JP6850728B2 - 波面収差(wave−front error)を用いた屈折誤差測定を伴う固視測定のための装置および方法 - Google Patents

波面収差(wave−front error)を用いた屈折誤差測定を伴う固視測定のための装置および方法 Download PDF

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Description

本願は、米国仮出願第62/118,894号(2015年2月20日出願)に基づいて優先権を主張し、その開示の全体を参照によってここに取り込む。
検眼の分野において、目の固視の方向を評価するために用いられる多くの装置がある。そのような固視測定装置の一例が、米国特許第6,027,216号に開示されている。この特許の開示内容の全体を、参照によってここに取り込む。このような装置の多くは、測定を実施するために、走査レーザビームを利用するか、または、偏光光源を用いた測定に依存する。
測定を行うためにレーザビームを走査する方法は、一般的に、光学装置の機械的動作を伴う。網膜の複屈折走査のために、傾いて配置され高速で(例えば毎分12,000回転)回転する鏡がある。光学装置の機械的動作を利用する場合、振動のために走査機構が非常に複雑になる可能性がある。その装置が目的とする測定に影響を与えないように、振動を十分に小さく保つ必要がある。
光学装置の走査に機械的動作を用いる場合、他に以下のような問題がある。
アセンブリの寿命:
モータの寿命は、ほぼ全ての他の構成要素よりも短い。
製造:
バランスを達成するために高い精度が要求される。
組み立て:
機構を組み立てて、振動を最小化するための調整を行うために、熟練した人間が必要とされる。このプロセスは自動化しにくい。
騒音:
比較的静かなモータであっても、患者の気を散らすような可聴音を生じさせる。
安全:
機構の一部に故障があった場合(疲労等により)、毎分12,000回転で回転する構成要素の故障は、装置の他の部分に大きなリスクを生じさせる。
コスト:
上記の問題の組み合わせにより、装置のデザインには大きな制約が課せられる。これにより、製造工程において追加の時間と材料が必要となり、全体のコストが上昇する。
さらに、偏光を利用した固視の測定方法は、光の相対的な強度(intensity)の測定に大きく依存する。偏光における変化の測定は、究極的には、光の強度の変化に帰結する。つまり、偏光状態の変化が測定され、測定された信号の強度に比例するものと推定される。このような光の強度の変化は、正確な結果を得るためには、背景光が非常に低い環境において測定されなければならない。実際には、網膜で反射される信号の偏光測定についてのSN比の要件は、満たすことが困難である。
図1Aは、例示的な実施形態にかかる、固視測定装置を示す。 図1Bは、例示的な実施形態にかかる、固視測定装置を示す。 図2は、例示的な実施形態にかかる、固視測定のフローチャートを示す。 図3は、異なる固視点にしたがって変化する眼が受け取るターゲット画像のシミュレーションを示す。 図4は、眼の異なる固視点にしたがって変化する眼が捉える、反射ターゲット画像を示す。 図5は、例示的な実施形態にかかる、屈折異常測定装置を示す。 図6は、例示的な実施形態にかかる、屈折異常測定のフローチャートを示す。 図7は、例示的な実施形態にかかる、画像投射システムを示す。 図8は、例示的な他の実施形態にかかる、画像投射システムを示す。 図9は、ここに開示された方法の少なくとも一部を実行するために用いることができる、例示的なコンピュータ環境を示す。
本発明の図面および説明の少なくとも一部は、本発明の明確な理解に関連する要素を表現するために簡素化されており、一方で、本発明の一部を含むと当業者が評価し得る他の要素については、説明を明確にするために省略されていることが、理解されるべきである。しかし、そのような要素は当該技術分野において周知であり、本発明の理解を促進するものではないので、そのような要素の説明はここでは提供されない。
発明者らは、固視を測定するシステムであって、偏光技術に依存せず、スキャン機構を必要としないシステムに対する要望を認識した。
