以下、本発明に係る制動装置、及び、それを用いた日射遮蔽装置の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
1.第1実施形態
1−1<制動装置の全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る制動装置を示す斜視図であり、図2は、図1の制動装置を別の角度から見る図である。図1、図2に示すように、本実施形態の制動装置BDは、運動変換部DTと抵抗付与部RAとが前後方向に連結されて成る。ここで、図1に示すように、抵抗付与部RAから運動変換部DTに至る方向を前側とし、前後方向を基準として、左右方向(幅方向)、上下方向を定める。ただし、これらの方向は本明細書において便宜的に使用するものであり、制動装置の使用状態がこれらの方向通りになっていることを意味するものではない。
1−2<運動変換部DT>
運動変換部DTは筐体の一部を形成するベース70と、ベース70に固定され筐体の他の一部を形成するカバー10を備える。
ベース70は、概ね平板状の部材とされ、外形が概ね正方形の形状とされる。ベース70の角部には、ねじ孔が形成されている。
カバー10は、外形がベース70よりも小さな概ね正方形の天壁部11と、天壁部11の外周全体に接続され天壁部11から下側に延在する側壁部12と、側壁部12の天壁部11側と反対側である下側の縁に接続される鍔部13と、鍔部13に連結される固定用支柱18とを主な構成として有する。
側壁部12のうち前方の部位には、複数のガイド孔14a〜14cが形成されている。また、側壁部12のうち後方の部位には、複数のガイド孔15a〜15cが形成されており、複数のガイド孔15a〜15cは複数のガイド孔14a〜14cと前後方向に対向している。これらのガイド孔14a〜14c及びガイド孔15a〜15cはコードCDが前後方向に挿通されるための孔であり、ガイド孔14aとガイド孔15aとにコードCDが挿通されても良く、ガイド孔14bとガイド孔15bとにコードCDが挿通されても良く、ガイド孔14cとガイド孔15cとにコードCDが挿通されても良い。また、上記ガイド孔の組み合わせの2つ以上のそれぞれにコードCDが挿通されても良い。なお、図1、図2では、ガイド孔14aとガイド孔15aとに破線で示すコードCDが挿通されている様子を示している。
天壁部11には、第1天壁溝16と第2天壁溝17とが形成されており、本実施形態では、第1天壁溝16及び第2天壁溝17は溝状に形成された開口とされる。第1天壁溝16と第2天壁溝17は、それぞれコードCDの長手方向すなわち前後方向に対して斜めに形成されており、コードCDの一方の長手方向である前方に向かうにつれて、第1天壁溝16と第2天壁溝17との距離が小さくされている。また、第1天壁溝16は、円弧状に形成されており、第2天壁溝17は直線状に形成されている。なお、第2天壁溝17の形状は直線状に限定されず、曲線状にしてもよい。また、第1天壁溝16と略同一形状とし、互いに同じ向きに湾曲するように設けても良い。
鍔部13は、側壁部12から外周側に延在する部位であり、外周の形及び大きさがカバー10のベース70の外周の形及び大きさと概ね一致する。また鍔部13のそれぞれの角部には、ねじ孔13Hが形成されている。
また、鍔部13のそれぞれの角部には固定用支柱18が接続されている。固定用支柱18には、不図示のねじ孔が上下方向に形成されており当該ねじ孔は、鍔部13に形成されるねじ孔13Hと貫通している。そして、図1、図2に示すように、固定用ねじS1がベースを介して固定用支柱18に螺合しており、カバー10はベース70上に固定されている。
また、運動変換部DTと抵抗付与部RAとは、連結プレートCPが運動変換部DT及び抵抗付与部RAに連結用ねじS2で固定されることにより、互いに固定されている。
図3は、図1に示すカバー10を外した様子を示す図であり、図4は、図3を図2と概ね同じ視点から見た図である。図3、図4に示すようにカバー10内には、一対の挟着部材の一方である張力伝達ローラ30と、一対の挟着部材の他方であるアイドルローラ40と、張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40を保持するスライダー20とが収納されている。
1−2−1<スライダー20>
図5はスライダー20を示す斜視図である。スライダー20は、図3及び図4に示すように、一対の挟着部材である張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40を保持するものであり、図3〜図5に示すように、天壁部21と、天壁部21に連結される奥側壁部22及び前側壁部24と、奥側壁部22及び前側壁部24のそれぞれに連結される底壁部23とを有する。
天壁部21は概ね矩形の形状に一対の溝が形成された形状とされる。これら一対の溝はそれぞれ第1天壁溝26及び第2天壁溝27とされる。第1天壁溝26及び第2天壁溝27は、それぞれ幅方向に沿って延在する直線状の溝とされ、互いに直線上に並んでいる。
本実施形態では、底壁部23は概ね天壁部21と同じ形状とされる。なお、当然の事ながら、底壁部23と天壁部21を異なる形状としてもよい。従って、底壁部23にも幅方向に直線上に並んで形成される一対の溝が形成されており、これら一対の溝はそれぞれ第1底壁溝28及び第2底壁溝29とされる。第1底壁溝28が第1天壁溝26と上下方向に対向しており、第2底壁溝29が第2天壁溝27と上下方向に対向している。なお、第1天壁溝26、第2天壁溝27、第1底壁溝28及び第2底壁溝29の少なくとも1つを、天壁部21又は底壁部23の側面まで切り欠かない孔としてもよい。この場合、シャフト31又はシャフト41をその孔に差し込むようにして部材を組み立てることとなる。
奥側壁部22には、貫通孔25が形成されている。貫通孔25は、奥側壁部22の幅方向の略中央において奥側壁部22を前後方向に貫通する。孔の形状は、上下方向に長い略長方形の形状とされる。また、図4に示すように、貫通孔25の両脇には、奥側壁部22の外側面から形成される非貫通孔22Hが形成されている。非貫通孔22Hは、概ね円形の形状とされる。なお、非貫通孔22Hの形状はこれに限定されず、コイルスプリングSPを挿入したときに凹まないような構造であれば任意の形状とすることができる。それぞれの非貫通孔22H内には、コイルスプリングSPが挿入されており、コイルスプリングSPの一端は非貫通孔22Hから突出している。なお、図4ではコイルスプリングSPの非貫通孔22Hから突出している部分を省略している。
前側壁部24の幅は、天壁部21及び奥側壁部22の幅の半分以下とされる。従って、スライダー20における天壁部21と奥側壁部22とで挟まれる前側壁部24の横の領域は大きく開口している。
このような形状のスライダー20の幅方向の大きさは、カバー10の幅方向の内壁間の距離と概ね同じであり、スライダー20の前後方向の大きさは、カバー10の前後方向の内壁間の距離よりも小さくされる。従って、スライダー20がカバー10の空間内に配置されると、スライダー20の天壁部21及び底壁部23の側面がスライダー20の幅方向において内壁面に当接して、スライダー20はカバー10に対して幅方向に動きが規制される。この状態において、カバー10のガイド孔14a〜14c及びガイド孔15a〜15cと貫通孔25とが互いに前後方向に並ぶ。つまり、貫通孔25は、コードCDをスライダー20内に挿通するための孔である。一方、スライダー20がカバー10の空間内に配置された状態で、スライダー20とカバー10の内壁面との間には、前後方向に隙間が生じ、スライダー20はカバー10に対して前後方向に平行移動することができる。また、スライダー20がカバー10の空間内に配置された状態で、スライダー20の奥側壁部22の非貫通孔22Hから突出するコイルスプリングSPがカバー10の後方の内壁を押圧する。従って、スライダー20がカバー10の空間内に配置された状態で、スライダー20は、前方側に位置して、側壁部12のガイド孔14a〜14cが形成されている側の内壁に向かって押圧された状態となる。
1−2−2<張力伝達ローラ30>
図6は、図3のスライダー20を外した様子を示す図であり、図7は、図6の平面図である。図6、図7に示すように、張力伝達ローラ30は、シャフト31とシャフト31の外周面を覆うローラ部32とを有する。ローラ部32の外周面は金属の平坦な面よりも摩擦係数が高い状態とされる。このような状態とされるには、例えば、ローラ部32の外周面がゴム等の摩擦係数の高い素材から形成されたり、ローラ部32の外周面にローレット加工が施されたりする。シャフト31の両端部は、ローラ部32から露出している。
1−2−3<アイドルローラ40>
また、アイドルローラ40は、張力伝達ローラ30のシャフト31と平行なシャフト41と、シャフト41の外周面を覆うローラ部42とを有する。従って、張力伝達ローラ30の回転軸とアイドルローラ40の回転軸とは互いに平行とされる。アイドルローラ40のローラ部42の外径は、張力伝達ローラ30のローラ部32の外径よりも大きくされている。また、ローラ部42の外径は、図6及び図10に示すように、下方(軸方向のうちピニオンギア50が設けられる方向)に向かうにつれてその外径が小さくなるテーパ形状をなしている。ここで、「軸方向」は、複数のコードCDの整列方向とも言える。そのため、定常状態、すなわちコードCDが移動していない状態において張力伝達ローラ30のローラ部32との距離、すなわち一対の挟着部材の間隔は、この間隔をコードCDが延びる方向からみた時の長手方向、すなわちローラの軸方向の位置に応じて異なることになり、本実施形態においては下方に向かうにつれてその間隔は広がることになる。この定常状態における一対の挟着部材の位置を、特許請求の範囲における第1の挟着位置とする。アイドルローラ40のローラ部42の外周面は、張力伝達ローラ30のローラ部32の外周面と同様、金属の平坦な面よりも摩擦係数が高い状態とされる。ローラ部42の材質としては、例えば弾性体とすることが好ましい。また、シャフト41の両端部は、ローラ部42から露出している。
1−2−4<一対の挟着部材>
本実施形態においては、これら張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40により、複数のコードCDを挟着方向と略垂直な方向に整列させて挟着する一対の挟着部材が構成される。また、図3、図4に示すように、一対の挟着部材である張力伝達ローラ30のローラ部32及びアイドルローラ40のローラ部42は、スライダー20に収容される。つまり、ローラ部32及びローラ部42は、スライダー20の天壁部21と底壁部23とにより挟まれる。この状態で、張力伝達ローラ30のシャフト31の一端側はスライダー20の第1天壁溝26内に移動可能に嵌まると共にスライダー20の天壁部21から上方に突出し、シャフト31の他端側はスライダー20の第1底壁溝28内に移動可能に嵌まると共にスライダー20の底壁部23から下方に突出する。また、上記状態で、アイドルローラ40のシャフト41の一端側はスライダー20の第2天壁溝27内に移動可能に嵌まると共にスライダー20の天壁部21から上方に突出し、シャフト41の他端側はスライダー20の第2底壁溝29内に移動可能に嵌まると共にスライダー20の底壁部23から下方に突出する。上記のように、第1天壁溝26、第2天壁溝27、第1底壁溝28、第2底壁溝29は、幅方向に直線上に延在するため、第1天壁溝26と第1底壁溝28にシャフト31が移動可能に嵌まる張力伝達ローラ30は、スライダー20に対し幅方向に移動することができ、同様に第2天壁溝27と第2底壁溝29にシャフト41が移動可能に嵌まるアイドルローラ40は、スライダー20に対し幅方向に移動することができる。
なお、特に図示しないが、張力伝達ローラ30のローラ部32と天壁部21や底壁部23との間、アイドルローラ40のローラ部42と天壁部21や底壁部23との間には、摩擦を低減するためのポリスライダー等が介在しても良い。
また、張力伝達ローラ30のローラ部32及びアイドルローラ40のローラ部42が上記のようにスライダー20に収容された状態で、上記のようにスライダー20がカバー10の空間内に収容されると、図1、図2に示すように、張力伝達ローラ30のシャフト31の一端がカバー10の天壁部11に形成された第1天壁溝16内に移動可能に嵌まり、アイドルローラ40のシャフト41の一端がカバー10の天壁部11に形成された第2天壁溝17内に移動可能に嵌まる。
