以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態であるレンズ鏡筒の断面模式図である。なお、図1では、説明の便宜上、各レンズホルダのフォロアを図示しているが、実際には、各レンズホルダのフォロアは、光軸を中心とした回転方向に位相をずらして設けられており、同一断面上には設けられていない。また、図1において、光軸より上側は、レンズ鏡筒のワイド位置における断面模式図、光軸より下側は、レンズ鏡筒のテレ位置における断面模式図である。なお、本実施形態では、撮像装置の一例としてのデジタルカメラ等に設けられるレンズ鏡筒を例に採る。
本実施形態のレンズ鏡筒は、図1に示すように、第1〜第6の光学ユニット11〜16、カム筒21及び固定筒22を備え、第1〜第5の光学ユニット11〜15をそれぞれ光軸方向に移動させることによって撮影倍率を変更するズーム動作を行う。カム筒21は、本発明のカム部材の一例に相当する。
第1光学ユニット11は、第1レンズ群11aを保持し、像面側の端部内周部に第1フォロア11bが周方向に略等間隔で複数設けられている。第1フォロア11bは、カム筒21の外周部に設けられたカム溝に係合しており、カム筒21が回転することで、カム溝に沿って光軸方向に移動する。
第2光学ユニット12は、第2レンズ群12aを保持し、像面側の端部外周部に第2フォロア12bが周方向に略等間隔で複数設けられている。第2フォロア(カムピン)12bは、カム筒21の内周部に設けられたカム溝に係合しており、カム筒21が回転することで、カム溝に沿って光軸方向に移動する。
第3光学ユニット13は、絞りユニットを構成し、外周部に第3フォロア13bが設けられている。第3光学ユニット13は、ガイドバー23a,23bに対して回転規制された状態で光軸方向に移動可能に嵌合支持されている。第3フォロア13bは、カム筒21の内周部に設けられたカム溝に係合しており、カム筒21が回転することで、カム溝に沿って光軸方向に移動する。
第4光学ユニット14は、第3レンズ群14aを保持し、リニアアクチュエータ24によって光軸方向に駆動される。第4光学ユニット14の外周部には、第4フォロア14bが周方向に略等間隔で複数設けられ、第4フォロア14bは、カム筒21の内周部に設けられたカム溝に係合している。なお、第4光学ユニット14の詳細については後述する。
第5光学ユニット15は、第4レンズ群15aを保持し、ガイドバー23a,23bに対して回転規制された状態に光軸方向に移動可能に嵌合支持されている。第5光学ユニット15の外周部には、1つ第5フォロア15bが設けられている。リニアアクチュエータ24は、本発明の駆動装置の一例に相当する。
第6光学ユニット16は、フォーカスレンズを構成する第5レンズ群16aを保持し、不図示のアクチュエータによって光軸方向に移動してフォーカス動作を行う。第6光学ユニット16の背面側には、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子25が設けられている。撮像素子25は、第1レンズ群11a、第2レンズ群12a、第3レンズ群14a、第4レンズ群15a及び第5レンズ群16aを通過して結像した被写体像を電気信号に光電変換して不図示の画像処理部に出力する。
リニアアクチュエータ24は、振動子に超音波振動を発生させることにより駆動力を発生する超音波モータであり、直進駆動させるモータである。超音波モータは小型でありながら出力が高く、また動作音がほぼ無いので、レンズ鏡筒の駆動に最適である。リニアアクチュエータ24の詳細な構造については割愛するが、振動子が第4光学ユニット14の接触部と加圧接触状態で保持されており、振動子に超音波振動が励起されると、第4光学ユニット14が駆動力を受け、移動するようになっている。
次に、レンズ鏡筒のズーム動作について説明する。レンズ鏡筒を図1の上側のワイド位置から下側のテレ位置に移動させるには、カム筒21の内周側に配置されたリニアアクチュエータ24を駆動して第4光学ユニット14を被写体側(図の左側)に向けて光軸方向に移動させる。第4光学ユニット14の第4フォロア14bは、カム筒21の内周部に設けられたカム溝と係合しているため、カム溝と第4フォロア14bとのカム作用により第4光学ユニット14が光軸方向に移動すると、カム筒21が回転する。
カム筒21が回転すると、カム筒21の対応するカム溝にフォロア11b〜13b及びフォロア15bが係合している第1〜第3の光学ユニット11〜13及び第5光学ユニット15は、それぞれ対応するカム溝とのカム作用により被写体側に向けて移動する。このように、リニアアクチュエータ24を駆動して第4光学ユニット14を光軸方向に移動させることで、それ以外の第1〜第3の光学ユニット11〜13及び第5光学ユニット15が光軸方向に移動してズーム動作が行われる。