スキャン方法に関する問題の多くは、検出方法を変更し、固視を決定するために必要な全体情報を一つの画像内で捕捉する撮像装置を用いたデザインに移行することによって、軽減され得る。
図1Aは、例示的な実施形態にかかる固視測定装置100を示す。図1Aに示すように、装置100は、ビームスプリッタ14、投射装置16、凸レンズ18、焦点レンズ22A・22B、および画像検出装置26A・26Bを備えている。以降に詳細に説明するように、装置100は、固視を測定するために、画像ベースの走査方法を利用する。画像ベースの走査方法を用いることにより、装置100の上述の構成要素は、所定の場所に固定される。すなわち、これらの構成要素は、動かず、回転する必要もない。さらに、以下に説明するように、本願の画像ベースの走査方法は、偏光の測定に依存せず、したがって、周囲環境の背景光が非常に低いことを要件としない。
ビームスプリッタ14は、任意のタイプのビームスプリッタで良い。投射装置16は、刺激を生成するように構成され、生成された刺激を、ビームスプリッタ14の下に配置された投射面32へ投射する。この刺激は、検査される患者のターゲット固視点であり、この刺激は、ターゲットとも称される。さらに後述するように、このシステムで用いられる前記ターゲット(刺激)は、同心円や二重線の格子等、様々な形をとることが可能である。
投射システム16は、様々なタイプの刺激投射システムとすることができる。例えば、図7に示すように、投射システム16は、ターゲットを生成および/または投射するために、レーザ光源、アキシコンレンズ、およびトロイドレンズを備えることができる。図7に示すように、投射システム16は、レーザ光源110、アキシコンレンズ112、およびトロイドレンズ114を備えることができる。トロイドレンズ114に対応するアキシコンレンズ112を利用することにより、回転する鏡を用いることなく、丸いターゲットを生成することができる。この投射システムを使用する場合、光学部材は回転対称である。
これに追加して、またはこれに代えて、投射システム16は、ターゲットを生成および/または投射するために、ホログラフィック装置を備えても良い。投射システム16は、レンズの代わりに拡散媒質(diffuse media)を備えていてもよい。
さらに、図8に示すように、投射システム16は、光源(例えばダイオードレーザ)、第1の平凸レンズ、アキシコンレンズ、および第2の平凸レンズを備えていてもよい。図8に示すように、投射システム16は、光源120、第1の平凸レンズ122、アキシコンレンズ124、および第2の平凸レンズ126を備えている。光源120は、任意の適切なタイプの光源で構成され得る。例えば、光源120は、ダイオードレーザであってもよい。アキシコンレンズ124は、第1および第2の平凸レンズ122,126の間に配置されている。この投射システムを用いる場合、ターゲットは、両面凸レンズ128内に没入されるが、患者から見たターゲットは、ビームスプリッタ14の「背後」にあるように見える。
図1Aに戻って、凸レンズ18は、任意の適切なタイプの凸レンズであって、瞳再結像レンズ(pupil reimaging lens)として機能する。焦点レンズ22A・22Bは、任意の適切なタイプの凸レンズであって、実行される画像分析の種類に応じて選択することができる。焦点レンズ22Aは、人(例えば患者)の第1の眼12Aに対応付けられ、焦点レンズ22Bは、その人の第2の眼12Bに対応付けられる。
画像検出装置26Aおよび26Bは、任意のタイプの画像検出装置であって良い。例えば、様々な実施形態において、画像検出装置26Aおよび26Bは、電荷結合素子(CCD)画像センサや、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)等であっても良い。画像検出装置26Aおよび26Bは、所望の画像サイズと、第2および第3の凸レンズ22Aおよび22Bの焦点距離とに応じて選択することができる。第1の画像検出装置26Aは、人の第1の眼12Aに関連付けられ、第2の画像検出装置は、その人の第2の眼12Bに関連付けられる。画像検出装置26Aおよび26Bは、一画像で、一回の走査で得られる全体情報を捕捉する。
