JP6874329B2 - ホルムアルデヒド除去組成物およびその製造方法、ホルムアルデヒド除去シート - Google Patents
ホルムアルデヒド除去組成物およびその製造方法、ホルムアルデヒド除去シート Download PDFInfo
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Description
ホルムアルデヒド除去剤としては、例えば特許文献1に、ジグリコールアミンを固形の担体に担持したことを特徴とするアルデヒド類消臭剤組成物が開示されている。
しかし、これらのホルムアルデヒド除去組成物は、ホルムアルデヒド除去効果を長期間にわたり維持することができないという問題があった。また、更なるホルムアルデヒド除去効果の向上が求められている。
本発明は下記の(1)〜(12)の各態様を有する。
(1)微細化セルロース及びホルムアルデヒド除去剤を含有するホルムアルデヒド除去組成物。
(2)前記微細化セルロースの数平均短軸径は1nm以上500nm以下であり、前記微細化セルロースの数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下であり、前記微細化セルロースのグルコピラノース単位におけるヒドロキシ基の少なくとも一部がカルボキシ基へと酸化されている(1)記載のホルムアルデヒド除去組成物。グルコピラノースはセルロースの繰り返し単位である。
(3)前記グルコピラノースのC6位のヒドロキシ基がカルボキシ基で置換されている(2 )記載のホルムアルデヒド除去組成物。
(5)前記カルボキシ基の対イオンとしてアンモニウムイオンまたは有機オニウムイオンを含む(2)〜(4)のいずれかに記載のホルムアルデヒド除去組成物。
(6)前記微細化セルロースの固形分濃度1質量%の分散液の光透過率が、光路長1cm、波長660nmで、分散媒の80%以上である(1)〜(5)のいずれかに記載のホルムアルデヒド除去組成物。
(7)ホルムアルデヒド除去剤が有機アルカリを含む(1)〜(6)のいずれかに記載のホルムアルデヒド除去組成物。
(8)前記ホルムアルデヒド除去剤がホルムアルデヒド分解酵素である(1)〜(7)のいずれかに記載のホルムアルデヒド除去組成物。
(9)抗菌材を更に含む(1)〜(8)のいずれかに記載のホルムアルデヒド除去組成物。
(11) (8)のホルムアルデヒド除去組成物の製造方法であって、微細化セルロースの存在下で微生物を培養する工程を経て前記ホルムアルデヒド分解酵素を得るホルムアルデヒド除去組成物の製造方法。
(12) (1)〜(9)のいずれかに記載されたホルムアルデヒド除去組成物を含むホルムアルデヒド除去シート。
ここに開示する技術は、微細化セルロースを含有するホルムアルデヒド除去組成物に関する。近年、環境問題が注目される中、環境調和型材料の利用が求められている。安全性が高い環境調和型材料である微細化されたセルロースを用いることで、低コストで、ホルムアルデヒド除去効果が向上し、長期に渡り安定したホルムアルデヒド除去効果を有するホルムアルデヒド除去組成物及びホルムアルデヒド除去シートを提供することができる。
本発明の一態様のホルムアルデヒド除去組成物は、微細化セルロースとホルムアルデヒドを吸着または分解するホルムアルデヒド除去剤を含む。
微細化セルロースとは、その構造の少なくとも一辺がナノメートルオーダーであるセルロースのことを示し、その調製方法については特に限定されない。通常、微細化セルロースは、ミクロフィブリル構造由来の繊維形状を取る。一態様のホルムアルデヒド除去組成物が含有する微細化セルロースとしては、以下に示す特徴を有することが好ましい。
表面積の大きな微細化セルロースを用いることにより、ホルムアルデヒド除去剤の分散性が良好となり、優れたホルムアルデヒド除去効果を示す。また、微細化セルロース表面への定着性が良好であり、長期間にわたり安定したホルムアルデヒド除去効果を有する。
数平均短軸径が500nmを超えると透明性が低下するため、ホルムアルデヒド除去組成物を壁などにスプレーする場合に見た目に問題が生じることがある。また、粘度が高くなり、スプレーしにくくなる場合がある。数平均短軸径がこの範囲であると、ホルムアルデヒド除去剤の分散安定性、透明性に優れたホルムアルデヒド除去組成物を提供することができる。更に好ましくは、数平均短軸径が1nm以上200nm以下であり、更に好ましくは1nm以上50nm以下である。
微細化セルロースの原料として用いることが出来る植物セルロースの種類も特に限定されず、例えば木材系天然セルロースに加えて、コットンリンター、竹、麻、バガス、ケナフを用いることができる。また、バクテリアセルロース、ホヤセルロース、バロニアセルロースといった非木材系天然セルロース、さらにはレーヨン繊維、キュプラ繊維に代表される再生セルロースを用いることもできる。