1−2−5<ピニオンギア50>
図6、図7に示すように、張力伝達ローラ30のシャフト31における他端側には、ピニオンギア50が固定されている。当該固定は圧入等によりなされている。従って、ピニオンギア50は、張力伝達ローラ30の回転軸を中心として張力伝達ローラ30と共に回転する。また、ピニオンギア50と張力伝達ローラ30との間はスライダー20の底壁部23が介在できる程度に離間しており、上記のように張力伝達ローラ30のローラ部32がスライダー20に収容された状態で、ピニオンギア50はスライダー20の外に位置する。なお、特に図示しないが、ピニオンギア50とスライダー20の底壁部23との間には、摩擦を低減するためのポリスライダー等が介在しても良い。
1−2−6<ベース70>
図8は、図7の状態から張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40を外した様子を示す平面図である。図8に示すように、ベース70には、第1ベース溝76及び第2ベース溝77が形成されており、本実施形態では、第1ベース溝76及び第2ベース溝77は共に溝状の開口とされる。第1ベース溝76は、カバー10の天壁部11に形成される第1天壁溝16と対向し第1天壁溝16と同一形状とされ、第2ベース溝77は、カバー10の天壁部11に形成される第2天壁溝17と対向し第2天壁溝17と同一形状とされる。ここで、第1天壁溝16と第1ベース溝76、第2天壁溝17と第2ベース溝77は、それぞれ特許請求の範囲における「保持溝」に該当し、張力伝達ローラ30のシャフト31及びアイドルローラ40のシャフト41の反挟着方向の移動方向を規制するものと言える。また、保持溝は、一対の挟着部材の反挟着方向の移動を規制する「規制手段」であるとも言える。
1−2−7<リングギア60>
ベース70上にはリングギア60(特許請求の範囲における回転伝達ギア)が配置される。ベース70には不図示の円形の溝が形成されており、リングギア60は当該円形の溝に沿って回動可能とされる。従って、リングギア60は前後方向や幅方向に移動することが妨げられている。また、リングギア60を平面視する場合に、リングギア60の内周面は、カバー10の天壁部11に形成された第1天壁溝16及びベース70に形成される第1ベース溝76に沿っている。つまり、リングギア60を平面視する場合に、第1天壁溝16及び第1ベース溝76の円弧の中心と、リングギア60の内周面の中心とが互いに一致する。また、リングギア60の内周面には内周ギア61が設けられており、リングギア60の外周面には外周ギア62が設けられている。つまり、上記内周面は内周ギア61の基準円とされる。
また、ベース70の角部にはねじ孔73が形成されている。このねじ孔73に図1、図2に示すように固定用ねじS1が螺入されて、上記のように固定用ねじS1がカバー10の固定用支柱18に螺合して、カバー10はベース70上に固定される。上記のように張力伝達ローラ30のローラ部32及びアイドルローラ40のローラ部42が収容されたスライダー20がカバー10内に収容され、カバー10がベース70上に固定されると、ピニオンギア50がリングギア60の内周ギア61に歯合すると共に、張力伝達ローラ30のシャフト31の他端がベース70に形成された第1ベース溝76内に移動可能に嵌まる。更に、この状態で、アイドルローラ40のシャフト41の他端がベース70に形成された第2ベース溝77内に移動可能に嵌まる。なお、上記のように、リングギア60の内周がカバー10の第1天壁溝16及びベース70の第1ベース溝76に沿っているため、張力伝達ローラ30のシャフト31が第1天壁溝16内及び第1ベース溝76内を移動する場合であっても、ピニオンギア50とリングギア60の内周ギア61との歯合は維持される。ここで、リングギア60の内周がカバー10の第1天壁溝16及びベース70の第1ベース溝76に沿っている例について説明したが、リングギア60の内周が第1天壁溝16及び第1ベース溝76が全範囲に渡って沿っている必要はない。例えば、後述する図9において、少なくとも張力伝達ローラ30とアイドルローラ40が近接したときにピニオンギア50とリングギア60が歯合するように、リングギア60の内周が第1天壁溝16及びベース70の第1ベース溝76の少なくとも前方の一部に沿っている構成としてもよい。
1−3<抵抗付与部RA>
抵抗付与部RAは、上記のように運動変換部DTに連結プレートCPにより連結されている。抵抗付与部RAは、ベース80と、天板83と、ベース80と天板83との間に配置されるギア82とを備える。また、抵抗付与部RAは、ベース80と天板83との間に不図示のトルク付与部が設けられており、ギア82にはトルク付与部から回転抵抗が付与される。例えば、抵抗付与部RAは、ギア82に常に回転抵抗が付与される構成とされ、例えば回転ダンパとされる。回転ダンパの構成としては、ギア82の外周で囲まれる領域に粘性オイルが封止されており、ギア82が回転すると当該粘性オイルのせん断抵抗により回転抵抗がギア82に付与される構成を挙げることができる。また例えば、抵抗付与部RAは、ギア82の回転速度が所定値以上となる場合に回転抵抗が付与される構成とされ、例えば遠心ブレーキとされる。遠心ブレーキとしては、ギア82の外周内にギア82と共に回転するブレーキシューが径方向に移動可能に設けられ、ギア82が所定の速度以上で回転する場合に遠心力でブレーキシューが外周側に移動して、ブレーキシューと他の部材と摩擦力等により回転抵抗が付与される構成を挙げることができる。
また、抵抗付与部RAと運動変換部DTとが連結された状態で、ギア82とリングギア60の外周ギア62とが歯合している。従って、リングギア60が回転する場合、抵抗付与部RAのギア82が回転することで、ギア82からリングギア60に回転抵抗が付与される。
1−4<制動装置BDの動作>
次に、制動装置BDの動作について説明する。
まず、コードCDに何ら張力が与えられない状態とする。上記のように、コイルスプリングSPは、カバー10の後方の内壁15dとスライダー20とを押圧して、カバー10に対してスライダー20を前方に付勢する。従って、スライダー20はカバー10内の前方に位置する。スライダー20がカバー10の前方に位置する場合、スライダー20と共に張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40もカバー10内の前方に位置する。上記のように、第1天壁溝16と第2天壁溝17とは、前方に向かうにつれて距離が小さくされ、第1ベース溝76と第2ベース溝77とは、第1天壁溝16及び第2天壁溝17と同様に前方に向かうにつれて距離が小さくされる。従って、スライダー20がカバー10内の前方に位置することで、シャフト31が第1天壁溝16及び第1ベース溝76に嵌まっている張力伝達ローラ30と、シャフト41が第2天壁溝17及び第2ベース溝77に嵌まっているアイドルローラ40との距離も小さくなる。つまり、第1天壁溝16及び第1ベース溝76は、張力伝達ローラ30のシャフト31が移動可能に嵌合し張力伝達ローラ30の溝に沿わない動きを規制する規制溝と理解でき、第2天壁溝17及び第2ベース溝77は、アイドルローラ40のシャフト41が移動可能に嵌合しアイドルローラ40の溝に沿わない動きを規制する規制溝と理解できる。また、第1天壁溝16及び第1ベース溝76は、リングギア60の内周面と平面視において同心円上に形成されるため、シャフト31がそれぞれの溝内を移動しても、ピニオンギア50はリングギア60の内周ギア61に歯合し続けることができる。
このように張力伝達ローラ30とアイドルローラ40との距離が小さくなると、張力伝達ローラ30はアイドルローラ40に押圧され、張力伝達ローラ30のローラ部32とアイドルローラ40のローラ部42とに複数のコードCDが挟着される。つまり、本実施形態では、コイルスプリングSPは、張力伝達ローラ30がアイドルローラ40に押圧されるように張力伝達ローラ30を常時付勢する付勢部材と理解することができる。なお、コードCDが張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とにより挟着された状態で、コードCDの径だけ張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とが離間する(第1の挟着位置)。このため、第1天壁溝16及び第2天壁溝17の構造、及び、第1ベース溝76及び第2ベース溝77の構造により、スライダー20は僅かに後方に位置する。
なお、コードCDが張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とに挟着されていない場合、カバー10のガイド孔14から治具を挿入して張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とを離間したり、カバー10の第1天壁溝16や第2天壁溝17及びベース70の第1ベース溝76や第2ベース溝77から露出するシャフト31,41をコイルスプリングSPの力に抗して後方に移動させて、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とを離間したり、ガイド孔14a〜14cからガイド孔15a〜15cにコードCDを挿入する。本実施形態では、このようにシャフト31,41がカバー10(ケース)の外部に露出していることから、これらシャフトを容易に移動させることができる。したがって、一対の狭着部材である張力伝達ローラ30とアイドルローラ40がコードCDに近接する方向に付勢されている場合であっても、コードCDを容易に挿入できるようになっている。
図9は、制動装置BDの動作を示す図である。上記のように、コードCDに何ら張力が与えられない状態から、コードCDに張力を与えて、図9において矢印Aで示すように、コードCDを長手方向に沿って前方に移動させる。つまり、コードCDを前方(コードの長手方向に沿った方向)に引っ張る。すると、コイルスプリングSPの押圧力によりコードCDを挟着する張力伝達ローラ30およびアイドルローラ40が回転する。つまり、張力伝達ローラ30およびアイドルローラ40は、直線状に延びるコードCDに当接することで、コードCDの長手方向の移動に伴って回転可能とされると言える。
張力伝達ローラ30が回転すると、図9において矢印Bで示すように、ピニオンギア50も回転し、ピニオンギア50がリングギア60の内周に沿った一方の回転方向(上記ピニオンギア50が回転する回転方向とは逆側の回転方向)に沿って移動する。ただし、コードCDに何ら張力が与えられない状態において、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40でコードCDを挟着しているため、ピニオンギア50の当該移動量は僅かである。張力伝達ローラ30が移動すると、第1天壁溝16及び第2天壁溝17の構造、及び、第1ベース溝76及び第2ベース溝77の構造により、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とが互いに近づき合いより強固にコードCDを挟着する。このとき、張力伝達ローラ30が僅かに前方に移動することにより、スライダー20が僅かに前方に移動する場合には、アイドルローラ40が第2天壁溝17及び第2ベース溝77に沿って、張力伝達ローラ30側に移動する。
そして、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40が限界まで近づくと、張力伝達ローラ30の回転は続くものの、張力伝達ローラ30の位置はそのままとなる。このため、ピニオンギア50の矢印B方向の回転により、リングギア60が矢印C方向に回転する。このときの、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40が限界まで近づいた状態における張力伝達ローラ30とアイドルローラ40の位置を、特許請求の範囲における第2の挟着位置とする。第2の挟着位置では、一対の挟着部材の間隔が上述した第1の挟着位置よりも狭くなっており、第1の挟着位置よりもコードCDをきつく挟着する。そして、上記のように抵抗付与部RAのギア82に常に回転抵抗が付与される場合には、リングギア60が回転すると、リングギア60には抵抗付与部RAから回転抵抗が付与され、リングギア60からピニオンギア50に回転抵抗が付与される。また、上記のように抵抗付与部RAのギア82の回転速度が所定値以上となる場合にギア82に回転抵抗が付与される場合には、リングギア60が回転し始めても暫くはリングギア60に回転抵抗は付与されないが、コードCDが速く移動することにより張力伝達ローラ30が速く回転してリングギア60の回転速度が所定値以上となると、ギア82に回転抵抗が付与される。その結果、リングギア60に当該回転抵抗が付与され、リングギア60からピニオンギア50に回転抵抗が付与される。こうして、いずれの場合であっても、張力伝達ローラ30にも回転抵抗が付与される。このため、コードCDには制動力が付与される。
