JP6879263B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
しかし、シリカはゴム成分との親和性が低く、また、シリカ同士の凝集性が高いため、ゴム成分に単にシリカを配合してもシリカが分散せず、転がり性能を向上させる効果が十分に得られないという問題があった。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
特定共役ジエン系ゴムを20質量%以上と、スチレンブタジエンゴムを20質量%以上と、を含む共役ジエン系ゴムと、
シリカと、
シランカップリング剤とを含有し、
上記シリカの含有量が、上記共役ジエン系ゴム100質量部に対して、30質量部以上であり、
上記シランカップリング剤の含有量が、上記シリカの含有量に対して、3〜30質量%であり、
上記特定共役ジエン系ゴムが、不活性溶媒中で、重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を含む単量体を重合し、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得る第1工程と、上記活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、後述の一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを、上記第1工程で使用した重合開始剤1モルに対して、上記ポリオルガノシロキサン中のシロキサン構造(−Si−O−)の繰り返し単位数換算で1モル以上の割合にて添加して反応させる第2工程と、上記第2工程で得られるポリオルガノシロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖に、後述の一般式(2)で表される化合物を反応させる第3工程とを備える共役ジエン系ゴムの製造方法により製造される共役ジエン系ゴムであり、
上記特定共役ジエン系ゴム中の芳香族ビニル単量体単位の含有量が0〜20質量%であり、上記特定共役ジエン系ゴムにおける共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が8〜40質量%であり、
上記特定共役ジエン系ゴムは、ガラス転移温度が−100〜−50℃であり、重量平均分子量(Mw)が300,000〜600,000であり、
上記スチレンブタジエンゴムは、ガラス転移温度が−40〜−15℃であり、重量平均分子量(Mw)が650,000以上である、タイヤトレッド用ゴム組成物。
[2]
上記スチレンブタジエンゴム中のスチレン単量体単位の含有量が35質量%以上である、[1]に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
[3]
上記スチレンブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)が800,000以上である、[1]または[2]に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
[4]
上記スチレンブタジエンゴムが、シリカと相互作用する官能基を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
[5]
上記特定共役ジエン系ゴムが、
イソプレン単量体単位80〜100質量%および芳香族ビニル単量体単位0〜20質量%を含む重合体ブロック(A)と、
1,3−ブタジエン単量体単位50〜100質量%および芳香族ビニル単量体単位0〜50質量%を含む重合体ブロック(B)とが一続きにして形成された構造を有する、[1]〜[4]のいずれかにタイヤトレッド用ゴム組成物。
[6]
[1]〜[5]のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤトレッド部を備える、空気入りタイヤ。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に含有される各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を表す表記であり、「(メタ)アクリロニトリル」は、「アクリロニトリル」または「メタクリロニトリル」を表す表記である。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、特定共役ジエン系ゴムを20質量%以上と、スチレンブタジエンゴム(以下、「スチレンブタジエンゴム(A)」とも言う。)を20質量%以上と、を含む共役ジエン系ゴムと、シリカと、シランカップリング剤とを含有する。
また、上記シリカの含有量が、上記共役ジエン系ゴム100質量部に対して、30質量部以上であり、上記シランカップリング剤の含有量が、上記シリカの含有量に対して、3〜30質量%である。
また、上記特定共役ジエン系ゴムは、不活性溶媒中で、重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を含む単量体を重合し、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得る第1工程と、上記活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを、上記第1工程で使用した重合開始剤1モルに対して、上記ポリオルガノシロキサン中のシロキサン構造(−Si−O−)の繰り返し単位数換算で1モル以上の割合にて添加して反応させる第2工程と、上記第2工程で得られるポリオルガノシロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(2)で表される化合物を反応させる第3工程とを備える共役ジエン系ゴムの製造方法により製造される共役ジエン系ゴムである。
また、上記特定共役ジエン系ゴム中の芳香族ビニル単量体単位の含有量が0〜20質量%であり、上記特定共役ジエン系ゴムにおける共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が8〜40質量%である。
また、上記特定共役ジエン系ゴムは、ガラス転移温度が−100〜−50℃であり、重量平均分子量(Mw)が300,000〜600,000である。
また、上記スチレンブタジエンゴム(A)は、ガラス転移温度が−40〜−15℃であり、重量平均分子量(Mw)が650,000以上である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えらえる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
一方で、本発明の組成物が含有する特定共役ジエン系ゴムはシリカと類似の構造を有するポリオルガノシロキサン構造を有するため、上記ポリオルガノシロキサン構造がシリカと親和し、シリカの凝集を防ぐものと考えられる。また、特定共役ジエン系ゴムはアミノシラン等の窒素原子含有シランに由来する構造も有するため、これがシランカップリング剤とシリカとのシラニゼーションを促進し、シリカの凝集をさらに抑制するものと考えられる。結果として、シリカによる効果(転がり性能の向上)が十分に発揮されるものと考えられる。