カルボキシ基量が3.0mmol/gを超えると、微細化セルロースの結晶構造が充分に保持されずに、ホルムアルデヒド除去剤の分散安定性が低下する。更に好ましくは0.5mmol以上3.0mmol以下であり、より好ましくは1.0mmol/g以上1.8mmol/gである。微細化セルロース中のカルボキシ基がこの範囲であるとホルムアルデヒド除去剤の定着性、分散安定性が良好である。また、ホルムアルデヒド除去シートを製造する際、基材に定着させやすくなる。
有機オニウムイオンとは、有機アルカリのカチオンのことであり、例えば、有機アンモニウムイオン(1級アンモニウムイオン、2級アンモニウムイオン、3級アンモニウムイオン、4級アンモニウムイオン)、4級ホスホニウムイオン等の有機ホスホニウムイオン、3級オキソニウムイオン等の有機オキソニウムイオン、3級スルホニウムイオン等の有機スルホニウムイオン等が挙げられる。
また、微細化セルロースがミクロフィブリル単位まで微細化・分散すると、660nmの光線透過率が高くなる。また、微細化セルロースが固形分濃度1%の分散体において、光路長1cm、波長が660nmの光線透過率が、分散媒をリファレンスとして80%以上であることが好ましい。光線透過率が80%以上であると透明性が高く、ホルムアルデヒド除去剤を窓や壁、家具等にスプレーまたは塗布した際に目立たなくなる。
特に限定されないが、微細化セルロースの製造方法は、酸化工程(セルロース原料からN−オキシル化合物を用いて酸化セルロースを得る工程)と、微細化工程(酸化工程を経た酸化セルロースを水性媒体中で微細化して微細化セルロース分散液を調製する工程)とを有することが好ましい。この方法を用いることにより、所望の長軸の数平均軸径、短軸の数平均軸径、カルボキシ基導入量、粘度特性を制御しホルムアルデヒド除去剤の分散性、定着性に優れた微細化セルロースを得ることができる。
微細化セルロースの原料としては、特に限定されず、木材セルロースを用いる場合には、針葉樹パルプや広葉樹パルプ、古紙パルプなど、一般的に用いられるものを用いることができる。精製および微細化のしやすさから、針葉樹パルプが好ましい。N−オキシル化合物としては、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、等が挙げられる。
TEMPOとは、ニトロキシルラジカル(R2N−O・)の一種、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルの略称であり、ヒドロキシ基を酸化する真の活性種は、TEMPOが次亜塩素酸で酸化されて発生するN−オキソアンモニウムイオン(R2N+=O)である。
この場合、反応系内において、N−オキシル化合物が順次共酸化剤により酸化されてオキソアンモニウム塩が生成し、オキソアンモニウム塩によりセルロースが酸化される。かかる酸化処理によれば、温和な条件でも酸化反応が円滑に進行し、カルボキシ基の導入効率が向上する。酸化処理を温和な条件で行うと、セルロースの結晶構造を維持しやすい。
共酸化剤の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理するセルロースの固形分に対して1質量%以上200質量%以下程度である。
化合物としては、臭化ナトリウムまたは臭化リチウムが好ましく、コストや安定性から、臭化ナトリウムがより好ましい。化合物の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されないが、通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分(100質量%)に対して1質量%以上50質量%以下である。
酸化反応時の反応系のpHは、9以上11以下が好ましい。pHが9以上であると反応を効率よく進めることができ、pHが11を超えると副反応が進行し、試料の分解が促進されてしまうおそれがあり、酸化処理においては、酸化が進行するにつれて、カルボキシ基が生成することにより系内のpHが低下してしまうため、酸化処理中、反応系のpHを9以上11以下に保つことが好ましい。
N−オキシル化合物による酸化反応は、反応系にアルコールを添加することにより停止させることができる。このとき、反応系のpHは前述の範囲内に保つことが好ましい。添加するアルコールとしては、反応をすばやく終了させるためメタノール、エタノール、プロパノールなどの低分子量のアルコールが好ましく、反応により生成される副産物の安全性などから、エタノールが特に好ましい。