ところで、コードCDの前方への移動に伴って張力伝達ローラ30とアイドルローラ40が近づきコードCDをきつく挟着すると、図11(a)に示すように、ローラ部32はコードCDから挟着方向とは反対向きの反力F1を受ける。これにより、シャフト31の上側は外向き(図の右側)に力が加えられることになる。一方、シャフト31の下側はピニオンギア50を介してリングギア60(図9参照)と当接しており、リングギア60から内向きの力F2を受けていて、外側には移動できない構成となっている。したがって、シャフト31の上端部分は第1天壁溝16に収容されているものの、第1天壁溝16の幅方向の僅かな遊び(隙間)の範囲内で移動可能な構成であるため、シャフト31の下側に対して、シャフト31の上側が僅かに外側に傾くことになる(図11(b)の矢印R参照)。なお、アイドルローラ40のシャフト41は、コードCDからの反力F1のみしか受けないため、軸が傾くことはない。
以上のことから、本実施形態においては、張力伝達ローラ30のローラ部32と対向するアイドルローラ40のローラ部42を、下方に向かうにつれてその外径が小さくなるテーパ形状としている。そして、一対の挟着部材である張力伝達ローラ30とアイドルローラ40が複数のコードCDをきつく挟着するとき、つまり一対の挟着部材が第2の挟着位置に移動したときに、ローラ部32とローラ部42の間隔が軸方向に亘って略同一となる構成としている。このような構成により、本実施形態の一対の狭着部材は、各コードを挟着する挟着力を略同一とすることが可能となっている。
なお、上記のように張力伝達ローラ30のシャフト31が傾斜する場合に加え、例えば複数のコードCDの径が寸法誤差によりわずかに異なっている場合にも、ローラ部32,42の間隔が狭い上側に径の大きいコードを、間隔が広い下側に径の小さいコードを位置づけることで、コードCDの径の誤差にかかわらず、複数のコードCDの狭着力を略同一とすることが可能となっている。
一方、コードCDを後方に向かって引っ張ると、張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40は、上記と逆の回転方向に回転する。従って、ピニオンギア50も矢印B方向とは逆側の回転方向に回転する。このため、リングギア60の内周ギア61に歯合するピニオンギア50はリングギア60の内周に沿った他方の回転方向に沿って移動する。このため、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とが離間する。そのため、コードCDに加えられる制動力が解除され、コードCDは自由に動くことができる。ただし、本実施形態において、コードCDの後方への移動に伴って前記付勢部材の付勢力に抗して移動しても、コードとの接触は保つよう構成される。なお、ピニオンギア50の他方の回転方向に沿った移動により、張力伝達ローラ30が後方に移動して、張力伝達ローラ30の後方への移動によりスライダー20も後方に移動し、アイドルローラ40も後方に移動しても良い。このように張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40が後方に移動すると、第1天壁溝16及び第2天壁溝17の構造、及び、第1ベース溝76及び第2ベース溝77の構造により、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とを適切に離間することができる。
1−5<効果>
以上説明したように、本実施形態の制動装置BDは、アイドルローラ40と、アイドルローラ40との間でコードCDを挟着すると共に、コードCDの長手方向の移動により回転する張力伝達ローラ30と、張力伝達ローラ30の回転軸を中心として張力伝達ローラ30と共に回転するピニオンギア50と、内周面にピニオンギア50と歯合する内周ギア61が形成されるリングギア60と、リングギア60に回転抵抗を付与する抵抗付与部RAと、を備え、ピニオンギア50は、リングギア60の内周面に沿って移動可能とされ、張力伝達ローラ30は、ピニオンギア50がリングギア60の内周面の一方の回転方向に沿って移動する場合にアイドルローラ40に押圧される。
従って、本実施形態の制動装置BDによれば、コードCDが一方の方向に引かれると、張力伝達ローラ30がピニオンギア50と共にコードCDの動きに沿って回転し、ピニオンギア50のリングギア60の内周面に沿った一方の回転方向への移動により、張力伝達ローラ30がアイドルローラ40に押圧される。つまり、コードCDに張力が加わりコードCDが一方の長手方向に移動する場合に、コードCDは自身の張力による力によりアイドルローラ40と張力伝達ローラ30とに強固に狭持されることになる。従って、コードCDが一方の長手方向に引かれる場合に、コードCDが引かれない場合よりも、強い力でコードCDは狭持される。このため、コードCDが張力伝達ローラ30に対して滑ることが抑制される。そして、さらにコードCDが引かれることで、ピニオンギア50と内周ギア61で歯合するリングギア60が回転し、抵抗付与部RAからリングギア60に付与される回転抵抗が張力伝達ローラ30に伝わる。このように、コードCDが張力伝達ローラ30に対して滑ることが抑制され、張力伝達ローラ30にピニオンギア50を介してリングギア60から回転抵抗が付与されるため、本実施形態の制動装置BDは、コードCDに対して適切に制動力を加えることができる。
また、上記のようにアイドルローラ40が、ピニオンギア50のリングギア60の内周面の一方の回転方向に沿った移動と共に張力伝達ローラ30側に移動する場合には、張力伝達ローラ30の移動量を少なくして、適切にコードCDを狭持することができる。
また、上記実施形態の制動装置BDでは、張力伝達ローラ30がアイドルローラ40に押圧されるように張力伝達ローラ30を常時付勢する付勢部材としてのコイルスプリングSPを備える。従って、コードCDに張力が加えられていない状態であっても、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とでコードCDを挟着することができる。従って、コードCDを引く初期状態においても、コードCDと張力伝達ローラ30とが滑ることを抑制し、コードCDの張力を適切に張力伝達ローラ30に伝えることができる。
また、上記実施形態の制動装置BDでは、リングギア60には外周面に外周ギア62が形成され、外周ギア62が抵抗付与部RAのギア82に歯合する。そして、外周ギア62が回転抵抗を付与する回転ダンパ等に歯合する場合には、リングギア60の回転時に常にリングギア60に回転抵抗が付与される。この場合、コードCDの引き始めから常にコードCDに制動力を加えることができる。また、回転ダンパを交換することで、リングギア60に付与される回転抵抗を調整することができる。また、外周ギア62が回転速度が所定値以上となる場合に回転抵抗が付与される遠心ブレーキ等に歯合する場合には、リングギア60が所定の回転速度以上となる場合にリングギア60に回転抵抗が付与される。従って、コードCDの引き始めにはコードCDに制動力が加えられないもののコードCDが所定の移動速度で引かれる場合にコードCDに制動力を加えることができる。また、この場合、遠心ブレーキを交換することにより、コードCDに制動力が付与されるコードCDの移動速度やリングギア60に付与される回転抵抗を調整することができる。
以上、本発明の制動装置BDについて上記実施形態を例に説明したが、本発明の制動装置は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、挟着部材の一方として張力伝達ローラ30が用いられ、挟着部材の他方として、移動可能に保持され、張力伝達ローラ30の回転軸と平行な回転軸を有するアイドルローラ40が用いられた。しかし、挟着部材の他方としては、張力伝達ローラ30との間でコードCDを挟着し、コードCDが移動可能なものであれば、アイドルローラ40に限らない。例えば、表面が滑り易い構成とされ、回転しなくても良い。例えば、表面が平滑に加工された金属から成る支柱であっても良い。ただし、上記実施形態のように、アイドルローラ40が用いられる場合には、コードCDに凹凸がある場合であっても、アイドルローラ40の回転により当該凹凸をアイドルローラが乗り越えて、当該凹凸が引っ掛かることを抑制できるため好ましい。また、挟着部材の他方は移動しないものであっても良い。この場合であっても、張力伝達ローラ30の移動により、コードCDを挟着することができる。
また、上記実施形態では、張力伝達ローラ30がアイドルローラ40に押圧されるようにスライダー20を介して張力伝達ローラ30を常時付勢する付勢部材としてのコイルスプリングSPが配置された。しかし、コイルスプリングSPは、例えば、張力伝達ローラ30を直接付勢しても良い。また、付勢部材はコイルスプリングSPでなくても良い。例えば、磁石を用いることや、パンタ構造のものが考えられる。さらに、このような付勢部材が無くても良い。ただし、コードCDの引き始めに適切に張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とでコードCDを挟着するために、制動装置BDは付勢部材を備えることが好ましい。
また、上記実施形態では、リングギア60の外周面に外周ギア62が形成され、外周ギア62は回転抵抗を付与する回転ダンパや遠心ブレーキ等に歯合するものとされた。しかし、例えば、回転ダンパや遠心ブレーキ等のようにリングギア60に回転抵抗を付与する抵抗付与部が、リングギア60とベース70との間、またはリングギア60とカバー10との間に設けられても良い。すなわち、抵抗付与部がリングギア60と重なる位置に設けられても良い。この場合、例えば、抵抗付与部がリングギア60の内周ギア61に歯合してリングギア60に回転抵抗を付与しても良く、リングギア60の外周ギア62は無くても良い。抵抗付与部がリングギア60と重なる位置に設けられる場合、制動装置BDを小型にすることができる。なお、抵抗付与部がリングギア60とカバー10との間に設けられる場合、抵抗付与部は張力伝達ローラ30やアイドルローラ40の移動を阻害しない位置に設けられる。
また、上記実施形態では、ベース70に形成される第1ベース溝76及びカバー10に形成される第1天壁溝16に、張力伝達ローラ30のシャフト31が移動可能に嵌められており、張力伝達ローラ30と回転軸を共にするピニオンギア50がリングギア60の内周面に沿って移動するものとされた。しかし、張力伝達ローラ30及びピニオンギア50の動きを規制する手段は、他の構成とされても良い。
また、上記実施形態では、アイドルローラ40は、図10に示すように、ローラ部42がテーパ形状をなすことでその軸方向の位置に応じて張力伝達ローラ30との間隔を異ならせていたが、図13に示すように、アイドルローラ40は、径の異なる複数(例えば、コードCDの数と同一の数)のローラ部42a〜42cを備えることにより張力伝達ローラ30との間隔を軸方向の位置に応じて異ならせる構成とすることも可能である。
さらに、上記実施形態ではアイドルローラ40がテーパ形状をなしていたが、張力伝達ローラ30側をテーパ形状としてもよい。
1−5<日射遮蔽装置>
次に、第1実施形態に係る制動装置BDを日射遮蔽装置である横型ブラインドに適用する態様について説明する。図12は、制動装置BDをヘッドボックス101内に配置した遮蔽装置100を表す。
図12に示される遮蔽装置100は、ヘッドボックス101から複数本のラダーコード102を介して複数段のスラット103が吊下支持され、同ラダーコード102の下端にはボトムレール103aが吊下支持されている。以下、スラット103とボトムレール103aを合わせて、遮蔽部材103とも呼ぶことにする。