装置100は、眼12Aおよび12Bの両方から反射される光が単一の凸レンズに収束し、単一の画像検出装置の上に結像されるように、構成することができる。この場合、焦点レンズ22Aおよび22Bが単一の凸レンズに置き換えられ、画像検出装置26Aおよび26Bが、単一の画像検出装置に置き換えられる。
動作中、投射システム16は、ターゲットを生成するためにレーザ光を利用し、投射システムは、そのターゲットを投射面32へ投射する。人(以降、患者と称する。)が、装置100を覗き込み、ターゲット(患者には直接の視線上にあるように見える)上に彼または彼女の眼12Aおよび12Bを位置させたとき、ターゲットを表す光は、即時に患者の眼12Aおよび12B上(眼の網膜上)に結像する。
ターゲットを表す光は、患者の眼12Aおよび12Bに入射し、この光の一部が、それぞれの眼の眼底から反射される。反射された光は、患者の眼12Aおよび12Bを通過して眼の外へ戻り、ビームスプリッタ14を通過し、第1の凸レンズ18を通過し、焦点レンズ22Aおよび22Bを通過し、患者の網膜に対して共役である画像検出装置26Aおよび26Bへ至る。凸レンズ18は、焦点レンズ22Aおよび22B上に光を収束させるよう機能する。焦点レンズ22Aおよび22Bの特定の位置は、例えば全体の大きさや許容されるセンサ位置等の、装置100の要求によって決定することができる。焦点レンズ22Aおよび22Bは、出射瞳とみなすことができ、反射された光を画像検出装置26Aおよび26Bへ収束させるよう機能する。画像検出装置26Aおよび26Bは、その後、反射された反射画像を捕捉する。
装置100は、眼12Aおよび12Bから反射された光が単一の凸レンズに入射し、単一の画像検出装置に結像されるように構成されていても良い。この一例が、図1Bの装置101に示されている。この装置は、焦点レンズ22Aおよび22Bが単一の凸レンズ41に置き換えられ、画像検出装置26Aおよび26Bが単一の画像検出装置43に置き換えられ、プリズム39が反射光をレンズ41に結像させるために追加されている点を除いて、図1Aの装置100と同様である。
図2は、一つの例示的な実施形態にかかる固視測定方法のフローチャートである。この方法、またはこの方法におけるステップは、図1Aまたは図1Bを参照して説明した装置を用いて実行することができる。
ステップ201において、刺激(ターゲット)が、ビームスプリッタを介して、患者の一つまたは複数の眼へ投射される。この刺激は、前述した画像投射システムによって投射することができる。例えば、非偏光レーザ光源を用いて、二重線の格子の外観を表す刺激を生成することができる。以降、これをターゲットと称する。ターゲットは、ターゲットは、近接して配置された複数線の二重格子とすることができる。線の間隔は、よく焦点が合った眼で両方の線を見分けることができ、部分的に焦点が合っていない場合(例えば1/8ジオプター)には二本線がぼやけてくっついて見えるように、選択される。
例えば、図3は、網膜で認識される二重線の格子を含むターゲットを示す。ターゲットのサイズは、装置および患者に応じて変化させることができる。例えば、ターゲットのサイズは、300mmレンジにおいて50mmとすることができる。画像301に示すように、固視が中央にあると、格子中の全ての二重線が分解され区別可能となる。しかし、画像302,303,304,および305に示すように、固視点が中心点よりも段階的に高い点になった場合は、格子の反対側にある二重線の一部がぼやけてくっつき、格子の当該部分で部分的な焦点ずれが起きていることを表す。
ステップ202において、刺激に応じて一つまたは複数の眼から反射された光含む反射画像は、その一つまたは複数の眼に対して共役に配置された一つまたは複数の画像検出装置に捕捉される。この反射画像は、当該一つまたは複数の眼の固視を表す情報を含む。上述したように、眼の光学的な性質は、ターゲットが黄斑の中央に十分に焦点が合っている場合は、中央から、ターゲットに十分に焦点が合わなくなり焦点が外れる位置までの間に、距離がある(これは、波面収差の結果である)。したがって、二重格子線を用いて、患者が適正な焦点でターゲットを見れば、線のペアが分離された、再結像されたターゲットの中央領域が明らかになる。しかし、軸外では、線のペアは不鮮明になり、二本線として分離されず、一本の線として見える。一つまたは複数の眼の固視位置は、それらの線が中心からどれだけ外れて見えるかによって、決定される。