また、高分子量であるスチレンブタジエンゴム(A)よりも、低分子量の特定ジエン系ゴム側にシリカが分配されやすくなる。シリカは特定ジエン系ゴムに取り込まれやすいので、シリカによるタイヤの強度の低下が抑制されると考えられる。これにより、耐摩耗性および耐チッピング性に優れたタイヤが得られると考えられる。
本発明の組成物に含有される共役ジエン系ゴムは、特定共役ジエン系ゴムを20質量%以上と、スチレンブタジエンゴム(A)を20質量%以上と、を含む。
まず、特定共役ジエン系ゴムについて説明し、続いて、スチレンブタジエンゴム(A)について説明する。
本発明の組成物が含有する特定共役ジエン系ゴムは以下の第1〜3工程を備える共役ジエン系ゴムの製造方法により製造される共役ジエン系ゴムである。
(1)第1工程
不活性溶媒中で、重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を含む単量体を重合し、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得る第1工程
(2)第2工程
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、後述する一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを、上記第1工程で使用した重合開始剤1モルに対して、上記ポリオルガノシロキサン中のシロキサン構造(−Si−O−)の繰り返し単位数換算で1モル以上の割合にて添加して反応させる第2工程
(3)第3工程
上記第2工程で得られるポリオルガノシロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖に、後述する一般式(2)で表される化合物を反応させる第3工程
上述のとおり、第3工程では、第2工程で得られるポリオルガノシロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖に、後述する一般式(2)で表される化合物を反応させる。ここで、一般式(2)で表される化合物が有するA1が、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖とポリオルガノシロキサンとの反応により生成した反応残基と反応して結合する。しかしながら、後述のとおり、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖とポリオルガノシロキサンとの反応により生成した反応残基は様々な構造をとり得るため、反応残基に一般式(2)で表される化合物が反応した後の構造は極めて複雑であり、その構造を解析することは技術的に不可能であるか、又は、その構造を特定する作業を行うことに著しく過大な経済的支出や時間を要する。そのため、特定共役ジエン系ゴムを「第1〜3工程を備える共役ジエン系ゴムの製造方法により製造される共役ジエン系ゴム」と記載することには、いわゆる「不可能・非実際的事情」が存在する。
第1工程は、不活性溶媒中で、重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を含む単量体を重合し、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得る工程である。
まず、第1工程で用いられる各成分等について説明する。
第1工程において、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得るために、単量体として用いる共役ジエン化合物としては、特に限定されないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができる。これらのなかでも、本発明の効果がより優れる理由から、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましい。これらの共役ジエン化合物は、1種類を単独で使用しても2種類以上を組合せて用いてもよい。
また、第1工程において、重合に用いる単量体として、共役ジエン化合物とともに芳香族ビニル化合物を用いてもよい。単量体として用いる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレン、ジエチルアミノメチルスチレン、ジエチルアミノエチルスチレン、シアノエチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらのなかでも、本発明の効果がより優れる理由から、スチレンが好ましい。
さらに、第1工程においては、共役ジエン化合物とともに、芳香族ビニル化合物以外の、共役ジエン化合物と共重合可能な化合物(その他の共重合可能な化合物)を用いてもよい。このような共役ジエン化合物と共重合可能な化合物としては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの鎖状オレフィン化合物;シクロペンテン、2−ノルボルネンなどの環状オレフィン化合物;1,5−ヘキサジエン、1,6−へプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン化合物;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドなどのその他の(メタ)アクリル酸誘導体;などが挙げられる。本発明の効果がより優れる理由から、これらの共役ジエン化合物と共重合可能な化合物は、第1工程で得られる、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖中に、単量体単位として、10質量%以下とするのが好ましく、5質量%以下とするのがより好ましい。
重合に用いる不活性溶媒としては、溶液重合において通常使用されるものであり、重合反応を阻害しないものであれば特に限定されない。不活性溶媒の具体例としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、へプタンなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;などが挙げられる。これらの不活性溶媒は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。不活性溶媒の使用量は、特に限定されないが、単量体濃度が、たとえば1〜50質量%となる量であり、本発明の効果がより優れる理由から、10〜40質量%となる量がより好ましい。