ヘッドボックス101内には、支持部材(図示せず)が複数個配設され、その支持部材にはチルトドラム104が回転可能に支持される。ラダーコード102の上端部は、チルトドラム104に取着され、そのチルトドラム104の中心部にはシャフト105(軸部材)が全てのチルトドラム104に嵌挿されている。従って、シャフト105が回転されると、全てのチルトドラム104が回転され、そのチルトドラム104の回転にともなって、ラダーコード102の縦糸の一方が引き上げられることにより、各スラット103及びボトムレール103aが同位相で角度調節される。
ヘッドボックス101の一端部には筒体からなる操作棒106が吊下支持されており、操作棒106の下端には操作部106aが設けられている。そして、操作部106aを把持して操作棒106を回転操作すると、ヘッドボックス101内に配設されるギア機構を介して角度調節軸が回転される。従って、操作棒106の回転操作により、各遮蔽部材103を角度調節可能となっている。
ヘッドボックス101からは複数本(本実施形態では3本)のコードCD(昇降コードCD)が吊下されており、各昇降コードCDの一端はボトムレール103aに取着される。各支持部材には転向滑車(図示せず)が図面の表裏方向の軸心で軸支され、ヘッドボックス101に導入された昇降コードCDがヘッドボックスの左右方向に転向案内可能となっている。また、各支持部材は他の昇降コードCDを左右方向に通過可能な空間を有している。そして、昇降コードCDは、ヘッドボックス101内に取り付けられたロック部107及び制動装置BDを経てヘッドボックス101端部のコード出口101aから引き出され、筒状の操作棒106内に挿通され、その先端は操作部106aの下方に設けられたコードイコライザ108に接続される。従って、コードイコライザ108を下方へ引いて、ヘッドボックス101から昇降コードCDを引き出すと、ボトムレール103aが引き上げられることにより、各スラット103が順次引き上げられる。
なお、図3(b)に示されるように、制動装置BDの底面(ベース70の底面の外側)には、ヘッドボックス101内における配置を固定するための取付部(取付筒702)が設けられ、ヘッドボックス101の底面に設けられた取付け軸(図示せず)に取付筒702が取付けられている。これにより、制動装置BDをヘッドボックス101内にて安定して配置させることが可能となっている。
また、図12に示されるように、制動装置BDは、ヘッドボックス101内における載置面とシャフト105に挟まれるように配置される。つまり、制動装置BDのスライダー20及び挟着部材30,40がヘッドボックス101内において水平方向(図12の左右方向)に移動するよう、また、遊星歯車280の回転軸がヘッドボックス101内において鉛直方向に向くように配置される。このときの制動装置BDの前後(図の左右方向)向きは、コードイコライザ108を引いて遮蔽部材103を引き上げる際に昇降コードCDの挟着を解除し、コードイコライザ108を手放して遮蔽部材103を自重により降下させる際に昇降コードCDを挟着する向きとされる。また、ロック部107は、制動装置BDの前方(図の左側)に配置される。
制動装置BDがこのような向きに取り付けられていることから、日射遮蔽部材103が下降しきった状態、すなわち日射遮蔽装置100の閉状態において、コードイコライザ108を下方に引っ張ると、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40とが離間し、コードCDを小さな抵抗力で引くことができる。一方、日射遮蔽部材103が下降しきっていない状態において、ロック部107によりコードCDがロックされていない状態でコードCDを離す。すると、日射遮蔽部材103は自重により下降し、昇降コードCDは制動装置BDの前方に向かって引かれる。すると、図10等を用いて説明したように、コードCDには制動力が付与される。従って、日射遮蔽部材103の下降速度が抑えられる。このため、日射遮蔽部材103の下降速度が超過することによる破損等を抑制することができる。
以上、本発明の日射遮蔽装置100について、上記実施形態を例に説明したが、本発明の日射遮蔽装置は、上記実施形態の日射遮蔽装置100と異なる構成であっても良い。例えば、本発明の日射遮蔽装置は、プリーツカーテンや、カーテン布が巻き取られるロールカーテンとされても良い。
2.第2実施形態
次に、図14〜図24を用いて、本発明の第2実施形態に係る制動装置1000について説明する。第2実施形態に係る制動装置1000は、コードの移動を制動する制動装置である点においては第1実施形態の制動装置BDと共通するが、その機構が異なる。具体的には、第1実施形態に係る制動装置BDでは、運動変換部DTと抵抗付与部RAが略水平面上に設けられていたが、第2実施形態に係る制動装置1000では、運動変換部DTに相当する機構と抵抗付与部RAに相当する機構が略垂直に位置するように設けられる点が異なる。ここで、第2実施形態においては、スライダー20、コイルスプリングSP、シャフト31とローレット240からなる張力伝達ローラ30、シャフト41及びローラ部42からなるアイドルローラ40、内歯付キャリア260及びケース10Aの一部が運動変換部DTを構成し、ウェイト340、太陽歯車付ウェイトホルダ320、ワッシャー241、ベース70及びケース10Aの一部が抵抗付与部RAを構成する。また、本実施形態では、ケース10A及びベース70から筐体が形成される。以下、第1実施形態と同一の部材については同一の符号を付し、その相違点を中心に説明する。
2−1<制動装置の全体構成>
図14は、第2実施形態に係る制動装置1000の分解斜視図である。
図14に示されるように、第2実施形態では、内歯付キャリア260に4つの遊星歯車280が設けられ、太陽歯車付ウェイトホルダ320に8つのウェイト340が保持される。以下、各部材について説明する。
2−1−1<整列部材200>
図15(a),(b)に示されるように、整列部材200は、コードCDを挿通し、コードCDの向きを整えるものである。また、複数のコードCDを互いに同じ向きに整列させるものである。整列部材200は、例えば、プラスチック等の樹脂で形成することができる。ここで、図15(a)に示されるように、矢印の向きをそれぞれ前後、左右、上下とする。すなわち、第1天壁溝16と第2天壁溝17の距離が狭くなる向きを前方とし、左右方向(幅方向)、上下方向を定める。
整列部材200は、上下方向に貫通する略直方体のフレーム200aの前方及び後方にコードCDを挿入する略矩形の挿入部201が2つずつ形成された構成となっており、本実施形態においては、3本のコードCDが挿入部201及び挿入部201の上部に通されることで、コードCDが上下方向に略等間隔に整列された状態で一対の挟着部材に挟着されることになる。
2−1−2<ケース10A>
次に、図14、図16及び図20(a),(b)を用いてケース10Aについて説明する。ケース10Aは、ベース70とともに筐体を構成し、その内部にスライダー20、コイルスプリングSP、シャフト31とローレット240からなる張力伝達ローラ30、シャフト41及びローラ部42からなるアイドルローラ40、ピニオンギア50、シャフト31、ワッシャー241、内歯付キャリア260、遊星歯車280、プレート300、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340を保持する。
また、ケース10Aは、例えば図14に示されるベース70とともに制動装置1000の筐体を構成するものである。また、例えば図14に示される太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340とともに、抵抗付与部RAを構成するものである。
図20に示されるように、ケース10Aは、外形が概ね正方形の天壁部11と、前側壁部12fと、前側壁部12f及び天壁部11に連結される右側壁部12r及び左側壁部12lと、右側壁部12r及び左側壁部12lのそれぞれに連結される後側壁部12bと、
天壁部11に対向し、前側壁部12f、後側壁部12b、前側壁部12f及び左側壁部12lから径方向側に向かって延在する鍔部13と、鍔部13に連結される円筒部13Cと、円筒部13Cに連結されるカバー部112とを主な構成として有する。
前側壁部12f及び後側壁部12bには、ガイド溝113が形成されている。これら2つのガイド溝113は、互いに前後方向に対向している。これらのガイド溝113はコードCDが前後方向に挿通されるための溝である。ここで、ガイド溝113に挿通するコードCDの数は特に限定されないが、第2実施形態では3本のコードCDが縦方向に挿通された例について示している(図15参照)。
さらに、左右の側壁部12r,12l上方には支持溝114が設けられる。支持溝114は、図15に示されるように、ケース10Aがスライダー20を内部に保持するにあたり、スライダー20に設けられる突起230を支持するものである。これにより、スライダー20をその底部を浮かせた状態で支持することができる。なお、詳細は後述する。
天壁部11には、図16(a)に示されるように、第1天壁溝16と第2天壁溝17とが形成されている。第1天壁溝16及び第2天壁溝17は、それぞれコードCDの長手方向すなわち前後方向に対して斜めに形成されており、コードCDの一方の長手方向である前方に向かうにつれて、第1天壁溝16と第2天壁溝17との距離が小さくされている。また、第1天壁溝16は円弧状に形成されており、図24に示すように、挟着案内斜面16a、解除案内斜面16b、挟着側規制面16c及び解除側規制面16dにより内周面が形成される。第1天壁溝16の円弧は、図18に示される内歯付キャリア260の内周面と平面視において同心円上となるように形成される。一方、第2天壁溝17は緩やかなカーブを描いた形状に形成され、図24に示すように、挟着案内斜面17a、解除案内斜面17b、挟着側規制面17c及び解除側規制面17dにより内周面が形成される。具体的には、第2天壁溝17は、前方側が略直線状の形状とされ、後方に向かうにつれて、第1天壁溝16から離れる向きに湾曲している。これは、第2天壁溝17を略直線状とした場合、第1天壁溝16は後方から前方に向かってコードCDに近づくような円弧であるので、例えばシャフト31及びシャフト41がそれぞれ第1天壁溝16及び第2天壁溝17に沿って移動するときに、コードCDに対する垂直方向の変位が、シャフト31とシャフト41とで異なってしまうことを防ぐためである。つまり、一方が円弧であるのに対し、他方が略直線状であると、前後方向においてコードCDへの垂直距離が異なるためである。このように、シャフト31及びシャフト41のコードCDの鉛直方向に対する変位を近接させることにより、ローレット240及びローラ部42が適切にコードCDを挟着することが可能となる。なお、第2天壁溝17はこれに限定されず、例えば、第1天壁溝16と略同一形状の溝を、コードCD側に向かって湾曲する配置としてもよい。これにより、CDに対する鉛直方向の変位を、シャフト31とシャフト41とで略同一にすることができ、コードCDの摩耗を低減することが可能となる。ここで、第2実施形態では、CDに対する鉛直方向の変位を、シャフト31とシャフト41とでなるべく同じにすることに加え、他の部材の移動等による相互作用等を考慮し、図16(a)に示される形状を採用した。
第1天壁溝16の縁には、図16(a)、図20(a),(b)に示されるように、ケース10Aの平面視において、第1天壁溝16におけるケース10Aの外側の縁、すなわち挟着案内斜面16aに沿った位置の少なくとも一部に、第1天壁溝16から上方に突出する第1ガイド壁16Aが設けられる。第2実施形態では、第1ガイド壁16Aは、第1天壁溝16に対して略90度となるように設けられる。第1ガイド壁16Aは、第1天壁溝16に沿って移動するシャフト31の面圧を下げることを目的としている。つまり、第1ガイド壁16Aを設け、シャフト31と接触する面積を増大させることにより、シャフト31の面圧を低減するものである。これは、コードCDに張力が与えられ、制動装置1000が作用している間はシャフト31の面圧が第1天壁溝16の内面に加わっており、かかる面圧により第1天壁溝16の内面が削れると、ローレット240とローラ部42の間隔が変化して、コードCDの狭着が不安定になり、ローレット240への回転伝達が不十分になる恐れがあるためである。第1ガイド壁16Aを設けることにより、シャフト31からの圧力によりケース10Aが削れることを防止することが可能となる。なお、第1ガイド壁16Aの肉厚は任意であるが、ケース10Aの素材、シャフト31の移動速度等を考慮して適宜設計すればよい。