図4は、前記一つまたは複数の画像検出装置によって捕捉される反射画像の例を示す。画像401は、格子の中央の固視点を示す。画像402および403は、段階的に高い固視点(+5mmYおよび+10mmY)を示す。これは、格子の反対側の二重線のぼやけの中に反射される。
光学的な違いを目立たせるために、図3および図4におけるターゲットのサイズは異なっている。特に、眼を一回通過すること(a single−pass through the eye、図3)で生成された収差は、眼を二回通過すること(a double−pass through the eye、図4)で生成された収差よりも小さく、目立ちにくい。
ステップ203において、前記一つまたは複数の眼の固視は、前記反射画像の少なくとも一部に基づいて、一つまたは複数のコンピュータ装置によって計算される。上述したように、前記一つまたは複数の眼の固視は、反射画像における複数の相対的な線のぼやけの一つまたは複数の位置の少なくとも一部に基づいて、計算することができる。例えば、線のぼやけの全ての位置(座標)を特定し、その線のぼやけ位置に基づいて、想定し得る眼の固視位置を計算するために、アルゴリズムを用いることができる。
さらに、固視を決定するために分析される再結像ターゲットには他の側面がある。すなわち、格子歪みである。眼の中の構成要素のレンズ形状(角膜の前方および後方の表面、レンズ)および網膜の湾曲によって、再結像されたターゲットは、直線の正確な格子としては結像されない。むしろ、線は、わずかな湾曲を伴って結像される。線上の各点は、その点の位置が眼の光軸中心からより遠くなるほど、結像した際に軸外により遠く外れて配置されるように、再結像される。例えば、十分に固視された眼によって観察された単純な四角い箱は、側面が中心に向かって押し込まれ(または、角が中心からさらに外側へ引き出された)箱として再結像される。このような光学的な歪みは、一般的にピンクッションと呼ばれ、場依存性の拡大とも考えられる。軸外への乖離が大きくなるほど、拡大は大きくなる。この効果は、ピンクッション効果を示す図4の画像に見られる。すなわち、一つまたは複数の眼の固視点に応じて、格子の辺が湾曲している。
再結合された格子の湾曲によって、画像処理を用いることで、再結像された線を評価し、格子内の固視位置を決定することが可能である。あるいは、ターゲット上に正しく固視ができない患者の場合は、固視が格子外にある(すなわち中心に固視されていない)と決定することが可能である。
固視を決定するために複数の線の歪みまたはぼやけを用いるかに関わらず、固視を測定するために眼の焦点が十分に合っていることは必要でないことを理解することが重要である。画像において線が分離された領域がある場合は、画像処理に役立つであろう。しかし、眼の焦点が十分に合っていない場合であっても、線のペアにおけるぼやけにおいて、測定可能な変化が存在するであろう。患者の焦点がどちら側にあるか(近視または遠視)に応じて、一般的なパターンは、焦点が最も良好なほぼ円状の領域が存在するであろう。焦点が最も良好な完全な円が測定され、その円の中心が格子の中心に十分に近い場合、眼は固視を呈している。歪みについては、格子上の値の同様の円状の配置(その中心を格子の中心に十分に近づける)と共に、格子の拡大を用いることができる。成功した測定(それぞれの眼において同時に)は、固視テストの合格を示す。
画像ベースのアプローチを用いることは、画像を見る総時間を選択できるという利点がある。画像を見る時間は、背景信号の影響を最小化するために、できるだけ短い時間であることが望ましい。総時間が短いほど、測定される背景光が少なくなる。可視刺激(例えば二重格子)の全体を一回で画像化することにより、パルスレーザで照明を実行することができる。パルスは、総時間が非常に短い場合でも大きな信号を提供できるように、実質的に十分に明るくすることができる。これにより、非常に高いSN比を実現することができ、画像処理アルゴリズムの正確性を改善できる。画像を見る時間を短くすることにより、サンプリング期間中の動きの量を大幅に減らすことができるので、スキャン中の網膜のサンプリングをより良い状態で行うことができる。1回の回転スキャンのために5msを要する(そして、測定を必要とする回数を実現するために複数回のスキャナーの回転が必要とされる)200Hzでのスキャン技術と比較して、画像は、ミリ秒よりもかなり短い時間(例えば、10マイクロ秒)で捉えることができ、全ての情報が1つの画像に含まれている。