重合に用いる重合開始剤としては、共役ジエン化合物を含む単量体を重合させて、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を与えることができるものであれば、特に限定されない。その具体例としては、有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物、およびランタン系列金属化合物などを主触媒とする重合開始剤を挙げることができる。有機アルカリ金属化合物としては、たとえば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、へキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、1,3,5ートリス(リチオメチル)ベンゼンなどの有機多価リチウム化合物;ナトリウムナフタレンなどの有機ナトリウム化合物;カリウムナフタレンなどの有機カリウム化合物;などが挙げられる。また、有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−n−へキシルマグネシウム、ジエトキシカルシウム、ジステアリン酸カルシウム、ジ−t−ブトキシストロンチウム、ジエトキシバリウム、ジイソプロポキシバリウム、ジエチルメルカプトバリウム、ジ−t−ブトキシバリウム、ジフェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ジステアリン酸バリウム、ジケチルバリウムなどが挙げられる。ランタン系列金属化合物を主触媒とする重合開始剤としては、たとえば、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウムなどのランタン系列金属と、カルボン酸、およびリン含有有機酸などとからなるランタン系列金属の塩を主触媒とし、これと、アルキルアルミニウム化合物、有機アルミニウムハイドライド化合物、有機アルミニウムハライド化合物などの助触媒とからなる重合開始剤などが挙げられる。これらの重合開始剤の中でも、本発明の効果がより優れる理由から、有機モノリチウム化合物、および有機多価リチウム化合物が好ましく用いられ、有機モノリチウム化合物がより好ましく用いられ、n−ブチルリチウムが特に好ましく用いられる。
なお、有機アルカリ金属化合物は、予め、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、およびへプタメチレンイミンなどの2級アミン化合物と反応させて、有機アルカリ金属アミド化合物として使用してもよい。これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、R11、および/またはR12がアミノ基の保護基である場合には、アミノ基の保護基が外れることにより、得られる共役ジエン系ゴムを形成する重合体鎖の一方の末端において、後述する一般式(5)におけるR13、および/またはR14が水素原子である構造を導入することができる。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ブトキシエチル基、プロポキシエチル基などが挙げられる。
また、エポキシ基を含有する基としては、たとえば下記一般式(4)で表される基などが挙げられる。
−Z1−Z2−E1 (4)
一般式(4)中、Z1は炭素数1〜10のアルキレン基またはアルキルアリーレン基であり、Z2はメチレン基、硫黄原子または酸素原子であり、E1はグリシジル基である。
R11およびR12が互いに結合して、これらが結合する窒素原子とともに環構造を形成する場合、環構造は、4〜8員環構造であることが好ましい。
なお、R13、R14となりうる水素原子は、アミノ基の保護基が外れることにより、導入される。
重合温度は、通常−80〜+150℃、本発明の効果がより優れる理由から、0〜100℃が好ましく、30〜90℃がより好ましい。重合様式としては、回分式、連続式などのいずれの様式をも採用できるが、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合させる場合は、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との結合のランダム性を制御しやすい点で、回分式が好ましい。
共役ジエン化合物を含む単量体を重合するにあたり、得られる共役ジエン系重合体鎖における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量を調節するために、不活性有機溶媒に極性化合物を添加することが好ましい。極性化合物としては、たとえば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパンなどのエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミンなどの第三級アミン;アルカリ金属アルコキシド;ホスフィン化合物;などが挙げられる。これらのなかでも、本発明の効果がより優れる理由から、エーテル化合物、および第三級アミンが好ましく、第三級アミンがより好ましく、テトラメチルエチレンジアミンが特に好ましい。これらの極性化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。極性化合物の使用量は、目的とするビニル結合含有量に応じて決定すればよく、重合開始剤1モルに対して、0.001〜100モルが好ましく、0.01〜10モルがより好ましい。極性化合物の使用量がこの範囲にあると、共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量の調節が容易であり、かつ重合開始剤の失活による不具合も発生し難い。
第1工程で得られる、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、8〜40質量%が好ましく、8〜38質量%がより好ましく、8〜35質量%が特に好ましい。
第1工程で得られる、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定される値として、300,000〜600,000が好ましく、320,000〜600,000がより好ましく、350,000〜550,000がさらに好ましく、400,000〜500,000が特に好ましい。
第1工程は、本発明の効果がより優れる理由から、次のような工程とすることが好ましい。
すなわち、不活性溶媒中で、イソプレン、またはイソプレンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体を、重合開始剤により重合し、イソプレン単量体単位80〜100質量%および芳香族ビニル単量体単位0〜20質量%を含む活性末端を有する重合体ブロック(A)を形成させる工程Aと、
上記活性末端を有する重合体ブロック(A)と、1,3−ブタジエン、または1,3−ブタジエンおよび芳香族ビニル化合物を含む単量体と、を混合して重合反応を継続させ、1,3−ブタジエン単量体単位50〜100質量%および芳香族ビニル単量体単位0〜50質量%を含む活性末端を有する重合体ブロック(B)を、重合体ブロック(A)と一続きにして形成させることにより、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得る工程Bと、を備えるものとすることが好ましい。