次に、図2を参照して、レンズ鏡筒のズーム動作を行うに際し、リニアアクチュエータ24によって第4光学ユニット14を光軸方向に移動させる理由について説明する。図2は、第1〜第5の光学ユニット11〜15の初期位置からの移動量と光軸方向の位置との関係を示すグラフ図である。図2において、横軸の左側がワイド位置であり、右側に行くに従ってテレ位置に近づく。また、縦軸の移動量は、ワイド位置を0として初期位置としている。
図2に示すように、第4光学ユニット14は、ワイド位置からテレ位置に向けて一方向に略リニアに移動している。ワイド位置とテレ位置との間を略リニアに移動する第4光学ユニット14をリニアアクチュエータ24で駆動することで、第4光学ユニット14にカム係合するカム筒21を安定して回転駆動することができる。
例えば、第1光学ユニット11では、一度撮像面側に繰り込んだ後、再び被写体側に向けて移動する。このように、移動方向が変わる移動軌跡をたどる第1光学ユニット11をリニアアクチュエータ24で駆動すると、第1光学ユニット11にカム係合するカム筒21のカム溝の光軸に対するカム傾斜角度が緩いポジションができてしまう。カム傾斜角度が緩いと、光軸方向への力を回転力に変換するのに負荷が大きくなってしまい、安定したカム筒21の回転力を得ることができない。このため、カム筒21を安定して回転させるには、移動方向が一方向で略直線状の移動軌跡をたどる第4光学ユニット14をリニアアクチュエータ24で光軸方向に移動させるのが好ましい。
以上説明したように、本実施形態では、カム筒21の内周側に配置された比較的小型のリニアアクチュエータ24を駆動して第4光学ユニット14を光軸方向に移動させることで、ズーム動作を行うことができる。このため、カム筒21の径方向外側にアクチュエータや減速系のギア列等をレイアウトする必要がなく、また、複数のレンズ群の数だけモータを設ける必要もない。これにより、複数のレンズ群を光軸方向に駆動するモータの制御を複雑にすることなく、レンズ鏡筒の小型化を実現することができる。
(第2の実施形態)
次に、図3乃至6を参照して、本発明の第2の実施形態であるレンズ鏡筒を説明する。図3は、レンズ鏡筒の要部を示す斜視図である。図4は、図3に示すレンズ鏡筒がワイド位置にあるときのカムシャフト121の位置での光軸方向に沿う断面模式図である。図5は、図3に示すレンズ鏡筒がテレ位置にあるときのカムシャフト121の位置での光軸方向に沿う断面模式図である。
本実施形態のレンズ鏡筒は、図3乃至図5に示す様に、収納ケース110に固定された第1光学ユニット111、光軸方向に移動可能な第2〜第5光学ユニット112〜115、カムシャフト121、ガイドバー123a,123b及び収納ケース110を備える。カムシャフト121、及びガイドバー123a,123bは、それぞれ光軸と平行に配置され、カムシャフト121は、収納ケース110に回転可能に支持され、ガイドバー123a,123bは、収納ケース110に固定されている。第2光学ユニット112は本発明の第1の光学部材の一例に相当する。
第1光学ユニット111は、第1レンズ群111aを保持して、収納ケース110に固定されている。第1レンズ群111aは、互いに直交して設けられた2枚のレンズを有し、2枚のレンズの間には、プリズムが設けられている。なお、本実施形態では、第1光学ユニット111を固定光学群としているが、移動光学群としてもよい。また、第1レンズ群111aは、必ずしもプリズムを含む必要はなく、プリズムはなくても良いし、他の撮像面側の光学ユニットのレンズ群に設けてもよい。
第2光学ユニット112は、第2レンズ群112aを保持しており、ガイドバー123aに嵌合保持されるとともに、ガイドバー123bに係合保持されることで、光軸方向に移動可能に支持されている。第2光学ユニット112の外周部には、カムシャフト121に設けられた第1カム部121aに係合する第1フォロア112b、及びリニアアクチュエータ124との接触部112cが設けられている。第2光学ユニット112は、接触部112cがリニアアクチュエータ124に接触することで、リニアアクチュエータ124から光軸方向の推力を受ける。
第3光学ユニット113は、第3レンズ群113aを保持しており、ガイドバー123bに嵌合保持されるとともに、ガイドバー123aに係合保持されることで、光軸方向に移動可能に支持されている。第3光学ユニット113の外周部には、カムシャフト121に設けられた第2カム部121bに係合する第2フォロア113bが設けられている。