偏光と機械的スキャンに伴う問題を軽減することの他に、ここに開示した装置および方法には、多くの追加的な利点がある。
画像は、記憶しておくことができ、患者の加齢に伴って臨床上の利点がある。加齢による変化は、「合格」または「不合格」に限られない。眼科医は、画像を検証し、他の有益な情報がないかを決定する機会を得るであろう。例えば、固視エラーの大きさを評価することができる。
画像は、迷光の性質を決定するために分析することができる。これにより、雑音を軽減する方法を探索することが可能である。
固視を決定するために用いられた画像は、適切にデザインされれば、眼の他の光学特性を測定するために非常に有益である可能性がある。最も注目されるのは、乱視、近視、または遠視などの、それぞれの眼の屈折誤差を測定することである。
複屈折固視を測定する画像ベースの方法を用いることにより、屈折誤差測定を実行する画像ベースの方法を実現することも可能となる。
上述のように、固視測定のために画像ベースの測定を用いることの顕著な利点は、その画像センサを屈折誤差の測定に転用できることにある。屈折を測定する手法は、固視測定に要求される手法とは若干異なるが、レンズおよび画像センサを、両方の用途に共用できるようにデザインすることができる。これにより、患者の全検査を行うために必要な装置の数を減らすことができるので、小児科医や眼科医などの医療専門家にとって利益をもたらす。
屈折誤差を測定する装置を図5に示す。図5に示される構成要素の多くは、画像投射システム16、ビームスプリッタ14、凸レンズ18、焦点レンズ22A・22B、および画像検出装置26A・26Bを含み、図1Aの装置の構成要素と同様である。焦点レンズ22A・22Bおよび画像検出装置も、患者12Aおよび12Bの一つまたは複数の眼に対応付けられている。
網膜の複屈折スキャンの公称範囲は、400mmまたは2.5ジオプタ(diopter)である。一般的な患者は、この範囲のターゲットに適合する。これは、それ以外の距離にある対象物に適合するよう屈折を調整する患者の能力を、十分にテストするには足りない。したがって、視認するターゲットと患者の眼12Aおよび12Bとの間の装置に、追加レンズ34を追加することができる。このレンズ34は、屈折測定を行う医療専門家によって配置することができる(例えば、屈折測定を行う位置に挿入され、固視測定時には取り外されるカートリッジとして)。レンズ34は、ターゲットが何メートルも離れているように見え(公称で1/10ジオプタ未満)、かつ、実際の位置よりもはるかに遠い位置にあるように、焦点距離およびその位置を調整してもよい。
屈折の測定中に、画像検出装置26Aおよび26Bの直前に配置された焦点レンズ22Aおよび22Bが焦点を合わせるように調整されている間に、画像検出装置26A・26Bは画像を捕捉してもよい。焦点レンズ22Aおよび22Bは、焦点機構(図示せず)によって軸に沿って変位するよう構成されていてもよく、これにより、前記一つまたは複数の画像検出装置によって捕捉される一つまたは複数の画像を変化させることができる。例えば、図5に示すように、焦点レンズ22Aは、28Aとして示される範囲に沿って変位させることができ、焦点レンズ22Bは、28Bとして示される範囲に沿って変位させることができる。
焦点機構は、それぞれの焦点レンズの変位が既知のレベルの屈折誤差に十分に関連付けられるように構成することができる。これを達成するための一方法は、単純に、焦点機構の位置をミクロン単位で測定することである。焦点機構が公称(屈折誤差がない)位置からシフトされるミクロン数は、測定される屈折誤差の量を表す。したがって、網膜の最適な共役画像を達成するために必要な焦点機構の位置に基づいて、患者の球体屈折誤差(spherical refraction error)を測定できる。
