JP6880068B2 - 凍結保存生体サンプルの温度監視用の方法及びデバイス - Google Patents

凍結保存生体サンプルの温度監視用の方法及びデバイス Download PDF

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Description

本発明は、凍結保存生体サンプルの温度監視用の方法に関する。本発明は、更に、凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイスに関する。
細胞の低温保存(凍結保存)は、生理的温度に温めた後に再始動可能なように細胞レベルにおいて生命活動を可逆的に停止させる(生命力を維持する)ことができる現状で唯一の可能性である。凍結保存は、大型のバイオバンクによって最近数十年にわたって開発されてきて、病院、製薬会社、種の保存、環境保護、健康対策にとって重要な要素となっている。生体物質は、多様なサイズの低温適合性サンプル容器(クライオ容器)、例えば、チューブ、ストロー、バッグに保管される。凍結保存の場合、保管された生体物質は、そのサンプル物質の生命力を維持しながら凍結され、通常は−80℃未満の温度で、生体収集用には−140℃未満から液体窒素の温度で凍結される。以下では、「低温サンプル(クライオサンプル)」との用語が、凍結保存されたサンプルや、凍結保存されるサンプルに対して使用される。
低温でのサンプル保管については、巨視的サンプル、例えば血液や組織用に多数の方法が開発されている。最近の医薬、遺伝子工学、生物学では、小型サンプルを凍結保存させることが益々多くなっている傾向にある。例えば、懸濁させた細胞や細胞集団を有する僅かな体積の懸濁液(ミリリットル単位以下)を凍結させる。in‐vitro(インビトロ,体外)培養の細胞の凍結保存は、主に懸濁液中において行われる。しかしながら、生物医学的に重要な細胞の多くは、その伝播及び適切な発達のために基質との接触を要する。従って、サンプルは、例えば培養後に、基質に結合された状態で凍結される。
サンプルは国家資源として病院での細胞治療や、製薬やバイオテクノロジー製品の開発、他の多数の事柄において使用されるものであるので、サンプルの質は極めて重要なものである。保管期間は数日から数十年と様々であるが、長期保管の傾向にある。サンプルは冷却容器に保管され、通常は金属の引き出しやラック内に置かれるが、これによって、新たに入れる際や取り出す際にサンプルが温度変動を受ける。生体保管(細胞、細胞懸濁液、組織片)の場合、途切れない連続的な冷却チェーンだけではなくて、深冷段階において大きな温度ジャンプを防止することが、極めて重要な役割を果たす。低温容器(クライオ容器)から取り出す間にサンプルが凍結したままではあるが、気付かぬままに−80℃から−20℃の温度に温められると、質の低下が気付かぬままに生じ、サンプルの価値を低下させるだけではなくて、臨床分野で用いられる際には生命を脅かす事態に繋がり得る。サンプルが短時間解けただけの場合であっても、その再凍結状態においてサンプルが元々の状態に最早一致していないかどうかを見て取ることはできない。生体物質の解凍を特定するだけではなくて、−140℃から−20℃の間の範囲内の閾値温度を超えたことを記録実証することが特に重要である。各サンプルに対する温度の制御及び記録実証は、現状では満たされることが稀な要件であり、満たされるとしても高い技術的コストを伴う。また、解凍後の広範な臨床試験も、貴重なサンプル物質を使用するものであって、低温サンプルがその間に無用なものになった場合であってもコストを発生させることに留意されたい。
従って、本発明の一つの目的は、従来の方法の欠点を回避することができ、単純な方法の実行を特徴とする凍結保存生体サンプルの温度監視用の改善された方法を提供することである。更なる目的は、従来の方法の欠点を回避することができる凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイスを提供することである。
更なる目的は、低温サンプルが僅かな時間であっても所定の閾値温度を超えて温められたかどうかをマーカーから可能な限り単純に特定することができる可能性を提供することである。凍結に先立って−20℃から−140℃までの間の範囲内で閾値温度を設定することができなければならない。これは、数百万個のサンプルに対し、その個別の低温サンプルにおいて素早く簡単に可能とされなければならず、生体物質を変化させてはならず、深冷状態において為されたものでなければならない。サンプルが保管場所から取り出され戻される度に一般的にはラック全体が引き出されるので、複数のサンプルにサンプル変化の危険性があるため、可能であれば、保管容器内においてもサンプルの状態を検出できることが望ましい。本デバイス及び方法は取り扱いが簡単で、低温耐性があり、調整可能であることが望ましい。冷却状態での生体サンプルの保管が総支出において数ユーロしか掛からないことが望ましいので、エネルギーがほとんど又は全く消費されず、コストを最小にしなければならない。また、使用される物質がこの要求を満たさなければならない。
上記目的は、独立請求項に記載の特徴を有するデバイス及び方法によって達成される。本発明の有利な実施形態及び応用は従属請求項から明らかとなるものであり、図面を部分的に参照する以下の説明においてより詳細に説明されるものである。
本発明の第一態様によると、上記目的が、凍結保存生体サンプルの温度監視用の方法によって達成される。凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイスが本方法を実行するために提供される。
本発明の第二態様によると、凍結保存生体サンプルの温度監視用の本デバイスは特許請求可能なものとして開示される。デバイスに関する実施形態、特にその有利な実施形態の変形例については、繰り返しを避けるために、本デバイスに関するデバイスの特徴、また本方法に従って関係するデバイスの特徴として開示されているとみなされるべきものであり、特許請求可能なものである。
凍結保存生体サンプルの温度監視用の本デバイスは、サンプル、特に生体サンプルを収容するための収容空間を有するサンプル容器を備える。本デバイスは指標装置を更に備え、その指標装置は、少なくとも一つの温度閾値を監視するために、サンプル容器の外部に配置可能及び/又は配置されている。指標装置は、指標物質で部分的にのみ充填された少なくとも一つのキャビティを有し、その指標物質の常圧(つまり、1013.25mbar)での融点は−20℃から−140℃の範囲内にある。また、その融点は−20℃から−100℃の範囲内にもあり得る。少なくとも一つのキャビティは、サンプル容器の収容空間に流体的に接続されず、指標物質は、収容空間内に位置するサンプルと直接接触することができないようにされる。「配置可能及び/又は配置されている」との用語は、「取り付け可能及び/又は取り付けられている」、「結合可能及び/又は結合されている」、「接続可能及び/又は接続されている」を含むものである。
