JP6879267B2 - 耐火物ライニング構造体、および温度センサ - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態における溶鋼容器1に適用された耐火物ライニング構造体を模式的に示す図である。図2は、図1に示す溶鋼容器1の部分拡大図である。
図3は、図2に示す温度センサ10の拡大図である。図3に示すように、温度センサ10は、石英ガラスファイバ11からなる光ファイバセンサであり、樹脂12で被覆された石英ガラスファイバ11が金属管13に挿入されている。石英ガラスファイバ11は、屈折率の高い光ファイバ素線であるコア11aと、屈折率の低い光ファイバ素線であるクラッド11bとからなる。樹脂12は光ファイバの被覆樹脂であり、例えばポリイミド樹脂からなる。そして、金属管13内の空間14には、酸素濃度2%以下でありかつ水蒸気濃度10g/m3以下であるガスが充填または通気されている。
本実施形態では、溶鋼容器1の鉄皮6と外張り耐火物4との間に温度センサ10を設けたことにより、外張り耐火物4と鉄皮6の温度をより直接的に測定することができる。これにより、内張り耐火物3の亀裂への溶融金属の差し込みが、外張り耐火物4や鉄皮6近傍まで達して漏鋼の危険があるかどうかを適切に判別できる。溶融金属には、溶鋼に限らず、溶銑が含まれる。本発明に係る耐火物ライニング構造体には、溶鋼容器1に限らず、溶銑を収容する溶銑容器を対象とする耐火物ライニング構造も含まれる。
溶銑容器や溶鋼容器1においては、溶銑や溶鋼と接している内張り耐火物3の内面3aは1300〜1700℃の高温となり、外気と接する鉄皮6の外面6aの温度は常温〜600℃である。耐火物構造体2の内部の温度は、内張り耐火物3の内面3aから鉄皮6の外面6aにかけて単調に下がり、外張り耐火物4の外面の温度は鉄皮6の外面6aの温度とほぼ等しくなる。内張り耐火物3の外面の温度および外張り耐火物4の内面の温度は、内張り耐火物3の残厚によって変化し、残厚が厚い時は200℃程度であり、内張り耐火物3の損耗が進んで残厚が薄くなると800℃程度まで上昇する。すなわち、内張り耐火物3の内部の温度は内張り耐火物3の損耗が進んで残厚が薄くなると800℃以上となる。800℃以上の温度では石英ガラスファイバ11を被覆する樹脂12は昇華消失する。
温度変化が急激な場所では、石英ガラスファイバ11を保護する金属管13の熱膨張によって石英ガラスファイバ11が破断することがあった。そこで、温度変化に伴う金属管13の熱膨張による石英ガラスファイバ11の破断を抑制するために、金属管13の内径を1.6mmから1.8mmへと大きくした。金属管13の内径が1.8mmの場合、例えば直径4.2mの有底円筒状に形成された溶鋼容器1の円筒部側面の円周方向に沿って石英ガラスファイバ11を敷設しても、石英ガラスファイバ11が破断することを回避できた。これは、金属管13の内径を大きくして空間14を広くしたことによって、太さが0.1mm程度と金属管13の内径よりもはるかに細い石英ガラスファイバ11を空間14内により冗長に蛇行させておくことが可能となり、金属管13の熱膨張で発生する引っ張り応力を低減できたと考えられる。このように、金属管13の内径は1.8mm以上であることが望ましい。また、石英ガラスファイバ11を保護する金属管13の内径が大きいほど、より大きな設備へ温度センサ10を敷設しても石英ガラスファイバ11が破断することを回避できると考えられる。
上述したように、温度センサ10の設置箇所、金属管13内部のガス、ならびに金属管13の内径と外径を工夫しても、何らかの変形や衝撃によって、温度センサ10の石英ガラスファイバ11が破断することはまれにある。また、内張り耐火物3と外張り耐火物4との境界まで溶鋼が差し込んで石英ガラスファイバ11が900℃以上にさらされて結晶化などの変質をして測温が困難になっても、内張り耐火物3の損耗部位が狭い範囲であれば吹き付けなどの熱間補修を施したうえで耐火物を解体再施工することなく使用を継続する場合がある。このような場合には、次の外張り耐火物4の更新で石英ガラスファイバ11を再施工するまでの間、石英ガラスファイバ11の測温による異常損耗検知ができない状態で使用を継続することになり、予防的な熱間補修や使用を中断しての点検を余儀なくされる。