図6は、一つの例示的な実施形態にかかる屈折誤差測定方法を示すフローチャートである。この方法、またはこの方法におけるステップは、図5に示すような装置を用いて実行することができる。
ステップ601において、刺激(ターゲット画像)は、画像投射システムによって、患者の一つまたは複数の眼に、ビームスプリッタを介して投射される。刺激と前記一つまたは複数の眼との間に、前記刺激(ターゲット)に対して、当該刺激(ターゲット)が患者にとって実際の距離よりもはるかに遠く見えるような焦点距離と位置を有するレンズを配置することができる。
乱視を測定するために、画像化されるターゲットは、この誤差のタイプを決定することを支援する特徴を優先的に有してもよい。一例としてのターゲットは、3度ずつ離して配置された一連の短線ペアを備えている。このようなターゲットの一例は、時計の文字盤(dial)に似ている。ただし、分刻み(minute walker)のそれぞれが、1本の線ではなく、二重線で構成されている。この「時計文字盤」ターゲットの角直径は、公称として、固視誤差測定に用いられるものとほぼ同じ直径を有しているか、あるいは、約3度(中心からエッジまで1.5度)である。このような一連の二重線は、検査中に、乱視のない患者様の特定の焦点設定で、全体的に焦点が合った状態で現れる。しかし、患者が乱視である場合、乱視誤差により、二重線が不鮮明になる領域が存在する。不鮮明になる線の位置が、乱視誤差の軸を表す。焦点機構が調整されると(好ましくは、自動化された手順により)、焦点の合った二重線と焦点が合わない二重線の位置は、乱視を有する患者に応じてシフトする。いくつかの線が最も鮮明になり他の線の焦点が合わない焦点位置が存在する。しかし、焦点機構をさらに調整することにより、これを変更することができ、不鮮明であった線が、鮮明に焦点が合うようになる。さらに、十分に焦点が合っていた線が、不鮮明になる(最も焦点が合う線のグループと、最も不鮮明なグループとは、互いに90度の角度をなす)。全ての線について最適な焦点を達成するために必要な焦点のシフトを測定することにより、乱視の強さがわかる。また、それらの中点(仮想的に全ての線の組み合わせが同様に不鮮明となる位置)が、屈折誤差の平均である。
他の方法として、近接して配置された二つの同心リングを単純に用いる方法がある。乱視の患者は、円の中心に対して互いに直接的に対向して、二カ所に分離した画像を示す。リングの他の箇所は、不鮮明になっている。焦点がシフトするにしたがい、リングが最適に分離される領域は、およそ90度シフトする。これらの二つの場合における焦点のシフトを記録することにより、焦点が変化するにしたがってリングが分離する位置によって誤差の軸が決定できるのと同様に、乱視屈折誤差を測定することができる。二重リングを有する画像ターゲットは、固視測定と屈折測定との両方に用いることができる点において好ましい。
ステップ602において、一つまたは複数の画像検出装置と一つまたは複数の眼との間に配置された一つまたは複数の焦点レンズが、前記一つまたは複数の眼から反射された光を前記一つまたは複数の画像検出装置に結像させるために用いられる。上述したように、前記一つまたは複数の焦点レンズは、一つまたは複数の焦点機構によって軸に沿って変位するように構成されている。これにより、前記一つまたは複数の画像検出装置によって捕捉される一つまたは複数の反射画像を変化させる。焦点レンズのそれぞれの変位は、変位値として、記録され、格納され、あるいは追跡されるようにしてもよい。
ステップ603において、一つまたは複数の眼に対して共役に配置された一つまたは複数の画像検出装置は、刺激(ターゲット)に応じて前記一つまたは複数の眼から反射された光を含む前記一つまたは複数の反射画像を捕捉する。
ステップ604において、前記一つまたは複数の眼の少なくとも一つにおける屈折誤差は、一つまたは複数の反射画像の少なくとも一部と前記一つまたは複数の焦点レンズの少なくとも一つの一つまたは複数の変位値とに基づいて、一つまたは複数のコンピュータ装置によって計算される。前記一つまたは複数の変位値のそれぞれは、一つまたは複数の反射画像における異なる反射画像に対応していてもよい。前述したように、眼の屈折誤差を決定するために、ターゲット画像を最も分離する反射画像に対応した変位量を用いることができる(変位量を既知のレベルの屈折誤差に対応づけることなどにより)。
