JP6846190B2 - 耐油紙 - Google Patents
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また、従来の耐油層を構成するアクリル系樹脂は比較的硬質で山折や、谷折などの加工を施した際に塗工層に所謂ひび割れ上の微細な間隙が生じ、耐油性の評価に用いられるキット値を下げる問題を有する。
当該耐油紙は、基紙及びこの基紙の一方の面に塗工された耐油層を備える。上記耐油層は、アニオン性の耐油剤とセルロースナノファイバーとを含む。上記耐油層は、アニオン性の耐油剤とセルロースナノファイバーとを含む耐油層形成用塗工液が基紙の一方の面に塗布され、含浸させていることで形成される。
本発明の基紙は木材パルプ等の製紙用天然繊維を用いて公知の抄紙機にて製造されるが、その抄紙条件は特に規定されるものではない。抄紙機としては、長網抄紙機、円網式抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等が使用される。
上記耐油層は、上述のようにアニオン性の耐油剤とセルロースナノファイバーとを含む耐油層形成用塗工液が基紙の一方の面に塗布されることで形成される。耐油層形成用塗工液は、アニオン性の耐油剤を含む塗料に、セルロースナノファイバーを添加して分散することで生成することができる。上記塗料としては、例えば商品名「ユニダインTG8811」(ダイキン工業株式会社製)、商品名「AG−E080」(旭硝子株式会社製)等が挙げられる。この塗料のpHは、7以上10以下であることが好ましく、取り扱いの容易性の観点から上限は9がより好ましい。
当該耐油紙の坪量(基紙及び耐油層を含む)の下限としては、21g/m2が好ましく、26g/m2がより好ましい。当該耐油紙の坪量が上記下限を満たさないと、当該耐油紙の強度が不足するおそれがある。一方、当該耐油紙の坪量の上限としては、特に限定されないが、61g/m2が好ましく、41g/m2がより好ましい。当該耐油紙の坪量が上記上限を超えると、谷折や山折時に生じ易い所謂ひび割れを招く恐れが生じると共に、当該耐油紙のコスト高につながるおそれがある。
当該耐油紙の製造方法は、アニオン性の耐油剤とセルロースナノファイバーとを含む耐油層形成用塗工液を生成する工程と、基紙の一方の面に上記耐油層形成用塗工液を塗布する工程とを有する。
基紙として、原料パルプにNBKPを用い、抄紙し、乾燥工程を経て、水分含有率が5.5%の表1に示す坪量及び紙厚のノーサイズ紙(ノーサイズ紙とは、所謂サイズ剤を含有しない紙をいう)を用いた。商品名「TG−8111」(ダイキン工業株式会社)の塗料(表中「A」と表記する)に、セルロースナノファイバー(CNF)を添加して分散させて、耐油層形成用塗工液を生成した。上記塗料における耐油剤の割合は20質量%であった。また上記塗料の粘度はB型粘度で50cps以下であった。
基紙として実施例1と同一の紙(ただし坪量及び紙厚は表1に示すとおりであった)を用いた。商品名「アサヒガードAG−E080」(アサヒガラス株式会社)の塗料(表中「B」と表記する)に、実施例1と同様のセルロースナノファイバー(CNF)を添加して分散させて、耐油層形成用塗工液を生成した。上記塗料における耐油剤の割合は15質量%であった。また上記塗料の粘度はB型粘度で50cps以下であった。セルロースナノファイバーは、耐油剤と同一割合となるよう添加した。具体的には、塗料100gあたり耐油剤の成分が15g含まれると考えられるため、塗料100gあたり15gのセルロースナノファイバーを添加した。上記耐油層形成用塗工液の粘度は193.0cpsであった。上記耐油層形成用塗工液をグラビアコーターを用いて上記基紙の一方の面に塗工量(固形分換算)0.5g/m2で塗布し、乾燥させ、実施例2の耐油紙を得た。この耐油紙の坪量は31.6g/m2であり、紙厚は58μmであった。
