JP6841663B2 - 電気化学反応セルスタックの製造方法 - Google Patents
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Description
A−1.構成:
(燃料電池スタック100の構成)
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1のII−IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1のIII−IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を「上方向」といい、Z軸負方向を「下方向」というものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。なお、燃料電池スタックは、特許請求の範囲における電気化学反応セルスタックに相当する。
一対のエンドプレート104,106は、略矩形の平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置されている。一対のエンドプレート104,106によって複数の発電単位102が押圧された状態で挟持されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
図2および図4に示すように、酸化剤ガス導入マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して酸化剤ガスOGが供給されると、酸化剤ガスOGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して酸化剤ガス導入マニホールド161に供給され、酸化剤ガス導入マニホールド161から各発電単位102の酸化剤ガス供給連通孔132を介して、空気室166に供給される。また、図3および図5に示すように、燃料ガス導入マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)を介して燃料ガスFGが供給されると、燃料ガスFGは、ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料ガス導入マニホールド171に供給され、燃料ガス導入マニホールド171から各発電単位102の燃料ガス供給連通孔142を介して、燃料室176に供給される。
燃料電池スタック100において、各燃料ガス流路(燃料ガス導入マニホールド171、燃料ガス排出マニホールド172)から空気室166への燃料ガスFG(または燃料オフガスFOG)のリークが発生すると、燃料電池スタック100の効率が低下するため、好ましくない。そのため、燃料電池スタック100には、高いガスシール性が求められる。以下、燃料電池スタック100におけるガスシールについて説明する。
基材156の空気極114側の表面の全体は、コート136によって覆われている。コート136は、酸化クロムの皮膜(クロミア皮膜)である。なお、例えば、インターコネクタ150に対して熱処理(本実施形態では、上記還元工程)を行うことにより、インターコネクタ150の基材156から析出したCrによって基材156の空気極114側の表面にコート136(クロミア皮膜)を形成することができる。
図7は、本実施形態における燃料電池スタック100の製造方法を示すフローチャートである。まず、単セル110を作製される(S110)。具体的には、次の通りである。
(燃料極基板層用グリーンシートの作製)
NiO粉末(50重量部)とYSZ粉末(50重量部)との混合粉末(100重量部)に対して、造孔材である有機ビーズ(混合粉末に対して15重量%)と、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエン+エタノール混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調整する。有機ビーズは、例えば、ポリメタクリル酸メチルやポリスチレンなどの高分子により形成された球状粒子である。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、厚さ250μmの燃料極基板層用グリーンシートを作製する。なお、燃料極基板層用グリーンシートのNiO粉末とYSZ粉末との比率は、その性能を満足する限り適宜変更可能であり、例えばNiO粉末:YSZ粉末が60:40や40:60であっても構わない。つまり、NiO粉末とYSZ粉末との混合粉末が100重量部となるように、NiO粉末は40〜60重量部の間で適宜変更でき、残りをYSZ粉末とすることができる。
NiO粉末(60重量部)とYSZ粉末(40重量部)との混合粉末(100重量部)に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエン+エタノール混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調整する。なお、例えば、NiO粉末の粒径を調整することにより、後述する還元後の単セル110におけるNiの平均粒径を調整することができる。また、上記混合粉末に、更に、造孔材である有機ビーズ(混合粉末に対して3.9重量%)を加えて、ボールミルにて混合して、スラリーを調整することにより、気孔率が燃料極基板層用グリーンシートより高い燃料極活性層用グリーンシートを作製することができる。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、厚さ6μm〜36μmの燃料極活性層用グリーンシートを作製する。なお、燃料極活性層用グリーンシートのNiO粉末とYSZ粉末との比率は、その性能を満足する限り適宜変更可能であり、例えばNiO粉末:YSZ粉末が50:50や40:60であっても構わない。つまり、NiO粉末とYSZ粉末との混合粉末が100重量部となるように、NiO粉末は40〜60重量部の間で適宜変更でき、残りをYSZ粉末とすることができる。