一つまたは複数の上述した技術は、一つまたは複数のコンピュータシステムに実装されても良いし、一つまたは複数のコンピュータシステムを含んでいても良い。図9は、コンピュータ環境900の一般的な例を示す。コンピュータ環境900は、ここで説明された実施形態の使用範囲や機能を限定することを意図したものではない。
図9に示すように、コンピュータ環境900は、少なくとも一つのプロセスユニット910およびメモリ920を備えている。プロセスユニット910は、コンピュータ実行可能命令を実行し、実機または仮想のプロセッサとすることができる。マルチプロセシングシステムにおいては、マルチプロセシングユニットが、プロセス能力を向上させるために、コンピュータ実行可能命令を実行する。メモリ920は、揮発メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、RAM)、不揮発メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、等)、または、これらの組み合わせであっても良い。メモリ920は、一つまたは複数のプロセッサで実行されたときにここで説明された技術を実現するソフトウエア命令980を格納することができる。メモリ920は、一つのメモリデバイスまたは複数のメモリデバイスとすることができる。
コンピュータ環境は、追加の特徴を備えていても良い。例えば、コンピュータ環境900は、記憶装置940、一つまたは複数の入力装置950、一つまたは複数の出力装置960、および、一つまたは複数の通信接続990を含む。バス、コントローラ、またはネットワーク等の内部接続機構970は、コンピュータ環境900の構成要素を内部接続する。典型的に、オペレーティングシステムソフトウエアまたはファームウエア(図示せず)が、コンピュータ環境900内で稼働する他のソフトウエアのために操作環境を提供し、コンピュータ環境900のそれらの構成要素の作業を連係させる。
記憶装置940は、着脱可能であっても良いし、着脱不可能であっても良く、磁気ディスク、磁気テープまたはカセット、CD−ROM、CD−RW、DVD、または、情報を格納するために使用可能であり、コンピュータ環境900においてアクセス可能な、その他任意の記録媒体を含む。記憶装置940は、ソフトウエア980用の命令を格納することができる。
入力装置950は、キーボード、マウス、ペン、トラックボール、タッチスクリーン、またはゲームコントローラのようなタッチ入力装置や、音声入力装置や、スキャン装置や、デジタルカメラや、リモートコントローラや、コンピュータ環境900への入力を実現する他の装置であっても良い。出力装置960は、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカ、または、コンピュータ環境900からの出力を実現する他の装置であっても良い。
通信接続990は、他のコンピュータエンティティへの通信媒体上の通信を可能とする。通信媒体は、コンピュータ実行可能命令や、音声またはビデオ情報や、変調されたデータ信号の他のデータのような情報を搬送する。変調されたデータ信号は、一つまたは複数の特徴セットを有する信号や、前記信号内の情報を符号化するように偏光された信号である。一例として、限定的ではないが、通信媒体は、電気的、光学的、RF、赤外線、音響、または他のキャリアで実現される有線または無線技術を含む。
実施形態は、一般的なコンピュータ可読媒体として説明できる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ環境においてアクセス可能な任意の媒体である。一例として、限定的ではないが、コンピュータ環境900において、コンピュータ可読媒体は、メモリ920、記憶装置940、通信媒体、およびこれらの組み合わせを含む。