得られる微細化セルロースのカルボキシ基量は、酸化セルロースに含有されるカルボキシ基量から、以下の方法にて算出した。酸化セルロースの乾燥重量換算0.1gを量りとり、1質量%で水に分散させる。そこに攪拌子ながら塩酸を加え、pH2.5となるように調整する。その後、自動滴定装置(東亜ディーケーケー(株)、AUT−701)を用いて0.1M水酸化ナトリウム水溶液を0.05ml/30秒で注入し、30秒毎の電導度とpH値を測定し、pH11まで測定を続ける。得られた電導度曲線から水酸化ナトリウムの滴定量を求め、カルボキシ基(mmol/g)の含有量を算出できる。
酸化セルロースを微細化する方法としてはまず、酸化セルロースに水性媒体を加えて懸濁させる。水性媒体としては、前述と同様のものが挙げられ、水が特に好ましい。必要に応じて、酸化セルロースや生成する微細化セルロースの分散性を上げるために、懸濁液のpH調整を行ってもよい。pH調整に用いられるアルカリ水溶液としては、酸化工程の説明で挙げたアルカリ水溶液と同様のものが挙げられる。
有機アルカリとしては、各種脂肪族アミン、芳香族アミン、ジアミンなどのアミン類や水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラn−ブチルアンモニウム、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、水酸化2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、などNR4OH(Rはアルキル基、またはベンジル基、またはフェニル基、またはヒドロキシアルキル基で、4つのRが同一でも異なっていてもよい。)で表される水酸化アンモニウム化合物、水酸化テトラエチルホスホニウムなどの水酸化ホスホニウム化合物、水酸化オキソニウム化合物、水酸化スルホニウム化合物などの水酸化物イオンを対イオンとする有機オニウム化合物が挙げられる。
続いて懸濁液に物理的解繊処理を施して、酸化セルロースを微細化する。物理的解繊処理としては、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、カッターミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、グラインダー、ジューサーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノジナイザー、水中対向衝突などの機械的処理が挙げられる。
特に限定されないが、アンモニア水または有機アルカリを用いてpHを調製した酸化セルロースを微細化して得られた微細化セルロース分散液には、カルボキシ基を有する微細化セルロースと、アンモニウムイオンまたは有機アルカリ由来の有機オニウムイオンが含まれている。微細化セルロース分散液を公知の手法により単離・乾燥・濾別などすることで、アンモニウムイオンや有機オニウムイオンを対イオンとするカルボキシ基を有する微細化セルロースを得ることができる。
カルボキシ基の対イオンをアンモニウムイオンや有機オニウムイオンを対イオンとすることで、微細化セルロースへのホルムアルデヒド除去剤の定着性が良好となり、ホルムアルデヒドの吸着能力が向上し、長期間にわたり安定したホルムアルデヒド除去効果を有する。また、アンモニウムイオンや有機オニウムイオン自体もホルムアルデヒド除去効果を有するため、ホルムアルデヒド除去剤として用いることができる。
微細化セルロースの分散に用いる分散媒は、微細化セルロースが充分に分散または溶解するものであれば、特に限定されない。環境への負荷の面から水を用いることが好ましい。微細化セルロースを用いる場合は、分散性の観点から水や親水性分散媒を用いることが好ましい。親水性分散媒については特に制限はないが、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましい。
微細化セルロースは1種類でもよく、複数の微細化セルロースを用いても構わない。
ホルムアルデヒド除去剤は、特に限定されず、ホルムアルデヒドを吸着または分解、または吸着及び分解する材料を示す。例えば、光触媒、ホルムアルデヒド分解酵素、有機アルカリ、ヒドラジンまたはヒドラジン誘導体、活性白土、活性炭素、シリカゲル等の公知のホルムアルデヒド除去剤を用いることができる。ホルムアルデヒド除去剤は、1種類でもよく、複数のホルムアルデヒド除去剤を用いてもよい。特に、有機アルカリまたは微生物由来のホルムアルデヒド分解酵素を用いることが好ましい。
芳香族アミンとしては、アニリン、フェネチルアミン、トルイジン、カテコールアミン、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(プロトンスポンジ)が挙げられる。