少なくとも一つの追加の区画が、指標物質で部分的に充填されていることの結果としての指標要素として用いることができるように、本発明に係るデバイスのチャンバによって提供され、閾値温度を望ましくなく超えたことを表示するようにする。
サンプル容器は、凍結保存(低温保存)に適した容器、例えば、血液や幹細胞の保管用のバッグ(袋)、チューブ、ストロー(シードチューブとも称される)や、凍結保存に適した箱や他の容器である。そのため、このような容器は、低温チューブ(クライオチューブ)、低温ストロー(クライオストロー)、低温バッグ(クライオバッグ)、低温箱(クライオボックス)、まとめて低温容器(クライオ容器)とも称される。
低温チューブ(クライオチューブ)はバイオバンクチューブや低温バンク(精子バンク)チューブとも称される。低温チューブは、生体サンプルを収容するための内部キャビティを形成する収容空間を有する。更に、低温チューブは、通常は、収容空間を閉じるためのカバーを有する。カバーは嵌め込み部を有することができて、ツールを用いその嵌め込み部を介してカバーを回転させることができる。また、低温チューブは、マーク、例えば機械可読コードを有する基部要素を有することもできる。
本方法は、指標物質を凍結させることを更に備えるが、指標物質を凍結させる際には、指標装置の少なくとも一つのキャビティを第一位置に移動させる。第一位置において、液体状態の指標物質は指標装置のキャビティの第一部分空間内に流れて、そこで凍結する。凍結後、特に低温保管の監視段階の前と間とにおいて、凍結した指標物質を有する少なくとも一つのキャビティを、その指標物質の融点未満の或る温度において第二位置に移動させるが、その第二位置においては指標物質の融解が重力の影響の結果として各キャビティ内の指標物質の少なくとも部分的な形状構成変化をもたらす。
形状構成変化は、少なくとも部分的な指標物質の位置変化及び/又は指標物質の形状変化(例えば表面形状の変化)であり得る。指標物質は、第二位置で融解すると重力の影響下で第二部分空間に流れ、温度が融点未満に戻るとそこで再び凍結する。
つまり、指標物質が、そのような幾何学的特性や位置において凍結され、指標装置の少なくとも一つのキャビティが、深冷状態において、例えば保管温度や少なくとも指標物質の設定閾値温度や融点未満でその位置が変更されるので、指標物質の融解は、その位置の変化後に、液体の眼に見える変位やその区別可能な幾何学的特性をもたらす。この液体の変化(例えば、染色されていたり、他の方法で一目瞭然にされたりし得る)に基づいて、閾値温度を超えたかどうかを目視で又は技術的に自動化された方法でも直ちに決定することができる。
本方法によると、凍結保存サンプルを内部に有するサンプル容器と、指標装置とを有するデバイスを凍結保存用に保管することができ、指標装置は、少なくとも一つのキャビティが第二位置に位置するようにしてサンプル容器に対して配置される。
後の時点において、凍結指標物質の形状構成変化、例えば、指標物質の少なくとも部分的な変位及び/又は形状変化が生じたかどうかを調べることができる。
これが当てはまる場合には、指標物質の融点、つまりは監視される閾値温度を、特に短時間であっても超えたと、結論付けることができる。
本発明特有の利点の一つは、指標物質の形状構成変化が、低温サンプルが、短時間であっても、所定の閾値温度を超えて温まったかどうかを直接示すという点である。これは、目視によっても、これに応じて構成された測定装置を用いた技術的に自動化された方法であっても、サンプル容器からサンプルを取り出したり、サンプルを解凍したりせずに、素早く簡単に決定可能である。
特定の好ましい一実施形態によると、指標装置は、それぞれ指標物質で部分的にのみ充填された複数のキャビティを有し得て、指標物質の融点は−20℃から−140°の範囲内にあり、複数のキャビティ内の指標物質は異なる融点を有する。従って、異なる複数の温度閾値を監視することができ、各融点が監視したい複数の温度閾値のうち一つに対応するように各指標物質が選択され及び/又はその混合比が調整される。本実施形態は、サンプルが達した到達温度範囲をより正確に限定することができるという利点を有する。
指標装置、又は指標装置の少なくとも一つのキャビティは更に、例えば、少なくとも一つのプラグ接続、ラッチ接続、クランプ接続、ネジ接続及び/又はクリック接続を用いて、サンプル容器に取り付け可能及び/又は脱着可能に取り付けられているものであり得る。これは、指標装置をサンプル容器とは空間的に別に保管及び準備すること(例えば、第一位置で指標物質を凍結させること)ができるという利点を有する。脱着可能な取り付けとの用語は、特に、指標装置をサンプル容器に押し込んだり、付着したり、差し込んだりすることも含むものである。
更に、指標装置は、その少なくとも一点において透明又は半透明であり得て、少なくとも一つのキャビティ、又はキャビティ内に位置する指標物質の形状構成変化を外部から観測できるようにされる。このため、特に、少なくとも一つのキャビティの壁が、その少なくとも一点において透明又は半透明となり得る。好ましくは、少なくとも一つのキャビティの壁全体が透明又は半透明で実現される。
検出性能を改善するため、指標物質は、指標物質の物理的特性の検出性能を向上させる指標添加剤を含有することができる。例えば、指標添加剤は染料であり、指標物質が着色又は染色されて透明ではなくなり、その形状及び/又は位置が光学的により明らかになる。
原理的には、少なくとも以下の条件を満たすものが染料として可能である:
‐ 少量低濃度であっても強力な染色性能(例えば、<1体積%(一般的には1000分の1又はそれ以下の範囲)の範囲で飽和染料溶液に追加することから始める);
‐ 不凍性;
‐ 取り出し温度及び関連する低温における耐光性;
‐ 指標物質の全成分における可溶性;
‐ 凍結中に分離しないこと;
‐ 指標物質と接触することになるプラスチック物質に反応しないこと。
好ましくは、染料は、トリフェニルメタン染料、ローダミン染料、特にキサンテン、アゾ染料、フェナジン染料、フェノチアジン染料から成る群から選択される。
より具体的な実施形態では、染料は、オイルレッド、メチルレッド、ブリリアントグリーン、ローダミンB、ニュートラルレッド、メチレンブルー、及び細胞学において細胞を染色するのに用いられる他の染料から成る群から選択される。
指標添加剤は、指標物質に当たる電磁放射に対する指標物質の散乱作用及び/又は偏光作用を増大させる粒子、特にナノ粒子であり得る。結果として、光透過測定、散乱測定及び/又は偏光測定を用いて、指標物質の形状構成変化をより確実に検出することができる。指標添加剤は導電性粒子であり得る。指標物質の導電性又はインピーダンスは導電性粒子を加えることによって影響され得る。このようにして、指標物質の形状構成変化を導電性測定又はインピーダンス測定を用いて検出することができる。