第4光学ユニット114は、第4レンズ群114aを保持しており、ガイドバー123bに嵌合保持されるとともに、ガイドバー123aに係合保持されることで、光軸方向に移動可能に支持されている。第4光学ユニット114の外周部には、カムシャフト121に設けられた第3カム部121cに係合する第3フォロア114bが設けられている。
第5光学ユニット115は、フォーカスレンズを構成する第5レンズ群115aを保持しており、ガイドバー123bに嵌合保持されるとともに、ガイドバー123aに係合保持されることで、光軸方向に移動可能に支持されている。
第5光学ユニット115は、不図示のアクチュエータによって独立して光軸方向に駆動されてフォーカス動作を行う。第5光学ユニット115の背面側には、撮像素子125が設けられている。
撮像素子125は、CCDセンサやCMOSセンサ等で構成され、収納ケース110に固定されている。撮像素子125は、第1レンズ群111a、第2レンズ群112a、第3レンズ群113a、第4レンズ群114a及び第5レンズ群115aを通過して結像した被写体像を電気信号に光電変換して不図示の画像処理部に出力する。
リニアアクチュエータ124は、振動子に超音波振動を発生させることにより駆動力を発生する超音波モータであり、直進駆動させるモータである。超音波モータは小型でありながら、出力が高く、また動作音もほぼ無いので、レンズ鏡筒の駆動に最適である。リニアアクチュエータ124の詳細な構造については割愛するが、振動子が第2光学ユニット112の接触部112cと加圧接触状態で保持されており、振動子に超音波振動が励起されると、第2光学ユニット112が駆動されるようになっている。
次に、レンズ鏡筒の動作について説明する。前述したように、第2光学ユニット112は、リニアアクチュエータ124から接触部112cを介して推力を受け、ズーム位置に応じた位置に移動する。第2光学ユニット112は、第1フォロア112bがカムシャフト121の第1カム部121aに係合している。このため、第2光学ユニット112が光軸方向に移動するのに伴い第1カム部121aと第1フォロア112bとのカム作用によりカムシャフト121が回転する。
カムシャフト121は、第2カム部121bに第3光学ユニット113の第2フォロア113bが係合し、第3カム部121cに第4光学ユニット114の第3フォロア114bが係合している。このため、カムシャフト121の回転に伴って、第2カム部121bと第2フォロア113bとのカム作用及び第3カム部121cと第3フォロア114bとのカム作用により第3光学ユニット113及び第4光学ユニット114が光軸方向に移動する。これにより、レンズ鏡筒のズーム動作が行われる。
次に、図6を参照して、レンズ鏡筒のズーム動作を行うに際し、リニアアクチュエータ124によって第2光学ユニット112を光軸方向に移動させる理由について説明する。図6は、第2〜第4の光学ユニット112〜114の初期位置からの移動量と光軸方向の位置との関係を示すグラフ図である。図6において、横軸の左側がワイド位置であり、右側に行くに従ってテレ位置に近づく。また、縦軸の移動量は、ワイド位置を0として初期位置としている。
図6に示すように、第2〜第4の光学ユニット112〜114のうち、第2光学ユニット112は、ワイド位置からテレ位置に向けて略リニアに移動している。このため、第2光学ユニット112をリニアアクチュエータ124で一方向に駆動することで、第2光学ユニットと係合するカムシャフト121を安定して回転駆動することができる。
例えば、第3光学ユニット113では、撮像面に向けて緩やかなカーブを描いてワイド位置からテレ位置に移動する。このような移動軌跡をたどる第3光学ユニット113をリニアアクチュエータ124で駆動すると、第3光学ユニット113にカム係合するカムシャフト121の第2カム部121bの光軸に対する傾斜角度が緩いポジションができてしまう。傾斜角度が緩くなっていると、光軸方向の力を回転力に変換するのに負荷が大きくなり、安定したカムシャフト121の回転にならない。このため、カムシャフト121を安定して回転させるには、移動方向が一方向であって略直線状の移動軌跡をたどる第2光学ユニット112をリニアアクチュエータ124で光軸方向に移動させるのが好ましい。
また、カムシャフト121に設けられたカム部121a〜121cのうち、リニアアクチュエータ124によって駆動される第2光学ユニット112に係合する第1カム部121aの光軸に対する傾斜角度が最も急であることが好ましい。理由は、カムシャフト121を回転させるためのカム部は、できるだけ光軸に対する傾斜角度が急な方がカムシャフト121を回転させるのに必要な推力が小さくて済むためである。
