JP6898703B2 - 包装体用フィルム及び包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、包装体用フィルム及び包装体に関する。
近年、プラスチック製の輸液バッグに、ブドウ糖、アミノ酸、ビタミン、脂肪等を含有する製剤を収容した容器入り製剤が使用される機会が増えている。前記製剤は、酸素ガスによって変質されることがあるため、前記製剤を収容する輸液バッグには酸素ガスバリア性が求められる。また、輸液バッグの酸素ガスバリア性が充分でない場合等には、輸液バッグは、酸素ガスバリア性に優れる外装体に収容される。このように、輸液バッグ及びその外装体(以下、これらをまとめて「輸液用包装体」ともいう)には、酸素ガスバリア性が求められる。
輸液用包装体は、使用されるまで輸送や保管等される。輸送や保管時に前記包装体が擦られることによりピンホール等が生じたり、前記包装体を落下することにより亀裂等が生じると、このピンホールや亀裂から、酸素ガスが侵入し内容物を変質したり、内容物が漏洩したりする。そのため、輸液用包装体には、擦りに対してピンホール等が生じにくいこと(耐スクラッチ性)、落下等の衝撃に対して亀裂等が生じにくいこと(耐衝撃性)が求められる。
さらに、輸液用包装体には、内容物の種類や品質を容易に確認できる視認性が求められる。
耐ピンホール性に優れる包装材料として、特許文献1には、少なくともエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムと、これを挟み込む2層の二軸延伸ナイロンフィルムが積層された複合フィルムからなる酸素遮断性の透明包装材料が開示されている。また、耐衝撃性に優れる包装材料として、特許文献2には、重縮合触媒としてチタン系触媒を使用して製造したポリエステルからなる基材フィルムの一方の面に、酸化物蒸着膜、バリアコート層、及びヒートシール性樹脂層を順に積層した、ガスバリア性蒸着フィルムが開示されている。
特開平9−262943号公報 特開2009−132061号公報
ところで、輸液バッグは病院等の医療現場において頻繁に使用される。そのため、輸液用包装体には、使用性や安全性等の点から鋏やナイフ等を使用することなく、手で容易に開封できることが求められる。さらに、開封時に、包装体が意図しない方向に引裂かれると、内容物が飛散し衛生上好ましくない。そのため、開封時に意図した方向に開封できることが求められる。即ち、輸液用包装体には、手で容易に開封でき、かつ、意図した方向に開封できる、易開封性が求められる。
しかしながら、特許文献1,2では、易開封性について考慮されていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐スクラッチ性、耐衝撃性、内容物の透視性に優れ、かつ、易開封性に優れる包装体用フィルムを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の包装体用フィルムが、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明の包装体用フィルムは、以下の構成を有する。
[1]水蒸気バリア性及び酸素バリア性を有する基材層と、シーラント層と、前記基材層と前記シーラント層との間に配された接着層と、を備え、前記基材層は、無機蒸着ナイロンの層又は二軸延伸ポリプロピレンの層を表面に備え、前記接着層の厚さは4.0μm以下であり、前記シーラント層の厚さは30〜80μmであり、前記基材層と前記シーラント層との接着強度は3N/15mm以上であり、水蒸気透過度が0.7〜3.0g/mである、包装体用フィルム。
[2]前記基材層が、二軸延伸ポリプロピレンの層と、エチレン−ビニルアルコール重合体の層、無機蒸着二軸延伸ナイロンの層又は無機蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートの層とを含み、前記二軸延伸ポリプロピレンの層を表面に備える、[1]に記載の包装体用フィルム。
[3]輸液バッグの外装用である、[1]又は[2]に記載の包装体用フィルム。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の包装体用フィルムが製袋された包装体。
本発明の包装体用フィルムは、耐スクラッチ性、耐衝撃性、内容物の透視性に優れ、かつ、易開封性に優れる。