複素環式アミンとしては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、キヌクリジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、ピリジン、オキサゾール等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えばリシン、アルギニン、ヒスチジン及びその誘導体が挙げられる。
ホルムアルデヒド除去剤として用いる有機アルカリは微細化セルロースのカルボキシ基の対イオンとして含有させると、長期間にわたり高いホルムアルデヒド除去効果を有するため、好ましい。
ホルムアルデヒド除去組成物中の全固形分濃度に対する微細化セルロースの含有率は0.01質量%以上99.5質量%以下であることが好ましい。微細化セルロースの含有率が0.01質量%未満であると、ホルムアルデヒド除去剤の固定または分散が難しく、長期間にわたり安定したホルムアルデヒド除去性能を保つことが出来なくなる。より好ましくは0.1質量%以上90質量%以下である。
ホルムアルデヒド除去組成物の溶媒は、特に限定するものではないが、分散性の観点から水や親水性溶媒を用いることが好ましい。親水性溶媒については特に制限は無いが、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましい。中でも、水、エタノールが好ましい。
ホルムアルデヒド除去組成物中のホルムアルデヒド除去剤は、1種類以上であればよく、2種類或いは複数のホルムアルデヒド除去組成物を用いることができる。例えば、微細化セルロースのカルボキシ基にホルムアルデヒド除去効果を有するアンモニウムイオンや有機オニウムイオンを用い、更にホルムアルデヒド除去剤を併用してもよい。
ホルムアルデヒド除去組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、微細化セルロース分散液中にホルムアルデヒド除去剤を添加して混合することで製造できる。
微細化セルロース分散液中にホルムアルデヒド除去剤を添加、混合する場合、前記微細化セルロース分散液の固形分濃度は、特に限定されないが、0.01質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましい。微細化セルロース分散液の固形分濃度が0.01質量%未満であると十分なホルムアルデヒド除去剤の固定或いは分散が難しい。また、50質量%を超えると微細化セルロース分散液の粘度が高くなり、ホルムアルデヒド除去剤との混合が難しくなる。また、スプレー剤として用いる場合は、ノズルからスプレーするのが難しくなる。
特に限定されないが、ホルムアルデヒド除去剤として微生物由来のホルムアルデヒド分解酵素を用いる場合、微細化セルロース存在下、任意の栄養源や添加物の存在下で微生物を培養することができる。微細化セルロースの粘度特性により、細胞がマトリックス内で安定して存在し、微生物を均質に培養することができる。また、培養液の細胞破砕液を遠心分離し、上澄みに存在するホルムアルデヒド除去剤及び微細化セルロースを回収することで、そのままホルムアルデヒド除去組成物を得ることができる。微生物の培養に用いる栄養源は、特に限定されないが、炭素源、窒素源、リン源、ミネラル源及び微量元素源であることが好ましい。
ホルムアルデヒド除去組成物は、必要に応じて添加剤を含有しても構わない。例えば、水溶性高分子、分散剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤、凍結防止剤、可塑剤、紫外線遮蔽材、赤外線遮蔽材、抗菌剤、微粒子等を含有することができる。
ホルムアルデヒド除去組成物は、水溶性高分子を含んでも構わない。水溶性高分子(a)は、85℃において、メタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロピルアルコールのいずれかを50質量%含むアルコール水溶液、および水のうち少なくとも1種を含む溶媒100質量部に対して、1質量部以上溶解する、分子量1000以上の化合物である。なお、本開示において、化合物が溶解するとは、化合物が完全に分子分散した溶解状態に加えて、化合物が膨潤、分散することにより、均一な溶解状態を示すことも含むものとする。すなわち、メタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロピルアルコールのいずれかを50質量%含むアルコール水溶液、および水のうち少なくとも1種を含む溶媒100質量部に対して1質量部以上分散するエマルションを含む。