また、カムシャフト121のカム部121b,121cの光軸に対する傾斜角度は、できるだけ緩い方が第3及び第4光学ユニット113,114を光軸方向に移動させるためのカムシャフト121の回転力を小さく抑えることができる。カムシャフト121の回転力を小さくできることは、リニアアクチュエータ124の推力を小さくすることが可能になることを意味する。このようなカム部121a〜121cの光軸に対する傾斜角度の関係を実現する為、本実施形態では、ワイド状態からテレ状態に最も移動するレンズ群である第2光学ユニット112を駆動させると共に、カムシャフト121の各カムを作成する径を変化させている。
以上説明したように、本実施形態では、収納ケース110内に配置された比較的小型のリニアアクチュエータ124によって第2光学ユニット112を光軸方向に移動させることで、ズーム動作を行うことができる。このため、カム筒の径方向外側にアクチュエータや減速系のギア列等をレイアウトする必要がなく、また、複数のレンズ群の数だけモータを設ける必要もない。これにより、複数のレンズ群を光軸方向に駆動するモータの制御を複雑にすることなく、レンズ鏡筒の小型化を実現することができる。
また、本実施形態では、カムシャフト121、ガイドバー123a,123b及びリニアアクチュエータ124を光軸と直交する一方向(図3の矢印X方向)に配置しているので、レンズ鏡筒の薄型化を図ることができる。
さらには、本実施形態に用いたリニアアクチュエータ124は、振動子が第2光学ユニット112の接触部112cに加圧された状態で接触保持されていることで、第2光学ユニット112のガイドバー123に対する片寄せの機能を果たす。このため、第2光学ユニット112はスムーズで揺れのない移動を実現できる。
また、本実施形態では、収納ケース110内に配置される軸状のカムシャフト121の回転により第2〜第4の光学ユニット112〜114を光軸方向に移動させている。このため、カム筒を用いる場合に比べてレイアウトの自由度が増し、筒状ではない自由なレンズ鏡筒の形状が可能になる。
(第3の実施形態)
次に、図6乃至11を参照して、本発明の第3の実施形態であるレンズ鏡筒を説明する。図7は、レンズ鏡筒の要部を示す斜視図である。図8は、図7の背面側から見た斜視図である。図9は、図7に示すレンズ鏡筒がワイド位置にあるときのカムシャフト121の位置での光軸方向に沿う断面模式図である。図10は、図7に示すレンズ鏡筒がテレ位置にあるときのカムシャフト121の位置での光軸方向に沿う断面模式図である。図11は、カムシャフト121のカム部を所定径で展開したときの模式図である。
本実施形態のレンズ鏡筒は、図7乃至図11に示す様に、収納ケース110に固定された第1光学ユニット111、光軸方向に移動可能な第2〜第5の光学ユニット112〜115、カムシャフト121、付勢カム122、ガイドバー123a,123bを備える。カムシャフト121、付勢カム122、及びガイドバー123a,123bは、それぞれ光軸と平行に配置され、カムシャフト121は、収納ケース110に回転可能に支持され、ガイドバー123a,123bは、収納ケース110に固定されている。第2光学ユニット112は、本発明の第1の光学部材の一例に相当し、第3光学ユニット113は、本発明の第2の光学部材の一例に相当する。
第1光学ユニット111は、第1レンズ群111aを保持して、収納ケース110に固定されている。第1レンズ群111aは、互いに直交して設けられた2枚のレンズを有し、2枚のレンズの間には、プリズムが設けられている。なお、本実施形態では、第1光学ユニット111を固定光学群としているが、移動光学群としてもよい。また、第1レンズ群111aは、必ずしもプリズムを含む必要はなく、プリズムは、他の撮像面側の光学ユニットのレンズ群に設けてもよい。
第2光学ユニット112は、第2レンズ群112aを保持しており、ガイドバー123aに嵌合保持されるとともに、ガイドバー123bに係合保持されることで、光軸方向に移動可能に支持されている。第2光学ユニット112の外周部には、カムシャフト121に設けられた第1カム部121aに係合する第1フォロア112b、及びリニアアクチュエータ124との接触部112cが設けられている。第2光学ユニット112は、接触部112cがリニアアクチュエータ124に接触することで、リニアアクチュエータ124から光軸方向の推力を受ける。第1カム部121aは、本発明の第1の係合部の一例に相当し、第2カム部121bは、本発明の第2の係合部の一例に相当する。
第3光学ユニット113は、第3レンズ群113aを保持しており、ガイドバー123bに嵌合保持されるとともに、ガイドバー123aに係合保持されることで、光軸方向に移動可能に支持されている。第3光学ユニット113の外周部には、カムシャフト121に設けられた第2カム部121bに係合する第2フォロア113bが設けられている。