以下、このような態様について説明する。
工程Aで形成される重合体ブロック(A)は、重合体ブロック(A)中、イソプレン単量体単位80〜100質量%および芳香族ビニル単量体単位0〜20質量%を含むものであればよいが、本発明の効果がより優れる理由から、イソプレン単量体単位85〜95質量%および芳香族ビニル単量体単位5〜15質量%を含むものが好ましく、イソプレン単量体単位89〜95質量%および芳香族ビニル単量体単位5〜11質量%を含むものがより好ましい。
工程Bで形成される共役ジエン系重合体鎖中の重合体ブロック(B)は、重合体ブロック(B)中、1,3−ブタジエン単量体単位50〜100質量%および芳香族ビニル単量体単位0〜50質量%を含むものであればよいが、本発明の効果がより優れる理由から、1,3−ブタジエン単量体単位52〜95質量%および芳香族ビニル単量体単位5〜48質量%を含むものが好ましい。1,3−ブタジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との含有割合が上記範囲内にあると、共役ジエン系ゴムの製造がより容易となる。
第2工程は、第1工程にて得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを、第1工程で使用した重合開始剤1モルに対して、ポリオルガノシロキサン中のシロキサン構造(−Si−O−)の繰り返し単位数換算で1モル以上の割合にて添加して反応させる工程である。
−Z3−Z4−E2 (6)
一般式(6)中、Z3は、炭素数1〜10のアルキレン基、またはアルキルアリーレン基であり、Z4はメチレン基、硫黄原子、または酸素原子であり、E2はエポキシ基を有する炭素数2〜10の炭化水素基である。
第3工程は、第2工程で得られるポリオルガノシロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(2)で表される化合物を反応させる工程である。
特定共役ジエン系ゴムは、芳香族ビニル単量体単位0〜20質量%を含むものであり、本発明の効果がより優れる理由から、0〜18質量%を含むものが好ましい。
また、特定共役ジエン系ゴムは、本発明の効果がより優れる理由から、共役ジエン単量体単位80〜100質量%を含むものが好ましく、82〜100質量%を含むものがより好ましい。
特定共役ジエン系ゴムにおける共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量は、8〜40質量%であり、本発明の効果がより優れる理由から、8〜38質量%が好ましく、8〜35質量%がより好ましい。
また、特定共役ジエン系ゴムのカップリング率は、特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましく、また、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましく、70質量%以下が特に好ましい。なお、カップリング率は、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンおよび一般式(2)で表される化合物、ならびに、必要に応じて用いられるカップリング剤やその他の変性剤と反応させる前の活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖のピークトップ分子量の1.8倍以上の分子量を有する重合体分子の、最終的に得られた共役ジエン系ゴムの全量に対する質量分率であり、このときの分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めるものとする。
また、特定共役ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定される値で、300,000〜600,000であり、320,000〜600,000が好ましく、350,000〜550,000がより好ましく、400,000〜500,000が特に好ましい。特定共役ジエン系ゴムの重量平均分子量を上記範囲内とすることにより、共役ジエン系ゴムへのシリカの配合が容易となり、本発明の効果がより優れるものとなる。
特定共役ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、本発明の効果がより優れる理由から、20〜100が好ましく、30〜90がより好ましく、35〜80が特に好ましい。なお、共役ジエン系ゴムを油展ゴムとする場合は、その油展ゴムのムーニー粘度を上記の範囲とすることが好ましい。
特定共役ジエン系ゴムのガラス転移温度(Tg)は、−100〜−50℃であり、−100〜−55℃が好ましく、−95〜−60℃がより好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内にあれば、本発明の効果がより優れたものとなる。
ここで、ガラス転移温度は、デュポン社製の示差熱分析計(DSC)を用い、ASTM D3418−82に従い、昇温速度10℃/minで測定した値である。
共役ジエン系ゴム中の特定共役ジエン系ゴムの含有量は、20質量%以上であり、本発明の効果がより優れる理由から、30質量%以上が好ましい。その上限値は、本発明の効果がより優れる点から、80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
本発明の組成物における共役ジエン系ゴムは、スチレンブタジエンゴム(A)を含有する。
スチレンブタジエンゴム(A)は、スチレン単量体およびブタジエン単量体を用いて製造することができる。
スチレンブタジエンゴム(A)の製造に使用されるスチレン単量体としては、特に制限されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、ジメチルアミノメチルスチレン、およびジメチルアミノエチルスチレンなどを挙げることができる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレン、および4−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。これらのスチレン単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレンブタジエンゴム(A)の製造に使用されるブタジエン単量体としては、特に制限されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、またはイソプレンを用いることが好ましく、1,3−ブタジエンを用いることがより好ましい。これらのブタジエン単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレンブタジエンゴム(A)のブタジエン単量体単位の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、80質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましい。スチレンブタジエンゴム(A)のブタジエン単量体単位の含有量の下限値は、本発明の効果がより優れる理由から、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましい。