本発明の第一の実施形態にかかる包装体用フィルムの断面図である。 本発明の第二の実施形態にかかる包装体用フィルムの断面図である。
本発明の包装体用フィルムは、基材層と、シーラント層と、前記基材層と前記シーラント層との間に配された接着層と、を備える。
以下、本発明の包装体用フィルムについて、実施形態を挙げて説明する。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる包装体用フィルムについて、図面を参照して説明する。
[包装体用フィルム]
図1の包装体用フィルム1は、基材層10と、接着層30と、シーラント層20とがこの順で積層されたものである。即ち、包装体用フィルム1は、基材層10と、シーラント層20と、前記基材層10と前記シーラント層20との間に配された接着層30と、を備える。
包装体用フィルム1の厚さTは、特に限定されないが、例えば、40〜250μmが好ましく、50〜200μmがより好ましく、60〜150μmがさらに好ましい。上記下限値未満では、包装体用フィルム1の強度が低下するおそれがあり、上記上限値超では、包装体用フィルム1の柔軟性が低下して取り扱いが煩雑になるおそれがある。
包装体用フィルム1の水蒸気透過度は0.7〜3.0g/(m・24h)である。水蒸気透過度が0.7g/(m・24h)未満であると、包装体用フィルム1を製袋して包装体とした場合に、該包装体のヘッドスペースで結露が生じ、内容物の透視性が損なわれる。水蒸気透過度が3.0g/(m・24h)超であると、該包装体の外部からの水分の侵入を充分に抑制できず、内容物の変質、劣化を抑制しにくくなる。
包装体用フィルム1の水蒸気透過度は、0.7〜3.0g/(m・24h)であり、1.0〜2.7g/(m・24h)が好ましい。
なお、包装体のヘッドスペースで生じる結露を防止するためには、包装体用フィルムに防曇剤を添加することが考えられる。しかしながら、この場合、内容物への防曇剤の移行(migration)が生じるおそれがある。本発明においては、包装体用フィルム1の水蒸気透過度を特定範囲とすることで、包装体用フィルム1に防曇剤を添加することなく、包装体のヘッドスペースで生じる結露を防止し、内容物の透視性を高められる。
なお、本発明における水蒸気透過度は、JIS K7129(2008)のモコン法により求められる値である。
包装体用フィルム1の酸素透過度は、5cm/(m・atm・24h)[=4.94cm/(m・MPa・24h)]以下が好ましく、3cm/(m・atm・24h)[=2.96cm/(m・MPa・24h)]以下がより好ましく、1cm/(m・atm・24h)[=0.987cm/(m・MPa・24h)]以下がより好ましい。上記上限値以下であれば、内容物の変質、劣化を抑制しやすくなる。
なお、本発明における酸素透過度は、JIS K7126−2のモコン法により求められる値である。
包装体用フィルム1の全光線透過率は65%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましい。全光線透過率が前記下限値以上であると、内容物の視認性が高められる。なお、本発明において全光線透過率は、JIS K7136に準拠して測定される値を示す。
<基材層10>
基材層10は、水蒸気バリア性及び酸素バリア性を有する。
基材層10は、二軸延伸ポリプロピレンの層(OPP層)12と、酸素バリア層14とを備える。
基材層10の厚さT10は、包装体用フィルム1の水蒸気透過度、酸素透過度、強度等を勘案して決定され、例えば、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。上記下限値未満では、包装体用フィルム1の強度が低下するおそれがあり、上記上限値超では、包装体用フィルム1の柔軟性が損なわれ、取り扱いが煩雑になるおそれがある。
≪OPP層12≫
OPP層12は、包装体用フィルム1の表面に位置する。二軸延伸ポリプロピレン(OPP)は、落下強度等の耐衝撃性に優れる。さらに、OPPは、トライボロジー効果に優れ、他の部材と摺動した際に、摩耗されにくく、摩擦熱の発生等が抑制される。包装体用フィルム1は、表面にOPP層12を備えることで、耐衝撃性、耐スクラッチ性が高められる。
また、OPPは、水蒸気バリア性を有している。包装体用フィルム1にOPP層12が備えられることで、包装体用フィルム1に水蒸気バリア性が付与される。