第3光学ユニット113は、第1スプリング126によって第2光学ユニット112と第3光学ユニット113が互いに引き離される方向に付勢されている。具体的には、第3光学ユニット113は、図7において下方向に付勢されている。従って、カムシャフト121の第2カム部121bに対して常に接触した状態を維持することができ、カムシャフト121の回転に伴い、第2カム部121bの面に倣って第3光学ユニット113が光軸方向に移動可能となっている。
第4光学ユニット114は、第4レンズ群114aを保持しており、ガイドバー123bに嵌合保持されるとともに、ガイドバー123aに係合保持されることで、光軸方向に移動可能に支持されている。第4光学ユニット114の外周部には、カムシャフト121に設けられた第3カム部121cに係合する第3フォロア114bが設けられている。
第4光学ユニット114は、第3フォロア114bが第3カム部121cと後述の付勢カム122に挟まれるようにして保持される。このようにしたことで、第3フォロア114bが常に第3カム部121cと接触した状態を維持するこができ、カムシャフト121が回転すると、第3カム部121cの面に倣い、光軸方向に移動可能となっている。
第5光学ユニット115は、フォーカスレンズを構成する第5レンズ群115aを保持しており、ガイドバー123bに嵌合保持されるとともに、ガイドバー123aに係合保持されることで、光軸方向に移動可能に支持されている。第5光学ユニット115は、アクチュエータによって独立して光軸方向に駆動されてフォーカス動作を行う。第5光学ユニット115の背面側には、撮像素子125が設けられている。
カムシャフト121は、段差のついた軸形状であって、その外周部に第1カム部121a、第2カム部121b、第3カム部121cが設けられている。第1カム部121aは、溝形状に形成され、第2光学ユニット112に設けられた第1フォロア112bが溝に挟まるようにして2面に支持されるような形で係合している。さらに、第2カム部121bは、第1カム部121aを設けた径とは異ならせた凸部に設けられ、第1カム部121aがある方向の側面にカム面が形成されている。前述のように、第3光学ユニット113は、図11の下方向に付勢されていることで、第2カム部121bに倣って移動することが可能となっている。さらに、第3カム部121cは、第2カム部121bを設けた径とほぼ同径であって、第2カム部121bとは反対方向の面で形成されている。
付勢カム122は、カムシャフト121と同軸に配置され、内部に第2スプリング127を有している。カムシャフト121と付勢カム122は、キー嵌合により、互いに回転軸方向には移動可能であって、回転方向は一体となって回転するようになっている。また、第2スプリング127によってカムシャフト121と付勢カム122は互いに近づく方向に付勢されている。付勢カム122の上端には、カムシャフト121の第3カム部121cと同様の軌跡を持つ第3Bカム122aが設けられている。この第3Bカム122aと、第3カム部121cとに挟まれるようにして、第4光学ユニット114の第3フォロア114bが係合している。第2スプリング127の付勢により、第3フォロア114bは第3カム部121cに常に押しつけられ、ガタつくことなく保持される。
撮像素子125は、CCDセンサやCMOSセンサ等で構成され、収納ケース110に固定されている。撮像素子125は、第1レンズ群111a、第2レンズ群112a、第3レンズ群113a、第4レンズ群114a及び第5レンズ群115aを通過して結像した被写体像を電気信号に光電変換して不図示の画像処理部に出力する。
次に、図11乃至図13を参照して、カムシャフト121の形状と成形方法について詳しく説明する。図11は、第1〜第3のカム部121a〜121cを所定の径で展開させた状態を示す模式図である。図12は、カムシャフトをモールドで成形する際の型抜き方法を模式的に示したものであり、図13は、カムシャフトを所定径で展開して成形型の抜き方向を模式的に示したものである。
カムシャフト121と第2〜第4の光学ユニット112〜114は連動して動くので、図11で表わされる各カム部121a〜121cの軌跡は、各ズーム位置でのレンズ移動軌跡と一致する。
図11から明らかなように、第1カム部121aは、所定の傾斜角αでリニアに形成されたものであり、第2カム部121bと第3カム部121cは、非線形に形成されたものである。このとき、第2カム部121bにおける最大傾斜部の傾斜角をβとしたとき、α≧βの関係が成り立つようにしている。