スチレンブタジエンゴム(A)におけるブタジエン単量体単位中のビニル結合含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、10〜80質量%が好ましく、10〜75質量%がより好ましい。
シリカと相互作用する官能基の結合位置としては、特に限定されず、例えば、スチレンブタジエンゴム(A)の主鎖および末端が挙げられる。
シリカと相互作用する官能基としては、例えば、ヒドロカルビルオキシシリル基、シラノール基、ヒドロキシル基(シラノール基を除く。)、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アミド基、チオール基、シロキサン結合、エーテル結合などが挙げられ、シロキサン結合が好ましい。
ここで、上記スチレンブタジエン重合体鎖は、重合体ブロックXと、上記重合体ブロックXと一続きに形成された重合体ブロックYとを有することが好ましい。
上記重合体ブロックXは、イソプレン単位およびスチレン単位を含み、イソプレン単位含有量が80〜95質量%であり、スチレン単位含有量が5〜20質量%であり、重量平均分子量が500〜15,000である。上記重合体ブロックYは、1,3−ブタジエン単位およびスチレン単位を含む。
スチレンブタジエンゴム(AS)は、本発明の効果がより優れる理由から、下記工程XとYとZとをこの順に備えるスチレンブタジエンゴムの製造方法により製造されるスチレンブタジエンゴムであることが好ましい。
・工程X:イソプレンおよびスチレンを含む単量体混合物を重合することにより、イソプレン単位含有量が80〜95質量%であり、スチレン単位含有量が5〜20質量%であり、重量平均分子量が500〜15,000である、活性末端を有する重合体ブロックXを形成する工程
・工程Y:上記重合体ブロックXと、1,3−ブタジエンおよびスチレンを含む単量体混合物とを混合して重合反応を継続し、活性末端を有する重合体ブロックYを、上記重合体ブロックXと一続きにして形成することにより、上記重合体ブロックXおよび上記重合体ブロックYを有する、活性末端を有するスチレンブタジエン共重合体鎖を得る工程
・工程Z:上記スチレンブタジエン共重合体鎖の上記活性末端に、ポリオルガノシロキサンを反応させる工程
各工程の具体例については特開2016−47883号公報の段落[0017]〜[0054]に記載のとおりであり、その内容は本明細書に参照として取り込まれる。
スチレンブタジエンゴム(AS)のビニル結合含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、20〜35質量%が好ましく、25〜30質量%がより好ましい。なお、ビニル結合含有量とは、スチレンブタジエンゴム(AS)に含まれる共役ジエン単位のうち、ビニル結合が占める割合(質量%)を指す。
スチレンブタジエンゴム(A)の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定される値で、650,000以上であり、本発明の効果がより優れる理由から、800,000以上が好ましく、900,000以上がより好ましい。スチレンブタジエンゴム(A)の重量平均分子量(Mw)の上限値は、1,800,000以下が好ましく、1,500,000以下がより好ましい。
スチレンブタジエンゴム(A)のガラス転移温度(Tg)は、−40〜−15℃であり、−37〜−15℃が好ましく、−33〜−15℃がより好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内にあれば、本発明の効果がより優れたものとなる。
ここで、ガラス転移温度は、デュポン社製の示差熱分析計(DSC)を用い、ASTM D3418−82に従い、昇温速度10℃/minで測定した値である。
共役ジエン系ゴム中のスチレンブタジエンゴム(A)の含有量は、20質量%以上であり、本発明の効果がより優れる理由から、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。その上限値は、本発明の効果がより優れる点から、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
共役ジエン系ゴム中の特定共役ジエン系ゴムとスチレンブタジエンゴム(A)との含有量の比(特定共役ジエン系ゴム/スチレンブタジエンゴム(A))は、本発明の効果がより優れる理由から、0.2〜2が好ましく、0.2〜1がより好ましい。
共役ジエン系ゴムは、上記特定共役ジエン系ゴムおよび上記スチレンブタジエンゴム(A)以外のゴム成分(その他のゴム成分)を含有してもよい。
そのようなその他のゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)(ただし、上記スチレンブタジエンゴム(A)を除く)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR)、クロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、天然ゴム(NR)またはブタジエンゴム(BR)が好ましい。
共役ジエン系ゴム中のその他のゴム成分の含有量は特に制限されないが、10質量%以下が好ましく、0〜10質量%がより好ましく、0〜5質量%が特に好ましい。
本発明の組成物に含有されるシリカは、特に制限されず、従来公知の任意のシリカを用いることができる。上記シリカの具体例としては、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。
シリカの含有量の上限は特定に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上述した共役ジエン系ゴム100質量部に対して、200質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましく、100質量部以下がさらに好ましい。
本発明の組成物に含有されるシランカップリング剤は、加水分解性基および有機官能基を有するシラン化合物であれば特に制限されない。
上記加水分解性基は特に制限されないが、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、アルコキシ基が好ましい。加水分解性基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素数は、本発明の効果がより優れる理由から、1〜16が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
(CnH2n+1O)3−Si−CmH2m−S−CO−CkH2k+1 一般式(S)