OPP層12の厚さT12は、耐スクラッチ性、耐衝撃性、包装体用フィルム1の水蒸気透過度等を勘案して適宜設定されるが、例えば、10〜50μmが好ましく、15〜35μmがより好ましい。
OPP層12には、帯電防止剤や滑剤等の公知の添加剤が添加されてもよい。これにより、OPP層12のトライボロジー効果がより高められる。
また、OPP層12の水蒸気透過度は、0.7〜3.0g/(m・24h)が好ましく、1.0〜3.0g/(m・24h)が好ましく、1.5〜2.7g/(m・24h)がより好ましい。OPP層12の水蒸気透過度が上記の好ましい範囲であると、包装体用フィルム1の水蒸気透過度を本発明の範囲に調整しやすくなる。
OPP層12は、MD方向(フィルムを製造する際の流れ方向)の配向度αが0.5〜2.5が好ましく、0.7〜2.0がより好ましく、1.0〜1.5がさらに好ましい。前記下限値以上であれば、易開封性がより高められる。前記上限値以下であれば、耐衝撃性がより高められる。
OPP層12は、TD方向(MD方向に垂直な方向)の配向度βが0.2〜2.5が好ましく、0.5〜2.0がより好ましく、0.7〜1.5がより好ましい。前記下限値以上であれば、易開封性がより高められる。前記上限値以下であれば、耐衝撃性がより高められる。
配向度α/配向度βで表される比(以下、α/β比ということがある)は、0.5〜2.0が好ましく、0.5〜1.5がより好ましい。
配向度α及び配向度βは、赤外二色法によって測定された値から算出される。
配向度は、光の電場が一定の方向にしか振動しない直線偏光と呼ばれる光を赤外分光光度計に用い、透過法で測定される。
測定方法としては、まず、偏光子の設置角度を0°(電場の向きは垂直方向)としてBKG(バックグラウンド)測定を行なった後、試料の延伸方向を縦方向に合わせ、吸光度を測定する(このとき偏光方向と延伸軸の方向は平行になる。)。得られた値を吸光度「A//」とする。
次に、試料の角度を90°回転させ、試料の延伸軸と偏光方向を垂直にした状態で吸光度を測定する。得られた値を吸光度「A⊥」とする。
試料の延伸軸に対して平行な偏光と垂直な偏光で得られた二つの吸光度A//及びA⊥の吸光度比を配向度とする。
赤外二色法における測定波数は、測定対象の材質に応じて適宜選択される(『小林靖二、「赤外二色法による分子配向」、高分子学会誌「高分子」、Vol.15、No.175、p.877−883』参照)。
また、配向度は、JIS K7127(1999)に準じて測定される引張弾性率から簡易的に求められる。
≪酸素バリア層14≫
包装体用フィルム1は、酸素バリア層14を備える。酸素バリア層14を構成する樹脂としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール重合体(EVOH)、無機蒸着二軸延伸ナイロン(無機蒸着ONY)、無機蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(無機蒸着二軸延伸PET)等が挙げられる。
これらの樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
また、無機蒸着ONYや無機蒸着二軸延伸PET等の蒸着膜は、アクリルコートなどの樹脂コートと組み合わせたものでも良い。
酸素バリア層14の厚さT14は、材質や構成等を勘案して決定される。酸素バリア層14として無機蒸着フィルムを用いる場合、T14は、例えば、6〜20μmが好ましく、9〜15μmがより好ましい。また、酸素バリア層14として樹脂製フィルムを用いる場合、T14は、例えば、10〜30μmが好ましく、12〜20μmがより好ましい。前記下限値未満では、酸素バリア性が低下するおそれがあり、上記上限値超では、包装体用フィルム1の柔軟性が損なわれ、取り扱いが煩雑になるおそれがある。
OPP層12と、酸素バリア層14との間には、接着層が設けられてもよい。接着層が設けられることで、OPP層12と酸素バリア層14との一体性がより高められ、耐衝撃性がより高められる。接着層としては、後述の接着層30と同様の材料が用いられる。前記接着層の厚さは、特に限定されないが、1〜5μmが好ましく、2〜4μmがより好ましい。
<シーラント層20>
シーラント層20は、包装体用フィルム1のシール性を高める役割を有する。
