JP6899997B2 - セラミックス用バインダー樹脂およびセラミックス組成物 - Google Patents
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Description
[1] 下記一般式(1)で示されるモノマー(A)のモル比が10モル%〜50モル%であり、前記モノマー(A)と共重合可能な他のモノマー(B)のモル比が50〜90モル%であり、重量平均分子量が10,000〜1,000,000である重合体からなるセラミックス焼成用バインダー樹脂であって、
前記モノマー(B)が(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする、セラミックス焼成用バインダー樹脂
R1は水素原子またはメチル基を示し、
R2は水素原子、メチル基またはエチル基を示し、
R3は炭素数1〜18のアルキル基を示し、
XおよびYは、それぞれ独立して、NHまたはOを示しており、かつXとYとの少なくとも一方がNHである。)
[4] [2]または[3]のセラミックス組成物からなることを特徴とする、セラミックス成形体。
〔モノマー(A)〕
本発明で用いるモノマー(A)は、下記一般式(1)で示される。
R2は水素原子、メチル基またはエチル基を示すが、アミンまたはアルコールとの反応性の観点からは、水素原子が特に好ましい。
R3は、炭素数1〜18のアルキル基である。炭素数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基などが挙げられ、合成のしやすさとチクソ性の観点から、R3の炭素数は2〜12が好ましく、3〜6がより好ましい。
モノマー(A)は一種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
モノマー(B)は、モノマー(A)と共重合可能なビニル系モノマーであり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物や芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、アクリルアミド化合物などを挙げることができる。
その中でも、樹脂強度と熱分解性の観点から、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好まししく、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレートがさらに好ましい。
本発明の重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレン換算で求めることができ、10,000〜1,000,000であり、好ましくは30,000〜800,000、より好ましくは50,000〜500,000である。重合体の重量平均分子量が低すぎると、シート強度が不足し、重量平均分子量が高すぎると、スラリーが増粘し、塗布性に悪影響が生じるおそれがある。
本発明のモノマー(A)は、ウレア結合もしくはウレタン結合を有するモノマーである。
上記1級アミン化合物としては、例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なかでも、バインダー樹脂組成物のシート強度の観点から、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミンが好ましく、n−ブチルアミンがさらに好ましい。
次に、本発明の重合体を製造する方法について説明する。
本発明における重合体は、モノマー(A)を少なくとも含有するモノマー混合物をラジカル重合させることにより得ることができる。重合は公知の方法で行うことができる。例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられるが、共重合体の重量平均分子量を上記範囲内に調整しやすいという面で、溶液重合や懸濁重合が好ましい。
重合開始剤の使用量は、用いるモノマーの組み合わせや、反応条件などに応じて適宜設定することができる。
本発明の重合体は、セラミックス組成物用のバインダー樹脂として特に好適である。セラミックス組成物は、本発明の重合体の他、セラミックス粒子および有機溶媒を含有する。
セラミックス粒子の中心粒径(D50)、すなわちレーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50は、0.05μm〜50.0μmであるのが好ましい。
下記の表1に、モノマー(A)の構造と略号を示す。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズMOI」)51.2g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n−ブチルアミン24.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA1を得た(収率92%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズMOI」)51.2g、メトキノン0.012g、ジブチルスズジラウレート0.034gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を60℃に保持しながら、n−ブタノールを1時間かけて滴下した。その後、80℃に昇温し、6時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA2を得た(収率95%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(日油株式会社製「ブレンマーE」)、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を60℃に保持しながら、n−ブチルイソシアネートを1時間かけて滴下した。その後、80℃に昇温し、6時間熟成させたのち、40℃まで冷却後、イオン交換水100mLを加え、撹拌、静置した。下層のモノマーA3層を抜き取り、80℃で減圧し、脱水し、モノマーA3を得た(収率70%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズAOI」)46.6g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n−ブチルアミン24.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA4を得た(収率90%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−クリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズAOI」)46.6g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n−ドデシルアミン61.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA5を得た(収率90%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、イソプロパノール250gを仕込み、フラスコ内を窒素置換して、窒素雰囲気下にした。イソブチルメタクリレート(iBMA:製品名:アクリエステルIB(三菱レイヨン(株)製))212.1g、メチルメタクリレート(MMA:製品名:アクリエステルM(三菱レイヨン(株)製)と19.9gモノマーA1