また、第2天壁溝17におけるケース10Aの外側の縁に沿った位置にも、その少なくとも一部に、第2天壁溝17から上方に突出する第2ガイド壁17Aが設けられる。第2ガイド壁17Aは、第2天壁溝17に対して略90度となるように設けられる。そして、この第2ガイド壁17Aにより、シャフト41の面圧を低減することができ、これにより、シャフト41からの圧力によりケース10Aが削れることを防止することが可能となる。なお、第2ガイド壁17Aの肉厚は任意であるが、ケース10Aの素材、シャフト41の移動速度等を考慮して適宜設計すればよい。
なお、ケース10Aを金属等の強固な材料で成形した場合には、第1ガイド壁16A及び第2ガイド壁17Aを設けなくてもよい。これは、ケース10Aが堅牢であるので、シャフト31及びシャフト41からの圧力によりケース10Aがほとんど削れることがないためである。
鍔部13は、図15及び図20に示すように、天壁部11に対向し、前側壁部12f、後側壁部12b、前側壁部12f及び左側壁部12lから径方向側に向かって延在する部位であり、第2実施形態では略円形とされる。
円筒部13Cは、図20に示すように、鍔部13に連結され、内周ギア115の外側に位置する。第2実施形態では、円筒部13Cは、略円筒状の形状とされる。
カバー部112は、円筒部13Cに連結され、ベース70と嵌合する箇所である。第2実施形態では、カバー部112の外縁は略正方形とされる。そして、カバー部112は、図14に示すように、左右の側面の両端にそれぞれ2つの第1係合溝111Aが設けられる。そして、前端部の両端に2つの第2係合溝111Bが設けられ、後端部の略中央に1つの第2係合溝111Bが設けられる。第1係合溝111Aは、図17に示されるベース70の第1係合板部701Aと係合するものである。また、第2係合溝111Bは、ベース70の第2係合板部701Bと係合するものである。これにより、ケース10Aとベース70が係合され、筐体を形成する。
また、ケース10Aの内部には、図21に示されるように、遊星歯車280と歯合するリング状の内周ギア115が形成される。
2−1−3<スライダー20>
次に、図17及び図24を用いてスライダー20について説明する。スライダー20は、張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40を内部に保持し且つ張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40と共に移動する。スライダー20の構成は、上述した第1実施形態のものとほぼ同一であり、天壁部21、後側壁部22、前側壁部24及び底壁部23とを有し、する。また、天壁部21には一対の溝である第1天壁溝26及び第2天壁溝27が形成され、天壁部21にはこれらと上下方向に対向する位置に第1底壁溝28及び第2底壁溝29が形成される。
また、図17に示すように、天壁部21には、その四隅に天壁部21の左右へ突出するように突起230が設けられる。図15に示されるように、突起230は、ケース10Aの支持溝114に収められ、ケース10Aの内部にスライダー20を浮き状態で支持するためのものである。すなわち、スライダー20が、下方に位置する内歯付キャリア260と非接触状態で保持される。
このような構成とすることで、スライダー20をケース10A内部において浮き状態で支持することが可能となる。そのため、スライダー20と他の部品、例えば内歯付キャリア260等との接触を防止することができ、不要な抵抗力を低減又はゼロにすることができる。したがって、各部材の消耗を低減することが可能となる。
前側壁部24及び後側壁部22には、それぞれ貫通孔225が形成されている。貫通孔225は、前側壁部24及び後側壁部22の幅方向の略中央において前側壁部24及び後側壁部22を前後方向に貫通する。孔の形状は任意であるが、少なくともコードCD1本が挿通可能な程度である。好ましくは、複数本のコードCDが縦方向に整列した状態で挿通可能な形状である。なお、第2実施形態では、上下方向に長い略長円形の形状とされる。
また、図17(b)に示されるように、後側壁部22には、貫通孔225の両脇に、後側壁部22の外側面から形成される凹部231が形成されている。凹部231の形状は任意であり、同図に示されるような貫通孔225から側面側にかけて切り欠かれた形状でもよく、略円形、略矩形の凹み等であってもよい。また、第2実施形態では、左側の凹部231内にコイルスプリングSPが配置されており、コイルスプリングSPの一端は凹部231から突出している。そして、制動装置1000の組立時において、ケース10Aの後方の内壁と当接し、スライダー20を前方に付勢する。なお、図17(b)ではコイルスプリングSPの凹部231から突出している部分を省略している。
このような形状のスライダー20がケース10Aの空間内に配置されると、スライダー20の天壁部21及び底壁部23の側面がケース10Aの幅方向において内壁面に当接して、スライダー20はケース10Aに対して幅方向に動きが規制される。この状態において、ケース10Aのガイド溝113とスライダー20の貫通孔225とが互いに前後方向に並ぶ。つまり、貫通孔225は、コードCDをスライダー20内に挿通するための孔である。一方、スライダー20がケース10Aの空間内に配置された状態で、スライダー20とケース10Aの内壁面との間には、前後方向に隙間が生じ、スライダー20はケース10Aに対して前後方向に動くことができる。また、スライダー20がケース10Aの空間内に配置された状態で、スライダー20の後側壁部22の凹部231から突出するコイルスプリングSPがケース10Aの後方の内壁15dを押圧する。従って、スライダー20がケース10Aの空間内に配置された状態で、スライダー20は、前方側に位置し、ケース10A内において前方に押圧された状態となる。
2−1−4<張力伝達ローラ30、アイドルローラ40及びピニオンギア50>
次に、図14、図18及び図22を用いて、一対の狭着部材の一方である張力伝達ローラ30、一対の狭着部材の他方であるアイドルローラ40及びピニオンギア50について説明する。アイドルローラ40は、ローラ部42及びシャフト41で構成される。また、本実施形態においても、これら張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40により、複数のコードCDを挟着方向と略垂直な方向に整列させて挟着する一対の挟着部材が構成される。
ローレット240は、第1実施形態のローラ部32に相当する。そして、ローレット240の中心にはシャフト31の一端が挿入されている。そして、シャフト31の他端には、ピニオンギア50が挿入されている。ローレット240は任意の材料で形成することができ、例えばステンレスを用いることが可能である。
一方、アイドルローラ40のローラ部42の外径は、第1実施形態と同様、下方(軸方向のうちピニオンギア50が設けられる方向)に向かうにつれてその外径が小さくなるテーパ形状をなしている。ここで、「軸方向」は、複数のコードCDの整列方向とも言える。そのため、定常状態、すなわちコードCDが移動していない状態において張力伝達ローラ30のローレット240との距離、すなわち一対の挟着部材の間隔は、ローラの軸方向(長手方向)の位置に応じて異なることになり、本実施形態においては下方に向かうにつれてその間隔は広がっている。この定常状態における一対の挟着部材の位置を、特許請求の範囲における第1の挟着位置とする。なお、本実施形態においても、ローラ部42の外周面は金属の平坦な面よりも摩擦係数が高い状態とされ、材質としては、例えば弾性体とすることが好ましい。
また、第1実施形態と同様、張力伝達ローラ30のローレット240及びアイドルローラ40のローラ部42はスライダー20の内部に保持される。また、ピニオンギア50は、スライダー20の外部に保持される。ここで、図19を用いてローレット240、スライダー20及びピニオンギア50の位置関係について説明する。図19は、第2実施形態に係る制動装置1000の左側面から見てシャフト31の略中心を通る断面図の一部である。図19に示されるように、制動装置1000の組み立て時において、ローレット240とピニオンギア50でスライダー20の底壁部23を挟み込むような構成となっている。また、第2実施形態では、ピニオンギア50とスライダー20の接触面積を低減すべく、ピニオンギア50に段差51が設けられる。これにより、シャフト31を介してローレット240及びピニオンギア50が一体回転するときに、ピニオンギア50とスライダー20との間の摺動抵抗を低減することができる。これにより、回転動作を滑らかにすることが可能となる。
2−1−5<内歯付キャリア260及び遊星歯車280>
次に、図18及び図21を用いて内歯付キャリア260及び遊星歯車280について説明する。第2実施形態では、内歯付キャリア260(特許請求の範囲における回転伝達ギア)は、平面視において略ドーナツ形状である。内歯付キャリア260は、円柱部264から平面視において外側に突出するフランジ262を備える。
円柱部264の内側の内周面には、ピニオンギア50と歯合する内歯車261が形成される。内歯車261は、第1実施形態における内周ギア61に相当する。そして、フランジ262には、鉛直方向において下向きに突出する支持軸263が形成される。支持軸263の個数は特に限定されないが、特に等間隔であることが好ましい。なお、第2実施形態では、一例として支持軸263が4つ設けられた構成としている。
そして、支持軸263にはそれぞれ、遊星歯車280が回転可能に支持されている。遊星歯車280は、後述する太陽歯車323と、ケース10Aの内部に設けられた内周ギア115と互いに歯合する。そして、内歯車261の中心部を中心として公転することが可能である。したがって、ピニオンギア50の回転が内歯車261に伝達されることにより内歯付キャリア260が回転し、それにともない内歯付キャリア260のフランジ262に設けられた支持軸263に回転可能に支持された遊星歯車280が回転することで、ピニオンギア50に起因する回転を増速させることが可能となる。
2−1−6<太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340>
次に、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340について、図14及び図22を用いて説明する。太陽歯車付ウェイトホルダ320は、リング状のリング部324の外方に向かって、凸部321及び凹部322が交互に並んで形成される。図22に示されるように、リング部324の外側の外周面には、遊星歯車280と歯合する太陽歯車323が、回転軸が凸部321の延在方向と略垂直方向を向くように設けられる。そして、それぞれの凹部322には、ウェイト340が配置される。つまり、太陽歯車付ウェイトホルダ320は、制動装置1000の組み立て時において、凸部321を境としてそれぞれの凹部322内にウェイト340を保持する部材であるとも言える。なお、ウェイト340の数は任意であるが、回転時におけるバランスの観点から等間隔であることが好ましい。なお、第2実施形態では、一例として8つのウェイト340を用いている。したがって、凸部321及び凹部322もそれぞれ8つずつ設けられている。
また、図22に示すように、各ウェイト340には、ベース70側に突起341が設けられる。かかる突起341により、ベース70と当接する際における抵抗を低減することが可能となる。突起341の数は任意であるが、第2実施形態では、一例として4つの突起341を設けている。
ウェイト340は、ピニオンギア50に起因する回転時において、遠心力により内歯車261の中心から遠ざかる方向に移動し、ケース10Aの内周壁と当接することにより、回転に対して遠心ブレーキとして抵抗力を付与するものである。したがって、ケース10Aの内周壁、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340により、第1実施形態の抵抗付与部RAと同等の作用を奏することが可能となる。つまり、第2実施形態に係る制動装置1000では、運動変換部DTに相当する機構と抵抗付与部RAに相当する機構が略垂直に位置するように設けられることとなる。