YSZ粉末(100重量部)に対して、ブチラール樹脂と、可塑剤であるDOPと、分散剤と、トルエン+エタノール混合溶剤とを加え、ボールミルにて混合して、スラリーを調整する。得られたスラリーをドクターブレード法により薄膜化して、厚さ10μmの電解質層用グリーンシートを作製する。
燃料極基板層用グリーンシートと燃料極活性層用グリーンシートと電解質層用グリーンシートとを貼り付けて約280℃で脱脂する。さらに、約1350℃にて焼成を行い、電解質層112と燃料極116との積層体を得る。
La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3粉末と、イソプロピルアルコールとからなる混合液を作成する。作成した混合液を、上記積層体における電解質層112の表面に噴霧塗布し、1100℃で焼成することによって空気極114を成形することにより、焼成体(還元前の単セル110)を得ることができる。
組み立て後の燃料電池スタック100が、運転温度(例えば700℃)以上の温度の水素雰囲気に還元時間だけ晒されることにより活性層350が還元(NiOがNiに還元)される(S130)。この工程は、特許請求の範囲における還元工程に相当する。運転温度は、電解質層112の酸素イオンを伝導する活性を有する温度である。還元に利用される還元ガスは、水素に限定されず。メタンガス等でもよい。還元温度は、700℃以上、1000℃以下とすることができ、820℃以下とすることができ、800℃以下とすることができる。還元時間は、1時間以上の時間である。なお、還元温度は、昇温・降温過程の燃料電池スタック100の温度を含まず、例えば1時間以上維持される燃料電池スタック100の温度である。
還元工程後の燃料電池スタック100における各単セル110の燃料極116の活性層350の分析方法は次の通りである。
図8は、燃料極116の性能評価の結果を示す説明図である。図8において、初期電圧は、還元工程後の燃料電池スタック100を運転温度700℃で運転開始したときの燃料電池スタック100の初期の出力電圧を意味する。IR劣化率は、燃料電池スタック100について、初期から1000時間の定格発電運転を行ったときの出力電圧を試験後電圧とした場合、上記初期電圧に対する初期電圧と試験後電圧との差の割合である。IR劣化率が低いほど、燃料電池スタック100の耐久性が高いことを意味する。図8に示すように、性能評価には、還元工程における還元温度と還元時間と還元雰囲気との組み合わせが互いに異なる製造方法により製造された7種類のサンプル(1〜7)を用いた。
本実施形態の燃料電池スタック100の製造方法では、還元ガスの水蒸気濃度が0.005%以上であるため、還元ガスの水蒸気濃度が0.005%未満である場合に比べて、還元工程における燃料極116の還元収縮を抑制することができる。また、還元ガスの水蒸気濃度が3%未満であるため、還元ガスの水蒸気濃度が3%以上である場合に比べて、Zrの結晶系を立方晶から正方晶に相転移させるのに要する時間の長期化を抑制することができる。これにより、運転時における性能の変動が抑制された燃料電池スタック100を製造することができる。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
Claims (3)
- 固体酸化物を含む電解質層と、前記電解質層の一方の面側に配置された空気極と、前記電解質層の他方の面側に配置され、Ni(ニッケル)および酸素イオン伝導性物質を含有する燃料極とを含む電気化学反応単セルを複数備える電気化学反応セルスタックの製造方法であって、
前記電解質層および前記燃料極の少なくとも一方は、Zr(ジルコニウム)を含有し、
還元工程前の前記電気化学反応セルスタックを準備する準備工程と、
前記還元工程前の電気化学反応セルスタックが備える少なくとも1つの前記電気化学反応単セルに含まれる前記燃料極を、還元ガスの水蒸気濃度が0.005%以上、かつ、3%未満であり、かつ、温度が700℃以上、870℃以下である条件下で還元する前記還元工程と、を備えることを特徴とする、電気化学反応セルスタックの製造方法。 - 請求項1に記載の電気化学反応セルスタックの製造方法において、
前記電気化学反応セルスタックは、さらに、
第1の方向に並べて配置され、前記第1の方向に延びる燃料ガス流路を構成するとともに導電性を有する複数の導電性部材と、
前記複数の導電性部材の内、前記第1の方向において互いに隣り合う少なくとも1対の前記導電性部材の間の空間に配置され、前記少なくとも1対の前記導電性部材に接するガラスシール材と、を備えることを特徴とする、電気化学反応セルスタックの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の電気化学反応セルスタックの製造方法において、
前記還元工程では、820℃以下の温度で前記燃料極を還元することを特徴とする、電気化学反応セルスタックの製造方法。
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