タンパク質としては、ゼラチン、カゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ビニル系樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミド、アクリルアミド・アクリレート共重合体等が挙げられる。
中でも、ビニル系樹脂やポリエチレン系樹脂は、微細化セルロースとの相溶性が良好で、均一な防曇層12を形成することができるため、好ましい。水溶性高分子は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。また、環境負荷の観点から、天然由来の高分子であることが望ましい。
水溶性高分子の含有量は、ホルムアルデヒド除去組成物(100質量%)に対し、0.01質量%以上80質量%以下が好ましく、0.1質量%以上50質量%以下がより好ましい。
紫外線遮蔽材のホルムアルデヒド除去組成物における含有量は、特に限定されないが、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
ホルムアルデヒド除去組成物は、赤外線遮蔽材料を含んでもよい。赤外線遮蔽材料は、780nm以上の波長の赤外線領域の光を吸収または反射する材料である。
赤外線遮蔽材の含有量は、ホルムアルデヒド除去組成物(100質量%)に対し、0.01質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましい。赤外線遮蔽材の含有量が0.1質量%以上であると十分な赤外線遮蔽効果が得られ、20質量%以下であれば、赤外線遮蔽材の分散安定性が維持される。
ホルムアルデヒド除去組成物は、特に限定されないが、家具等にスプレーして室内のホルムアルデヒドの除去によるシックハウス症候群の防止等に用いることができる。スプレー剤として用いる場合、微細化セルロースの粘度特性によりスプレー性が良好となる。
また、ホルムアルデヒド除去組成物を単独でシート化して用いることができる。基材や被覆物の表面に本組成物を塗布してもよく、樹脂等に練りこんでもよい。また、紙、不織布、織物等の基材に含有させてもよい。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下の実施形態に限定されない。また、以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
図1に示すように、本実施形態のホルムアルデヒド除去シート1は、基材11中にホルムアルデヒド除去組成物12が含まれている。
基材11としては、紙、不織布、編織物等が挙げられる。ホルムアルデヒド除去組成物12は、微細化セルロースとホルムアルデヒド除去剤を含む。微細化セルロースによりホルムアルデヒド除去剤の定着性が良好となり、優れたホルムアルデヒド除去効果を示し、またホルムアルデヒド除去剤の定着性が良好となり、長期間にわたり安定したホルムアルデヒド除去効果を有する。
ホルムアルデヒド除去シートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、セルロース繊維と微細化セルロースとを混合し、湿式抄紙や乾式抄紙などにより製造することができる。また、紙、不織布、編織物等や、多孔体等公知の基材に微細化セルロースを含浸、乾燥させて製造してもよい。
ホルムアルデヒド除去シートは、特に限定されないが空気清浄用のフィルターとして空調機に用いることや、家具の内部に入れる等により室内のホルムアルデヒドを除去するのに用いることができる。
<実施例1−1>
(木材セルロースのTEMPO酸化)
針葉樹クラフトパルプ70gを蒸留水3500gに懸濁し、蒸留水350gにTEMPOを0.7g、臭化ナトリウムを7g溶解させた溶液を加え、20℃まで冷却した。ここに2mol/L、密度1.15g/mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液450gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。系内の温度は常に20℃に保ち、反応中のpHの低下は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することでpH10に保ち続けた。セルロースの質量に対して、水酸化ナトリウムが3.00mmol/gになった時点で、過剰量のエタノールを添加し反応を停止させた。続いて反応液に0.5NのHClを滴下しpHを1.8まで低下させた。その後、ガラスフィルターを用いて蒸留水によるろ過洗浄を繰り返し、酸化パルプを得た。
