JP6882103B2 - インプリント装置、および物品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インプリント装置、および物品の製造方法に関する。
凹凸のパターンが形成されたモールドを用いて、基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置が、半導体デバイスなどの量産用リソグラフィ装置の1つとして注目されている。インプリント装置では、モールドのパターンを基板上のインプリント材に精度よく転写するため、モールドと基板との位置合わせを高精度に行うことが求められている。特許文献1には、モールドと基板上のインプリント材とを接触させた状態において、モールドと基板との位置合わせを制御する方法が提案されている。
特表2008−522412号公報
モールドと基板上のインプリント材とを接触させた状態では、インプリント材の粘性によりモールドと基板との相対位置を変更しづらいため、スループットの点で不利になりうる。
そこで、本発明は、スループットの点で有利なインプリント装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としてのインプリント装置は、モールドを用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、前記モールドと前記基板とを相対的に駆動する駆動部と、前記モールドと前記基板との相対位置を計測する計測部と、前記モールドと前記基板との位置合わせにおいて、前記計測部で計測された前記相対位置と目標相対位置との偏差に応じた第1信号に、前記駆動部の駆動力を瞬間的に増加させる第2信号を時間間隔をあけながら合成した信号に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を含むことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、スループットの点で有利なインプリント装置を提供することができる。
インプリント装置の構成を示す概略図である。 インプリント処理を示すフローチャートである。 位置合わせ処理の制御系を示すブロック線図である。 時刻に対する偏差および第2信号を示す図である。 物品の製造方法を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。以下の実施形態では、基板の面と平行な方向(基板の面に沿った方向)をX方向およびY方向とし、基板の面に垂直な方向(基板に入射する光の光軸に沿った方向)をZ方向とする。
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態のインプリント装置100について説明する。インプリント装置は、基板上に供給されたインプリント材と型とを接触させ、インプリント材に硬化用のエネルギーを与えることにより、型の凹凸パターンが転写された硬化物のパターンを形成する装置である。例えば、本実施形態のインプリント装置100は、基板上にインプリント材3を供給し、凹凸のパターンが形成されたモールド1(型)を基板上のインプリント材3に接触させた状態で当該インプリント材3を硬化させる。そして、モールド1と基板2との間隔を広げて、硬化させたインプリント材3からモールド1を剥離(離型)することにより、インプリント材3のパターンを基板上に形成する。以下では、このようにインプリント装置100で行われる一連の処理を「インプリント処理」と呼ぶことがある。
インプリント材には、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられる。電磁波としては、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される、赤外線、可視光線、紫外線などの光である。
硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物である。このうち、光により硬化する光硬化性組成物は、重合成化合物と光重合開始材とを少なくとも含有し、必要に応じて非重合成化合物または溶剤を含有してもよい。非重合成化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマ成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材は、スピンコータやスリットコータにより基板上に膜状に付与される。あるいは、液体噴射ヘッドにより、液滴状、あるいは複数の液滴が繋がってできた島状または膜状となって基板上に付与されてもよい。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下である。
[インプリント装置の構成]
図1は、本実施形態のインプリント装置100の構成を示す概略図である。インプリント装置100は、インプリントヘッド11と、基板ステージ12(ステージ)と、計測部13と、硬化部14と、吐出部15(供給部)と、制御部16とを含みうる。インプリントヘッド11、計測部13、硬化部14および吐出部15はそれぞれ構造体5によって支持されており、基板ステージ12は定盤6の上を移動可能に構成されている。構造体5は、空気ばね等を用いた除振機構7を介して床の上に設置されうる。また、制御部16は、例えばCPUやメモリ(記憶部)などを有し、インプリント処理を制御する(インプリント装置100の各部を制御する)。