なお、制動装置1000の組み立て時においては、内歯付キャリア260と太陽歯車付ウェイトホルダ320が、プレート300を介して組み立てられる。具体的には、内歯付キャリア260の円柱部264を太陽歯車付ウェイトホルダ320のリング部324に挿入するように組み立てる。したがって、円柱部264の直径は、リング部324の直径よりもわずかに小さく設計される。
ここで、プレート300は、遊星歯車280の傾きを防止するとともに、遊星歯車280とウェイト340の干渉を防ぐ機能を有する。なお、ウェイト340は、制動装置1000全体の厚さを薄くするために、なるべく薄く形成されることが好ましい。さらに、プレート300は、薄く形成するため金属製とするのが好ましいが、技術的に可能である場合には、プレート300を樹脂形成してもよい。この場合、太陽歯車323と一体形成としてもよい。
2−1−7<ベース70>
次に、図14、図16(b)及び図17を用いて、ベース70について説明する。図14に示されるように、ベース70の略中央には、周囲より嵩高くなっており、下側が凹んでいる円柱部708が設けられる。そして、図16(b)に示されるように、円柱部708の上面に第1ベース溝706、第1ガイド壁706A、第2ベース溝707、第2ガイド壁707Aが設けられる。
第1ベース溝706及び第1ガイド壁706Aはそれぞれ、ケース10Aに設けられた第1天壁溝16及び第1ガイド壁16Aに相当するものである。そして、シャフト31の下端が第1ベース溝706を挿通し、その縁に形成された第1ガイド壁706Aと当接する。同様に、第2ベース溝707及び第2ガイド壁707Aはそれぞれ、ケース10Aに設けられた第2天壁溝17及び第2ガイド壁17Aに相当するものである。そして、シャフト41の下端が第2ベース溝707を挿通し、その縁に形成された第2ガイド壁707Aと当接する。ここで、第1天壁溝16と第1ベース溝706、第2天壁溝17と第2ベース溝707は、それぞれ特許請求の範囲における「保持溝」に該当し、張力伝達ローラ30のシャフト31及びアイドルローラ40のシャフト41の反挟着方向の移動方向を規制するものと言える。また、保持溝は、一対の挟着部材の反挟着方向の移動を規制する「規制手段」であるとも言える。
なお、円柱部708は必須ではないが、円柱部708を設ける等して下側をへこませる
ことにより、シャフト31及びシャフト41の下端が、制動装置1000を載置する載置面と接触することを防ぎ、シャフト31及びシャフト41の下端を適切に挿通することが可能となる。
また、図14に示すように、ベース70は、左右の側面の両端にそれぞれ2つの第1係合板部701Aが設けられる。そして、前方の側面の両端に2つの第2係合板部701Bが設けられ、後方の側面の略中央に1つの第2係合板部701Bが設けられる。第1係合板部701Aは、ケース10Aに設けられた第1係合溝111Aと係合するものである。また、第2係合板部701Bは、ケース10Aに設けられた第2係合溝111Bと係合するものである。これにより、ケース10Aとベース70が係合され、筐体を形成する。
さらに、図16(b)に示されるように、ベース70の底面の外側には、遮蔽装置のヘッドボックス101(図12参照)内に制動装置1000を配置するときに利用する取付筒702が設けられる。例えば、ヘッドボックス内に設けられた軸等の部材に取付筒702をはめ込むことにより、制動装置1000をヘッドボックス内にて安定して配置させることが可能となる。
2−2<組立構成>
次に、これら各部材を組み立てた状態について、図14〜図16を用いて説明する。図15は、これらの部材を組み合わせて構成された制動装置1000の組立図である。図15に示されるように、制動装置1000の外観は、ケース10A及びベース70が接続された筐体と、ケース10Aの上方から被せるようにして配置された整列部材200からなる。かかる組立は、図14に示されるように、各部材同士の中心軸を上下方向に重ねあわせた状態でなされる。具体的には、内歯付キャリア260と、ウェイト340を保持した太陽歯車付ウェイトホルダ320が、プレート300を介して組み立てられる。このとき、内歯付キャリア260に設けられた遊星歯車280と、太陽歯車付ウェイトホルダ320に設けられた太陽歯車323とが互いに歯合するようにする。
そして、スライダー20の第1天壁溝26及び第1底壁溝28にシャフト31を水平方向に移動させながらスライドさせる。このとき、ローレット240はスライダー20の内部に、ピニオンギア50はスライダー20の外部に位置するようにされる。また、第2天壁溝227及び第2底壁溝229にシャフト41水平方向に移動させながらスライドさせる。このとき、ローラ部42がスライダー20の内部に位置するようにされる。そして、内歯付キャリア260に設けられた内歯車261とピニオンギア50が互いに歯合するように、スライダー20と内歯付キャリア260が互いに近づくように相対移動させる。
その後、これらの部材の下側にベース70を配置し、ケース10Aを上方から被せる。そして、ケース10Aに設けられた第1係合溝111A及び第2係合溝111Bと、ベース70に設けられた第1係合板部701A及び第2係合板部701Bを互いに係合させ、ケース10Aとベース70を固定し、最後に、ケース10A及びベース70で構成される筐体の上方から、整列部材200を被せる。整列部材200は、例えば整列部材200に設けられた爪部とケース10Aに設けられた係合孔とを係合させることで固定することができる。
このようにして組み立てられた制動装置1000が、図15に示されるものである。そして、制動装置1000の組立が完了した後、3本のコードCDを整列部材200の挿入部201と挿入部201の上部、ケース10Aの前後に設けられたガイド溝113及びスライダー20の前後に設けられた貫通孔225に通される。これにより、図15(a),(b)に示される状態となる。
図15(c)は、制動装置1000の左側面図、つまり、図15(a)の矢印X方向から見た側面図である。図15(c)に示されるように、制動装置1000は、側面視において、上側からケース10A、整列部材200、ベース70が視認されることとなる。また、支持溝114により突起230が支持されていることが伺える。
図16(a)に示されるように、制動装置1000は、その平面視において、中心から順にケース10A、整列部材200、ベース70の一部の順に視認できる。ここで、図15(a),(b)及び図16(a)に示されるように、シャフト31の上端が、スライダー20に設けられた第1天壁溝26からケース10Aに設けられた第1天壁溝16を挿通し、ケース10Aの外部に露出している。同様に、シャフト41の上端が、スライダー20に設けられた第2天壁溝227からケース10Aに設けられた第2天壁溝17を挿通し、ケース10Aの外部に露出している。本実施形態でも、このようにシャフト31,41がカバー10の外部に露出していることから、これらシャフトを容易に移動させることができる。したがって、一対の狭着部材である張力伝達ローラ30とアイドルローラ40がコードCDに近接する方向に付勢されている場合であっても、コードCDを容易に挿入できるようになっている。
そして、第1天壁溝16の縁に設けられた第1ガイド壁16Aがシャフト31と当接し、第2天壁溝17の縁に設けられた第2ガイド壁17Aがシャフト41と当接している。
また、図16(b)に示されるように、ベース70は、その底面視において、第1ベース溝706に挿通されたシャフト31の下端と、第2ベース溝707に挿通されたシャフト41の下端を視認することができる。なお、取付筒702が設けられる面において、円柱部708の上を面で覆うことにより、シャフト31及びシャフト41の下端が外部から覆われる構成としてもよい。
2−2−2<組立状態における内部構造>
次に、図17,図18及び図21を用いて、組立状態における内部構造について説明する。図17は、図15の状態から整列部材200及びケース10Aを取り外した状態における斜視図である。図17に示されるように、スライダー20の上方にシャフト31及びシャフト41が突出している。また、シャフト31は、第1天壁溝26内においてスライダー20の幅方向に動きが規制される。同様に、シャフト41は、第2天壁溝227内においてスライダー20の幅方向に動きが規制される。なお、図示を省略しているコードCDは、スライダー20の貫通孔225に縦に整列された状態でスライダー20の前後方向に挿通される。
図18は、図17の状態からさらにスライダー20を取り外した状態における斜視図である。図示を省略したコードCDは、ローレット240及びローラ部42に挟着された状態で、制動装置1000の前後に挿通される。また、ピニオンギア50と内歯車261は互いに歯合している。そして、コードCDに張力がかかったときに、コードCDとローレット240の間で摩擦力が発生し、それによりローレット240と一体となってピニオンギア50が回転すると、ピニオンギア50の回転が内歯車261に伝達される。その結果、内歯車261が自転することにより、内歯付キャリア260とともにそのフランジ262に設けられる支持軸263も公転する。それに伴い、支持軸263に回転可能に支持される遊星歯車280が自転しながら公転を開始する。
そして、図21に示されるように、遊星歯車280と太陽歯車323は互いに歯合している。したがって、遊星歯車280の回転が太陽歯車323に伝達され、太陽歯車付ウェイトホルダ320が自転を開始する。その結果、太陽歯車付ウェイトホルダ320の凹部322に保持されたウェイト340(図14参照)が自転を開始する。そして、回転速度がある一定値を上回ると、遠心力によりウェイト340がケース10Aの内壁と当接する。これにより、ローレット240の回転に対して抵抗力が与えられる。
次に、図21及び図22を用いて、組立状態における各部材間の相対位置についてさらに詳細に説明する。図21は、図15(c)のA−A線切断部断面図である。図21に示されるように、シャフト31を中心とするピニオンギア50と、内歯付キャリア260に設けられる内歯車261とが互いに歯合している。また、内歯車261の回転は、内歯付キャリア260の支持軸263を介して遊星歯車280に伝達されるように構成される。そして、遊星歯車280は、太陽歯車付ウェイトホルダ320に設けられた太陽歯車323及びケース10Aの内部に設けられた内周ギア115と互いに歯合する。したがって、ピニオンギア50に起因する回転が加えられることにより、遊星歯車280は太陽歯車323と内周ギア115の間に形成される空間内を、内歯車261の中心部を中心として公転することが可能となる。
図22は、図16(a)のB−B線切断部断面図である。図22に示されるように、第2実施形態では、B−B線切断部断面図は取付筒702を中心として略左右対称となっている。そして、シャフト31及びシャフト41がケース10Aの上端及びベース70の下端から突出している。なお、第2実施形態では、第1ガイド壁16A及び第2ガイド壁17Aの上端が、それぞれシャフト31及びシャフト41の上端と略同じ高さとなっている。
そして、ローレット240及びローラ部42がスライダー20の内部に位置している。さらに、ローレット240とともにスライダー20を挟んだ状態で、ピニオンギア50がスライダー20の外部に位置している。また、ピニオンギア50と内歯車261が互いに歯合している。
そして、ケース10Aの上側から鍔部13にかけて、整列部材200で覆われている。また、ケース10Aはその下端においてベース70と係合している。そして、ベース70の上部には、ウェイト340が保持されている。ここで、第2実施形態では、ウェイト340を着脱式としているので、必要な制動力をウェイト340の数又は種類により調整することが可能となる。つまり、大きな制動力が求められる場合にはウェイト340の数を増やしたり、他のより密度の高いウェイトを太陽歯車付ウェイトホルダ320に保持すればよい。一方、小さな制動力で十分な場合には、ウェイト340の数を減らせばよい。なお、ウェイト340は、回転時における安定性の観点から、太陽歯車付ウェイトホルダ320に保持される面上において対称配置することが好ましい。なお、本実施形態では、ウェイト340に設けられた突起341とベース70の底面が当接することにより、回転時におけるウェイト340とベース70との間の抵抗力を低減している。
2−3<動作>