好ましい一実施形態によると、本デバイスは、少なくとも一つのキャビティ内の指標物質の位置を検出するように構成された測定装置を有することができる。測定装置は、光学的又は光電気的な測定装置であり得て、指標物質の形状構成変化を、例えば、光透過、散乱光又は反射の測定で確かめることができる。
指標物質として選択可能な物質は、その融点が所定の閾値温度に対応し、それを超過することを監視したいというものである。指標物質は一種の液体又は異なる液体の混合物であり、その融点が所望の閾値温度に対応する。単に例として、水(HO)とエタノール(CO)の混合物、水(HO)と水酸化カリウム(KOH)の混合物、又は、水と不凍剤の混合物が指標物質として選択可能である。混合比は、混合比の関数として融点のプロファイルを示す各場合の融点図に従って調整されて、液体混合物の融点が所望の値、つまりは監視される閾値温度を有するようにされる。
好ましい一実施形態によると、指標物質は、1‐オクタノール、1‐ノナノール、プロパン‐1,2‐ジオール、プロパン‐1,3‐ジオール、ブタン‐1,2‐ジオール、ブタン‐1,3‐ジオール、2‐ブタノール、ペンタン‐1,5‐ジオール、1‐ペンタノール、シクロペンタノール、及びベンジルアルコールから成る群から選択された少なくとも一種のアルコールを備える。少なくとも一種のアルコールは、特に好ましくは、プロパン‐1,3‐ジオール、プロパン‐1,2‐ジオール、及び、2‐ブタノールから選択される。
好ましい他の実施形態によると、指標物質は、以下の少なくとも二種の異なるアルコール成分を備える:
(a)1‐オクタノール、1‐ノナノール、プロパン‐1,2‐ジオール、プロパン‐1,3‐ジオール、ブタン‐1,2‐ジオール、ブタン‐1,3‐ジオール、2‐ブタノール、ペンタン‐1,5‐ジオール、1‐ペンタノール、シクロペンタノール、及びベンジルアルコールから成る群から選択されたアルコール;
(b)1‐オクタノール、1‐ノナノール、プロパン‐1,2‐ジオール、プロパン‐1,3‐ジオール、ブタン‐1,2‐ジオール、ブタン‐1,3‐ジオール、2‐ブタノール、ペンタン‐1,5‐ジオール、1‐ペンタノール、シクロペンタノール、及びベンジルアルコールから成る群から選択され、(a)のアルコール成分よりも低い融点を有するアルコール;
ここで、(a)の成分と(b)の成分の混合比は、混合物の融点が、−20℃から−160℃、特に−25℃から−160℃、又は−50℃から−150℃の範囲内にあるように調整される。
より具体的な実施形態は、指標物質が(a)の成分と(b)の成分の以下の組み合わせのうち一つを備えることを特徴とする:
‐ 5体積%から95体積%の混合比の1‐オクタノールと2‐ブタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比の1‐オクタノールと1‐ペンタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比の1‐オクタノールとプロパン‐1,2‐ジオール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比の1‐ノナノールと2‐ブタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比の1‐ノナノールとプロパン‐1,2‐ジオール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比の1‐ノナノールと1‐ペンタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のプロパン‐1,2‐ジオールと2‐ブタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のプロパン‐1,2‐ジオールとプロパン‐1,3‐ジオール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のプロパン‐1,2‐ジオールとブタン‐1,2‐ジオール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のプロパン‐1,3‐ジオールと2‐ブタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のプロパン‐1,3‐ジオールとブタン‐1,2‐ジオール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のペンタン‐1,5‐ジオールと2‐ブタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のベンジルアルコールと2‐ブタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比の1‐ペンタノールと2‐ブタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比の1‐ペンタノールとメタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のシクロペンタノールと2‐ブタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のシクロペンタノールとプロパン‐1,2‐ジオール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のシクロペンタノールと1‐ペンタノール;
‐ 5体積%から95体積%の混合比のシクロペンタノールとブタン‐1,2‐ジオール;
ここで、示されている混合比の値は、それぞれ、両成分の混合物中の前者の成分の比に関する。
特に好ましい実施形態によると、この指標混合物は、例えば、40体積%から60体積%の混合比のプロパン‐1,2‐ジオールと2‐ブタノール(略−90℃の融点となる)、30体積%から70体積%の混合比のプロパン‐1,2‐ジオールとプロパン‐1,3‐ジオール、又は、30体積%から70体積%の混合比のプロパン‐1,3‐ジオールと2‐ブタノールを備える。
また、指標物質は、好ましくは、少なくとも一種のアルコールに加えて、上述のような少なくとも一種の染料も備える。この染料は、特に好ましくは、オイルレッド、メチルレッド、ブリリアントグリーン、及びローダミンBから成る群から選択される。
より具体的な実施形態では、指標物質が、プロパン‐1,3‐ジオール、プロパン‐1,2‐ジオール、及び2‐ブタノールから選択された二種のアルコール(a)及び(b)を備え、好ましくは上述の混合比で備え、また、オイルレッド、メチルレッド、ブリリアントグリーン、及びローダミンBから成る群から選択された染料を備えることを特徴とする。
アルコール成分中の染料の濃度は、染料とアルコールとに応じて、大きく異なり得る。
強力な着色の場合には、一般的に、濃度は可能な限り低く保たれることが望ましく、染料分子が、それが溶解されるアルコールの凝固及び融解の特性を変化させたり、粘度を増大させたりしないようにする。染料の濃度は、典型的には、<10体積%、特に<1体積%又は<0.1体積%の範囲、つまり、1000分の1又はそれ以下の範囲内にある。