モールド1は、通常、石英など紫外線を透過させることが可能な材料で作製されており、基板側の面における一部の領域(パターン領域1a)には、基板上のインプリント材3に転写するための凹凸のパターンが形成されている。また、基板2としては、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられ、必要に応じて、その表面に基板とは別の材料からなる部材が形成されていてもよい。基板2としては、具体的に、シリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、石英ガラスなどである。また、インプリント材の付与前に、必要に応じて、インプリント材と基板との密着性を向上させるために密着層を設けてもよい。
インプリントヘッド11は、例えば、真空吸着などによりモールド1を保持するモールド保持部11aと、モールド1と基板2との間隔を変更するようにモールド1(モールド保持部11a)をZ方向に駆動するモールド駆動部11bとを含みうる。本実施形態のインプリントヘッド11は、Z方向にモールド1を駆動するように構成されているが、例えば、XY方向およびθ方向(Z軸周りの回転方向)にモールド1を駆動する機能などを有してもよい。
基板ステージ12は、例えば、真空吸着などにより基板2を保持する基板保持部12aと、XY方向に基板2(基板保持部12a)を駆動するように定盤6の上を移動可能に構成された基板駆動部12bとを含みうる。本実施形態の基板ステージ12は、XY方向に基板2を駆動するように構成されているが、例えば、Z方向およびθ方向に基板2を駆動する機能などを有してもよい。また、基板ステージ12の位置(XY方向)は、位置計測部17によって計測されうる。位置計測部17としては、例えばエンコーダやレーザ干渉計などが用いられうる。図1に示す例では、定盤6に設けられたスケール17aと、基板ステージ12に設けられ且つ該スケール17aを読み取る本体部17bとから成るエンコーダが位置計測部17として用いられている。本実施形態の位置計測部17は、基板ステージ12(基板2)の位置を計測するように構成されているが、インプリントヘッド11と基板ステージ12との相対位置を計測可能に構成されてもよい。
ここで、本実施形態では、モールド1と基板2との間隔(Z方向)を変更するためのモールド1と基板2との相対的な駆動がインプリントヘッド11で行われるが、それに限られず、基板ステージ12で行われてもよいし、双方で行われてもよい。また、XY方向におけるモールド1と基板2との相対位置の変更が基板ステージ12で行われるが、それに限られず、インプリントヘッド11で行われてもよいし、双方で行われてもよい。つまり、モールド1と基板2とを相対的に駆動する駆動部として、インプリントヘッド11(モールド駆動部11b)および基板ステージ12(基板駆動部12b)の少なくとも一方が用いられうる。
計測部13は、例えば撮像素子を含むスコープを有し、モールド1(パターン領域1a)に設けられたマークと基板2(ショット領域)に設けられたマークとの位置関係を該スコープで検出することにより、モールド1と基板2との相対位置を計測する。また、硬化部14は、モールド1と基板上のインプリント材3とが接触している状態で、インプリント材3にモールド1を介して光(例えば紫外線)を照射し、インプリント材3を硬化させる。吐出部15は、例えばインクジェット方式により、基板上にインプリント材3(未硬化樹脂)を吐出(供給)する。
[インプリント処理]
次に、本実施形態のインプリント装置100で行われるインプリント処理について、図2を参照しながら説明する。図2は、インプリント処理のフローチャートを示しており、該フローチャートの各工程は制御部16によって制御されうる。
S11では、制御部16は、基板2における複数のショット領域のうち、インプリント処理を行う対象のショット領域(以下、対象ショット領域)が吐出部15の下に配置されるように基板ステージ12を制御する。そして、対象ショット領域上にインプリント材3を吐出するように吐出部15を制御する。S12では、制御部16は、モールド1のパターン領域1aの下方に対象ショット領域が配置されるように基板ステージ12を制御する。S13では、制御部16は、モールド1と基板2との間隔が狭まるようにインプリントヘッド11を制御し、モールド1と対象ショット領域上のインプリント材3とを接触させる。
S14では、制御部16は、モールド1と対象ショット領域上のインプリント材3とを接触させた状態で、計測部13での計測結果に基づいて、モールド1と基板2との位置合わせを行う(位置合わせ処理)。例えば、制御部16は、計測部13に、パターン領域1aに設けられたマークと対象ショット領域に設けられたマークとの位置関係を検出させて、パターン領域1aと対象ショット領域との相対位置を計測させる。そして、制御部16は、計測部13により計測された相対位置と目標相対位置との偏差が許容範囲に収まるように、モールド1と基板2との相対位置のフィードバック制御を行う。位置合わせ処理の詳細については後述する。
S15では、制御部16は、モールド1と対象ショット領域上のインプリント材3とが接触している状態において、当該インプリント材3に光(紫外線)を照射するように硬化部14を制御し、対象ショット領域上のインプリント材3を硬化させる。S16では、制御部16は、モールド1と基板2との間隔が広がるようにインプリントヘッド11を制御し、硬化したインプリント材3からモールド1を剥離(離型)する。S17では、制御部16は、インプリント処理を行うべきショット領域(次のショット領域)が基板上にあるか否かの判定を行う。次のショット領域がある場合にはS11に進み、次のショット領域がない場合には終了する。
