と鉛直モータ130の回転速度とに基づいて、操作機構2がワーク10を持ち上げるときに必要な力を求める。そして、制御装置6は、求めた力に基づいてワーク10の質量を推定する。なお、鉛直モータ130の回転速度は、エンコーダを設けることによって得ることができる。
また上記の例では、操作機構2を鉛直方向DR3に沿って移動させる第1移動機構3は、ワイヤ300及び回転ドラム310等で構成されていたが、第1移動機構3の構成は他の構成であってもよい。例えば、第1移動機構3は直動アクチュエータであってよい。
また、上記の例では、操作機構2及びワーク10は、第1水平方向DR1及び第2水平方向DR2に沿って移動できるのではなく、鉛直方向DR3の周りに旋回できるようにしてもよい。図31はこの場合のハンドリングシステム1の一例を模式的に示す図である。
図31の例では、第1移動機構3は直動アクチュエータで構成されている。また、第4移動機構30は、ワーク10を保持する操作機構2を、鉛直方向DR3の周りに旋回させることが可能である。言い換えれば、第4移動機構30は、ワーク10を保持する操作機構2を、水平面に沿った周方向DR4に沿って移動させることが可能である。また第5移動機構40は、操作機構2を、周方向DR4の半径方向DR5に沿って移動させることが可能である。第5移動機構40は例えば直動アクチュエータである。周方向DR4及び半径方向DR5はともに水平面に沿った方向である。第4移動機構30は、操作機構2、第1移動機構3及び第5移動機構40を一緒に旋回させる。図31に示されるハンドリングシステム1では、操作機構2において、操作力検出センサ250の代わりに6軸力覚センサを採用する。6軸力覚センサによって、ハンドル200に加わる回転操作力及び鉛直操作力だけではなく、ハンドル200に加わる周方向DR4の操作力と、ハンドル200に加わる半径方向DR5の操作力を検出することができる。
以上のように、ハンドリングシステム1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。