図12及び図13には、このように設定したカムシャフト121を成形する際に上下2つの型131、132をどのように抜くことで成形品から離形していくかを示している。カムシャフト121をモールド成形する際は、第1カム部121aと第2カム部121bを成形できる一体駒131にて傾斜角αで回転抜きする(図13にて、型131の第2カム部121bを形成する稜線は131−1、131−2と移動する)。第3カム部121cは、型132にて図12の下方向にスライドすることで形成可能となる。このようにすると、第1カム部121aを溝形状にて成形しながら、第1カム部121a、第2カム部121bともに、その途中に型割線が入ることなく成形可能である。
例えば、α<βのようになっていると、αの傾斜角で回転抜きすると、第2カム部121bの面を避けるようにして型が抜けず、アンダーカットとなってしまう。実際の成形では、図12に示されるように、型131を回転させながら上方向に抜いていく型構造となる。また、溝形状からなる第2カム部121aはアンダーカットにならないようにα度の直進溝になっている必要があるが、本実施形態では、第2カム部121b、第3カム部121cは、面形状からなるカム部としている。これにより、カムの軌跡が非線形なものであってアンダーカット形状にならず成形可能になっている。
また、カムシャフト121に設けられた第1〜第3のカム部121a〜121cが120°程度以内だとすると、周方向からの型抜き構造にして、一体型駒131にて成形可能なため、カムの途中に型段差が生じない。しかしながら、本実施形態では、回転角度が120°以上と大きくなっても、一体駒にて成形可能なものとなっている。カムシャフト121は、比較的小径に形成されており、カムの長さを十分にとって、精度よく光学ユニットが移動するように設計しようとすると、回転角度が大きくなってしまうため、この構成が有効である。カムの途中に型段差が生じると、カムに倣って移動する各光学ユニットの揺れにつながり、性能が悪くなったり、像の見えが悪くなったりして好ましくない。
さらに、第2カム部121bのワイド状態にて第2フォロア113bが係合する位置からさらにテレ方向と逆に進んだ先に、本発明の脱落防止部の一例としての脱落壁121dを設けている。これによって、ワイド状態において衝撃が加わったりしてカムシャフト121が不用意に回転してしまい、第2フォロア113bが脱落してしまうことを防止している。
また、第3カム部121cは、前述のように型132を下方向に抜くことで成形される。このため、本実施形態では、第1〜第3のカム部121a〜121cは、概ね360°を越えない範囲で形成されている。具体的には、ワイド位置−テレ位置でカムシャフト121は320°回転するものとしている。
次に、レンズ鏡筒の動作について説明する。前述したように、第2光学ユニット112は、リニアアクチュエータ124から接触部112cを介して推力を受け、ズーム位置に応じた位置に移動する。第2光学ユニット112は、第1フォロア112bがカムシャフト121の第1カム部121aに係合している。このため、第2光学ユニット112が光軸方向に移動するのに伴い第1カム部121aと第1フォロア112bとのカム作用によりカムシャフト121が回転する。
カムシャフト121は、第2カム部121bに第3光学ユニット113の第2フォロア113bが係合し、第3カム部121cに第4光学ユニット114の第3フォロア114bが係合している。このため、カムシャフト121の回転に伴って、第2カム部121bと第2フォロア113bとのカム作用及び第3カム部121cと第3フォロア114bとのカム作用により第3光学ユニット113及び第4光学ユニット114が光軸方向に移動する。これにより、レンズ鏡筒のズーム動作が行われる。
次に、上記第2の実施形態で用いた図6を流用して、本実施形態のレンズ鏡筒のズーム動作を行うに際し、リニアアクチュエータ124によって第2光学ユニット112を光軸方向に移動させる理由について説明する。前述したように、図6は、第2〜第4の光学ユニット112〜114の初期位置からの移動量と光軸方向の位置との関係を示すグラフ図である。図6において、横軸の左側がワイド位置であり、右側に行くに従ってテレ位置に近づく。また、縦軸の移動量は、ワイド位置を0として初期位置としている。
図6に示すように、第2〜第4の光学ユニット112〜114のうち、第2光学ユニット112は、ワイド位置からテレ位置に向けて略リニアに移動している。このため、第2光学ユニット112をリニアアクチュエータ124で一方向に駆動することで、第2光学ユニット112と係合するカムシャフト121を安定して回転駆動することができる。