68.0gを混合したモノマー溶液、及びイソプロパノール50gと2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(製品名:V−65(和光純薬工業(株)製))0.3gを混合した重合開始剤溶液をそれぞれ調製した。
イソブチルメタクリレートの使用量を156.3g、メチルメタクリレートの使用量を18.3g、モノマーA1の使用量を125.3gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Bを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を94.3g、メチルメタクリレートの使用量を16.6g、モノマーA1の使用量を189.1gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Cを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を155.8g、メチルメタクリレートの使用量を18.3g、モノマーA1をモノマーA2に変え、126.0g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Dを得た。
モノマーA2をモノマーA3に変えたこと以外は重合例4と同様の手法で共重合体Eを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を160.4g、メチルメタクリレートの使用量を18.8g、モノマーA1をモノマーA4に変え、120.8g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Fを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を132.4g、メチルメタクリレートの使用量を15.5g、モノマーA1をモノマーA5に変え、152.0g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Gを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を133.7g、メチルメタクリレートの使用量を37.7g、モノマーA1の使用量を128.6gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Hを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を109.3g、メチルメタクリレートの使用量を19.2g、モノマーA1の使用量を131.4gに変更し、スチレンを40.0g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Iを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を137.8g、メチルメタクリレートの使用量を19.4g、モノマーA1の使用量を132.5gに変更し、アクリロニトリルを10.3g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Jを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を136.2g、メチルメタクリレートの使用量を19.2g、モノマーA1の使用量を131.0gに変更し、アクリルアミドを13.6g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Kを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を276.6g、モノマーA1の使用量を23.4gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Lを得た。
イソブチルメタクリレートの使用量を215.5g、モノマーA1の代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を84.5g使用したこと以外は重合例1と同様の手法で共重合体Mを得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件により、共重合体A〜Mの重量平均分子量を求めた。
装置:東ソー(株)社製、HLC−8220
カラム:shodex社製、LF−804
標準物質:ポリスチレン
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
検出器:RI(示差屈折率検出器)
バインダー樹脂を30質量部に対し、トルエン35質量部、エタノール35質量部の混合溶媒に溶解させた溶液を、PETフィルム上にバーコーターNo.32にて塗工し、100℃、1時間乾燥後、剥離させ、厚さ30μmの樹脂シートを得た。得られた樹脂シートを1cm×5cmのサイズに切り取り、引張試験機にて、引張り速度10mm/minで樹脂強度を測定し、5回測定した平均値を使用した。
チタン酸バリウム粒子(堺化学製:BT-03)100質量部に対し、高分子ポリカルボン酸系分散剤(日油製:マリアリムAKM-0531)を0.8質量部、トルエン18質量部、エタノール18質量部、粒径1mmのジルコニアボール100質量部をボールミルに入れ、8時間混合後、バインダー樹脂を8質量部、トルエン10質量部、エタノール10質量部を加えさらに12時間混合したのち、ジルコニアボールをろ別し、セラミックスラリーを調製した。そして、セラミックスラリーをドクターブレード法によってキャリアシートであるPETフィルム上に厚さ20μmのシート状に塗布後、90℃、10分間乾燥させ、グリーンシートを作製した。作製したグリーンシートを引張試験機にて、引張り速度10mm/minで強度を測定し、5回測定した平均値を使用した。
共重合体5mgをアルミパンにいれ、TG/DTAにて、空気雰囲気下、昇温速度10℃/分で500℃まで昇温し、サンプルの残存量を測定した。
比較例2では、本発明のモノマー(A)を含有しない共重合体を用いたが、加熱残分は少なくなったが、シート強度が低くなった。
比較例3では、ポリビニルブチラール樹脂を使用し、シート強度は高いが、加熱残分が多くなった。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で示されるモノマー(A)のモル比が10モル%〜50モル%であり、前記モノマー(A)と共重合可能な他のモノマー(B)のモル比が50〜90モル%であり、重量平均分子量が10,000〜1,000,000である重合体からなるセラミックス焼成用バインダー樹脂であって、
前記モノマー(B)が(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする、セラミックス焼成用バインダー樹脂。
(式(1)中、
R1は水素原子またはメチル基を示し、
R2は水素原子、メチル基またはエチル基を示し、
R3は炭素数1〜18のアルキル基を示し、
XおよびYは、それぞれ独立して、NHまたはOを示しており、かつXとYとの少なくとも一方がNHである。)
- 請求項1記載のバインダー樹脂、有機溶媒およびセラミックス粒子を含有することを特徴とする、セラミックス焼成用組成物。
- 前記セラミックス粒子100質量部に対して、前記バインダー樹脂を0.5〜30質量部および前記有機溶媒を10〜200質量部含有することを特徴とする、請求項2記載のセラミックス焼成用組成物。
- 請求項2または3記載のセラミックス組成物からなることを特徴とする、セラミックス焼成用成形体。
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