[位置合わせ処理]
次に、S14の位置合わせ処理の詳細について説明する。図3は、本実施形態における位置合わせ処理の制御系を示すブロック線図である。図3のブロック線図における減算器16a、補償器16b、加算器16c、および生成器16dはそれぞれ、制御部16の構成要素として機能しうる。また、駆動部20は、例えば、モールド1と基板2とを相対的に駆動する駆動力(推力)を発生するアクチュエータと、該アクチュエータに電流(または電圧)を供給する供給器(電流ドライバ)とを含みうる。駆動部20は、上述したように、モールド駆動部11bおよび基板駆動部12bの少なくとも一方を含みうる。
モールド1と基板2との位置合わせ処理の制御系では、まず、計測部13によってモールド1と基板2との相対位置が計測され、その計測結果(相対位置を示す情報)が減算器16aに供給される。減算器16aは、計測部13により計測された相対位置と目標相対位置(例えばゼロ)との偏差30を算出して、算出した偏差30を出力する。補償器16bは、例えばPID補償器であり、減算器16aで算出された偏差30が低減するように(例えば、許容範囲に収まるように)駆動部20を制御するための第1信号31(第1指令値)を生成し、生成した第1信号31を駆動部20に供給する。駆動部20は、補償器16bで生成された第1信号31に従って、供給器によりアクチュエータに電流を供給し、アクチュエータに駆動力を発生させる。これにより、モールド1と基板2との相対位置が目標相対位置に近づくように、モールド1と基板2とを相対的に駆動することができる。
このような位置合わせ処理は、上述したように、モールド1と基板上のインプリント材3とを接触させた状態において行われる。しかしながら、この状態では、インプリント材3の粘性により、モールド1と基板2との相対位置(XY方向)の変更を妨げるような抵抗力が働き、該相対位置を変更しづらくなる。その結果、位置合わせ処理に相応の時間を要し、スループットの点で不利になりうる。そこで、本実施形態のインプリント装置100は、位置合わせ処理において、駆動部20の駆動力を瞬間的に増加させる第2信号32(第2指令値)を時間間隔をあけながら第1信号31に加えて駆動部20に供給する。例えば、図3のブロック線図に示すように、第2信号32を生成する生成器16dが制御部16に設けられる。生成器16dは、時間間隔をあけながら第2信号32を離散的に生成して出力する。生成器16dから出力された第2信号32は、補償器16bから出力された第1信号31に加算器16cで加えられ(合成され)、合成信号として駆動部20に供給される。これにより、駆動部20の駆動力が瞬間的に且つ離散的に増加するため、あたかもハンマリングを行っているかのようにモールド1と基板2との相対位置を変更し、位置合わせ処理を効果的(効率的)に行うことができる。
生成器16dは、例えば、駆動部20の駆動力を瞬間的に0.1N以上増加(より好ましくは0.5N以上増加)させる振幅を有するパルス信号(インパルス状の信号)を第2信号32として生成するとよい。第2信号32の振幅の最大値は、駆動部20で発生可能な最大駆動力によって制限されるが、好ましくは、駆動部20で瞬間的に発生する駆動力が1N以下となるように第2信号32を生成するとよい。また、生成器16dは、制御部16(CPU)の制御クロック周期以下、もしくは、フィードバック制御系のサンプリング周期以下のパルス幅を有するように、第2信号32を生成するとよい。より好ましくは、生成器16dは、制御部16(CPU)の制御クロック周期の1/2以下、もしくは、フィードバック制御系のサンプリング周期の1/2以下のパルス幅を有するように、第2信号32を生成するとよい。さらに、生成器16dは、第2信号32を離散的に出力する時間間隔を、第2信号32のパルス幅以上に設定するとよい。より好ましくは、生成器16dは、第2信号32を離散的に出力する時間間隔を、制御部16(CPU)の制御クロックの周期以上、もしくは、フィードバック制御系のサンプリング周期以上となるように設定するとよい。ここで、第2信号32のパルス幅は、振幅がその最大値の50%以上となる時間(いわゆる半値幅)として定義され、第2信号32は、三角形状または台形形状の信号を含みうる。
[第2信号の生成方法]
次に、生成器16dによる第2信号の生成方法について具体的に説明する。図4(a)は、減算器16aで算出された偏差30の時間変化を示す図であり、図4(b)は、生成器16dから出力される第2信号32を示す図である。以下では、減算器16aで算出された偏差30を単に「偏差30」と呼ぶことがあり、生成器16dが第2信号32を出力する時間間隔(駆動部20に第2信号32を供給する時間間隔)を単に「時間間隔」と呼ぶことがある。
生成器16dは、図3のブロック線図に示すように、減算器16aで算出された偏差に基づいて、第2信号32の振幅、および第2信号32を出力する時間間隔を設定(決定)するように構成されうる。つまり、生成器16dは、減算器16aで算出された偏差30に基づいて、第2信号32の振幅および時間間隔の少なくとも一方を変更しうる。