一般式(S)中、nは1〜3の整数を表し、mは1〜5の整数(好ましくは、2〜4の整数)を表し、kは1〜15の整数(好ましくは、5〜10の整数)を表す。
本発明の組成物は、必要に応じて、上述した成分以外の成分(任意成分)を含有することができる。
そのような成分としては、例えば、シリカ以外の充填剤(例えば、カーボンブラック)、テルペン樹脂(好ましくは、芳香族変性テルペン樹脂)、熱膨張性マイクロカプセル、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加工助剤、プロセスオイル、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤などが挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、カーボンブラックを含有するのが好ましい。
上記カーボンブラックは特に限定されず、例えば、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、FEF、GPF、SRF等の各種グレードのものを使用することができる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50〜200m2/gが好ましく、70〜150m2/gがより好ましい。
ここで、窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは100〜160℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
また、本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造された空気入りタイヤである。なかでも、本発明の組成物をタイヤトレッド(キャップトレッド)に用いた(配置した)空気入りタイヤであることが好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表す空気入りタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
なお、タイヤトレッド部3は上述した本発明の組成物により形成されている。
以下のとおり、特定共役ジエン系ゴム1〜2および比較共役ジエン系ゴム1〜2を製造した。
ここで、特定共役ジエン系ゴム1〜2は上述した第1〜3工程を備える共役ジエン系ゴムの製造方法により製造される共役ジエン系ゴムであり、上述した特定共役ジエン系ゴムに該当する。さらに、特定共役ジエン系ゴム1は第1工程が上述した工程Aと工程Bとを備えるものであり、特定共役ジエン系ゴムがPIブロックを有する。
一方、比較共役ジエン系ゴム1および2は上述した第1〜2工程を備える(上述した第3工程を備えない)共役ジエン系ゴムの製造方法により製造される共役ジエン系ゴムであり、上述した特定共役ジエン系ゴムに該当しない。
窒素置換された800mlアンプル瓶に、シクロヘキサン70.0g、およびテトラメチルエチレンジアミン0.77mmolを添加し、さらに、n−ブチルリチウム7.69mmol(nーブチルリチウム1モルに対する、極性化合物としてのテトラメチルエチレンジアミンの量が0.10モルとなる量)を添加した。次いで、イソプレン27.9g、およびスチレン2.1gをゆっくりと添加し、温度50℃としたアンプル瓶内で120分間反応させることにより、活性末端を有する重合体ブロック(A)を得た。この重合体ブロック(A)の重量平均分子量(Mw)は6,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.10、スチレン単量体単位含有量は7.0質量%、イソプレン単量体単位含有量は93.0質量%、およびビニル結合含有量は7.7質量%であった。
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン800g、1,3−ブタジエン120gを仕込んだ後、n−ブチルリチウム1.00mmolを加え、80℃で重合を開始した。90分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、上記式(11)で表されるポリオルガノシロキサン0.32g(ポリオルガノシロキサン中のシロキサン構造(−S−O−)の繰り返し単位数に換算して、使用したn−ブチルリチウムの1.1倍モルに相当する量)を添加し、30分間反応させた。次いで、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン1.00mmol(使用したn−ブチルリチウムの1.0倍モルに相当する量)を添加し、10分間反応させた。その後、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加して、共役ジエン系ゴムを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤として、イルガノックス1520L(BASF社製)を、共役ジエン系ゴム100部に対して0.15部添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴムを得た。得られた共役ジエン系ゴムを特定共役ジエン系ゴム2とする。特定共役ジエン系ゴム2の重量平均分子量(Mw)は485,000、カップリング率は55.5%、スチレン単量体(芳香族ビニル単量体)単位含有量は0質量%、ビニル結合含有量は9.8質量%、ガラス転移温度(Tg)は−93℃、分子量分布(Mw/Mn)は1.6であった。
3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン7.69mmolを添加しなかったこと以外は、特定共役ジエン系ゴム1と同様に操作して、固形状の共役ジエン系ゴムを得た。得られた共役ジエン系ゴムを比較共役ジエン系ゴム1とする。比較共役ジエン系ゴム1の重量平均分子量(Mw)は450,000、カップリング率は56.8%、スチレン単量体(芳香族ビニル単量体)単位含有量は15.0質量%、ビニル結合含有量は30.0質量%、ガラス転移温度(Tg)は−63℃、分子量分布(Mw/Mn)は1.6であった。
3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン1.00mmolを添加しなかったこと以外は、特定共役ジエン系ゴム2と同様に操作して、固形状の共役ジエン系ゴムを得た。得られた共役ジエン系ゴムを比較共役ジエン系ゴム2とする。比較共役ジエン系ゴム2の重量平均分子量(Mw)は460,000、カップリング率は54.0%、スチレン単量体(芳香族ビニル単量体)単位含有量は0質量%、ビニル結合含有量は9.1質量%、ガラス転移温度(Tg)は−93℃、分子量分布(Mw/Mn)は1.6であった。
SBR(A1)〜(A4)および比較SBRは上述した第1〜3工程を備える共役ジエン系ゴムの製造方法により製造される共役ジエン系ゴムでないため、上述した特定共役ジエン系ゴムに該当しない。このうち、SBR(A1)〜(A4)は、ガラス転移温度が−40〜−15℃であり、重量平均分子量(Mw)が650,000以上であるため、上述したスチレンブタジエンゴム(A)に該当する。一方、比較SBRは重量平均分子量(Mw)が650,000未満であるため、上述したスチレンブタジエンゴム(A)に該当しない。