本発明の一変形例では、監視される閾値温度は、指標物質の融点に直接対応せず、融点を超える温度に対応し、その温度において、必要とされる液体の移動を可能とする程度にまで融解した物質の粘度が下がるものとする。
この温度も閾値温度と称され、典型的には、公称の融点より3〜30℃、又は5〜30℃、例えば3〜10℃、3〜20℃、5〜10℃、又は5〜20℃高い温度範囲にある。
従って、有利な一実施形態では、指標物質は、その融点より3〜30℃又は5〜30℃高い温度範囲において液体混合物が、10から10mPa×s、好ましくは10から10mPa×sの範囲内の粘度を有することを特徴とする。
上述のように、サンプル容器は低温チューブ(クライオチューブ)であり得る。この変形例によると、指標装置は、例えば、基部(底部)として低温チューブに取り付け可能なシリンダ体として実現され得る。これは、指標装置が、追加的に当該分野において知られているような低温チューブの基部の機能も担い、低温チューブの直立安定性を保証するという利点を有する。更なる利点は、指標装置が従来の基部と置き換わる場合には追加の設置スペースを要さないという点である。
この場合、特に有利には、シリンダ体が低温チューブと同じ外径を有すると、本デバイスを、低温チューブ用の低温保管装置の従来の保管レセプタクル(受容部)に保管することができる。シリンダ体は透明又は半透明になるように実現され、つまり透明又は半透明の物質から製造され得る。
本発明の更なる実施形態によると、指標装置は、全面が閉じられた中空シリンダとして実現され得て、サンプル容器(例えば、低温チューブの形態)の下側に設けられ、特にサンプル容器の下側に脱着可能に取り付けられ得る。中空シリンダの内部空間が少なくとも一つのキャビティを形成する。
内部空間は、指標物質で部分的に充填された単一のキャビティとして実現され得る。代わりに、内部空間は、互いに流体的に分離されてそれぞれ指標物質で部分的に充填された複数の部分キャビティにも分割され得る。好ましくは、部分キャビティの複数の指標物質は、少なくとも融点が異なるものであって、各部分キャビティによって異なる温度閾値を監視することができるようにされる。
本発明の更なる実施形態によると、指標装置は、基部として、例えば低温チューブの基部としてサンプル容器に取り付けられ得て、また、その下側に少なくとも一つの挿入開口を有し、その挿入開口内に、指標物質で部分的にのみ充填された容器(特に、ピン形状の容器)が脱着可能に保持される。これは、指標物質を含む少なくとも一つの容器を指標装置に素早く柔軟にフィットさせ得るという利点を有する。容器は、例えば、挿入開口に挿入され、その挿入位置において固定され得る。
サンプル容器がシリンダ状のシェル外面を有する場合(例えば、低温チューブ(クライオチューブ)の場合)、本発明に従って可能な更に有利な実現例では、指標装置が中空シリンダとして実現され、低温チューブに取り付けるために、その低温チューブのシェル外面に押し込み可能及び/又は押し込まれている。中空シリンダは、内壁と外壁とを有する二重壁となるように実現される。内壁と外壁との間の中間空間が、少なくとも一つのキャビティを形成し、指標物質で部分的に充填される。
本例示的な実施形態の一つの利点は、指標装置を配置するために必要な修正なしで、従来のサンプル容器が使用可能であるという点である。
中空シリンダのキャビティは、指標物質で部分的に充填される一つのキャビティとして、又は互いに流体的に分離されてそれぞれ指標物質で部分的に充填される複数の部分キャビティに分割されるように実現され得る。
本例示的な実施形態の一変形例によると、中空シリンダは、第一プラスチック物質製であり、サンプル容器は第二プラスチック物質製であり得る。この場合、少なくとも指標物質の融点未満の温度範囲への温度低下の際に、第一プラスチック物質は第二プラスチック物質よりも大きな熱収縮を示す。
つまり、サンプル容器と中空シリンダとのプラスチック物質の膨張率は異なるように選択され得て、中空シリンダを指標物質の融点よりも僅かに低くし又は複数の異なる指標物質を用いる場合にはそのうち最低の融点よりも僅かに低くして、保管温度において中空シリンダをサンプル容器に強引に押し込み、取り外し難くする。従って、誰かが無断でサンプルを温めてしまった場合には、直ちにシリンダを交換しなければならないが、これは、低温タンクにおいてはシリンダが自由に利用できるものではないために、防がれ得る。従って、指標装置を無断で交換することが防止され又は少なくとも困難なものにされ得る。
好ましい更なる実施形態によると、指標装置は、少なくとも一つの中空体、特に細長の中空体を有し、指標物質で部分的にのみ充填され、サンプル容器の側部の外壁に取り付けられる。
この場合、プラグ接続、クリック接続、又はラッチ接続を用いて、中空体をサンプル容器に取り付けることができる。これは、指標物質を有する中空体をサンプル容器に素早く取り付けることを可能にする。更に、中空体はサンプル容器に対して回転可能に取り付けられ得る。この結果として、中空体は、サンプル容器に取り付けられた状態において、第一の位置と第二の位置とに移動可能となる。
更に、サンプル容器の側部外壁にレセプタクル、例えば、鞘や挿入ポケットの形状のものを設けることができ、その中に、中空体が挿入可能及び/又は挿入されていて、サンプル容器に保持される。
サンプル容器との用語は、特に、凍結保存用に構成された容器のことを称する。好ましくは、サンプル容器は、−140℃未満の温度の低温適合性プラスチック物質を用いて製造される。プラスチック物質は、変化したり損傷したりせずに繰り返しの温度変化に耐えることができる。プラスチック物質は、好ましくは、正味質量の<1%(1%未満)、特に正味質量の<0.1%(0.1%未満)の吸水性能のものが使用される。本発明に係る低温保管要素は、例えば、ポリウレタンやポリエチレンに基づく。
「生体サンプル」との用語は、サンプル容器中で凍結保存され、適切な場合には、懸濁液中にあり及び/又は基質物質と組み合わせられる細胞、組織、細胞成分、生体高分子等の生体物質のことを称する。生体サンプルの一部である生体細胞に付着して受容するように構成されている基質を収容空間内に配置することができる。
上記本発明の好ましい実施形態及び特徴は互いに組み合わせ可能である。以下、添付図面を参照して、本発明の更なる詳細及び利点について説明する。
凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイスの多様な例示的な実施形態の模式図を示す。 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイスの多様な例示的な実施形態の模式図を示す。 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイスの多様な例示的な実施形態の模式図を示す。 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイスの多様な例示的な実施形態の模式図を示す。 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイスの多様な例示的な実施形態の模式図を示す。 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイスの多様な例示的な実施形態の模式図を示す。 凍結保存生体サンプルの温度監視用の方法の例示的な実施形態を示すフローチャートを示す。 液体混合物の融点図を示す。 液体混合物の融点図を示す。 液体混合物の融点図を示す。 多種の純液体の融点の表を示す。 溶媒の混合可能性のマトリクスを示す。
同一の要素や機能的に等価な要素は全図面において同じ参照番号で指称され、一部は個別に記載されていない。
図1Aは、低温チューブ(クライオチューブ)1aの形態のサンプル容器を示す。低温チューブは、生体サンプル用の収容空間2を備え、その収容空間内に生体物質が配置される。生体サンプルは、例えば、細胞懸濁液6であり得る。低温チューブ1aは、容器を閉じるカバー3を更に備える。カバーは、その上部に嵌め込み部4を有し得て、自動化の場合には、ツール(図示せず)を用いてその嵌め込み部を介してカバー3を回転させることができる。また、低温チューブは、当該分野において知られているように、例えば、図2に示されるように、基部(底部)5を含み得て、その基部には任意選択的にバーコードや他のマーカーが入れられる。図1に示される例示的な実施形態の特有の特徴は、低温チューブ1aの基部が指標装置11としても同時に機能するということである。
シリンダ状の基部又は指標装置11は、液体又は液体混合物の形態の指標物質7で部分的に充填されて閉じられたキャビティ14を有し、液体又は液体混合物の凝固点/融点は、その混合比を介して−20℃から−100℃の範囲内で選択される。これについては図8から図10に基づいて以下でより詳細に説明する。
基部11は、第一位置(この場合上下逆さま)において、指標物質7の融点未満の保管温度にされ、低温チューブ1aも保管温度に達した際にのみ低温チューブ1aに取り付けられる。第一位置は図1Bに示されている。指標物質は、キャビティ14内の第一部分空間14bを占める。
第二位置において、基部は低温チューブに取り付けられる。このため、基部11を第一位置から始めて180°回転させて、図1Cに示されるように、凍結した指標物質7が空の空間14aの上に位置するようにする。低温チューブへの基部11の取り付けは、ジャーナル(軸頸)4を用いて行われ、ジャーナル4は、低温チューブ1aの下方に突出して、指標装置11の対応する形状のレセプタクル(受容部)12に嵌め込まれる。勿論、他の適切に実現可能な取り付け手段、例えば、ねじ式、ラッチ式、クランプ式の接続等を代わりに提供して、指標装置11を基部として低温チューブ1aに取り付けることができる。
図1Cに示される配置構成では、通常は低温容器、例えば低温タンク(クライオタンク)の格納部に垂直に立てられて、低温チューブと、それに取り付けられた指標装置11とを備えるデバイス10が保管される。
指標物質7の融点を超えると、指標物質は空間14の部分領域14aの底へと流れて、これは、簡単に見て取れ、又は簡単に検出可能である。他方、サンプル6が常に指標物質7の凝固点未満に保たれていれば、図1Cに示される状態になる。このようにして、サンプル6が許容不能に温まったことが簡単に分かる。デバイス10、特に指標装置11は、このようにして、低温保管中に温度閾値(融点)を超えたかどうかを監視することを可能にする。
基部11aという指標装置の更なる実施形態の変形例が図1Bの下側に示されている。見て取れるように、基部11aの空間14を、互いに閉じられた、この場合分離壁15によって分離された部分領域へと分割することができる。各部分領域は指標物質7a、7b、7c、7dで部分的に充填され、指標物質7a、7b、7c、7dは異なる融点、例えば、−50℃、−60℃、−70℃、−100℃を有する。
指標装置11に関して上述したように、低温チューブ1aへの取り付けが行われる。後に、どの指標物質7a、7b、7c、7dがキャビティ14の底に位置しているのかに応じて、どの温度を超えたのかが示される。全ての指標物質7a、7b、7c、7dが空間14の上部領域に位置しているのであれば、サンプルは変化しておらず、適切に保管されたことになる。
基部11、11aは透明物質から製造され、空間14内での指標物質の位置を外部から簡単に観測できるようにする。基部11内での指標物質7の位置、又は基部11a内での指標物質7a、7b、7c、7dは、その外観から光学的に検出可能であるが、電気光学的にも検出可能であり、また、適切に構成された測定装置を用いて自動的にも検出可能である。指標物質が染色されている場合には、その位置の決定が容易になる。デバイス10の更なる利点は、基部11、11aの再利用性と、自由に選択可能な凝固点を有する指標物質7として用いられるマーカー液体の使用である。生体用ラックの場合、−80℃付近の融点が推奨される。何故ならば、この場合、細胞内及びその付近での氷の明らかな再結晶化が生じて、低温サンプルの質を低下させるからである。−80℃で保管される遺伝物質や体液の保管の場合には、−30℃付近の融点が推奨される。
図2は、低温チューブ(クライオチューブ)1と指標装置21とを有するデバイス20の例示的な実施形態を示す。指標装置21は、深冷状態において低温チューブ1の下(又は上)から押し込み可能な中空シリンダとして実現される。この場合、低温チューブ1は、当該分野において知られているように実現され、例えば図2Aに示されるようなものが使用され得る。この場合、図2Aに示される低温チューブは、指標物質で部分的に充填されていない従来の基部5が使用されるという点においてのみ、図1Aに示されるものと相違する。
中空シリンダは、内壁23と外壁22とを有する二重壁として実現され、内壁23と外壁22との間の中間空間24が指標物質で部分的に充填される。
図2Bは、シリンダ22の例示的な実施形態の変形例として、四つの異なる指標物質7a、7b、7c、7dを有する四チャンバシステムを示す。この場合、中間空間24は、分離壁25によって、四つの部分キャビティに分割されて、各部分キャビティが指標物質で部分的に充填される。この場合、異なる指標物質7a、7b、7c、7dは、それらの融点が異なり、それぞれ監視される温度閾値に対応するように選択される。
指標装置21は、図2Bに示される第一位置において保管温度に冷却されて、指標液体7a、7b、7c、7dが中間空間24の下方の部分空間24bにおいて固体に凍結凝固する。
指標装置21は、保管温度への冷却後に、図2Cに示されるように180℃回転されて(第二位置)、低温チューブ1に押し込まれる。