商品名「TG−8111」(ダイキン工業株式会社)の塗料(表中「A」と表記する)に、セルロースナノファイバー(CNF)を添加せずに、増粘剤としてカルボキシルメチルを添加し、B型粘度88.0cpsの耐油層形成用塗工液を生成した。この耐油層形成用塗工液をグラビアコーターを用いて、基紙の一方の面に塗工量(固形分換算)1.0g/m2で塗布し、乾燥させ、比較例1の耐油紙を得た。用いた基紙及び比較例1の耐油紙の坪量及び紙厚は表1に示すとおりである。
実施例1及び2のようなアニオン性の耐油剤ではなく、カチオン性の耐油剤を用いて比較例2の耐油紙を得た。具体的には、商品名「アサヒガードAG−E060」(アサヒガラス株式会社)の塗料(表中「C」と表記する)に、実施例1と同様のセルロースナノファイバー(CNF)を添加して分散させて、耐油層形成用塗工液を生成した。上記塗料における耐油剤の割合は20質量%であった。セルロースナノファイバーは、耐油剤と同一割合となるよう添加した。具体的には、塗料100gあたり耐油剤の成分が20g含まれると考えられるため、塗料100gあたり20gのセルロースナノファイバーを添加した。上記耐油層形成用塗工液の粘度は181.1cpsであった。上記耐油層形成用塗工液をグラビアコーターを用いて上記基紙の一方の面に塗工量(固形分換算)0.5g/m2で塗布し、乾燥させ、比較例2の耐油紙を得た。用いた基紙及び比較例1の耐油紙の坪量及び紙厚は表1に示すとおりである。
実施例1及び2並びに比較例1及び2の耐油紙について、山折り部分(被膜が外側となるように折った部分)と谷折り部分(被膜が内側となるように折った部分)とを作り、平坦部(折り線のない部分)、山折り部分及び谷折り部分においてキット値を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1及び2並びに比較例1及び2の耐油紙について、透気度について測定した。その結果を表1に示す。
セルロースナノファイバーとして、化学的処理を行った後に機械的処理を行うことで微細化されたものを使用した以外は、実施例1と略同様の方法によって実施例3の耐油紙を得た。このセルロースナノファイバーの水分散状態でレーザー回折法により測定される擬似粒度分布曲線におけるピークとなる粒径(最頻径)は18μmであった(表中「II」と表記する)。なお、用いた基紙及び耐油紙の坪量及び紙厚、並びに耐油層形成用塗工液の粘度及び塗工量は表2に示すとおりである。
実施例3で用いたセルロースナノファイバーを用いた以外は、実施例2と略同様の方法によって実施例4の耐油紙を得た。なお、用いた基紙及び耐油紙の坪量及び紙厚、並びに耐油層形成用塗工液の粘度及び塗工量は表2に示すとおりである。
比較例2の耐油剤を用いた以外は、実施例3と略同様の方法によって比較例3の耐油紙を得た。なお、用いた基紙及び耐油紙の坪量及び紙厚、並びに耐油層形成用塗工液の粘度及び塗工量は表2に示すとおりである。
実施例3及び4並びに比較例3の耐油紙について、上述した耐油性試験を行い、その結果を表2に示す。
Claims (3)
- 基紙及びこの基紙の少なくとも一方の面に塗工された耐油含浸層を備える耐油紙であって、
上記耐油層が、アニオン性の耐油剤とセルロースナノファイバーとを含み、
上記耐油剤がフッ素系ポリマーであることを特徴とする耐油紙。 - 上記基紙に、カチオン性の乾燥紙力剤及び/又はカチオン性の湿潤紙力増強剤が内添されている請求項1に記載の耐油紙。
- 上記基紙が、サイズ剤の内添されていないノーサイズ紙である請求項1又は請求項2に記載の耐油紙。
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