実施例1では、上述したライニング施工を施した実施形態の溶鋼容器1において、溶鋼容器1の外径を4m、鉄皮6の厚さを38mm、外張り耐火物4を厚さ60mmの高アルミナ質とした。温度センサ10については、石英ガラスファイバ11の外径を0.15mmとして、ポリイミド樹脂からなる樹脂12を被覆した。また、金属管13は内径2.2mm,外径3.2mmのステンレス製とした。この金属管13に挿入された石英ガラスファイバ11を有する温度センサ10は、鉄皮6と外張り耐火物4との間の位置にモルタル5を用いて敷設されている。モルタル5の厚さは金属管13の外径よりもやや大きい4mmとした。
比較例1では、上記実施例1と同様のライニング施工を施した溶鋼容器1を対象として、金属管13内にガスを充填または通気させることはせず、大気雰囲気のままで温度センサ10を敷設して使用した。その結果、溶鋼容器1の使用開始初日に石英ガラスファイバ11による温度測定が不能となった。温度センサ10を回収して調査したところ、石英ガラスファイバ11を被覆していたポリイミド樹脂が消失しており、石英ガラスファイバ11が破断していた。
比較例2では、温度センサ10の設置位置を、上記実施例1での鉄皮6と外張り耐火物4との間から、外張り耐火物4と内張り耐火物3との間に変更してモルタル5を用いて施工した。その結果、比較例2では、溶鋼容器1の使用開始後1週間程度で石英ガラスファイバ11による温度測定が不能となった。温度センサ10を回収して調査したところ、石英ガラスファイバ11を被覆していたポリイミド樹脂が消失しており、石英ガラスファイバ11が破断していた。
比較例3では、上記比較例2と同様のライニング施工を施した溶鋼容器1において、石英ガラスファイバ11を挿入した金属管13の中に通気するガスを、市販の純度99.9999%のアルゴンに変更した。その結果、溶鋼容器1の使用開始後1週間程度で石英ガラスファイバ11による温度測定が不能となった。温度センサ10を回収して調査したところ、石英ガラスファイバ11を被覆していたポリイミド樹脂が消失しており、石英ガラスファイバ11が破断していた。
実施例2では、上記実施例1の温度センサ10から、金属管13の外径を6.0mm、内径を4.6mmに変更して実施した。その他、溶鋼容器1の施工は、実施例1と同様である。その結果、溶鋼容器1を使用開始して12か月経過しても石英ガラスファイバ11による温度測定は可能であり、複数回の内張り耐火物3の解体再施工にわたって石英ガラスファイバ11は再施工することなく継続的に使用できた。しかし、金属管13の外径が大きくなったためにモルタル5の施工厚さが増加し、モルタル層内に空隙などの欠陥が見られたため、施工を熟練工に限定する必要があった。
実施例3では、上記実施例1の施工を、金属管13の外径を2.6mm,内径を1.6mmに変更し、かつ、溶銑容器に施した。溶鋼容器1に対して溶銑容器は、保持する内容物が1600℃前後の溶鋼に対して1400℃前後の溶銑であることと、溶融金属を受けてから空になって次に溶融金属を受けるまでの使用サイクルが6時間に対して12時間であることから、使用する温度域が低く温度変動も緩やかであるという違いがある。その結果、溶銑容器を使用開始して12か月経過しても石英ガラスファイバ11による温度測定は可能であり、複数回の内張り耐火物3の解体再施工にわたって石英ガラスファイバ11は再施工することなく継続的に使用できた。この実施例3の結果から、本発明は溶鋼容器に限らず溶銑容器にも適用可能、すなわち溶融金属を内容物として収容する溶融金属容器に適用可能であることが分かった。
比較例4では、上記実施例3と同様に金属管13の外径を2.6mm,内径を1.6mmとし、上記実施例3の施工を、溶鋼容器1に施した。その結果、溶鋼容器1の使用開始の3日目に石英ガラスファイバ11による温度測定が不能となった。温度センサ10を回収して調査したところ、石英ガラスファイバ11を被覆するポリイミド樹脂は残存していたものの、石英ガラスファイバ11が破断していた。
比較例5では、上記実施例1の施工を、金属管13に通気するアルゴンを常温で25リットル/minの流量に変更して実施した。その結果、測温の位置がガスの下流側に100mm以上ずれ、かつ前後に平滑化されて位置解像度が低下したことに加えて、測定温度が低下した。