保管後また保管中において、指標物質7a、7b、7c、7dが図2Cに示される分布状態にあると決定されれば、つまり、全ての指標物質7a、7b、7c、7dがシリンダ21の中間空間24の上部24bに位置するのであれば、指標物質7a、7b、7c、7dのいずれの融点には達していない。他方、指標物質が部分領域24aに位置しているのであれば、一時的に融点を超えたことになる。
無断で交換されることを防ぐために、低温チューブ1とシリンダ21とのプラスチック物質の膨張率は異なるように選択され得て、シリンダ21を指標物質7a、7b、7c、7dのうち最低の融点よりも僅かに低い温度にして、シリンダ21の保管温度において低温チューブ1の外壁に対して強引に押し込んで、取り外し難くする。誰かが無断でサンプルを温めてしまった場合には、直ちにシリンダ21を交換しなければならないが、これは、低温タンクにおいてはシリンダ21が自由に利用できるものではないために、防がれ得る。
図3は、凍結保存生体サンプルの温度監視用の更なるデバイス30を示す。デバイス30は、図2と同様に、低温チューブ(クライオチューブ)1の下又は上から適用可能な中空壁のシリンダ31を有する。図2に示される変形例との相違点は、シリンダ31が一種の指標物質7でのみ部分的に充填される点である。従って、二重壁のシリンダシェルの外壁22と内壁23との間の中間空間34は、図2に示されるような流体的に互いに分離された部分空間には分割されていない。図3B及び図3Cに示されるように、凍結と押し込みとは180°回転させた位置で行われる。シリンダ31、指標物質7の量はいずれも図示されているものよりも短く、少なくすることができ、典型的には、図示されている長さの1/3から1/5となり得る。
図4は、凍結保存生体サンプルの温度監視用の更なるデバイス40を示す。サンプル容器は低温チューブ(クライオチューブ)1bとして実現される。基部43は低温チューブ1bに取り付け可能であり、基部43は四つのシリンダ状の収容開口45を有し、その開口内に、シリンダ状の内部空間44を有し指標物質7a、7b、7c、7dで部分的に充填されたピン42を挿入することができる。凍結と挿入とは、図2及び図3に示される例示的な実施形態と同様に、つまり互いに180°回転させた位置で行われ、適切に保管された場合には、図4Cに示される状態となる。収容シリンダ45とピン42とは挿入中は固定されているように実現される。
指標物質7a、7b、7c、7dのいずれかがその融点を超えると、空間44の底に流れ、これは簡単に見て取れ又は検出可能である。他方、サンプル6が常に指標物質7a、7b、7c、7dの融点未満に保たれていると、図4Cに示される状態となる。このようにして、サンプル6が許容不能に温まったことが簡単に分かる。
図5は、凍結保存生体サンプルの温度監視用の二つの更なるデバイス50と50aとを示す。
図5Aは低温チューブ(クライオチューブ)1の例示的な実施形態を示し、その低温チューブの側部に指標装置51が回転可能に取り付けられる。指標装置51は中空シリンダ52を有し、その中空シリンダのキャビティ54は指標物質7で部分的に充填される。中空シリンダ52は、軸部53を介して低温チューブ1に回転可能に取り付けられる。中空シリンダ52の直径は低温チューブ1の直径よりも小さい。
デバイス50を凍結保存生体サンプルの温度監視用に使用することができるようにするため、低温チューブ1及び指標装置51を、図5Aに示される位置(第一位置)において保管温度にする。指標物質は、中空シリンダ52の下方の部分空間54bにおいて凍結する。
次いで、図5Bの拡大図に示されるように、完全に凍結した指標装置51を180°回転させて、凍結した指標物質7が上部に位置して、液体の無い部分54aが底部に位置するようにする(第二位置)。
図5Cに示される第二位置における指標物質の融解は、重力の影響の結果として、液状化した指標物質が部分領域54aに向けて下に流れることにつながる。上記図面の例と同様に、その状態に基づいて、一時的であっても低温サンプル6が望ましくなく温まったかどうかを検出することができる。
指標物質7で部分的に充填された中空シリンダ52は、少なくとも一つのプラグ接続、ラッチ接続、クランプ接続、ネジ接続、及び/又はクリック接続を用いて、低温チューブ1に回転可能に固定されて取り付けられるか、又は低温チューブ1に回転可能で脱着可能に取り付けられ得る。クリック接続の例が、図5Bに一例として示されている。
図5Dは、指標物質7で充填されて低温チューブの側方に取り付けられる中空シリンダが一つではなくて、複数であるという点においてデバイス50とは異なる更なる変形例50aを示し、中空シリンダ52a、52b、52c内の指標物質7a、7b、7cは融点が異なるものであり、複数の温度閾値を監視することができる。
図6は、凍結保存生体サンプルの温度監視用の二つの更なるデバイス60と60aとを示す。図6上部のAは、低温チューブ1の外壁上のシリンダ状レセプタクル(受容部)63を示し、一番右側に示されるように、レセプタクル63には、中空シリンダ61が挿入可能であり、中空シリンダ61の内部空間64は指標物質7で部分的に充填される。ディスク65が、シリンダ61がすり抜けることを防止する。
上記実施形態の変形例と同様に、部分的に充填された中空シリンダの形態の指標装置は、第一位置において、指標液体7の融点未満に冷却される。図6Aは、第一位置においてディスク65の上に立った中空シリンダ61を示す。指標液体は部分領域64bに流れて、そこで凍結する。低温保管の際には、図6の右上に示されるように、中空シリンダを180°回転させてレセプタクル63に挿入する(第二位置)。この配置構成において、内部空間64内での指標物質7の位置変化が低温保管中に生じるかどうか又は生じたかどうかを調べることができる。
図6Bは、この原理が多重化可能である様子を示す。デバイス60aの場合には、複数の中空シリンダ61が低温チューブ1に取り付けられ、中空シリンダ内の指標物質は融点が異なるものであって、複数の温度閾値を監視することができるようになる。
図7は、凍結保存生体サンプルの温度監視用の方法のフローチャートを示す。ステップS1では、温度監視用のデバイスを、例えば、デバイス10、20、30、40、50、50a、60、60aのいずれかを提供する。この場合、低温保管において監視される温度の閾値に応じて、適切な液体又は液体混合物が使用物質7として選択される。
適切な液体と液体混合比との選択を介して、その融点は、−20℃から−140℃の範囲内の所望の値に設定可能である。
例えば、図8Aは、アルコールと水との混合比の関数として融点のプロファイルを示し、温度低下と共に粘度が適度に増大し、0℃から−118℃までの温度範囲をカバーすることができる。例えば、−118℃の温度閾値を監視する場合、エタノール比が93.5%に設定され得る。−60℃を僅かに下回る値までの融点は、水に水酸化カリウム(KOH)を加えることによっても設定可能である、その融点図は図8Bに示されている。また、水と不凍剤との混合物を指標物質として用いることもでき、これは図9Aの融点図に示されている。図9Bの表は、単体で又は他の液体との混合物として指標物質に使用可能な更なる純液体の凝固点/融点を列挙している。指標物質に適した更なる液体混合物として、クロロホルム/シクロヘキサンの混合物や、例えば、図10の溶媒の混合可能性のマトリクスから推測可能な他の混合可能な液体が挙げられる。