SBR(A1)は、旭化成社製のF3420(スチレンブタジエンゴム、重量平均分子量(Mw):900,000、芳香族ビニル単量体(スチレン単量体)単位含有量:37質量%、ビニル結合含有量:41質量%、ガラス転移温度:−27℃、分子量分布:2.3)である。
SBR(A2)は、JSR BST Elastomer Co., Ltd.,製の重量平均分子量(Mw)は1,130,000、スチレン単量体単位含有量は40質量%、ビニル結合含有量は38質量%、ガラス転移温度(Tg)は−25℃、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。
窒素置換された100mLアンプル瓶に、シクロヘキサン(35g)、およびテトラメチルエチレンジアミン(1.4mmol)を添加し、さらに、n−ブチルリチウム(4.3mmol)を添加した。次いで、イソプレン(21.6g)、およびスチレン(3.1g)をゆっくりと添加し、50℃のアンプル瓶内で120分反応させることにより、活性末端を有する重合体ブロックAを得た。この重合体ブロックAについて、重量平均分子量、分子量分布、芳香族ビニル単量体単位含有量、イソプレン単量体単位含有量、および1,4−結合含有量を測定したところ、重量平均分子量は8,700、分子量分布は1.10、芳香族ビニル単位含有量は12.6質量%、イソプレン単位含有量は87.4質量%、1,4−結合含有量は58.0質量%であった。
次に、攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン(4000g)、1,3−ブタジエン(474.0g)、およびスチレン(126.0g)を仕込んだ後、上記にて得られた活性末端を有する重合体ブロックAを全量加え、50℃で重合を開始した。重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、次いで、上記式11)で表されるポリオルガノシロキサンを、エポキシ基の含有量が1.42mmol(使用したn−ブチルリチウムの0.33倍モルに相当)となるように、20質量%濃度のキシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加して、共役ジエン系ゴムを含有する溶液を得た。この溶液に、老化防止剤(イルガノックス1520、BASF社製)を少量添加し、伸展油としてフッコールエラミック30(新日本石油(株)製)を特定共役ジエン系ゴム100質量部に対して25質量部添加した後、スチームストリッピング法により固形状のゴムを回収した。得られた固形状のゴムをロールにより脱水し、乾燥機中で乾燥を行い、固形状のスチレンブタジエンゴムを得た。得られたスチレンブタジエンゴムをSBR(A3)とする。
SBR(A3)の重量平均分子量は660,000、カップリング率は12.5質量%、スチレン単量体単位含有量は43質量%、ビニル結合含有量は31質量%、分子量分布(Mw/Mn)は1.7であった。
SBR(A4)は、日本ゼオン社製のNipol 1746(スチレンブタジエンゴム、重量平均分子量(Mw):780,000、スチレン単量体単位含有量:25質量%、ビニル結合含有量:68質量%、ガラス転移温度:−18℃、分子量分布:1.7)である。
比較SBRは、日本ゼオン社製のNipol NS616(スチレンブタジエンゴム、重量平均分子量(Mw):450,000、スチレン単量体単位含有量:22質量%、ビニル結合含有量:63質量%、ガラス転移温度(Tg):−22℃、分子量分布(Mw/Mn):1.4)である。
下記表1に示す成分を、同表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記表1に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて140℃付近に温度を上げてから、5分間混合した後に放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、タイヤトレッド用ゴム組成物を得た。
なお、ゴム成分が油展品である場合、質量部はゴムの正味の量(オイルを除いた量)を表す。
得られたタイヤトレッド用ゴム組成物について下記のとおり評価を行った。
得られたタイヤトレッド用ゴム組成物(未加硫)を金型(15cm×15cm×0.2cm)中で、160℃で40分間プレス加硫して加硫ゴムシートを作製した。
得られた加硫ゴムシートについて、JISK6394:2007に準じ、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件でtanδ(60℃)を測定した。
結果を表1に示す。結果は比較例1を100とする指数で表した。指数が小さい方が転がり性能(低転がり抵抗性)に優れる。実用上、99以下が好ましい。
得られた加硫ゴムシートについて、JIS K6264−1、2:2005に準拠し、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所製)を用いて、温度20℃、スリップ率50%の条件で摩耗減量を測定した。
結果を第1表に示す。結果は比較例1の摩耗量を100として、次式により指数化したものを表した。指数が大きいほど摩耗量が小さく、タイヤにしたときに耐摩耗性に優れる。実用上、101以上が好ましい。
耐摩耗性=(比較例1の摩耗量/試料の摩耗量)×100
得られたタイヤトレッド用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤを加硫成形した。得られた空気入りタイヤをリムサイズ16×7Jのホイールに組み付けて、空気圧を350kPaとして試験車両に装着し、未舗装路において1,000kmを走行した後、タイヤを目視で観察して外傷の数を計測した。評価結果は以下の10段階で示した。この評価点が「6〜7」であれば従来レベルより良好な耐久性を維持し、評価点が「8以上」であると特に優れた耐久性を発揮したことを意味する。
1:外傷数が30以上、2:外傷数が25〜29、3:外傷数が20〜24、4:外傷数が15〜19、5:外傷数12〜14、6:外傷数が9〜11、7:外傷数が6〜8、8:外傷数が3〜5、9:外傷数が1〜2、10:外傷数が0
・特定共役ジエン系ゴム1:上述のとおり製造した特定共役ジエン系ゴム1
・特定共役ジエン系ゴム2:上述のとおり製造した特定共役ジエン系ゴム2
・比較共役ジエン系ゴム1:上述のとおり製造した比較共役ジエン系ゴム1
・比較共役ジエン系ゴム2:上述のとおり製造した比較共役ジエン系ゴム2
・SBR(A1):上述のとおり製造したSBR(A1)
・SBR(A2):上述のとおり製造したSBR(A2)
・SBR(A3):上述のとおり製造したSBR(A3)
・SBR(A4):上述のSBR(A4)
・比較SBR:上述のとおり製造した比較SBR