上記TEMPO酸化で得た酸化パルプを固形分重量で0.1g量りとり、1%濃度で水に分散させ、塩酸を加えてpHを2.5とした。その後0.5M水酸化ナトリウム水溶液を用いた電導度滴定法により、カルボキシ基量(mmol/g)を求めた。結果は1.61mmol/gであった。
TEMPO酸化パルプの結晶化度を算出した。測定には試料水平型多目的X線回折装置(UltimaIII、Rigaku)を用い、X線出力:(40kv、40mA)の条件で、5°≦2θ≦35°の範囲でX線回折パターンを測定した。得られるX線回折パターンは全てセルロースI型結晶構造に由来するものであるため、以下に示す手法によって結晶化度を算出した。
結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100
ただし、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す。
TEMPO酸化で得た酸化パルプ1gを99gの蒸留水に分散させ、NaOH水溶液を用いてpHを8に調整して酸化パルプの分散液を得、ジューサーミキサーで30分間微細化処理し、微細化セルロース濃度が1質量%の微細化セルロース水分散液を得た(微細化セルロース1)。微細化セルロース水分散液に含まれる微細化セルロースの数平均短軸径は4nmであった。
原子間力顕微鏡を用いて微細化セルロースの数平均短軸長を算出した。まず微細化セルロースの分散液を0.001%となるように希釈したのち、マイカ板上に20μLずつキャストして風乾した。乾燥後に原子間力顕微鏡(AFM5400L、日立ハイテク社製)を用い、DFMモードで微細化セルロースの形状を観察した。微細化セルロースの数平均短軸径は、原子間力顕微鏡による観察画像から100本の繊維の長軸径(最大径)を測定し、その平均値として求めた。
微細化セルロース分散液の固形分濃度1%の分散体において、光路長1cmの石英セルにて、分散媒をリファレンスとして、波長が660nmの光透過率を分光光度計(日本分光、NRS−1000)にて測定した。
液体培地に微細化セルロースを加えて滅菌後、20mLの培地に胞子懸濁液を1mL播種し、30℃で5日間静置培養して、ホルムアルデヒド分解酵素を生成した。菌体を破砕、遠心分離を行い、上清に含まれるホルムアルデヒド分解酵素と微細化セルロースの分散液を含むホルムアルデヒド除去組成物を得た。つまり、このホルムアルデヒド除去組成物は、ホルムアルデヒド除去剤として、自家培養されたホルムアルデヒド分解酵素を含む。
ホルムアルデヒド除去剤としてアナターゼ型酸化チタン(テイカ製)を微細化セルロース分散液に添加し、攪拌してホルムアルデヒド除去組成物を得た以外は、実施例1−1と同様にホルムアルデヒド除去組成物を得た。
<実施例1−3>
ホルムアルデヒド除去剤として、市販品のホルムアルデヒド分解酵素(シグマ製)を微細化セルロース分散液に添加し、攪拌してホルムアルデヒド除去組成物を得た以外は、実施例1−1と同様にホルムアルデヒド除去組成物を得た。
<実施例1−4>
ホルムアルデヒド除去剤としてジメチルアミン水溶液(東京応用化学製)を微細化セルロース分散液に添加し、攪拌してホルムアルデヒド除去組成物を得た以外は、実施例1−1と同様にホルムアルデヒド除去組成物を得た。
実施例1−1と同じ方法で酸化パルプの解繊処理の前までの工程を行った後、酸化パルプの解繊処理においてpH調整にNaOH水溶液を用いる代わりに、ジメチルアミン水溶液(東京応用化学製)を用いた。つまり、ジメチルアミンを微細化セルロースのカルボキシ基の対イオンとした。また、実施例1−1と同じ方法で、結晶化度および数平均長軸径を算出し、透過率を測定した。
このように、微細化セルロース(微細化セルロース2)の製造過程で、酸化パルプの分散液にホルムアルデヒド除去剤を添加して解繊処理を行うことにより、ホルムアルデヒド除去剤組成物を得た。
実施例1−1と同じ方法で酸化パルプの解繊処理の前までの工程を行った後、酸化パルプの解繊処理においてpH調整にNaOH水溶液を用いる代わりに、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(関東化学製)を用いた。つまり、テトラエチルアンモニウムイオンを微細化セルロースのカルボキシ基の対イオンとした。また、実施例1−1と同じ方法で、結晶化度および数平均長軸径を算出し、透過率を測定した。
このように、微細化セルロース(微細化セルロース3)の製造過程で、酸化パルプの分散液にホルムアルデヒド除去剤を添加して解繊処理を行うことにより、ホルムアルデヒド除去剤組成物を得た。