低温において優れた濡れ性と低い粘性とを有する液体及びプラスチック物質は、主に、位置変化を可能な限り広範なものにして、追加の区画を可能な限り小さくするように選択される。
低温保管中に複数の温度閾値が監視される場合や、サンプルが達する到達温度範囲をより正確に制限することが望まれる場合には、それに応じて、融点の異なる複数の異なる指標物質を用いて、サンプル容器に対して異なる複数のキャビティ又はチャンバ内に配置することができる。
ステップS2では、指標装置のキャビティ内の指標物質を凍結させるが、指標物質の凍結の際には、キャビティを第一位置に移動させる。異なる複数の指標物質と複数のキャビティの場合にも、それぞれ同様に第一位置に移動させて、凍結させる。
その後、ステップS3では、凍結した指標物質を有する少なくとも一つのチャンバを第二位置に移動させ、少なくとも一つのキャビティがサンプル容器に対して未だ配置されていない場合には、サンプル容器に対して配置する。第二位置は、凍結した指標物質の空間位置を変化させるが、これは、少なくとも、位置変化後の融解が、眼に見える液体の変位、又はその液体のキャビティ中で区別可能な幾何学的特性をもたらすようにされる。
この状態において、融点未満の保管温度で、デバイスを、サンプル容器の収容空間内の低温サンプルと共に保管することができる(ステップS4)。
その後、保管プロセス中の所望の時点において、指標物質を用いて、望ましくなく一時的であっても低温サンプルが温まったかどうかを調べることができる(ステップ5)。このため、融解過程に起因して指標物質の少なくとも部分的な変位及び/又は形状変化が生じたかどうかを調べる。これが当てはまる場合には、監視される閾値温度を超えたと結論付けることができる。
具体的な例示的な実施形態に関して本発明を説明してきたが、当業者には、本発明の範囲を逸脱せずに多様な変更が可能であり、また等価物との置換が可能であることは明らかである。従って、本発明は開示されている例示的な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に落とし込まれる全ての例示的な実施形態を含むものである。特に、本発明は、引用先の請求項に関係なく、従属請求項の特徴及び主題の保護も請求するものである。
1 サンプル容器
2 収容空間
6 生体サンプル
7 指標物質
10、20、30、40、50、60 デバイス
11、21、31、41、51、61 指標装置
14、24、34、44、54、64 キャビティ

Claims (21)

  1. 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイス(10、20、30、40、50、50a、60、60a)であって、
    (a)生体サンプル(6)を収容するための収容空間(2)を有するサンプル容器(1、1a、1b)と、
    (b)少なくとも一つの温度閾値を監視するために前記サンプル容器の外側に配置可能及び/又は配置されている指標装置(11、11a、21、31、41、51、61)とを備え、該指標装置が、指標物質(7)で部分的にのみ充填されている少なくとも一つのキャビティ(14、24、34、44、54、64)を有し、該指標物質の融点が−20℃から−140℃の範囲内にあり、
    前記指標物質が、1‐オクタノール、1‐ノナノール、プロパン‐1,2‐ジオール、プロパン‐1,3‐ジオール、ブタン‐1,2‐ジオール、ブタン‐1,3‐ジオール、2‐ブタノール、ペンタン‐1,5‐ジオール、1‐ペンタノール、シクロペンタノール、及びベンジルアルコールから成る群から選択された少なくとも二種のアルコール成分を備えることを特徴とするデバイス。
  2. 前記指標物質が少なくとも一種の染料を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記少なくとも一種の染料が、オイルレッド、メチルレッド、ブリリアントグリーン、ローダミンB、ニュートラルレッド、メチレンブルー、及び細胞学において細胞を着色するのに用いられる他の染料から成る群から選択されていることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
  4. (a)前記指標装置(11、11a、21、31、41、51、61)、又は前記指標装置の少なくとも一つのキャビティが、前記サンプル容器(1、1a、1b)に脱着可能に取り付け可能及び/又は取り付けられていること、及び/又は、
    (b)前記指標装置(11、11a、21、31、41、51、61)、又は前記指標装置の少なくとも一つのキャビティが、少なくとも一つのプラグ接続、ラッチ接続、クランプ接続、ネジ接続及び/又はクリック接続を用いて、前記サンプル容器に脱着可能に取り付け可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 前記指標装置(11、11a、21、31、41、51、61)は少なくとも一点において透明又は半透明であり、前記少なくとも一つのキャビティ(14、24、34、44、54、64)が外部から観測可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 前記サンプル容器(1、1a、1b)がクライオチューブであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
  7. 前記指標装置(11、11a)が、基部として前記クライオチューブ(1a)に取り付け可能なシリンダ体であることを特徴とする請求項に記載のデバイス(10)。
  8. (a)前記シリンダ体が前記クライオチューブ(1a)と同じ外径を有すること、及び/又は、
    (b)前記シリンダ体が透明又は半透明であることを特徴とする請求項に記載のデバイス(10)。
  9. 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイス(10)であって、
    (a)生体サンプル(6)を収容するための収容空間(2)を有するサンプル容器(1、1a、1b)と、
    (b)少なくとも一つの温度閾値を監視するために前記サンプル容器の外側に配置可能及び/又は配置されている指標装置(11、11a)とを備え、該指標装置が、指標物質(7)で部分的にのみ充填されている少なくとも一つのキャビティ(14)を有し、該指標物質の融点が−20℃から−140℃の範囲内にあり、
    前記指標装置(11、11a)が、全面が閉じられ且つ前記サンプル容器の下側に脱着可能に取り付け可能な中空シリンダであり、該中空シリンダの内部空間(14)が前記少なくとも一つのキャビティを形成することを特徴とするデバイス(10)。