例えば、生成器16dは、第1閾値Eに対する偏差30の大小関係を判定し、その判定結果に応じて、第2信号32の振幅および時間間隔を変更する。図4に示すように、偏差30が第1閾値E以上である場合には、生成器16dは、第2信号32の振幅を第1振幅Aに設定するとともに、時間間隔を第1間隔Tに設定する。そして、偏差30が第1閾値E未満になった場合に、生成器16dは、第2信号32の振幅を、第1振幅Aより小さい第2振幅Aに設定するとともに、時間間隔を、第1間隔Tより広い第2間隔Tに設定する。第1振幅A、第2振幅A、第1間隔T、および第2間隔Tは、第2信号の振幅および時間間隔をそれぞれ変化させたときのモールド1と基板2との相対位置の変化量について実験やシミュレーションを行い、その結果に基づいて事前に求められうる。また、偏差30が、第1閾値Eより小さい第2閾値E未満になった場合には、生成器16dは、第2信号32の出力を停止する。即ち、偏差30が第2閾値E未満になった場合に駆動部20(加算器16c)への第2信号32の供給が停止され、この後は、補償器16bにより生成された第1信号31のみが駆動部20(加算器16c)に供給される。
ここで、図4に示す例では、第1閾値Eに対する偏差の大小関係を判定した結果に応じて、第2信号32の振幅および時間間隔の双方を変更したが、それに限られるものではなく、第2信号32の振幅および時間間隔の少なくとも一方を変更してもよい。また、図4に示す例では、生成器16dは、第1閾値Eに対する偏差の大小関係に応じて第2信号32の振幅および時間間隔を変更したが、第1閾値Eを設定せずに、第2信号32の振幅および時間間隔の少なくとも一方を変更してもよい。例えば、生成器16dは、第1閾値Eを設定せず、減算器16aで算出された偏差30が小さくなるにつれて第2信号32の振幅を小さくしたり時間間隔を広げたりし、当該偏差30が第2閾値E未満になった場合に第2信号32の出力を停止してもよい。この場合、生成器16dは、偏差30と第2信号32の振幅および時間間隔との関係を示す情報を用いるとよい。当該情報は、第2信号の振幅および時間間隔をそれぞれ変化させたときのモールド1と基板2との相対位置の変化量について実験やシミュレーションを行い、その結果に基づいて事前に求められうる。
上述したように、本実施形態のインプリント装置100は、位置合わせ処理において、駆動部の駆動力を瞬間的に増加させるための第2信号(第2指令値)を時間間隔をあけながら第1信号に加えて駆動部に供給する。これにより、駆動部の駆動力を瞬間的に且つ離散的に増加させて、モールド1と基板2との相対位置を効果的に変更することができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、減算器16aで算出された偏差30に基づいて、第2信号32の振幅および時間間隔の少なくとも一方を変更する制御について説明した。第2実施形態では、位置合わせ処理中におけるモールド1と基板2との相対速度(XY方向)に基づいて、第2信号32の振幅および時間間隔の少なくとも一方を変更する制御について説明する。ここで、モールド1と基板2との相対速度とは、単位時間あたりにおける当該相対位置の変化量として定義することができ、以下では単に「相対速度」と呼ぶことがある。また、本実施形態は、第1実施形態のインプリント装置100の装置構成を引き継ぐものである。そして、本実施形態では、「相対速度に基づく第2信号32の供給制御」を、第1実施形態で説明した「減算器16aで算出された偏差30に基づく第2信号の供給制御」と併用して行ってもよい。
相対速度が目標速度(規定速度)に達していない場合、位置合わせ処理に相応の時間を要し、スループットの点で不利になりうる。そのため、本実施形態の生成器16d(制御部16)は、相対速度に応じて、第2信号32の振幅および時間間隔の少なくとも一方を変更しうる。例えば、生成器16dは、相対速度が目標速度より小さいか否か(大小関係)を判定し、相対速度が目標速度より小さいと判定した場合には、相対速度と目標速度との差に応じて、第2信号の振幅を大きくしたり時間間隔を狭めたりしうる。このとき、生成器16dは、相対速度と目標速度との差と、第2信号の振幅および時間間隔の変更量との関係を示す情報を用いるとよい。当該情報は、第2信号の振幅および時間間隔を変化させたときのモールド1と基板2との相対位置の変化量について実験やシミュレーションを行い、その結果に基づいて事前に求められうる。
ここで、生成器16d(制御部16)は、相対速度を、例えば、位置計測部17での計測結果に基づいて取得することができる。生成器16dは、相対速度を、減算器16aで算出された偏差30の変化量から推定してもよい。また、相対速度は、モールド1と基板上のインプリント材3との押圧力に応じて変わりうる。したがって、生成器16dは、モールド1とインプリント材3との押圧力を検出する検出部をインプリントヘッド11または基板ステージ12に設け、当該検出部での検出結果に基づいて、相対速度を推定してもよい。さらに、相対速度は、インプリント処理を行う対象ショット領域の基板上における位置に応じて変わりうる。例えば、基板のエッジ付近は、中心付近と比べて表面処理の状態や凹凸の状態が異なる場合があり、その場合、モールド1と基板2との相対位置を妨げる抵抗力も、基板のエッジ付近と中心付近とで異なりうる。したがって、生成器16dは、基板上における対象ショット領域の位置に基づいて、相対速度を推定してもよい。