次に、図23を用いて第2実施形態に係る制動装置1000の動作について説明する。図23(a)はコードCDに何ら張力が与えられない状態(定常状態)、図23(b)はコードCDに張力が与えられ、ローレット240及びローラ部42でコードCDが挟着された状態(挟着状態)、図23(c)は図23(a)から図23(b)へ状態変化する際における各部材の回転方向をまとめた図である。なお、図23(a),(b)はともに、図21と同様に、図15(c)のA−A線切断部断面図である。ここで、説明の都合上、かかる断面図には現れないローラ部42の外周をシャフト41の周囲に、ローレット240の外周をシャフト31の周囲に重ねて表示した。なお、ローレット240の外周は厳密には円形ではないが、説明の簡略化のため、円形に近似して図示している。
図23(a)に示されるように、定常状態において、上記のように、コイルスプリングSPは、ケース10Aの後方の内壁(図30参照)と当接し、スライダー20を前方に押圧する。したがって、スライダー20はケース10Aの前方に位置する。このため、スライダー20の第1天壁溝26及び第1底壁溝28により位置が規制されているシャフト31と、第2天壁溝227及び第2底壁溝229により位置が規制されているシャフト41と、がスライダー20とともに前方に移動する。さらに、スライダー20の上部に保持されるケース10Aに設けられた第1天壁溝16と第2天壁溝17は、前方に向かうにつれて互いに距離が小さくなっている。同様に、ベース70に設けられた第1ベース溝706及び第2ベース溝707は、前方に向かうにつれて距離が小さくなっている。したがって、シャフト41に回転可能に支持されるローラ部42と、シャフト31に回転可能に支持されるローレット240との距離も小さくなる。つまり、第1天壁溝16及び第1ベース溝706は、ローレット240のシャフト31が移動可能に嵌合し、ローレット240が溝に沿わない動きをすることを規制する規制溝として機能する。同様に、第2天壁溝17及び第2ベース溝707は、ローラ部42のシャフト41が移動可能に嵌合し、ローラ部42が溝に沿わない動きをすることを規制する規制溝として機能する。また、第1天壁溝16及び第1ベース溝706は、内歯付キャリア260の内周面の中心点と平面視において同心円上に形成されるため、シャフト31がそれぞれの溝内を移動しても、ピニオンギア50は内歯付キャリア260に設けられた内歯車261に歯合し続けることができる。
このように、ローレット240とローラ部42との距離が小さくなると、ローレット240はローラ部42に押圧され、ローレット240とローラ部42でコードCDが挟着される。つまり、第2実施形態では、コイルスプリングSPは、ローレット240がローラ部42に押圧されるように、スライダー20を介してローレット240を常時付勢する付勢部材としても機能する。なお、コードCDがローレット240とローラ部42とで挟着された状態で、コードCDの径だけローレット240とローラ部42とが離間する(第1の挟着位置)。このため、第1天壁溝16及び第2天壁溝17の構造、及び、第1ベース溝706及び第2ベース溝707の構造により、ケース10Aは僅かに後方に位置する。
そして、定常状態の制動装置1000において、コードCDに矢印D1の向き(前方)に張力を与えたとする。すると、コードCDとの間に生じる摩擦力により、ローレット240が反時計回りに、ローラ部42が時計回りに回転する。つまり、ローレット240を備えた張力伝達ローラ30およびローラ部42を備えたアイドルローラ40は、直線状に延びるコードCDに当接することで、コードCDの長手方向の移動により回転可能とされると言える。そして、ローレット240の回転により、同じシャフト31を共有して固定されているピニオンギア50もローレット240と同じ向き(反時計周り)に回転(自転)する。この際、図23(b)に示されるように、シャフト31及びシャフト41は、平面視において前方に移動し、ケース10Aの第1天壁溝16の挟着案内斜面16a及び第2天壁溝17の挟着案内斜面17aにそれぞれ案内されることで左右方向において互いに近接して、ローレット240とローラ部42によるコードCDの挟着力が強くなる。このときの張力伝達ローラ30とアイドルローラ40の位置を、特許請求の範囲における第2の挟着位置とする。第2の挟着位置では、一対の挟着部材の間隔が上述した第1の挟着位置よりも狭くなっており、第1の挟着位置よりもコードCDをきつく挟着する。そして、コードCDの挟着力が強くなると、コードCDの移動に応じてローレット240が確実に回転するようになる。すると、ピニオンギア50は内歯車261と歯合しているので、ピニオンギア50の歯から与えられる力により、内歯車261が反時計周りに回転(自転)する。これにより、内歯車261とともに内歯付キャリア260も反時計周りに回転(自転)するので、内歯付キャリア260に設けられた遊星歯車280も同様に反時計周りに回転(公転)する。ここで、遊星歯車280は太陽歯車323及びケース10Aにより固定された内周ギア115と互いに歯合しているので、公転方向とは逆向き(時計回り)に自転しつつ、反時計周りに公転することとなる。したがって、遊星歯車280の内側で遊星歯車280と歯合する太陽歯車323は、遊星歯車280の自転と逆向き(反時計周り)に回転(自転)する。このとき、遊星歯車280により、太陽歯車323の回転は増速される。これにより、太陽歯車323とともに回転する太陽歯車付ウェイトホルダ320に保持されるウェイト340も回転を開始する。なお、すでに述べた通り、遊星歯車280の外側で遊星歯車280と歯合する内周ギア115は、ケース10Aとベース70が固定されているため、遊星歯車280の回転時においても回転しない。
そして、図23(b)に示されるように、ローレット240とローラ部42が限界まで近づく(挟着状態)と、ローレット240の自転は続くもののローレット240の内歯車261に沿った移動が停止する。このとき、ローレット240の自転に起因した他の部材の回転は継続される。すると、遠心力によりウェイト340がケース10Aの内周壁に当接することにより、回転に対して抵抗力が生じる。つまり、コードCDの移動速度が上昇することで回転速度が上昇し、これにより遠心力が上昇する。そして、遠心力が上昇することによりウェイト340がケース10Aの内周壁により強く当接することになり、抵抗力が上昇する。これにより、コードCDの移動速度(日射遮蔽部材の落下速度)を抑えることができる。ここで、コードCDに加えられる張力が略一定の場合(例えば、第1実施形態の図10において、制動装置1000の前方側のコードCDに昇降可能に吊持される日射遮蔽部材が自由落下する場合)には、コードCDに加えられる張力とウェイト340とケース10Aの内周壁による抵抗力が釣り合うところで、コードCDの移動速度が略一定となる。したがって、制動装置1000は、コードCDの移動に対する回転ダンパとして機能し、日射遮蔽部材をゆっくりと降下させることが可能となる。
以上説明した、定常状態から挟着状態までの挟着状態の変化について、各部材の回転方向(ピニオンギア50については、さらに平面視における前後方向及び締め付け方向も含む)をまとめたものが図23(c)である。
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様、コードCDの前方への移動に伴って張力伝達ローラ30が回転し、ピニオンギア50がリングギア60の内周に沿って移動する際、シャフト31の上端部分が第1天壁溝16の幅方向の僅かな遊び(隙間)の範囲内で移動可能な構成であるため、図11に示すように、狭着状態では張力伝達ローラ30のシャフト31が僅かに傾くことになる(符号R参照)。
ここで、本実施形態の第1天壁溝16は、図16等に示すように円弧状に形成されており、張力伝達ローラの30の狭着方向に向かうようにカーブしているため、第1実施形態の構成よりも狭着状態における幅方向の遊びが広い構成となっている。しかしながら、このような構成であっても、張力伝達ローラ30のローラ部32と対向するアイドルローラ40のローラ部42を、下方に向かうにつれてその外径が小さくなるテーパ形状とすることで、ローラ部32とローラ部42の間隔が軸方向に亘って略同一となる構成とすることができる。したがって、本実施形態の一対の狭着部材も、一対の挟着部材である張力伝達ローラ30とアイドルローラ40が複数のコードCDをきつく挟着し、コードCDに制動力を与えるとき(一対の挟着部材が第2の挟着位置にあるとき)に、各コードを挟着する挟着力を略同一とすることが可能となっている。
一方、コードCDに矢印D1と逆向き(後方)に張力を与えた場合には、ローレット240及びローラ部42が上記と逆向きに回転する。その結果、シャフト31及びシャフト41が第1天壁溝16の解除案内斜面16b及び第2天壁溝17の解除案内斜面17bにそれぞれ案内されることで互いに離間するように移動する。すると、コードCDに対するローレット240の挟着力が弱まり、弱い力でコードCDを引っ張ることが可能となる。したがって、図10に示されるように、ヘッドボックス内に制動装置1000を設ける場合には、図23において前方にコードCDに張力が加わる向きを日射遮蔽部材の下降する向きとし、後方にコードCDに張力が加わる向きを日射遮蔽部材の上昇する向きとすると好適である。
次に、図24を用いて、定常状態及び挟着状態の状態変化の際におけるスライダー20の移動について説明する。図24(a)が図23(a)に、図24(b)が図23(b)にそれぞれ対応する。
図24(a)の定常状態から図24(b)の挟着状態に変化するとき、シャフト41とローラ部42、及び、シャフト31とローレット240は、コードCDとの摩擦力により図中の前方に移動する。このとき、シャフト41が第2天壁溝227及び第2底壁溝229と当接していることにより、シャフト41の前方への移動に伴って、第2天壁溝227及び第2底壁溝229に対して前方へ力が加わる。また、シャフト31が第1天壁溝26及び第1底壁溝28と当接していることにより、シャフト31の前方への移動に伴って、第1天壁溝26及び第1底壁溝28に対して前方へ力が加わる。したがって、シャフト31,41が前方にΔ移動すると、スライダー20も前方にΔ移動する。
なお、第2実施形態では、ウェイト340が太陽歯車付ウェイトホルダ320に保持されることとしたが、ウェイト340の保持の方法はこれに限定されない。例えば、ウェイト340が内歯付キャリア260に保持されることとしてもよい。この場合、遊星歯車280、プレート300及び太陽歯車付ウェイトホルダ320は省略することができる。なお、遊星歯車280を省略することにより、太陽歯車323、太陽歯車付ウェイトホルダ320及びウェイト340の回転に対する増速効果は得られなくなる。
また、上記実施形態では付勢部材としてコイルスプリングSPが用いられたが、コイルスプリングSPに代えて、磁石を利用してもよい。
<作用・効果>
第2実施形態に係る制動装置1000により、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)コードCDに前方へ張力が与えられる場合には、ローレット240及びローラ部42が互いに近接するように移動することにより、コードCDを強く挟着することができ、ローレットを確実に回転させ、回転をピニオンギア50に伝えることができる。また、コードCDに後方へ張力が与え得られる場合には、ローレット240及びローラ部42が互いに離間するように移動することにより、コードCDへの挟着力を弱め、コードCDの自由移動を許可することができる。
(2)制動装置1000を図12に示すような遮蔽装置に適用した場合に、アイドルローラ40のローラ部42がテーパ形状をなしていることで、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40による各コードCDを挟着する挟着力が略同一になっていることから、各コードCDの移動速度が互いに等しい状態に保たれ、日射遮蔽部材103のボトムレール103aが傾斜することを防止できる。
なお、本発明は、以下の態様でも実施可能である。
<変形例1>
上記実施形態において、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40からなる一対の狭着部材は、それぞれ天壁溝16,17及びベース溝76(706),77(707)に沿ってスライダー20とともに移動することで、コードCDの移動方向に応じて狭着力を変化させる構成であった。しかし、図25及び図26に示すように、張力伝達ローラ30のシャフト31とアイドルローラ40のシャフト41を軸支して、コードCDの移動に関わらず狭着力が一定となる構成としてもよい。