シーラント層20を構成する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状LDPE(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−ブテン−1共重合体等のポリオレフィン、EVOH、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、アイオノマー等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
シーラント層20の厚さT20は、30〜80μmである。T20が30μm未満であると、耐衝撃性が充分に得られない。T20が80μm超であると、易開封性が損なわれる。T20は、30〜70μmが好ましく、35〜65μmがより好ましく、40〜60μmがさらに好ましい。
シーラント層20は、単層構造でもよいし、多層構造でもよい。
<接着層30>
接着層30は、基材層10とシーラント層20の間に配される。接着層30は、基材層10と、シーラント層20との接着性を高める役割を有する。
接着層30を構成する材料としては、従来公知の材料を用いることができ、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、酸変性ポリオレフィン系等の接着剤、チタネート系、ポリウレタン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系等のアンカーコート剤が挙げられる。
これらの材料は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
接着層30の厚さT30は4.0μm以下である。接着層30と接するシーラント層20は、通常、柔軟性(伸縮性)を有する。接着層30が厚すぎる(4.0μm超である)と、包装体の開封時に接着層30がシーラント層20に追従し、シーラント層20の直線カット性が妨げられ、開封方向が一定に定まらなくなる。
30は3.5μm以下が好ましく、3.0μm以下がより好ましく、2.5μm以下がさらに好ましい。
また、T30の下限は、基材層10とシーラント層20との接着状態が維持されれば特に限定されないが、例えば0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましい。
基材層10とシーラント層20との接着強度は3N/15mm以上である。基材層10とシーラント層20との接着強度が3N/15mm未満であると、耐衝撃性が充分に得られなくなる。さらに、包装体の開封方向の制御が難しくなり、直線カット性が損なわれる。基材層10とシーラント層20との接着強度は、5N/15mm以上が好ましく、7N/15mm以上がより好ましい。基材層10とシーラント層20との接着強度が前記下限値以上であると、基材層10の開封力伝播に追従してシーラント層20が破断しやすくなるため、易開封性が高められやすくなる。
なお、基材層10とシーラント層20との接着強度は、接着層30を構成する接着剤の種類や、主剤と硬化剤の配合比を調節すること等により容易に調整できる。
[包装体用フィルム1の製造方法]
包装体用フィルム1は、従来公知の製造方法に準じて製造される。
包装体用フィルム1の製造方法としては、例えば以下の製造方法Aが挙げられる。
<製造方法A>
製造方法Aは、基材層10を得る工程(基材層製造工程)と、シーラント層20を得る工程(シーラント層製造工程)と、基材層10とシーラント層20との間に接着層30を配し、基材層10とシーラント層20とを積層する工程(積層工程)とを備える。
基材層製造工程で基材層10を得る方法は、基材層10の材質や構成等に応じて、インフレーション法、Tダイ法、共押出法等、従来公知の方法から選択される。
シーラント層製造工程でシーラント層20を得る方法は、シーラント層20の材質や構成等に応じて、従来公知の方法から選択される。
シーラント層20を得る方法としては、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を用いた共押出法等、従来公知の方法から選択される。
積層工程で基材層10とシーラント層20とを積層する方法としては、例えば、基材層10の一方の表面に接着剤を塗布し乾燥した後、シーラント層20を圧着する方法が挙げられる。