上述したように、本実施形態のインプリント装置は、相対速度に応じて、第2信号32の振幅および時間間隔の少なくとも一方を変更しうる。これにより、モールド1と基板2との相対位置を効果的に変更することができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に供給(塗布)されたインプリント材に上記のインプリント装置(インプリント方法)を用いてパターンを形成する工程と、かかる工程でパターンを形成された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
インプリント装置を用いて成形した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、物品の具体的な製造方法について説明する。図5(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウェハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図5(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図5(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1zと型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを透して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図5(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凹部が硬化物の凸部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図5(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図5(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1:モールド、2:基板、3:インプリント材、11:インプリントヘッド、12:基板ステージ、13:計測部、14:硬化部、15:吐出部、16:制御部、100:インプリント装置

Claims (10)

  1. モールドを用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置であって、
    前記モールドと前記基板とを相対的に駆動する駆動部と、
    前記モールドと前記基板との相対位置を計測する計測部と、
    前記モールドと前記基板との位置合わせにおいて、前記計測部で計測された前記相対位置と目標相対位置との偏差に応じた第1信号に、前記駆動部の駆動力を瞬間的に増加させる第2信号を時間間隔をあけながら合成した信号に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、
    を含むことを特徴とするインプリント装置。
  2. 前記制御部は、前記偏差に基づいて前記第1信号を生成する補償器と、前記第2信号を生成する生成器と、前記第1信号に前記第2信号を合成して得られた信号を前記駆動部に供給する加算器とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
  3. 前記制御部は、前記駆動部の駆動力が瞬間的に0.1N以上増加するように前記第2信号を生成する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリント装置。
  4. 前記制御部は、インパルス状の信号を前記第2信号として生成する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  5. 前記制御部は、前記偏差に応じて、前記第2信号の振幅および前記時間間隔の少なくとも一方を変更する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  6. 前記制御部は、閾値に対する前記偏差の大小関係に応じて、前記第2信号の振幅および前記時間間隔の少なくとも一方を変更する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  7. 前記制御部は、前記偏差が第2閾値より小さい場合に、前記第2信号の生成を停止する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  8. 前記制御部は、前記モールドと前記基板との相対速度に応じて、前記第2信号の振幅および前記時間間隔の少なくとも一方を変更する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  9. 前記位置合わせは、前記モールドと前記基板上のインプリント材とが接触している状態で行われる、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインプリント装置。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて基板上にパターンを形成する形成工程と、
    前記形成工程でパターンが形成された前記基板を加工する加工工程と、を含み、
    前記加工工程で加工された前記基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
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