実施例4では、上記実施例1の施工を、金属管13にアルゴンを常温で15リットル/minで1時間通気した後に停止し、圧力300kPaで充填した状態で気密保持するように変更して実施した。さらに、溶鋼容器1の使用開始後も金属管13内のアルゴンの圧力を監視した。その結果、溶鋼容器1を使用開始して6か月経過しても石英ガラスファイバ11による温度測定は可能であり、複数回の内張り耐火物3の解体再施工にわたって石英ガラスファイバ11は再施工することなく継続的に使用できた。そして、7か月目に石英ガラスファイバ11の測定温度が900℃の異常高温を示したので、溶鋼容器1の使用を中断して耐火物を点検した。点検の結果、内張り耐火物3が局部的に剥離消失し、当該部位の外張り耐火物4が一部損耗していたが、狭い範囲であったので吹き付け熱間補修を行い、溶鋼容器1の使用を再開した。900℃の異常高温を示した部分の石英ガラスファイバ11は温度の測定が不可能となっていたが、金属管13の気密性は損なわれておらず、常温で圧力300kPaで充填し、気密保持することは継続できた。溶鋼容器1の使用を再開した2週間後に、金属管13内のガスの圧力が大気圧であるところの100kPaに降下したので溶鋼容器1の使用を中断して、内張り耐火物3を点検した。点検の結果、前回局部的に損耗して吹き付け熱間補修をおこなった部位が再度損耗しており、外張り耐火物4の目地まで溶鋼が侵入していたので解体再施工を実施することとした。
2 耐火物構造体
3 内張り耐火物
4 外張り耐火物
5 モルタル
6 鉄皮
7 スライディングノズル
8 スライディングノズル駆動機構
9 パワーシリンダ
10 温度センサ
11 石英ガラスファイバ
11a コア
11b クラッド
12 樹脂
13 金属管
14 空間
20 接続箱
30 端末箱
40 ガス出入口
41 ガス供給配管
50 圧力計
60 ラマン散乱測定機器
Claims (4)
- 鉄皮側から順に、モルタル、外張り耐火物、内張り耐火物を有する溶融金属容器の耐火物ライニング構造体であって、
前記鉄皮と前記外張り耐火物との間に施工されるモルタル層に、樹脂で被覆された石英ガラスファイバが、内径1.8mm以上でありかつ外径が5.0mm以下である金属管に挿入されている温度センサを設け、
前記温度センサは、前記金属管内に酸素濃度2%以下でありかつ水蒸気濃度10g/m3以下であるガスが、充填または常温における流速が0〜75m/sの流速で通気されている
ことを特徴とする耐火物ライニング構造体。 - 前記金属管内に充填または通気されている前記ガスの圧力を測定する圧力測定装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の耐火物ライニング構造体。
- 溶融金属容器の鉄皮と耐火物との間に施工されるモルタル層内に敷設される温度センサであって、
樹脂で被覆された石英ガラスファイバが、内径が1.8mm以上でありかつ5.0mm以下である金属管に挿入された構造を有するとともに、前記金属管内には、酸素濃度2%以下でありかつ水蒸気濃度10g/m3以下であるガスが、充填または常温における流速が0〜75m/sの流速で通気されていることを特徴とする温度センサ。 - 前記金属管内に充填または通気されている前記ガスの圧力を測定する圧力測定装置を備えることを特徴とする請求項3に記載の温度センサ。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2018110892A JP6879267B2 (ja) | 2018-06-11 | 2018-06-11 | 耐火物ライニング構造体、および温度センサ |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP2018110892A JP6879267B2 (ja) | 2018-06-11 | 2018-06-11 | 耐火物ライニング構造体、および温度センサ |
Publications (2)
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| JP2019215094A JP2019215094A (ja) | 2019-12-19 |
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