・9100GR:ULTRASIL 9100GR(シリカ、Evonik社製)
・N339:ショウブラックN339(カーボンブラック、キャボットジャパン社製)
・NXT:上述した一般式(S)で表されるシランカップリング剤(ここで、上述した一般式(S)中、n=2、m=3、k=7である。)
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種(正同化学工業社社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日油社製)
・老化防止剤:オゾノン6C(精工化学社製)
・プロセスオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量95.24質量%、鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤(CZ):大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
・加硫促進剤(DPG):1,3−ジフェニルグアニジン(ソクシノールD−G、住友化学工業社製)
実施例1および3〜5の対比から、スチレンブタジエンゴム(A)中のスチレン単量体単位含有量が35質量%以上である実施例3〜5は、より優れた耐摩耗性および耐チッピング性を示した。なかでも、スチレンブタジエンゴム(A)の重量平均分子量が800,000以上である実施例4および5は、より優れた耐摩耗性および耐チッピング性を示した。
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (6)
- 特定共役ジエン系ゴムを20質量%以上と、スチレンブタジエンゴムを20質量%以上と、を含む共役ジエン系ゴムと、
シリカと、
シランカップリング剤とを含有し、
前記シリカの含有量が、前記共役ジエン系ゴム100質量部に対して、30質量部以上であり、
前記シランカップリング剤の含有量が、前記シリカの含有量に対して、3〜30質量%であり、
前記特定共役ジエン系ゴムが、不活性溶媒中で、重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を含む単量体を重合し、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を得る第1工程と、前記活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサンを、前記第1工程で使用した重合開始剤1モルに対して、前記ポリオルガノシロキサン中のシロキサン構造(−Si−O−)の繰り返し単位数換算で1モル以上の割合にて添加して反応させる第2工程と、前記第2工程で得られるポリオルガノシロキサンを反応させた共役ジエン系重合体鎖に、下記一般式(2)で表される化合物を反応させる第3工程とを備える共役ジエン系ゴムの製造方法により製造される共役ジエン系ゴムであり、
前記特定共役ジエン系ゴム中の芳香族ビニル単量体単位の含有量が0〜20質量%であり、前記特定共役ジエン系ゴムにおける共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が8〜40質量%であり、
前記特定共役ジエン系ゴムは、ガラス転移温度が−100〜−50℃であり、重量平均分子量(Mw)が300,000〜600,000であり、
前記スチレンブタジエンゴムは、ガラス転移温度が−40〜−15℃であり、重量平均分子量(Mw)が650,000以上である、タイヤトレッド用ゴム組成物。
一般式(1)中、R1〜R8は、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。
一般式(1)中、X1およびX4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、および、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基からなる群より選ばれるいずれかの基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。
一般式(1)中、X2は、炭素数1〜5のアルコキシ基、またはエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基であり、複数あるX2は、それらは互いに同一であっても相違していてもよい。
一般式(1)中、X3は、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、X3が複数あるときは、それらは互いに同一であっても相違していてもよい。
一般式(1)中、mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数であり、m+n+kは3以上である。
一般式(2)中、R9は、ヒドロカルビル基である。
一般式(2)中、A1は、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖とポリオルガノシロキサンとの反応により生成した反応残基と反応しうる一価の基である。
一般式(2)中、A2は、窒素原子を含有する一価の基である。
一般式(2)中、pは0〜2の整数、qは1〜3の整数、rは1〜3の整数、p+q+r=4である。 - 前記スチレンブタジエンゴム中のスチレン単量体単位の含有量が35質量%以上である、請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記スチレンブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)が800,000以上である、請求項1または2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記スチレンブタジエンゴムが、シリカと相互作用する官能基として、ヒドロカルビルオキシシリル基、シラノール基、ヒドロキシル基(シラノール基を除く。)、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アミド基、チオール基、シロキサン結合、およびエーテル結合からなる群から選択される少なくとも1つを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記特定共役ジエン系ゴムが、
イソプレン単量体単位80〜100質量%および芳香族ビニル単量体単位0〜20質量%を含む重合体ブロック(A)と、
1,3−ブタジエン単量体単位50〜100質量%および芳香族ビニル単量体単位0〜50質量%を含む重合体ブロック(B)とが一続きにして形成された構造を有する、請求項1〜4のいずれか1項にタイヤトレッド用ゴム組成物。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤトレッド部を備える、空気入りタイヤ。
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