例えば、第3光学ユニット113では、撮像面に向けて緩やかなカーブを描いてワイド位置からテレ位置に移動する。このような移動軌跡をたどる第3光学ユニット113をリニアアクチュエータ124で駆動すると、第3光学ユニット113にカム係合するカムシャフト121の第2カム部121bの光軸に対する傾斜角度が緩いポジションができてしまう。このため、カムシャフト121を安定して回転させるには、移動方向が一方向で略直線状の移動軌跡をたどる第2光学ユニット112をリニアアクチュエータ124で光軸方向に移動させるのが好ましい。
また、カムシャフト121に設けられた第1〜第3カム部121a〜121cのうち、リニアアクチュエータ124によって駆動される光学ユニットは光軸に対するカム部の傾斜角度が最も急になる光学ユニットであるが好ましい。理由は、カムシャフト121を回転させるためのカム部は、できるだけ光軸に対する傾斜角度が急な方がカムシャフト121を回転させるのに必要な推力が小さくて済むためである。
また、カムシャフト121のカム部121b,121cの光軸に対する傾斜角度は、できるだけ緩い方が第3及び第4光学ユニット113,114を光軸方向に移動させるためのカムシャフト121の回転力を小さく抑えることができる。カムシャフト121の回転力を小さくできることは、リニアアクチュエータ124の推力を小さくすることが可能になることを意味する。このようなカム部121a〜121cの光軸に対する傾斜角度の関係を実現するため、本実施形態では、カムシャフト121の径を光軸方向に変化させて対応している。
以上説明したように、本実施形態では、小径であるカムシャフト121を光学ユニット112〜114の外側に配して、複数の光学ユニット112〜114を移動可能にした薄型化・小型化を実現したレンズ鏡筒としている。そして、カムシャフト121に形成するカム部121a〜121cの角度範囲が比較的大きくても、一体の型駒にて成形可能なカム形状にしている。これによって、カムの途中に型割段差のつくことがないものとしている。
なお、本実施形態では、カムシャフト121を成形する際に、第1カム部121aおよび第2カム部121bを一体型駒にて回転抜きすることで成形したものであって、第3カム部121cは回転抜き構成ではない。しかし、第3カム部121cを回転抜きできるようなカム部を持つものでも構わないし、さらには第4カム部を有していて、第3カム部、第4カム部を一体型駒にて回転抜きするような構成でも構わない。
また、本実施形態では、カムシャフト121を回転させるために、超音波型のリニアアクチュエータ124を用いているが、これに限定されるものではなく、超音波型でなくてもよいし、リニアな出力を持つものでなくてもいい。例えばステッピングモータでカムシャフト121を直接または複数のギアを介して回転させるものであってもよい。その際には、カムシャフト121の回転に伴って、第2光学ユニット112、第3光学ユニット113、第4光学ユニット114が移動するものである。
(第4の実施形態)
次に、図14を参照して、本発明の第4の実施形態であるレンズ鏡筒を説明する。図14は、レンズ鏡筒のカムシャフト221の位置での光軸方向に沿う断面模式図である。なお、本実施形態では、上記第3の実施形態に対して重複する部分については、図に同一符号を付して相違点についてのみ説明する。
図14に示すように、本実施形態のレンズ鏡筒は、収納ケース110に固定された第1光学ユニット111、光軸方向に移動可能な第2〜第4の光学ユニット212〜214、第5光学ユニット115を備える。また、レンズ鏡筒は、カムシャフト221、付勢カム222、ガイドバー123a,123bを備える。カムシャフト221、付勢カム222、及びガイドバー123a,123bは、それぞれ光軸と平行に配置され、カムシャフト221及び付勢カム222は、収納ケース110に回転可能に支持されている。
第1光学ユニット111は、上記第3の実施形態と同様である。第2光学ユニット212は、上記第3の実施形態と同様に、第2レンズ群212aを保持しており、光軸方向に移動可能に支持されたものである。第2光学ユニット212の外周部には、カムシャフト221に設けられた第1カム部221aに係合する第1フォロア212bが設けられている。第1フォロア212bは、上記第3の実施形態の第1フォロア112bとは形状が異なっており、外側に行くに従って径が太く形成された円筒くさび形状である。
第3光学ユニット213は、上記第3の実施形態と同様に、第3レンズ群213aを保持しており、光軸方向に移動可能に支持されたものである。第3光学ユニット213の外周部には、カムシャフト221に設けられた第2カム部221bに係合する第2フォロア213bが設けられている。第2フォロア213bは、第1フォロア212bのように外側にいくに従って径が太く形成された円筒くさび形状である。また、第2フォロア213bは、上記第3の実施形態と同様に、図14において、下方向に付勢されており、カムシャフト221のカム部221bに対して常に接触した状態を維持することができる。