[包装体]
本実施形態の包装体は、本実施形態の包装体用フィルム1が用いられたものである。包装体としては、例えば、包装体用フィルム1のシーラント層20同士をヒートシールして製袋された袋が挙げられる。包装体の形態としては、例えば、合掌貼り袋、三方シール袋、四方シール袋、ガゼット袋、スタンド袋等が挙げられる。
また、包装体が三方シール袋、四方シール袋等の場合、側辺に沿って設けられたシールの隅部の内側には、Rシール加工が施されることが好ましい。包装体にRシール加工が施されると、耐衝撃性、耐スクラッチ性がより高められる。
本実施形態の包装体を輸液バッグとして用いる場合、包装体には、ブドウ糖、アミノ酸、ビタミン、脂肪等を含有する製剤が充填され容器入り製剤とされる。この容器入り製剤が医療現場等で使用される際には、前記輸液バッグを引裂いて内容物を他の容器に充填等してもよいし、前記バッグを引裂かずに内容物を使用してもよい。前記バッグを引裂かずに内容物を使用する場合には、予め輸液バッグに注出口等の内容物の取出機構を設けておくことが好ましい。
本実施形態の包装体を輸液バッグの外装体として用いる場合、医療現場等において輸液バッグを使用する際に外装体が引裂かれて輸液バッグが使用される。
以上説明したとおり、本実施形態の包装体用フィルム1は、耐スクラッチ性、耐衝撃性、内容物の透視性に優れ、かつ、易開封性に優れる。このため、本実施形態の包装体用フィルム1は、食品や薬品等の包装体用フィルムとして好適であり、輸液用包装体用フィルムとしてより好適である。なかでも、輸液バッグの外装体用フィルムとして好適である。
本実施形態の包装体用フィルムから製袋された包装体は、耐スクラッチ性、耐衝撃性、内容物の透視性に優れ、かつ、易開封性に優れる。このため、本実施形態の包装体用フィルムから製袋された包装体は、食品や薬品等の包装体として好適であり、輸液用包装体としてより好適である。なかでも、輸液バッグの外装体として好適である。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態にかかる包装体用フィルム100について、図面を参照して説明する。
[包装体用フィルム]
図2の包装体用フィルム100は、基材層110と、接着層130と、シーラント層120とがこの順で積層されたものである。即ち、包装体用フィルム100は、基材層110と、シーラント層120と、前記基材層110と前記シーラント層120との間に配された接着層130と、を備える。
本実施形態において、第一の実施形態と異なる点は、基材層110が単層構造であり、シーラント層120が二層構造とされている点である。
包装体用フィルム100の厚さT100は、包装体用フィルム1の厚さTと同様である。
包装体用フィルム100の水蒸気透過度は、包装体用フィルム1の水蒸気透過度と同様である。
包装体用フィルム100の酸素透過度は、包装体用フィルム1の酸素透過度と同様である。
包装体用フィルム100の全光線透過率は、包装体用フィルム1の全光線透過率と同様である。
<基材層110>
基材層110は、無機蒸着ナイロンの層(無機蒸着NY層)で構成される。無機蒸着ナイロン(無機蒸着NY)は、落下強度等の耐衝撃性に優れる。さらに、無機蒸着NYは、トライボロジー効果に優れ、他の部材と摺動した際に、摩耗されにくく、摩擦熱の発生等が抑制される。包装体用フィルム100は、表面に無機蒸着NY層を備えることで、耐衝撃性、耐スクラッチ性が高められる。
また、無機蒸着NYは、水蒸気バリア性及び酸素バリア性を有している。包装体用フィルム100に無機蒸着NY層が備えられることで、包装体用フィルム100に水蒸気バリア性及び酸素バリア性が付与される。
無機蒸着NYとしては、アルミナが蒸着されたアルミナ蒸着ナイロン、シリカが蒸着されたシリカ蒸着ナイロン等が挙げられる。また、無機蒸着NYとしては、無機蒸着二軸延伸ナイロン(無機蒸着ONY)が好ましい。無機蒸着ONYは、トライボロジー効果により優れており、耐スクラッチ性等がより高められる。また、蒸着膜はアクリルコートなどの樹脂コートと組み合わされてもよい。
基材層110の厚さT110は、耐スクラッチ性、耐衝撃性、包装体用フィルム100の水蒸気透過度及び酸素透過度等を勘案して適宜設定されるが、例えば、8〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