微細化セルロースを用いなかった以外は実施例1−1と同様にホルムアルデヒド除去組成物を得た。
<比較例2>
微細化セルロース分散液の代わりに、固形分濃度2質量%のポリビニルアルコール(商品名「PVA124」、クラレ製)を用いた以外は、実施例1−1と同様にホルムアルデヒド除去組成物を作製した。
微細化セルロース分散液の代わりに、固形分濃度2質量%のポリビニルアルコール(商品名「PVA124」、クラレ製)を用い、ホルムアルデヒド除去剤としてアナターゼ型酸化チタン(テイカ製)を用いた以外は、実施例1−1と同様にホルムアルデヒド除去組成物を作製した。
<比較例4>
微細化セルロース分散液の代わりに、固形分濃度2質量%のカルボキシメチルセルロース(商品名「CMC1180」、ダイセルファインケム製)を用いた以外は、実施例1−1と同様にホルムアルデヒド除去組成物を作製した。
ホルムアルデヒド除去組成物をスプレー容器に入れて100mm×100mmのガラス板上にスプレーした際のガラス板上のホルムアルデヒド除去組成物の外観を評価した。
〇:1mm未満の水滴が観察された。
△:1mm以上、2mm未満の水滴が観察された。
×:2mm以上の大きな水滴が観察された。
50×50mmのガラス板の表面に、ホルムアルデヒド除去組成物を塗工して乾燥させた。試験片と1質量%のホルムアルデヒド水溶液100mgをガラス容器中に密閉し、24時間後に検知管を用いてホルムアルデヒド濃度の定量を行った。
◎:0.1ppm未満
〇:0.1ppm以上10ppm未満
△:10ppm以上15ppm未満
×:15ppm以上
50×50mmのガラス板の表面に、ホルムアルデヒド除去組成物を塗工して乾燥させた。試験片と1質量%のホルムアルデヒド水溶液100mgをガラス容器中に密閉し、50日後に検知管を用いてホルムアルデヒド濃度の定量を行った。
◎:0.1ppm未満
〇:0.1ppm以上10ppm未満
△:10ppm以上15ppm未満
×:15ppm以上
11 基材
12 ホルムアルデヒド除去組成物
Claims (10)
- 微細化セルロース及びホルムアルデヒド除去剤を含有し、
前記微細化セルロースの数平均短軸径は1nm以上500nm以下であり、前記微細化セルロースの数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下であり、
前記微細化セルロースのグルコピラノース単位におけるヒドロキシ基の少なくとも一部がカルボキシ基へと酸化されており、
前記微細化セルロース中のカルボキシ基の含有量は、前記微細化セルロース1g当たり0.1mmol以上3.0mmol以下の範囲内であるホルムアルデヒド除去組成物。 - 前記グルコピラノースのC6位のヒドロキシ基がカルボキシ基で置換されている請求項1記載のホルムアルデヒド除去組成物。
- 前記カルボキシ基の対イオンとしてアンモニウムイオンまたは有機オニウムイオンを含む請求項1または2記載のホルムアルデヒド除去組成物。
- 前記微細化セルロースの固形分濃度1質量%の分散液の光透過率が、光路長1cm、波長660nmで、分散媒の80%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のホルムアルデヒド除去組成物。
- 前記ホルムアルデヒド除去剤が有機アルカリを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のホルムアルデヒド除去組成物。
- 前記ホルムアルデヒド除去剤がホルムアルデヒド分解酵素である請求項1〜4のいずれか一項に記載のホルムアルデヒド除去組成物。
- 抗菌材を更に含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のホルムアルデヒド除去組成物。
- 請求項2〜7のいずれかに記載のホルムアルデヒド除去組成物の製造方法であって、
微細化セルロースの製造工程として、N−オキシル化合物を用いてセルロースを酸化する工程を行い、
前記N−オキシル化合物として、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルのいずれかを用いるホルムアルデヒド除去組成物の製造方法。 - 請求項6記載のホルムアルデヒド除去組成物の製造方法であって、
微細化セルロースの存在下で微生物を培養する工程を経て前記ホルムアルデヒド分解酵素を得るホルムアルデヒド除去組成物の製造方法。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載されたホルムアルデヒド除去組成物を含むホルムアルデヒド除去シート。
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