第4光学ユニット214は、上記第3の実施形態と同様に、第4レンズ群214aを保持しており、光軸方向に移動可能に支持されたものである。第4光学ユニット214の外周部には、カムシャフト221に設けられた第3カム部221cに係合する第3フォロア214bが設けられている。第3フォロア214bは第1フォロア212bのように外側にいくに従って径が太く形成された円筒くさび形状である。
第4光学ユニット214の第3フォロア214bは、第3カム部221cと付勢カム222に挟まれるようにして保持される。このようにしたことで、第3フォロア214bが常に第3カム部221cと接触した状態を維持することができ、カムシャフト221が回転すると、第3カム部221cの面に倣い、光軸方向に移動可能となっている。第5光学ユニット115は、上記第3の実施形態と同様のフォーカスレンズ群である。
カムシャフト221は、上記第3の実施形態と同様に、段差のついた軸形状であって、その外周部に第1カム部221a、第2カム部221b、及び第3カム部221cが設けられている。第1カム部221aは、溝形状にて形成され、第2光学ユニット212に設けられた第1フォロア212bが第1カム部221aの溝に挟まるようにして2面に支持されるように係合している。
前述のように、第1フォロア212bは、円筒くさび形状になっており、第1フォロア212bが係合する第1カム部221aの溝形状も、外周部にいくほど径が細くなるくさび形状になるように形成されている。さらに、第2カム部221bは、第1カム部221aを設けた径とは異ならせてカムシャフト221に設けられ、第1カム部221aがある方向にカム面が形成されている。第2カム部221bは、第2カム部221bと係合する第2フォロア213bのくさび形状に対応したくさび面によって形成されている。
さらに、第3カム部221cは、第2カム部221bを設けた径とほぼ同径であって、カムシャフト221の第2カム部221bとは反対方向の面で形成されている。第2カム部221bと同様に、第3カム部221cは、係合する第3フォロア214bのくさび形状に対応したくさび面によって形成される。
付勢カム222は、カムシャフト221と同軸に配置され、内部に第2スプリング127を有している。付勢カム222の上端には、カムシャフト221の第3カム部221cと同様の軌跡を有する第3Bカム222aが設けられ、第3Bカム222aは、第3フォロア214bのくさび形状に対応したくさび面にて形成されたものである。
カムシャフト221に設けられた第1〜第3のカム部221a〜221cの所定の径での展開軌跡は、上記第3の実施形態(図11)のカムシャフト121と同様である。即ち、前述のように第1のカム部221aと第2のカム部221bは、一体の型駒にて回転抜きしながら形成されたものである。カムシャフト221と上記第3の実施形態のカムシャフト121との違いは、移動軌跡と垂直方向から見たときの断面形状がくさび型になっていることである。このくさび型カムシャフト221の径方向からの抜き型ではアンダーカットになってしまうために成形でない。図12及び図13に示されるように第1カム部221aを作成するための回し抜きと、面からなる第2カム部221b、第3カム部221cを回転軸方向から抜くことで作成可能としたことで、アンダーカットにならず成形可能になっている。
このようにしたことによって、第1カム部221aと第1フォロア212bを端部から挿入してしまえば、カムシャフト221の回転中に、第1カム部221aから第1フォロア212bが外れるおそれがなくなる。また、第2フォロア213b、第3フォロア214bも同様に、第2カム部221b、第3カム部221cから容易に外れることを防止できる。このことによって、レンズ鏡筒に落下・衝撃などの外力が加わってカムシャフトが変形したりしても、第1〜第3のフォロア212b,213b,214bが第1〜第3のカム部221a〜221cから外れにくいものとなる。
本実施形態のカムシャフト221は、型を回転抜きによって成形したことによって、カム部の溝は、入り口(外径方向)よりも奥側(内径方向)の方が溝幅が広い形状となったくさび型の溝を実現できる。なお、本実施形態では、第1〜第3のカム部のいずれも断面がくさび形状になるようにカムを設けたが、一部のカム部のみ断面をくさび形状に形成してもよい。
なお、本発明の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。