基材層110の配向度αは、OPP層12の配向度αと同様である。
基材層110の配向度βは、OPP層12の配向度βと同様である。
基材層110のα/β比は、OPP層12のα/β比と同様である。
<シーラント層120>
シーラント層120は、第1のシーラント層122と第2のシーラント層124の二層からなること以外は、シーラント層20と同様である。
第1のシーラント層122を構成する樹脂としては、LLDPEが好ましい。第2のシーラント層124を構成する樹脂としては、LDPEが好ましい。
シーラント層120の厚さT120は、シーラント層20の厚さT20と同様である。
また、第1のシーラント層122の厚さT122は、20〜60μmが好ましく、30〜50μmがより好ましい。第2のシーラント層124の厚さT124は、5〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
<接着層130>
接着層130は、基材層110とシーラント層120の間に配される。接着層130は、基材層110と、シーラント層120との接着性を高める役割を有する。
接着層130を構成する材料としては、接着層30と同様の材料が挙げられる。接着層130を構成する材料としては、アンカーコート剤が好ましい。
接着層130の厚さT130は、接着層30の厚さT30と同様である。
基材層110とシーラント層120との接着強度は、基材層10とシーラント層20との接着強度と同様である。
[包装体用フィルム100の製造方法]
包装体用フィルム100は、上記製造方法Aと同様に製造できるほか、例えば以下の製造方法B(サンドイッチラミネート法)により製造される。
<製造方法B>
製造方法B(サンドイッチラミネート法)は、基材層110を得る工程(基材層製造工程)と、第1のシーラント層122を得る工程(第1のシーラント層製造工程)と、基材層110の一方の面上に接着層130を形成する工程(接着層形成工程)と、接着層130上に第2のシーラント層124を形成する溶融樹脂を供給して第2のシーラント層124を形成し、基材層110、接着層130、第2のシーラント層124及び第1のシーラント層122とを積層する工程(積層工程)とを備える。
基材層製造工程で基材層110を得る方法は、包装体用フィルム1の基材層製造工程で基材層10を得る方法と同様である。
第1のシーラント層製造工程で第1のシーラント層122を得る方法は、包装体用フィルム1のシーラント層製造工程でシーラント層20を得る方法と同様である。
接着層形成工程では、基材層110の一方の表面にアンカーコート剤を塗布し乾燥して接着層130を形成する。
積層工程では、基材層110の一方の面に設けられた接着層130上に、第2のシーラント層124を形成する溶融樹脂を供給する。次いで、前記溶融樹脂上に、別の巻出し機等から第1のシーラント層122を送り、基材層110と第1のシーラント層122とを圧着し冷却することで、第2のシーラント層124を形成する。これにより、基材層110と、接着層130と、第2のシーラント層124と、第1のシーラント層122とが積層される。
[包装体]
本実施形態の包装体は、本実施形態の包装体用フィルム100が用いられること以外は、実施形態1の包装体と同様である。
本実施形態の包装体用フィルムによれば、第一の実施形態の包装体用フィルム1と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態の包装体用フィルム100は、酸素バリア層が省略されるため製造コストが抑制される。また、製造工程が簡略化される。
(その他の実施形態)
上記第一の実施形態の包装体用フィルム1においては、基材層10が、OPP層12と酸素バリア層14の二層構造とされたが、これに限定されない。例えばOPP層12と酸素バリア層14との間又は酸素バリア層14と接着層30との間等に、水蒸気バリア層等の層が設けられてもよい。前記水蒸気バリア層を構成する材料としては、例えばOPP、無機蒸着NY、無機蒸着PET等が挙げられる。
また、上記第二の実施形態の包装体用フィルム100においては、基材層110が、無機蒸着NY層からなる単層とされたが、これに限定されない。無機蒸着NY層と接着層130との間に、酸素バリア層や水蒸気バリア層等の層が1層以上設けられてもよい。