  10. 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイス(40)であって、
    (a)生体サンプル(6)を収容するための収容空間(2)を有するサンプル容器(1、1a、1b)と、
    (b)少なくとも一つの温度閾値を監視するために前記サンプル容器の外側に配置可能及び/又は配置されている指標装置(41)とを備え、該指標装置が、指標物質(7)で部分的にのみ充填されている少なくとも一つのキャビティ(44)を有し、該指標物質の融点が−20℃から−140℃の範囲内にあり、
    前記指標装置(41)が、基部として前記サンプル容器(1b)に取り付けられ、該指標装置の下側に少なくとも一つの挿入開口(45)を有し、該挿入開口内に、前記指標物質で部分的にのみ充填された容器、特にピン状の容器(42)が脱着可能に保持されることを特徴とするデバイス(40)。
  11. 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイス(20、30)であって、
    (a)生体サンプル(6)を収容するための収容空間(2)を有するサンプル容器(1、1a、1b)と、
    (b)少なくとも一つの温度閾値を監視するために前記サンプル容器の外側に配置可能及び/又は配置されている指標装置(21、31)とを備え、該指標装置が、指標物質(7)で部分的にのみ充填されている少なくとも一つのキャビティ(24、34)を有し、該指標物質の融点が−20℃から−140℃の範囲内にあり、
    前記サンプル容器(1、1a、1b)がクライオチューブであり、
    前記指標装置が中空シリンダ(21)であり、該中空シリンダが、前記クライオチューブに取り付けるために、前記クライオチューブ(1)の外面に押し込み可能及び/又は押し込まれていて、前記中空シリンダ(21)が内壁(23)と外壁(22)とを有する二重壁であり、前記内壁(23)と前記外壁(22)との間の中間空間(24)が、前記少なくとも一つのキャビティを形成し、前記指標物質で部分的に充填されていることを特徴とするデバイス(20、30)。
  12. 前記中空シリンダ(21)が第一プラスチック物質製であり、前記クライオチューブ(1)が第二プラスチック物質製であり、前記第一プラスチック物質が、少なくとも前記指標物質の融点未満の温度範囲への温度低下の際に、前記第二プラスチック物質よりも大きな熱収縮を示すことを特徴とする請求項11に記載のデバイス(20、30)。
  13. 凍結保存生体サンプルの温度監視用のデバイス(50、50a、60、60a)であって、
    (a)生体サンプル(6)を収容するための収容空間(2)を有するサンプル容器(1、1a、1b)と、
    (b)少なくとも一つの温度閾値を監視するために前記サンプル容器の外側に配置可能及び/又は配置されている指標装置(51、61)とを備え、該指標装置が、指標物質(7)で部分的にのみ充填されている少なくとも一つのキャビティ(54、64)を有し、該指標物質の融点が−20℃から−140℃の範囲内にあり、
    前記指標装置(51、61)が少なくとも一つの中空体(52、61)、特に細長の中空体を有し、該中空体が、前記指標物質(7)で部分的にのみ充填され、前記サンプル容器(1)の側部外壁に取り付けられていることを特徴とするデバイス(50、50a、60、60a)。
  14. (a)前記中空体(52)が前記サンプル容器(1)に回転可能に取り付けられていること、及び/又は、
    (b)前記中空体(52)が、プラグ接続、クリック接続又はラッチ接続(53)を用いて前記サンプル容器(1)に取り付けられていることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
  15. 前記中空体(61)が前記サンプル容器に保持されるように挿入可能及び/又は挿入されているレセプタクル(63)、例えば鞘又は挿入ポケットが、前記サンプル容器(1)の側部外壁に取り付けられていることを特徴とする請求項13に記載のデバイス(60)。
  16. 前記指標装置の少なくとも一つのキャビティ内の前記指標物質の位置及び/又は形状を検出するように構成された光学的又は光電気的測定装置を備えることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。
  17. 凍結保存サンプルの温度監視用の方法であって、
    (a)請求項1から16のいずれか一項に記載のデバイスを提供するステップ(S1)と、
    (b)前記指標物質を凍結させるステップとを備え、
    前記指標装置の少なくとも一つのキャビティを、前記指標物質を凍結させる際に第一位置に移動させ(S2)、凍結後に前記指標物質の融点未満の温度において、前記指標物質の融解が重力の影響の結果として前記少なくとも一つのキャビティ内における前記指標物質の少なくとも部分的な変位及び/又は形状変化をもたらすことになる第二位置に移動させ(S3)、
    前記指標物質が、1‐オクタノール、1‐ノナノール、プロパン‐1,2‐ジオール、プロパン‐1,3‐ジオール、ブタン‐1,2‐ジオール、ブタン‐1,3‐ジオール、2‐ブタノール、ペンタン‐1,5‐ジオール、1‐ペンタノール、シクロペンタノール、及びベンジルアルコールから成る群から選択された少なくとも二種のアルコール成分を備えることを特徴とする方法。
  18. 前記指標物質が少なくとも一種の染料を更に備えることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 前記少なくとも一種の染料が、オイルレッド、メチルレッド、ブリリアントグリーン、ローダミンB、ニュートラルレッド、メチレンブルー、及び細胞学において細胞を着色するのに用いられる他の染料から成る群から選択されていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記指標物質として選択される物質が、超過が監視される所定の閾値温度に対応する融点を有するか、又は融解した指標物質の粘度が所定の設定値を超えることになる閾値温度を有することを特徴とする請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. (a)前記サンプル容器中に凍結保存サンプルを保管するステップ(S4)と、
    (b)前記指標物質の融点を一時的に超えることによって前記指標物質の形状変化、配置変化、特に位置変化が生じたかどうかを決定するステップ(S5)とを備えることを特徴とする請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
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