簡単に説明すると、本変形例に係る制動装置2000は、図25に示すように、遮蔽装置としての横型ブラインドのヘッドボックス101内に配置され、ヘッドボックス101から案内滑車124を介して垂下される昇降コードCDに対して制動力を与えるものである。なお、図25において、符号125はラダーコード、符号126はチルト軸を示し、図示しないスラットを回転するための構成となっている。
より具体的には、制動装置2000は、ローレット240及びシャフト31からなる張力伝達ローラ30、ローラ部42及びシャフト41からなるアイドルローラ40及び、遠心ガバナ122を有し、これらがケース10A内に設けられる。本変形例においても、一対の挟着部材は、複数のコードCDを挟着方向と略垂直な方向に整列させた状態で各コードCDを挟着するよう構成される。なお、本変形例では、ケース10Aに形成された孔(図示せず)にシャフト31,41が軸支されており、シャフト31,41はそれぞれ軸と垂直な方向には移動できない構成である。つまり、シャフト間の相対位置はコードの移動にかかわらず一定となる。
ローレット240は、シャフト31に固定されているため、昇降コードCDとローレット240との接触抵抗が大きくなり、昇降コードCDの変位とローレット240とを確実に同期させ、昇降コードCDの移動速度を確実に減速させることができる。
一方、アイドルローラ40のローラ部42は、上述した実施形態と同様、軸方向一端側から他端側に向かうにつれてその外径が小さくなるテーパ形状をなしている。そのため、定常状態において張力伝達ローラ30のローレット240との距離、すなわち一対の挟着部材の間隔は、ローラの軸方向(長手方向)の位置に応じて異なっている。
遠心ガバナ122は、図26に示されるように、ガバナケース122dを備え、張力伝達ローラ30とアイドルローラ40はガバナケース122dによって回転可能に支持されている。遠心ガバナ122は、ガバナケース122d内に、ワンウェイクラッチ122a、遊星歯車機構122b、軸122e及びブレード22cを有する。
ワンウェイクラッチ122aには、シャフト31の回転が入力される。ワンウェイクラッチ122aは、遮蔽材(ボトムレール)の上昇方向に昇降コードCDが変位する際には、ローレット240のシャフト31の回転を遊星歯車機構122bを介して軸122eに伝達できない非伝達状態とし、遮蔽材の下降方向に昇降コードCDが変位する際にはローレット240のシャフト31の回転を遊星歯車機構122bを介して軸122eに伝達可能な伝達状態とする。ブレード122cは、ワンウェイクラッチ122aに係る伝達状態においてローレット240に回転力が加えられると、その回転を抑制するように構成されている。
すなわち、遮蔽材を下降操作する際に遮蔽材の自重により昇降コードCDが変位すると、張力伝達ローラ30のシャフト31の回転が遠心ガバナ122における軸122eに伝達されて、遠心ガバナ122が昇降コードCDの変位に抵抗を与え、昇降コードCDの変位が抑制される。よって、遮蔽材の下降操作時に遮蔽材の自重によって加速度的に上昇する変位速度を減速させることができる。
より詳細には、昇降コードCDの変位によってローレット240(張力伝達ローラ30)が回転すると、遠心ガバナ122における遊星歯車機構122bがこれを増速して軸122eに伝達し、軸122eの回転に伴ってブレード122cが回転する。ブレード122cが回転することで遠心力が働き、ブレード122cが遠心ガバナ122のガバナケース22dの内壁と接触して摩擦力が発生する。これによりローレット240の回転が抑制される。このため、スラット3の下降に伴い変位速度が加速度的に上昇するところ、昇降コードCDの変位が抑制されることにより、遮蔽材の下降操作時の変位速度を減速させることができる。
一方、遮蔽材を上昇操作する際に操作者が昇降コードCDを変位させると、ローレット240のシャフト31の回転はワンウェイクラッチ122aによって軸122eに伝達されないため、昇降コードCDの変位に対して昇降コードCDに対する操作者の操作は遠心ガバナ122が機能せずそのまま作用することとなる。よって、遮蔽材の上昇操作時に操作者に負荷をかけずに操作することができる。
アイドルローラ40は、張力伝達ローラ30とともにコードCDを押圧することで、コードCDと確実に接触するように構成される。これにより、コードCDと張力伝達ローラ30との動きを同期させることができる。換言すると、張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40が一対の狭着部材をなす狭着体として機能することとなる。
以上のような場合、張力伝達ローラ30及びアイドルローラ40の間隔がその軸方向の位置に応じて異なるよう構成されることから、挟着力を強く受けるコード(例えば、径が僅かに大きいコード)を一対の挟着部材間の距離が広い位置に配置し、挟着力を受けにくいコード(例えば、径が僅かに小さいコード)を一対の挟着部材間の距離が狭い位置に配置することで、複数本のコードCDを等しい挟着力で挟着することができ、複数本のコードCDの移動速度を均一化することができる。
<変形例2>
さらに、一対の挟着部材のうち、一方の挟着部材のみが移動することでコードCDを挟着する構成とすることも可能である。以下、図27及び図28を用いて、このような構成の制動装置3000を簡単に説明する。なお、本変形例については、運動変換部DTについてのみ説明し、他の部分については、第1実施形態の構成を組み合わせることとして、その説明を省略する。
本変形例に係る制動装置3000は、図27(a)に示されるように、第1の挟着部材である張力伝達ローラ30がシャフト31及びローレット240から構成される。また、シャフト31は、ローレット240の下方でコードCDを保持する保持ローラ250のシャフト251と、一対のプレート800を介して連結される。プレート800は、シャフト31及びシャフト251に対応する箇所には貫通孔801が設けられ、シャフト31及びシャフト251を貫通孔801に挿入することによりローレット240と保持ローラ250を連結することができる。プレート800の形状は、シャフト31,251を支持できればどのような形状であっても良いが、第2実施形態においては略矩形とされ、例えば金属製のプレート800を用いることができる。
このような運動変換部DTは、図27(b)に示すように、ヘッドボックス等に固定されたケース10Bの内側にローレット240及び保持ローラ250が配置され、左右のプレート800がケース10Bの外側に配置されるよう組み付けられる。
そして、図28に示されるように、運動変換部DTは、ケース10Bの内部において、ローレット240と保持ローラ250の間にコードCDを挟むように設けられる。ここで、図28においては、視認性の向上のため、プレート800の外縁のみを描いている。また、図28の矢印gで示される方向に重力gが作用するものとする。説明の便宜上、矢印gの方向を下向きとし、矢印gと逆向きを上向きとする。
また、ケース10Bには、シャフト31に対応する位置に側壁孔119Aが設けられる。側壁孔119Aは、前方に向けて傾斜する長円形であり、挟着案内斜面119a、解除案内斜面119b、挟着側規制面119c及び解除側規制面119dにより内周面が形成される(図28(a)参照)。なお、これらの形状は特に限定されず、適宜設計することができる。また、本変形例では、ケース10Bに形成されたシャフト31,41を軸支するための孔(図示せず)が、特許請求の範囲における「保持溝」に該当する。また、保持溝は、一対の挟着部材の反挟着方向の移動を規制する「規制手段」であるとも言える。
シャフト31は側壁孔119Aに沿って移動可能である。つまり、張力伝達ローラ30は、コードCDに接触可能な位置に設けられ且つ鉛直方向に移動可能なローラである。
そして、ケース10Bの内部には、図28に示すように、コードCDを挟んで張力伝達ローラ30と対向し且つ張力伝達ローラ30よりも前方の位置に、第2の挟着部材である支柱92が固定されている。本実施形態では、張力伝達ローラ30とこの支柱92とで、一対の狭着部材が形成される。本変形例では、この支柱92が、上述した実施形態と同様、軸方向(図28における紙面に垂直な方向)一端側から他端側に向かうにつれてその外径が小さくなるテーパ形状をなしている。そのため、定常状態において張力伝達ローラ30のローレット240との距離、すなわち一対の挟着部材の間隔は、ローラの軸方向(長手方向)の位置に応じて異なっている。なお、支柱92に代えて、ケース10Bに軸支されたローラを用いることも可能である。
次に、上記構成の変形例の動作を説明する。まず、図28(a)に示される状態から、コードCDに前方(図の左方向)へ張力を与えると、コードCDとの間に生じる摩擦力により、張力伝達ローラ30が矢印D3の向きに側壁孔119Aの挟着案内斜面119aに沿って下方に移動する。図28(b)に示されるように、かかる位置を、鉛直成分を有する可動方向の下側の位置である第1位置とする。かかる状態においては、張力伝達ローラ30と支柱92の鉛直方向における距離が小さいので、コードCDが屈曲し、挟着状態となる。
ここで、挟着状態において、シャフト31が可動範囲の前方限界まで到達すると、略平行移動していた張力伝達ローラ30が回転(図中における時計回り)を開始する。そして、シャフト31の回転を、コードCDの移動に伴って抵抗力を発生させる抵抗付与部に出力することとしてもよい。このとき、コードCDが前方に移動するときには回転が抵抗付与部(図示せず)に伝達されるが、コードCDが後方に移動するときには回転が制動装置に伝達されないように、張力伝達ローラ30と制動装置の間にワンウェイクラッチを設けてもよい。ここで、抵抗付与部はケース10Bの内部又は外部に設けられてもよく、張力伝達ローラ30内部に設けられてもよい。
一方、コードCDに後方(図の右方向)に張力を与えると、上記動作と逆向きの動作が生じることにより、張力伝達ローラ30と支柱92の鉛直方向における距離が離間し、コードCDに対する挟着力が弱まることとなる。
そして、図28(a)に示されるように、シャフト31は、重力gに逆らい、解除案内斜面119bに沿って側壁孔119Aの鉛直成分を有する可動方向(図28における斜め方向)の上側の位置である第2位置に移動する。かかる状態を自由移動状態と言う。自由移動状態において、コードCDが非屈曲状態で解除される。そして、コードCDの自由移動を許可することができる。
以上のような場合であっても、張力伝達ローラ30及び支柱92の間隔がその軸方向の位置に応じて異なるよう構成されることから、挟着力を強く受けるコード(例えば、径が僅かに大きいコード)を一対の挟着部材間の距離が広い位置に配置し、挟着力を受けにくいコード(例えば、径が僅かに小さいコード)を一対の挟着部材間の距離が狭い位置に配置することで、複数本のコードCDを等しい挟着力で挟着することができ、複数本のコードCDの移動速度を均一化することができる。
なお、シャフト31及び張力伝達ローラ30と、シャフト251及び保持ローラ250に代えて、回転しない支柱を用いることもできる。
なお、張力伝達ローラ30が重力により下方に付勢される構成として、図29に示すような制動装置3001とすることもできる。具体的には、制動装置3001の張力伝達ローラ30は、上述した制動装置1000と異なり、プレート800及び保持ローラ250と連結されておらず、単にコードCDの上に乗った状態となっている。このような構成であっても、コードCDを前方(図の左方向)に移動させると、張力伝達ローラ30は第1側壁孔119Aに沿って下方に移動し、図29(a)に示すように支柱92との距離が接近してコードCDを挟着する。一方、コードCDを後方(図の右方向)に移動させた場合は、図29(b)に示すように張力伝達ローラ30と支柱92の距離が離間し、コードCDに対する挟着力が弱まることとなる。なお、この場合も、支柱92は軸方向(図29における紙面に垂直な方向)一端側から他端側に向かうにつれてその外径が小さくなるテーパ形状をなすものとする。
なお、上記実施形態及び変形例では、張力伝達ローラ30の回転が抵抗付与部RAに伝達され、抵抗付与部RAから回転抵抗が付与される構成であったが、特許文献1に開示された構成のように、コードCDの移動に伴ってローラが移動することによりコードCDが屈曲し、屈曲抵抗によりコードCDに制動力を与える構成であっても良い。
なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。