以下、実施例を示して本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例において使用した材料は下記のとおりである。
(使用材料)
<基材層>
・OPP:パイレンフィルム−OT(商品名)、東洋紡株式会社製。
・アルミナ蒸着NY:エコシアールVN(商品名)、東洋紡株式会社製。
≪酸素バリア層≫
・EVOH:エバール(商品名)、クラレ株式会社製。
・アルミナ蒸着PET:エコシアールVE(商品名)、東洋紡株式会社製。
<シーラント層>
・LLDPE:リックス(商品名)、東洋紡株式会社製。
・LDPE:ポリスターLD(商品名)、スタープラスチック工業株式会社製。
<基材層(比較成分)>
・PET:ルミラー(商品名)、東レフィルム加工株式会社製。
・CPP(無延伸ポリプロピレン):トレファン3931(商品名)、東レフィルム加工株式会社製。
(実施例1〜6、比較例1〜7)
表1に示す表面層、酸素バリア層及びシーラント層を積層して実施例1,3,4,6及び比較例1〜7の構成に従った包装体用フィルムを製造した。
また、実施例2,5の包装体用フィルムは上述の製造方法B(サンドイッチラミネート法)により製造した。実施例2,5の包装体用フィルムのシーラント層におけるLDPEが第2のシーラント層に相当し、LLDPEが第1のシーラント層に相当する。
但し、実施例2は、参考例である。
Figure 0006898703
(評価方法)
各例で得られた包装体用フィルムを用い、200mm×230mmの平袋を作製した。この平袋に350gの水を入れ、開口部をヒートシールによって封止したものを評価用サンプルとした。
この評価用サンプルについて、耐スクラッチ性、耐衝撃性、内容物の視認性、易開封性(開封力、直線カット性)を以下のように評価した。評価結果を表2に示す。
[耐スクラッチ性の評価]
評価用サンプルの耐スクラッチ性を振動試験により評価した。振動試験は、JIS Z0200−8.4.3に準拠して行われた。試験条件は以下のとおりとした。
振動数:1G/10Hz。
振動方向及び振動時間:X、Y、Z方向に各30分。
振動試験後に、内容物の漏洩がなかったものを「◎」、内容物の漏洩があったものを「×」と評価した。
[耐衝撃性の評価]
評価用サンプルの耐衝撃性を落下試験により評価した。落下試験は、JIS Z0200−8.5.5.2に準拠して行われた。試験条件は以下のとおりとした。
コンクリート面に対して、80cmの高さから水平に配置した評価用サンプルを落下させる。この操作を3回繰り返す。次いでコンクリート面に対して、80cmの高さから垂直に配置した評価用サンプルを落下させる。この操作を3回繰り返す。
落下試験後に、内容物の漏洩がなかったものを「◎」、内容物の漏洩があったものを「×」と評価した。
[内容物の視認性の評価]
評価用サンプルの内容物の視認性を以下のように評価した。
評価用サンプルを、温度40℃、湿度75%RHの環境で24時間保管した。保管後の評価用サンプルの全光線透過率を測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。全光線透過率は、JIS K7136に準拠して測定された値である。なお、全光線透過率の値が高いほど、内容物の視認性に優れると評価できる。
≪内容物の透視性の評価基準≫
◎:全光線透過率が85%以上。
○:全光線透過率が65%以上85%未満。
△:全光線透過率が50%以上65%未満。
×:全光線透過率が50%未満。
[易開封性の評価]
<開封力の評価>
評価用サンプルの開封力を引裂強さ試験により評価した。引裂き強さ試験をJIS Z7128−1に準拠して行い、以下の評価基準に基づいて開封力を評価した。
≪開封力の評価基準≫
◎:引裂き荷重が小さく(3N以下)、かつ、引裂き中の荷重が安定している。
○:引裂き荷重が小さいが(3N以下)、引裂き中に荷重の変動が生じる。
△:引裂き荷重が大きいが(3N超)、引裂き中の荷重が安定している。
×:引裂き荷重が大きく(3N超)、かつ、引裂き中に荷重の変動が生じる。
<直線カット性の評価>
評価用サンプルを上記<開封力の評価>と同様の条件で引裂いた際に、引裂き始めの切り口の位置と、引裂き伝播100mm到達時の切り口の位置との差(底面からの高さの差)を測定し、以下の評価基準に基づいて直線カット性を評価した。この差が小さいほど、直線カット性に優れると評価できる。