図9は、特定の便宜のためだけに、コンピュータ環境900、ディスプレイ装置960、および入力装置950を別個の装置として図示している。コンピュータ環境900、ディスプレイ装置960、および入力装置950は、別個の装置(例えば、有線でモニタとマウスに接続されたパーソナルコンピュータ)であっても良いし、単体装置(例えば、スマートフォンやタブレットのように、タッチディスプレイを備えたモバイル装置)、または、装置の任意の組み合わせ(例えば、タッチスクリーン装置に操作可能に結合されたコンピュータ装置、単体のディスプレイ装置および入力装置に取り付けられた複数のコンピュータ装置)であっても良い。コンピュータ環境900は、セットトップボックス、モバイル装置、パーソナルコンピュータ、または、一つまたは複数のサーバ、例えばネットワークサーバ群、クラスタサーバ環境、または、コンピュータ装置のクラウドネットワークであっても良い。
本発明の原理を、前述の実施形態を参照しながら説明したが、ここで述べた実施形態は、この原理から乖離しない範囲で構成や詳細を変更することができる。ここで説明されたプログラム、プロセス、または方法は、明記されない限り、特定のコンピュータ環境に関連または限定するものではない。ここで述べた教示に従って、様々な種類の汎用または専用のコンピュータ環境を用いることができ、または、処理を実行することができる。ソフトウエアとして開示された実施形態の要素は、ハードウエアで実施することが可能であり、その逆も可能である。

Claims (6)

  1. ビームスプリッタを介して、患者の一つまたは複数の眼に刺激を投射するよう構成された画像投射装置であって、前記刺激は前記患者の前記一つまたは複数の眼の一つまたは複数の網膜上に投射され、前記刺激は、近接して配置された二重線の格子または同心リングを含み、前記二重線または同心リングの距離は、固視点が中心窩にある場合は当該二重線または同心リングを見分けられるが、固視点が中心窩からずれた場合は当該二重線または同心リングがぼやけて合わさるように設定された、画像投射装置と、
    前記一つまたは複数の網膜に対して共役に配置された一つまたは複数の画像検出装置とを備え、
    前記一つまたは複数の画像検出装置は、前記刺激に応じて前記一つまたは複数の網膜から反射された反射刺激を含む反射画像を捕捉するよう構成され、
    前記刺激に対する前記反射刺激の相対的なぼやけまたはゆがみの一つまたは複数の位置の少なくとも一部に基づいて、固視点が決定される、固視測定装置。
  2. 前記刺激に対する前記反射刺激の相対的なぼやけまたはゆがみの一つまたは複数の位置の少なくとも一部に基づいて、前記一つまたは複数の眼の中心窩からの固視点のずれを計算するよう構成された、一つまたは複数のコンピュータ装置をさらに備えた、請求項1に記載の固視測定装置。
  3. 前記反射刺激は、前記一つまたは複数の眼の一つまたは複数の網膜に入射し、前記一つまたは複数の網膜の湾曲によって再結像された前記刺激を含む、請求項1または2に記載の固視測定装置。
  4. 画像投射装置によって、患者の一つまたは複数の眼へ、ビームスプリッタを介して刺激を投射する工程であって、前記刺激は前記患者の前記一つまたは複数の眼の一つまたは複数の網膜上に投射され、前記刺激は、近接して配置された二重線の格子または同心リングを含み、前記二重線または同心リングの距離は、固視点が中心窩にある場合は当該二重線または同心リングを見分けられるが、固視点が中心窩からずれた場合は当該二重線または同心リングがぼやけて合わさるように設定された、工程と、
    前記一つまたは複数の網膜に対して共役に配置された一つまたは複数の画像検出装置によって、前記刺激に応じて前記一つまたは複数の網膜から反射された反射刺激を含む反射画像を捕捉する工程とを含み、
    前記刺激に対する前記反射刺激の相対的なぼやけまたはゆがみの一つまたは複数の位置の少なくとも一部に基づいて、固視点が決定される、固視測定方法。
  5. 一つまたは複数のコンピュータ装置により、前記刺激に対する前記反射刺激の相対的なぼやけまたはゆがみの一つまたは複数の位置の少なくとも一部に基づいて、前記一つまたは複数の眼の中心窩からの固視点のずれを計算する工程をさらに含む、請求項4に記載の固視測定方法。
  6. 前記反射刺激は、前記一つまたは複数の眼の一つまたは複数の網膜に入射し、前記一つまたは複数の網膜の湾曲によって再結像された前記刺激を含む、請求項4または5に記載の固視測定方法。

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