≪直線カット性の評価≫
◎:引裂き始めと、引裂き伝播100mm到達時の切り口の位置の差が20mm以内。
×:引裂き始めと、引裂き伝播100mm到達時の切り口の位置の差が20mm超。
[総合評価]
上記耐スクラッチ性、耐衝撃性、内容物の視認性、易開封性の評価において、「△」又は「×」がないものを総合評価「◎」とし、「△」又は「×」が1つ以上あるものを総合評価「×」とした。
Figure 0006898703
表2に示すように、本発明を適用した実施例1〜6の包装体用フィルムを用いた包装体は、耐スクラッチ性、耐衝撃性、内容物の視認性、易開封性に優れることが確認できた。
一方、表面にPETフィルムを備えた包装体用フィルム(比較例1)を用いた場合、耐スクラッチ性が充分に得られなかった。水蒸気透過度が本発明の範囲未満である包装体用フィルム(比較例2)を用いた場合、内容物の視認性が充分に得られなかった。シーラント層の厚さが本発明の範囲超の包装体用フィルム(比較例3)を用いた場合、易開封性(開封力及び直線カット性)が充分に得られなかった。シーラント層の厚さが本発明の範囲未満である包装体用フィルム(比較例4)を用いた場合、耐衝撃性が充分に得られなかった。接着層の厚さが本発明の範囲を超える包装体用フィルム(比較例5)を用いた場合、易開封性(直線カット性)が充分に得られなかった。表面にCPPフィルムを備えた包装体用フィルム(比較例6)を用いた場合、耐スクラッチ性、耐衝撃性、易開封性(開封力及び直線カット性)が充分に得られなかった。基材層とシーラント層の接着強度が本発明の範囲未満の包装体用フィルム(比較例7)を用いた場合、耐衝撃性、易開封性(開封力及び直線カット性)が充分に得られなかった。
以上の結果から、本発明を適用することで、耐スクラッチ性、耐衝撃性、内容物の視認性に優れ、かつ、易開封性に優れる包装体用フィルムが得られることが確認できた。
1、100 包装体用フィルム
10、110 基材層
20、120 シーラント層
30、130 接着層

Claims (4)

  1. 水蒸気バリア性及び酸素バリア性を有する基材層と、シーラント層と、前記基材層と前記シーラント層との間に配された接着層と、を備え、
    前記基材層が、二軸延伸ポリプロピレンの層と、エチレン−ビニルアルコール重合体の層、無機蒸着二軸延伸ナイロンの層又は無機蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートの層とを含み、前記二軸延伸ポリプロピレンの層を表面に備え、
    前記基材層は、接着樹脂層を含まず、
    前記基材層の表面に備えられた層は、MD方向の配向度αが0.5〜2.5であり、
    前記基材層の表面に備えられた層は、TD方向の配向度βが0.2〜2.5であり、
    前記接着層の厚さは4.0μm以下であり、
    前記シーラント層の厚さは35〜60μmであり、
    前記基材層と前記シーラント層との接着強度は3N/15mm以上であり、
    水蒸気透過度が0.7〜3.0g/(m・24h)である、包装体用フィルム。
  2. 水蒸気バリア性及び酸素バリア性を有する基材層と、シーラント層と、前記基材層と前記シーラント層との間に配された接着層と、を備え、
    前記基材層は、無機蒸着ナイロンの層又は二軸延伸ポリプロピレンの層を表面に備え、
    前記基材層は、接着樹脂層を含まず、
    前記基材層の表面に備えられた層は、MD方向の配向度αが0.5〜2.5であり、
    前記基材層の表面に備えられた層は、TD方向の配向度βが0.2〜2.5であり、
    前記接着層の厚さは4.0μm以下であり、
    前記シーラント層の厚さは35〜60μmであり、
    前記基材層と前記シーラント層との接着強度は3N/15mm以上であり、
    水蒸気透過度が0.7〜3.0g/(m・24h)であり、
    輸液バッグの外装用である、包装体用フィルム。
  3. 前記基材層の表面に備えられた層は、前記配向度α/前記配向度βで表される比が、0.5〜2.0である、請求項1又は請求項2に記載の包装体用フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装体用フィルムが製袋された包装体。
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